JP5096069B2 - 光学積層体、偏光板、及び、画像表示装置 - Google Patents

光学積層体、偏光板、及び、画像表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学積層体、偏光板、及び、画像表示装置に関するものである。
陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等の画像表示装置においては、一般に最表面には反射防止のための光学積層体が設けられている。このような反射防止用光学積層体は、光の散乱や干渉によって、像の写り込みを抑制したり反射率を低減したりするものである。
このような反射防止用光学積層体の一つとして、透明性基材の表面に凹凸形状を有する防眩層を形成した防眩性積層体が知られている。このような防眩性積層体は、表面の凹凸形状によって外光を散乱させて外光の反射や像の写り込みによる視認性の低下を防止することができる。防眩性積層体としては、粒子によって凹凸を形成したものや(特許文献1)、エンボス賦型処理を施すことにより凹凸形状としたものが知られている(特許文献2、3)。
このような防眩性積層体を画像表示装置表面に使用した場合、表面の凹凸形状が微細なレンズの役割を果たすため、透過光が防眩性積層体の凹凸形状面を透過するとき、表示される画素等を乱してしまう状態「ギラツキ」が生じ易いという問題もある。
この「ギラツキ」を解消する方法としては、鮮明度を高める目的で表面凹凸を緻密にしたり、又は、防眩層を形成する樹脂と屈折率差のある内部散乱粒子を添加することにより防眩性積層体に内部散乱効果を付与したりする等の手法が知られている。
しかしながら、上述のような内部散乱粒子を配合すると、黒輝度が低下し、結果としてコントラストの低下という問題を発生するおそれがある。このため、ギラツキを解消するための適度な内部散乱効果と優れたコントラストを両立できる光学積層体の開発が望まれている。
特開平6−18706号公報 特開平6−16851号公報 特開2004−341070号公報
本発明の目的は、良好な防眩性を保ちつつ、良好なコントラストとギラツキ防止効果を両立した光学積層体を提供することにある。
本発明は、光透過性基材と、該光透過性基材上に設けられた内部散乱粒子を含有する内部散乱層とを有する光学積層体であって、前記内部散乱粒子は、平均粒径が1〜10μmであり、屈折率1.50以上の有機樹脂からなる粒子マトリックス成分を含有しており、かつ、平均粒径が5〜300nmの有機材料及び/又は無機材料からなる屈折率が1.55以上の微粒子を内包しており、上記内部散乱層は、マトリックス樹脂中に上記内部散乱粒子が分散しており、上記内部散乱粒子に内包された微粒子の屈折率をn 、内部散乱粒子の内包された微粒子以外の成分の屈折率をn 、マトリックス樹脂の屈折率をn とすると、n 、n 及びn は、下記式(1)を満たすことを特徴とする光学積層体に関する。
<n <n (1)
記内部散乱粒子は、内包された微粒子の体積分率{=(内包された微粒子の合計体積/内部散乱粒子の体積)×100}が30%以下であることが好ましい。
上記内部散乱粒子に内包された微粒子は、屈折率が1.55以上であり、かつ、酸化チタン、酸化亜鉛、ジルコニア及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種を含有することが好ましい。
記内部散乱粒子は、更に外郭部に平均粒径が1μm以下の物理吸着した外郭付着粒子を有するものであってもよい。
上記光学積層体は、反射防止用積層体として好適に用いられる。
本発明は、上述の光学積層体を備えることを特徴とする自発光型画像表示装置でもある。
本発明は、偏光素子を備えてなる偏光板であって、上記偏光素子の表面に、上述の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板でもある。
本発明は、表面に上述の光学積層体、又は、上述の偏光板を備えることを特徴とする非自発光型画像表示装置でもある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
以下、本発明において使用する基材、組成物を具体的に説明する。なお、本発明では、特別な記載がない限り、モノマー、オリゴマー、プレポリマー等の硬化性樹脂前駆体を、“樹脂”と記載する。
内部散乱層
本発明の光学積層体は、光透過性基材と、該光透過性基材上に設けられた内部散乱粒子を含有する内部散乱層とを有するものである。
上記内部散乱層に含まれる内部散乱粒子は、平均粒径の下限が1μm、上限が10μmであり、かつ、平均粒径の下限が5nm、上限が300nmの有機材料及び/又は無機材料からなる微粒子(以下、内包微粒子ともいう)を内包している。本発明の光学積層体は、上記内部散乱粒子を含有することにより、優れたコントラストと内部散乱効果を兼ね備えたものである。
このような内部散乱粒子を含有することにより、優れたコントラストと内部散乱効果を兼ね備えるという効果が得られるのは、上記内包微粒子を包み込む粒子マトリックス成分からなる内部散乱粒子の屈折率と、該内部散乱粒子を包み込む後述するマトリックス樹脂からなる内部散乱層の屈折率との差を小さくすることができるため、内部散乱粒子同士の多重散乱が抑えられ、C/R低下を防ぐことが可能になったと推測される。ただし、これだけでは内部散乱粒子と内部散乱層のマトリックス樹脂との屈折率差が小さく充分な内部散乱性が得られない。そのため、上記に加えて屈折率を制御した複数の分散した内部散乱粒子を内部散乱層に内包させることにより、所望の内部散乱性が得られると推測される。
上記内部散乱粒子の形状としては特に限定されず、例えば、球状、回転楕円体状、薄板状、針状等を挙げられる。上記内部散乱粒子の平均粒径は、球状である場合、下限が1μm、上限が10μmである。形状が球状以外である場合は、最大長さの下限が1μm、上限が10μmとなる。
上記内部散乱粒子の平均粒径が1μm未満であると、本発明の光学積層体を用いてなる画像表示装置のコントラストが低下し、充分なギラツキ防止効果が得られない。上記内部散乱粒子の平均粒径が10μmを超えると、本発明の光学積層体の膜厚が粒径以上に必要になり、膜厚アップによるクラックの発生が顕著になる。なお、上記平均粒径は、SEM、TEM観察より測定できる。
また、上記内部散乱粒子は、凝集粒子であってもよく、凝集粒子である場合は、二次粒径が上記範囲内であることが好ましい。平均粒径とは、単分散型の粒子(形状が単一な粒子)であれば、その平均粒径を表し、ブロードな粒度分布を持つ不定形型の粒子であれば、粒度分布測定により、最も多く存在する粒子の粒径を平均粒径として表している。
上記内部散乱粒子は、平均粒径の下限が5nm、上限が300nmの有機材料又は無機材料からなる微粒子(内包微粒子)を多数内包するものである。
上記内包微粒子の形状としては特に限定されず、例えば、球状、回転楕円体状、薄板状、針状等を挙げられる。上記内包微粒子の平均粒径は、球状である場合、下限が5nm、上限が300nmである。上記内包微粒子形状が球状以外である場合は、最大長さの下限が5nm、上限が300nmとなる。
上記内包微粒子の平均粒径が5nm未満であると、所望の内部散乱が得られないためギラツキ改良効果を得られなくなり、300nmを超えると、C/R低下を充分に抑えることができない。上記内包粒子の平均粒径の好ましい下限20nm、好ましい上限は150nmである。なお、上記平均粒径は、SEM、TEM観察より測定できる。また、上記内部散乱層中の内包微粒子が球状以外である場合、その最大長さの測定方法としては、例えば、上記内部散乱層を任意の位置で切断した断面をSEM、TEM観察し、少なくとも10個の内包微粒子の最大長さを測定し、その平均値を算出する方法が挙げられる。
また、上記内包微粒子は、凝集粒子であってもよく、凝集粒子である場合は、二次粒径が上記範囲内であることが好ましい。平均粒径とは、単分散型の粒子(形状が単一な粒子)であれば、その平均粒径を表し、ブロードな粒度分布を持つ不定形型の粒子であれば、粒度分布測定により、最も多く存在する粒子の粒径を平均粒径として表している。
上記内部散乱粒子は、内包微粒子を内包している。
ここで、「内包微粒子を内包している」とは、内部散乱粒子を構成する粒子マトリックス成分とは異なる有機材料及び/又は無機材料からなる複数個の内包微粒子が分散した状態を意味し、好ましくは、後述する内部散乱粒子中の内包微粒子の体積分率を満たす範囲で内包微粒子が内部散乱粒子中に複数個含まれていることである。
図1は、上記内部散乱粒子の一例を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、内部散乱粒子10は、有機樹脂からなる粒子マトリックス成分12中に内包微粒子11が分散している状態であることが好ましく、内包微粒子11は、内部散乱粒子10の表面に露出していないことが好ましい。
ただし、上記内包微粒子は、内部散乱粒子の表面に露出していてもよく、この場合、露出している内包微粒子の表面積が、内部散乱粒子の表面積の20%以下であることが好ましい。20%を超えると、優れたコントラストと内部散乱効果を兼ね備えた内部散乱層とすることができないことがある。
上記内部散乱粒子は、上記内包微粒子の体積分率{=(内包粒子の合計体積/内部散乱粒子の体積)×100}が30%以下であることが好ましい。30%を超えると、C/R低下を充分に抑えることができないことがある。上記体積分率の好ましい下限は1%である。1%未満であると、好適な内部散乱を得られないことがある。
上記内包微粒子は、有機材料及び/又は無機材料からなるものである。特に、上記内包微粒子が無機材料からなる場合、特に優れたC/R低下抑制効果がある点で好ましい。
上記有機材料としては特に限定されず、例えば、透明なスチレン樹脂等の各種の有機樹脂が使用できる。
上記有機材料の屈折率は1.55以上であることが好ましい。屈折率が1.55未満であると、後述するように、屈折率の好ましい範囲が1.45〜1.65である内部散乱層のマトリックス樹脂、及び、屈折率の好ましい範囲が1.50以上である内部散乱粒子の粒子マトリックス成分との屈折率差が小さくなり所望の内部散乱性が得られない恐れがある。
また、上記無機材料としては特に限定されず、酸化チタン、酸化亜鉛、ジルコニア、アルミナ等の屈折率発現性の高い材料等が挙げられる。これらの無機材料は、単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。なかでも、酸化チタン、酸化亜鉛、ジルコニア及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種を含有するものであることが好ましい。
上記内包微粒子が酸化チタン、酸化亜鉛、ジルコニア及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種を含有する場合、該内包粒子は、屈折率は1.55以上であることが好ましい。屈折率が1.55未満であると、後述するように、屈折率の好ましい範囲が1.45〜1.65である内部散乱層のマトリックス樹脂、及び、屈折率の好ましい範囲が1.50以上である内部散乱粒子の粒子マトリックス成分との屈折率差が小さくなり所望の内部散乱性が得られない恐れがある。
上記内部散乱粒子は、屈折率が1.50以上の有機樹脂からなる粒子マトリックス成分を含有することが好ましい。上記粒子マトリックス成分は、上記内部散乱粒子の主原料となるものであり、上記内包微粒子を分散させるバインダー成分として機能するものである。上記屈折率が1.50未満であると、後述するように、内部散乱層のマトリックス樹脂の屈折率の好ましい範囲が1.45〜1.65であるため、C/R低下の恐れがある。
上記有機樹脂としては、屈折率が1.50以上であれば特に限定されず、例えば、スチレン樹脂、イソシアネート化合物、エステル系化合物、アクリル系のモノマー成分同士若しくはこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマー等が挙げられる。
また、上記アクリル系のモノマー成分とこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等が挙げられる。
更に、上記内部散乱粒子は、有機材料及び/又は無機材料からなる内包微粒子と上記粒子マトリックス成分とが化学的に結合した状態であってもよい。
上記内部散乱粒子の製造方法としては特に限定されず、例えば、上記内包微粒子を分散させた液状媒体中において、上述した有機樹脂の重合反応を行い、粒子マトリックス成分を得る方法等が挙げられる。上記内部散乱粒子の製造に際しては、分散剤を併用してもよい。また、粒子径が所定の範囲である内部散乱粒子を得るために、上記内部散乱粒子の製造は、例えば、ビーズミル分散機等にて分散させながら行ってもよい。
上記内部散乱粒子は、更に外郭部に平均粒径が1μm以下の物理吸着した外郭付着粒子を有することが好ましい。上記外郭付着粒子を有することで、さらに所望の内部散乱性を付与できる。
上記外郭付着粒子の形状としては特に限定されず、例えば、球状、回転楕円体状、薄板状、針状等を挙げられる。上記外郭付着粒子の平均粒径は、球状である場合、上限が1μmである。形状が球状以外である場合は、最大長さの上限が1μmとなる。上記外郭付着粒子の平均粒径が1μmを超えると、内部散乱粒子が凝集した場合と近い状態になり、多重散乱が起こりやすくなるためC/R低下が起こるとことがある。好ましい上限は0.4μmである。なお、上記外郭付着粒子の平均粒径は、上述した方法と同様の方法で測定することができる。
上記外郭付着粒子は、上記内部散乱粒子の外郭部に物理吸着されており、その吸着量としては特に限定されないが、上記内部散乱粒子100体積部に対して、好ましい下限は2体積部、好ましい上限は75体積部である。この範囲で外郭付着粒子が内部散乱粒子の外郭部に物理吸着されていることで、内包微粒子を含む内部散乱粒子の効果に加え、更に内部散乱性を向上できるため、内部散乱粒子量を減らすことができる。
上記外郭付着粒子の原料としては特に限定されず、例えば、スチレン樹脂、イソシアネート化合物、エステル系化合物、アクリル系のモノマー成分同士若しくはこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマー等が挙げられる。
また、上記アクリル系のモノマー成分とこれらと共重合可能なモノマーとのコポリマーとしては、例えば、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等が挙げられる。なかでも、芳香族系イソシアネート、又は、メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等が好適に用いられる。
上記外郭付着粒子の屈折率としては、好ましい下限が1.50である。1.50未満であると、後述するように、内部散乱層のマトリックス樹脂の屈折率の好ましい範囲が1.45〜1.65であるため、C/R低下の恐れがある。
上記内部散乱粒子の外郭部に上記外郭付着粒子を物理吸着させる方法としては特に限定されず、例えば、母粒子(内包微粒子)に子粒子(外郭付着粒子)を物理的に衝突させる方法等が挙げられる。殊に(株)奈良機械製作所社製ハイブリダイゼーションシステムは、乾式で微粉体同士の接合を可能にしたシステムで母粒子に子粒子をまぶしたオーダーミクスチュアーを形成することが可能である。
上記内部散乱層は、マトリックス樹脂中に上記内部散乱粒子が分散していることが好ましい。
上記マトリックス樹脂は、上記内部散乱層のバインダー樹脂として機能するものである。上記マトリックス樹脂としては特に限定されず、硬化反応性を有する樹脂を含有することが好ましい。上記硬化反応性を有する樹脂としては特に限定されず、例えば、紫外線若しくは電子線により硬化する樹脂である電離放射線硬化型樹脂、電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂(塗工時に固形分を調整するために添加した溶剤を乾燥させるだけで、被膜となるような樹脂)との混合物、又は、熱硬化型樹脂の三種類が挙げられ、好ましくは電離放射線硬化型樹脂が挙げられる。
また、本発明の好ましい態様によれば、少なくとも電離放射線硬化型樹脂と溶剤乾燥型樹脂とを含む。
上記電離放射線硬化型樹脂としては、例えば、アクリレート系の官能基を有する化合物等の1又は2以上の不飽和結合を有する化合物が挙げられる。
上記1の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、エチル(メタ)アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン、メチルスチレン、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
上記2以上の不飽和結合を有する化合物としては、例えば、ポリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等の多官能化合物と(メタ)アルリレート等の反応生成物(例えば多価アルコールのポリ(メタ)アクリレートエステル)、等が挙げられる。なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及びアクリレートを指すものである。
上記化合物のほかに、不飽和二重結合を有する比較的低分子量のポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂等も上記電離放射線硬化型樹脂として使用することができる。
上記電離放射線硬化型樹脂を紫外線硬化型樹脂として使用する場合には、光重合開始剤を用いることが好ましい。
上記光重合開始剤の具体例としては、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、ミヒラーベンゾイルベンゾエート、α−アミノキシムエステル、チオキサントン類、プロピオフェノン類、ベンジル類、ベンゾイン類、アシルホスフィンオキシド類が挙げられる。
また、光増感剤を混合して用いることが好ましく、その具体例としては、例えば、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、ポリ−n−ブチルホスフィン等が挙げられる。
上記光重合開始剤としては、ラジカル重合性不飽和基を有する樹脂系の場合は、例えば、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル等を単独又は混合して用いることが好ましい。
また、上記光重合開始剤としては、カチオン重合性官能基を有する樹脂系の場合は、例えば、芳香族ジアゾニウム塩、芳香族スルホニウム塩、芳香族ヨードニウム塩、メタロセン化合物、ベンゾインスルホン酸エステル等を単独又は混合物として用いることが好ましい。
上記光重合開始剤の添加量としては、電離放射線硬化性組成物100質量部に対し、好ましい下限は0.1質量部、好ましい上限は10質量部である。
上記電離放射線硬化型樹脂に混合して使用される溶剤乾燥型樹脂としては、主として熱可塑性樹脂が挙げられる。
上記熱可塑性樹脂としては一般的に例示されるものが利用される。上記溶剤乾燥型樹脂の添加により、塗布面の塗膜欠陥を有効に防止することができる。好ましい熱可塑性樹脂の具体例としては、一般的に例示されるものが利用されるが、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ハロゲン含有樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、セルロース誘導体、シリコーン系樹脂、及び、ゴム又はエラストマー等が挙げられる。
また、上記熱可塑性樹脂としては、通常、非結晶性であり、かつ、有機溶剤(特に複数のポリマーや硬化性化合物を溶解可能な共通溶剤)に可溶な樹脂を使用することが好ましい。特に、成形性又は製膜性、透明性や耐候性の高い樹脂、例えば、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、脂環式オレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、セルロース誘導体(セルロースエステル類等)等が好ましい。
本発明の好ましい態様によれば、光透過性基材の材料がトリアセチルセルロース「TAC」等のセルロース系樹脂の場合、上記熱可塑性樹脂の好ましい具体例としては、例えば、ニトロセルロース、アセチルセルロース、セルロースアセテートプロピオネート、エチルヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系樹脂が挙げられる。上記セルロース系樹脂を用いることにより、光透過性基材と内部散乱層との密着性及び透明性を向上させることができる。
上記硬化反応性を有する樹脂として使用できる熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、尿素樹脂、ジアリルフタレート樹脂、メラニン樹脂、グアナミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アミノアルキッド樹脂、メラミン−尿素共縮合樹脂、ケイ素樹脂、ポリシロキサン樹脂等が挙げられる。
また、上記熱硬化性樹脂を用いる場合、必要に応じて、架橋剤、重合開始剤等の硬化剤、重合促進剤、溶剤、粘度調整剤等を併用して使用することもできる。
上述した硬化反応性を有する樹脂は、なかでも、1分子中に3個以上の硬化反応性基を含有することが好ましい。上記硬化反応性を有する樹脂が1分子中に硬化反応性基を3個以上含有することで、上記内部散乱粒子の分散性に加えて、基材との密着性を保持することができるため好ましい。
上記内部散乱粒子と硬化反応性を有する樹脂を硬化させた硬化物とを含有する内部散乱層において、上記内包粒子の屈折率をn、上記内包粒子の内包粒子以外の成分(上述した粒子マトリクス成分)の屈折率をn、マトリックス樹脂の屈折率をnとすると、n、n及びnは、下記式(1)を満たすことが好ましい。
<n<n (1)
式(1)を満たすことにより、内包微粒子の内部と硬化反応性を有する樹脂との屈折率差を保つことができ、結果として高い光散乱性を示しつつ、界面反射を抑制することで優れたコントラストも得ることができる。
なお、上記内包微粒子が複数の原料からなるものである場合、上記屈折率nは、各内包微粒子の有する屈折率の平均値である。
上記マトリックス樹脂の屈折率nとしては特に限定されないが、例えば、1.45〜1.65の範囲であることが好ましい。上記範囲内であることにより、光透過性基材との屈折率差が小さくなるため、好ましい。
なお、上記マトリックス樹脂が複数の樹脂を含有する混合物である場合、このような混合物からなるマトリックス樹脂の屈折率nとは、以下の方法により算出された値である。
すなわち、上記内部散乱粒子を含むマトリックス樹脂のサンプルフィルムを作製し、サンプルフィルムを斜め切削し、アルバック・ファイ社製TOF−SIMSを用いて、内部散乱粒子以外の成分の分子を検出する。検出された分子の屈折率を、セイシン企業が開示している分子の屈折率一覧表或いはPolymer Handbook(John Wiley & Sons)を参考に算出する。
ここで、上記内包微粒子の屈折率n及び内包微粒子の内包粒子以外の成分(上述した粒子マトリクス成分)の屈折率nの測定方法について説明する。
上記内部散乱粒子を含むサンプルフィルムを作製し、サンプルフィルムを斜め切削し、アルバック・ファイ社製TOF−SIMSを用いて、内部散乱粒子の内包微粒子と該内包微粒子以外の成分の分子を検出する。検出された分子の屈折率を、セイシン企業が開示している分子の屈折率一覧表或いはPolymer Handbook(John Wiley & Sons)を参考に算出する。例えば、ポリスチレンは1.59、メタクリル酸メチル樹脂は1.49である。メタクリル酸メチル−スチレン共重合体は、TOF−SIMSによってメタクリル酸メチルとスチレンの組成を検出し、各々の屈折率から算出した。更に、酸化チタン、酸化ジルコニウム、アルミナ、酸化亜鉛等の無機材料についても同様に分子構造と組成の検出を行い、屈折率を算出した。
上記内部散乱層は、上記内部散乱粒子とマトリックス樹脂とを適切な溶剤に混合して得た内部散乱層形成用組成物を上記光透過性基材に塗布することにより形成することができる。
上記溶剤としては、マトリックス樹脂の種類及び溶解性に応じて選択し使用することができ、少なくとも固形分(複数のポリマー及び硬化反応性を有する樹脂前駆体、重合開始剤、その他添加剤)を均一に溶解できる溶剤であればよい。そのような溶剤としては、例えば、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジオキサン、テトラヒドロフラン等)、脂肪族炭化水素類(ヘキサン等)、脂環式炭化水素類(シクロヘキサン等)、芳香族炭化水素類(トルエン、キシレン等)、ハロゲン化炭素類(ジクロロメタン、ジクロロエタン等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等)、水、アルコール類(エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、セロソルブアセテート類、スルホキシド類(ジメチルスルホキシド等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGME)等が挙げられ、これらの混合溶剤であってもよい。
また、光透過性基材への浸透性溶剤も、好ましく使用することができる。上記浸透性溶剤を用いることにより、干渉縞の発生を防止できるため、より好ましい光学積層体とすることができる。
例えば、光透過性基材がTACである場合、上記浸透性溶剤の具体例としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、メチルイソブチルケトン、ジアセトンアルコール等のケトン類;蟻酸メチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル等のエステル類;ニトロメタン、アセトニトリル、N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物;メチルグリコール、メチルグリコールアセテート等のグリコール類;テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン、ジオキソラン、ジイソプロピルエーテル等のエーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、テトラクロルエタン等のハロゲン化炭化水素;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、セロソルブアセテート等のグリコールエーテル類;その他、ジメチルスルホキシド、炭酸プロピレン等が挙げられる。これらは単独で用いられてもよく、2種以上が併用されてもよい。好ましくは、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、メチルエチルケトン等のエステル類やケトン類が挙げられる。その他、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール、イソブチルアルコール等のアルコール類や、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類も、上記浸透性溶剤と混合して用いることができる。
上記内部散乱層形成用組成物としては、フッ素系又はシリコーン系等のレベリング剤を添加したものが好ましい。レベリング剤を添加した上記内部散乱層形成用組成物は、塗布又は乾燥時に塗膜表面に対して滑り性や防汚性を付与でき、かつ、耐擦傷性の効果を付与することを可能とする。
上記レベリング剤としては、光透過性基材が耐熱性の要求されるフィルム状のもの(例えばトリアセチルセルロース)に好適に利用される。
上記内部散乱層形成用組成物には、内部散乱層の硬度を高くする、硬化収縮を抑える、屈折率を制御する等の目的に応じて、樹脂、分散剤、界面活性剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、増粘剤、着色防止剤、着色剤(顔料、染料)、消泡剤、レベリング剤、難燃剤、紫外線吸収剤、接着付与剤、重合禁止剤、酸化防止剤、表面改質剤等を添加していてもよい。
上記内部散乱層は、上記内部散乱粒子を含有するものであるが、コントラストの著しい低下を引き起こさない範囲でその他の防眩性微粒子を含有していてもよい。上記その他の防眩性微粒子の平均粒径としては特に限定されないが、一般的には0.01〜20μm程度とすればよい。また、上記その他の防眩性微粒子の形状は、真球状、楕円状等のいずれであってもよく、好ましくは真球状のものが挙げられる。
なお、上記その他の防眩性粒子の平均粒径は、上述の方法により測定することができる。
上記その他の防眩性微粒子は、防眩性を発揮するものであり、無機系、有機系のものが使用することができ、好ましくは透明性のものがよい。
有機系材料により形成されてなるその他の防眩性微粒子の具体例としては、例えば、プラスチックビーズが挙げられる。上記プラスチックビーズの具体例としては、例えば、スチレンビーズ(屈折率1.60)、メラミンビーズ(屈折率1.57)、アクリルビーズ(屈折率1.49〜1.53)、アクリルースチレンビーズ(屈折率1.54)、ベンゾグアナミン−ホルムアルデヒド縮合体(屈折率1.68)、メラミン−ホルムアルデヒド縮合体(屈折率1.68)、ポリカーボネートビーズ、ポリエチレンビーズ等が挙げられる。上記プラスチックビーズは、その表面に疎水性基を有することが好ましく、例えば、スチレンビーズを挙げることができる。
無機系材料からなるその他の防眩性微粒子としては、例えば、不定形シリカ等が挙げられる。
上記不定形シリカは、分散性が良好な平均粒径が0.5〜5μmのシリカビーズを使用することが好ましい。
上記不定形シリカの含有量は、マトリックス樹脂に対して1〜30質量部であることが好ましい。内部散乱層形成用組成物の粘度上昇を生じることなく上記不定形シリカの分散性を良好なものとするために、平均粒径や、添加量を変更させるとともに、粒子表面への有機物処理の有無も変更して使用することができる。粒子表面に有機物処理を施す場合には、疎水化処理が好ましい。なお、上記不定形シリカの平均粒径は、上述の方法により測定することができる。
上記有機物処理には、ビーズ表面に化合物を化学的に結合させる方法や、ビーズ表面とは化学的な結合なしに、ビーズを形成する組成物にあるボイドなどに浸透させるような物理的な方法があり、どちらを使用してもよい。一般的には、水酸基又はシラノール基等のシリカ表面の活性基を利用する化学的処理法が、処理効率の観点で好ましく用いられる。処理に使用する化合物としては、上記活性基と反応性の高いシラン系、シロキサン系、シラザン系材料等が用いられる。例えば、メチルトリクロロシラン等の、直鎖アルキル単基置換シリコーン材料、分岐アルキル単置換シリコーン材料、或いはジ−n−ブチルジクロロシラン、エチルジメチルクロロシラン等の多置換直鎖アルキルシリコーン化合物や、多置換分岐鎖アルキルシリコーン化合物が挙げられる。同様に、直鎖アルキル基若しくは分岐アルキル基の単置換、多置換シロキサン材料、シラザン材料も有効に使用することができる。
必要機能に応じ、アルキル鎖の末端、乃至中間部位に、ヘテロ原子、不飽和結合基、環状結合基、芳香族官能基等を有するものを使用しても構わない。これらの化合物は、含まれるアルキル基が疎水性を示すため、被処理材料表面を、親水性から疎水性に容易に変換することが可能となり、未処理では親和性の乏しい高分子材料とも、高い親和性を得ることができる。
上記内部散乱層形成用組成物を上記光透過性基材に塗布する方法としては、ロールコート法、ミヤバーコート法、グラビアコート法等の塗布方法が挙げられる。
上記内部散乱層形成用組成物の塗布後に、必要に応じて乾燥や紫外線硬化、電子線硬化等を行うことにより、上記内部散乱層形成用組成物中の上記硬化反応性を有する樹脂が硬化して上記内部散乱層が形成される。
上記紫外線硬化を行う際の紫外線の光源としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、カーボンアーク灯、ブラックライト蛍光灯、メタルハライドランプ灯の光源が挙げられる。紫外線の波長としては、190〜380nmの波長域を使用することができる。上記電子線硬化を行う際の電子線源としては、コッククロフトワルト型、バンデグラフト型、共振変圧器型、絶縁コア変圧器型、直線型、ダイナミトロン型、高周波型等の各種電子線加速器が挙げられる。
上記内部散乱層形成用組成物は、80〜100%のゲル分率で硬化して上記内部散乱層を形成させることが好ましい。上記ゲル分率が上記範囲内にあると、材料が充分に硬化、架橋していることとなり、表面硬度、耐擦傷性、耐久性の点で好ましい。
上記内部散乱層の乾燥膜厚(硬化時)は、一般的には下限が0.1μm、上限が100μm程度、特に下限が0.8μm、上限が10μmの範囲とすることが好ましい。膜厚がこの範囲にあることにより、内部散乱層としての機能を充分に発揮することができる。ただし、内部散乱層の乾燥膜厚は、上記内部散乱粒子の平均粒径よりも大きなものであることが好ましい。内部散乱層の乾燥膜厚が内部散乱粒子の平均粒径以下であると、内部散乱層としての機能を充分に発揮できないおそれがある。具体的には、内部散乱粒子の平均粒径の1.05〜3.50倍程度であることが好ましい。
上記内部散乱層の膜厚は、断面を電子顕微鏡(SEM、TEM、STEM)で観察し、測定することができる。
上記内部散乱層は、更に、凹凸形状を付与する賦型処理を行ってもよい。このような賦型処理は、内部散乱層が有する凹凸形状と逆の凹凸形状を有する型を用いた賦型処理によって好適に行うことができる。逆の凹凸形状を有する型はエンボス板、エンボスロール等が挙げられる。
上記賦型処理としては、内部散乱層形成用組成物を付与してから凹凸型で賦型してもよいし、内部散乱層形成用組成物を光透過性基材と凹凸型の界面に供給し、内部散乱層形成用組成物を凹凸型と光透過性基材の間に介在させて、凹凸形状の形成と内部散乱層の形成とを同時に行ってもよい。本発明においては、エンボスローラーにかえて、平板状のエンボス板を用いることもできる。
エンボスローラー又は平板状のエンボス板等に形成されている凹凸型面は、サンドブラスト法又はビーズショット法等の公知の種々の方法により、形成することができる。サンドブラスト法によるエンボス版(エンボスローラー)を用いて形成された内部散乱層は、その凹凸形状を断面でみた場合、凹形状が多数分布した形状となる。ビーズショット法によるエンボス版(エンボスローラー)を用いて形成された内部散乱層は、凹凸形状を断面でみた場合、上側に凸形状が多数分布した形状となる。
上記内部散乱層の表面に形成された凹凸形状の平均粗さが同じ場合に、上側に凸部が多数分布した形状を有している内部散乱層は、上側に凹部が多数分布した形状を有しているものと比較して、室内の照明装置等の写り込みが少ないとされている。このことから、本発明の好ましい態様によれば、ビーズショット法により内部散乱層の凹凸形状と同一形状に形成された凹凸型を利用して内部散乱層の凹凸形状を形成することが好ましい。
凹凸型面を形成するための型材としては、プラスチック、金属、木等を使用することができ、これらの複合体であってもよい。上記凹凸型面を形成するための型材としては、強度、繰返使用による耐摩耗性の観点から、金属クロムが好ましく、経済性等の観点から、鉄製エンボス版(エンボスローラー)の表面にクロムをメッキしたものが好ましい。
上記サンドブラスト法又はビーズショット法により凹凸型を形成する際に、吹き付ける粒子(ビーズ)の具体例としては、金属粒子、シリカ、アルミナ、又はガラス等の無機質粒子が挙げられる。これらの粒子の粒径(直径)としては、30〜200μm程度であることが好ましい。これらの粒子を型材に吹き付ける際には、これら粒子を高速の気体と共に吹き付ける方法が挙げられる。この際、適切な液体、例えば、水等を併用してよい。また、本発明にあっては、凹凸形状を形成した凹凸型には、使用時の耐久性を向上させる目的で、クロムメッキ等を施してから使用することが好ましく、硬膜化、及び腐食防止の上で好ましい。
上記内部散乱層が凹凸形状を有する場合、以下の方法により膜厚を測定することができる。
共焦点レーザー顕微鏡(LeicaTCS−NT:ライカ社製:倍率「300〜1000倍」)にて、光学積層体の断面を透過観察し、界面の有無を判断し下記の測定基準により測定することができる。具体的には、ハレーションのない鮮明な画像を得るため、共焦点レーザー顕微鏡に、湿式の対物レンズを使用し、かつ、光学積層体の上に屈折率1.518のオイルを約2ml乗せて観察し判断する。オイルの使用は、対物レンズと光学積層体との間の空気層を消失させるために用いる。
測定手順
1:レーザー顕微鏡観察により平均層厚を測定した。
2:測定条件は、上記の通りであった。
3:1画面につき 凹凸の最大凸部、最小凹部の基材からの層厚を1点ずつ計2点測定し、それを5画面分、計10点測定し、平均値を算出し、これを、内部散乱層の膜厚とする。このレーザー顕微鏡は、各層に屈折率差があることによって非破壊断面観察をすることができる。また、各層の組成の違いで観察できるSEM及びTEM断面写真の観察を用いて、5画面分の観察を行うことで同様に求めることができる。
光透過性基材
光透過性基材は、平滑性、耐熱性を備え、機械的強度に優れたものが好ましい。上記光透過性基材を形成する材料の具体例としては、例えば、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテート、セルロースジアセテート、セルロースアセテートブチレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボネート、又は、ポリウレタン等の熱可塑性樹脂が挙げられ、好ましくはポリエステル(ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート)、セルローストリアセテートが挙げられる。
上記光透過性基材は、上記熱可塑性樹脂を柔軟性に富んだフィルム状体として使用することが好ましいが、硬化性が要求される使用態様に応じて、これら熱可塑性樹脂の板を使用することも可能であり、又は、ガラス板の板状体のものを使用してもよい。
その他、上記光透過性基材としては、脂環構造を有した非晶質オレフィンポリマー(Cyclo−Olefin−Polymer:COP)フィルムを挙げることができる。これは、ノルボルネン系重合体、単環の環状オレフィン系重合体、環状共役ジエン系重合体、ビニル脂環式炭化水素系重合体等が用いられる基材で、例えば、日本ゼオン(株)製のゼオネックスやゼオノア(ノルボルネン系樹脂)、住友ベークライト(株)製のスミライトFS−1700、JSR(株)製のアートン(変性ノルボルネン系樹脂)、三井化学(株)製のアペル(環状オレフィン共重合体)、Ticona社製のTopas(環状オレフィン共重合体)、日立化成(株)製のオプトレッツOZ−1000シリーズ(脂環式アクリル樹脂)等が挙げられる。
また、トリアセチルセルロースの代替基材として旭化成ケミカルズ(株)製のFVシリーズ(低複屈折率、低光弾性率フィルム)も好ましい。
上記光透過性基材の厚さは、下限20μm、上限が300μmであることが好ましく、より好ましくは下限が30μmであり、上限が200μmである。ただし、上記光透過性基材が板状体の場合にはこれらの厚さを超える厚さであってもよい。上記光透過性基材は、その上に上記内部散乱層や、後述する帯電防止層等を形成するのに際して、接着性向上のために、コロナ放電処理、酸化処理等の物理的な処理のほか、アンカー剤もしくはプライマーと呼ばれる塗料の塗布を予め行ってもよい。
本発明の光学積層体は、必要に応じてその他の層を設けてもよい。その他の層としては、低屈折率層、防汚層、帯電防止層、ハードコート層、反射防止層等の通常の光学積層体に使用されるものであれば限定されない。
低屈折率層
上記低屈折率層は、外部からの光(例えば蛍光灯、自然光等)が光学積層体の表面にて反射する際、その反射率を低くするという役割を果たす層である。これらの低屈折率層は、その屈折率が1.45以下、特に1.42以下であることが好ましい。
また、低屈折率層の乾燥厚みは限定されないが、通常は30nm〜1μm程度の範囲内から適宜設定すれば良い。
上記低屈折率層としては、好ましくは1)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有する樹脂、2)低屈折率樹脂であるフッ素系樹脂、3)シリカ又はフッ化マグネシウムを含有するフッ素系樹脂、4)シリカ又はフッ化マグネシウムの薄膜等のいずれかにより構成される。上記フッ素系樹脂以外の樹脂については、上記内部散乱層形成用組成物を構成する樹脂と同様の樹脂を用いることができる。
上記フッ素系樹脂としては、少なくとも分子中にフッ素原子を含む重合性化合物又はその重合体を用いることができる。上記重合性化合物としては特に限定されないが、例えば、電離放射線硬化性基、熱硬化性極性基等の硬化反応性基を有するものが好ましい。また、これらの反応性基を同時に併せ持つ化合物でもよい。この重合性化合物に対し、上記重合体とは、上記のような反応性基等を一切もたないものである。
上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物としては、エチレン性不飽和結合を有するフッ素含有モノマーを広く用いることができる。より具体的には、フルオロオレフィン類(例えばフルオロエチレン、ビニリデンフルオライド、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロブタジエン、パーフルオロ−2,2−ジメチル−1,3−ジオキソール等)を例示することができる。(メタ)アクリロイルオキシ基を有するものとして、2,2,2−トリフルオロエチル(メタ)アクリレート、2,2,3,3,3−ペンタフルオロプロピル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロブチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロヘキシル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロオクチル)エチル(メタ)アクリレート、2−(パーフルオロデシル)エチル(メタ)アクリレート、α−トリフルオロメタクリル酸メチル、α−トリフルオロメタクリル酸エチルのような、含フッ素(メタ)アクリレート化合物;分子中に、フッ素原子を少なくとも3個持つ炭素数1〜14のフルオロアルキル基、フルオロシクロアルキル基又はフルオロアルキレン基と、少なくとも2個の(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する含フッ素多官能(メタ)アクリル酸エステル化合物などもある。
上記熱硬化性極性基として好ましいのは、例えば、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、エポキシ基等の水素結合形成基である。これらは、塗膜との密着性だけでなく、シリカなどの無機超微粒子との親和性にも優れている。熱硬化性極性基を持つ重合性化合物としては、例えば、4−フルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体;フルオロエチレン−炭化水素系ビニルエーテル共重合体;エポキシ、ポリウレタン、セルロース、フェノール、ポリイミド等の各樹脂のフッ素変性品などを挙げることができる。
上記電離放射線硬化性基と熱硬化性極性基とを併せ持つ重合性化合物としては、アクリル又はメタクリル酸の部分及び完全フッ素化アルキル、アルケニル、アリールエステル類、完全又は部分フッ素化ビニルエーテル類、完全又は部分フッ素化ビニルエステル類、完全または部分フッ素化ビニルケトン類等を例示することができる。
また、フッ素系樹脂としては、例えば、次のようなものを挙げることができる。上記電離放射線硬化性基を有する重合性化合物の含フッ素(メタ)アクリレート化合物を少なくとも1種類含むモノマー又はモノマー混合物の重合体;上記含フッ素(メタ)アクリレート化合物の少なくとも1種類と、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートの如き分子中にフッ素原子を含まない(メタ)アクリレート化合物との共重合体;フルオロエチレン、フッ化ビニリデン、トリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、3,3,3−トリフルオロプロピレン、1,1,2−トリクロロ−3,3,3−トリフルオロプロピレン、ヘキサフルオロプロピレンのような含フッ素モノマーの単独重合体又は共重合体など。これらの共重合体にシリコーン成分を含有させたシリコーン含有フッ化ビニリデン共重合体も使うことができる。
上記シリコーン成分としては特に限定されず、例えば、(ポリ)ジメチルシロキサン、(ポリ)ジエチルシロキサン、(ポリ)ジフェニルシロキサン、(ポリ)メチルフェニルシロキサン、アルキル変性(ポリ)ジメチルシロキサン、アゾ基含有(ポリ)ジメチルシロキサン、ジメチルシリコーン、フェニルメチルシリコーン、アルキル・アラルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、脂肪酸エステル変性シリコーン、メチル水素シリコーン、シラノール基含有シリコーン、アルコキシ基含有シリコーン、フェノール基含有シリコーン、メタクリル変性シリコーン、アミノ変性シリコーン、カルボン酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、メルカプト変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーンなどが例示される。中でもジメチルシロキサン構造を有するものが好ましい。
上記ジメチルシロキサン構造としてより具体的には、末端にシラノール基を有するポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリメチルビニルシロキサンなどのポリアルキル、ポリアルケニル、又は、ポリアリールシロキサンに各種架橋剤、例えばテトラアセトキシシラン、テトラアルコキシシラン、テトラエチルメチルケトオキシムシラン、テトライソプロペニルシラン等の四官能シラン、さらにはアルキル又はアルケニルトリアセトキシシラン、トリケトオキシムシラン、トリイソプロペニルシラントリアルコキシシランなどの3官能シランなどを添加混合したもの、場合によってはあらかじめ反応させたものが挙げられる。
さらには、以下のような化合物からなる非重合体又は重合体も、フッ素系樹脂として用いることができる。すなわち、分子中に少なくとも1個のイソシアナト基を有する含フッ素化合物と、アミノ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基のようなイソシアナト基と反応する官能基を分子中に少なくとも1個有する化合物とを反応させて得られる化合物;フッ素含有ポリエーテルポリオール、フッ素含有アルキルポリオール、フッ素含有ポリエステルポリオール、フッ素含有ε−カプロラクトン変性ポリオールのようなフッ素含有ポリオールと、イソシアナト基を有する化合物とを反応させて得られる化合物等を用いることができる。
また、上記したフッ素原子を持つ重合性化合物や重合体とともに、内部散乱層形成用組成物に記載したような各樹脂成分を混合して使用することもできる。更に、反応性基等を硬化させるための硬化剤、塗工性を向上させたり、防汚性を付与させたりするために、各種添加剤、溶剤を適宜使用することができる。
上記低屈折率層の形成にあっては、例えば原料成分を含む組成物(屈折率層用組成物)を用いて形成することができる。より具体的には、原料成分(樹脂等)及び必要に応じて添加剤(例えば、後述の「空隙を有する微粒子」、重合開始剤、帯電防止剤、防眩剤等)を溶剤に溶解又は分散してなる溶液又は分散液を、低屈折率層用組成物として用い、上記組成物による塗膜を形成し、上記塗膜を硬化させることにより低屈折率層を得ることができる。なお、重合開始剤、帯電防止剤、防眩剤等の添加剤は、特に限定されず、公知のものを挙げることができる。
上記低屈折率層においては、低屈折率剤として、「空隙を有する微粒子」を利用することが好ましい。「空隙を有する微粒子」は低屈折率層の層強度を保持しつつ、その屈折率を下げることができる。本発明において、「空隙を有する微粒子」とは、微粒子の内部に気体が充填された構造及び/又は気体を含む多孔質構造体を形成し、微粒子本来の屈折率に比べて微粒子中の気体の占有率に反比例して屈折率が低下する微粒子を意味する。また、本発明にあっては、微粒子の形態、構造、凝集状態、被膜内部での微粒子の分散状態により、内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子も含まれる。この微粒子を使用した低屈折率層は、屈折率を1.30〜1.45に調節することが可能である。
空隙を有する無機系の微粒子としては、例えば、特開2001−233611号公報に記載された方法によって調製されたシリカ微粒子を挙げることができる。また、特開平7−133105、特開2002−79616号公報、特開2006−106714号公報等に記載された製法によって得られるシリカ微粒子であってよい。空隙を有するシリカ微粒子は製造が容易でそれ自身の硬度が高いため、バインダーと混合して低屈折率層を形成した際、その層強度が向上され、かつ、屈折率を1.20〜1.45程度の範囲内に調製することを可能とする。特に、空隙を有する有機系の微粒子の具体例としては、特開2002−80503号公報で開示されている技術を用いて調製した中空ポリマー微粒子が好ましく挙げられる。
被膜の内部及び/又は表面の少なくとも一部にナノポーラス構造の形成が可能な微粒子としては先のシリカ微粒子に加え、比表面積を大きくすることを目的として製造され、充填用のカラム及び表面の多孔質部に各種化学物質を吸着させる除放材、触媒固定用に使用される多孔質微粒子又は断熱材や低誘電材に組み込むことを目的とする中空微粒子の分散体や凝集体を挙げることができる。そのような具体例としては、市販品として日本シリカ工業株式会社製の商品名NipsilやNipgelの中から多孔質シリカ微粒子の集合体、日産化学工業(株)製のシリカ微粒子が鎖状に繋がった構造を有するコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)から、本発明の好ましい粒径の範囲内のものを利用することが可能である。
「空隙を有する微粒子」の平均粒径は、5nm以上300nm以下であり、好ましくは下限が8nm以上であり上限が100nm以下であり、より好ましくは下限が10nm以上であり上限が80nm以下である。微粒子の平均粒径がこの範囲内にあることにより、低屈折率層に優れた透明性を付与することが可能となる。なお、上記平均粒径は、動的光散乱法等によって測定した値である。「空隙を有する微粒子」は、上記低屈折率層中に樹脂100質量部に対して、通常0.1〜500質量部程度、好ましくは10〜200質量部程度とするのが好ましい。
上記溶剤としては特に限定されず、例えば、内部散乱層形成用組成物で例示したものが挙げられ、好ましくは、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソプロピルアルコール(IPA)、n−ブタノール、t−ブタノール、ジエチルケトン、PGME等である。
上記低屈折率層用組成物の調製方法は、成分を均一に混合できれば良く、公知の方法に従って実施すれば良い。例えば、内部散乱層形成用組成物において上述した公知の装置を使用して混合することができる。
塗膜の形成方法は、公知の方法に従えば良い。例えば、内部散乱層の形成で上述した各種方法を用いることができる。
上記低屈折率層の形成においては、上記低屈折率層用組成物の粘度を好ましい塗布性が得られる0.5〜5cps(25℃)、好ましくは0.7〜3cps(25℃)の範囲のものとすることが好ましい。可視光線の優れた反射防止膜を実現でき、かつ、均一で塗布ムラのない薄膜を形成することができ、かつ基材に対する密着性に特に優れた低屈折率層を形成することができる。
得られた塗膜の硬化方法は、組成物の内容等に応じて適宜選択すれば良い。例えば、紫外線硬化型であれば、塗膜に紫外線を照射することにより硬化させれば良い。硬化処理のために加熱手段が利用される場合には、加熱により、例えばラジカルを発生して重合性化合物の重合を開始させる熱重合開始剤が添加されることが好ましい。
低屈折率層の膜厚(nm)dは、下記式(I):
=mλ/(4n) (I)
(上記式中、nは低屈折率層の屈折率を表し、mは正の奇数を表し、好ましくは1を表し、λは波長であり、好ましくは480〜580nmの範囲の値である)を満たすものが好ましい。
また、本発明にあっては、低屈折率層は下記数式(II):
120<n<145 (II)
を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
防汚層
上記防汚層は、本発明の光学積層体の最表面に汚れ(指紋、水性又は油性のインキ類、鉛筆等)が付着しにくく、又は付着した場合でも容易に拭取ることができるという役割を担う層である。本発明の好ましい態様によれば、低屈折率層の最表面の汚れ防止を目的として防汚層を設けても良く、特に低屈折率層が形成された光透過性基材の一方の面と反対の両側に防汚層が設けることが好ましい。防汚層の形成により、光学積層体に対して防汚性と耐擦傷性のさらなる改善を図ることが可能となる。低屈折率層がない場合でも、最表面の汚れ防止を目的として防汚層を設けても良い。
上記防汚層は、一般的には、防汚染剤及び樹脂を含む組成物により形成することができる。上記防汚染剤は、光学積層体の最表面の汚れ防止を主目的とするものであり、光学積層体の耐擦傷性を付与することもできる。上記防汚染剤としては、フッ素系化合物、ケイ素系化合物、又はこれらの混合化合物が挙げられる。より具体的には、2−パーフロロオクチルエチルトリアミノシラン等のフロロアルキル基を有するシランカップリング剤等が挙げられ、特に、アミノ基を有するものが好ましくは使用することができる。上記樹脂としては特に限定されず、上述の内部散乱層形成用組成物で例示した樹脂を挙げることができる。
上記防汚層は、例えば内部散乱層の上に形成することができる。特に、防汚層が最表面になるように形成することが望ましい。防汚層は、例えば、内部散乱層自身に防汚性能を付与することにより代替することもできる。
帯電防止層
本発明の光学積層体は、更に帯電防止層を有するものであってもよい。上記帯電防止層は、防汚染剤及び樹脂を含む組成物により形成することができる。上記樹脂としては特に限定されず、上述の内部散乱層形成用組成物で例示した樹脂を挙げることができる。
上記帯電防止剤としては特に限定されず、例えば、第4級アンモニウム塩、ピリジニウム塩、第1〜第3アミノ基等のカチオン性化合物;スルホン酸塩基、硫酸エステル塩基、リン酸エステル塩基、ホスホン酸塩基等のアニオン性化合物;アミノ酸系、アミノ硫酸エステル系等の両性化合物;アミノアルコール系、グリセリン系、ポリエチレングリコール系等のノニオン性化合物;スズ及びチタンのアルコキシドのような有機金属化合物;上記有機金属化合物のアセチルアセトナート塩のような金属キレート化合物等を挙げることができる。上記に列記した化合物を高分子量化した化合物も使用することができる。また、第3級アミノ基、第4級アンモニウム基又は金属キレート部を有し、かつ、電離放射線により重合可能なモノマー又はオリゴマー又は官能基を有するカップリング剤のような有機金属化合物等の重合性化合物もまた帯電防止剤として使用できる。
上記帯電防止剤としては、導電性ポリマーも挙げることができる。導電性ポリマーとしては特に限定されず、例えば、芳香族共役系のポリ(パラフェニレン)、複素環式共役系のポリピロール、ポリチオフェン、脂肪族共役系のポリアセチレン、含ヘテロ原子共役系のポリアニリン、混合型共役系のポリ(フェニレンビニレン)、分子中に複数の共役鎖を持つ共役系である複鎖型共役系、前述の共役高分子鎖を飽和高分子にグラフト又はブロック共重した高分子である導電性複合体等を挙げることができる。
上記帯電防止剤は、導電性金属酸化物微粒子であってもよい。上記導電性金属酸化物微粒子としては特に限定されず、例えば、ZnO(屈折率1.90、以下、カッコ内の値はすべて屈折率を表すものである。)、Sb(1.71)、SnO(1.997)、CeO(1.95)、酸化インジウム錫(略称 ITO;1.95)、In(2.00)、Al(1.63)、アンチモンドープ酸化錫(略称ATO;2.0)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(略称AZO;2.0)等を挙げることができる。
偏光素子の表面に、本発明の光学積層体を該光学積層体における内部散乱層が存在する面と反対の面に設けることによって、偏光板とすることができる。
上記偏光素子としては特に限定されず、例えば、ヨウ素等により染色し、延伸したポリビニルアルコールフィルム、ポリビニルホルマールフィルム、ポリビニルアセタールフィルム、エチレン−酢酸ビニル共重合体系ケン化フィルム等を使用することができる。上記偏光素子と本発明の光学積層体とのラミネート処理においては、光透過性基材(好ましくは、トリアセチルセルロースフィルム)にケン化処理を行うことが好ましい。ケン化処理によって、接着性が良好になり帯電防止効果も得ることができる。
最表面に上記光学積層体又は上記偏光板を備えてなる画像表示装置とすることもできる。上記画像表示装置は、LCD等の非自発光型画像表示装置であっても、PDP、FED、ELD(有機EL、無機EL)、CRT等の自発光型画像表示装置であってもよい。
上記非自発発光型の代表的な例であるLCDは、透過性表示体と、上記透過性表示体を背面から照射する光源装置とを備えてなるものである。上記画像表示装置がLCDである場合、この透過性表示体の表面に、本発明の光学積層体又は上述の偏光板が形成されてなるものである。
上記光学積層体を有する液晶表示装置の場合、光源装置の光源は光学積層体の下側から照射される。なお、STN型の液晶表示装置には、液晶表示素子と偏光板との間に、位相差板が挿入されてよい。この液晶表示装置の各層間には必要に応じて接着剤層が設けられてよい。
上記自発光型画像表示装置であるPDPは、表面ガラス基板(表面に電極を形成)と当該表面ガラス基板に対向して間に放電ガスが封入されて配置された背面ガラス基板(電極および、微小な溝を表面に形成し、溝内に赤、緑、青の蛍光体層を形成)とを備えてなるものである。上記画像表示装置がPDPである場合、上記表面ガラス基板の表面、又はその前面板(ガラス基板又はフィルム基板)に上述した光学積層体を備えるものでもある。
上記自発発光型画像表示装置は、電圧をかけると発光する硫化亜鉛、ジアミン類物質:発光体をガラス基板に蒸着し、基板にかける電圧を制御して表示を行なうELD装置、又は、電気信号を光に変換し、人間の目に見える像を発生させるCRTなどの画像表示装置であってもよい。この場合、上記のような各表示装置の最表面又はその前面板の表面に上述した光学積層体を備えるものである。
上記画像表示装置は、いずれの場合も、テレビジョン、コンピュータ、ワードプロセッサなどのディスプレイ表示に使用することができる。特に、CRT、液晶パネル、PDP、ELD、FEDなどの高精細画像用ディスプレイの表面に好適に使用することができる。
本発明によれば、防眩性を保ちつつ、良好なコントラストを示し、かつ、ギラツキを防止した光学積層体を得ることができる。
以下に実施例及び比較例を示し、本発明の特徴をより具体的に説明する。ただし、本発明の範囲は、実施例に限定されない。
下記製造例に従い、内部散乱粒子及び内部散乱層形成用組成物を調製した。
製造例1(内包微粒子分散液(1)の調製)
微粒子酸化チタン(テイカ(株)社製、MT−600B、平均粒径50nm)18.67部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)社製、DISPER BYK−163)3.73部、KAYARAD PET−30(日本化薬(株)社製)7.47部、重合開始剤イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.41部を、69.7部のメチルイソブチルケトンに加え、この溶液をビーズミル分散機ZRS(アシザワ・ファインテック(株)社製)にて分散し、内包微粒子分散液(1)を調製した。
製造例2(内包微粒子分散液(2)の調製)
微粒子ジルコニア(東ソー(株)社製、TZ−3Y−E、平均粒径50nm)18.67部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)社製、DISPER BYK−163)3.73部、KAYARAD PET−30(日本化薬(株)社製)7.47部、重合開始剤イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.41部を、69.7部のメチルイソブチルケトンに加え、この溶液をビーズミル分散機ZRS(アシザワ・ファインテック(株)社製)にて分散し、内包微粒子分散液(2)を調製した。
製造例3(内包微粒子分散液(3)の調製)
超微粒子酸化亜鉛(住友大阪セメント(株)社製、平均粒径50nm)18.67部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)社製、DISPER BYK−163)3.73部、KAYARAD PET−30(日本化薬(株)社製)7.47部、重合開始剤イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.41部を、69.7部のメチルイソブチルケトンに加え、この溶液をビーズミル分散機ZRS(アシザワ・ファインテック(株)社製)にて分散し、内包微粒子分散液(3)を調製した。
製造例4(内包微粒子分散液(4)の調製)
超微粒子アルミナ(日本軽金属(株)社製、平均粒径50nm)18.67部、分散剤(ビックケミー・ジャパン(株)社製、DISPER BYK−163)3.73部、KAYARAD PET−30(日本化薬(株)社製)7.47部、重合開始剤イルガキュア184(チバスペシャリティケミカルズ社製)0.41部を、69.7部のメチルイソブチルケトンに加え、この溶液をビーズミル分散機ZRS(アシザワ・ファインテック(株)社製)にて分散し、内包微粒子分散液(4)を調製した。
製造例5(内部散乱粒子(1)の調製)
イオン交換水695部、製造例1で調製した内包微粒子分散液(1)100部、ドデシル硫酸ナトリウム5部、酢酸エチル80部を加え、良く撹拌した。そこに、スチレン/メタクリル酸メチル(MMA)(重量比50/50)の混合溶液を286部加えた後、得られた混合溶液をTKホモミキサー[特殊機化工業(株)製]を用いて12000rpm、2分間撹拌した。その後、耐圧反応容器に移し、40℃まで昇温しながら常圧で脱溶剤することにより、実施例1に係る内部散乱粒子(1)を得た。得られた内部散乱粒子(1)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、並びに、内包微粒子の粒径及び屈折率を表1に示す。
更に、得られた内部散乱粒子(1)の体積、及び、これらの内包微粒子の合計体積は、TEM観察より内部散乱粒子と内包微粒子の平均半径から体積を算出し、更にTEM観察から内包微粒子の平均粒子数を算出し、内包微粒子の体積分率{=(内包粒子の合計体積/内部散乱粒子の体積)×100}を算出した。結果を表1に示す。
製造例6(内部散乱粒子(2)の調製)
スチレン/メタクリル酸メチル(MMA)の重量比を100/0にした以外は、製造例5と同様にして、実施例2に係る内部散乱粒子(2)を調製した。得られた内部散乱粒子(2)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。
製造例7(内部散乱粒子(3)の調製)
反応器にネオペンチルグリコール200部、エチレングリコール93部、テレフタル酸355部を投入し、230℃に加熱し生成する水を留去しながら2時間反応を進めた。その後0.2部のジブチルチンオキサイドを添加し、酸価が0.5以下になるまで反応を続けることで、両末端に水酸基を有し、数平均分子量7000、水酸基価17のポリエステル樹脂(ポリエステル樹脂)を得た。
ビーカー内に、得られたポリエステル樹脂を93部、MEKオキシムブロックされたHDIトリマー(旭化成製、スミジュール)7部、及び、テトラヒドロフラン100部を混合しておき、これを内包微粒子分散液(1)100部に添加した後、ウルトラディスパーサー(ヤマト科学製)を使用して、回転数9000rpmで1分間混合し、平均粒径を4μmとした。混合後、攪拌棒及び温度計をセットした4つ口フラスコにこの混合液を投入し、常温、減圧下で10時間脱溶剤した。次いでウレタン化触媒[TEDA、東ソー社製]0.1部、耐光安定剤[DIC−TBS、大日本インキ化学工業社製]0.1部、レオロジー調整剤[SNシックナー−651、サンノプコ社製]3.0部を加え、実施例3に係る内部散乱粒子(3)を得た。得られた内部散乱粒子(3)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。
製造例8(内部散乱粒子(4)〜(11)の調製)
内包微粒子及び内部散乱粒子の主原料である粒子マトリックス成分を、下記表1に示す材料となるよう適宜変更した以外は、製造例5〜7と同様にして実施例4〜11に係る内部散乱粒子(4)〜(11)を調製した。得られた内部散乱粒子(4)〜(11)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。
製造例9(外郭付着粒子(1)の調製)
耐圧反応容器に、イオン交換水735部、ドデシル硫酸ナトリウム50部、過硫酸アンモニウム5部、炭酸水素ナトリウム10部を仕込み、反応容器内の空気を窒素で置換した後、反応容器を密閉として80℃まで昇温した。ついで、スチレン/メタクリル酸/ブチルアクリレート(重量比30/30/40)の混合モノマー200部を2時間かけて滴下した。更に、同温度で2時間熟成し、外郭付着粒子(1)を得た。得られた外郭付着粒子(1)の平均粒径は50nmであった。
製造例10(外郭付着粒子(2)の調製)
混合モノマーの滴下時間を1時間にした以外は、製造例9と同様にして外郭付着粒子(2)を調製した。得られた外郭付着粒子(2)の平均粒径は100nmであった。
製造例11(内部散乱粒子(12)の調製)
製造例5にて得られた内部散乱粒子(1)900部に、外殻付着粒子(1)100部をハイブリダイゼーションシステム[株式会社奈良機械製作所製]に充填し、12000rpm、50秒処理することにより、外郭付着粒子(1)を付着させた実施例12に係る内部散乱粒子(12)を得た。得られた内部散乱粒子(12)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。なお、外郭付着粒子(1)の体積分率は、内部散乱粒子(1)の18%であった。
製造例12(内部散乱粒子(13)の調製)
外殻付着粒子(1)を外郭付着粒子(2)に変えた以外は、製造例11と同様にして、外郭付着粒子(2)を付着させた実施例13に係る内部散乱粒子(13)を得た。得られた内部散乱粒子(13)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。なお、外郭付着粒子(2)の体積分率は、内部散乱粒子(13)の13%であった。
製造例13(内部散乱粒子(14)の調製)
製造例6で内包微粒子分散液(1)を添加しなかった以外は、製造例6と同様にして、比較例1に係る内部散乱粒子(14)を調製した。得られた内部散乱粒子(14)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径を表1に示す。
製造例14(内部散乱粒子(15)〜(17)の調製)
TKホモミキサーの攪拌条件を変更したこと以外は、製造例6と同様にして、比較例2〜4に係る内部散乱粒子(15)〜(17)を調製した。得られた内部散乱粒子(15)〜(17)の粒子マトリクス成分の屈折率及び粒径、及び、内包微粒子の粒径及び屈折率、並びに、製造例5と同様にして測定した内包微粒子の体積分率を表1に示す。
製造例15(内部散乱層形成用組成物(1)の調製)
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)(日本化薬製、屈折率1.51)
65質量部
イソシアヌル酸変性ジアクリレートM215(東亞合成(株)製) 35質量部
ポリメチルメタクリレート(分子量75,000) 10質量部
(光硬化開始剤)
イルガキュア184(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 6質量部
イルガキュア907(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ(株)製) 1質量部
(内部散乱粒子)
内部散乱粒子(1)(表1記載の粒子/バインダー樹脂比となるように配合量を調節した。)
(レベリング剤)
シリコーン系レベリング剤 大日精化(株)製 0.045質量部
(溶剤)
トルエン 64質量部
シクロヘキサノン 16質量部
上記材料を充分混合し、組成物として調製した。この組成物を孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して固形分30質量%の実施例1に係る内部散乱層形成用組成物(1)を調製した。
製造例16(内部散乱層形成用組成物(2)〜(17)の調製)
内部散乱粒子(1)に代えて、内部散乱粒子(2)〜(17)を、その配合量が表1記載の粒子/バインダー樹脂比となるように調整したこと以外は、製造例15と同様にして実施例2〜13及び比較例1〜4に係る内部散乱層形成用組成物(2)〜(17)を調製した。
実施例1
トリアセチルセルロース(TAC)フィルム(富士写真フィルム製、TF80UL、厚さ80μm)を透明基材として用い、内部散乱層形成用組成物(1)を、フィルム上にコーティング用巻線ロッド(メイヤーズバー)#8を用いて乾燥膜厚4μmとなるように塗布し、70℃のオーブン中で2分間加熱乾燥し、溶剤分を蒸発させた後、紫外線を照射線量が130mJになるよう照射して塗膜を硬化させ内部散乱層を形成し、膜厚4.2μmの光学積層体を得た。
実施例2〜13、比較例1〜4
内部散乱層形成用組成物(1)の代わりに内部散乱層形成用組成物(2)〜(17)を使用した以外は、実施例1と同様にして表1に示す膜厚の光学積層体を製造した。
得られた光学積層体について、下記の評価を行った。結果を表1に示す。
評価1 内部ヘイズ
内部ヘイズ値は、JIS K−7136に従って測定した。なお、測定機器として、反射・透過率計HM−150(村上色彩技術研究所)を使用した。
評価2 正面C/R低下率測定
(偏光板の作製)
光学積層体を55℃、2規定のNaOH水溶液で2分けん化した後、片面にTF80ULを貼り合わせた偏光板に、光学積層体の塗工面でない側を偏光子表面に貼合し、偏光板(A)を作製した。
(正面C/R低下率測定)
ソニー製 BRAVIA27インチのパネルの液晶セル表面側に偏光板(A)を、液晶セル裏面側には、偏光子両側にトリアセチルセルロースを貼合した偏光板をクロスニコル配置になるように貼合し、トプコンテクノハウス社製BM−5輝度計を用いてC/Rを測定した。偏光板(A)として、内部散乱層を含まない光学積層体のC/Rは890であった。なお、内部散乱層を含む光学積層体である実施例1ではC/Rが863であり、C/R低下率は3%であった。
評価3 ギラツキ
HAKUBA製ビュアー(ライトビュアー7000PRO)上に、0.7mm厚みのガラスに形成されたブラックマトリクスパターン板(105ppi、140ppi)を、パターン面を下にして置き、その上に得られた光学積層体フィルムを凹凸面を空気側にして載せて、フィルムが浮かないようにフィルムの縁を指で軽く押さえながら、暗室にてギラツキを目視観察し、以下の基準にて評価した。
評価基準
評価◎:140ppiでギラツキがなく良好
評価○:105ppiでギラツキがなく良好
評価△:105ppiでギラツキがみえ不良
評価4 クラック性
製造した光学積層体を直径0.5cmの金属ロールに巻きつけたときのクラック発生の有無を目視により確認し、以下の基準にて評価した。
評価基準
評価○:クラックなし
評価×:クラックあり
評価5 インキ分散性
調製した内部散乱層形成用組成物中の内部散乱粒子の1日経過後の沈降状態を目視により確認し、以下の基準にて評価した。
評価基準
評価○:粒子沈降なし
評価△:粒子沈降するが、撹拌後均一に分散
評価×:粒子沈降し、撹拌後も分散せず
Figure 0005096069
表1より、本発明の光学積層体は、C/R低下率が低く、ギラツキ防止効果に優れた、クラック性及びインキ分散性にも優れた光学積層体であることが示された。
本発明により、防眩性、コントラスト、ギラツキ防止効果に優れた光学積層体を形成することができる。得られる光学積層体は、好ましくは反射防止積層体として好適に用いることができる。従って、本発明の光学積層体は、陰極線管表示装置(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイ(PDP)、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(ELD)等に好適に適用することができる。
内部散乱粒子の一例を模式的に示す断面図である。
符号の説明
10 内部散乱粒子
11 内包微粒子
12 バインダー成分

Claims (8)

  1. 光透過性基材と、該光透過性基材上に設けられた内部散乱粒子を含有する内部散乱層とを有する光学積層体であって、
    前記内部散乱粒子は、平均粒径が1〜10μmであり、屈折率1.50以上の有機樹脂からなる粒子マトリックス成分を含有しており、かつ、平均粒径が5〜300nmの有機材料及び/又は無機材料からなる屈折率が1.55以上の微粒子を内包しており、
    前記内部散乱層は、マトリックス樹脂中に前記内部散乱粒子が分散しており、
    前記内部散乱粒子に内包された微粒子の屈折率をn 、内部散乱粒子の内包された微粒子以外の成分の屈折率をn 、マトリックス樹脂の屈折率をn とすると、n 、n 及びn は、下記式(1)を満たす
    ことを特徴とする光学積層体。
    <n <n (1)
  2. 内部散乱粒子は、内包された微粒子の体積分率{=(内包された微粒子の合計体積/内部散乱粒子の体積)×100}が30%以下である記載の光学積層体。
  3. 内部散乱粒子に内包された微粒子は、屈折率が1.55以上であり、かつ、酸化チタン、酸化亜鉛、ジルコニア及びアルミナからなる群より選択される少なくとも一種を含有する請求項1又は2記載の光学積層体。
  4. 内部散乱粒子は、更に外郭部に平均粒径が1μm以下の物理吸着した外郭付着粒子を有する請求項1、2又は3記載の光学積層体。
  5. 反射防止用積層体として用いられる請求項1、2、3又は4記載の光学積層体。
  6. 最表面に請求項1、2、3、4又は5記載の光学積層体を備えることを特徴とする自発光型画像表示装置。
  7. 偏光素子を備えてなる偏光板であって、
    前記偏光素子の表面に、請求項1、2、3、4又は5記載の光学積層体を備えることを特徴とする偏光板。
  8. 最表面に請求項1、2、3、4又は5記載の光学積層体、又は、請求項記載の偏光板を備えることを特徴とする非自発光型画像表示装置。
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