JP5093851B2 - スパンレース不織布の製造方法 - Google Patents

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本発明は、高圧液体流を作用させるスパンレース不織布の製造方法に関する。
高圧液体流を繊維ウエブに噴射して構成繊維同士を交絡させることによりスパンレース不織布を製造する方法は、広く知られ実施されている。スパンレース不織布を製造する際には、交絡処理における噴射ノズルから噴射される高圧液体流の圧力や回数、繊維ウエブを支える支持体の構成等を適宜選択することによって、得られる不織布における構成繊維同士の交絡度合い、不織布の強度、不織布に付与される開孔の有無や大きさ等を設計することができる。噴射ノズルは、同一のノズル孔が同一の孔間隔で配列されたものを使用するのが一般的であり、このような噴射ノズルを用いて得られたスパンレース不織布にも噴射流体の打撃痕が付与されることとなる。同一のノズル孔が同一の孔間隔で配列された噴射ノズルを用いるのではなく、より装飾的な模様を付与することを目的として、特許文献1では、複数の異なるノズル孔を配列させてスパンレース不織布を得ることを提案している。特許文献1によれば、大きさや形状の異なるノズル孔を同一間隔、あるいは異なる間隔で自由自在に配列させることにより多種多様の模様を不織布に付与できるというものである。
特開2000−144564号公報
しかしながら、多種多様の模様が付与できるという記述があるものの、具体的には不織布にどのような模様が付与されるのかが明確には記述されていない。また、模様の付与手段が多種多様すぎるため、どのように組み合わせてどのような模様が付与できるかを想定するのが困難である。
本発明では、模様の設計が容易で、スパンレース不織布に通常付与されてしまう打撃痕を利用して、スパンレース不織布に模様を付与する方法を提供することを課題とする。
本発明者等は、スパンレース不織布に付与される打撃痕を利用して模様を付与することを検討した結果、同一のノズル孔を特定のパターンで配列させることにより、不織布表面に***状模様を付与できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は、繊維ウエブに高圧液体流を作用させて繊維ウエブを交絡させるスパンレース不織布の製造方法であって、高圧液体流を噴射する噴射ノズルとして、
噴射孔が複数配列した列を2列有し、
1列目においては、1個の噴射孔を設けるかあるいは孔間隔1mm以下で2〜3個の噴射孔が配列し(配列1−1)、次いで前記配列1−1において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列1−1において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔を設けて(間隔1−1)、1個の噴射孔を設けるかあるいは孔間隔1mm以下で2〜3個の噴射孔が配列し(配列1−2)、次いで前記配列1−2において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列1−2において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔を設けられている(間隔1−2)ことの繰り返しによって多数の噴射孔が配列し、
2列目においては、1個の噴射孔を設けるかあるいは孔間隔1mm以下で2〜3個の噴射孔が配列し(配列2−1)、前記配列2−1において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列2−1において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔を設けて(間隔2−1)、1個の噴射孔を設けるかあるいは噴射孔が孔間隔1mm以下で2〜3個配列し(配列2−2)、次いで前記配列2−2において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列2−2において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔が設けられている(間隔2−2)ことの繰り返しによって多数の噴射孔が配列し、
1列目の噴射孔と2列目の噴射孔との隣り合う噴射孔同士は、最短距離の噴射孔同士の中心を結ぶ線が機械方向と45度以内の角度となるように千鳥状に配列し、
1列目に設けた間隔1−1と2列目に設けた間隔2−1、および1列目に設けた間隔1−2と2列目に設けた間隔2−2とは、機械方向と平行する線上にいずれも存在し、それぞれ両者が機械方向と平行する同一線上に存在する領域における機械方向と直行する方向の距離がいずれも0.8mm以上である
噴射ノズルを用いることを特徴とするスパンレース不織布の製造方法を要旨とするものである。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明はスパンレース不織布の製造方法において用いる噴射ノズルとして、噴射孔が複数配列した列を2列有する。
1列目においては、1個の噴射孔を設けるかあるいは孔間隔1mm以下で2〜3個の噴射孔が配列し(配列1−1)、次いで前記配列1−1において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列1−1において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔を設けて(間隔1−1)、1個の噴射孔を設けるかあるいは孔間隔1mm以下で2〜3個の噴射孔が配列し(配列1−2)、次いで前記配列1−2において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列1−2において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔を設けられている(間隔1−2)ことの繰り返しによって多数の噴射孔が配列している。すなわち、配列1−1、間隔1−1、配列1−2、間隔1−2をひとつの繰り返し単位として、噴射孔が特定の間隔にて配列している。
2列目においては、1個の噴射孔を設けるかあるいは孔間隔1mm以下で2〜3個の噴射孔が配列し(配列2−1)、前記配列2−1において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列2−1において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔を設けて(間隔2−1)、1個の噴射孔を設けるかあるいは噴射孔が孔間隔1mm以下で2〜3個配列し(配列2−2)、次いで前記配列2−2において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列2−2において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔が設けられている(間隔2−2)ことの繰り返しによって多数の噴射孔が配列している。すなわち、配列2−1、間隔2−1、配列2−2、間隔2−2をひとつの繰り返し単位として、噴射孔が特定の間隔にて配列している。
噴射孔が設けられた箇所(配列1−1、1−2、2−1、2−2)に相当する繊維ウェブは、液体流が作用されるため、液体流が衝突することにより、繊維同士がより緻密に交絡したものとなる。一方、大きく孔間隔を設けた箇所(間隔1−1、1−2、2−1、2−2)に相当する繊維ウェブは、液体流の作用が非常に小さく、前記した液体流の作用が行われる箇所と比較すると、得られる不織布の表面形態が異なる。噴射孔が設けられた箇所に相当する繊維ウェブは、不織布表面が凹状となり、大きく孔間隔を設けた箇所に相当する繊維ウェブは、不織布表面が凸状となる。したがって、得られるスパンレース不織布の機械方向と平行する方向に凹状の区域と凸状の区域とが交互に存在することとなり、凸部が縞状に***した模様を呈することとなる。
凹凸模様の明瞭さを考慮して、噴射孔が設けられた箇所(配列1−1、1−2、2−1、2−2)における噴射孔の数は1〜3個とする。また、噴射孔が設けない間隔1−1、1−2、2−1、2−2の箇所においてもまた、凹凸模様の明瞭さを考慮して、配列1−1の孔間隔の2倍以上の間隔を設ける。これらを満たさなければ、凹状の表面形態と凸状の表面形態との差が呈しにくく、不織布表面に本発明が目的とする***模様を得ることができない。なお、孔間隔とは、同一列内にある隣り合う噴射孔の中心を結ぶ線の距離をいう。また、孔間隔の下限は、特に限定しないが、噴射孔の孔径以上の間隔であればよい。
また、配列1−1、1−2、2−1、2−2のいずれにおいても噴射孔が1個の場合は、配列1−1の噴射孔と配列1−2との噴射孔間隔、配列1−2の噴射孔と次の配列1−1との噴射孔間隔は、いずれも1mmを超える間隔を設けることによって、凹状の表面形態と凸状の表面形態との差を呈することができる。配列2−1、2−2の噴射孔間隔も同様である。
1列目の噴射孔と2列目の噴射孔との隣り合う噴射孔同士は、千鳥状に配列している。千鳥状の配列とは、一列目の噴射孔と2列目の噴射孔において、最短距離にある噴射孔同士の中心を結ぶ線が機械方向と45度以内の角度となるように配列していることをいう。1列目の噴射孔と2列目の噴射孔との隣り合う噴射孔同士が千鳥状に配列していることによって、噴射される高圧液体流が列間で共に干渉しあい、構成繊維同士が良好に絡み合うことができ、単なる液体流の打撃痕が筋状に残るものとならずに、良好な***状の凹凸を形成することができる。なお、前記干渉効果を良好に奏するためには、角度の下限は10度がよい。また、1列目と2列目において最短距離にある噴射孔から噴出される高圧液体流が互いに干渉するためには、1列目と2列目との距離は、一列目の噴射孔の中心点から二列目に配列する噴射孔の中心点を結ぶ直線に直角に下ろした距離が1.5mm以下であることが好ましい。
1列目に設けた間隔1−1と2列目の設けた間隔2−1、および1列目に設けた間隔1−2と2列目に設けた間隔2−2とは、機械方向と平行する線上にいずれも存在し、それぞれ両者が機械方向と平行する同一線上に存在する領域における機械方向と直行する方向の距離がいずれも0.8mm以上である。機械方向と平行する線上に、間隔1−1と間隔2−1、および間隔1−2と間隔2−2とがそれぞれある領域で存在することによって、高圧液体流の作用が施されない繊維ウェブの領域を確保することができ、両者が機械方向と平行する同一線上に存在する領域における機械方向と直行する方向の距離が0.8mm以上とすることにより、得られる不織布において***した凸部を良好に形成することができる。
図1〜3に本発明に用いる噴射ノズルの一例を概略模式図で示す。いずれの噴射ノズルも噴射孔が複数配列した列を2列有する。
図1の噴射ノズルは、1列目において、一定の孔間隔で2個の噴射孔が配列し(配列1−1)、次いで前記配列1−1における孔間隔の3倍の間隔を設けて(間隔1−1)、配列1−1と同じ孔間隔で2個の噴射孔が配列し(配列1−2)、次いで間隔1−1と同じ間隔が設けられている(間隔1−2)ことの繰り返しによって噴射孔が配列し、
2列目において、配列1−1と同じ孔間隔で3個の噴射孔が配列し(配列2−1)、次いで配列1−1における孔間隔の2倍の間隔を設けて(間隔2−1)、配列1−1と同じ孔間隔で3個の噴射孔が配列し(配列2−2)、次いで間隔2−1と同じ間隔が設けられている(間隔2−2)ことの繰り返しによって噴射孔が配列し、
1列目の噴射孔と2列目の噴射孔との隣り合う噴射孔同士は、最短距離の噴射孔同士の中心を結ぶ線が機械方向と45度以内の角度となるように千鳥状に配列し、
間隔1−1と間隔2−1、および間隔1−2と2−2とは、機械方向と平行する線上にいずれも存在し、それぞれ両者が機械方向と平行する同一線上に存在する領域における機械方向と直行する方向の距離が0.8mm以上である。
図2の噴射ノズルは、1列目において、一定の孔間隔で2個の噴射孔が配列し(配列1−1)、次いで前記配列1−1における孔間隔の3倍の間隔を設けて(間隔1−1)、1個の噴射孔が配列し(配列1−2)、次いで間隔1−1と同じ間隔が設けられている(間隔1−2)ことの繰り返しによって噴射孔が配列し、
2列目において、1個の噴射孔が配列し(配列2−1)、次いで配列1−1における孔間隔の3倍の間隔を設けて(間隔2−1)、配列1−1と同じ孔間隔で2個の噴射孔が配列し(配列2−2)、次いで間隔2−1と同じ間隔が設けられている(間隔2−2)ことの繰り返しによって噴射孔が配列し、
1列目の噴射孔と2列目の噴射孔との隣り合う噴射孔同士は、最短距離の噴射孔同士の中心を結ぶ線が機械方向と45度以内の角度となるように千鳥状に配列し、
間隔1−1と間隔2−1、および間隔1−2と2−2とは、機械方向と平行する線上にいずれも存在し、それぞれ両者が機械方向と平行する同一線上に存在する領域における機械方向と直行する方向の距離が0.8mm以上である。
図3の噴射ノズルは、1列目において、1個の噴射孔が配列し(配列1−1)、次いで1mmを超える孔間隔を設けて(間隔1−1)、1個の噴射孔が配列し(配列1−2)、次いで間隔1−1の1.33倍の孔間隔が設けられている(間隔1−2)ことの繰り返しによって噴射孔が配列し、
2列目において、1個の噴射孔が配列し(配列2−1)、次いで間隔1−2と同じ間隔を設けて(間隔2−1)、1個の噴射孔が配列し(配列2−2)、次いで間隔1−1と同じ間隔が設けられている(間隔2−2)ことの繰り返しによって噴射孔が配列し、
1列目の噴射孔と2列目の噴射孔との隣り合う噴射孔同士は、最短距離の噴射孔同士の中心を結ぶ線が機械方向と45度以内の角度となるように千鳥状に配列し、
間隔1−1と間隔2−1、および間隔1−2と2−2とは、機械方向と平行する線上にいずれも存在し、それぞれ両者が機械方向と平行する同一線上に存在する領域における機械方向と直行する方向の距離が0.8mm以上である。
本発明における特定の間隔等で配置させた噴射孔は、例えば、噴射孔が一定間隔で2列配列してなる噴射ノズルを用いて、上記した特定の間隔で噴射孔が配列するように一部の噴射孔を塞ぐことによっても、容易に得ることができる。
本発明で用いられる噴射孔の孔径は特に限定されず、0.05〜0.2mm程度がよい。また、高圧液体流の水圧は適宜選択すればよいが、噴射圧力は5〜50MPa程度がよい。噴射圧力が5MPa未満で低すぎると、噴射孔より噴出する高圧液体流の作用が低下するため、本発明が目的とする不織布表面への凹凸形状が付与しにくくなり、また、繊維相互間の交絡が十分でなくなるため、得られる不織布は、実用的な引張強力を保持せず、良好な形態安定性を保てない傾向となる。一方、噴射圧力が50MPaを超えて高すぎると、繊維ウェブへのダメージが強くなり、素材によっては、繊維が切断されることもある。
高圧液体流の処理は、繊維ウェブに対して1回または複数回施してもよい。本発明における特定の間隔等で配置された噴射孔を有する噴射ノズルは、高圧液体流を作用させる際に不織布表面への凹凸模様を付与するものであるが、繊維ウェブへの高圧液体流の処理を数段階に分けて、仕上げである最終工程で上記噴射ノズルを用いて高圧液体流を作用させることによって、不織布表面に鮮明な凹凸模様を付与することができるので好ましい。
高圧液体流処理の際には、繊維ウエブを孔開き支持体に載置する。孔開き支持体は、噴射される高圧液体流を排出しうる孔を多数備えるものであり、具体的には粗目織物が用いられる。粗目織物としては、経糸および緯糸として金属線や太繊度の合成樹脂製モノフィラメント等が平織組織または綾織組織等の任意の織組織で製織されたものが挙げられる。用いる粗目織物の目の大きさは任意であるが、50〜100メッシュ程度の目開きを持つものが好ましい。メッシュの目開きが50未満であると、メッシュ形状に応じた模様が不織布に付与されることとなり、噴射ノズルの配置に応じた模様と相まって、噴射孔の配置に応じた模様の鮮明さに欠ける傾向となるためである。このような理由から80〜100メッシュの目開きを有する粗目織物を用いることが好ましい。
本発明において、高圧液体流を作用する繊維ウェブを構成する繊維は特にされず、木綿繊維、レーヨン繊維、リヨセル繊維等のセルロース系繊維、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアクリロニトリル、ビニロン等の合成繊維が挙げられる。合成繊維にとしては、複数の重合体が組み合わされた複合繊維を使用してもよい。複合繊維としては、芯鞘型、サイドバイサイド型、割繊型等が挙げられる。繊維断面としては、円形断面に限らず、偏平断面、三角断面、W型断面、十字断面、多葉断面等の異形断面を有する繊維が挙げられる。異形断面繊維は、断面形状が有する突起部分で、拭き取り対象物を掻き取る働きを担うため、本発明で得られた不織布を拭き布として用いる際に好ましい。異形断面の中でも、偏平断面を採用すると繊維同士が絡みやすく、不織布表面に明瞭に凹凸模様を形成するためには効果的である。
本発明に用いられる繊維ウェブの目付は、特に限定されないが40〜200g/m2程度が好ましく、より好ましくは60〜150g/m2である。
本発明では、上記した噴射ノズルを用いて、繊維ウェブに高圧液体流を作用させることによって、模様が付与されたスパンレース不織布を得る。本発明において、上記した噴射ノズルを幅方向すべてに有するものであっても、幅方向の一部に有するものであってもよい。幅方向の一部に上記噴射ノズルを用いて、繊維ウェブに高圧液体流を作用させることにより、幅方向の一部分のみに特定の模様を形成することができる。
本発明によって得られたスパンレース不織布は、噴射孔の位置に対応した繊維相互の交絡形態を呈することとなる。スパンレース不織布の横断面を観察すると、特定間隔で、より多くの繊維が集積して***した凸部と、繊維の集積の少ない凹部とが観察されるものとなる。なお、より多くの繊維が集積して***した凸部は、孔間隔を大きく設けた箇所に対応する部分であり、繊維の集積の少ない凹部は、孔間隔1mm以下で噴射孔が配列している箇所に対応する部分である。したがって、得られるスパンレース不織布の機械方向と平行する方向に凹状の区域と凸状の区域とが交互に存在することとなり、縞状に***した模様を呈する。
得られたスパンレース不織布は、スパンレース不織布が適用できる分野に良好に使用することができ、例えば、拭き布として適用すると、拭き取った異物を凹部に溜めることができ、優れた拭き取り性を発揮することができる。
本発明によると、スパンレース不織布を製造するにあたり、噴射孔の配置と孔間隔とを特定することによって、不織布表面に良好な***状の凹凸を付与することができる。
以下に本発明を実施例に基づき具体的に説明するが、本発明はこれら実施例にのみ限定されるものではない。なお、以下の実施例、比較例で示す諸特性は、以下の方法により測定した。
(1)目付(g/m2):JIS L 1906
(2)引張強力(N/5cm)および伸度(%):JIS L 1906に準じて測定した。長さが15cm、巾が5cmの試料片を、不織布のタテ方向およびヨコ方向について各5点採取し、定速伸張型引張試験機(オリエンテック社製 テンシロン UTM−4−100)を用いて、つかみ間隔10cm、引張速度10cm/分で伸張し、最大加重時の強さを測定し、その平均値を引張強力とした。また、最大荷重時の伸びを測定し、その平均値より伸度を求めた。
(3)拭き取り性: 試料(150mm×190mm)を用意し、試料にその質量の240%の水を付与して、試料に付与された模様の面(縞状の凹凸面)が外側となるように二つ折りにした。一方、ポリ塩化ビニル製の板の上に、水性絵具0.5gを載せてこれを10円玉の大きさに広げたものを被拭き取り材料として準備した。二つ折りにした試料を、水性絵具上に載せて、試料の上に荷重100gを載せた。次いで、試料に付与された縞状の模様の長手方向と略直行する方向に5cmの距離を2秒の速度で引っ張った後、ポリ塩化ビニル製の板上に残存した水性絵具の量を測定し、下記式により拭き取り性(除去率)を求めた。
拭き取り性(除去率)=[(0.5−(残存した水性絵具の量))/0.5]×100
実施例1
平均繊維長25mmのコットン晒綿と、偏平断面のポリエステル繊維(日本エステル株式会社製<F330>、単糸繊度1.7デシテックス、繊維長51m m )を用意し、コットン晒綿:ポリエステル繊維=70:30(質量比)の割合で混率してランダムカード機により40 g/m2の繊維ウェブを得た。
得られた繊維ウエブを移動する100メッシュの金属製粗目織物上に載置し、図3に示すごとき噴射ノズルプレートを用いて高圧液体流を作用させた。用いた噴射ノズルプレートは、噴射孔の孔径0.14mm、配列1−1と1−2の噴射孔間の孔間隔を1.5mm(間隔1−1)、配列1−2と配列1−1の噴射孔間の孔間隔を2.0mm(間隔1−2)、配列2−1と2−2の噴射孔間の孔間隔を2.0mm(間隔2−1)、配列2−2と2−1の噴射孔間の孔間隔を1.5mm(間隔2−2)、1列目の噴射孔と2列目の噴射孔との隣り合う噴射孔同士は、最短距離の噴射孔同士の中心を結ぶ線が機械方向と40度の角度で千鳥配列したものであり、間隔1−1と間隔2−1および間隔1−2と間隔2−2とが機械方向と平行する同一線上に存在する区域における機械方向と直行する方向の距離は1.36mmであった。高圧液体流処理条件としては、繊維ウェブの上方50mmの位置より、噴射圧2.8MPaの高圧液体流により孔間隔0.5mmで噴射孔が配列した噴射ノズルプレートを用いて予備交絡を施した。次いで、噴射圧5.6MPaの高圧液体流により図3に示すごとき本発明の噴射ノズルプレートを用いて交絡処理を施した。交絡処理後余剰の水分を公知の水分除去装置であるマングルにより除去し、サクションバンド方式の乾燥機を用い120℃で乾燥処理を行い、スパンレース不織布を得た。得られたスパンレース不織布の表面には、良好に***した縞状の凹凸を付与されていた。また、この不織布の物性は、引張強力がタテ方向が77N/5cm、ヨコ方向が9N/5cm、伸度がタテ方向が42%、ヨコ方向が125%、拭き取り性55%で拭き取り性が良好であった。
実施例2
実施例1において、図2に示すごとき噴射ノズルプレートを用いたこと以外は、実施例1と同様にして高圧液体流を施した。用いた噴射ノズルプレートは、孔径0.14mmの噴射孔を用い、1列目においては、孔間隔0.5mmで2個の噴射孔が配列し(配列1−1)、次いで配列1−1における孔間隔の3倍(1.5mm)の孔間隔を設けて(間隔1−1)、1個の噴射孔を配列させ(配列1−2)、次いで間隔1−1と同じ孔間隔を設けて(間隔1−2)、次の配列1−1の噴射孔を配列させ、2列目においては、1個の噴射孔を配列させ(配列2−1)、次いで間隔1−1と同じ孔間隔を設けて(間隔2−1)、孔間隔0.5mmで2個の噴射孔が配列し(配列2−2)、次いで間隔1−1と同じ孔間隔を設けている。1列目の噴射孔と2列目の噴射孔との隣り合う噴射孔同士は、最短距離の噴射孔同士の中心を結ぶ線が機械方向と40度の角度で千鳥配列したものであり、間隔1−1と間隔2−1および間隔1−2と間隔2−2とが機械方向と平行する同一線上に存在する区域における機械方向と直行する方向の距離は0.93mmであった。
得られたスパンレース不織布の表面には、良好に***した縞状の凹凸を付与されていた。また、この不織布の物性は、引張強力がタテ方向が78N/5cm、ヨコ方向が14N/5cm、伸度がタテ方向が47%、ヨコ方向が115%、拭き取り性63%で拭き取り性が良好であった。
本発明に用いる噴射ノズルの一例を概略模式図で示す。 本発明に用いる噴射ノズルの他の一例を概略模式図で示す。 本発明に用いる噴射ノズルの他の一例を概略模式図で示す。

Claims (2)

  1. 繊維ウエブに高圧液体流を作用させて繊維ウエブを交絡させるスパンレース不織布の製造方法であって、高圧液体流を噴射する噴射ノズルとして、
    噴射孔が複数配列した列を2列有し、
    1列目においては、1個の噴射孔を設けるかあるいは孔間隔1mm以下で2〜3個の噴射孔が配列し(配列1−1)、次いで前記配列1−1において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列1−1において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔を設けて(間隔1−1)、1個の噴射孔を設けるかあるいは孔間隔1mm以下で2〜3個の噴射孔が配列し(配列1−2)、次いで前記配列1−2において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列1−2において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔を設けられている(間隔1−2)ことの繰り返しによって多数の噴射孔が配列し、
    2列目においては、1個の噴射孔を設けるかあるいは孔間隔1mm以下で2〜3個の噴射孔が配列し(配列2−1)、前記配列2−1において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列2−1において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔を設けて(間隔2−1)、1個の噴射孔を設けるかあるいは噴射孔が孔間隔1mm以下で2〜3個配列し(配列2−2)、次いで前記配列2−2において1個の噴射孔を設けた場合は1mmを超える間隔を設け、前記配列2−2において2〜3個の噴射孔を配列させた場合は配列1−1における噴射孔間の孔間隔の2倍以上の孔間隔が設けられている(間隔2−2)ことの繰り返しによって多数の噴射孔が配列し、
    1列目の噴射孔と2列目の噴射孔との隣り合う噴射孔同士は、最短距離の噴射孔同士の中心を結ぶ線が機械方向と45度以内の角度となるように千鳥状に配列し、
    1列目に設けた間隔1−1と2列目に設けた間隔2−1、および1列目に設けた間隔1−2と2列目に設けた間隔2−2とは、機械方向と平行する線上にいずれも存在し、それぞれ両者が機械方向と平行する同一線上に存在する領域における機械方向と直行する方向の距離がいずれも0.8mm以上である
    噴射ノズルを用いることを特徴とするスパンレース不織布の製造方法。
  2. 請求項1のスパンレース不織布の製造方法によって得られたスパンレース不織布。
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