JP5095553B2 - プラズマディスプレイパネルの駆動方法 - Google Patents

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Description

本発明は、近年進展が著しいパーソナルコンピュータやオフィスワークステーション、ないしは将来の発展が期待されている壁掛けテレビ等に用いられる、いわゆるドットマトリクスタイプのメモリ型ACプラズマディスプレイパネルの駆動方法に関する。
一般にプラズマディスプレイパネルは、薄型構造でちらつきがなく表示コントラスト比が大きいという特徴がある。また、プラズマディスプレイパネルは、比較的に大画面とすることが可能であり、応答速度が速く、自発光型で蛍光体の利用により多色発光も可能であるという特徴を有している。このため、プラズマディスプレイパネルは、近年コンピュータ関連の表示装置の分野及びカラー画像表示の分野等において広く利用されるようになりつつある。
このプラズマディスプレイパネルには、その動作方式により、電極が誘電体で被覆されて間接的に交流放電の状態で動作させるAC型のものと、電極が放電空間に露出して直流放電の状態で動作させるDC型のものとがある。更に、AC型には、駆動方式として放電セルのメモリを利用するメモリ動作型と、それを利用しないリフレッシュ動作型とがある。なお、プラズマディスプレイパネルの輝度は、放電回数即ちパルス電圧の繰り返し数に比例する。上記のリフレッシュ型の場合は、表示容量が大きくなると輝度が低下するため、小表示容量のプラズマディスプレイパネルに対して主として使用されている。
図1は、ACメモリ動作型のプラズマディスプレイパネルの一つの表示セルの構成を例示する断面図である。この表示セルは、ガラスより成る背面及び前面の二つの絶縁基板101及び102と、絶縁基板102上に形成される透明な走査電極103及び透明な維持電極104と、電極抵抗値を小さくするため走査電極103及び維持電極104に重なるように配置されるトレース電極105、106と、絶縁基板101上に、走査電極103及び維持電極104と直交して形成されるデータ電極107と、絶縁基板101及び102の空間に、ヘリウム、ネオン及びキセノン等またはそれらの混合ガスから成る放電ガスが充填される放電ガス空間108と、この放電ガス空間108を確保するとともに表示セルを区切るための隔壁109と、上記放電ガスの放電により発生する紫外線を可視光110に変換する蛍光体111と、走査電極103及び維持電極104を覆う誘電膜112と、この誘電膜112を放電から保護する酸化マグネシウム等から成る保護層113と、データ電極107を覆う誘電膜114とを備えて構成される。
かかる構成におけるプラズマディスプレイパネルの駆動動作について、図2を参照して説明する。期間1は予備放電(プライミング)期間であり、走査電極側に印加される予備放電パルスPpr-s、維持電極側に印加される予備放電パルスPpr-cは矩形波となっている。予備放電期間では走査電極に印加される正極性の矩形波と維持電極に印加される負極性の矩形波によって、全セルの走査電極と維持電極の電極間ギャップ近傍の放電ガス空間において予備放電が発生し、セルの放電を発生させやすくする活性粒子の生成が行われると同時に、走査電極上に負極性、維持電極上に正極性の壁電荷が付着する。この場合の放電は強放電形態である。
期間2は予備放電消去期間であり、予備放電期間で走査電極及び維持電極上に付着した壁電荷を減少させる予備放電消去パルスPpeが印加され、その波形は走査電極側が負極性でゆるやかに立ち下がる波形となっている。
期間3は走査期間であり、走査電極に印加される負極性の走査パルスPwとデータ電極に印加される正極性のデータパルスPdataにより選択されたセルで書き込み放電を発生させて、以降の維持期間で発光する場所のセルに壁電荷を付着させる。書き込み放電は走査パルスPwが印加された走査電極とデータパルスPdataが印加されたデータ電極の交点でのみ発生する。放電が発生するとその部分に壁電荷が付着する。それに対し放電が発生しなかったセルにおいては壁電荷が付着しない。
期間4は維持期間であり、維持電極側から開始され、以降走査電極側、維持電極側に交互に印加される正極性の維持パルスPsus-s、Psus-cが走査電極、維持電極に印加される。この際走査期間で選択的に書き込まれたセルには壁電荷が付着しており、負極性の維持パルス電圧と壁電荷電圧が重畳され、最小放電電圧を越え、放電が発生する。放電が発生すると、それぞれの電極に印加されている電圧を打ち消すように壁電荷が配置される。従って維持電極には負電荷、走査電極には正電荷が付着する。次の維持パルスは走査電極側が負電圧のパルスであるため、壁電荷との重畳によって放電空間に印加される実効的電圧が放電開始電圧を越えて放電が発生する。以下同じ事を繰り返して放電が維持される。一方書き込み放電が発生しなかったセルでは壁電荷は非常に少ないので維持パルスが印加されても維持放電は発生しない。
特表2000−501199号公報 特開平7−295506号公報
従来技術においては、予備放電消去パルスが緩やかな立ち下がりの負極性のパルスとなっており、予備放電で走査電極に蓄積された負電荷と予備放電消去パルスの印加電圧の和が最小放電開始電圧を超えると放電が発生する。この場合パルスの立ち下がりが緩やかであるため、放電は弱放電形態となり、放電開始電圧をわずかに下回る程度に壁電荷を減少させて放電は収束する。以降予備放電消去パルスの波形変化が終了するまで弱放電を繰り返す。
このような放電においては、パルスが最終到達電圧に達しても放電はしばらくの間継続しているため、パルス終了時の壁電荷量が一定とならず、その後に印加される走査パルスや維持パルスの設定可能範囲を狭めるという不具合があった。この壁電荷量の不均一さにより、書き込み放電及び維持放電のための必要電圧分布が広くなってしまい、誤放電による誤灯を引き起こすことになる。
本発明の目的は、誤放電開始電圧の分布を狭めるような、安定したプラズマディスプレイ駆動方法を提供することにより、走査期間及び維持期間の誤放電を減少させることである。
本願第1発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、前面基板に設けられた走査電極及び維持電極と、背面基板に設けられ前記走査電極及び前記維持電極に直交するデータ電極と、前記走査電極及び前記維持電極を覆う誘電膜と、が設けられたプラズマディスプレイパネルをサブフィールドにより階調表示を行うプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、前記サブフィールドは、前記走査電極に予備放電パルスを印加することにより予備放電を発生させる予備放電期間と、前記予備放電期間に後続して、ピーク電位が前記予備放電パルスと逆極性である予備放電消去パルスを前記走査電極に印加する予備放電消去期間と、前記予備放電消去期間に後続して、前記走査電極に走査パルスを印加すると共に前記データ電極にデータパルスを印加することによって選択されたセルにて書き込み放電を発生させる走査期間と、前記走査期間に後続して、前記走査電極及び前記維持電極に交互に維持パルスを印加することにより前記書き込み放電が発生したセルのみにて放電を発生させる維持期間と、を含み、前記予備放電消去パルスのピーク電位へいたるまでの電位の変化率は、前記予備放電消去パルスのピーク電位から変化する電位の変化率に比して小とし、前記予備放電消去期間では、前記維持電極はGNDに保ち、かつ、前記予備放電消去パルスのピーク電位への電位変化後に、このピーク電位を所定時間維持する予備放電消去電圧保持時間を設け、
前記予備放電消去電圧保持時間を5μs以上とすることを特徴とする。
本願第2発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、前面基板に設けられた走査電極及び維持電極と、背面基板に設けられ前記走査電極及び前記維持電極に直交するデータ電極と、前記走査電極及び前記維持電極を覆う誘電膜と、が設けられたプラズマディスプレイパネルをサブフィールドにより階調表示を行うプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
前記サブフィールドは、前記走査電極に予備放電パルスを印加することにより予備放電を発生させる予備放電期間と、
前記予備放電期間に後続して、ピーク電位が前記予備放電パルスと逆極性である予備放電消去パルスを前記走査電極に印加する予備放電消去期間と、
前記予備放電消去期間に後続して、前記走査電極に走査パルスを印加すると共に前記データ電極にデータパルスを印加することによって選択されたセルにて書き込み放電を発生させる走査期間と、
前記走査期間に後続して、前記走査電極及び前記維持電極に交互に維持パルスを印加することにより前記書き込み放電が発生したセルのみにて放電を発生させる維持期間と、
前記維持期間に後続して、電位が時間の経過と共に徐々に変化してピーク電位となる消去パルスを前記走査電極に印加する維持消去期間と、を含み、
前記維持消去期間では、前記消去パルスのピーク電位への電位変化後に、前記消去パルスのピーク電位を所定時間維持する保持時間を設けたことを特徴とする。
本願第3発明に係るプラズマディスプレイパネルの駆動方法は、前面基板に設けられた走査電極及び維持電極と、背面基板に設けられ前記走査電極及び前記維持電極に直交するデータ電極と、前記走査電極及び前記維持電極を覆う誘電膜と、が設けられたプラズマディスプレイパネルをサブフィールドにより階調表示を行うプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
前記サブフィールドは、前記走査電極に予備放電パルスを印加することにより予備放電を発生させる予備放電期間と、
前記予備放電期間に後続して、ピーク電位が前記予備放電パルスと逆極性である予備放電消去パルスを前記走査電極に印加する予備放電消去期間と、
前記予備放電消去期間に後続して、前記走査電極に走査パルスを印加すると共に前記データ電極にデータパルスを印加することによって選択されたセルにて書き込み放電を発生させる走査期間と、
前記走査期間に後続して、前記走査電極及び前記維持電極に交互に維持パルスを印加することにより前記書き込み放電が発生したセルのみにて放電を発生させる維持期間と、
前記維持期間に後続して、電位が時間の経過と共に徐々に変化してピーク電位となる消去パルスを前記走査電極に印加する維持消去期間と、を含み、
前記走査パルス及び前記予備放電消去パルスのピーク電位は共に負極性であり、前記予備放電消去パルスのピーク電位の絶対値に比して、前記走査パルスの電位の絶対値が大きく、
前記維持消去期間では、前記消去パルスのピーク電位への電位変化後に、前記消去パルスのピーク電位を所定時間維持する保持時間を設けたことを特徴とする。
本願第1発明においては、予備放電消去電圧保持時間を5μs以上とする。これは、予備放電消去パルスの電位変動が収束した後も持続している微弱放電が収束するまでの時間が5μs程度であるためであり、これによりセルごとに放電特性が違う場合でも壁電荷の量を一定にすることが可能となり、信頼性の高い駆動方法が得られる。
また、維持前消去電圧の電位変化を緩やかにすることにより、壁電荷の放電が弱放電として行われ、強制放電時に起こるような放電終了後の電極上への反対符号の電荷の付着は起きない。
更に、維持前消去期間における維持前消去電圧の電位変化後に、維持前消去電圧保持時間を挿入することにより、維持前消去電圧変化において起きていた弱放電が収束するまで維持放電が行われないので、残留壁電荷を一定にすることが可能になる。
更にまた、維持前消去電圧保持時間を5μs以上とすることができる。これは、維持前消去電圧の電位変動が収束した後も持続している微弱放電が収束するまでの時間が5μs程度であり、残留壁電荷を均一に消去するためである。
本発明によれば、予備放電消去電圧保持時間を挿入したことにより残留壁電荷を各セルの放電特性によらず一定とすることができるため、走査期間の誤放電を減少させることが可能になる。また、予備放電消去パルス最終到達電圧を走査電圧より小さくすることにより、壁電荷と走査電圧の重畳効果からデータ電圧や走査パルス電圧を低減させることが可能となり、さらに維持前消去期間を挿入することで書き込み放電しない場合の残留壁電荷を消去し、誤放電をさらに減少させることが可能になる。これらの駆動方法により、プラズマディスプレイ駆動の信頼性を高めることができる。
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1について図を参照しながら説明する。図3は本発明による駆動方法を実現するための駆動回路例で、プラズマディスプレイパネル300の水平方向の端部に走査電極、維持電極の取り出し部が、垂直方向の端部にデータ電極の取り出し部があり、この接続部に駆動回路が接続される。走査電極側の駆動回路は走査電極1本ずつに走査パルスを出力させるための走査ドライバ301、走査電極全てに共通した予備放電(プライミング)パルスを出力するためのプライミングドライバ302、プライミング消去パルスを出力するためのプライミング消去ドライバ303、維持パルスを出力するための維持ドライバ304、維持消去パルスを出力するための維持消去ドライバ305から構成される。一方維持電極側の駆動回路は維持パルスを印加するための維持ドライバ306から構成されている。また、データドライバ307がデータ電極に接続される。
図4に示すAC型プラズマディスプレイの駆動方法において、階調を表現するための1サブフィールドが、従来例と同様に予備放電期間1と、予備放電消去期間2と、走査期間3と、維持期間4と、維持消去期間5で構成されており、走査電極側に印加される予備放電パルスが正極性の波形であり、予備放電によって走査電極及び維持電極上に形成された壁電荷を減少させる予備放電消去パルスが、走査電極に負極性のゆるやかな立ち下がりのパルスで印加されている。
本実施の形態においては、期間2の予備放電消去期間での予備放電消去パルスが所定の電圧まで立ち下がった後に、その電圧での保持時間(Tpehold)を設け、その保持時間を5μsec以上としている。
図5は各駆動期間における電荷の動きを模式的に示したものであり、Aは駆動波形中のどの過程であるかを示し、Bはその過程中での放電の発生の様子、Cは放電終了後の壁電荷の様子を示す。
図5−1は予備放電期間であり、走査電極に印加される正極性の鋸歯状波と維持電極に印加される負極性の矩形波により、全セルの走査電極と維持電極の電極間ギャップ近傍の放電空間において予備放電が発生し、セルの放電を発生させやすくする活性粒子の生成が行われると同時に、走査電極上に負極性、維持電極上に正極性の壁電荷が付着する。
図5−2は予備放電消去期間であり、予備放電期間で走査電極及び維持電極上に付着した壁電荷を部分的に消去する予備放電消去パルスが印加され、その波形は走査電極側が負に立ち下がる鋸歯状波となっている。
図5−3では、予備放電消去での放電は予備放電消去パルスの電位変動が収束した後も5μs程度持続しているため、この放電が収束するまで予備放電消去の電位を5μs以上保持する。
図5−4は走査期間であり、走査電極に印加される負極性の走査パルスとデータ電極に印加される正極性のデータパルスにより、選択されたセルで書き込み放電を発生させて、以降の維持期間で発光する場所のセルに壁電荷を生成する。データパルス電圧は50〜80V、走査パルス電圧は−170〜−190V程度である。
書き込み放電をした場合を図5−4−B,Cで示す、この際走査電極とデータ電極間で発生した放電をトリガとして走査電極と維持電極間で放電が発生する。放電が発生すると、外部印加電圧を打ち消す極性の壁電荷が放電収束時に各々の電極上に付着する。従ってデータ電極及び共通電極上には負電荷、走査電極上には正電荷が蓄積される。
一方放電が発生しなかったセルにおいては予備放電消去後の状態が保持されている(B'、C')。なお、走査期間全体において走査ベースパルスが印加される。電位は−90V〜−110V程度である。これは、走査パルスの振幅を小さくすることにより走査ドライバの耐圧を下げると同時に、走査パルスが立ち上がる際に書き込み放電によって形成された壁電荷自身によって発生する放電を抑制している。
図5−5から5−7は維持期間であり、維持電極側と走査電極側の交互に負極性の維持パルスが印加される。この際走査期間で書き込み放電が発生しなかったセルでは予備放電消去後の状態が保持されているため、維持期間において維持パルスが印加されても放電は発生しない。一方書き込み放電が発生し選択的に壁電荷が形成されたセルには壁電荷が付着しており、維持電極への負極性の維持パルス電圧と壁電荷電圧が重畳され、最小放電電圧を越えて放電が発生する。放電が発生すると、それぞれの電極に印加されている電圧を打ち消すように壁電荷が配置される。
図5−8は維持消去期間であり、維持放電によって配置された壁電荷を消去するため、走査電極に鋸歯状波の消去パルスPse-sを印加して壁電荷の消去を行う。以上図5−1〜8までで1サブフィールドを構成し、これを所定の回数繰り返して1フレームを構成する。
このように、予備放電消去パルスの電位変動が収束した後の電位保持期間を放電が収束する5μs以上としたことにより、パネルごとに放電特性の差があっても予備放電消去パルス後の壁電荷量が一定となり、その後の書き込み放電、維持放電での放電特性が安定化するため、書き込み放電や維持放電に必要な電圧の変動が小さくなる。また予備放電消去パルス後の壁電荷量を正確に調整できるようになることから、走査期間に印加するデータパルスや走査パルス電圧の設定範囲を拡大することが出来る。
図6に示されている実線は従来技術による走査期間において発生する誤灯開始電圧の分布、点線は本発明による誤灯開始電圧の分布である。横軸は走査パルス電圧、縦軸はそれぞれの走査パルス電圧で誤放電するパネルの比率である。誤放電は、走査電極に印加される走査電圧と維持電極の電位差と予備放電消去パルス後に残留している壁電荷の和が放電開始電圧を超えると発生する。従来の駆動波形においては予備放電消去パルス後に残留している壁電荷量が安定しないため、誤放電開始電圧の分布が広くなっており、ばらつきが大きいことがわかる。一方本発明の駆動波形による分布は、予備放電消去後の壁電荷量が一定となるため、誤放電開始電圧の分布が狭くなっており、特性が安定していることがわかる。
(実施の形態2)
図7は本発明による第2の実施の形態であり、上記実施の形態1の予備放電消去期間において印加される予備放電消去パルスの最終到達電圧及び保持電圧Vpeと、走査期間において印加される走査パルス電圧Vwとの関係が、常にVpe<Vwとなることが特徴となる。
予備放電消去パルスは緩やかな勾配の波形であり、印加電圧と壁電荷の和が放電開始電圧を超えると放電は開始されるが、変化が緩やかであるため、放電開始電圧からの超過電圧はわずかである。従って発生する放電は微弱であり、放電開始電圧をわずかに下回る程度に壁電荷を減少させる程度で放電は収束する。これを波形の変化が収束するまで繰り返す。従って波形の最終到達電圧に至ると、その際の走査電極と維持電極間の電位差は、外部印加電圧と壁電荷電圧の和がわずかに放電開始電圧を下回る程度に保持されている。
図8に示すように、時刻t0は予備放電終了後であり、走査側に負極性、共通側に正極性の壁電荷が付着している。時刻t1は予備放電消去パルスが印加されているが、外部から印加されている電圧と壁電荷の和が放電開始電圧を下回っているので放電は発生しない。時刻t2において外部印加電圧と壁電荷の和が放電開始電圧を上回るが、放電開始電圧からの超過電圧はわずかであるため、放電は微弱となり、放電開始電圧をわずかに下回る程度に壁電荷が減少し放電は収束する。以下同様にt3まで微弱放電を繰り返し、t4で最終到達電圧となったのち5μs程度放電は持続したのち収束する。
図9に示すように、図7におけるVpeとVwとの関係を常にVpe<Vwとすることにより、Vpe とVwの差ΔVew分の壁電荷が走査電極側、維持電極側にそれぞれΔvew/2だけ配置されて走査パルスに重畳されるため、Vpe=Vwとした場合に比較して実効的な走査パルス電圧Vwが高くなる。従ってVpe=Vwとした場合と比較して走査電極とデータ電極間の電位差をΔvew/2だけ小さくすることができ、また走査電極、維持電極の面電極間にはΔVewの壁電荷が付着しているため、面電極間電位差をΔVewだけ小さくすることができる。
図10は走査パルス電圧Vwを一定にした場合のΔVewと書き込み放電が発生する最小のデータ電圧Vdminとの関係であり、ΔVewが増大するに従ってVdminが減少していることがわかる。また、図11はΔVewと書き込み放電が発生する最小の走査パルス電圧Vwminとの関係であり、ΔVewが増大するに従ってVwminが減少していることがわかる。これらの特性を利用し、データ電圧Vdや走査パルス電圧Vwを低減させることができる。
(実施の形態3)
図12は本発明による第3の実施の形態であり、上記実施の形態2の走査期間と維持期間の間に維持前消去期間を設け、走査側に負極性の緩やかな立ち下がりの消去パルスを印加することが特徴となる。
図13に示すように、実施の形態2において走査期間に書き込み放電を行わない場合、壁電荷は走査電極上及びデータ電極上に残留して付着している(図13−2)。従ってこの状態で維持期間に突入すると、維持パルスと残留している壁電荷とが重畳し誤放電してしまうため(図13−5)、維持電圧の設定可能範囲が狭くなるという不具合があった。
これを改善するため、走査期間と維持期間の間に維持前消去期間を設け、走査電極に負極性の緩やかな立ち下がりの維持前消去パルスを印加することにより、走査電極及び維持電極上に残留している壁電荷を消去することができ、維持電圧の設定可能範囲を広くすることができる。
図14は本実施の形態3における書き込み放電が行われなかった場合の各期間の説明である。図14−2において印加される予備放電消去パルスの最終到達電圧が走査パルス電圧よりも低いため、走査電極及び維持電極上にΔVew/2の壁電荷が残留する。書き込み放電が発生しない場合(図14−3)では走査電極上に負電荷、維持電極上に正電荷が残留している。図14−4では走査側に負極性で緩やかに立ち下がる維持前消去パルスが印加されるが、書き込み放電が発生した場合においては走査電極上は正電荷、維持電極上には負電荷が蓄積しているため、維持前消去パルスの電圧を打ち消す方向となり放電は発生しない。一方書き込み放電が発生しなかった場合においては走査電極上に残留している負電荷、及び維持電極上に残留している正電荷と維持前消去パルスが重畳され、放電が発生する。この際印加されているパルスが緩やかであるため、予備放電消去パルスと同様に放電は弱放電形態となり、最終到達電圧となったのち5μs程度放電は持続する。従って維持前消去パルスの印加電圧を放電開始電圧と同程度とし、維持前消去期間を5μs以上挿入することにより、走査電極及び維持電極上に残留している壁電荷を消去することができる。このため次の維持期間における電圧設定可能範囲を広げることができる。
図15にΔVewと維持電圧設定可能範囲の関係を示す。グラフの横軸は予備放電消去パルス電圧と走査パルス電圧との電位差ΔVew、縦軸は維持電圧である。維持電圧の設定可能範囲は、維持放電が持続する最小の維持電圧Vsminと、誤放電が開始する最小の維持電圧Vsmaxで規定される。VsminはΔVewによらず一定の値を示す。それに対し維持前消去パルスを印加しない場合のVsmaxはΔVewが増大するに従い低下し、維持電圧の設定可能範囲は減少する。それに対し維持前消去パルスを印加した場合のVsmaxはΔVewによらず一定の値を示し、維持電圧の設定可能範囲が維持前消去パルスを印加しない場合と比較して拡大される。
ACメモリ動作型のプラズマディスプレイパネルの一つの表示セルの構成を例示する断面図。 従来例でのプラズマディスプレイ駆動方法の模式図。 本発明における駆動方法を実現するための駆動回路例。 実施の形態1でのプラズマディスプレイ駆動方法の模式図。 図4における各期間の電荷の動きを示す図。 従来例と実施の形態1の誤灯開始電圧分布比較図。 実施の形態2でのプラズマディスプレイ駆動方法の模式図。 図7の期間2における電荷の動きを詳細に示す図。 図7における各期間の電荷の動きを示す図。 走査パルス電圧Vwを一定にした場合のΔVewと書き込み放電が発生する最小のデータ電圧Vdminとの関係を示す従来例と実施の形態2の比較図。 ΔVewと書き込み放電が発生する最小の走査パルス電圧Vwminとの関係を示す従来例と実施の形態2の比較図。 実施の形態3でのプラズマディスプレイ駆動方法の模式図。 実施の形態2で書き込み放電を行わない場合の各期間の電荷の動きを示す図。 実施の形態3で書き込み放電を行わない場合の各期間の電荷の動きを示す図。 ΔVewと維持電圧設定可能範囲の関係を示す図。
符号の説明
101、102:絶縁基板
103:走査電極
104:維持電極
105、106:トレース電極
107:データ電極
108:放電ガス空間
109:隔壁
110:可視光
111:蛍光体
112、114:誘電体
113:保護層
300:プラズマディスプレイパネル
301:走査ドライバ
302:プライミングドライバ
303:プライミング消去ドライバ
304、306:維持ドライバ
305:維持消去ドライバ
307:データドライバ
Ppr-s:走査電極側プライミングパルス
Ppe:プライミング消去パルス
Pw:走査パルス
Psus-s:走査電極側維持パルス
Pse-s:消去パルス
Ppr-c:維持電極側プライミングパルス
Psus-c:維持電極側維持パルス
Pdata:データパルス
Vpe:プライミング消去パルス最終到達電圧
Vw:走査パルス電圧
Tpehold:電位保持時間
Psus-ce:維持前消去パルス
Vdmin:書き込み放電が発生する最小のデータ電圧
Vwmin:書き込み放電が発生する最小の走査パルス電圧
Vsmin:維持放電が持続する最小の維持電圧
Vsmax:誤放電が開始する最小の維持電圧

Claims (5)

  1. 前面基板に設けられた走査電極及び維持電極と、背面基板に設けられ前記走査電極及び前記維持電極に直交するデータ電極と、前記走査電極及び前記維持電極を覆う誘電膜と、が設けられたプラズマディスプレイパネルをサブフィールドにより階調表示を行うプラズマディスプレイパネルの駆動方法であって、
    前記サブフィールドは、前記走査電極に予備放電パルスを印加することにより予備放電を発生させる予備放電期間と、
    前記予備放電期間に後続して、ピーク電位が前記予備放電パルスと逆極性である予備放電消去パルスを前記走査電極に印加する予備放電消去期間と、
    前記予備放電消去期間に後続して、前記走査電極に走査パルスを印加すると共に前記データ電極にデータパルスを印加することによって選択されたセルにて書き込み放電を発生させる走査期間と、
    前記走査期間に後続して、前記走査電極及び前記維持電極に交互に維持パルスを印加することにより前記書き込み放電が発生したセルのみにて放電を発生させる維持期間と、を含み、
    前記予備放電消去パルスのピーク電位へいたるまでの電位の変化率は、前記予備放電消去パルスのピーク電位から変化する電位の変化率に比して小とし、
    前記予備放電消去期間では、前記維持電極はGNDに保ち、かつ、前記予備放電消去パルスのピーク電位への電位変化後に、このピーク電位を所定時間維持する予備放電消去電圧保持時間を設け、
    前記予備放電消去電圧保持時間を5μs以上とすることを特徴とするプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  2. 前記走査パルス及び前記予備放電消去パルスのピーク電位は、共に負極性であり、前記予備放電消去パルスのピーク電位の絶対値に比して、前記走査パルスの電位の絶対値が大きいことを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  3. 前記予備放電パルスの印加中に、前記予備放電パルスと逆極性の矩形波パルスを前記維持電極に印加することを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  4. 前記予備放電パルスのピーク電位へいたるまでの電位の変化率は、前記予備放電パルスのピーク電位から変化する電位の変化率に比して小とすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
  5. 前記予備放電消去パルスの印加開始時点での電位に比して、前記予備放電消去パルスの印加終了時点での電位を負極性側とすることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの駆動方法。
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