JP5096069B2 - 光学積層体、偏光板、及び、画像表示装置 - Google Patents
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Description
n C <n B <n A (1)
上記内部散乱粒子に内包された微粒子は、屈折率が1.55以上であり、かつ、酸化チタン、酸化亜鉛、ジルコニア及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。
上記内部散乱粒子は、更に外郭部に平均粒径が1μm以下の物理吸着した外郭付着粒子を有するものであってもよい。
本発明は、上述の光学積層体を備えることを特徴とする自発光型画像表示装置でもある。
本発明は、偏光素子を備えてなる偏光板であって、上記偏光素子の表面に、上述の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板でもある。
本発明は、表面に上述の光学積層体、又は、上述の偏光板を備えることを特徴とする非自発光型画像表示装置でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明の光学積層体は、光透過性基材と、該光透過性基材上に設けられた内部散乱粒子を含有する内部散乱層とを有するものである。
上記内部散乱層に含まれる内部散乱粒子は、平均粒径の下限が1μm、上限が10μmであり、かつ、平均粒径の下限が5nm、上限が300nmの有機材料及び/又は無機材料からなる微粒子(以下、内包微粒子ともいう)を内包している。本発明の光学積層体は、上記内部散乱粒子を含有することにより、優れたコントラストと内部散乱効果を兼ね備えたものである。
このような内部散乱粒子を含有することにより、優れたコントラストと内部散乱効果を兼ね備えるという効果が得られるのは、上記内包微粒子を包み込む粒子マトリックス成分からなる内部散乱粒子の屈折率と、該内部散乱粒子を包み込む後述するマトリックス樹脂からなる内部散乱層の屈折率との差を小さくすることができるため、内部散乱粒子同士の多重散乱が抑えられ、C/R低下を防ぐことが可能になったと推測される。ただし、これだけでは内部散乱粒子と内部散乱層のマトリックス樹脂との屈折率差が小さく充分な内部散乱性が得られない。そのため、上記に加えて屈折率を制御した複数の分散した内部散乱粒子を内部散乱層に内包させることにより、所望の内部散乱性が得られると推測される。
上記内部散乱粒子の平均粒径が1μm未満であると、本発明の光学積層体を用いてなる画像表示装置のコントラストが低下し、充分なギラツキ防止効果が得られない。上記内部散乱粒子の平均粒径が10μmを超えると、本発明の光学積層体の膜厚が粒径以上に必要になり、膜厚アップによるクラックの発生が顕著になる。なお、上記平均粒径は、SEM、TEM観察より測定できる。
また、上記内部散乱粒子は、凝集粒子であってもよく、凝集粒子である場合は、二次粒径が上記範囲内であることが好ましい。平均粒径とは、単分散型の粒子(形状が単一な粒子)であれば、その平均粒径を表し、ブロードな粒度分布を持つ不定形型の粒子であれば、粒度分布測定により、最も多く存在する粒子の粒径を平均粒径として表している。
上記内包微粒子の形状としては特に限定されず、例えば、球状、回転楕円体状、薄板状、針状等を挙げられる。上記内包微粒子の平均粒径は、球状である場合、下限が5nm、上限が300nmである。上記内包微粒子形状が球状以外である場合は、最大長さの下限が5nm、上限が300nmとなる。
上記内包微粒子の平均粒径が5nm未満であると、所望の内部散乱が得られないためギラツキ改良効果を得られなくなり、300nmを超えると、C/R低下を充分に抑えることができない。上記内包粒子の平均粒径の好ましい下限20nm、好ましい上限は150nmである。なお、上記平均粒径は、SEM、TEM観察より測定できる。また、上記内部散乱層中の内包微粒子が球状以外である場合、その最大長さの測定方法としては、例えば、上記内部散乱層を任意の位置で切断した断面をSEM、TEM観察し、少なくとも10個の内包微粒子の最大長さを測定し、その平均値を算出する方法が挙げられる。
また、上記内包微粒子は、凝集粒子であってもよく、凝集粒子である場合は、二次粒径が上記範囲内であることが好ましい。平均粒径とは、単分散型の粒子(形状が単一な粒子)であれば、その平均粒径を表し、ブロードな粒度分布を持つ不定形型の粒子であれば、粒度分布測定により、最も多く存在する粒子の粒径を平均粒径として表している。
ここで、「内包微粒子を内包している」とは、内部散乱粒子を構成する粒子マトリックス成分とは異なる有機材料及び/又は無機材料からなる複数個の内包微粒子が分散した状態を意味し、好ましくは、後述する内部散乱粒子中の内包微粒子の体積分率を満たす範囲で内包微粒子が内部散乱粒子中に複数個含まれていることである。
図1に示すように、内部散乱粒子10は、有機樹脂からなる粒子マトリックス成分12中に内包微粒子11が分散している状態であることが好ましく、内包微粒子11は、内部散乱粒子10の表面に露出していないことが好ましい。
ただし、上記内包微粒子は、内部散乱粒子の表面に露出していてもよく、この場合、露出している内包微粒子の表面積が、内部散乱粒子の表面積の20%以下であることが好ましい。20%を超えると、優れたコントラストと内部散乱効果を兼ね備えた内部散乱層とすることができないことがある。
上記有機材料としては特に限定されず、例えば、透明なスチレン樹脂等の各種の有機樹脂が使用できる。
上記有機材料の屈折率は1.55以上であることが好ましい。屈折率が1.55未満であると、後述するように、屈折率の好ましい範囲が1.45〜1.65である内部散乱層のマトリックス樹脂、及び、屈折率の好ましい範囲が1.50以上である内部散乱粒子の粒子マトリックス成分との屈折率差が小さくなり所望の内部散乱性が得られない恐れがある。
上記有機樹脂としては、屈折率が1.50以上であれば特に限定されず、例えば、スチレン樹脂、イソシアネート化合物、エステル系化合物、アクリル系のモノマー成分同士若しくはこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマー等が挙げられる。
また、上記アクリル系のモノマー成分とこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等が挙げられる。
また、上記アクリル系のモノマー成分とこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等が挙げられる。なかでも、芳香族系イソシアネート、又は、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等が好適に用いられる。
上記マトリックス樹脂は、上記内部散乱層のバインダー樹脂として機能するものである。上記マトリックス樹脂としては特に限定されず、硬化反応性を有する樹脂を含有することが好ましい。上記硬化反応性を有する樹脂としては特に限定されず、例えば、紫外線若しくは電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、又は、熱硬化型樹脂の三種類が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
また、本発明の好ましい態様によれば、少なくとも電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂とを含む。
上記1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
上記2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能化合物と(メタ)アルリレート等の反応生成物(例えば多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートエステル)、等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。
上記光重合開始剤の具体例としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。
また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤としては、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂としては一般的に例示されるものが利用される。上記溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。好ましい熱可塑性樹脂の具体例としては、一般的に例示されるものが利用されるが、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及び、ゴム又はエラストマー等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を併用して使用することもできる。
nC<nB<nA (1)
式(1)を満たすことにより、内包微粒子の内部と硬化反応性を有する樹脂との屈折率差を保つことができ、結果として高い光散乱性を示しつつ、界面反射を抑制することで優れたコントラストも得ることができる。
なお、上記内包微粒子が複数の原料からなるものである場合、上記屈折率nAは、各内包微粒子の有する屈折率の平均値である。
なお、上記マトリックス樹脂が複数の樹脂を含有する混合物である場合、このような混合物からなるマトリックス樹脂の屈折率nCとは、以下の方法により算出された値である。
すなわち、上記内部散乱粒子を含むマトリックス樹脂のサンプルフィルムを作製し、サンプルフィルムを斜め切削し、アルバック・ファイ社製TOF−SIMSを用いて、内部散乱粒子以外の成分の分子を検出する。検出された分子の屈折率を、セイシン企業が開示している分子の屈折率一覧表或いはPolymer Handbook(John Wiley & Sons)を参考に算出する。
上記内部散乱粒子を含むサンプルフィルムを作製し、サンプルフィルムを斜め切削し、アルバック・ファイ社製TOF−SIMSを用いて、内部散乱粒子の内包微粒子と該内包微粒子以外の成分の分子を検出する。検出された分子の屈折率を、セイシン企業が開示している分子の屈折率一覧表或いはPolymer Handbook(John Wiley & Sons)を参考に算出する。例えば、ポリスチレンは1.59、メタクリル酸メチル樹脂は1.49である。メタクリル酸メチル−スチレン共重合体は、TOF−SIMSによってメタクリル酸メチルとスチレンの組成を検出し、各々の屈折率から算出した。更に、酸化チタン、酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化亜鉛等の無機材料についても同様に分子構造と組成の検出を行い、屈折率を算出した。
上記溶剤としては、マトリックス樹脂の種類及び溶解性に応じて選択し使用することができ、少なくとも固形分(複数のポリマー及び硬化反応性を有する樹脂前駆体、重合開始剤、その他添加剤)を均一に溶解できる溶剤であればよい。そのような溶剤としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等が挙げられ、これらの混合溶剤であってもよい。
上記レベリング剤としては、光透過性基材が耐熱性の要求されるフィルム状のもの(例えばトリアセチルセルロース)に好適に利用される。
なお、上記その他の防眩性粒子の平均粒径は、上述の方法により測定することができる。
有機系材料により形成されてなるその他の防眩性微粒子の具体例としては、例えば、プラスチックビーズが挙げられる。上記プラスチックビーズの具体例としては、例えば、スチレンビーズ(屈折率1.60)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49〜1.53)、アクリルースチレンビーズ(屈折率1.54)、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合体(屈折率1.68)、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体(屈折率1.68)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等が挙げられる。上記プラスチックビーズは、その表面に疎水性基を有することが好ましく、例えば、スチレンビーズを挙げることができる。
無機系材料からなるその他の防眩性微粒子としては、例えば、不定形シリカ等が挙げられる。
上記不定形シリカの含有量は、マトリックス樹脂に対して1〜30質量部であることが好ましい。内部散乱層形成用組成物の粘度上昇を生じることなく上記不定形シリカの分散性を良好なものとするために、平均粒径や、添加量を変更させるとともに、粒子表面への有機物処理の有無も変更して使用することができる。粒子表面に有機物処理を施す場合には、疎水化処理が好ましい。なお、上記不定形シリカの平均粒径は、上述の方法により測定することができる。
上記内部散乱層形成用組成物の塗布後に、必要に応じて乾燥や紫外線硬化、電子線硬化等を行うことにより、上記内部散乱層形成用組成物中の上記硬化反応性を有する樹脂が硬化して上記内部散乱層が形成される。
上記内部散乱層の膜厚は、断面を電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)で観察し、測定することができる。
共焦点レーザー顕微鏡(LeicaTCS−NT:ライカ社製:倍率「300〜1000倍」)にて、光学積層体の断面を透過観察し、界面の有無を判断し下記の測定基準により測定することができる。具体的には、ハレーションのない鮮明な画像を得るため、共焦点レーザー顕微鏡に、湿式の対物レンズを使用し、かつ、光学積層体の上に屈折率1.518のオイルを約2ml乗せて観察し判断する。オイルの使用は、対物レンズと光学積層体との間の空気層を消失させるために用いる。
測定手順
1:レーザー顕微鏡観察により平均層厚を測定した。
2:測定条件は、上記の通りであった。
3:1画面につき 凹凸の最大凸部、最小凹部の基材からの層厚を1点ずつ計2点測定し、それを5画面分、計10点測定し、平均値を算出し、これを、内部散乱層の膜厚とする。このレーザー顕微鏡は、各層に屈折率差があることによって非破壊断面観察をすることができる。また、各層の組成の違いで観察できるSEM及びTEM断面写真の観察を用いて、5画面分の観察を行うことで同様に求めることができる。
光透過性基材は、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。上記光透過性基材を形成する材料の具体例としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ(株)製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記低屈折率層は、外部からの光(例えば蛍光灯、自然光等)が光学積層体の表面にて反射する際、その反射率を低くするという役割を果たす層である。これらの低屈折率層は、その屈折率が1.45以下、特に1.42以下であることが好ましい。
また、低屈折率層の乾燥厚みは限定されないが、通常は30nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
dA=mλ/(4nA) (I)
(上記式中、nAは低屈折率層の屈折率を表し、mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)を満たすものが好ましい。
120<nAdA<145 (II)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
上記防汚層は、本発明の光学積層体の最表面に汚れ(指紋、水性又は油性のインキ類、鉛筆等)が付着しにくく、又は付着した場合でも容易に拭取ることができるという役割を担う層である。本発明の好ましい態様によれば、低屈折率層の最表面の汚れ防止を目的として防汚層を設けても良く、特に低屈折率層が形成された光透過性基材の一方の面と反対の両側に防汚層が設けることが好ましい。防汚層の形成により、光学積層体に対して防汚性と耐擦傷性のさらなる改善を図ることが可能となる。低屈折率層がない場合でも、最表面の汚れ防止を目的として防汚層を設けても良い。
本発明の光学積層体は、更に帯電防止層を有するものであってもよい。上記帯電防止層は、防汚染剤及び樹脂を含む組成物により形成することができる。上記樹脂としては特に限定されず、上述の内部散乱層形成用組成物で例示した樹脂を挙げることができる。
上記偏光素子としては特に限定されず、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を使用することができる。上記偏光素子と本発明の光学積層体とのラミネート処理においては、光透過性基材(好ましくは、トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。
微粒子酸化チタン(テイカ(株)社製、MT−600B、平均粒径50nm)18.67部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)社製、DISPER BYK−163)3.73部、KAYARAD PET−30(日本化薬(株)社製)7.47部、重合開始剤イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.41部を、69.7部のメチルイソブチルケトンに加え、この溶液をビーズミル分散機ZRS(アシザワ・ファインテック(株)社製)にて分散し、内包微粒子分散液(1)を調製した。
微粒子ジルコニア(東ソー(株)社製、TZ−3Y−E、平均粒径50nm)18.67部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)社製、DISPER BYK−163)3.73部、KAYARAD PET−30(日本化薬(株)社製)7.47部、重合開始剤イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.41部を、69.7部のメチルイソブチルケトンに加え、この溶液をビーズミル分散機ZRS(アシザワ・ファインテック(株)社製)にて分散し、内包微粒子分散液(2)を調製した。
超微粒子酸化亜鉛(住友大阪セメント(株)社製、平均粒径50nm)18.67部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)社製、DISPER BYK−163)3.73部、KAYARAD PET−30(日本化薬(株)社製)7.47部、重合開始剤イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.41部を、69.7部のメチルイソブチルケトンに加え、この溶液をビーズミル分散機ZRS(アシザワ・ファインテック(株)社製)にて分散し、内包微粒子分散液(3)を調製した。
超微粒子アルミナ(日本軽金属(株)社製、平均粒径50nm)18.67部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)社製、DISPER BYK−163)3.73部、KAYARAD PET−30(日本化薬(株)社製)7.47部、重合開始剤イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.41部を、69.7部のメチルイソブチルケトンに加え、この溶液をビーズミル分散機ZRS(アシザワ・ファインテック(株)社製)にて分散し、内包微粒子分散液(4)を調製した。
イオン交換水695部、製造例1で調製した内包微粒子分散液(1)100部、ドデシル硫酸ナトリウム5部、酢酸エチル80部を加え、良く撹拌した。そこに、スチレン/メタクリル酸メチル(MMA)(重量比50/50)の混合溶液を286部加えた後、得られた混合溶液をTKホモミキサー[特殊機化工業(株)製]を用いて12000rpm、2分間撹拌した。その後、耐圧反応容器に移し、40℃まで昇温しながら常圧で脱溶剤することにより、実施例1に係る内部散乱粒子(1)を得た。得られた内部散乱粒子(1)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、並びに、内包微粒子の粒径及び屈折率を表1に示す。
スチレン/メタクリル酸メチル(MMA)の重量比を100/0にした以外は、製造例5と同様にして、実施例2に係る内部散乱粒子(2)を調製した。得られた内部散乱粒子(2)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。
反応器にネオペンチルグリコール200部、エチレングリコール93部、テレフタル酸355部を投入し、230℃に加熱し生成する水を留去しながら2時間反応を進めた。その後0.2部のジブチルチンオキサイドを添加し、酸価が0.5以下になるまで反応を続けることで、両末端に水酸基を有し、数平均分子量7000、水酸基価17のポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂)を得た。
ビーカー内に、得られたポリエステル樹脂を93部、MEKオキシムブロックされたHDIトリマー(旭化成製、スミジュール)7部、及び、テトラヒドロフラン100部を混合しておき、これを内包微粒子分散液(1)100部に添加した後、ウルトラディスパーサー(ヤマト科学製)を使用して、回転数9000rpmで1分間混合し、平均粒径を4μmとした。混合後、攪拌棒及び温度計をセットした4つ口フラスコにこの混合液を投入し、常温、減圧下で10時間脱溶剤した。次いでウレタン化触媒[TEDA、東ソー社製]0.1部、耐光安定剤[DIC−TBS、大日本インキ化学工業社製]0.1部、レオロジー調整剤[SNシックナー−651、サンノプコ社製]3.0部を加え、実施例3に係る内部散乱粒子(3)を得た。得られた内部散乱粒子(3)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。
内包微粒子及び内部散乱粒子の主原料である粒子マトリックス成分を、下記表1に示す材料となるよう適宜変更した以外は、製造例5〜7と同様にして実施例4〜11に係る内部散乱粒子(4)〜(11)を調製した。得られた内部散乱粒子(4)〜(11)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。
耐圧反応容器に、イオン交換水735部、ドデシル硫酸ナトリウム50部、過硫酸アンモニウム5部、炭酸水素ナトリウム10部を仕込み、反応容器内の空気を窒素で置換した後、反応容器を密閉として80℃まで昇温した。ついで、スチレン/メタクリル酸/ブチルアクリレート(重量比30/30/40)の混合モノマー200部を2時間かけて滴下した。更に、同温度で2時間熟成し、外郭付着粒子(1)を得た。得られた外郭付着粒子(1)の平均粒径は50nmであった。
混合モノマーの滴下時間を1時間にした以外は、製造例9と同様にして外郭付着粒子(2)を調製した。得られた外郭付着粒子(2)の平均粒径は100nmであった。
製造例5にて得られた内部散乱粒子(1)900部に、外殻付着粒子(1)100部をハイブリダイゼーションシステム[株式会社奈良機械製作所製]に充填し、12000rpm、50秒処理することにより、外郭付着粒子(1)を付着させた実施例12に係る内部散乱粒子(12)を得た。得られた内部散乱粒子(12)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。なお、外郭付着粒子(1)の体積分率は、内部散乱粒子(1)の18%であった。
外殻付着粒子(1)を外郭付着粒子(2)に変えた以外は、製造例11と同様にして、外郭付着粒子(2)を付着させた実施例13に係る内部散乱粒子(13)を得た。得られた内部散乱粒子(13)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。なお、外郭付着粒子(2)の体積分率は、内部散乱粒子(13)の13%であった。
製造例6で内包微粒子分散液(1)を添加しなかった以外は、製造例6と同様にして、比較例1に係る内部散乱粒子(14)を調製した。得られた内部散乱粒子(14)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径を表1に示す。
TKホモミキサーの攪拌条件を変更したこと以外は、製造例6と同様にして、比較例2〜4に係る内部散乱粒子(15)〜(17)を調製した。得られた内部散乱粒子(15)〜(17)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬製、屈折率1.51)
65質量部
イソシアヌル酸変性ジアクリレートM215(東亞合成(株)製) 35質量部
ポリメチルメタクリレート(分子量75,000) 10質量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 6質量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 1質量部
(内部散乱粒子)
内部散乱粒子(1)(表1記載の粒子/バインダー樹脂比となるように配合量を調節した。)
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤 大日精化(株)製 0.045質量部
(溶剤)
トルエン 64質量部
シクロヘキサノン 16質量部
上記材料を充分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して固形分30質量%の実施例1に係る内部散乱層形成用組成物(1)を調製した。
内部散乱粒子(1)に代えて、内部散乱粒子(2)〜(17)を、その配合量が表1記載の粒子/バインダー樹脂比となるように調整したこと以外は、製造例15と同様にして実施例2〜13及び比較例1〜4に係る内部散乱層形成用組成物(2)〜(17)を調製した。
トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士写真フィルム製、TF80UL、厚さ80μm)を透明基材として用い、内部散乱層形成用組成物(1)を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて乾燥膜厚4μmとなるように塗布し、70℃のオーブン中で2分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が130mJになるよう照射して塗膜を硬化させ内部散乱層を形成し、膜厚4.2μmの光学積層体を得た。
内部散乱層形成用組成物(1)の代わりに内部散乱層形成用組成物(2)〜(17)を使用した以外は、実施例1と同様にして表1に示す膜厚の光学積層体を製造した。
内部ヘイズ値は、JIS K−7136に従って測定した。なお、測定機器として、反射・透過率計HM−150(村上色彩技術研究所)を使用した。
(偏光板の作製)
光学積層体を55℃、2規定のNaOH水溶液で2分けん化した後、片面にTF80ULを貼り合わせた偏光板に、光学積層体の塗工面でない側を偏光子表面に貼合し、偏光板(A)を作製した。
(正面C/R低下率測定)
ソニー製 BRAVIA27インチのパネルの液晶セル表面側に偏光板(A)を、液晶セル裏面側には、偏光子両側にトリアセチルセルロースを貼合した偏光板をクロスニコル配置になるように貼合し、トプコンテクノハウス社製BM−5輝度計を用いてC/Rを測定した。偏光板(A)として、内部散乱層を含まない光学積層体のC/Rは890であった。なお、内部散乱層を含む光学積層体である実施例1ではC/Rが863であり、C/R低下率は3%であった。
HAKUBA製ビュアー(ライトビュアー7000PRO)上に、0.7mm厚みのガラスに形成されたブラックマトリクスパターン板(105ppi、140ppi)を、パターン面を下にして置き、その上に得られた光学積層体フィルムを凹凸面を空気側にして載せて、フィルムが浮かないようにフィルムの縁を指で軽く押さえながら、暗室にてギラツキを目視観察し、以下の基準にて評価した。
評価基準
評価◎:140ppiでギラツキがなく良好
評価○:105ppiでギラツキがなく良好
評価△:105ppiでギラツキがみえ不良
製造した光学積層体を直径0.5cmの金属ロールに巻きつけたときのクラック発生の有無を目視により確認し、以下の基準にて評価した。
評価基準
評価○:クラックなし
評価×:クラックあり
調製した内部散乱層形成用組成物中の内部散乱粒子の1日経過後の沈降状態を目視により確認し、以下の基準にて評価した。
評価基準
評価○:粒子沈降なし
評価△:粒子沈降するが、撹拌後均一に分散
評価×:粒子沈降し、撹拌後も分散せず
11 内包微粒子
12 バインダー成分
Claims (8)
- 光透過性基材と、該光透過性基材上に設けられた内部散乱粒子を含有する内部散乱層とを有する光学積層体であって、
前記内部散乱粒子は、平均粒径が1〜10μmであり、屈折率1.50以上の有機樹脂からなる粒子マトリックス成分を含有しており、かつ、平均粒径が5〜300nmの有機材料及び/又は無機材料からなる屈折率が1.55以上の微粒子を内包しており、
前記内部散乱層は、マトリックス樹脂中に前記内部散乱粒子が分散しており、
前記内部散乱粒子に内包された微粒子の屈折率をn A 、内部散乱粒子の内包された微粒子以外の成分の屈折率をn B 、マトリックス樹脂の屈折率をn C とすると、n A 、n B 及びn C は、下記式(1)を満たす
ことを特徴とする光学積層体。
n C <n B <n A (1) - 内部散乱粒子は、内包された微粒子の体積分率{=(内包された微粒子の合計体積/内部散乱粒子の体積)×100}が30%以下である1記載の光学積層体。
- 内部散乱粒子に内包された微粒子は、屈折率が1.55以上であり、かつ、酸化チタン、酸化亜鉛、ジルコニア及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種を含有する請求項1又は2記載の光学積層体。
- 内部散乱粒子は、更に外郭部に平均粒径が1μm以下の物理吸着した外郭付着粒子を有する請求項1、2又は3記載の光学積層体。
- 反射防止用積層体として用いられる請求項1、2、3又は4記載の光学積層体。
- 最表面に請求項1、2、3、4又は5記載の光学積層体を備えることを特徴とする自発光型画像表示装置。
- 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
前記偏光素子の表面に、請求項1、2、3、4又は5記載の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板。 - 最表面に請求項1、2、3、4又は5記載の光学積層体、又は、請求項7記載の偏光板を備えることを特徴とする非自発光型画像表示装置。
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