JP5095226B2 - 色素増感型太陽電池及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、光エネルギーを電気エネルギーに直接変換する色素増感型太陽電池及びその製造方法に関するものである。
現在、太陽光発電では、単結晶シリコン、多結晶シリコン、アモルファスシリコン及びこれらを組み合わせたHIT(Heterojunction with Intrinsic Thin-layer)等を用いた太陽電池が実用化され、主力技術となっている。これらの太陽電池は、光電変換の効率が20%近くあり、優れている。しかし、シリコン系太陽電池は素材製造にかかるエネルギーコストが高く、環境負荷などの面でも課題が多く、価格や材料供給等における制限もある。一方、近年においては、Gratzel等により提案された色素増感型太陽電池が安価な太陽電池として注目されている(例えば、非特許文献1及び特許文献1参照)。色素増感型太陽電池は、増感色素を担持させたチタニア多孔質電極(いわゆる半導体電極)と対極である触媒電極との間に電解質を介在させた構造を有している。この種の太陽電池は、現行のシリコン系太陽電池に比べて光電変換効率が低いというデメリットを有するものの、材料や製法等の面で大幅なコストダウンが可能というメリットを有している。
ところで、この種の色素増感型太陽電池における半導体電極は、ガラス基板のような透光性基板上に設けられた透光性導電層を被覆するように設けられることが多い。しかし、透光性導電層には透明性が要求されるため、その低抵抗化には一定の制約を受ける。それゆえ、色素増感型太陽電池が大きな面積になればなるほど、半導体電極での光電変換により生じた電力を効率よく集めることが難しくなる。そこで通常は、銀ペーストを塗布及び焼付けしてなる低抵抗かつ短冊状あるいは格子状の集電電極を透光性基板上に別途設け、この集電電極に半導体電極を電気的に接続して集電するようにしている(例えば、特許文献2参照)。また、このような焼付けに代えて、スパッタまたは蒸着により金属膜を形成、堆積させることで集電電極を形成することも従来提案されている。
Nature誌(第353巻、pp.737−740、1991年) 特開平1−220380号公報 特開2000−285977号公報
ところが、このような集電電極を設ける場合には、その幅か厚さのいずれかを大きくする必要があるが、例えば幅を広くしたときその部分には半導体電極が形成不能となる。そのため、光電変換のための有効な実面積の縮小につながり、単位面積あたりの光電変換効率が低下してしまう。また、厚さを厚くすると、半導体電極と対極との距離、つまり電解液層の厚さが厚くなるため、イオンの移動速度が低下する結果、やはり光電変換効率の低下につながってしまう。
以上の問題を解消するためには、例えば、半導体電極のある透光性基板(便宜上「第1基体」と呼ぶ)の側ではなく、対極のある基板(便宜上「第2基体」と呼ぶ)の側に集電電極を設ければよいと考えられる。また、このような構造においては、半導体電極と第2基体側集電電極との間を中継して電気的に接続するための何らかの導電体の配設が必要になる。しかしながら、従来このような構造を有する色素増感型太陽電池は、未だ具体的に提案されていなかった。
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、その第1の目的は、光発電により得た電力を第2基体側に設けられた集電電極を介して効率よく回収可能であり、大面積化に有利な構造を有する色素増感型太陽電池を提供することにある。また、本発明の第2の目的は、上記の優れた色素増感型太陽電池を比較的容易にかつ低コストで得ることが可能な製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するために、手段1に記載の発明は、透光性基板(13)、前記透光性基板(13)の内側面(12)上に設けられた透光性導電層(14)、及び増感色素を含みかつ前記透光性導電層(14)上に設けられた半導体電極(15)を有する第1基体(11)と、前記第1基体(11,11A)に対向して配置され、その内側面(22)上に触媒電極(23)を有する第2基体(21,21A)と、前記第1基体(11,11A)及び前記第2基体(21,21A)間に存在するセル空間(32)内に充填された電解液(33)と、前記第2基体(21,21A)の内側面(22)上にて前記触媒電極(23)と絶縁された状態で点状に存在する複数の集電電極(41)と、前記第1基体(11,11A)及び前記第2基体(21,21A)間に配置され、前記複数の集電電極(41)及び前記透光性導電層(14)に対して接触することで、前記複数の集電電極(41)と前記透光性導電層(14)とを導通させる複数の中継接続体(51)と
を備え、前記複数の中継接続体(51)が、前記第1基体(11,11A)及び前記第2基体(21,21A)よりも弾性のある材料からなる粒状基体(53)の表面を導電層(52)で被覆した構造を有することを特徴とする色素増感型太陽電池(1,100,120,140,160)がある。
従って、手段1に記載の発明によると、第1基体及び第2基体間に配置された複数の中継接続体を介して、第1基体側の透光性導電層と第2基体側の複数の集電電極とが導通される。そのため、第1基体側に集電電極を設けた従来技術とは異なり、半導体電極が形成不能な面積が増えることもなく、光電変換のための有効な実面積が維持される。よって、単位面積あたりの光電変換効率の低下を回避でき、光発電により得た電力を第2基体側に設けられた集電電極を介して効率よく回収することができる。また、中継接続体の表面には低抵抗の導電層が存在しているため、その導電層を介して透光性導電層と集電電極とを確実に導通することができる。さらに、中継接続体は第1基体及び第2基体よりも弾性のある材料からなる粒状基体を構成要素としているため、全体として弾性変形可能となっている。このため、例えば基体の反りやうねり等が原因で電極間距離にバラツキがあるような場合であっても、中継接続体が弾性変形して複数の集電電極及び透光性導電層の双方に対して確実に接触し、両者間を確実に導通させることができる。ゆえに、大面積化に有利な構造を有する色素増感型太陽電池を提供することができる。
第1基体を構成する「透光性基板」は、使用時にて光が入射する側に配置されることから、ガラスや樹脂シート等のような透光性材料を用いて形成される。この透光性基板が樹脂シートからなるとき、この樹脂シートの形成に用いる樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリフェニレンスルフィド、ポリカーボネート、ポリスルフォン、ポリエチリデンノルボルネン等の各種の熱可塑性樹脂が挙げられる。透光性基板の厚さは材質によっても異なり、特に限定されないが、透光性の指標である下記の透過率が60%〜99%、特に85%〜99%となる厚さであることが好ましい。ここでいう透光性とは、波長400nm〜900nmの可視光の透過率が10%以上であることを意味する。この透過率は60%以上、特に85%以上であることが好ましい。以下、透光性の意味及び好ましい透過率は全て同様である。
透過率(%)=(透過した光量/入射した光量)×100
第1基体を構成する「透光性導電層」は、透光性基板の内側面上に設けられる。透光性導電層は、透光性及び導電性を有していればよく、その材質は特に限定されない。この透光性導電層としては、導電性酸化物からなる薄膜、炭素薄膜等が挙げられる。導電性酸化物としては、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等が挙げられる。この透光性導電層の厚さはその材質によっても異なり、特に限定されないが、表面抵抗が100Ω/cm以下、特に1Ω/cm以上10Ω/cm以下となる厚さであることが好ましい。
なお、この透光性導電層の透光性の意味及び好ましい可視光透過率は、透光性基板の場合と同様である。
第1基体を構成する「半導体電極」は、増感色素を含みかつ前記透光性導電層上に設けられる。つまり、この半導体電極は第1基体の内側面に設けられ、セル空間に面して配置した状態となる。
この半導体電極は、例えば、多孔質電極基体に増感色素を付着させた構造を有している。多孔質電極基体は、金属酸化物、金属硫化物等により形成することができる。金属酸化物としては、チタニア、酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化二ニオブ等の酸化ニオブ、酸化タンタル及びジルコニア等が挙げられる。また、チタン酸ストロンチウム、チタン酸カルシウム及びチタン酸バリウム等の複合酸化物を用いることもできる。さらに、金属硫化物としては、硫化亜鉛、硫化鉛及び硫化ビスマス等が挙げられる。
多孔質電極基体の形成方法は特に限定されないが、例えば、金属酸化物、金属硫化物等の半導体微粒子を含有するペーストを、透光性基板等の表面に塗布して未焼成の多孔質電極基体を形成した後、焼成するという手順を採用することができる。ペーストの塗布方法も特に限定されず、その具体例としてはスクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等がある。このようにして形成された半導体電極基体は、半導体微粒子が集合してなる集合体の形態を有したものとなる。
この場合における焼成条件は特に限定されないが、例えば焼成温度については400℃以上600℃以下、特に450℃以上550℃以下に設定され、焼成時間については10分以上300分以下、特に20分以上40分以下に設定されてもよい。焼成雰囲気は、大気雰囲気等の酸化雰囲気としてもよく、あるいはアルゴン等の希ガスや窒素ガス等の不活性雰囲気としてもよい。
半導体電極の厚さは特に限定されないが、0.1μm以上100μm以下とすることができ、1μm以上50μm以下、特に2μm以上40μm以下、さらに5μm以上30μm以下とすることが好ましい。この厚さが0.1μm以上100μm以下の範囲内であれば、光電変換が十分になされ、発電効率の向上を図ることができる。また、半導体電極は、その強度及び透光性基板等との密着性を向上させるため、熱処理されることが好ましい。熱処理の温度及び時間は特に限定されないが、熱処理温度については40℃以上700℃以下、特に100℃以上500℃以下とすることが好ましく、熱処理時間については10分以上10時間以下、特に20分以上5時間以下とすることが好ましい。なお、透光性基板として樹脂シートを用いる場合には、樹脂が熱で劣化しないように適温で熱処理することが好ましい。
半導体電極が有する「増感色素」としては、光電変換の作用を向上させる役割を果たすものであって、具体的には光電変換の作用を向上させる錯体色素及び有機色素を用いることができる。錯体色素としては金属錯体色素が挙げられ、有機色素としてはポリメチン色素、メロシアニン色素等が挙げられる。金属錯体色素としてはルテニウム錯体色素及びオスミウム錯体色素等が挙げられ、ルテニウム錯体色素が特に好ましい。さらに、光電変換がなされる波長域を拡大し、光電変換効率を向上させるため、増感作用が発現される波長域の異なる2種以上の増感色素を併用することもできる。この場合、照射される光の波長域と強度分布とによって併用する増感色素の種類及びそれらの量比を設定することが好ましい。また、増感色素は半導体電極に結合するための官能基を有することが好ましい。この官能基としては、カルボキシル基、スルホン酸基、シアノ基等が挙げられる。
多孔質電極基体に増感色素を付着させる方法は特に限定されず、例えば、増感色素を有機溶媒に溶解させた溶液に多孔質電極基体を浸漬し、溶液を含侵させた後、有機溶媒を除去するという方法が採用可能である。また、この溶液を多孔質電極基体に塗布した後、有機溶媒を除去するという方法も採用可能である。この場合の溶液塗布方法としては、ワイヤーバー法、スライドホッパー法、エクストルージョン法、カーテンコート法、スピンコート法、スプレーコート法等が挙げられる。さらに、この溶液は、オフセット印刷、グラビア印刷、スクリーン印刷等の印刷法により塗布することもできる。
増感色素の付着量は半導体電極15に対して0.01ミリモル以上1ミリモル以下、特に0.5ミリモル以上1ミリモル以下であることが好ましい。付着量が0.01ミリモル以上1ミリモル以下の範囲内に設定すれば、半導体電極において光電変換が効率よくなされる。また、半導体電極に付着しなかった増感色素が電極周辺に遊離していると、変換効率が低下することがある。そのため、増感色素を付着させる処理の後、半導体電極を洗浄して余剰の増感色素を除去することが好ましい。この除去は、洗浄槽を用いてアセトニトリル等の極性溶媒及びアルコール系溶媒などの有機溶媒で洗浄することにより行うことができる。また、電極基体に多くの増感色素を付着させるためには、半導体電極を加熱して、浸漬、塗布等の処理を行うことが好ましい。この場合、半導体電極の表面に水が吸着するのを避けるため、加熱後、常温に降温させることなく40℃以上80℃以下で速やかに処理することが好ましい。
一方、第1基体に対向して配置される「第2基体」は、その内側面上に触媒電極を有している。
第2基体は、透光性を有していてもよいし、透光性を有していなくてもよい。透光性を有する第2基体としては、例えばガラス基板や樹脂基板等を用いることができる。透光性を有していない第2基体としては、例えばセラミック基板を用いることができる。セラミック基板は機械的強度が高く、この基板が支持基板となって優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池とすることができる。セラミック基板の形成に用いられるセラミックは特に限定されず、例えば、酸化物系セラミック、窒化物系セラミック、炭化物系セラミック等の各種セラミックスを用いることができる。酸化物系セラミックとしては、アルミナ、ムライト、ジルコニア等が挙げられる。また、窒化物系セラミックとしては、窒化ケイ素、サイアロン、窒化チタン、窒化アルミニウム等が挙げられる。さらに、炭化物系セラミックとしては、炭化ケイ素、炭化チタン、炭化アルミニウム等が挙げられる。セラミックスとしては、アルミナ、窒化ケイ素、ジルコニア等が好ましく、特にアルミナが好ましい。その理由は、機械的強度に優れることに加え、好適な絶縁性を有することから電極や導電層などを形成するための支持体としても好適だからである。
第2基体がセラミック基板である場合、その厚さは特に限定されないが、100μm以上5mm以下とすることができ、300μm以上4mm以下、特に500μm以上2mm以下とすることができる。セラミック基板の厚さが100μm以上あれば、支持基板として要求される十分な機械的強度を付与できるため、これを用いることで優れた耐久性を有する色素増感型太陽電池を得ることができる。
第2基体の有する「触媒電極」は、第2基体の内側面上に直接的に設けられてもよく、第2基体側導体層を介して間接的に設けられてもよい。第2基体側導体層としては特に限定されず、導電性を有していればその材質は問わない。この場合、例えば第1基体における透光性導電層と同様のものを第2基体側導体層として用いてもよい。
この触媒電極は、触媒活性を有する物質、または触媒活性を有する物質を含有する金属、導電性酸化物及び導電性高分子のうちの少なくとも1種により形成することができる。触媒活性を有する物質としては、白金、金、ロジウム等の貴金属が挙げられる。銀も貴金属であるが、電解質等に対する耐腐食性が低いため好ましくない。触媒活性を有する物質であって貴金属以外のものとしては、カーボンブラック等が挙げられる。ここに列挙した物質は、いずれも好適な導電性を有する。貴金属は触媒活性を有しかつ電気化学的に安定であるため、触媒電極の形成用材料として好適であり、その中でも触媒活性が高くて電解質に対する耐腐食性が高い白金が特に好適である。
触媒活性を有する物質を含有する上記金属としては、アルミニウム、銅、クロム、ニッケル、タングステン等が挙げられる。触媒活性を有する物質を含有する上記導電性酸化物としては、酸化インジウム、スズドープ酸化インジウム、酸化スズ、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)等が挙げられる。触媒活性を有する物質を含有する上記導電性高分子としては、ポリアニリン、ポリピロール、ポリアセチレン等が挙げられる。
触媒電極の厚さは特に限定されないが、単層及び多層のいずれの場合も、3nm以上10μm以下、特に3nm以上2μm以下とすることができる。触媒電極の厚さが3nm以上10μm以下の範囲内であれば、十分に抵抗の低い触媒電極とすることができる。
触媒活性を有する物質からなる触媒電極は、触媒活性を有する物質の微粒子を含有するペーストを、第2基体の表面に塗布することにより形成することができる。また、触媒活性を有する物質を含有する金属、導電性酸化物からなる触媒電極も、触媒活性を有する物質の場合と同様の方法により形成することができる。この塗布方法としては、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等の各種の方法が挙げられる。さらに、この触媒電極は、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等により第2基体の表面に金属等を堆積させて形成することもできる。
また、触媒活性を有する物質を含有する導電性高分子からなる触媒電極は、導電性高分子と、粉末状または繊維状等の触媒活性を有する物質とを、バンバリーミキサー、インターナルミキサー、オープンロール等の装置により混練して調製した樹脂組成物をフィルムに成形し、このフィルムを第2基体の表面に接合して形成することもできる。さらに、樹脂組成物を溶媒に溶解または分散させて調製した溶液または分散液を第2基体の表面に塗布し、乾燥して、溶媒を除去し、必要に応じて加熱して形成することもできる。触媒電極が混合層であるときは、含有される材料の種類に応じて、上記の各種の方法等のうちの適宜の方法により形成することができる。
なお、第2基体はその外側面上に集電用導体層を有していてもよく、また、その集電用導体層に接続されたビア導体を有していてもよい。このような集電用導体層及びビア導体は、導電性を有する材料により形成されることができ、具体的には、アルミニウム、タングステン、チタン等といった金属の粒を含む金属ペーストを印刷しかつ焼成すること等により形成されることができる。
第1基体及び第2基体の間には例えばスペーサが配置され、その配置の結果両者の間にセル空間が区画形成される。スペーサの材料は特に限定されず、樹脂またはガラスなどが使用可能であるが、耐腐食性のある材料を選択することが好ましい。このスペーサの厚さは、所望の高さのセル空間を形成するために、例えば10μm以上100μm以下、好ましくは20μm以上80μm以下に設定される。
「電解液」は、第1基体及び第2基体間に存在する上記のセル空間内に充填され、少なくとも半導体電極と触媒電極との間に介在している。セル空間への電解液の注入は、第1基体側から行ってもよく、第2基体側から行ってもよい。この場合、穿孔しやすい側に注入口を設け、この注入口から電解液を注入することが好ましい。注入口は1個でよいが、空気抜きのためさらに別の孔を設けておいてもよい。このように空気抜きのための孔を設けておけば、電解液をより容易にかつ確実に注入することができる。
電解液における電解質としては、(1)Iとヨウ化物、(2)Brと臭化物、(3)フェロシアン酸塩−フェリシアン酸塩、フェロセン−フェリシニウムイオン等の金属錯体、(4)ポリ硫化ナトリウム、アルキルチオール−アルキルジスルフィド等のイオウ化合物、(5)ビオロゲン色素、(6)ヒドロキノン−キノン、などを含有する電解質が挙げられる。(1)におけるヨウ化物としては、LiI、NaI、KI、CsI、CaI等の金属ヨウ化物、及びテトラアルキルアンモニウムヨーダイド、ピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩などが挙げられる。また、(2)における臭化物としては、LiBr、NaBr、KBr、CsBr、CaBr等の金属臭化物、及びテトラアルキルアンモニウムブロマイド、ピリジニウムブロマイド等の4級アンモニウム化合物の臭素塩などが挙げられる。これらの電解質のうちでは、Iと、LiI及びピリジニウムヨーダイド、イミダゾリウムヨーダイド等の4級アンモニウム化合物のヨウ素塩と、を組み合わせてなる電解質が特に好ましい。これらの電解質は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
電解質は、各種の添加剤等とともに溶媒に配合し、電解液として用いることができる。この溶媒は、粘度が低く、イオン易動度が高く、十分なイオン伝導性を有するものであることが好ましい。このような溶媒としては、(1)エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のカーボネート類、(2)3−メチル−2−オキサゾリジノン等の複素環化合物、(3)ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテル類、(4)エチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールジアルキルエーテル、ポリエチレングリコールジアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールジアルキルエーテル等の鎖状エーテル類、(5)メタノール、エタノール、エチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリプロピレングリコールモノアルキルエーテル等のモノアルコール類、(6)エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類、(7)アセトニトリル、グルタロジニトリル、メトキシアセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル等のニトリル類、(8)ジメチルスルフォキシド、スルフォラン等の非プロトン極性物質などが挙げられる。これらの溶媒は1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
さらに、電解質として常温溶融塩を用いることができ、この場合には溶媒を用いて電解液とすることができる。また、電解質を単独で用いることもできる。この常温溶融塩としては、ヨウ化物の常温溶融塩を用いることができる。このヨウ化物の常温溶融塩としては、イミダゾリウム塩、ピリジニウム塩、ピロリジニウム塩、ピラゾリジウム塩、イソチアゾリジニウム塩、イソオキサゾリジニウム塩等の各種の常温溶融塩が挙げられる。ヨウ化物の常温溶融塩のうちではイミダゾリウム塩が好ましい。これらの常温溶融塩としては種類の異なる2種以上を併用することもできる。
「集電電極」は第2基体側に複数存在している。より具体的にいうと、複数の集電電極は、第2基体の内側面上にて触媒電極と絶縁された状態で(言い換えると、物理的に離間した状態で)、点状に存在している。これらの集電電極は透光性導電層と電気的に接続されており、負極である半導体電極用の集電電極として機能する。このように第2基体側に集電電極を設けることで、光電変換のための有効な実面積を維持することができる。
複数の集電電極は、少なくとも導電性を有していればよく、その材質は特に限定されない。ただし、腐食性のある電解液を用いる場合には、耐腐食性の高い導電性材料からなる集電電極を形成することが望ましい。耐腐食性の高い導電性材料としては、例えば、タングステン、ニッケル、チタンなどがある。複数の集電電極は、例えば、導電性微粒子を含有するペーストを第2基体の内側面に塗布することにより形成することができる。この塗布方法としては、スクリーン印刷法、ドクターブレード法、スキージ法、スピンコート法等の各種の方法が挙げられる。さらに、複数の集電電極は、スパッタリング法、蒸着法、イオンプレーティング法等により第2基体の内側面に金属等を堆積させて形成することもできる。なお、上記のいずれの手法を採用する場合であっても、集電電極の厚さは10μm以上100μm以下とすることがよく、特には30μm以上100μm以下とすることがよい。厚さがこの範囲内であれば、集電電極の抵抗を低くできるので、集電効率を向上しやすくなる。複数の集電電極は、例えば、パターン状に形成されたパッドであってもよいほか、ビア導体の端面であってもよい。また、複数の集電電極は、第2基体の外側面上に設けられた集電用導体層に対し、複数のビア導体を介して導通されていることが好ましい。この構造であると、比較的簡単に複数の集電電極から配線を取り出すことができる。
なお、集電用導体層及びビア導体を有する構成を採用する場合には、ガラス基板ではなくセラミック基板を用いて第2基体を構成することが好適である。即ち、セラミック基板は多層構造を採りやすいことに加え、導電材料と絶縁材料とを上手く選択することによってセラミック基板、集電用導体層及びビア導体を同時焼成できるからである。
「複数の中継接続体」は、第1基体及び第2基体間に配置され、複数の集電電極及び透光性導電層に対して接触することで、複数の集電電極と透光性導電層との間の電気的接続を中継する役割(即ち両者を導通させる役割)を果たしている。中継接続体は、第1基体及び第2基体よりも弾性のある材料からなる粒状基体の表面を導電層で被覆した構造を有しており、全体的に見ても粒状を呈している。中継接続体の形状(粒状基体の形状)は粒状であればよく、具体的には球形状、角柱状、円柱状などのいずれでもよいが、中でも特に球形状が好ましい。球形状の中継接続体は、取扱いやすくそれ自体の製造も比較的容易だからである。また、球状であれば面上を転動可能なため、基体に対する固定時に有利な場合があるからである。
中継接続体を構成する粒状基体の形成材料としては、第1基体及び第2基体よりも弾性のあるものならば特に限定されず、任意のものを選択することができる。なお、粒状基体には必ずしも導電性が要求されないため、非導電性材料を選択することも可能である。第1基体及び第2基体はガラスやセラミック等といった材料を用いて形成されることが多いが、この場合には粒状基体の形成材料として、例えば、これらの材料よりも弾性のある金属材料や合成樹脂材料などを選択することがよい。なお、ガラス、セラミック、金属などといった無機材料よりも弾性に富む合成樹脂材料を選択することが特に好ましい。合成樹脂材料からなる粒状基体を用いた中継接続体は、弾性変形しやすいという有利な特性を有する。よって、表面にある導電層が透光性導電層等に対して圧接でき、中継接続体を安定して介装可能となり、導通抵抗も低くなる。また、電極間距離にバラツキがあるような場合の電気的接続の確保にも有効である。
中継接続体を構成する導電層は、粒状基体の表面の一部または全部を被覆するように形成されている。導電層は導電性を有する任意の材料を用いて形成可能であるが、好ましくは導電性を有する金属材料を主体とする導電金属層、特に好ましくは導電性を有する金属材料のみからなる導電金属層であることがよい。耐腐食性が特に要求されない場合における好適な金属材料としては、タングステン、ニッケル、チタン、モリブデン、アルミニウム、銅、銀、金、白金、パラジウムなどを挙げることができる。勿論、これらの1種または2種以上の金属を含む合金であってもよい。導電性の高さの観点からすると、銀、銅がよく、とりわけ銅が好適である。また、電解液が腐食性電解液であって耐腐食性が要求される場合には、少なくともその腐食性電解液に対する耐腐食性を有する金属、具体的にはタングステン、チタン及びニッケルのうちから選択される少なくとも1種の金属が好適である。これらの中でも特にニッケルが好ましい。なお、導電金属層は1層であっても2層以上であってもよい。
例えば、ゴム等のような樹脂マトリクス中にフィラーとしての導電性金属粒を分散させてなる材料(いわゆる導電性ゴム等)もある程度導電性を有するが、導電性金属のみからなるものではないため、電気抵抗が高くて導体としての特性に劣る。それゆえ、中継接続体を構成する導電層として導電性ゴムを使用することは、あまり好ましくない。
中継接続体の大きさは、第1基体及び第2基体間の隙間に介装可能な大きさであれば特に限定されず、例えば、10μm以上1000μm以下程度の大きさとすることができる。なお、好ましい中継接続体の大きさは、当該隙間のサイズ(即ちセル空間の高さ、あるいはスペーサの厚さ)よりも若干大きい程度、例えばその1.1倍以上3.0倍以下である。なお、セル空間の高さが20μm以上80μm以下に設定されている場合には、例えば中継接続体の大きさ(平均粒径)を22μm以上240μm以下程度に設定すればよい。この大きさが上記好適範囲内にて設定されていれば、第1基体及び第2基体間の隙間に中継接続体を安定的に介装でき、かつ第1基体と第2基体との間を低抵抗で確実に導通させることができる。
複数の中継接続体は基体面方向に沿って互いに離間して配置され、好ましくは互いに等間隔をもって均等に配置(例えば格子状に配置)されることがよい。このように配置することで、均等に集電することが可能となり、優れた集電効率を実現しやすくなる。例えば、複数の集電電極の形成位置に対応して複数の集電電極を配置すれば、おのずとそれら複数の集電電極も点状に配置された状態(即ち基体面方向に沿って互いに離間して配置された状態)となる。
複数の中継接続体は第1基体及び第2基体のどちらにも固定可能であるが、好ましくは第2基体側に固定されていることがよい。複数の中継接続体を第2基体側に固定する構造は、第1基体側に固定する構造に比べて半導体電極の面積減少を伴いにくく、光電変換効率の向上に有利だからである。従って、複数の中継接続体は、第2基体の内側面に設けられた固定部に固定されていることがよい。このような固定部としては、中継接続体を安定的に固定可能な形態であれば特に限定されないが、例えば、複数の集電電極が存在する箇所に対応して形成された複数の窪みであることが好適である。そして、これら複数の窪みの各々には、複数の中継接続体がそれぞれ嵌着固定される。この構成の利点は、窪みに対する嵌着固定によって中継接続体が確実に固定されるとともに、平面方向への位置ずれも未然に防止されるため、中継接続体を安定的に固定保持できることである。勿論この構成を採用することで装置の信頼性も向上する。しかも、嵌着固定という方法を採用したことで、固定のために導電性接着剤等の接合材を使用する必要がなくなる結果、製造工程が簡略化してコスト低減を達成しやすくなる。
窪みの開口形状及び断面形状は特に限定されず、中継接続体を嵌着保持可能であれば任意の形状を採用することが許容される。窪みの好適な形状の具体例としては、例えば、開口部が窄まった断面形状を挙げることができる。かかる断面形状を呈する窪みであれば、その中に中継接続体を嵌着保持したときに中継接続体が抜けにくくなり固定強度が上がるからである。また、窪みの深さについては、中継接続体の直径よりも小さいことがよく、好ましくは当該直径の0.3倍以上0.9倍以下、特に好ましくは当該直径の0.4倍以上0.8倍以下に設定される。即ち、窪みが浅すぎると中継接続体を嵌着保持できなくなるからであり、窪みが深すぎると窪みの開口部から中継接続体の一部を突出させにくくなるからである。
なお、窪みを有する構成を採用する場合、とりわけ窪みに加えて集電用導体層及びビア導体を有する構成を採用する場合には、ガラス基板ではなくセラミック基板を用いて第2基体を構成することが好適である。即ち、ガラス基板への機械加工による穴明け及び導体形成を併せて行うことは、工程的に煩雑になり高コストにもつながるおそれがあるからである。これに対してセラミック基板の場合には、未焼成状態で穴明け及び導体形成しておき、その後焼成することで、比較的容易に所望構造を実現することができるからである。なお、ガラス基板の場合には窪みの設置は通常であれば強度低下によるクラック等の原因となりうるが、セラミック基板はそれ自体の機械的強度が高いので窪みを設けたとしても高い機械的強度が維持される。
中継接続体は例えばリング状保護部材によって包囲されていることが好ましく、特に電解液が腐食性電解液である場合には耐腐食性材料からなるリング状保護部材によって包囲されていることが好ましい。ここで「包囲する」とは、他部材と電気的に接触している所定部位を除いて中継接続体を取り囲むことで、電解液との直接接触を避けて、中継接続体を保護することを意味する。リング状保護部材は必須ではないが、これを設けた構成の場合、中継接続体形成用材料の選択の幅が広くなる。耐腐食性材料としては、例えば耐腐食性樹脂材料があり、具体的にはエポキシ樹脂、ウレタン樹脂、イソブチレン樹脂、オレフィン樹脂、アイオノマー樹脂などが挙げられる。なお、樹脂材料は好適な絶縁性を有するため、第1基体及び前記第2基体間に設けられるリング状保護部材用の形成材料として好ましい。なお、上記樹脂の中でも、耐腐食性に優れるとともに熱融着性を有するアイオノマー樹脂が特に好ましい。
上記の別の課題を解決するために、手段2に記載の発明は、透光性基板(13)、前記透光性基板(13)の内側面(12)上に設けられた透光性導電層(14)、及び増感色素を含みかつ前記透光性導電層(14)上に設けられた半導体電極(15)を有する第1基体(11)を準備する第1基体準備工程と、触媒電極(23)及び前記触媒電極(23)と絶縁された状態で点状に存在する複数の集電電極(41)を内側面(22)上に有し、前記内側面(22)において前記複数の集電電極(41)が存在する箇所に対応して複数の窪み(43)が形成された第2基体(21,21A)を準備する第2基体準備工程と、前記第1基体(11)及び前記第2基体(21,21A)よりも弾性のある材料からなる粒状基体(53)の表面を導電層(52)で被覆した構造の複数の中継接続体(51)を準備する中継接続体準備工程と、前記複数の窪み(43)に前記複数の中継接続体(51)をそれぞれ仮固定させる仮固定工程と、前記仮固定工程後、前記第1基体(11)及び前記第2基体(21,21A)を対向して配置して厚さ方向に押圧力を加えつつ接合することにより、前記複数の窪み(43)内に前記複数の中継接続体(51)を嵌着固定させる本固定工程とを含むことを特徴とする色素増感型太陽電池(1,100,120)の製造方法がある。
従って、手段2に記載の発明によると、仮固定工程を行うことで、第2基体の内側面に存在する複数の窪みに複数の中継接続体がそれぞれ入り込み、複数の中継接続体が第2基体側に仮固定される。この後、本固定工程を行うことで、所定方向に押圧力が作用する結果、仮固定された複数の中継接続体が複数の窪み内に嵌着固定される。このため、上記手段1にかかる優れた色素増感型太陽電池を比較的容易にかつ低コストで製造することができる。
[第1の実施形態]
以下、本発明を具体化した第1の実施形態を図1〜図11に基づき詳細に説明する。
図1には、本実施形態において用いる色素増感型太陽電池1が示されている。この色素増感型太陽電池1は、スペーサ31を介して第1基体11と第2基体21とを対向配置した構造を備えている。第1基体11と第2基体21との間にはセル空間32が形成され、このセル空間32内には腐食性を有する電解液33が充填されている。
第1基体11を構成するガラス製の透光性基板13の内側面12上には、透光性導電層14がほぼ全面にわたって形成されている。さらにその透光性導電層14上には、増感色素を含む半導体電極15が設けられている。この半導体電極15は、セル空間32に面して配置されており、結果としてセル空間32内に充填された電解液33に晒されている。
一方、第2基体21を構成するアルミナ製のセラミック基板20は、2層のセラミック層25を積層してなるセラミック多層配線基板である。セラミック基板20の内側面22上には、半導体電極15に対向して白金からなる触媒電極23が設けられている。触媒電極23は、所定箇所を除き内側面22のほぼ全面にわたって形成されている。触媒電極23もセル空間32に面して配置されており、結果としてセル空間32内に充填された電解液33に晒されている。
セラミック基板20の外側面27上には、タングステンメタライズからなる集電用導体層44が形成されている。外側のセラミック層25内にはタングステンメタライズからなる複数のビア導体42が設けられ、内側のセラミック層25内にはタングステンメタライズからなる複数のビア導体24が設けられ、これら2つのセラミック層25の界面には、タングステンメタライズからなる内層導体層26が設けられている。触媒電極23は複数のビア導体24を介して内層導体層26と導通している。複数のビア導体42は集電用導体層44に導通している。なお、触媒電極23、ビア導体24及び内層導体層26からなる導体群と、集電用導体層44及びビア導体42からなる導体群とは、第2基体21の内部において電気的に別系統になっており、互いに絶縁されている。
これら複数のビア導体42は、セラミック基板20側において等間隔をもって点状に存在している。内側のセラミック層25には、複数のビア導体42がある箇所に対応して複数の窪み43が設けられている。本実施形態の窪み43は、ビア導体42よりも大径であって、かつ平面視で円形状をなしている。そして、このような窪み43の設置により、ビア導体42の内端面がセル空間32側にて露出されている。本実施形態の場合、ビア導体42の内端面が実質的に集電電極41として機能する。従って、集電電極41はビア導体42を介して集電用導体層44に導通されていると把握できる。また、窪み43の底面中央部に位置する集電電極41は、第2基体21の内側面22上にて、周囲にある触媒電極23と絶縁された状態で設けられている。
図1,図2に示されるように、各々の窪み43内には球形状をした複数のインターコネクタ51(中継接続体)がそれぞれ嵌着固定されている。これらのインターコネクタ51は、樹脂球53(粒状基体)の表面全体を導電金属層52(導電層)で被覆した構造を有している。本実施形態における樹脂球53は、第1基体11の主体をなすガラス製の透光性基板13及び第2基体21の主体をなすアルミナ製のセラミック基板20よりも弾性のある合成樹脂材料を用いて形成されている。このような樹脂材料として、本実施形態では球状アクリル樹脂を用いている。また、導電金属層52は、導電性を有しかつ優れた耐腐食性を有する金属であるニッケルを用いて形成されている。
複数のインターコネクタ51は、第1基体11及び第2基体21間に配置されており、その表面にある導電金属層52が集電電極41に対して接触している。また、第1基体11の内側面12において、各々の窪み43に対向した箇所には、半導体電極15が設けられておらず、透光性導電層14が露出されている。そして、このように所々露出した透光性導電層14に対してインターコネクタ51の導電金属層52が接触している。このような接触の結果、複数の集電電極41と透光性導電層14との間がインターコネクタ51を介して導通されている。従って、半導体電極15→透光性導電層14→インターコネクタ51の導電金属層52→集電電極41→ビア導体42→集電用導体層44という経路を経て、第2基体21側から半導体電極15用の配線を取り出すことが可能となっている。
次に、本実施形態の色素増感型太陽電池1の作製手順について説明する。
(1)第2基体21の作製
90.5重量%のアルミナ粉末と、焼結助剤としての1重量%のマグネシア粉末及び4重量%のシリカ粉末とを混合し、ボールミルにより12時間湿式粉砕し、その後、脱水し乾燥した。次いで、この混合粉末と、有機バインダとしての3重量%のメタクリル酸イソブチルエステル、1重量%のニトロセルロース及び0.5重量%のジオクチルフタレートとを混合し、さらに溶剤としてのトリクロルエチレン及びn−ブタノールを配合した。これをボールミルで混合して、アルミナ粉末を含有するスラリーを調製した。このスラリーを減圧脱泡させた後、流延させてシート状とし、次いでこれを除冷して溶剤を揮発させることにより、セラミック基板20の一部となるべきアルミナグリーンシート25A,25Bを作製した(図3参照)。さらに、このようにして得た厚さ400μmのアルミナグリーンシート25A,25Bに対してドリル加工による穴明けを施すことにより、所定箇所にそれぞれ貫通孔28,29,43Aを形成した(図4参照)。ちなみに、アルミナグリーンシート25Aには、後にビア導体24がその内部に形成されるべき貫通孔28と、後に窪み43となるべき貫通孔43Aとを設けた。アルミナグリーンシート25Bには、後にビア導体42がその内部に形成されるべき貫通孔29を設けた。貫通孔28,29についてはその直径を300μm程度に設定し、貫通孔43Aについてはその直径を800μm程度に設定した。なお穴明け加工の方法は限定されず、パンチング加工やレーザー加工であっても勿論構わない。
一方、同様にボールミルを用いてタングステン粉末を含有するメタライズ用のタングステンペーストP1を調製した。その後、従来公知のスクリーン印刷装置を用いて、このタングステンペーストP1を貫通孔28,29内に充填するとともに、シート上に印刷した(図5参照)。このとき、図示しないマスクを配置して貫通孔43A内にタングステンペーストP1が充填されないようにした。
次に、ペースト印刷済みの2枚のアルミナグリーンシート25A,25Bを重ね合わせて、厚さ方向に所定の圧力を加えることにより、両者を一体化した(図6参照)。得られた未焼結積層体を還元性雰囲気中にて1500℃で焼成して、アルミナを焼結させると同時にタングステンペーストP1を焼結させた。その結果、図7に示すように、ビア導体24,42、内層導体層26、集電用導体層44及び窪み43を有するセラミック基板20(縦25mm、横15mm、厚さ約0.8mm)を得た。
次に、セラミック基板20の内側面22上に図示しないマスクを配置した状態でスパッタを行って白金(Pt)を堆積させることにより、厚さ1μmの触媒電極23を形成し、第2基体21を完成させた(図8参照)。
(2)第1基体11の作製
まず透光性基板13(日本板硝子社製のガラス基板、縦25mm、横15mm、厚さ1mm)を用意し、その透光性基板13の片側面全体にわたってFTOからなる厚さ300nmの透光性導電層14を形成した。次に、透光性基板13における透光性導電層14上に、粒径が10nm〜300nmのチタニア粒子を含有するペースト(Ti-Nanoxide D/SP 13nm/300nm)をスクリーン印刷法によって塗布し、厚さ20μmの塗膜を形成した。その後、120℃で30分間予備乾燥し、次いでマッフル炉を用いて500℃で30分間保持して焼成し、半導体電極15を作製するための多孔質電極基体を形成した。
一方、氷冷した水に四塩化チタンを溶解させ、0.05モル/リットル濃度の水溶液を調製した。その後、この四塩化チタン水溶液に多孔質電極基体形成済みの上記透光性基板13を浸漬し、水溶液を昇温させて70℃で30分間保持することで、塩化チタン処理を行った。次いで、処理済みの透光性基板13を水溶液から取り出した後、蒸留水で十分に洗浄し、室温で30分間乾燥した。その後、塩化チタン処理された多孔質電極基体を、マッフル炉を用いて500℃で30分間保持して再度焼成した。
また、ルテニウム錯体(小島化学社製、商品名「N−719」)を、アセトニトリルとtert−ブタノールとの混合溶媒に溶解させ、5×10−4モル/リットル濃度のアセトニトリル/tert−ブタノール溶液を調製した。次いで、このルテニウム錯体溶液に、塩化チタン処理された多孔質電極基体及び透光性基板13を18時間浸漬した。その結果、多孔質電極基体に増感色素であるルテニウム錯体を付着させて厚さ20μmの半導体電極15を形成することで、第1基体11を作製した。
(3)インターコネクタ51の作製
アクリル樹脂からなる真球状の樹脂球53(平均粒径700μm)を多数用意し、これらの樹脂球53に対して従来公知の手法により無電解ニッケルめっきを行い、その表面全体に厚さ0.1μm〜5μm程度の導電金属層52を形成した。樹脂球53の表面にあらかじめ銅や銀などの下地層を形成した上でニッケルをめっきしてもよい。この方法によれば、樹脂球53に対する付着性に優れるとともに導電性の高いインターコネクタ51が得やすくなる。また、めっき法以外にも例えばスパッタ法やCVD法などの手法を用いて導電金属層52を形成することも可能である。
(4)インターコネクタ51の仮固定
上記のように作製した第2基体21を用意し、その内側面22となる面を上向きにして配置し、その面上に複数のインターコネクタ51を供給する(図2,図9参照)。この場合、当該面上でのインターコネクタ51の流れ(転動)を助けるために第2基体21を若干傾斜させてもよい。第2基体21上に供給されたインターコネクタ51は、当該面上を転動して窪み43に若干入り込むことで当該面上に仮固定される。このような仮固定工程によれば、微小かつ多数個のインターコネクタ51を比較的容易に各窪み43に仮固定させて配置することができる。また、この仮固定工程であれば、例えばチップマウンタのような大掛かりな装置を用いてインターコネクタ51を1つずつ所定位置に載置する、という作業も要求されないので、製造コスト高も回避できる。
(5)基体同士の接合及びインターコネクタ51の本固定
第2基体21の内側面22において触媒電極23が形成されていない外周部分に、熱可塑性樹脂からなる厚さ約30μmのスペーサ31(三井デュポンポリケミカル社製、商品名「ハイミラン1702」)を配設し、その後、半導体電極15が触媒電極23と対向するように透光性基板13を配置した(図10参照)。次いで、透光性基板13とスペーサ31との隙間から注射器にてヨウ素電解液33を注入した。その後直ちに、対向配置された第1基体11及び第2基体21をクリップで挟むことにより、その厚さ方向に押圧力を加え、この状態で所定温度に加熱して第1基体11及び第2基体21を熱融着接合した。また、このときの押圧力によって複数のインターコネクタ51を第2基体21側に押圧し、それらを複数の窪み43内に各々嵌着固定させた。その結果、図1に示す色素増感型太陽電池1を完成させた。
なお本実施形態では、ヨウ素電解液33として、イオン液体であるメチルプロピルイミダゾリウムアイオダイドに、Iを1.3モル、LiIを0.5モル、4−tert−ブチルピリジンを0.58モル混入し、調製したものを用いることとした。
次に、以上のようにして完成した色素増感型太陽電池1の使用方法について簡単に述べる。
本実施形態の色素増感型太陽電池1は、触媒電極23側から取り出した配線と、半導体電極15側から取り出した配線との間に負荷を接続した状態で使用される。この色素増感型太陽電池1に光を当てると、第1基体11の外側面から入射した光が、透光性基板13及び透光性導電層14を通過して半導体電極15に到達する。すると、半導体電極15では、増感色素が光を吸収して半導体電極15中に電子を放出する。このとき、増感色素に残されたホールは、ヨウ化物イオン(I)を酸化して三ヨウ化物イオン(I3−)へと変える。一方、対極である触媒電極23には、半導体電極15に電気的に接続されている負荷を経由して、電子が移動してくる。そしてこの電子は、三ヨウ化物イオン(I3−)を還元してヨウ化物イオン(I)へと変える。その結果、色素増感型太陽電池1において光エネルギーが電気エネルギーに変換される(即ち発電される)とともに、発生した電力を負荷に供給することができる。
従って、本実施の形態によれば以下の効果を得ることができる。
(1)本実施形態の色素増感型太陽電池1では、第1基体11及び第2基体21間に配置された複数のインターコネクタ51を介して、第1基体11側の半導体電極15及び透光性導電層14と、第2基体21側の複数の集電電極41とが導通される。そのため、第1基体11側に集電電極を設けた従来技術とは異なり、半導体電極15が形成不能な面積が増えることもなく、光電変換のための有効な実面積が維持される。よって、単位面積あたりの光電変換効率の低下を回避でき、光発電により得た電力を第2基体21側に設けられた集電電極41を介して効率よく回収することができる。
(2)インターコネクタ51を構成する樹脂球53の表面全体には、金属であるニッケルのみからなる低抵抗の導電金属層52が存在している。そのため、この導電金属層52を透光性導電層14及び集電電極41にそれぞれ接触させることで、導電金属層52を介して透光性導電層14と集電電極41とを確実に導通することができる。この構造は光電変換効率の向上に寄与している。しかも、ニッケルは好適な耐腐食性も有するため、電解液33に晒されても特に変質、劣化等することもない。よって、インターコネクタ51を保護するための構造物を周囲に設けなくてもよいという利点がある。
(3)インターコネクタ51は適度な弾性のあるアクリル製の樹脂球53を構成要素としているため、全体として弾性変形可能となっている。このため、例えば基体の反りやうねり等が原因で電極間距離にバラツキがあるような場合であっても、インターコネクタ51が弾性変形して複数の集電電極41及び透光性導電層14の双方に対して確実に接触し、両者間を確実に導通させることができる。ちなみに、図11は、例えば装置全体が大面積であるため第1基体11に反りがある場合の色素増感型太陽電池1を示している。同図において向かって右側になるほどセル空間32の高さが小さくなっており、電極間距離が等しくなくなっている。また、向かって右側のインターコネクタ51のほうが、向かって左側のインターコネクタ51よりも大きく弾性変形している。しかしながら、左右いずれのインターコネクタ51も、集電電極41及び透光性導電層14の双方に対して確実に接触、導通させることができる。以上のことからわかるように、本実施形態によると大面積化に有利な構造を有する色素増感型太陽電池1を提供することができる。
(4)上述した本実施形態の製造方法によると、仮固定工程及び本固定工程を行うことで、複数のインターコネクタ51を複数の窪み43内に確実にかつ大掛かりな装置を必要とせずに嵌着固定させることができる。このため、図1の色素増感型太陽電池1を比較的容易にかつ低コストで製造することができる。
[第2の実施形態]
次に本実施形態を具体化した第2の実施形態の色素増感型太陽電池100を図12に基づいて説明する。
この色素増感型太陽電池100は、窪み101の形状が異なることを除き、第1の実施形態の色素増感型太陽電池1と基本的に同一の構成を有している。図12に示されるように、本実施形態の窪み101は、開口部が窄まった断面形状、別の言い方をすると開口部に行くに従って徐々に幅が狭くなる逆テーパ状の断面形状を呈している。よって、このような形状の窪み101であると、その中にインターコネクタ51を嵌着保持したときに、開口部のエッジがインターコネクタ51に食い込みやすくなる。そして、この食い込みによりインターコネクタ51が抜けにくくなり、固定強度を向上させることができる。
[第3の実施形態]
次に、本実施形態を具体化した第3の実施形態の色素増感型太陽電池120を図13に基づいて説明する。
この色素増感型太陽電池120は、基本的に第1の実施形態の色素増感型太陽電池1と同じ構成を有しているが、これに加えてインターコネクタ51を保護するための構造をさらに有している。即ち本実施形態では、各々のインターコネクタ51が、アイオノマー樹脂からなる高さ約30μmのリング状保護部材121によって包囲されている。このリング状保護部材121の中心孔122は、少なくともインターコネクタ51の直径と同等またはそれよりも大きな径を有しており、具体的には700μm〜1500μm程度に設定されている。一方、リング状保護部材121の外径は、2mm〜5mm程度に設定されている。リング状保護部材121の上端面は第1基体11における透光性導電層14に対して熱融着し、下端面は第2基体21における内側のセラミック層25に対して熱融着している。その結果、リング状保護部材121の中心孔側領域が、電解液33の充填されたセル空間32側の領域から隔離され、そこに収容されたインターコネクタ51が電解液33に直接晒されなくなる。
図13に示すリング状保護部材121は、従来公知の任意の手法により第1基体11及び第2基体21間に配設されることができる。その例を挙げると、例えば、あらかじめリング状保護部材121を作製して準備しておき、これを上記「(4)インターコネクタ51の仮固定」の後に第2基体21上に配設し、上記「(5)基体同士の接合及びインターコネクタ51の本固定」を行うようにしてもよい。リング状保護部材121の配設はスペーサ31の配設後に行ってもよい。あるいは、上記「(4)インターコネクタ51の仮固定」の後に第2基体21上に感光性を付与したリング状保護部材形成樹脂材料を設け、これを露光及び現像してリング状保護部材121とし、その後上記「(5)基体同士の接合及びインターコネクタ51の本固定」を行うようにしてもよい。
第2基体21上に先にリング状保護部材121を配設しておき、その後上記「(4)インターコネクタ51の仮固定」及び上記「(5)基体同士の接合及びインターコネクタ51の本固定」を行うことも一応可能である。ただし、この方法であると窪み43の周囲に凸部ができた状態でインターコネクタ51を嵌着固定する必要があるので、作業性の観点からすると凸部のない平坦な状態でインターコネクタ51を嵌着固定する前記方法のほうが好ましい。
そして以上説明した本実施形態によると、リング状保護部材121を配設したことによって、腐食性の高い電解液33からインターコネクタ51が確実に保護される。その結果、装置の耐久性及び信頼性を向上させることができる。また、インターコネクタ51を自体に耐腐食性が要求されなくなるため、インターコネクタ51の形成用材料の選択の幅が広くなる。それゆえ、例えば導電性の高い銅や銀を導電金属層52として採用すること等も十分可能となる。
[第4の実施形態]
次に、本実施形態を具体化した第4の実施形態の色素増感型太陽電池140を図14に基づいて説明する。
第1〜第3の実施形態では複数の窪み43を有する第2基体21を使用していたのに対し、本実施形態では窪み43を何ら有しない第2基体21Aを使用している点が異なっている。その一方でこの第2基体21Aには、第3の実施形態のようなリング状保護部材121が配設されており、これによってインターコネクタ51の保護及び位置決めが図られている。なお、この色素増感型太陽電池140では、セラミック層25が1層のみとなっており、ビア導体24及び内層導体層26が省略されている。従って、この構成によると、第2基体21の構造を簡略化することができる。
[第5の実施形態]
次に、本実施形態を具体化した第5の実施形態の色素増感型太陽電池160を図15に基づいて説明する。
この色素増感型太陽電池160においても、第4の実施形態と同じく窪み43のない第2基体21Aが用いられている。ただし、第1基体11Aの構造が第1〜第4の実施形態のものと異なっており、その内側面22に複数の窪み162が設けられている。そして、これらの窪み162内にインターコネクタ51が嵌着固定されている。なお、図15においてリング状保護部材121は省略されているが、勿論これを配設してもよい。
なお、本発明の実施の形態は上記各実施形態に限定されることはなく、その趣旨を逸脱しない範囲内において任意に変更することが可能である。
次に、特許請求の範囲に記載された技術的思想のほかに、前述した実施の形態によって把握される技術的思想を以下に列挙する。
・透光性基板(13)、前記透光性基板(13)の内側面(12)上に設けられた透光性導電層(14)、及び増感色素を含みかつ前記透光性導電層(14)上に設けられた半導体電極(15)を有する第1基体(11)を準備する第1基体準備工程と、触媒電極(23)及び前記触媒電極(23)と絶縁された状態で点状に存在する複数の集電電極(41)を内側面(22)上に有し、前記内側面(22)において前記複数の集電電極(41)が存在する箇所に対応して複数の窪み(43)が形成された第2基体(21,21A)を準備する第2基体準備工程と、前記第1基体(11)及び前記第2基体(21,21A)よりも弾性のある材料からなる粒状基体(53)の表面を導電層(52)で被覆した構造の複数の中継接続体(51)を準備する中継接続体準備工程と、前記複数の窪み(43)に前記複数の中継接続体(51)をそれぞれ仮固定させる仮固定工程と、前記仮固定工程後、前記第1基体(11)及び前記第2基体(21,21A)を対向して配置して厚さ方向に押圧力を加えつつ接合することにより、前記複数の窪み(43)内に前記複数の中継接続体(51)を嵌着固定させる本固定工程と、前記仮固定工程後かつ本固定工程前において、前記第1基体(11)及び前記第2基体(21,21A)のいずれか一方に、前記複数の中継接続体(51)を包囲するリング状保護部材(121)を配設する保護部材配設工程と、を含むことを特徴とする色素増感型太陽電池(1,100,120)の製造方法。
本発明を具体化した第1実施形態の色素増感型太陽電池を示す概略断面図。 第1実施形態の色素増感型太陽電池における窪み及び中継接続体を示す要部拡大斜視図。 第1実施形態の色素増感型太陽電池の製造方法を説明するための概略断面図。 同じく製造方法を説明するための概略断面図。 同じく製造方法を説明するための概略断面図。 同じく製造方法を説明するための概略断面図。 同じく製造方法を説明するための概略断面図。 同じく製造方法を説明するための概略断面図。 同じく製造方法を説明するための概略断面図。 同じく製造方法を説明するための概略断面図。 第1基体に反りがある第1実施形態の色素増感型太陽電池を示す概略断面図。 第2実施形態の色素増感型太陽電池を示す概略断面図。 第3実施形態の色素増感型太陽電池を示す概略断面図。 第4実施形態の色素増感型太陽電池を示す概略断面図。 第5実施形態の色素増感型太陽電池を示す概略断面図。
符号の説明
1,100,120,140,160…色素増感型太陽電池
11,11A…第1基体
12…(透光性基板の)内側面
13…透光性基板
14…透光性導電層
15…半導体電極
21,21A…第2基体
22…(第2基体の)内側面
32…セル空間
33…電解液
41…集電電極
42…ビア導体
43…窪み
44…集電用導体層
51…中継接続体としてのインターコネクタ
52…導電層としての導電金属層
53…粒状基体としての樹脂球

Claims (11)

  1. 透光性基板、前記透光性基板の内側面上に設けられた透光性導電層、及び増感色素を含みかつ前記透光性導電層上に設けられた半導体電極を有する第1基体と、
    前記第1基体に対向して配置され、その内側面上に触媒電極を有する第2基体と、
    前記第1基体及び前記第2基体間に存在するセル空間内に充填された電解液と、
    前記第2基体の内側面上にて前記触媒電極と絶縁された状態で点状に存在する複数の集電電極と、
    前記第1基体及び前記第2基体間に配置され、前記複数の集電電極及び前記透光性導電層に対して接触することで、前記複数の集電電極と前記透光性導電層とを導通させる複数の中継接続体と
    を備え、前記複数の中継接続体が、前記第1基体及び前記第2基体よりも弾性のある材料からなる粒状基体の表面を導電層で被覆した構造を有することを特徴とする色素増感型太陽電池。
  2. 前記粒状基体は球状であることを特徴とする請求項1に記載の色素増感型太陽電池。
  3. 前記粒状基体は樹脂球であることを特徴とする請求項1または2に記載の色素増感型太陽電池。
  4. 前記導電層は導電金属層であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  5. 前記電解液は腐食性電解液であり、前記導電金属層は少なくともその腐食性電解液に対する耐腐食性を有する金属からなることを特徴とする請求項4に記載の色素増感型太陽電池。
  6. 前記導電金属層はタングステン、チタン及びニッケルのうちから選択される少なくとも1種の金属からなることを特徴とする請求項5に記載の色素増感型太陽電池。
  7. 前記複数の中継接続体は、前記第2基体側に固定されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  8. 前記複数の中継接続体は、前記第2基体の内側面において前記複数の集電電極が存在する箇所に対応して形成された複数の窪みにそれぞれ嵌着固定されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  9. 前記複数の窪みは開口部が窄まった断面形状を呈していることを特徴とする請求項8に記載の色素増感型太陽電池。
  10. 前記第2基体は、その外側面上に設けられた集電用導体層と、前記集電用導体層と前記複数の集電電極とを導通させる複数のビア導体とを有していることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の色素増感型太陽電池。
  11. 透光性基板、前記透光性基板の内側面上に設けられた透光性導電層、及び増感色素を含みかつ前記透光性導電層上に設けられた半導体電極を有する第1基体を準備する第1基体準備工程と、
    触媒電極及び前記触媒電極と絶縁された状態で点状に存在する複数の集電電極を内側面上に有し、前記内側面において前記複数の集電電極が存在する箇所に対応して複数の窪みが形成された第2基体を準備する第2基体準備工程と、
    前記第1基体及び前記第2基体よりも弾性のある材料からなる粒状基体の表面を導電層で被覆した構造の複数の中継接続体を準備する中継接続体準備工程と、
    前記複数の窪みに前記複数の中継接続体をそれぞれ仮固定させる仮固定工程と、
    前記仮固定工程後、前記第1基体及び前記第2基体を対向して配置して厚さ方向に押圧力を加えつつ接合することにより、前記複数の窪み内に前記複数の中継接続体を嵌着固定させる本固定工程と
    を含むことを特徴とする色素増感型太陽電池の製造方法。
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