JP5091710B2 - 固体電解コンデンサおよびその製造方法 - Google Patents

固体電解コンデンサおよびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、固体電解コンデンサおよびその製造方法に関し、特に陽極材料としてニオブまたはニオブ合金を用いた固体電解コンデンサおよびその製造方法に関する。
一般に固体電解コンデンサは、ニオブ(Nb)やタンタル(Ta)などの弁作用金属からなる陽極を陽極酸化することによりその表面に主に酸化物からなる誘電体層を形成し、この誘電体層の上に陰極を形成することにより構成される。特にニオブは、従来の固体電解コンデンサの材料であるタンタルに比べてその酸化物の誘電率が約1.8倍と大きいことから、次世代の高容量固体電解コンデンサの材料として注目されている。
通常、固体電解コンデンサを基板に表面実装する際には、リフロー工程において高温に曝される場合がある。陽極材料としてニオブまたはニオブ合金を用いた固体電解コンデンサにおいては、こうした熱負荷により誘電体層として機能する非晶質(アモルファス)の酸化ニオブの一部が結晶化するという現象が生じる。このため、こうした酸化ニオブの非晶質から結晶への状態変化に伴って誘電体層の絶縁性が低下し、誘電体層の漏れ電流が増大するという問題があった。
このような漏れ電流の増大を抑制する目的で、ニオブまたはニオブ合金からなる陽極を、フッ素イオンを含む水溶液中で陽極酸化して誘電体層を形成する方法が提案されている(たとえば、特許文献1参照)。このようにすることで、酸化ニオブからなる誘電体層中にフッ素が含有されるようになり、こうしたフッ素の存在により誘電体層の結晶化が抑制されて、漏れ電流の増大が抑制されるようになる。
特開2005−252224号公報
しかしながら、近年の固体電解コンデンサの高性能化に伴い、ニオブ固体電解コンデンサに対しては、漏れ電流の増大を抑制するだけでなく、静電容量の向上も強く望まれている。我々は、誘電体層にフッ素を含有させたニオブ固体電解コンデンサについて検討を重ねた結果、誘電体層と導電性高分子層との界面において誘電体層の表面全体を被覆するように中間層が形成され、こうした中間層が熱負荷による静電容量の低下の一因となっていることを見出した。
本発明はこうした課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、熱負荷による静電容量の低下を抑制することが可能な固体電解コンデンサおよびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明に係る固体電解コンデンサは、ニオブまたはニオブ合金からなる陽極と、陽極の表面に形成された酸化ニオブを含む誘電体層と、誘電体層が露出するように形成された中間層と、中間層上および露出する誘電体層上に形成された陰極と、を備え、中間層は、ニオブと酸素を含む層であることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る固体電解コンデンサは、ニオブまたはニオブ合金からなる陽極と、陽極の表面に形成された酸化ニオブを含む誘電体層と、誘電体層が露出するように形成された中間層と、中間層上および露出する誘電体層上に形成された陰極と、を備え、酸化ニオブを含む領域には、フッ素が含有されていることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、ニオブまたはニオブ合金からなる陽極の表面にフッ素がドープされた酸化ニオブを含む誘電体層を形成するとともに、誘電体層上に中間層を形成し、その後、中間層の一部を除去して中間層から誘電体層を部分的に露出させる第1の工程と、中間層上および露出する誘電体層上に陰極を形成する第2の工程と、を備えることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、ニオブまたはニオブ合金からなる陽極の表面にフッ素がドープされた酸化ニオブを含む誘電体層を形成するとともに、誘電体層上に、誘電体層が露出するように中間層を形成する第1の工程と、中間層上および露出する誘電体層上に陰極を形成する第2の工程と、を備え、第1の工程は、陽極を、フッ素イオンを含む電解液中で陽極酸化する第1のステップと、陽極酸化後に、酸を含む水溶液中で洗浄する第2のステップと、を有していることを特徴とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る固体電解コンデンサの製造方法は、ニオブまたはニオブ合金からなる陽極の表面にフッ素がドープされた酸化ニオブを含む誘電体層を形成するとともに、誘電体層上に、誘電体層が露出するように中間層を形成する第1の工程と、中間層上および露出する誘電体層上に陰極を形成する第2の工程と、を備え、第1の工程は、陽極を、フッ素イオンを含む電解液中で陽極酸化するステップを有し、電解液
を交換して、ステップを複数回繰り返すことを特徴とする。
本発明によれば、熱負荷による静電容量の低下を抑制することが可能な固体電解コンデンサおよびその製造方法が提供される。
以下、本発明を具現化した実施形態について図面に基づいて説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(第1実施形態)
図1は第1実施形態に係る固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図である。図2は同固体電解コンデンサの部分拡大図であり、図2(A)は図1の固体電解コンデンサにおける陽極体近傍を拡大した断面図、図2(B)は陽極体を構成する1つの金属粒子近傍を拡大した模式図である。
第1実施形態の固体電解コンデンサは、図1および図2(A)に示すように、陽極リード線1aが導出されたニオブ多孔質焼結体からなる陽極体1と、この陽極体1の表面に形成された酸化ニオブを含む誘電体層2と、誘電体層2の上に形成された導電性高分子層4と、この導電性高分子層4の上に形成された陰極層5と、を有するコンデンサ素子10を備えている。そして、図2(B)に示すように、誘電体層2と導電性高分子層4との間には、誘電体層2が露出するように形成された中間層3を有し、導電性高分子層4は、中間層3上および露出する誘電体層2上に形成されている。そして、図1に示すように、コンデンサ素子10の陰極層5の上に導電性接着剤6を介して平板状の陰極端子8が接合され、陽極リード線1aに平板状の陽極端子7が接合されている。そして、陽極端子7および陰極端子8の一部が外部に引き出される形でモールド外装体9が成形されている。
具体的な固体電解コンデンサの構成は以下の通りである。
陽極体1は、図2(A)に示すように、主にニオブ金属粒子の多孔質焼結体で構成され、その内部にニオブ金属からなる陽極リード線1aの一部が埋め込まれている。なお、陽極体1および陽極リード線1aを構成するニオブ金属にはニオブ合金を採用してもよい。
誘電体層2は、主にニオブ金属の酸化物である酸化ニオブからなる誘電体で構成され、陽極体1および陽極リード線1aの表面上に設けられている。本実施形態では、誘電体層2内にはフッ素(F)がドープされ、フッ素は誘電体層2の陽極側に偏在している。具体的には、フッ素は誘電体層2の厚さ方向(誘電体層2の陰極側から陽極側に向う方向)に濃度分布を有し、フッ素の濃度は誘電体層2と陽極体1との界面で最大となっている。
中間層3は、陽極酸化の際に陽極体1から溶出したニオブ金属が再付着して酸化された酸化ニオブを含む層で構成され、図2(B)に示すように、誘電体層2を部分的に覆うような島状の状態(または誘電体層2が部分的に露出する状態)で形成されている。こうした島状の部分(または露出部分)は誘電体層2の表面全体にわたって分布して形成されている。
導電性高分子層4は、電解質層として機能し、図2(B)に示すように、中間層3上に形成されるとともに、中間層3から露出する誘電体層2上に形成されている。導電性高分子層4の材料としては、導電性を有する高分子材料であれば特に限定されないが、導電性に優れたポリピロール、ポリチオフェン、ポリアニリンやこれらの誘導体などの材料が採用される。
陰極層5は、カーボン粒子を含む層からなる導電性カーボン層5aと、銀粒子を含む層からなる銀ペースト層5bとの積層膜で構成され、導電性高分子層4の上に設けられている。こうした陰極層5と導電性高分子層4とにより陰極が構成される。
コンデンサ素子10は、上述の陽極リード線1aが導出された陽極体1、誘電体層2、中間層3、導電性高分子層4、及び陰極層5により構成される。
陽極端子7および陰極端子8は、銅(Cu)、ニッケル(Ni)などの導電性材料からなる平板状の端子が採用され、固体電解コンデンサの外部リード端子としてそれぞれ機能する。陽極端子7は陽極リード線1aとスポット溶接により接合され、陰極端子8は陰極層5と導電性接着剤6を介して接合されている。
そして、陽極端子7および陰極端子8の一部が相反する方向の外部に引き出される形で、エポキシ樹脂などからなるモールド外装体9が成形されている。さらに、モールド外装体9から露出した陽極端子7および陰極端子8の端部は、モールド外装体9の側面および下面に沿って折り曲げられ、実装基板に本固体電解コンデンサを搭載(はんだ付け)する際の端子として機能させる。
なお、陽極体1は本発明の「陽極」、誘電体層2は本発明の「誘電体層」、中間層3は本発明の「中間層」、及び導電性高分子層4および陰極層5からなる陰極は本発明の「陰極」の一例である。
(製造方法)
次に、図1および図2に示した第1実施形態に係る固体電解コンデンサの製造方法について説明する。
工程1:陽極リード線1aの周囲に、陽極リード線1aの一部を埋め込むように成型されたニオブ金属粒子からなる成型体を真空中で焼結することにより、ニオブ多孔質焼結体からなる陽極体1を形成する。この際、ニオブ金属粒子間は融着される。
工程2:陽極体1を、フッ素イオンを含む電解液中で陽極酸化することにより、陽極体1の周囲を覆うように主に酸化ニオブからなる誘電体層2を形成するとともに、誘電体層2の表面全体を覆うように中間層(陽極酸化の際に陽極体1から溶出したニオブ金属が再付着して酸化された酸化ニオブを含む中間層)3を一様に形成する。この際、誘電体層2にはフッ素が取り込まれ、フッ素は誘電体層2の陽極側(誘電体層2と陽極体1との界面)に偏在して分布する。
工程3:中間層3が形成された陽極体1を、酸を含む水溶液中で洗浄することにより、中間層3の一部を除去し、誘電体層2を部分的に露出させる。これにより、中間層3を、誘電体層2を部分的に覆うような複数の島状に加工する。なお、中間層3は、陽極酸化の際に陽極体1から溶出したニオブ金属が再付着した部分を核として酸化され、成長して複数の島状のものが互いにつながって一様な層を構成していると推察されるので、こうした酸洗浄により中間層3は誘電体層2を部分的に覆うような複数の島状に分離加工される。
工程4:中間層3上およびこの中間層3から露出する誘電体層2の表面上に、化学重合法や電解重合法などを用いて導電性ポリマーからなる導電性高分子層4を形成する。具体的には、第1ステップとして、化学重合法を用いて、モノマーを酸化剤で酸化重合することにより第1導電性高分子層を形成する。引き続き、第2ステップとして、電解重合法を用いて、第1導電性高分子層を陽極とし、モノマーおよび電解質を含む電解液中において外部陰極との間で電解重合することにより第2導電性高分子層を形成する。このようにして、中間層3上およびこの中間層3から露出する誘電体層2上に、第1導電性高分子層と
第2導電性高分子層との積層膜からなる導電性高分子層4を形成する。
工程5:導電性高分子層4上にカーボンペーストを塗布、乾燥することにより導電性カーボン層5aを形成する。さらに、この導電性カーボン層5a上に銀ペーストを塗布、乾燥することにより銀ペースト層5bを形成する。このようにして、導電性高分子層4上に導電性カーボン層5aと銀ペースト層5bとの積層膜からなる陰極層5を形成する。
工程6:平板状の陰極端子8上に導電性接着剤6を塗布した後、この導電性接着剤6を介して陰極層5と陰極端子8とを接触させた状態で乾燥させることにより、陰極層5と陰極端子8とを接続する。また、陽極リード線1a上に平板状の陽極端子7をスポット溶接により接続する。
工程7:トランスファー法でモールドを行い、エポキシ樹脂からなるモールド外装体9を周囲に形成する。この際、コンデンサ素子10(陽極リード線1a、陽極体1、誘電体層2、中間層3、導電性高分子層4、及び陰極層5)を内部に収納するとともに、陽極端子7および陰極端子8の端部を外部(相反する方向)に引き出すように形成する。
工程8:モールド外装体9から露出した陽極端子7および陰極端子8を所定の長さに切断する。そして、陽極端子7および陰極端子8の先端部を下方に折り曲げ、モールド外装体9の下面に沿って配置する。この両端子の先端部は、固体電解コンデンサの端子として機能し、実装基板に固体電解コンデンサを電気的に接続するために使用される。
工程9:最後に固体電解コンデンサの両端子を介して所定の電圧を印加するエージング処理を行う。これにより、固体電解コンデンサの特性を安定化させる。
以上の工程を経て、本発明の第1実施形態に係る固体電解コンデンサが製造される。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態に係る固体電解コンデンサは、第1実施形態と同様の構成を有している。第1実施形態との違いはその製造方法であり、具体的な相違点は、第1実施形態の工程2において、フッ素イオンを含む電解液を、所定の時間ごとに新しい電解液に入れ替えて陽極酸化を行うことと、こうした工程2の後に、工程3(陽極酸化後の酸洗浄)を行わず、工程4(導電性高分子層の形成)を行うことである。それ以外については第1実施形態の各工程と同様である。
次に、第1実施形態に係る固体電解コンデンサの特性評価を行うために作製した実施例1〜9(固体電解コンデンサA1〜A9)について説明する。
(実施例1)
実施例1では、以下の工程を経て固体電解コンデンサA1を作製した。
工程1A:平均粒径が約2μmのニオブ金属粉末を用いて陽極リード線1aの一部を埋め込むようにして略板状に成型(サイズ:長さ4mm×巾3mm×厚さ1mm)し、真空中において焼結する。これにより、ニオブ多孔質焼結体からなる陽極体1を形成する。この際、ニオブ金属粒子間は融着される。
工程2A:陽極体1に対して、約45℃に保持した0.05重量%のフッ化アンモニウム水溶液中において50Vの定電圧で1時間陽極酸化を行う。これにより、陽極体1の周囲を覆うようにフッ素を含む酸化ニオブからなる誘電体層2(厚さ:約125nm)を形成するとともに、誘電体層2の表面全体を覆うように中間層3(厚さ:約10nm)を形成する。この際、フッ素は誘電体層2の厚さ方向に濃度分布を有し、フッ素の濃度は誘電
体層2と陽極体1との界面で最大となる。
工程3A:中間層3が形成された陽極体1を、1.0重量%のフッ酸水溶液中に20分間浸漬した後、水洗する。これにより、中間層3は、誘電体層2を部分的に覆うような複数の島状(誘電体層2が部分的に露出する状態)に分離加工される。
工程4A:表面に中間層3および誘電体層2が形成された陽極体1を、酸化剤溶液に浸漬した後、ピロールモノマー蒸気と反応させ、中間層3上および誘電体層2上でピロールモノマーを重合させる。これにより、中間層3上および誘電体層2上にプレコート層としてポリピロールからなる第1導電性高分子層が形成される。引き続き、第1導電性高分子層を陽極とし、ピロールモノマーおよび電解質を含む電解液中で電解重合することにより、第1導電性高分子層上にさらに第2導電性高分子層を所定の厚さで形成する。これにより、第1導電性高分子層上にポリピロールからなる第2導電性高分子層が形成される。このようにして、中間層3上および誘電体層2上(中間層3から露出する誘電体層2の表面上)に、第1導電性高分子層と第2導電性高分子層との積層膜からなる導電性高分子層4を形成する。
工程5A:導電性高分子層4上にカーボンペーストを塗布、乾燥することによりカーボン粒子を含む層からなる導電性カーボン層5aを形成し、この導電性カーボン層5a上に銀ペーストを塗布、乾燥することにより銀粒子を含む層からなる銀ペースト層5bを形成する。これにより、導電性高分子層4上に導電性カーボン層5aと銀ペースト層5bとの積層膜からなる陰極層5を形成する。
以上の工程を経てコンデンサ素子10が形成され、さらに上述の工程6〜工程9を経ることにより実施例1における固体電解コンデンサA1が製造される。
(比較例1)
図3は比較例1に係る固体電解コンデンサの陽極体を構成する1つの金属粒子近傍を拡大した模式図である。第1実施形態と異なる箇所は、中間層3aが誘電体層2の表面全体にわたって一様に形成され、こうした中間層3aから誘電体層2が露出していないことである。それ以外は第1実施形態の構成と同様である。
比較例1の固体電解コンデンサは、第1実施形態と同様(図1参照)、陽極リード線1aが導出されたニオブ多孔質焼結体からなる陽極体1の表面に、酸化ニオブを含む誘電体層2、導電性高分子層4、及び陰極層5が順次形成されたコンデンサ素子10を備えている。そして、図3に示すように、誘電体層2と導電性高分子層4との間には、誘電体層2の表面全体を覆うように中間層3aが一様に形成され、導電性高分子層4は、誘電体層2に接することなく中間層3a上に形成されている。そして、コンデンサ素子10の陰極層5の上に導電性接着剤6を介して平板状の陰極端子8が接合され、陽極リード線1aに平板状の陽極端子7が接合されている。陽極端子7および陰極端子8の一部が外部に引き出される形でモールド外装体9が成形されている。なお、こうした固体電解コンデンサは、第1実施形態における工程3(陽極酸化後の酸洗浄)を行わないことで容易に製造することができる。
具体的には、実施例の特性との比較評価を行うために、比較例1では、実施例1の工程3Aを行わないこと以外は、実施例1と同様の工程を経て固体電解コンデンサXを作製した。
(実施例2、3)
実施例2および3では、実施例1の工程3Aにおいて、1.0重量%のフッ酸水溶液中への浸漬時間を、10分間および30分間として酸洗浄を行うこと以外は、実施例1と同
様にして固体電解コンデンサA2およびA3を作製した。
(実施例4〜6)
実施例4〜6では、実施例1の工程3Aにおいて、フッ酸水溶液の濃度を0.5重量%とし、さらに同フッ酸水溶液中への浸漬時間を、10分間、20分間、及び30分間として酸洗浄を行うこと以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサA4〜A6を作製した。
(実施例7〜9)
実施例7〜9では、実施例1の工程3Aにおいて、フッ酸水溶液の濃度を2.0重量%とし、さらに同フッ酸水溶液中への浸漬時間を、10分間、20分間、及び30分間として酸洗浄を行うこと以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサA7〜A9を作製した。
(比較例2)
比較例2では、実施例1の工程2Aを以下の工程2Bのように変更してフッ素がドープされていない誘電体層2を形成することと、工程3A(陽極酸化後の酸洗浄)を行わないこと以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサYを作製した。
工程2B:陽極体1に対して、約60℃に保持した0.5重量%リン酸水溶液中において50Vの定電圧で1時間陽極酸化を行う。これにより、陽極体1の周囲を覆うように酸化ニオブからなる誘電体層2(厚さ:約125nm)を形成する。この際、誘電体層2はフッ素が導入されずに形成される。
次に、第2実施形態に係る固体電解コンデンサの特性評価を行うために作製した実施例10(固体電解コンデンサB1)について説明する。
(実施例10)
実施例10では、実施例1の工程2において、電解液としてのフッ化アンモニウム水溶液を、20分ごとに計3回新しい液に入れ替えて陽極酸化を行うことと、工程3A(陽極酸化後の酸洗浄)を行わないこと以外は、実施例1と同様にして固体電解コンデンサB1を作製した。
(評価)
まず、各固体電解コンデンサにおける陽極体近傍の断面観察を行った。
断面観察では、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)または走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)を用いて陽極体のニオブ多孔質焼結体を構成する1つの金属粒子(特に金属粒子の全周が観察できる部分)を評価した。その結果、フッ素イオンを含む電解液中で陽極酸化した実施例1〜10(固体電解コンデンサA1〜A9、B1)および従来の比較例1(固体電解コンデンサX)では、誘電体層と導電性高分子層との間に中間層が形成されていることを確認した。さらに、従来の比較例1(固体電解コンデンサX)では、図3に示したように、中間層が誘電体層を一様に被覆して存在し、実施例1〜10(固体電解コンデンサA1〜A9、B1)では、図2(B)に示したように、中間層が誘電体層の表面上に島状に複数分布し、中間層は誘電体層を部分的に覆うように(誘電体層が露出する状態で)存在していることが分かった。これに対して、電解液としてリン酸水溶液を採用して陽極酸化した比較例2(固体電解コンデンサY)では、誘電体層と導電性高分子層との間に中間層が形成されていないことを確認した。このことから、中間層はフッ素イオンを含む電解液中での陽極酸化の際に形成されていると推察される。
次に、各固体電解コンデンサにおける中間層の組成分析を行った。
組成分析では、エネルギー分散型X線分析法を用いて中間層を評価した。その結果、中間層は、ニオブ(Nb)と酸素(O)を主として含有していることが分かった。このことは、中間層が主に酸化ニオブで構成されていることを示唆している。一方、断面観察において誘電体層と中間層との間には境界部分(界面)が観察されたことから、中間層は、誘電体層とは異なる層であると推察される。これらのことから、中間層は、フッ素イオンを含む電解液中での陽極酸化の際に陽極体から溶出したニオブ金属が再付着し、これを核として酸化されて形成されたと推察される。
次に、各固体電解コンデンサにおける中間層の被覆率、漏れ電流、及び静電容量維持率を評価した。
中間層の被覆率の評価では、断面TEM像(もしくは断面SEM像)から金属粒子の全周が観察できる部分を拡大し、金属粒子に形成された誘電体層上における中間層の存在比率を測定し、こうした金属粒子10個の平均を中間層の被覆率とした。具体的には、中間層の被覆率は、金属粒子の表面に形成された誘電体層の周囲長L1と、誘電体層に接する中間層の長さの積算長L2とを用いて、以下の式(1)により算出した。
被覆率(%)=(L2/L1)×100 ・・・(1)
漏れ電流は、各固体電解コンデンサに温度250℃で10分間の熱処理を施した後(高温放置試験前)、直流電流源および電流モニタを用いて、各固体電解コンデンサに対して5V(定格電圧に相当)の電圧を印加して20秒後の電流を測定した。
静電容量維持率は、高温放置試験前における静電容量C1と、高温放置試験後における静電容量C2とを用いて、以下の式(2)により算出した。なお、この値が100に近い程、熱負荷による静電容量の低下(劣化)が少ないことを表している。
静電容量維持率(%)=(C2/C1)×100 ・・・(2)
静電容量の測定条件は以下の通りである。
静電容量(固体電解コンデンサの周波数120Hzでの静電容量)は、各固体電解コンデンサに対して、高温放置試験前と、高温放置試験として固体電解コンデンサを105℃に保持した恒温槽中で2000時間経過した後とにLCRメータを用いて測定した。
<評価1>
まず、陽極酸化後に行う酸洗浄の影響を評価した。表1は実施例1と比較例1の各固体電解コンデンサにおける中間層の被覆率、漏れ電流、静電容量、及び静電容量維持率の評価結果を示す。なお、各値は試料数各10個についての平均である。
Figure 0005091710
表1に示すように、従来の比較例1(固体電解コンデンサX)における中間層の被覆率は100%であるのに対し、実施例1(固体電解コンデンサA1)における中間層の被覆率は50%であった。このことは、陽極酸化後に酸洗浄を施すことで、中間層の被覆率を低減できることを示している。
また、実施例1(固体電解コンデンサA1)では、従来の比較例1(固体電解コンデンサX)と比べ、漏れ電流が同程度(0.1mA以下)となっていることが分かる。このことから、酸洗浄による誘電体層へのダメージ(酸によるエッチングダメージ)はほとんど生じていないと推察される。
さらに、表1に示すように、従来の比較例1(固体電解コンデンサX)では、熱負荷(高温放置試験)によって静電容量が低下し、静電容量維持率は36%となっていることが分かる。これは、中間層が陽極酸化の際に陽極体から溶出したニオブ金属が再付着して形成された酸化ニオブの層であると推察され、熱負荷によって誘電体層と中間層の間で剥離が生じやすく、静電容量の増減に寄与する導電性高分子層と誘電体層との実効的な接触面積が減少し、低い静電容量維持率(静電容量の低下)となったと推察される。
一方、実施例1(固体電解コンデンサA1)では、静電容量維持率は80%であり、従来の比較例1(固体電解コンデンサX)と比べて、熱負荷による静電容量の低下が抑制されていることが分かる。これは、中間層を誘電体層が露出するように形成したこと(導電性高分子層を露出する誘電体層上に形成したこと)で、熱負荷による中間層に起因した剥離が低減され、導電性高分子層と誘電体層との実効的な接触面積の減少が抑制されたためと推察される。
以上のことから、熱負荷による静電容量の低下を抑制することが可能な固体電解コンデンサを提供するには、フッ素イオンを含む電解液中での陽極酸化の際に誘電体層上に形成される中間層を、誘電体層が部分的に露出する状態とし、さらに導電性高分子層を、中間層上と、こうした中間層から露出する誘電体層上に形成することが有効であることが分かる。そして、こうした状態は、フッ素イオンを含む電解液中での陽極酸化後に酸洗浄を行うことで容易に実現できることが分かる。
<評価2>
次に、陽極酸化後に行う酸洗浄に関して、酸濃度および処理時間の影響を評価した。表2は実施例1〜9、比較例1、及び比較例2の各固体電解コンデンサにおける漏れ電流および静電容量維持率の評価結果を示す。なお、各値は試料数各10個についての平均である。また、図4は各固体電解コンデンサにおける静電容量維持率の評価結果(中間層の被覆率依存)を示し、図5は各固体電解コンデンサにおける漏れ電流の評価結果(中間層の被覆率依存)を示す。
Figure 0005091710
表2に示すように、実施例1〜9(固体電解コンデンサA1〜A9)では、酸洗浄における酸濃度および処理時間を調整することで、中間層の被覆率が80%〜10%の範囲で変化していることが分かる。特に、酸濃度が高い程、あるいは、処理時間が長い程、中間層の被覆率を低減できることが分かる。ここで、酸洗浄前の中間層(比較例1の状態)は、陽極酸化の際に陽極体から溶出したニオブ金属が再付着した部分を核として酸化され、成長して複数の島状のものが互いにつながって一様な層を構成していると推察され、酸洗浄後の中間層(実施例1〜9の状態)は、酸洗浄により上述の中間層が誘電体層を部分的に覆うような複数の島状に分離加工されたものと推察される。したがって、酸洗浄条件によって中間層の被覆率が変動するのは、島状部分の大きさ(寸法)が酸洗浄条件により増減するためと推察される。
また、表2および図4に示すように、実施例1〜9(固体電解コンデンサA1〜A9)では、従来の比較例1(固体電解コンデンサX)と比べ、漏れ電流が同程度(0.1mA以下)となっていることが分かる。このことから、酸洗浄による誘電体層へのダメージ(酸によるエッチングダメージ)はほとんど生じていないと推察される。
一方、表2に示すように、実施例1〜9(固体電解コンデンサA1〜A9)および従来の比較例1(固体電解コンデンサX)では、電解液としてリン酸水溶液を採用して陽極酸化した比較例2(固体電解コンデンサY)と比べ、漏れ電流が半分以下に低減されていることが分かる。これは、酸化ニオブからなる誘電体層中にフッ素が含有されたことで、こうしたフッ素の存在により誘電体層の結晶化が抑制されて、漏れ電流の増大が抑制されたためと推察される。
また、図5に示すように、中間層の被覆率の低減によって静電容量維持率が増加していることが分かる。これは、中間層の被覆率が低下することで、中間層が誘電体層と接する割合が減少(導電性高分子層が誘電体層と接する割合が増加)するので、熱負荷による中間層に起因した剥離が低減されためと推察される。
一方、比較例2(固体電解コンデンサY)では、中間層が形成されていない状態(被覆率0%)であるものの、静電容量維持率は65%となっていることが分かる。これは、フッ素イオンを含む電解液中での陽極酸化では、陽極酸化の際に陽極体からフッ素が溶出し、誘電体層の表面に微小の凹凸が形成され、こうした凹凸の存在により誘電体層と導電性高分子層との間の密着性が向上するのに対し、リン酸水溶液中での陽極酸化では、陽極体からニオブ金属が溶出されず、誘電体層の表面にこうした凹凸が形成されないので、密着性の向上効果が得られないためと推察される。
以上のことから、熱負荷による静電容量の低下を抑制することが可能な固体電解コンデンサを提供するには、フッ素イオンを含む電解液中での陽極酸化後に酸洗浄を行うことが有効であり、さらに酸洗浄条件を調整することで中間層の被覆率を容易に制御できることが分かる。
<評価3>
次に、陽極酸化の際の電解液に関して、陽極酸化中の液交換の影響を評価した。表3は実施例10および比較例1の各固体電解コンデンサにおける漏れ電流および静電容量維持率の評価結果を示す。なお、各値は試料数各10個についての平均である。
Figure 0005091710
表3に示すように、従来の比較例1(固体電解コンデンサX)における中間層の被覆率は100%であるのに対し、実施例10(固体電解コンデンサB1)における中間層の被覆率は75%となっており、酸洗浄を行うことなく中間層の被覆率が減少していることが分かる。これにより、熱負荷(高温放置試験)による静電容量の低下が抑制され、静電容量維持率が向上している。これは、陽極酸化中に電解液を交換することで、陽極体から溶出したニオブ金属の電解液中での濃度が低減され、溶出したニオブ金属が誘電体層の表面に再付着することが抑制されたためと推察される。
また、実施例10(固体電解コンデンサB1)および従来の比較例1(固体電解コンデンサX)は同程度(0.1mA以下)の漏れ電流となっており、陽極酸化中に電解液を交換したことによる影響は見られない。
以上のことから、熱負荷による静電容量の低下を抑制することが可能な固体電解コンデンサを提供するには、フッ素イオンを含む電解液中での陽極酸化の際に、所定の時間で電解液を交換して陽極酸化を行うことが有効であることが分かる。
上記結果から、本実施形態(第1実施形態および第2実施形態)に係る固体電解コンデ
ンサおよびその製造方法によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)誘電体層2が露出するように中間層3を設け、さらに中間層3上および露出する誘電体層2の表面上に導電性高分子層4を設けたことで、従来の固体電解コンデンサ(誘電体層2の表面全体を覆うように中間層3が一様に形成された固体電解コンデンサ)に比べ、熱負荷による静電容量の低下を抑制することができる。
(2)中間層3を、誘電体層2を部分的に覆うような複数の島状の部分(誘電体層2が露出する状態)で構成し、こうした島状の部分を誘電体層2の表面全体にわたって分布するように設けたことで、島状の部分の周囲で導電性高分子層4が誘電体層2と接するようになり、誘電体層2の表面全体にわたって中間層3の剥離が抑制されるので、静電容量の低下をより確実に抑制することができる。
(3)中間層3をニオブ(Nb)と酸素(O)を含む層で構成したことで、中間層3を誘電体として機能させることができるので、固体電解コンデンサ自体の容量性能(初期の静電容量)を低下させることなく、中間層の被覆率を変動させることができる。
(4)主に酸化ニオブを含む誘電体層2内にフッ素を含有させたことで、熱負荷が加えられた場合に非晶質の酸化ニオブが結晶化することが抑制されるので、フッ素を含有しない誘電体層を採用した固体電解コンデンサに比べ、漏れ電流の増大を抑制することができる。
(5)固体電解コンデンサの製造方法において、ニオブ金属からなる陽極体1の表面にフッ素がドープされた酸化ニオブを含む誘電体層2を形成するとともに、誘電体層2上に、誘電体層2が露出する中間層3を形成する工程と、中間層3上および露出する誘電体層2上に導電性高分子層4を形成する工程と、を備えたことで、上記(1)〜(4)に記載のような好適な固体電解コンデンサを製造することができる。
(6)フッ素イオンを含む電解液中での陽極酸化後に酸洗浄を行うようにしたことで、上記(1)〜(4)に記載のような好適な固体電解コンデンサを容易に製造することができる。
(7)フッ素イオンを含む電解液中での陽極酸化の際に、電解液を交換して陽極酸化を行うようにしたことで、上記(1)〜(4)に記載のような好適な固体電解コンデンサを容易に製造することができる。
(8)本実施形態の製造方法によれば、フッ素イオンを含む電解液中での陽極酸化後に酸洗浄を追加するだけの変更あるいは陽極酸化中に電解液を交換するだけの変更で、上記(1)〜(4)に記載のような好適な固体電解コンデンサを製造することができるので、熱負荷による静電容量の低下が抑制された固体電解コンデンサを低コストで製造することができる。
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、当業者の知識に基づいて各種の設計変更等の変形を加えることも可能であり、そのような変形が加えられた実施形態も本発明の範囲に含まれうるものである。
上記実施形態では、フッ素を含む電解液としてフッ化アンモニウム水溶液を採用した例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、電解液としてフッ化カリウム水溶液、フッ化ナトリウム水溶液、フッ酸水溶液、六フッ化アンモニウム、六フッ化ジルコニウム酸アンモニウム、あるいは六フッ化ゲルマニウム酸アンモニウムなどを採用してもよい。また、これらの電解液を組み合わせてもよい。こうした場合にも同様の効果を享受するこ
とができる。
上記実施形態では、酸洗浄における酸としてフッ酸を採用した例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、酸として塩酸、硫酸、あるいは硝酸など採用してもよい。こうした場合にも同様の効果を享受することができる。
上記実施形態では、所定の陽極酸化時間の範囲で、電解液の交換を3回とする例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、電解液の交換は2回であってもよいし、4回以上であってもよい。こうした場合には、電解液の交換回数の増加に応じて上記効果をより顕著に享受することができる。
上記実施形態では、ニオブ金属粒子の多孔質焼結体からなる陽極体を採用した固体電解コンデンサの例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえは、ニオブ金属板(またはニオブ金属箔)からなる陽極体を採用した固体電解コンデンサであってもよい。この場合にも同様の効果を享受することができる。
本実施形態に係る固体電解コンデンサの構成を示す概略断面図。 (A)図1の固体電解コンデンサにおける陽極体近傍を拡大した断面図、(B)陽極体を構成する1つの金属粒子近傍を拡大した模式図。 従来の固体電解コンデンサの陽極体を構成する1つの金属粒子近傍を拡大した模式図。 各固体電解コンデンサの静電容量維持率の評価結果(被覆率依存)を示す図。 各固体電解コンデンサの漏れ電流の評価結果(被覆率依存)を示す図。
符号の説明
1a 陽極リード線、1 陽極体、2 誘電体層、3 中間層、4 導電性高分子層、5 陰極層、5a カーボン層、5b 銀ペースト層、6 導電性接着剤、7 陽極端子、8 陰極端子、9 モールド外装体、10 コンデンサ素子。

Claims (6)

  1. ニオブまたはニオブ合金からなる陽極と、
    前記陽極の表面に形成された酸化ニオブを含む誘電体層と、
    前記誘電体層が露出するように形成された中間層と、
    前記中間層上および露出する前記誘電体層上に形成された陰極と、
    を備え、
    前記中間層は、ニオブと酸素を含む層である固体電解コンデンサ。
  2. ニオブまたはニオブ合金からなる陽極と、
    前記陽極の表面に形成された酸化ニオブを含む誘電体層と、
    前記誘電体層が露出するように形成された中間層と、
    前記中間層上および露出する前記誘電体層上に形成された陰極と、
    を備え、
    前記酸化ニオブを含む領域には、フッ素が含有されている固体電解コンデンサ。
  3. 前記中間層は複数の島状の部分により構成され、前記島状の部分は誘電体層の表面全体にわたって分布していることを特徴とした請求項1又は2に記載の固体電解コンデンサ。
  4. ニオブまたはニオブ合金からなる陽極の表面にフッ素がドープされた酸化ニオブを含む誘電体層を形成するとともに、前記誘電体層上に中間層を形成し、その後、前記中間層の一部を除去して前記中間層から前記誘電体層を部分的に露出させる第1の工程と、
    前記中間層上および露出する前記誘電体層上に陰極を形成する第2の工程と、
    を備える、固体電解コンデンサの製造方法。
  5. ニオブまたはニオブ合金からなる陽極の表面にフッ素がドープされた酸化ニオブを含む誘電体層を形成するとともに、前記誘電体層上に、前記誘電体層が露出するように中間層を形成する第1の工程と、
    前記中間層上および露出する前記誘電体層上に陰極を形成する第2の工程と、
    を備え、
    前記第1の工程は、前記陽極を、フッ素イオンを含む電解液中で陽極酸化する第1のス
    テップと、前記陽極酸化後に、酸を含む水溶液中で洗浄する第2のステップと、を有している固体電解コンデンサの製造方法。
  6. ニオブまたはニオブ合金からなる陽極の表面にフッ素がドープされた酸化ニオブを含む誘電体層を形成するとともに、前記誘電体層上に、前記誘電体層が露出するように中間層を形成する第1の工程と、
    前記中間層上および露出する前記誘電体層上に陰極を形成する第2の工程と、
    を備え、
    前記第1の工程は、前記陽極を、フッ素イオンを含む電解液中で陽極酸化するステップを有し、前記電解液を交換して、前記ステップを複数回繰り返す固体電解コンデンサの製造方法。
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