JP5088473B2 - ステアリング装置 - Google Patents

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Description

本発明は、主電源装置と副電源装置とにより電気アクチュエータに電力を供給して操舵力を発生させるステアリング装置に関する。
従来から、例えば、電動パワーステアリング装置においては、操舵ハンドルの回動操作に対して操舵アシスト力を付与するように電動モータを備え、この電動モータに流す電流量を変化させる通電制御を行って操舵アシスト力を調整する。こうした電動パワーステアリング装置は、その電源として車載バッテリが使用される。車載バッテリに異常が生じた時には操舵アシスト力が得られない。そこで、特許文献1に提案された装置では、車載バッテリの異常を判定する異常判定手段を備え、車載バッテリに異常が生じたときに、電源供給を車載バッテリから補助電源に切り替える構成を採用している。この特許文献1に提案された装置においては、車載バッテリ異常時に非常制御装置が自動的に作動して、補助電源から電動モータに給電するとともに、警報器を作動させて異常を知らせる。
特開2006−151243
ところで、電動パワーステアリング装置は、電動モータの消費電力が大きく、しかも、操舵操作状態や車両走行状態に応じて必要電力が大きく変動する。このため、車載バッテリの電源容量が不足している場合には、正規の操舵アシスト性能が得られなくなる。車載バッテリの大容量化を図れば正規の操舵アシスト性能を確保できるものの、据え切り操作時等の一時的な大電力消費に備えて車載バッテリの大容量化を図るのは好ましくない。そこで、本願出願人は、電動パワーステアリング装置内に副バッテリを設け、車載バッテリと副バッテリの両方の電力により電動モータを駆動して、正規の操舵アシスト性能を確保するシステムを考えた。しかし、この場合には、車載バッテリの状態検出だけでは電動パワーステアリング装置の電源状態を適正に判断することができず、電源異常時の処置を適切に行うことが難しい。
本発明の目的は、上記問題に対処するためになされたもので、主電源装置と補助電源装置との両方を使用して正規の操舵アシスト性能を確保できるステアリング装置を構成し、このステアリング装置における電源状態を適正に判断して、電源異常時に適正に処理できるようにすることにある。
上記目的を達成するために、本発明の特徴は、主電源装置と、上記主電源装置により充電される副電源装置と、車輪を操舵するための操舵力を発生する電気アクチュエータと、操舵ハンドルの操作を検出する操舵操作センサと、上記検出した操舵操作に基づいて上記主電源装置と上記副電源装置との電力を使って上記電気アクチュエータを駆動制御する操舵制御手段とを備え、上記主電源装置と上記副電源装置との両方の電力を使うことで正規の操舵性能が得られるステアリング装置であって、上記副電源装置の電源供給能力を検出する副電源能力検出手段と、異常検出手段と、異常処理手段とを備えたことにある。
この発明においては、主電源装置と副電源装置とによりステアリング装置の電源装置を構成し、主電源装置と副電源装置との両方の電力を使うことで正規の操舵性能が得られるように電源装置の電力容量が設定されている。従って、副電源装置の電源供給能力の低下が操舵性能に影響を及ぼす
そこで、この発明に係る異常検出手段は、副電源装置の電源供給能力を検出し、上記検出された副電源装置の電源供給能力に応じて異常判定条件を設定し、その設定した異常判定条件に基づいて上記ステアリング装置の電源状態異常を検出する。異常処理手段は、上記異常検出手段により異常が検出されたとき、上記電気アクチュエータへの電力供給制限あるいは運転者への警告の少なくとも一方を行う。
この発明においては、異常検出手段は、ステアリング装置の電源状態異常を検出する。即ち、異常検出手段は、副電源装置の電源供給能力に応じて異常判定条件を設定し、設定した異常判定条件に基づいてステアリング装置の電源状態異常を検出する。従って、ステアリング装置における電源状態異常検出を適正に行うことができる。異常処理手段は、異常が検出されたとき、電気アクチュエータへの電力供給制限あるいは運転者への警告の少なくとも一方を行う。このため、異常処理のタイミングが適正となり異常処理遅れが抑制される。
本発明の他の特徴は、上記異常検出手段は、上記副電源装置の電源供給能力の低下にしたがって大きくなる異常判定値を設定し、上記主電源装置の電源供給能力が上記設定した異常判定値を下回ったときに、上記電源状態異常が生じていると判定することにある。
この発明においては、副電源装置の電源供給能力の低下にしたがって異常判定値が大きく設定される。そして、主電源装置の電源供給能力とこの異常判定値とが比較され、主電源装置の電源供給能力が異常判定値を下回ったときに電源状態不良(電源状態異常)であると判定される。つまり、この発明は、主電源装置の電源供給能力に基づいてステアリング装置の電源状態の良否を判定するが、その判定にあたっては、副電源装置の電源供給能力を関連させ、副電源装置の電源供給能力が低い場合に異常判定値を厳しい側(異常と判定されやすい側)に設定する。
副電源装置の電源供給能力が低下すると、その分だけ主電源装置の負担が増大する。このため、電気アクチュエータの駆動時に主電源装置の電源電圧が急激に低下してしまうおそれがある。そこで、この発明においては、ステアリング装置の電源を、主電源装置と副電源装置とをあわせた総合的な電源としてとらえ、副電源装置の電源供給能力が低下しているときには、主電源装置の異常判定値を大きな値に設定する。従って、ステアリング装置の電源状態の異常を遅れることなく適正に検出することができる。このため、異常処理遅れを抑制できる。
本発明の他の特徴は、上記異常検出手段は、上記副電源装置の電源供給能力の低下にしたがって短くなる異常判定時間を設定し、上記主電源装置の電源供給能力が異常判定値を下回る状態が上記設定した異常判定時間以上継続したときに、上記電源状態異常が生じていると判定することにある。
この発明においては、副電源装置の電源供給能力の低下にしたがって異常判定時間が短く設定される。そして、主電源装置の電源供給能力と異常判定値とが比較され、主電源装置の電源供給能力が異常判定値を下回る状態が異常判定時間以上継続したときに電源状態不良(電源状態異常)であると判定される。つまり、この発明は、主電源装置の電源供給能力に基づいてステアリング装置の電源状態の良否を判定するが、その判定にあたっては、副電源装置の電源供給能力を関連させ、副電源装置の電源供給能力が低い場合に異常判定時間を短く設定して、短時間にて異常判定する。
副電源装置の電源供給能力が低下すると、その分だけ主電源装置の負担が増大する。このため、電気アクチュエータの駆動時に主電源装置の電源電圧が急激に低下してしまうおそれがある。そこで、この発明においては、主電源装置の電源供給能力を判定する異常判定時間を短く設定するため、ステアリング装置の電源状態の異常を遅れることなく適正に検出することができる。このため、異常処理遅れを抑制できる。
本発明の他の特徴は、上記異常処理手段は、上記電気アクチュエータへの電力供給制限を行うように構成されており、上記主電源装置の電源供給能力の低下にしたがって短くなり、かつ、上記副電源装置の電源供給能力の低下にしたがって短くなる漸減速度を設定し、上記異常検出手段により異常が検出されたとき、上記設定した漸減速度で上記電気アクチュエータへの電力供給を低下させることにある。
この発明によれば、ステアリング装置の電源状態に応じた適正なタイミングで電気アクチュエータへの電力供給を制限することができる。副電源装置の電源供給能力の低下によりステアリング装置の電源状態が低下している場合、据え切り操作時など電気アクチュエータで大電力を消費したとき、電源電圧の低下異常が発生することがある。一般に、操舵制御手段は、マイクロコンピュータを用いて構成されるが、マイクロコンピュータに供給される電源電圧が最低作動電圧を下回るとマイクロコンピュータがリセットしてしまい操舵制御を継続できない。これに対して、本発明によれば、電源電圧の低下異常が発生しても、適正なタイミングで電力供給制限を開始して電力消費を抑えるため、マイクロコンピュータに供給される電源電圧の低下を抑制してマイクロコンピュータのリセットを防止することができる。更にこの発明においては、異常検出時に電気アクチュエータへの電力供給を徐々に低下(漸減)させる。この場合、副電源装置の電源供給能力の低下と副電源装置の電源供給能力の低下にしたがって短くなる漸減速度を設定し、この設定した漸減速度で電気アクチュエータの電力供給を低下させる。
例えば、主電源装置と副電源装置とがともに能力低下している場合には、電気アクチュエータへの電力供給を速い速度で低下させて迅速に電力消費を抑えることができる。これにより、マイクロコンピュータのリセットを防止することができる。一方、主電源装置と副電源装置との両方が十分な電源供給能力を有する場合には、電気アクチュエータへの電力供給を適度な速さで低下させて操舵力の急変を防止することができる。この場合も、マイクロコンピュータのリセットを防止することができる。
本発明の他の特徴は、上記主電源装置の電源電圧を検出する主電源電圧検出手段を備え、上記検出した電源電圧により上記主電源装置の電源供給能力を推定することにある。
この発明によれば、主電源装置の電源供給能力の検出が容易である。
本発明の特徴は、上記主電源装置の出力電圧を昇圧する昇圧回路を備え、上記昇圧回路の出力側に上記電気アクチュエータの駆動回路を接続するとともに、上記昇圧回路と上記駆動回路とのあいだに上記副電源装置を並列に接続したことにある。
この発明によれば、主電源装置の出力電圧を昇圧回路により昇圧して電気アクチュエータの駆動回路に電源供給するため、電気アクチュエータを効率よく駆動することができる。しかも、副電源装置を昇圧回路と駆動回路とのあいだに並列に接続したため、副電源装置への充電と、副電源装置から駆動回路側への放電とをバランス良く行うことができる。従って、主電源装置の電力と副電源装置の電力との両方を使って電気アクチュエータに適正に電源供給することができる。
本発明の他の特徴は、上記副電源装置の電源供給能力の低下に基づいて上記昇圧回路の昇圧電圧を上昇させる昇圧制御手段を備えたことにある。
この発明によれば、副電源装置の電源供給能力の低下を電気アクチュエータの駆動回路に供給する電源電圧の増大により補うことができる。
本発明の他の特徴は、上記副電源能力検出手段は、上記副電源装置の電源電圧を検出し、上記検出した電源電圧により上記副電源装置の電源供給能力を推定することにある。
この発明によれば、副電源装置の電源供給能力の検出が容易である。
以下、本発明の一実施形態に係るステアリング装置について図面を用いて説明する。図1は、実施形態としての車両の電動パワーステアリング装置の概略構成を表している。
本実施形態の車両の電動パワーステアリング装置は、操舵ハンドル11の操舵により転舵輪を転舵するステアリング機構10と、ステアリング機構10に組み付けられ操舵アシストトルクを発生する電動モータ20と、電動モータ20を駆動するためのモータ駆動回路30と、主電源装置100の出力電圧を昇圧してモータ駆動回路30に電源供給する昇圧回路40と、昇圧回路40とモータ駆動回路30との間の電源供給回路に並列接続される副電源装置50と、電動モータ20および昇圧回路40の作動を制御する電子制御装置60とを主要部として備えている。
ステアリング機構10は、操舵ハンドル11の回転操作により左右前輪FWL,FWRを転舵するための機構で、操舵ハンドル11を上端に一体回転するように接続したステアリングシャフト12を備える。このステアリングシャフト12の下端には、ピニオンギヤ13が一体回転するように接続されている。ピニオンギヤ13は、ラックバー14に形成されたラック歯と噛み合って、ラックバー14とともにラックアンドピニオン機構を構成する。ラックバー14の両端には、タイロッド15L,15Rを介して左右前輪FWL,FWRのナックル(図示略)が操舵可能に接続されている。左右前輪FWL,FWRは、ステアリングシャフト12の軸線回りの回転に伴うラックバー14の軸線方向の変位に応じて左右に操舵される。
ラックバー14には、操舵アシスト用の電動モータ20が組み付けられている。電動モータ20の回転軸は、ボールねじ機構16を介してラックバー14に動力伝達可能に接続されていて、その回転により左右前輪FWL,FWRの操舵をアシストする。ボールねじ機構16は、減速機および回転−直線変換器として機能するもので、電動モータ20の回転を減速するとともに直線運動に変換してラックバー14に伝達する。
ステアリングシャフト12には、操舵トルクセンサ21が設けられる。操舵トルクセンサ21は、操舵ハンドル11の回動操作によってステアリングシャフト12に作用する操舵トルクに応じた信号を出力する。この操舵トルクセンサ21から出力される信号により検出される操舵トルクの値を、以下、操舵トルクTxと呼ぶ。操舵トルクTxは、正負の値により操舵ハンドル11の操作方向が識別される。
電動モータ20には、回転角センサ22が設けられる。この回転角センサ22は、電動モータ20内に組み込まれ、電動モータ20の回転子の回転角度位置に応じた検出信号を出力する。この回転角センサ22の検出信号は、電動モータ20の回転角および回転角速度の計算に利用される。一方、この電動モータ20の回転角は、操舵ハンドル11の操舵角に比例するものであるので、操舵ハンドル11の操舵角としても共通に用いられる。また、電動モータ20の回転角を時間微分した回転角速度は、操舵ハンドル11の操舵角速度に比例するものであるため、操舵ハンドル11の操舵角速度としても共通に用いられる。以下、回転角センサ22の出力信号により検出される操舵ハンドル11の操舵角の値を操舵角θxと呼び、その操舵角θxを時間微分して得られる操舵角速度の値を操舵角速度ωと呼ぶ。操舵角θxは、正負の値により操舵ハンドル11の中立位置に対する右方向および左方向の舵角をそれぞれ表す。
尚、操舵トルクセンサ21、回転角センサ22は本発明における操舵操作センサに相当する。
モータ駆動回路30は、MOSFETからなる6個のスイッチング素子31〜36により3相インバータ回路を構成したものである。具体的には、第1スイッチング素子31と第2スイッチング素子32とを直列接続した回路と、第3スイッチング素子33と第4スイッチング素子34とを直列接続した回路と、第5スイッチング素子35と第6スイッチング素子36とを直列接続した回路とを並列接続し、各直列回路における2つのスイッチング素子間(31−32,33−34,35−36)から電動モータ20への電源供給ライン37を引き出した構成を採用している。
第1スイッチング素子31,第3スイッチング素子33,第5スイッチング素子35のドレインは、それぞれ後述する昇圧駆動ライン113に接続され、第2スイッチング素子32,第4スイッチング素子34,第6スイッチング素子36のソースは、それぞれ接地ライン111に接続される。モータ駆動回路30から電動モータ20への電源供給ライン37には、電流センサ38が設けられる。この電流センサ38は、各相ごとに流れる電流をそれぞれ検出(測定)し、その検出した電流値に対応した検出信号を電子制御装置60のアシスト制御部61(後述する)に出力する。以下、この測定された電流値を、モータ電流iuvwと呼ぶ。また、この電流センサ38をモータ電流センサ38と呼ぶ。
各スイッチング素子31〜36は、それぞれゲートが電子制御装置60のアシスト制御部61に接続され、アシスト制御部61からのPWM制御信号によりデューティ比が制御される。これにより電動モータ20の駆動電圧が目標電圧に調整される。
尚、図中に回路記号で示すように、スイッチング素子31〜36を構成するMOSFETには、構造上ダイオードが逆並列方向に寄生している。
次に、電動パワーステアリング装置の電源供給系統について説明する。
電動パワーステアリング装置は、主電源装置100から電源供給される。主電源装置100は、主バッテリ101と、エンジンの回転により発電するオルタネータ102とを並列接続して構成される。主バッテリ101としては、定格出力電圧が12Vの一般の車載バッテリが用いられる。この主電源装置100は、電動パワーステアリング装置だけでなく他の車載電気負荷への電源供給も共通して行う。
主電源装置100には、その電源電圧(出力電圧)を検出する電圧センサ71が設けられる。この電圧センサ71は、電子制御装置60の電源制御部62(後述する)に接続され、電源制御部62に対して測定値である電圧Vmainを表す信号を出力する。以下、この電圧センサ71を主電圧センサ71と呼び、主電圧センサ71により測定された電圧値を主電源電圧Vmainと呼ぶ。
主バッテリ101の電源端子(+端子)に接続される電源供給元ライン103は、制御系電源ライン104と駆動系電源ライン105とに分岐する。制御系電源ライン104は、電子制御装置60のみに電源供給するための電源ラインとして機能する。駆動系電源ライン105は、モータ駆動回路30と電子制御装置60との両方に電源供給する電源ラインとして機能する。
制御系電源ライン104には、イグニッションスイッチ106が接続される。駆動系電源ライン105には、電源リレー107が接続される。この電源リレー107は、電子制御装置60からの制御信号によりオンして電動モータ20への電力供給回路を形成するものである。制御系電源ライン104は、電子制御装置60の電源+端子に接続されるが、その途中で、イグニッションスイッチ106よりも負荷側(電子制御装置60側)においてダイオード108を備えている。このダイオード108は、カソードを電子制御装置60側、アノードを主電源装置100側に向けて設けられ、電源供給方向にのみ通電可能とする逆流防止素子である。
駆動系電源ライン105には、電源リレー107よりも負荷側において制御系電源ライン104と接続する連結ライン109が分岐して設けられる。この連結ライン109は、制御系電源ライン104のダイオード108接続位置よりも電子制御装置60側に接続される。また、連結ライン109には、ダイオード110が接続される。このダイオード110は、カソードを制御系電源ライン104側に向け、アノードを駆動系電源ライン105側に向けて設けられる。従って、連結ライン109を介して駆動系電源ライン105から制御系電源ライン104には電源供給できるが、制御系電源ライン104から駆動系電源ライン105には電源供給できないような回路構成となっている。駆動系電源ライン105および接地ライン111は昇圧回路40に接続される。また、接地ライン111は、電子制御装置60の接地端子にも接続される。
昇圧回路40は、駆動系電源ライン105と接地ライン111との間に設けられるコンデンサ41と、コンデンサ41の接続点より負荷側の駆動系電源ライン105に直列に設けられる昇圧用コイル42と、昇圧用コイル42の負荷側の駆動系電源ライン105と接地ライン111との間に設けられる第1昇圧用スイッチング素子43と、第1昇圧用スイッチング素子43の接続点より負荷側の駆動系電源ライン105に直列に設けられる第2昇圧用スイッチング素子44と、第2昇圧用スイッチング素子44の負荷側の駆動系電源ライン105と接地ライン111との間に設けられるコンデンサ45とから構成される。昇圧回路40の二次側には、昇圧電源ライン112が接続される。
本実施形態においては、この昇圧用スイッチング素子43,44としてMOSFETを用いるが,他のスイッチング素子を用いることも可能である。また、図中に回路記号で示すように、昇圧用スイッチング素子43,44を構成するMOSFETには、構造上ダイオードが寄生している。
昇圧回路40は、電子制御装置60の電源制御部62により昇圧制御される。電源制御部62は、第1,第2昇圧用スイッチング素子43,44のゲートに所定周期のパルス信号を出力して両スイッチング素子43,44をオン・オフし、主電源装置100から供給された電源を昇圧して昇圧電源ライン112に所定の出力電圧を発生させる。この場合、第1,第2昇圧用スイッチング素子43,44は、互いにオン・オフ動作が逆になるように制御される。昇圧回路40は、第1昇圧用スイッチング素子43をオン、第2昇圧用スイッチング素子44をオフにして昇圧用コイル42に短時間だけ電流を流して昇圧用コイル42に電力をため、その直後に、第1昇圧用スイッチング素子43をオフ、第2昇圧用スイッチング素子44をオンにして昇圧用コイル42にたまった電力を出力するように動作する。
第2昇圧用スイッチング素子44の出力電圧は、コンデンサ45により平滑される。従って、安定した昇圧電源が昇圧電源ライン112から出力される。この場合、周波数特性の異なる複数のコンデンサを並列に接続して平滑特性を向上させるようにしてもよい。また、昇圧回路40の入力側に設けたコンデンサ41により、主電源装置100側へのノイズが除去される。
昇圧回路40の出力電圧(昇圧電圧)は、第1、第2昇圧用スイッチング素子43,44のデューティ比制御により調整可能となっており、第1昇圧用スイッチング素子43のオンデューティ比が高いほど昇圧電圧は高くなる。尚、昇圧回路40として、汎用のDC−DCコンバータを使用することもできる。
昇圧回路40の出力側となる昇圧電源ライン112には、昇圧回路40の出力電圧を検出する電圧センサ73が設けられる。この電圧センサ73は、電子制御装置60の電源制御部62に接続され、電源制御部62に対して測定値である電圧Voutを表す信号を出力する。以下、電圧センサ73を昇圧電圧センサ73と呼び、昇圧電圧センサ73により検出された電圧値を昇圧電圧Voutと呼ぶ。
昇圧電源ライン112は、昇圧駆動ライン113と充放電ライン114とに分岐する。昇圧駆動ライン113は、モータ駆動回路30の電源入力部に接続される。充放電ライン114は、副電源装置50のプラス端子に接続される。
副電源装置50は、昇圧回路40から出力される電力を充電し、モータ駆動回路30で大電力を必要としたときに、主電源装置100を補助してモータ駆動回路30に電源供給する高圧蓄電装置である。従って、副電源装置50は、昇圧回路40の出力電圧相当の電圧を維持できるように複数の蓄電セルを直列に接続して構成される。
充放電ライン114には、スイッチング素子51が直列に設けられる。このスイッチング素子51としてMOSFETなどを用いることができる。スイッチング素子51は、ゲートが電子制御装置60の電源制御部62に接続され、電源制御部62からの信号によりオン・オフして、充放電路を開閉する。
副電源装置50の接地端子は、接地ライン111に接続される。副電源装置50には、電圧センサ72が設けられる。電圧センサ72は、充放電ライン114におけるスイッチング素子51と副電源装置50の+端子との間の電位を検出することにより、副電源装置50の出力電圧(電源電圧)を検出する。電圧センサ72は、電子制御装置60の電源制御部62に接続され、電源制御部62に対して測定値である充電電圧Vsubを表す信号を出力する。以下、この電圧センサ72を副電圧センサ72と呼び、副電圧センサ72により測定された電圧値を副電源電圧Vsubと呼ぶ。
電子制御装置60は、CPU,ROM,RAM等からなるマイクロコンピュータを主要部として構成され、その機能から、アシスト制御部61と電源制御部62とに大別される。アシスト制御部61と電源制御部62とは、互いに制御指令や制御データ等の授受が可能に設けられる。アシスト制御部61は、操舵トルクセンサ21、回転角センサ22、モータ電流センサ38、車速センサ23を接続し、操舵トルクTx、操舵角θx、モータ電流iuvw、車速Vxを表すセンサ信号を入力する。アシスト制御部61は、これらのセンサ信号に基づいて、モータ駆動回路30にPWM制御信号を出力して電動モータ20を駆動制御し、運転者の操舵操作をアシストする。
また、アシスト制御部61には、運転者に対して異常を報知するための報知器63が接続されている。本実施形態の報知器63としては、アシスト制御部61からの点灯指令により点灯するランプ等の表示器を用いるが、音により運転者に報知するものであってもよい。
電源制御部62は、主電圧センサ71、副電圧センサ72、昇圧電圧センサ73を接続し、主電源装置100の主電源電圧Vmain、副電源装置50の副電源電圧Vsub、昇圧回路40の昇圧電圧Voutを表すセンサ信号を入力する。電源制御部62は、検出した昇圧電圧Voutに基づいて目標昇圧電圧が得られるように昇圧回路40にPWM制御信号を出力する。昇圧回路40は、入力したPWM制御信号にしたがって第1,第2昇圧用スイッチング素子43,44のデューティ比を制御することにより、昇圧電圧を目標電圧に制御する。
また、電源制御部62は、主電源電圧Vmain、副電源電圧Vsubに基づいて、電動パワーステアリング装置の電源状態を判断し、判断結果に応じてアシスト制御部61にフェイルセーフ指令あるいはウォーニング指令を出力するとともに目標昇圧電圧を変更する。また、副電源電圧Vsubを検出する場合には、スイッチング素子51にオフ信号を出力して充放電ライン114を開く。
次に、電子制御装置60のアシスト制御部61が行う操舵アシスト制御処理について説明する。図2は、アシスト制御部61により実施される操舵アシスト制御ルーチンを表し、電子制御装置60のROM内に制御プログラムとして記憶される。操舵アシスト制御ルーチンは、イグニッションスイッチ106の投入(オン)により起動し、所定の短い周期で繰り返し実行される。
本制御ルーチンが起動すると、アシスト制御部61は、まず、ステップS101においてフェイルセーフ処理を行う必要があるか否かを判断する。例えば、電源制御部62により電源供給異常が検出されてフェイルセーフ処理指令が出力されたときや、別途行われているセンサ類の異常検出処理によりセンサ異常が検出されてフェイルセーフ処理指令が出力された場合に「YES」と判断される。
電源制御部62により行われる電源供給異常検出については後述する。センサ類の異常検出については、操舵トルクセンサ21、回転角センサ22について行われる。例えば、信号線の断線やショート、出力パルスの不整列、出力値が許容範囲から外れるオフセット、電子制御装置60からの電源供給異常等が判断される。
アシスト制御部61は、フェイルセーフ処理を行う必要がないと判断すると、ステップS102において、変数Kを値A(正の整数)に設定する。この変数Kは、アシスト比(K/A)の分子を表すものである。アシスト比(K/A)は、フェイルセーフ指令を受けたとき、操舵アシストトルクを漸次低減していくために、後述する目標アシストトルクT*を補正するための補正係数である。この場合、ステップS102の処理により、アシスト比(K/A)は値「1」に設定される。
続いて、アシスト制御部61は、ステップS103において、車速センサ23によって検出された車速Vxと、操舵トルクセンサ21によって検出され操舵トルクTxとを読み込む。次に、ステップS104において、図3に示すアシストトルクテーブルを参照して、入力した車速Vxおよび操舵トルクTxに応じて設定される基本アシストトルクTasを計算する。アシストトルクテーブルは、電子制御装置60のROM内に記憶されるもので、操舵トルクTxの増加にしたがって基本アシストトルクTasも増加し、しかも、車速Vxが低くなるほど大きな値となるように設定される。尚、図3のアシストトルクテーブルは、右方向の操舵トルクTxに対する基本アシストトルクTasの特性を表すが、左方向の特性については方向が反対になるだけで絶対値でみれば同じである。
続いて、アシスト制御部61は、ステップS105において、この基本アシストトルクTasに補償トルクを加算して目標アシストトルクT*を計算する。この補償トルクは、操舵角θxに比例して大きくなるステアリングシャフト12の基本位置への復帰力と、操舵角速度ωに比例して大きくなるステアリングシャフト12の回転に対向する抵抗力に対応した戻しトルクとの和として計算する。この計算に当たっては、回転角センサ22にて検出した電動モータ20の回転角(操舵ハンドル11の操舵角θxに相当)を入力して行う。また、操舵角速度ωについては、操舵ハンドル11の操舵角θxを時間で微分して求める。
次に、アシスト制御部61は、ステップS106において、目標アシストトルクT*を次式のように補正する。
T*=(K/A)・T*
つまり、ステップS105にて求められた目標アシストトルクT*にアシスト比(K/A)を乗じた値を新たな目標アシストトルクT*として設定する。この場合、アシスト比が値「1」に設定されているため、目標アシストトルクT*は変更されない。
次に、アシスト制御部61は、ステップS107において、目標アシストトルクT*に比例した目標電流ias*を計算する。目標電流ias*は、目標アシストトルクT*をトルク定数で除算することにより求められる。
続いて、アシスト制御部61は、ステップS108において、電動モータ20に流れるモータ電流iuvwをモータ電流センサ38から読み込む。次に、ステップS109において、このモータ電流iuvwと先に計算した目標電流ias*との偏差Δiを計算し、この偏差Δiに基づくPI制御(比例積分制御)により目標指令電圧v*を計算する。
そして、アシスト制御部61は、ステップS110において目標指令電圧v*に応じたPWM制御信号をモータ駆動回路30に出力して本制御ルーチンを一旦終了する。本制御ルーチンは、所定の速い周期で繰り返し実行される。従って、本制御ルーチンの実行により、モータ駆動回路30のスイッチング素子31〜36のデューティ比が制御されて、運転者の操舵操作に応じた所望のアシストトルクが得られる。
アシスト制御部61は、こうした操舵アシスト制御の実行中にフェイルセーフ指令を入力すると(S101:YES)、その処理をステップS111に進める。ステップS111においては、変数Kを値1だけデクリメントする(K=K−1)。この場合、先のステップS102において変数Kが値Aに設定されているため、アシスト比は、(A−1)/Aとなる。
ステップS111の処理が行われると、続いて、上述したステップS103からの処理を実行する。この場合、ステップS106において、目標アシストトルクT*は、アシスト比(K/A)が乗じられて低減される。
本操舵アシスト制御ルーチンは、所定の速い周期で繰り返される。従って、フェイルセーフ指令を受けているときには、目標アシストトルクT*が漸次低減されていく。従って、アシスト比(K/A)が「0」になるまで電動モータ20への電力供給が漸次低下される。こうして、安全にパワーステアリング装置からマニュアルステアリング装置に切り替えることができる。以下、このように電動モータ20への電力供給が漸次低下される動作をアシスト漸減動作と呼ぶ。また、電動モータ20への電力供給を低下させる速度をアシスト漸減速度と呼ぶ。このアシスト漸減速度は、アシスト比(K/A)のAの値が小さいほど速く、Aの値が大きいほどゆっくりとなる。
こうした操舵アシスト制御時においては、特に、据え切り操作時や、低速走行でのハンドル操作時において大きな電力が必要とされる。しかし、一時的な大電力消費に備えて主電源装置100の大容量化を図ることは好ましくない。そこで、本実施形態の電動パワーステアリング装置においては、主電源装置100の大容量化を図らずに、一時的な大電力消費時に電源供給を補助する副電源装置50を備える。また、電動モータ20を効率的に駆動するために昇圧回路40を備え、昇圧した電力をモータ駆動回路30および副電源装置50に供給するシステムを構成している。
こうした電源供給システムを構成した場合、主電源装置100と副電源装置50との両方の電力を使うことにより電動パワーステアリング装置の正規の操舵アシスト性能をフルに発揮できる。つまり、正規の操舵アシスト性能を確保するために必要な電力(最大必要電力)に対して主電源装置100の出力電力では小さく、その不足分の電力を補うように副電源装置50が設けられる。このため、本来のアシスト性能を確保するためには、主電源装置100と副電源装置50との両方をあわせた電源供給能力を適正状態に維持する必要がある。
そこで、電源制御部62は、主電源装置100と副電源装置50との両方をあわせた電源供給能力が低下している場合には、その程度が軽度であれば運転者に対して警告し、重度であればフェイルセーフ指令を出力する。
以下、電子制御装置60の電源制御部62が行う電源異常時制御処理について説明する。この処理は、副電源装置50の電源供給能力低下に関連させて行う異常対応処理としての第1実施形態である。図4は、電源制御部62により実施される電源異常時制御ルーチンを表し、電源制御装置60のROM内に制御プログラムとして記憶される。電源異常時制御ルーチンは、イグニッションスイッチ106の投入(オン)により起動し、所定の短い周期で繰り返し実行される。
本制御ルーチンが起動すると、電源制御部62は、ステップS21において、主電圧センサ71により検出される主電源電圧Vmainを読み込む。続いて、ステップS22において、副電圧センサ72により検出される副電源電圧Vsubを読み込む。副電源電圧Vsubに検出にあたっては、スイッチング素子51をオフして昇圧回路40の昇圧電圧を検出しないようにする。尚、スイッチング素子51は、電圧検出時のみオフされ、それ以外はオン状態に維持される。
続いて、電源制御部62は、ステップS23において、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs0以上であるか否かを判断する。副電源電圧Vsubが基準電圧Vs0以上あれば(S23:YES)、ステップS24において、フェイルセーフ判定電圧VmfaをVmfa1に設定し、ウォーニング判定電圧VmwaをVmwa1に設定する。一方、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs0未満であれば(S23:NO)、ステップS25において、フェイルセーフ判定電圧VmfaをVmfa2に設定し、ウォーニング判定電圧VmwaをVmwa2に設定する。この場合、Vmfa2はVmfa1より高い電圧値に設定されている(Vmfa2>Vmfa1)。また、Vmwa2はVmwa1より高い電圧値に設定されている(Vmwa2>Vmwa1)。
続いて、ステップS26において、主電源電圧Vmainがフェイルセーフ判定電圧Vmfaより下回っているか否かを判断する。主電源電圧Vmainがフェイルセーフ判定電圧Vmfa以上であれば(Vmain<Vmfa,S26:NO)、次に、ステップS27において、主電源電圧Vmainがウォーニング判定電圧Vmwaより下回っているか否かを判断する。主電源電圧Vmainがウォーニング判定電圧Vmwa以上ある場合には(S27:NO)、操舵アシスト制御を行うのに十分な電源供給能力を備えているため、そのまま本電源異常時制御ルーチンを一旦終了する。尚、フェイルセーフ判定電圧Vmfaは、ウォーニング判定電圧Vmwaよりも低い電圧である。
本電源異常時制御ルーチンは、所定の速い周期で切り返し実行される。従って、その都度検出した副電源電圧Vsubと基準電圧Vs0との比較判断(S23)に応じたフェイルセーフ判定電圧Vmfaとウォーニング判定電圧Vmwaとが設定される(S24またはS25)。そして、主電源電圧Vmainとフェイルセーフ判定電圧Vmfaとが比較され(S26)、主電源電圧Vmainがフェイルセーフ判定電圧Vmfa以上であれば、更に、主電源電圧Vmainとウォーニング判定電圧Vmwaとが比較される(S27)。
こうした処理が繰り返され、主電源電圧Vmainがウォーニング判定電圧Vmwaを下回ると(S27:YES)、電源制御部62は、ステップS28において、その状態(Vmain<Vmwa)がウォーニング判定時間Twa以上継続したか否かについて判断する。主電源電圧Vmainがウォーニング判定電圧Vmwaを下回っている継続時間がウォーニング判定時間Twaに満たない間は(S28:NO)、そのまま本電源異常時制御ルーチンを一旦終了する。
そして、主電源電圧Vmainがウォーニング判定電圧Vmwaを下回っている継続時間がウォーニング判定時間Twaに達すると(S28:YES)、ステップS29において、ウォーニング指令をアシスト制御部61に出力する。アシスト制御部61は、このウォーニング指令により報知器63に点灯信号を出力する。これにより報知器63が点灯して、運転者に対して副電源装置50の交換の必要性を知らせる。
尚、ウォーニング中においては、上述した操舵アシスト制御処理において、目標電流ias*の上限値を設定して、電動モータ20に流れるモータ電流が上限値以上流れないように制限してもよい。つまり、操舵アシスト制御ルーチンのステップS107において、目標アシストトルクT*から計算された目標電流iasが上限電流値以下であれば、その計算値をそのまま目標電流iasとして設定し、目標アシストトルクT*から計算された目標電流iasが上限電流値を超える場合には、上限電流値を目標電流値iasとして設定する。
図4の電源異常時制御の説明に戻り、ウォーニング中において、主電源電圧Vmainがさらに低下してフェイルセーフ判定電圧Vmfaを下回ると(S26:YES)、電源制御部62は、ステップS30において、その状態(Vmain<Vmfa)がフェイルセーフ判定時間Tfa以上継続したか否かについて判断する。主電源電圧Vmainがフェイルセーフ判定電圧Vmfaを下回っている継続時間がフェイルセーフ判定時間Tfaに満たない間は(S30:NO)、そのままウォーニング指令を継続する。
そして、主電源電圧Vmainがフェイルセーフ判定電圧Vmfaを下回っている継続時間がフェイルセーフ判定時間Tfaに達すると(S30:YES)、ステップS31において、フェイルセーフ指令をアシスト制御部61に出力する。アシスト制御部61は、このフェイルセーフ指令により、上述したアシスト漸減動作を行う。つまり、目標アシストトルクT*を所定の速度で低減して最終的に操舵アシストが働かないようにする。
この電源異常時制御ルーチンにおいては、副電源装置50の電源供給能力を副電源電圧Vsubにより推定し、主電源装置100の電源供給能力を主電源電圧Vmainにより推定する。つまり、各電源装置50,100の電源供給能力がその電源電圧と相関関係を有しているものとして、電源電圧Vmain、Vsubに基づいて電源供給能力を推定する。
そして、副電源電圧Vsubに関連させて判定電圧Vmfa,Vmwaを設定し、この設定した判定電圧Vmfa,Vmwaと主電源電圧mainとを比較することにより、電動パワーステアリングの電源異常を判定している。この場合、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs0より低い状態にあると、判定電圧Vmfa,Vmwaが高い値に設定され、電源異常と判定されやすい側に制御される。つまり、電動パワーステアリング装置の保有する電源能力を、主電源装置100の電源供給能力と副電源装置50の電源供給能力とを総合した能力としてとらえ、副電源装置50の電源供給能力が低下している場合には、その低下分だけ主電源装置100の必要電源供給能力を増大させて判定する。従って、パワーステアリング装置の保有する電源能力を適切に判定することができる。
一方、パワーステアリング装置の保有する電源能力を副電源電圧Vsubに関連させずに主電源電圧Vmainのみにて判定した場合には、電源能力を適切に判定することができない。例えば、副電源装置50の電源供給能力が低下している状態において、操舵アシストにより電動モータ20に大電流が流れた場合、副電源装置50からの電源供給が適正に得られないため、主電源装置100の主電源電圧Vmainが急激に低下することがある。
こうしたケースでは、主電源電圧Vmainの低下検出が遅れてしまい、つまり、フェイルセーフ処理の開始タイミングが遅れてしまい、電子制御装置60のマイクロコンピュータがリセットされてしまうおそれがある。電子制御装置60は、主要部をマイクロコンピュータにより構成しており、主電源装置100から電源供給を受けている。このため、主電源電圧Vmainがマイクロコンピュータの最低作動電圧を下回るとマイクロコンピュータがリセットされる。マイクロコンピュータがリセットされた場合には、操舵アシスト制御がいきなり停止するだけでなく、電源電圧が復帰しても初期診断等の処理を行うため再起動するまでに時間がかかってしまう。
これに対して、本実施形態の電源異常時制御ルーチンによれば、副電源装置50の電源供給能力(副電源電圧Vsub)が低下している場合には、主電源装置100の電源供給能力(主電源電圧Vmain)の判定レベルを上げているため、電動モータ20で大電力消費しても、早いタイミングでフェイルセーフ処理を行うことができる。従って、電子制御装置60のマイクロコンピュータがリセットしてしまうといった不具合を抑制することができる。また、運転者に対しても、報知器63の作動により適正な時期に電源供給能力不足を知らせることができる。
尚、フェイルセーフ判定電圧Vmfa、ウォーニング判定電圧Vmwaが本発明の異常判定条件(異常判定値)に相当する。本実施形態においては、副電源電圧Vsubに応じてそれぞれ2種類の判定電圧(Vmfa1,Vmfa2)、(Vmwa1,Vmwa2)を設定したが、3種類以上、あるいは、副電源電圧Vsubに応じた連続的な値をとる判定電圧を設定してもよい。この場合においても、副電源電圧Vsubの低下にしたがって判定電圧を増大させるものであればよい。また、この電源異常時制御を行う電源制御部62が本発明の異常検出手段に相当し、フェイルセーフ処理および報知器63の点灯処理を行うアシスト制御部61が本発明の異常処理手段に相当する。
次に、第1実施形態の第1変形例について説明する。図5は、電源制御部62により実施される変形例としての電源異常時制御ルーチンを表し、電源制御装置60のROM内に制御プログラムとして記憶される。電源異常時制御ルーチンは、イグニッションスイッチ106の投入(オン)により起動し、所定の短い周期で繰り返し実行される。
この第1変形例としての電源異常時制御ルーチンは、上述した第1実施形態のステップS24,S25の処理を、ステップS34,S35に代えたものであり、他の処理については同一である。以下、実施形態と共通する処理については、図面に同一のステップ番号を付けて説明を省略する。
上述した第1実施形態においては、副電源電圧Vsubに応じてウォーニング判定電圧Vmwaとフェイルセーフ判定電圧Vmfaとを設定するように構成したが、この第1変形例においては、副電源電圧Vsubに応じてウォーニング判定時間Twaとフェイルセーフ判定時間Tfaとを設定するものである。
本制御ルーチンが起動すると、電源制御部62は、主電源電圧Vmainと副電源電圧Vsubを読み込み(S21,S22)、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs0以上であるか否かを判断する(S23)。副電源電圧Vsubが基準電圧Vs0以上あれば(S23:YES)、ステップS34において、フェイルセーフ判定時間TfaをTfa1に設定し、ウォーニング判定時間TwaをTwa1に設定する。一方、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs0未満であれば(S23:NO)、ステップS35において、フェイルセーフ判定時間TfaをTfa2に設定し、ウォーニング判定時間TwaをTwa2に設定する。この場合、Tfa2はTfa1より短い時間に設定されている(Tfa2<Tfa1)。また、Twa2はTwa1より短い時間に設定されている(Twa2<Twa1)。
上述したように、フェイルセーフ判定時間Tfaとは、フェイルセーフ指令を出力するための必要条件となる主電源電圧Vmainがフェイルセーフ判定電圧Vmfaを下回っている継続時間であり、ウォーニング判定時間Twaとは、ウォーニング指令を出力するための必要条件となる主電源電圧Vmainがウォーニング判定電圧Vmwaを下回っている継続時間である。
続いて、ステップS26、S27において、上述したように、主電源電圧Vmainとフェイルセーフ判定電圧Vmfaの比較、主電源電圧Vmainとウォーニング判定電圧Vmwaとの比較が行われる。この変形例のフェイルセーフ判定電圧Vmfa、ウォーニング判定電圧Vmwaとしては、予め設定した固定値を用いる。そして、主電源電圧Vmainがウォーニング判定電圧Vmwaを下回った状態がウォーニング判定時間Twaだけ継続するとウォーニング指令が出力される。また、主電源電圧Vmainがフェイルセーフ判定電圧Vmfaを下回った状態がフェイルセーフ判定時間Tfaだけ継続するとフェイルセーフ指令が出力される。
以上説明した第1変形例の電源異常時制御処理によれば、副電源電圧Vsubの低下にしたがってウォーニング判定時間Twaとフェイルセーフ判定時間Tfaとを短い時間に設定する。従って、副電源装置50の電源供給能力が低下している場合には、その分だけ早めにウォーニング処理やフェイルセーフ処理(アシスト漸減動作)を開始することができる。
例えば、副電源装置50の電源供給能力が低下している状態において、操舵アシストにより電動モータ20に大電流が流れた場合、主電源装置100の主電源電圧Vmainが急激に低下するおそれがあるが、こうしたケースにおいても、早いタイミングでフェイルセーフ処理を開始できるため、主電源電圧Vmainがマイクロコンピュータの最低作動電圧にまで低下してしまうことを抑制する。
尚、フェイルセーフ判定時間Tfaとウォーニング判定時間Twaとが本発明の異常判定条件(異常判定時間)に相当する。この第1変形例においては、副電源電圧Vsubに応じて2種類の判定時間(Tfa1,Tfa2),(Twa1,Twa2)を設定したが、3種類以上、あるいは、副電源電圧Vsubに応じた連続的な値をとる判定時間を設定してもよい。この場合においても、副電源電圧Vsubの低下にしたがって判定時間を短くさせるものであればよい。
次に、第2変形例について説明する。上述した第1変形例においては、副電源電圧Vsubの低下にしたがってウォーニング判定時間Twaとフェイルセーフ判定時間Tfaとを設定したが、第2変形例においては、副電源電圧Vsubに応じて、電源異常時制御ルーチンを行う制御周期を変更する。
上述した電源異常時処理ルーチンにおけるステップS28,ステップS30の処理は、継続時間を判定するものであるが、マイクロコンピュータの処理としては、カウンタ値を所定の制御周期でインクリメントあるいはデクリメントし、カウンタ値が所定値に達したときに所定時間継続したと判断するものである。この場合、カウント途中で、電圧判定条件を満たさなくなったとき(S26:NO、S27:NO)は、ステップS28,30のカウント値をリセットするようにする。従って、制御周期を変更することで、カウンタ値がカウントされる速度を変更してカウントアップまでの判定時間を変えることができる。
例えば、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs0を下回っている場合には、ステップS35の処理に代えて、制御周期を通常速度より速い高速モードに設定する処理を行い、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs0以上である場合には、ステップS34の処理に代えて、制御周期を通常速度である通常モードに設定する処理を行う。また、ステップS27,S30の判断処理は、例えば、制御周期ごとにインクリメントするカウンタを使ってカウンタ値が所定値(ウォーニング判定時間、フェイルセーフ判定時間に相当)に達したか否かを判断するようにする。この場合、途中で、主電源電圧Vmainが電圧判定条件を満たさなくなったときカウンタ値をゼロクリアする。
従って、第2変形例は、副電源電圧Vsubに応じてウォーニング判定時間とフェイルセーフ判定時間とがそれぞれ変更されるものであり、第1変形例と同様な作用効果が得られる。
次に、第3変形例について説明する。第3変形例は、操舵トルクセンサ21および回転角センサ22の電源供給異常を上述した第1実施形態や2つの変形例を利用して検出するものである。操舵トルクセンサ21および回転角センサ22は、電子制御装置60から電源供給されている。従って、副電源装置50の電源供給能力の低下は、操舵トルクセンサ21および回転角センサ22への電源供給能力の低下を招く。電子制御装置60のアシスト制御部61は、操舵トルクセンサ21および回転角センサ22へ供給する電源電圧(以下、センサ電源電圧)をチェックし、センサ電源電圧が判定レベルよりも低下した場合には、センサ異常と判断して、フェイルセーフ処理(アシスト漸減動作)を行う。この場合、副電源装置50の副電源電圧Vsubに基づいてセンサ電源電圧の判定レベルを変更することにより、センサ異常の判定タイミングを適切にすることができる。
例えば、図4の電源異常時制御ルーチンにおいて、「主電源電圧Vmain」とあるのを「センサ電源電圧Vsens」におきかえる。従って、副電源装置50の副電源電圧Vsubが基準電圧Vs0より下回っている場合には、センサ電源電圧Vsensを判定するための判定電圧が高く設定され、逆に、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs0以上である場合には、センサ電源電圧Vsensを判定するための判定電圧が低く設定される。このため、副電源装置50の電源供給能力が低下している場合であっても、大電力消費によるセンサ電源電圧Vsensの低下に対して早いタイミングでフェイルセーフ指令を出力することができる。従って、操舵トルクセンサ21や回転角センサ22センサの誤検出を未然に防いで操舵アシスト制御の誤動作を防止することができる。この第3変形例は、電源制御部62とアシスト制御部61との協働により行う。
尚、この第3変形例については、副電源装置50の電源供給能力の低下にしたがって大きくなる異常判定値を設定し、操舵操作センサ21,22に供給される電源電圧が上記設定された異常判定値を下回ったときに、センサ電源異常が生じていると判断する異常検出手段を備えているといえる。
また、図5に示す電源異常時制御ルーチンに対しても同様の変更(「主電源電圧Vmain」を「センサ電源電圧Vsens」におきかえる)を加えて適用することができる。この変形例については、副電源装置50の電源供給能力の低下にしたがって短くなる異常判定時間を設定し、操舵操作センサ21,22に供給される電源電圧が異常判定値を下回る状態が上記異常判定時間以上継続したときに、センサ電源異常が生じていると判断する異常検出手段を備えているともいえる。
次に、副電源装置50の電源供給能力低下に関連させて行う異常対応処理としての第2実施形態について説明する。この第2実施形態は、第1実施形態を簡略化して、副電源装置50の電源供給能力のみに基づいて電源異常時制御を行うものである。主電源装置100の電源供給能力に大きな変動がないシステムの場合には有効なものとなる。
図6は、第2実施形態としての電源制御部62により実施される電源異常時制御ルーチンを表し、電源制御装置60のROM内に制御プログラムとして記憶される。電源異常時制御ルーチンは、イグニッションスイッチ106の投入(オン)により起動し、所定の短い周期で繰り返し実行される。
本制御ルーチンが起動すると、電源制御部62は、ステップS11において、副電圧センサ72により検出される副電源電圧Vsubを読み込む。続いて、ステップS12において、副電源電圧Vsubがフェイルセーフ判定電圧Vsfaを下回っているか否かを判断する。副電源電圧Vsubがフェイルセーフ判定電圧Vsfa以上あれば(S12:NO)、ステップS13において、副電源電圧Vsubがウォーニング判定電圧Vswaを下回っているか否かを判断する。副電源電圧Vsubがウォーニング判定電圧Vswa以上ある場合には(S13:NO)、副電源装置50が十分な電源供給能力を備えているため、そのまま本電源異常時制御ルーチンを一旦終了する。
副電源電圧Vsubがウォーニング判定電圧Vswaを下回ると(S13:YES)、電源制御部62は、ステップS14において、その状態(Vsub<Vswa)がウォーニング判定時間Twa以上継続したか否かについて判断する。副電源電圧Vsubがウォーニング判定電圧Vswaを下回っている継続時間がウォーニング判定時間Twaに満たない間は(S14:NO)、そのまま本電源異常時制御ルーチンを一旦終了する。
そして、副電源電圧Vsubがウォーニング判定電圧Vswaを下回っている継続時間がウォーニング判定時間Twaに達すると(S14:YES)、ステップS15において、ウォーニング指令をアシスト制御部61に出力する。アシスト制御部61は、このウォーニング指令により報知器63に点灯信号を出力する。これにより報知器63が点灯して、運転者に対して副電源装置50の交換の必要性を知らせる
また、ウォーニング中において、副電源電圧Vsubがさらに低下してフェイルセーフ判定電圧Vsfaを下回ると、電源制御部62は、ステップS16において、その状態(Vsub<Vsfa)がフェイルセーフ判定時間Tfa以上継続したか否かについて判断する。副電源電圧Vsubがフェイルセーフ判定電圧Vsfaを下回っている継続時間がフェイルセーフ判定時間Tfaに満たない間は(S16:NO)、そのままウォーニング指令を継続する。
そして、副電源電圧Vsubがフェイルセーフ判定電圧Vsfaを下回っている継続時間がフェイルセーフ判定時間Tfaに達すると(S16:YES)、ステップS17において、フェイルセーフ指令をアシスト制御部61に出力する。アシスト制御部61は、このフェイルセーフ指令により、上述したアシスト漸減動作を行う。つまり、目標アシストトルクT*を所定の速度で低減して最終的に操舵アシストが働かないようにする。
この第2実施形態の電源異常時制御ルーチンによれば、副電源装置50の電源供給能力を副電源電圧Vsubにより推定し、副電源電圧Vsubに基づいてウォーニング指令とフェイルセーフ指令とを行うようにしている。従って、電動モータ20で大電力消費しても、早いタイミングでフェイルセーフ処理を行うことができる。この結果、電子制御装置60のマイクロコンピュータがリセットしてしまうといった不具合を抑制することができる。特に、この第2実施形態においては、主電源装置100の電源供給能力が安定している場合には有効なものとなる。また、主電圧センサ71による電圧検出を省略することができるため、簡易な構成にて実施することができる。
次に、副電源装置50の電源供給能力低下に関連させて行う異常対応処理としての第3実施形態について説明する。この第3実施形態は、アシスト制御部61が行うアシスト漸減動作の漸減速度を主電源電圧Vmainと副電源電圧Vsubとに応じて設定するものである。
以下、電子制御装置60の電源制御部62が行うアシスト漸減速度設定処理について説明する。図7は、電源制御部62により実施されるアシスト漸減速度設定ルーチンを表し、電源制御装置60のROM内に制御プログラムとして記憶される。アシスト漸減速度設定ルーチンは、イグニッションスイッチ106の投入(オン)により起動し、所定の短い周期で繰り返し実行される。
本設定ルーチンが起動すると、電源制御部62は、ステップS41において、主電圧センサ71により検出される主電源電圧Vmainを読み込む。続いて、ステップS42において、副電圧センサ72により検出される副電源電圧Vsubを読み込む。このステップS41,S42の処理は、第1実施形態のステップS21,S22と同一である。
続いて、電源制御部62は、ステップS43において、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs1を下回っているか否かを判断する。副電源電圧Vsubが基準電圧Vs1以上である場合には(S43:NO)、ステップS44において、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm1を下回っているか否かを判断する。基準電圧Vs1は、副電源装置50の電源供給能力を判定する判定電圧であり、基準電圧Vm1は、主電源装置100の電源供給能力を判定する判定電圧である。
ステップS44において、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm1以上であると判断した場合には(S44:NO)、ステップS45において、アシスト漸減速度を第1漸減速度(低速度)に設定する。一方、ステップS44において、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm1を下回っていると判断した場合には(S44:YES)、ステップS47において、アシスト漸減速度を第1漸減速度より速い第2漸減速度(中速度)に設定する。
また、ステップS43において、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs1を下回っていると判断した場合には(S43:YES)、次に、ステップS46の判断処理を行う。このステップS46においては、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm1を下回っているか否かを判断する。ステップS46において、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm1以上であると判断した場合には(S46:NO)、ステップS47において、アシスト漸減速度を第2漸減速度に設定する。一方、ステップS46において、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm1を下回っていると判断した場合には(S46:YES)、ステップS48において、アシスト漸減速度を第2漸減速度より速い第3漸減速度(高速度)に設定する。
続いて、電源制御部62は、ステップS49において、設定されたアシスト漸減速度を表す指令をアシスト制御部61に出力して本アシスト漸減速度設定ルーチンを一旦終了する。本アシスト漸減速度設定ルーチンは、所定の周期にて繰り返される。
アシスト制御部61においては、センサ異常等によりフェイルセーフ処理を行う場合、電源制御部62から指令されたアシスト漸減速度に基づいて行う。アシスト漸減速度は、上述した操舵アシスト制御処理において用いたアシスト比(K/A)のAの値を変更することにより調整できる。つまり、アシスト漸減速度は、アシスト比(K/A)のAの値を大きく設定するほど遅くなり、Aの値を小さく設定するほど速くなる。電動モータ20は、アシスト漸減速度が速いほど急激に電源供給量が制限され、アシスト漸減速度が遅いほど電源供給量がゆっくり制限される。
本アシスト漸減速度設定ルーチンによれば、主電源電圧Vmainと副電源電圧Vsubとの両方がそれぞれ基準電圧Vm1,Vs1を確保している場合にはアシスト漸減速度が第1漸減速度(低速度)に設定され、主電源電圧Vmainと副電源電圧Vsubとのいずれか一方が基準電圧Vm1,Vs1を確保していない場合にはアシスト漸減速度が第2漸減速度(中速度)に設定され、主電源電圧Vmainと副電源電圧Vsubとの両方が基準電圧Vm1,Vs1を確保していない場合にはアシスト漸減速度が第3漸減速度(高速度)に設定される。つまり、電動パワーステアリング装置の保有する電源能力を、主電源装置100の電源供給能力と副電源装置50の電源供給能力とを総合した能力としてとらえ、その総合能力に応じたアシスト漸減速度に設定される。従って、電動パワーステアリング装置の保有する電源能力に応じた速さで電動モータへの電源供給制限を行うことができる。このため、電源能力が良好でない場合には、アシスト漸減速度を速くして電力消費を抑えて主電源電圧Vmainの低下を抑制することができる。また、電源能力が良好であれば、アシスト漸減速度を適度な速さ(低速)にして操舵力の急激な変動を抑制することができる。
尚、本実施形態においては、主電源装置100の電源供給能力と副電源装置50の電源供給能力とに応じて、3種類の漸減速度を設定するが、これに限るものではなく、主電源装置の電源供給能力の低下にしたがって速くなり、かつ、副電源装置の電源供給能力の低下にしたがって速くなる漸減速度を設定するものであればよい。また、本実施形態は、フェイルセーフを行うための異常検出処理、例えば、上述した第1実施形態、第1実施形態の各変形例、第2実施形態等と組み合わせて実施することができる。
次に、副電源装置50の電源供給能力低下に関連させて行う異常対応処理としての第4実施形態について説明する。この第4実施形態は、フェイルセーフを行うための様々な異常検出の判定時間を主電源電圧Vmainと副電源電圧Vsubとに応じて設定するものである。例えば、センサ類の異常検出の判定時間の設定に適用することができる。
アシスト制御部61においては、センサ類(操舵トルクセンサ21,回転角センサ22)の異常を検出する場合、その異常状態が所定時間継続したときにセンサ異常が発生したと判断する。例えば、センサ類への電源供給異常、検出信号のオフセット異常、信号線の断線やショート異常等を判断するにあたって、その異常状態が所定時間継続することを要件としている。以下に説明する異常判定時間設定処理における異常判定時間とは、センサ異常の継続の有無を判断する基準時間を意味する。
以下、電子制御装置60の電源制御部62が行う異常判定時間設定処理について説明する。図8は、電源制御部62により実施される異常判定時間設定ルーチンを表し、電源制御装置60のROM内に制御プログラムとして記憶される。アシスト漸減速度設定ルーチンは、イグニッションスイッチ106の投入(オン)により起動し、所定の短い周期で繰り返し実行される。
本設定ルーチンが起動すると、電源制御部62は、ステップS51において、主電圧センサ71により検出される主電源電圧Vmainを読み込む。続いて、ステップS52において、副電圧センサ72により検出される副電源電圧Vsubを読み込む。このステップS51,S52の処理は、第1実施形態のステップS21,S22と同一である。
続いて、電源制御部62は、ステップS53において、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs2を下回っているか否かを判断する。副電源電圧Vsubが基準電圧Vs2以上である場合には(S53:NO)、ステップS54において、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm2を下回っているか否かを判断する。基準電圧Vs2は、副電源装置50の電源供給能力を判定する判定電圧であり、基準電圧Vm2は、主電源装置100の電源供給能力を判定する判定電圧である。
ステップS54において、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm2以上であると判断した場合には(S54:NO)、ステップS55において、異常判定時間を第1判定時間に設定する。一方、ステップS54において、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm2を下回っていると判断した場合には(S54:YES)、ステップS57において、異常判定時間を第1判定時間より短い第2判定時間に設定する。
また、ステップS53において、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs2を下回っていると判断した場合には(S53:YES)、次に、ステップS56の判断処理を行う。このステップS56においては、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm2を下回っているか否かを判断する。ステップS56において、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm2以上であると判断した場合には(S56:NO)、ステップS57において、異常判定時間を第2判定時間に設定する。一方、ステップS56において、主電源電圧Vmainが基準電圧Vm2を下回っていると判断した場合には(S56:YES)、ステップS58において、異常判定時間を第2判定時間よりも短い第3判定時間に設定する。
続いて、電源制御部62は、ステップS59において、設定された異常判定時間を表す指令をアシスト制御部61に出力して本異常判定時間設定ルーチンを一旦終了する。本異常判定時間設定ルーチンは、所定の周期で繰り返される。
本異常判定時間設定ルーチンによれば、主電源電圧Vmainと副電源電圧Vsubとの両方がそれぞれ基準電圧Vm2,Vs2を確保している場合には異常判定時間が第1判定時間に設定され、主電源電圧Vmainと副電源電圧Vsubとのいずれか一方が基準電圧Vm2,Vs2を確保していない場合には異常判定時間が第2判定時間(<第1判定時間)に設定され、主電源電圧Vmainと副電源電圧Vsubとの両方が基準電圧Vm2,Vs2を確保していない場合には異常判定時間が第3判定時間(<第2判定時間)に設定される。つまり、電動パワーステアリング装置の保有する電源能力を、主電源装置100の電源供給能力と副電源装置50の電源供給能力とを総合した能力としてとらえ、その総合能力に応じた異常判定時間が設定される。
従って、副電源装置50の電源供給能力が低下している場合であっても、大電力消費によるセンサ電源電圧低下に伴って発生するセンサ異常が生じても、その異常を早いタイミングで検出してフェイルセーフ指令を出力することができる。従って、操舵トルクセンサ21や回転角センサ22センサの誤検出を未然に防いで操舵アシスト制御の誤動作を防止することができる。
尚、本実施形態においては、主電源装置100の電源供給能力と副電源装置50の電源供給能力とに応じて、3種類の判定時間(本発明の異常判定時間)を設定するが、これに限るものではなく、主電源装置の電源供給能力の低下にしたがって短くなり、かつ、副電源装置の電源供給能力の低下にしたがって短くなる異常判定時間を設定するものであればよい。
次に、副電源装置50の電源供給能力低下に関連させて行う異常対応処理としての第5実施形態について説明する。図9は、第5実施形態としての電源制御部62により実施される昇圧電圧設定ルーチンを表し、電源制御装置60のROM内に制御プログラムとして記憶される。昇圧電圧設定ルーチンは、イグニッションスイッチ106の投入(オン)により起動し、所定の短い周期で繰り返し実行される。
本設定ルーチンが起動すると、電源制御部62は、ステップS61において、副電圧センサ72により検出される副電源電圧Vsubを読み込む。続いて、ステップS62において、フラグFが「0」に設定されているか否かを判断する。このフラグFは、昇圧回路40における昇圧電圧の目標値(以下、目標昇圧電圧)に応じて設定されるもので、本設定ルーチンの起動時においては「0」に設定されている。従って、ここでは、「YES」と判断して、ステップS63の判断処理に移行する。
電源制御部62は、ステップS63において、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs3より下回っているか否かを判断する。この基準電圧Vs3は、副電源装置50の電源供給能力を判定する判定電圧である。副電源電圧Vsubが基準電圧Vs3以上となる場合には(S63:NO)、副電源装置50が劣化していないと判断される。この場合には、その処理をステップS65に進める。一方、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs3より下回っている場合には(S63:YES)、副電源装置50が劣化していると判断される。この場合には、ステップS64において、フラグFを「1」に設定してステップS65に移行する。
ステップS65においては、フラグFの設定状態が確認され、フラグFが「0」の場合には(S65:YES)、目標昇圧電圧Vout*が第1設定電圧Vout1に設定される。第1設定電圧Vout1として、例えば、42Vが設定される。一方、ステップS65において、フラグFが「1」の場合には(S65:NO)、目標昇圧電圧Vout*が第1設定電圧1より高い第2設定電圧Vout2に設定される。第2設定電圧Vout2として、例えば、44Vが設定される。
つまり、副電源装置50が劣化していないと判断される場合には、目標昇圧電圧Vout*が第1設定電圧Vout1に設定され、副電源装置50が劣化していると判断される場合には、目標昇圧電圧Vout*が第2設定電圧Vout2に設定される。電源制御部62は、この昇圧電圧設定ルーチンと並行して昇圧回路40の昇圧電圧を制御している。昇圧電圧制御実行時においては、設定された目標昇圧電圧Vout*と、昇圧電圧センサ73により検出された昇圧電圧Voutとの偏差に基づいて、その偏差が無くなるように昇圧回路40の第1、第2昇圧用スイッチング素子43,44のデューティ比を制御する。
本昇圧電圧設定ルーチンは所定の周期で繰り返される。副電源電圧Vsubが基準電圧Vs3以上となっているあいだは、目標昇圧電圧Vout*が第1設定電圧Vout1に設定される。そして、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs3を下回ると、目標昇圧電圧Vout*が第2設定電圧Vout2に設定される。この場合、フラグFが「1」に変更されるため、それ以降は、ステップS62の判断が「NO」に切り替わり、ステップS68の判断処理を行うようになる。
このステップS68においては、副電源電圧Vsubが基準電圧Vs4に到達したか否かを判断する。副電源電圧Vsubが基準電圧Vs4に達していないあいだは(S68:NO)、フラグFの変更設定を行うことなくステップS65の処理に進む。従って、目標昇圧電圧Vout*が第2設定電圧Vout2に維持される。副電源装置50は、昇圧回路40の目標昇圧電圧Vout*の上昇設定により充電量が増大する。これにより、副電源電圧Vsubが上昇して基準電圧Vs4に到達すると、ステップS68の判断は「YES」となり、ステップS69において、フラグFが「0」にリセットされる。こうして、ステップS66において、目標昇圧電圧Vout*が第1設定電圧Vout1に戻される。
この昇圧電圧設定ルーチンによれば、副電源装置50が劣化してきた場合には、昇圧回路40の昇圧電圧を上昇させることにより副電源装置50の電源容量を増加させることができる。また、副電源装置50の劣化状態によっては良好に充電できない場合もあるが、その場合であっても、副電源装置50の容量不足分をモータ駆動回路30への電源電圧を上昇させることで補うことができる。
尚、副電源装置50が大きく劣化している場合には、充電電圧(=昇圧電圧)の増加を図っても副電源電圧Vsubが基準電圧Vs4にまで上昇しないことも考えられる。こうした場合には、例えば、副電源電圧Vsubの上昇度合いを演算し、その上昇度合いが基準度合いを下回ったときに(例えば、副電源電圧Vsubの上昇が得られないときに)フラグFを「0」に設定して目標昇圧電圧Vout*を第1設定電圧Vout1に戻すようにしてもよい。
尚、この第5実施形態においては、副電源電圧Vsubに応じて2段階に目標昇圧電圧Vout*を設定したが、副電源装置50の電源供給能力に低下にしたがって昇圧電圧を増加させるものであれば、昇圧電圧を3段階以上あるいは連続的に設定してもよい。また、第5実施形態は、上述した第1〜第4実施形態あるいは変形例に組み合わせて行うことができるものである。
以上、本発明の実施形態として電動パワーステアリング装置について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
例えば、副電源電Vsubあるいは主電源電圧Vmainに応じて処理を切り替える場合、切り替え動作がハンチングしないように、電圧判定用の閾値にヒステリシスを設けるようにするとよい。図10は、その例として、副電源電圧Vsubに応じて、ウォーニング指令とフェイルセーフ指令とを切り替える第2実施形態における閾値の設定例を表す。図示するように、ウォーニング指令を出力するための判定は、副電源電圧Vsubとウォーニング判定電圧Vswalowとの比較に基づいて行い、ウォーニング指令を解除するための判定は、副電源電圧Vsubとウォーニング判定電圧Vswahigh(>Vswalow)との比較に基づいて行なう。
同様に、フェイルセーフ指令を出力するための判定は、副電源電圧Vsubとフェイルセーフ判定電圧Vsfalowとの比較に基づいて行い、フェイルセーフ指令を解除するための判定は、副電源電圧Vsubとフェイルセーフ判定電圧Vsfahigh(>Vsfalow)との比較に基づいて行なう。
また、本実施形態においては、昇圧回路40を設けて昇圧した電力をモータ駆動回路30への電源供給と副電源装置50の充電に使っているが、昇圧回路40を設けない構成であってもよい。
また、本実施形態においては、電動パワーステアリング装置を例に挙げて説明したが、操舵ハンドルと車輪転舵軸とを機械的に切り離し、操舵操作に応じて作動する電動モータの力だけで車輪を転舵するバイワイヤ方式のステアリング装置にも適用することができる。
また、本実施形態においては、副電源装置および主電源装置の電源供給能力を電源電圧にて検出したが、電源装置の保有する電力量を検出するなど他の方式を採用することも可能である。
また、本実施形態においては、フェイルセーフ処理として、電動モータ20への電力供給を漸減して電動モータを停止させるようにしているが、電動モータ20への電力供給を所定レベルにまで漸減させるものであってもよい。
本発明の実施形態に係る電動パワーステアリング装置の概略構成図である。 実施形態に係る操舵アシスト制御ルーチンを表すフローチャートである。 実施形態に係るアシストトルクテーブルを表すグラフである。 第1実施形態に係る電源異常時制御ルーチンを表すフローチャートである。 第1実施形態の第1変形例に係る電源異常時制御ルーチンを表すフローチャートである。 第2実施形態に係る電源異常時制御ルーチンを表すフローチャートである。 第3実施形態に係るアシスト漸減速度設定ルーチンを表すフローチャートである。 第4実施形態に係る異常判定時間設定ルーチンを表すフローチャートである。 第5実施形態に係る昇圧電圧設定ルーチンを表すフローチャートである。 変形例に係る電圧判定用の閾値の設定に関する説明図である。
符号の説明
10…ステアリング機構、20…電動モータ、21…操舵トルクセンサ、22…回転角センサ、23…車速センサ、30…モータ駆動回路、40…昇圧回路、50…副電源装置、71…主電圧センサ、72…副電圧センサ、73…昇圧電圧センサ、60…電子制御装置、61…アシスト制御部、62…電源制御部、63…報知器、100…主電源装置、101…主バッテリ、102…オルタネータ、FWL,FWR…左右前輪。

Claims (8)

  1. 主電源装置と、
    上記主電源装置により充電される副電源装置と、
    車輪を操舵するための操舵力を発生する電気アクチュエータと、
    操舵ハンドルの操作を検出する操舵操作センサと、
    上記検出した操舵操作に基づいて、上記主電源装置と上記副電源装置との電力を使って上記電気アクチュエータを駆動制御する操舵制御手段と
    を備え、上記主電源装置と上記副電源装置との両方の電力を使うことで正規の操舵性能が得られるステアリング装置であって、
    上記副電源装置の電源供給能力を検出する副電源能力検出手段と、
    上記検出された副電源装置の電源供給能力に応じて上記主電源装置の異常判定条件を設定し、その設定した異常判定条件に基づいて上記ステアリング装置の電源状態異常を検出する異常検出手段と、
    上記異常検出手段により異常が検出されたとき、上記電気アクチュエータへの電力供給制限あるいは運転者への警告の少なくとも一方を行う異常処理手段と、
    を備えたステアリング装置。
  2. 上記異常検出手段は、上記副電源装置の電源供給能力の低下にしたがって大きくなる異常判定値を設定し、上記主電源装置の電源供給能力が上記設定した異常判定値を下回ったときに、上記電源状態異常が生じていると判定することを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
  3. 上記異常検出手段は、上記副電源装置の電源供給能力の低下にしたがって短くなる異常判定時間を設定し、上記主電源装置の電源供給能力が異常判定値を下回る状態が上記設定した異常判定時間以上継続したときに、上記電源状態異常が生じていると判定することを特徴とする請求項1記載のステアリング装置。
  4. 上記異常処理手段は、上記電気アクチュエータへの電力供給制限を行うように構成されており、上記主電源装置の電源供給能力の低下にしたがって速くなり、かつ、上記副電源装置の電源供給能力の低下にしたがって速くなる漸減速度を設定し、上記異常検出手段により異常が検出されたとき、上記設定した漸減速度で上記電気アクチュエータへの電力供給を低下させることを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一項記載のステアリング装置。
  5. 上記主電源装置の電源電圧を検出する主電源電圧検出手段を備え、上記検出した電源電圧により上記主電源装置の電源供給能力を推定することを特徴とする請求項2ないし請求項4の何れか一項記載のステアリング装置。
  6. 上記主電源装置の出力電圧を昇圧する昇圧回路を備え、上記昇圧回路の出力側に上記電気アクチュエータの駆動回路を接続するとともに、上記昇圧回路と上記駆動回路とのあいだに上記副電源装置を並列に接続したことを特徴とする請求項1ないし請求項5の何れか一項記載のステアリング装置。
  7. 上記副電源装置の電源供給能力の低下に基づいて上記昇圧回路の昇圧電圧を上昇させる昇圧制御手段を備えたことを特徴とする請求項6記載のステアリング装置。
  8. 上記副電源能力検出手段は、上記副電源装置の電源電圧を検出し、上記検出した電源電圧により上記副電源装置の電源供給能力を推定することを特徴とする請求項1ないし請求項7の何れか一項記載のステアリング装置。
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