JP5088304B2 - 通信システム - Google Patents

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Description

本発明は、ネットワーク上で通信を行う通信システムに関する。
光通信システムにおいて、長距離・大容量の高速伝送を行うと、波長分散や偏波モード分散(PMD:Polarization Mode Dispersion)などの非線形光学現象が顕著に生じて、波形歪みを引き起こし、受信信号の誤り率増加の要因となる。
このため、受信側で補償制御を行う必要があり、電気段での補償として、最尤系列推定(MLSE:Maximum Likelihood Sequence Estimation)技術を用いた受信信号系列の推定方法が実現されている。
最尤系列推定とは、過去に求めた尤度(確率)情報にもとづいて、現在受信した情報データの尤度を最大化させる、尤も確からしい情報データを探索する推定方法である。
なお、尤度とは、受信データXにおいてYが送信されたという条件付き確率のことである。すなわち、データXを受信したという事象が起きた条件下で、Yが送信されたという事象が起きる確率のことを尤度と呼ぶ。
最尤系列推定の従来技術として、既知信号系列区間内での伝送路インパルス応答初期値の推定を行って、演算量を削減した技術が提案されている(特許文献1参照)。また、再生信号にオフセットが生じても、再生信号のサンプリング値のヒストグラムから正確な期待値を作成する技術が提案されている(特許文献2参照)。
特許3560991号公報(段落番号〔0022〕,第1図) 特開2003−187533号公報(段落番号〔0039〕,第4図)
最尤系列推定によってビット推定を行う受信装置では、過去に求めた尤度情報を用いて受信信号のビット推定を行う。この場合、ビット推定時に判別した尤度を、過去に求めた尤度情報にフィードバックして更新し、新たな尤度情報を逐次生成する手法を採っている。
また、受信装置では、装置の初期起動時において、ビット推定に用いる最初の尤度情報として、初期尤度情報(尤度分布の初期値)を保持しておき、この初期尤度情報を基準にして、ビット推定および尤度情報の更新を行う。
したがって、精度の高い最尤系列推定を行うには、受信装置で受信される信号の伝送経路の状態(伝送状態)が、更新処理を行う際の元になる初期尤度情報に対して、適切に反映されていることが必要である。
しかし、従来の最尤系列推定を行う受信装置では、初期尤度情報は固定的にデフォルト値として設定されることが多く、受信装置が配置される実際のネットワーク上の伝送状態の情報が反映されていなかった。
伝送状態が反映されていない初期尤度情報を使用すると、ビット推定を行う最初の尤度情報が誤っていることになるので、精度の高いビット推定を行うことができず、また、誤って判定した尤度を用いて尤度情報が更新されることになるので、尤度情報に誤りが蓄積することになってしまう。この問題は、初期尤度情報を求めるために想定した受信信号の波形と、実際に伝送された受信信号の波形との差分が大きい場合に顕著となる。
図46は受信信号のアイパターンを示す図である。実際に伝送された受信信号は、波形歪みや雑音によって、波形が劣化し、アイの開口率が小さくなったりする。受信信号の誤り率を低減するためには、伝送路上で生じるこのような波形劣化による伝送状態を、ビット列の推定に用いる初期尤度情報に対して適切に反映する必要があるが、従来では、伝送状態が反映されたものではなかった。
このため、実ネットワークの伝送状態に対して、最適な値との乖離が大きくなってしまい、この結果、従来では、誤り率が増大し、また過大なエラーが生じたような場合は、受信装置が起動できなくなるおそれもあった。
本発明はこのような点に鑑みてなされたものであり、ネットワークの伝送状態に応じて初期尤度情報を適応的に生成して、最尤系列推定の精度および伝送品質の向上を図った通信システムを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、ネットワーク上で通信を行う通信システムが提供される。この通信システムは、ネットワーク内に配置して伝送路で接続される複数の伝送装置と、前記伝送装置の初期運用時に必要となる初期データを計算して、前記伝送装置へ設定する制御装置とを備える。
ここで、伝送装置は、最尤系列推定による受信処理を行う。制御装置は、伝送装置間の信号伝達経路であるパスに対し、初期データとして、最尤系列推定が行われるための初期尤度情報を、個々のパス毎に計算する。また、前記制御装置は、前記伝送装置で受信信号が量子化された際の量子化値毎に、N(N=2、3、4・・・)ビットのビット列が生起したという条件下で、現在受信したビット値が0となる尤度の分布と、Nビットのビット列が生起したという条件下で、現在受信したビット値が1となる尤度の分布とを求めて、前記0となる尤度の分布と、前記1となる尤度の分布とを、ヒストグラムデータで表して、2 N ×2のヒストグラムデータで構成される初期ヒストグラム情報を前記初期尤度情報として、個々の前記パスの伝送状態に応じて求め、パスp1〜pn(n=1、2、3、・・・)の伝送状態に応じて求めた前記初期ヒストグラム情報を初期ヒストグラム情報H1〜Hnとした場合に、パスpk(1≦k≦n:kは自然数)を通じて伝送される信号を受信する伝送装置Rkに対して、パスpkに対応する初期ヒストグラム情報Hkを伝送装置Rkに設定する。
最尤系列推定を行うための初期尤度情報を、個々のパス毎に計算して、所定の伝送装置へ設定することにより、現状のネットワークの状態が反映された適切な尤度情報を用いてビット推定を行うことが可能になるので、誤り率が低下して、システム全体の伝送品質の向上を図ることが可能になる。
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は通信システムの原理図である。通信システム1は、伝送装置10−1〜10−3と、制御装置20とを含むネットワークを構成し、ネットワーク上で通信を行うシステムである。
伝送装置10−1と伝送装置10−2が伝送路F1で接続し、伝送装置10−2と伝送装置10−3が伝送路F2で接続する。また、伝送装置10−1〜10−3それぞれは、信号の受信時に最尤系列推定を行う受信部10a−1〜10a−3を有している。
制御装置20は、伝送装置10−1〜10−3の初期運用時に必要となる初期データを計算して、伝送装置10−1〜10−3へ設定する。この初期データは、伝送装置10−1〜10−3で最尤系列推定が行われるための、初期の尤度情報である初期尤度情報であって、伝送装置間の信号伝達経路である個々のパスの伝送状態に応じて求められる。
ここで、伝送装置10−1から伝送装置10−2への信号伝達経路がパスp11(伝送装置10−1→伝送路F1→伝送装置10−2の順に信号が流れる伝達経路)であり、パスp11を介して伝送装置10−1から伝送装置10−2へ信号が伝送されるとし、伝送装置10−1から伝送装置10−3への信号伝達経路がパスp12(伝送装置10−1→伝送路F1→伝送装置10−2→伝送路F2→伝送装置10−3の順に信号が流れる伝達経路)であり、パスp12を介して伝送装置10−1から伝送装置10−3へ信号が伝送されるとする。
この場合、制御装置20では、パスp11に対応した初期データとして、伝送装置10−2で最尤系列推定が行われるときに必要な初期尤度情報H1を計算し、初期尤度情報H1を伝送装置10−2内の受信部10a−2に設定する。
また、パスp12に対応した初期データとして、伝送装置10−3で最尤系列推定が行われるときに必要な初期尤度情報H2を計算し、初期尤度情報H2を伝送装置10−3内の受信部10a−3に設定する。
伝送装置10−2では、初期運用時に設定された初期尤度情報H1を元にして、信号受信時のビット推定処理および尤度情報の更新を行う。同様に、伝送装置10−3では、初期運用時に設定された初期尤度情報H2を元にして、信号受信時のビット推定処理および尤度情報の更新処理を行う。
次に伝送装置内の受信部の構成について説明する。なお、以降の説明では、通信システム1は、光ネットワーク上に構成されたシステムとし、伝送装置は、光信号の伝送制御を行う光ノードであるとする。
図2は受信部の構成を示す図である。最尤系列推定を行う受信部10bは、O/E部11、A/D部12、MLSE部13から構成され、MLSE部13は、尤度情報管理部13a、尤度決定部13b、ビット推定部13cから構成される。
O/E部11は、受信した光信号を電気信号に変換する。A/D部12は、電気信号の量子化を行い、量子化された値(量子化値)zを出力する。尤度情報管理部13aは、量子化値zが0または1のいずれのビット値になるかの尤度分布(確率分布)の情報である尤度情報をデータベース上に管理する。
例えば、A/D部12が8ビットの量子化を行って、量子化値z=0〜7を出力するとすれば、量子化値z=0〜7のそれぞれの値が、ビット0となる尤度の分布およびビット1となる尤度の分布を、ヒストグラムデータ化して保持・管理する。ヒストグラムによるデータ管理については図4で後述する。
なお、尤度情報管理部13aでは、制御装置20から設定された初期尤度情報を保持し、自身のビット推定によって決定したビット値にもとづいて初期尤度情報を更新する(以下、初期尤度情報を初期ヒストグラム情報と呼ぶ)。
尤度決定部13bは、量子化値zと、尤度情報管理部13aで保持されている過去の該当量子化値zの尤度情報(ヒストグラムデータ)とにもとづいて、現在受信した量子化値zの尤度λを求める。
ビット推定部13cは、尤度λにもとづき、量子化値zのビット値(0または1)を推定して出力する。なお、量子化値zと、その量子化値zのビット推定値は、尤度情報管理部13aに送信されて、新たに生成すべき尤度分布の更新に利用される。
次にMLSE部13で行われる最尤系列推定の動作を図3〜図6で詳しく説明する。現在受信した信号のビット値が0であるか1であるかのビット推定(最尤系列推定)を行う場合、ビットが0となる尤度と、ビットが1となる尤度とをそれぞれ求めて、いずれか尤度の大きい方を選択して、ビットの値を推定することになる。
この場合、現在受信したビットが0となる尤度は、直前に(過去に)受信したNビットのビット列(b1、b2、・・・、bN)が生起したという条件下での条件付き確率に等しい。また、現在受信したビットが1となる尤度は、直前に受信したNビットのビット列(b1、b2、・・・、bN)が生起したという条件下での条件付き確率に等しい。
N=2として具体的に以下説明する(以降の説明では、Nのことを状態ビットNとも呼ぶ)。直前に受信したビット列(b1、b2)の状態を状態(b12)と記し、現在受信したビットが0となる尤度(条件付き確率)を、尤度λ(b12、0)と表記する。また、現在受信したビットが1となる尤度(条件付き確率)を、尤度λ(b12、1)と表記する。
図3はビット推定の流れを示す図である。時刻tk-1のビット列の状態が(00)の場合に、時刻tkで受信するビットが0となる尤度は、尤度λ(00、0)と表せ、時刻tkで受信するビットが1となる尤度は、尤度λ(00、1)と表せる。
〔S1〕尤度λ(00、0)の値と、尤度λ(00、1)の値とを比較し、尤度λ(00、0)>尤度(00、1)であったならば、時刻tkにおけるビットは0と推定する。そして、次の状態遷移として、時刻tkのビット列の状態(00)へ遷移する。
〔S2〕尤度λ(00、1)>尤度(00、0)であったならば、時刻tkにおけるビットは1と推定する。そして、次の状態遷移として、時刻tkのビット列の状態(01)へ遷移する。
また、時刻tk+1に受信するビット推定として、時刻tkのビット列の状態(00)が生起したという条件下であれば、時刻tk+1で受信するビットが0となる尤度は、尤度λ(00、0)と表せ、時刻tk+1で受信するビットが1となる尤度は、尤度λ(00、1)と表せる。
〔S1−1〕尤度λ(00、0)の値と、尤度λ(00、1)の値とを比較し、尤度λ(00、0)>尤度(00、1)であったならば、時刻tk+1におけるビットは0と推定する。そして、次の状態遷移として、時刻tk+1のビット列の状態(00)へ遷移する。
〔S2−1〕尤度λ(00、1)>尤度(00、0)であったならば、時刻tk+1におけるビットは1と推定する。そして、次の状態遷移として、時刻tk+1のビット列の状態(01)へ遷移する。
さらに、時刻tk+1に受信するビット推定として、時刻tkのビット列の状態(01)が生起したという条件下であれば、時刻tk+1で受信するビットが0となる尤度は、尤度λ(01、0)と表せ、時刻tk+1で受信するビットが1となる尤度は、尤度λ(01、1)と表せる。
〔S1−2〕尤度λ(01、0)の値と、尤度λ(01、1)の値とを比較し、尤度λ(01、0)>尤度(01、1)であったならば、時刻tk+1におけるビットは0と推定する。そして、次の状態遷移として、時刻tk+1のビット列の状態(01)へ遷移する。
〔S2−2〕尤度λ(01、1)>尤度(01、0)であったならば、時刻tk+1におけるビットは1と推定する。そして、次の状態遷移として、時刻tk+1のビット列の状態(10)へ遷移する。以降同様にして、ビット推定を行うことで、各時刻において推定されたビット値からなるビット列が生成・出力されることになる。
次に尤度分布を表すヒストグラムについて説明する。ビットが0であるか1であるかのビット推定の判断基準となる尤度は、あらかじめデータベース化して保存しておくことになる。具体的には、量子化値毎の尤度の分布を、ヒストグラムデータ化して保存管理しておく。
そして、時刻tkにおける量子化値のビット推定を行う場合、このヒストグラムから量子化値に対応する、0となる尤度および1となる尤度とを抽出し、それらを比較して、尤度の大きい方を尤度λとして決定する。
図4はヒストグラムを示す図である。縦軸は尤度λ、横軸は量子化値zである。8ビットの量子化が行われるものとして、量子化値z=0〜7とする。ヒストグラムh1〜h4は、状態(00)、(01)、(10)、(11)毎に対応し、1つの状態のヒストグラムにおいて、各量子化値に対して、0となる尤度の分布と、1となる尤度の分布が示される。なお、以降ではヒストグラムを図示する場合、0となる尤度を黒色の棒状グラフで示し、1となる尤度を白抜きの棒状グラフで表す。
ヒストグラムh1では、ビット列の状態が(00)のときの量子化値z=0〜7における、0となる尤度の分布および1となる尤度の分布を示している。また、例えば、ヒストグラムh1の量子化値z=5について見ると、0となる尤度は、尤度λ(00、0)=0.04であり、1となる尤度は、尤度λ(00、1)=0.32であるので、尤度λ(00、1)>、尤度λ(00、0)から、量子化値z=5のビットは、1と推定されることになる(図3に対応させれば、状態(00)から状態(01)へ遷移する経路を選択することになる)。
次にトレリス線図を用いた状態遷移について説明する。図3で示したビット列の状態の遷移と共に、次の経路(次の状態)を選択していく過程は、トレリス線図で表すことができる。
図5はトレリス線図を示す図である。トレリス線図の縦方向は、ビット列の状態を表し、4つの状態(00)、(01)、(10)、(11)となっている。また、トレリス線図の横方向は、時間毎の状態遷移を示す。
トレリス線図内の矢印上に示された数値(0)または(1)は、ビット値を表し、トレリス線図内の矢印は、推定されたビット値に応じた経路の選択方向を表す。例えば、格子点k0に位置するときに、ビットが0と推定されたならば格子点k5へ遷移し、ビットが1と推定されたならば格子点k1へ遷移する。
図6は量子化値の時間変位とヒストグラムを示す図である。量子化値のグラフg1は、ある受信信号に対する量子化値の時間変位を示しており、縦軸は量子化値z、横軸は時間である。なお、グラフg1に示す矩形波は、受信信号をディジタル波形で表したものである。また、ヒストグラムhは、量子化値zに対応する尤度の分布を表している。
図5、図6を用いてトレリス線図によって経路が選択される流れについて説明する(説明をする上で、状態(00)、(01)、(10)、(11)に対応した4つのヒストグラムh1〜h4を本来は示す必要があるが、1つのヒストグラムhで代表させて、経路選択の流れを説明する)。
時刻t1において、グラフg1から量子化値z=5であり、この量子化値z=5の現在の状態が(00)であったとし、トレリス線図の格子点k0を経路選択の出発点とする。
〔時刻t1〕グラフg1から、量子化値z=5である。状態(00)の格子点k0における、量子化値z=5の尤度は、ヒストグラムhから(実際には状態(00)に対応するヒストグラムh1を使用する)、尤度λ(00、1)>尤度λ(00、0)であるので、ビット値=1と推定する。そして、格子点k1へ遷移する。
〔時刻t2〕グラフg1から、量子化値z=7である。状態(01)の格子点k1における、量子化値z=7の尤度は、ヒストグラムhから(実際には状態(01)に対応するヒストグラムh2を使用する)、尤度λ(01、1)>尤度λ(01、0)であるので、ビット値=1と推定する。そして、格子点k2へ遷移する。
〔時刻t3〕グラフg1から、量子化値z=5である。状態(11)の格子点k2における、量子化値z=5の尤度は、ヒストグラムhから(実際には状態(11)に対応するヒストグラムh4を使用する)、尤度λ(11、1)>尤度λ(11、0)であるので、ビット値=1と推定する。そして、格子点k3へ遷移する。
〔時刻t4〕グラフg1から、量子化値z=2である。状態(11)の格子点k3における、量子化値z=2の尤度は、ヒストグラムhから(実際には状態(11)に対応するヒストグラムh4を使用する)、尤度λ(11、0)>尤度λ(11、1)であるので、ビット値=0と推定する。そして、格子点k4へ遷移する。
したがって、時刻t1〜時刻t4の各量子化値は、ビット値が1、1、1、0と順に推定される。すなわち、時刻t1〜t4で受信した信号のディジタル値は、1、1、1、0と認識される。
次にヒストグラムデータの管理構成および更新処理について図7〜図9を用いて説明する。図7はヒストグラムデータの管理構成例を示す図である。ヒストグラムテーブルT1は、尤度情報管理部13aで管理されるテーブル情報であり、縦方向はヒストグラムh1〜h4に対応し、横方向は量子化値zに対応する。図のテーブル数値は、更新前のヒストグラムデータ値を示している。
図中の00−0は、状態(00)のヒストグラムh1で0となる尤度であることを示し、00−1は、状態(00)のヒストグラムh1で1となる尤度であることを示している。01−0は、状態(01)のヒストグラムh2で0となる尤度であることを示し、01−1は、状態(01)のヒストグラムh2で1となる尤度であることを示している。
また、10−0は、状態(10)のヒストグラムh3で0となる尤度であることを示し、10−1は、状態(10)のヒストグラムh3で1となる尤度であることを示している。11−0は、状態(11)のヒストグラムh4で0となる尤度であることを示し、11−1は、状態(11)のヒストグラムh4で1となる尤度であることを示している。
なお、b12−0(b1=0or1、b2=0or1)とは、現在までに推定されたビット列の状態がb1、b2であり、次に推定されるビット値が0であることを示す。また、b12−1とは、現在までに推定されたビット列の状態がb1、b2であり、次に推定されるビット値が1であることを示す。
ここで、テーブルT1の00−0の欄は、量子化値z=0〜7のそれぞれに対して、6、50、15、12、10、4、2、1となっており、これらの値を100分の1した値が、図4に示したヒストグラムh1の0となる尤度の棒状グラフとして示されている。また、テーブルT1の00−1の欄は、量子化値z=0〜7のそれぞれに対して、1、3、5、7、10、32、30、12となっており、これらの値を100分の1した値が、図4に示したヒストグラムh1の1となる尤度の棒状グラフとして示されている。テーブルT1の他の欄の数値についても同様にしてヒストグラム表示される。
次にヒストグラムデータの更新について説明する。図8はヒストグラムデータの更新手順を示すフローチャートである。
〔S11〕現状態が(xx)であり(x=0or1)、量子化値z(zは0〜7のいずれかの値)であるときに、次ビットの推定を行う。
〔S12〕状態(xx)のヒストグラムから、量子化値zの尤度比較を行う。尤度λ(xx、1)>尤度λ(xx、0)ならばステップS13aへいき、尤度λ(xx、0)>尤度λ(xx、1)ならばステップS13bへいく。
〔S13a〕次ビットを1と推定する。
〔S14a〕ヒストグラムテーブルT1の縦方向がxx−1で、横方向が量子化値zとなる、該当箇所のヒストグラムデータをインクリメント(+1増加)する。
〔S15a〕ヒストグラムテーブルT1の行データyy−1の中で(y=0or1)、最も古く更新されたヒストグラムデータをデクリメント(−1減少)する。
〔S13b〕次ビットを0と推定する。
〔S14b〕ヒストグラムテーブルT1の縦方向がxx−0で、横方向が量子化値zとなる、該当箇所のヒストグラムデータをインクリメントする。
〔S15b〕ヒストグラムテーブルT1の行データyy−0の中で(y=0or1)、最も古く更新されたヒストグラムデータをデクリメントする。
〔S16〕現状態(xx)から次の状態へ遷移する。
図9はヒストグラムデータの更新の一例を示す図である。現状態が(00)で、量子化値z=6であるときのビット推定を行うものとすると、図4のヒストグラムh1における量子化値z=6の尤度比較結果は、尤度λ(00、1)>尤度λ(00、0)なので、次ビット=1と推定する。
このときのヒストグラムテーブルT1の更新は、ヒストグラムテーブルT1の縦方向が00−1で、横方向が量子化値z=6となる該当箇所のヒストグラムデータ30をインクリメントして31とする。
そして、ヒストグラムテーブルT1の行データyy−1の中で(y=0or1)、最も古く更新されたヒストグラムデータをデクリメントする。ここでは、行データ11−1の量子化値z=5に対応する15という値が最も古く更新された値であるとすると、15をデクリメントして14とする。
このように、ヒストグラムデータをインクリメントしたら、最も古く更新されたヒストグラムデータをデクリメントして、ヒストグラムデータ全体のデータ量が一定となるように、ビット推定時のヒストグラムデータの更新処理を実行する。
次に通信システム1が適用されるネットワークの構成例について説明する。図10は光ネットワークの構成を示す図である。光ネットワーク1aは、OADM(Optical Add and Drop Multiplexing)ノード10a−1〜10a−9、HuBノード10a−10、10a−11、送信機10c−1〜10c−3、受信機10b−1〜10b−3および制御端末20aの構成要素を備えており、WDM(Wavelength Division Multiplexing)通信を行う光通信ネットワークである。
各ノードを接続する光ファイバf1〜f12には、互いに異なる複数の波長が多重化されたWDM信号が流れている。OADMノード10a−1〜10a−9は、トリビュタリから送信される光信号をWDM信号にAdd(挿入)し、またWDM信号から分離した光信号をトリビュタリへDrop(分岐)するOADM機能を有する。HuBノード10a−10、10a−11は、OADM機能を有し、OADMノード間の接続を行う。
なお、送信機や受信機といったトリビュタリ側装置と、OADMノードやHuBノードといった光伝送ノードとを含めたものが、図1に示した伝送装置に該当する。例えば、受信機10b−1およびOADMノード10a−3は、伝送装置10−1に該当し、受信機10b−2およびOADMノード10a−2は、伝送装置10−2に該当し、受信機10b−3およびHuBノード10a−10は、伝送装置10−3に該当する。また、制御端末20aは、ネットワーク設計ツールなどに該当し、図1の制御装置20の機能を有している。
各構成要素の接続関係を示すと、OADMノード10a−1は、トリビュタリ側に送信機10c−1〜10c−3が接続する。また、光ファイバf1を通じてHuBノード10a−10と接続し、光ファイバf10を通じてOADMノード10a−8と接続する。
HuBノード10a−10は、トリビュタリ側に受信機10b−3が接続する。また、光ファイバf2を通じてOADMノード10a−2と接続し、光ファイバf11を通じてOADMノード10a−9と接続する。
OADMノード10a−2は、トリビュタリ側に受信機10b−2が接続する。また、光ファイバf3を通じてOADMノード10a−3と接続する。OADMノード10a−3は、トリビュタリ側に受信機10b−1が接続する。また、光ファイバf4を通じてOADMノード10a−4と接続する。
OADMノード10a−4は、光ファイバf5を通じてOADMノード10a−5と接続し、OADMノード10a−5は、光ファイバf6を通じてOADMノード10a−6と接続し、OADMノード10a−6は、光ファイバf7を通じてHuBノード10a−11と接続する。
HuBノード10a−11は、光ファイバf12を通じてOADMノード10a−9に接続し、光ファイバf8を通じてOADMノード10a−7と接続する。OADMノード10a−7は、光ファイバf9を通じてOADMノード10a−8と接続する。
制御端末20aは、OADMノード10a−1〜10a−9、HuBノード10a−10、10a−11の中の任意の1つのノードに接続すればよい。また、送信機10c−1〜10c−3のいずれかに接続してもよいし、受信機10b−1〜10b−3がノードへの送信機能を持っていれば、受信機10b−1〜10b−3のいずれかに接続してもよい。
このようなネットワークトポロジにおいて、送信機10c−1から送信された光信号d1は、パスp1(OADMノード10a−1→光ファイバf1→HuBノード10a−10→光ファイバf2→OADMノード10a−2→光ファイバf3→OADMノード10a−3の順に光信号が流れる伝達経路)を介して、受信機10b−1へ到達する。
送信機10c−2から送信された光信号d2は、パスp2(OADMノード10a−1→光ファイバf1→HuBノード10a−10→光ファイバf2→OADMノード10a−2の順に光信号が流れる伝達経路)を介して、受信機10b−2へ到達する。
送信機10c−3から送信された光信号d3は、パスp3(OADMノード10a−1→光ファイバf1→HuBノード10a−10の順に光信号が流れる伝達経路)を介して、受信機10b−3へ到達する。
制御端末20aは、パスp1に関連するネットワーク情報をあらかじめ収集し、そのネットワーク情報からパスp1に対応する初期ヒストグラム情報を求めておき、受信機10b−1の初期運用時に設定する。
パスp1に関連するネットワーク情報とは、光ファイバf1、f2、f3の例えば、ファイバ種類、距離、損失などといった光ファイバ伝送路の状態値や、OADMノード10a−1、HuBノード10a−10、OADMノード10a−2、10a−3内の例えば、光アンプのOSNR(Optical Signal to Noise Ratio:光信号対雑音比)値などといったノードの状態値がある。
また、制御端末20aは、パスp2に関連するネットワーク情報をあらかじめ収集し、そのネットワーク情報からパスp2に対応する初期ヒストグラム情報を求めておき、受信機10b−2の初期運用時に設定する。
パスp2に関連するネットワーク情報とは、光ファイバf1、f2における上記のような光ファイバ伝送路の状態値や、OADMノード10a−1、HuBノード10a−10、OADMノード10a−2における上記のようなノードの状態値がある。
さらに、制御端末20aは、パスp3に関連するネットワーク情報をあらかじめ収集し、そのネットワーク情報からパスp3に対応する初期ヒストグラム情報を求めておき、受信機10b−3の初期運用時に設定する。
パスp3に関連するネットワーク情報とは、光ファイバf1における上記のような光ファイバ伝送路の状態値や、OADMノード10a−1、HuBノード10a−10における上記のようなノードの状態値がある。
次に制御端末20aおよび受信機の動作概要についてフローチャートを用いて説明する。図11は制御端末20aの基本動作を示すフローチャートである。
〔S21〕制御端末20aが起動する。
〔S22〕制御端末20aは、ネットワーク情報にもとづき、パスに対応した初期ヒストグラム情報を算出する。
〔S23〕制御端末20aは、受信機の起動を認識すると、パス毎に算出した初期ヒストグラム情報を、該当パスを通じて光信号を受信する該当受信機に対して設定する。
〔S24〕制御端末20aは、新たに立ち上げられたパスがあるか否かを判別する。新たに立ち上げられたパスがあればステップS23へ戻り(制御端末20aでは、事前に想定される各パスの初期ヒストグラム情報を計算しておくため)、新たに立ち上げられたパスがなければステップS24を繰り返す。
図12は受信機の基本動作を示すフローチャートである。
〔S31〕受信機10bが起動する。
〔S32〕受信機10bは、起動した旨を制御端末20aへ通知する。
〔S33〕受信機10bは、制御端末20aから初期ヒストグラム情報を受信して内部データベース(尤度情報管理部13a)へ設定する。
〔S34〕受信機10bは、初期ヒストグラム情報を元にして、ビット推定処理を行い、推定値にもとづきヒストグラムデータの更新を行う。
次に初期ヒストグラム情報の受信機への配布動作について説明する。初期ヒストグラム情報は、OSC(Optical Supervisor Channel)信号に重畳させて他ノードへ伝送し、他ノードに接続している受信機へ到達させる。
なお、WDM通信では、光主信号の他に、1MHz〜150MHz程度のOSCと呼ばれる監視制御用の光信号があり、OSC信号によって装置内の運用状態やエラー情報などを他局へ通知したりする。初期ヒストグラム情報の配布にも、このOSC信号を利用することで、各受信機へ設定することができる。
図13は初期ヒストグラム情報の配布動作を説明するための図である。図13を用いて、制御端末20aで生成された初期ヒストグラム情報が、OSC信号によって、受信機5a−1、5a−2へ配布される様子について説明する。
OADMノード50−1とOADMノード50−2は、光ファイバf0を通じて接続する(光ファイバf0上に中継局が存在してもよい)。OADMノード50−1、50−2のトリビュタリ側にはそれぞれ、光送受信機能を持つ光トランスポンダ5−1、5−2が接続する。また、OADMノード50−1には、制御端末20aが接続する。
OADMノード50−1は、プリアンプ51a−1、ポストアンプ51b−1、波長分離部52−1、波長多重部53−1、Add/Drop部54−1、OSC部55a−1、55b−1、伝送制御部56−1、OSCカプラc1−1、c2−1から構成される。また、光トランスポンダ5−1は、受信機5a−1、送信機5b−1を含む。
OADMノード50−2は、プリアンプ51a−2、ポストアンプ51b−2、波長分離部52−2、波長多重部53−2、Add/Drop部54−2、OSC部55a−2、55b−2、伝送制御部56−2、OSCカプラc1−2、c2−2から構成される。また、光トランスポンダ5−2は、受信機5a−2、送信機5b−2を含む。
最初に通常の光伝送動作について説明する。なお、便宜上、波長多重化された光主信号をWDM主信号と呼び、WDM主信号とOSC信号とが多重化したものをWDM信号と呼ぶ。また、図13では、左から右への下り方向の装置構成のみ示しているが、実際には右から左方向への上り方向の装置構成も有しており、共に同じ構成なので上り方向についての説明は省略する。
OSCカプラc1−1は、受信したWDM信号をWDM主信号とOSC信号とに分岐する。WDM主信号は、プリアンプ51a−1へ向けて送出され、OSC信号は、OSC部55a−1へ向けて送出される。プリアンプ51a−1は、WDM主信号を増幅する。波長分離部52−1は、WDM主信号を波長単位に分離する。
光トランスポンダ5−1内の送信機5b−1は、Addすべき光信号を伝送制御部56−1へ送信する。また、受信機5a−1は、Dropされた光信号を受信して最尤系列推定の受信処理を行う。
OADMノード50−1内のAdd/Drop部54−1は、Add処理を行う場合、送信機5b−1から送信された光信号を、伝送制御部56−1を介して受信し、波長分離部52−1で分離された所定の波長信号と切り替える(光トランスポンダ5−1から出力された波長信号を選択する)。Drop処理を行う場合、波長分離部52−1で分離された所定の波長信号を伝送制御部56−1へ送信する。またDropされた波長信号は、伝送制御部56−1を介して受信機5a−1へ送信される。
波長多重部53−1は、Add/Drop部54−1から出力された互いに異なる複数の波長信号を多重化して、新たなWDM主信号を生成する。ポストアンプ51b−1は、WDM主信号を増幅する。
一方、OSC部55a−1は、受信したOSC信号をO/E変換して電気信号を生成して伝送制御部56−1へ送信する。伝送制御部56−1は、受信した電気信号から他ノードの運用状態・障害状態を認識する。
また、伝送制御部56−1では、自ノードの運用状態・障害状態を含めて新たなOSC信号の元になる電気信号を生成し、OSC部55b−1へ送信する。OSC部55b−1は、電気信号を受信してE/O変換を行い、新たなOSC信号を生成し、OSCカプラc2−1へ送信する。
OSCカプラc2−1は、ポストアンプ51b−1から出力されたWDM主信号と、OSC部55b−1から出力されたOSC信号とを合波して、WDM信号を生成し、光ファイバf0を通じて次段のOADMノード50−2へ送信する。なお、OADMノード50−2の動作も、OADMノード50−1と同じなので説明は省略する。
次に初期ヒストグラム情報の伝達の流れについて説明する。制御端末20aは、受信機5a−1へ設定すべき初期ヒストグラム情報H1を生成し、受信機5a−2へ設定すべき初期ヒストグラム情報H2を生成する。制御端末20aは、受信機5a−1が接続している伝送制御部56−1につながっているので、初期ヒストグラム情報H1に関しては、OSC信号を用いずに、伝送制御部56−1を介して受信機5a−1に到達する。
一方、伝送制御部56−1は、受信機5a−2用の初期ヒストグラム情報H2を受信すると、OSC信号の元になる、運用状態・障害状態を通知するための電気信号のフォーマットの空フィールドに初期ヒストグラム情報H2を挿入して、OSC部55b−1へ送信する。OSC部55b−1は、初期ヒストグラム情報H2が挿入されている電気信号をE/O変換して、OSC信号を生成する。
OSCカプラc2−1は、ポストアンプ51b−1から出力されたWDM主信号と、OSC部55b−1から出力されたOSC信号とを合波して、WDM信号を生成し、光ファイバf0を通じて次段のOADMノード50−2へ送信する。
OADMノード50−2において、OSCカプラc1−2は、受信したWDM信号をWDM主信号とOSC信号とに分岐する。WDM主信号は、プリアンプ51a−2へ向けて送出され、OSC信号は、OSC部55a−2へ向けて送出される。
OSC部55a−2は、受信したOSC信号をO/E変換して電気信号を生成して伝送制御部56−2へ送信する。伝送制御部56−2は、受信した電気信号の中に、受信機5a−2に対応する初期ヒストグラム情報H2が挿入されていることを認識する。
伝送制御部56−2は、初期ヒストグラム情報H2をE/O変換した後に、受信機5a−2へ送信し、受信機5a−2は、初期ヒストグラム情報H2をO/E変換してデータベース上に保存する。
このように、初期ヒストグラム情報は、OSC信号に挿入されて、所望の受信機へ伝送されることになる。また、OSC信号を利用して初期ヒストグラム情報を伝送するので、制御端末20aは、OSC信号の送受信を行うノードであれば、どのノードに接続してもよい。
次に制御装置20の構成について説明する。図14は制御装置20の構成を示す図である。制御装置20は、ネットワーク情報管理部21と制御部2から構成され、制御部2は、受信波形生成部22、信号レベル保持部23、雑音分布演算処理部24、初期ヒストグラム情報演算処理部25、初期ヒストグラム情報保持部26、初期ヒストグラム情報送信部27、ヒストグラム情報収集部28、運用制御部29から構成される。
ネットワーク情報管理部21は、光ファイバ伝送路における、光ファイバ種類、距離、光損失値や、OADMノードまたはHuBノード内の光アンプで発生するOSNRなどの属性値(状態情報)をネットワーク情報としてパス単位で管理する(これらのネットワーク情報は、パス毎に、ユーザによってあらかじめネットワーク情報管理部21に登録することが可能)。
受信波形生成部22は、ネットワーク情報にもとづき、波長分散・PMDなどの非線形効果によって生じる波形歪みを、パス単位で計算して波形シミュレーションを行って、受信波形aを求める。
すなわち、パス毎のネットワーク情報を用いて、該当パスを流れてきた光信号が、どの程度の波形歪みを生じるかの波形シミュレーションを行うものである。光ファイバ中の光信号の伝播を計算する方法としては、例えば、スプリット・ステップ・フーリエ変換法といった既存の技術があり、このような演算法を用いて波形シミュレーションを行うことができる。
信号レベル保持部23は、受信波形生成部22の波形シミュレーションによって得られた受信波形aから信号レベルを保持する。例えば、状態ビットNが2のとき、ヒストグラムデータを生成する場合は、8パターン(00−0、00−1、01−0、01−1、10−0、10−1、11−0、11−1)の分類があるので、受信波形a上における、それぞれのパターンに応じたサンプル点の信号レベルを保持する(図15で後述)。
雑音分布演算処理部24は、ネットワーク情報にもとづいて、雑音分布の分布広がり(ばらつき)具合を示す指標となる標準偏差を求めるための演算処理を行う。具体的には、ネットワーク情報の中のOSNR情報などから、対象パスのQ値を算出し、そのQ値から、雑音分布を正規分布とみなしたときの標準偏差を算出する。
なお、Q値とは、光伝送の品質評価に用いられる指標の1つである。Q値は、振幅方向のノイズに対する影響を定量的に示した値のことであり、値が大きいほど伝送品質が良好であること示す(標準偏差算出の詳細は後述する)。
初期ヒストグラム情報演算処理部25は、雑音分布演算処理部24で算出された標準偏差を持つ雑音分布にもとづき、各量子化値となる尤度を算出し、その算出結果を適切に正規化したデータ値を、初期ヒストグラム情報として生成する。
なお、初期ヒストグラム情報を生成する場合には2通りの処理があって、いずれか任意に選択可能である。1つ目は、光ファイバ伝送路上で波長分散やPMDなどの非線形光学効果によって生じる波形歪みと、光ファイバ伝送路またはノード(OSNRノード、HuBノード、中継局など)内で生じる雑音劣化(OSNR値)と、の2つの情報を反映させて、初期ヒストグラム情報を生成する場合である(第1の演算処理とする)。
2つ目は、波形歪みについては考慮せずに(したがって、受信波形生成部22による波形シミュレーションは行わない)、光ファイバ伝送路またはノード(OSNRノード、HuBノード、中継局など)内で生じる雑音劣化(OSNR値)のみを反映させて、初期ヒストグラム情報を生成する場合である(第2の演算処理とする)。
また、前者の第1の演算処理を行う場合には、波形シミュレーションで得られた受信波形aに対し、受信波形aの信号レベル毎に重畳した雑音分布にもとづいて、初期ヒストグラム情報を生成することになる。
後者の第2の演算処理を行う場合は、波形シミュレーションは不要であり、ビット1における雑音分布およびビット0における雑音分布にもとづいて、初期ヒストグラム情報を生成することになる(初期ヒストグラム情報の生成処理の詳細は後述する)。
ここで、第1の演算処理では、対象パスの波形シミュレーションを行って得た受信波形aを元に、初期ヒストグラム情報を算出するものであるので、実際のネットワーク上の伝送状態の情報が反映された初期ヒストグラム情報を生成することができる。このため、波形劣化や雑音劣化が顕著であると想定されるパスに対しては、第1の演算処理を選択する。
ただし、波形劣化や雑音劣化がそれほど顕著に生じることのないパス(例えば、伝送区間の短いパスなど)に対しては、波形シミュレーションは行わない、より簡易的な第2の演算処理を選択して初期ヒストグラム情報を生成してもよい(当然、第1の演算処理を選択してもよい)。
また、第1の演算処理または第2の演算処理の選択は、ユーザのマニュアル指示で行うこともできるが、対象パスのネットワーク情報にもとづき、自動的に選択制御することもできる。
具体的には、初期ヒストグラム情報演算処理部25は、ネットワーク情報の中から、例えば、対象パスの伝送距離の情報を抽出し、抽出した伝送距離があらかじめ設定されたしきい値を超えるものであれば、その対象パスは波形劣化等が起きやすいとみなして、第1の演算処理を自動的に選択し、伝送距離がしきい値を超えないものであれば、第2の演算処理を自動的に選択する。このような制御を行うことで保守効率の向上を図ることが可能になる。
一方、初期ヒストグラム情報保持部26は、対象パス単位に生成された初期ヒストグラム情報H1〜Hnを保持する。初期ヒストグラム情報送信部27は、初期ヒストグラム情報H1〜Hnを制御装置20が接続するノード(OADMノードまたはHuBノードなど)へ送信する。
なお、初期ヒストグラム情報には、どのパスに対応するかの識別子が付加している。したがって、制御装置20が接続するノードへ初期ヒストグラム情報が送信されることで、上述したように、そのノードは、初期ヒストグラム情報をOSC信号に挿入し、初期ヒストグラム情報が挿入されたOSC信号が各ノードへ伝達されることで、ノードに接続している該当識別子に対応する受信機へ初期ヒストグラム情報がDropされる。そして、該当受信機に該当初期ヒストグラム情報が設定されることになる。
一方、ヒストグラム情報収集部28は、受信機で更新されたヒストグラム情報を一定周期で収集する(図40、図41で後述)。運用制御部29は、装置内の各構成要素の全体制御を行う。また、ネットワーク内での新たなパスの立ち上げを認識したり、端末と接続してユーザインタフェースを提供したりする機能も含んでいる。
次に初期ヒストグラム情報の生成処理について詳しく説明する。最初に波形シミュレーションによって得られる信号波形に対して、信号レベルを保持するまでの動作について説明する。
図15は受信波形aを示す図である。受信波形生成部22の波形シミュレーションによって受信波形aが生成される。また、信号レベル保持部23では、波形シミュレーションによって得られた受信波形aに対して、現状態のビットと次ビットの値との組み合わせパターンに分類した信号レベルを保持する。
なお、状態ビットN=2としたので、組み合わせパターンは、8パターン(00−0、00−1、01−0、01−1、10−0、10−1、11−0、11−1)あり、これら8つの各パターンにおける信号レベルを保持することになる。
例えば、図15において、現状態01で次ビットが1となる01−1のときの受信波形aの信号レベルをL1とし(L1のレベル値=0.91とする)、現状態11で次ビットが1となる11−1のときの受信波形aの信号レベルをL2とする(L2のレベル値=0.89とする)。
また、現状態11で次ビットが0となる11−0のときの受信波形aの信号レベルをL3とし(L3のレベル値=0.20とする)、現状態10で次ビットが0となる10−0のときの受信波形aの信号レベルをL4とする(L4のレベル値=0.15とする)。
さらに、現状態00で次ビットが0となる00−0のときの受信波形aの信号レベルをL5とし(L5のレベル値=0.18とする)、現状態00で次ビットが1となる00−1のときの受信波形aの信号レベルをL6とする(L6のレベル値=0.90とする)。
信号レベル保持部23は、これら信号レベルL1〜L6の値を保持する(実際には、残りのパターン01−0および10−1のときの受信波形aにおける信号レベルも求めることになるが省略し、L1〜L6までの信号レベルで以降説明する)。なお、図16に受信波形aから得られた信号レベルL1〜L6の値をまとめて示す。
次に雑音分布演算処理部24の動作について説明する。まず、ネットワーク情報から対象パスのOSNR値である受信OSNRと、対象パスの伝送ペナルティとを抽出して、対象パスのQ値である受信Q値を計算する。
受信OSNRは、対象パス上に配置されるノード内の光アンプで発生するノイズまたは光ファイバ伝送路上で生じるノイズも含めたOSNR値である。また、伝送ペナルティは、対象パスにおける波長分散やPMDなどを要因として生じる受信信号の劣化度合いを示す値である。
受信Q値は、以下の式(1)で算出する。なお、式中のCは、OSNRのパラメータ値をQのパラメータ値に変換する変換係数である(C=OSNR/Q変換係数)。
受信Q値=受信OSNR+C−伝送ペナルティ・・・(1)
一般的にQ値は、信号波形のレベル“1”側の雑音分布の平均レベル値であるマークをμ1とし、信号波形のレベル“0”側の雑音分布の平均レベル値であるスペースをμ0とし、レベル“1”側の雑音分布の分布広がりを表す標準偏差をσ1とし、レベル“0”側の雑音分布の分布広がりを表す標準偏差をσ0としたときに、以下の式(2)で定義される。
Q値=|μ1−μ0|/(σ0+σ1)・・・(2)
図17は信号波形のレベル“0”側の雑音分布とレベル“1”側の雑音分布を示す図である。縦軸は振幅、横軸は出現確率である。雑音分布が正規分布となると仮定したときの式(2)の内容を図示したものである。波形劣化が増大する場合には、分布広がりが多くなってQ値は減少する。また、波形劣化が減少する場合には、分布広がりが小さくなってQ値は増大する。
一方、マークμ1とスペースμ0は以下の式(3a)(3b)で表される。なお、μaveは、μ0とμ1の平均値であり、Coeffは調整係数である。μaveとCoeffは、あらかじめ固定値として設定しておき、ネットワーク情報として登録しておく。
μ1=μave+(Q値×Coeff)・・・(3a)
μ0=μave−(Q値×Coeff)・・・(3b)
またσ0=σ1とすると、式(2)から以下の式(4)が導かれる。
σ0=σ1=|μ1−μ0|/(2×Q値)・・・(4)
ここで、式(1)からQ値が求まり、μaveとCoeffも既知であるので、式(3a)、(3b)、(4)にこれらの値を代入することにより、雑音分布演算処理部24において、雑音分布の標準偏差σ(=σ0=σ1)が求められる。
図18は受信波形aの信号レベルに重畳した雑音分布を示す図である。縦軸は振幅、横軸は出現確率である。例として、受信波形aの信号レベルL1に重畳した雑音分布A1と、信号レベルL3に重畳した雑音分布A3を示している。
なお、「ある信号ポイントに対して、標準偏差σを持つ雑音分布を重畳する」ということは、その信号ポイントのレベル値を平均値として、標準偏差σの広がりを持つ分布(=雑音分布)が該当信号ポイント上に形成されるということであり、その雑音分布は、該当信号ポイントにおいて雑音の影響を含めた振幅分布を表しているものである。
信号レベルL1における雑音分布A1は、平均値が0.91(=L1)であり、標準偏差がσの正規分布である。また、信号レベルL3における雑音分布A3は、平均値が0.20(=L3)であり、標準偏差がσの正規分布である。
このように、雑音分布演算処理部24では、ネットワーク情報から対象パスのOSNRや伝送ペナルティの情報を取得して、上記の式(1)〜(4)にもとづいて、雑音分布の標準偏差を求める。
次に初期ヒストグラム情報演算処理部25の動作について説明する。初期ヒストグラム情報の生成には、第1の演算処理により求める場合と、第2の演算処理により求める場合があるので、第1の演算処理については図19〜図29で説明し、第2の演算処理については図30〜図38で説明する。
第1の演算処理について説明する。図19は信号レベルL1〜L6における受信レベルの出現確率を示す図である。列r1に記載の数値は、量子化値z=0〜7である。列r2に記載の数値は、量子化値zの中間値(以下、量子化中間値と呼ぶ)を示したもので、7を上限にz+0.5とした値を示している。
また、列r3の正規化受信レベルとは、0.00〜1.00レベルの範囲を、量子化中間値のそれぞれの9個の値に対応するように正規化した際の離散値である。すなわち、各量子化中間値を、1.00レベルに対応する7(=量子化中間値の最大値)で割れば、0.00〜1.00レベルの範囲内での、量子化中間値それぞれに対応した離散レベル値が得られる。
例えば、正規化受信レベル1.00は、量子化中間値7を量子化中間値の最大値7で割った値であり(1.00=7/7)、正規化受信レベル0.93は、量子化中間値6.5を量子化中間値の最大値7で割った値であり(0.93=6.5/7)、正規化受信レベル0.79は、量子化中間値5.5を量子化中間値の最大値7で割った値である(0.79=5.5/7)。その他の正規化受信レベルも同様にして計算される。
上記の内容を一般化すると、量子化値のビットが量子化値0〜nの(n+1)ビットである場合(n=0、1、2、・・・)、量子化値の中間値を量子化中間値Mk(0≦k≦n+1、kは整数)とした際に、k=0のときMk=M0=0、1≦k≦nのときMk=(k+(k−1))/2、k=n+1のときMk=Mn+1=nと算出することになる。また、正規化受信レベルSkは、量子化中間値Mkをnで割って(Sk=Mk/n)、信号受信レベル範囲を離散値で表した値となる。
一方、出現確率テーブルT2は、信号レベルL1〜L6が正規化受信レベルとなるときの出現確率を表している。以下、出現確率テーブルT2に記載されている数値の意味について説明する。
なお、以降の説明のために、受信Q値=13.0dB、μave=0.54、Coeff=0.0277であったとして、雑音分布演算処理部24において、式(3a)、(3b)からμ0=0.18、μ1=0.90が算出され、式(4)から標準偏差σ=0.028が算出されたとする。
初期ヒストグラム情報演算処理部25では、信号レベルに重畳した雑音分布における確率変数が、ある正規化受信レベルの値以下となる出現確率を算出する。出現確率テーブルT2には、正規化受信レベル個別に算出された出現確率の値が記されている。
信号レベルL1を例に挙げると、信号レベルL1の欄に記載されている“1”という数値の意味は、信号レベルL1の雑音分布(平均値=0.91、標準偏差σを持つ正規分布)における確率変数が、ある正規化受信レベル(1.00に該当)以下となる確率のことである。
図20は信号レベルL1に重畳した雑音分布の正規化受信レベルが1.00以下となる範囲を示す図である。縦軸は振幅、横軸は出現確率である。信号レベルL1に重畳した雑音分布A1は、平均値=0.91、標準偏差σ=0.028の正規分布であり、±3σの分布を示している。
なお、あるデータのサンプルが、平均値を頂点とした正規分布をしている場合、標準偏差σの意味は、例えば、平均値を中心として±1σの値をとるデータは全体の68.26%となり、平均値を中心として±2σの値をとるデータは全体の95.44となり、平均値を中心として±3σの値をとるデータは全体の99.74%となるということである。以降では±3σとして説明する。
雑音分布A1は確率分布であるから、雑音分布A1内の全体の領域の面積は1である。したがって、雑音分布A1において、正規化受信レベルが1.00以下となる確率は、雑音分布A1内の領域全体が含まれるから“1”である(受信レベルが1以下となる確率は1であるといっており自明のことである)。出現確率テーブルT2の信号レベルL1の該当欄にはこの“1”が記されている。
また、信号レベルL1の欄に記載されている“0.7477878”という数値の意味は、信号レベルL1に重畳した雑音分布A1における確率変数が、ある正規化受信レベル(0.93に該当)以下となる確率のことである。
図21は信号レベルL1に重畳した雑音分布A1の正規化受信レベルが0.93以下となる範囲を示す図である。縦軸は振幅、横軸は出現確率である。信号レベルL1に重畳した雑音分布A1において、正規化受信レベルが0.93以下となる確率は、雑音分布A1内の斜線領域の面積となり、この面積の値(積分値)を計算することで0.7477878が得られ、この値が出現確率テーブルT2の信号レベルL1の該当欄に記されているものである。信号レベルL1のその他の正規化受信レベルに対しても同様にして出現確率が算出される。
なお、雑音分布A1では、実質的に最小の振幅値は0.826(=0.91−0.028×3)とみなしてよく、0.826よりも小さな正規化受信レベルの出現確率は、極めて0に近い値となる。例えば、雑音分布A1の正規化受信レベル0.79に対応する出現確率は、3.959E−06(=3.959-06)となっており、極めて0に近い値になっている(また、最小振幅値0.826よりも小さな振幅値0.79が出現することはないから、確率は0であると判断してよい)。テーブル中の数値で、xxE−yyと記されている数値は、有効桁を小数点第6桁以下を切り捨てとした値とするが、実質0とみなしてよい。
次に信号レベルL3を例に挙げて説明すると、信号レベルL3の欄に記載されている“1”という数値の意味は、信号レベルL3に重畳した雑音分布(平均値=0.20、標準偏差σ=0.028を持つ正規分布)における確率変数が、ある正規化受信レベル(1.00に該当)以下となる確率のことである。
図22は信号レベルL3に重畳した雑音分布の正規化受信レベルが1.00以下となる範囲を示す図である。縦軸は振幅、横軸は出現確率である。信号レベルL3に重畳した雑音分布A3は、平均値=0.20、σ=0.028の正規分布である。
雑音分布A3は確率分布であるから、雑音分布A3内の全体の領域の面積は1である。したがって、雑音分布A3において正規化受信レベルが1.00以下となる確率は、雑音分布A3内の領域全体が含まれるから“1”である。
また、雑音分布A3の最大の振幅値は、実質的に0.284(=0.20+0.028×3)とみなしてよいから、信号レベルL3では、正規化受信レベル1.00だけでなく、0.93、0.79、0.64、0.50、0.36以下となる確率も、雑音分布A3内の領域全体が、各正規化受信レベル内に含まれるから“1”となる。
一方、信号レベルL3の欄に記載されている“0.6961977”という数値の意味は、信号レベルL3に重畳した雑音分布A3における確率変数が、ある正規化受信レベル(0.21に該当)以下となる確率のことである。
図23は信号レベルL3に重畳した雑音分布A3の正規化受信レベルが0.21以下となる範囲を示す図である。縦軸は振幅、横軸は出現確率である。雑音分布A3において、正規化受信レベルが0.21以下となる確率は、雑音分布A3内の斜線領域の面積となり、この面積の値(積分値)を計算することで0.6961977が得られ、この値が出現確率テーブルT2の信号レベルL3の該当欄に記されているものである。信号レベルL3のその他の正規化受信レベルに対しても同様にして出現確率が算出される。
ちなみに、雑音分布A3では、最小の振幅値は0.116(=0.20−0.028×3)とみなしてよいから、0.116よりも小さな正規化受信レベルの出現確率は、0としてよい(正規化受信レベル0.07、0.00の出現確率は0と見てよい)。
次に信号レベルL1〜L6における各量子化値に対する出現確率について説明する。上記では、信号レベルL1〜L6に対して、ある正規化受信レベル以下となる出現確率を、正規化受信レベル個別に求めた。次の処理としては、信号レベル内の量子化値に対する出現確率を求める(個々の量子化値に対する出現確率を頻度と記す)。
図24は頻度テーブルを示す図である。頻度テーブルT3は、信号レベルL1〜L6における各量子化値に対する頻度を示している。信号レベルL1を例にして説明する。上述のように、信号レベルL1の雑音分布A1において、正規化受信レベルが1.00以下となる出現確率は1であり、正規化受信レベルが0.93以下となる出現確率は0.7477878であった。
また、出現確率テーブルT2からわかるように、正規化受信レベル1.00は量子化値z=7に対応し、正規化受信レベル0.93は量子化値z=6に対応しているので、量子化値z=7以下となる出現確率は1であり、量子化値z=6以下となる出現確率は0.7477878である。
量子化値z=7となる確率(頻度)は、量子化値z=7以下となる出現確率から量子化値z=6以下となる出現確率を引いたものとしてよいから、量子化値z=7となる頻度は、0.2522(=1−0.7477878)となる。
また、量子化値z=6となる頻度は、量子化値z=6以下となる出現確率から量子化値z=5以下となる出現確率を引いたものとしてよいから、量子化値z=6となる頻度は、0.7478(=0.7477878−0)となる(出現確率テーブルT2の記載に忠実にもとづけば、0.7477878−3.959E−06となるが、0.7477878−0としてよい)。なお、信号レベルL1において、同様な計算を行うことで、その他の量子化値に対する頻度は0となる。
同様にして、信号レベルL3を例にして説明する。上述のように、信号レベルL3の雑音分布A3において、正規化受信レベルが0.36以下となる出現確率は1であり、正規化受信レベルが0.21以下となる出現確率は0.6961977であった。
また、出現確率テーブルT2からわかるように、正規化受信レベル0.36は量子化値z=2に対応し、正規化受信レベル0.21は量子化値z=1に対応しているので、量子化値z=2以下となる出現確率は1であり、量子化値z=1以下となる出現確率は0.6961977である。
量子化値z=2となる確率(頻度)は、量子化値z=2以下となる出現確率から量子化値z=2以下となる出現確率を引いたものとしてよいから、量子化値z=2となる頻度は、0.3038(=1−0.6961977)となる。
また、量子化値z=1となる頻度は、量子化値z=1以下となる出現確率から量子化値z=0以下となる出現確率を引いたものとしてよいから、量子化値z=1となる頻度は、0.6962(=0.6961977−0)となる(出現確率テーブルT2の記載に忠実にもとづけば、0.6961977−1.905E−06となるが、0.6961977−0としてよい)。なお、信号レベルL3において、同様な計算を行うことで、その他の量子化値に対する頻度は0となる。図25に頻度グラフを示す。縦軸は量子化値z、横軸は頻度である。頻度テーブルT3に記載された数値を、信号レベルL1〜L6毎に折れ線グラフで示したものである。
次の処理としては、頻度テーブルT3に示される値を、信号レベルL1〜L6毎に合計10となるように各頻度を整数に正規化して、正規化した値をヒストグラムデータとする。
図26はヒストグラムテーブルを示す図である。頻度テーブルT3で示された値を整数に変換した値が、ヒストグラムテーブルT1aに記載されている。例えば、頻度テーブルT3の信号レベルL1では、量子化値z=7の頻度が0.2522であり、量子化値z=6の頻度が0.7478となっているので、ヒストグラムテーブルT1aでは、量子化値z=7の頻度を3、量子化値z=6の頻度を7と正規化した値が登録されている。その他も同様にして正規化した値が登録される。
図27〜図29はヒストグラムテーブルへの初期ヒストグラムデータの登録過程を示す図である。図27に対し、ヒストグラムテーブルT1a−0は、何も登録されていない状態である。ヒストグラムテーブルT1a−1には、01−1(信号レベルL1)の初期ヒストグラムデータとして、量子化値z=6が頻度7、量子化値z=7が頻度3となるデータ値が登録されている。
ヒストグラムテーブルT1a−2には、11−1(信号レベルL2)の初期ヒストグラムデータとして、量子化値z=6が頻度9、量子化値z=7が頻度1となるデータ値が登録されている。
図28に対し、ヒストグラムテーブルT1a−3には、11−0(信号レベルL3)の初期ヒストグラムデータとして、量子化値z=1が頻度7、量子化値z=2が頻度3となるデータ値が登録されている。ヒストグラムテーブルT1a−4には、10−0(信号レベルL4)の初期ヒストグラムデータとして、量子化値z=1が頻度10となるデータ値が登録されている。
図29に対し、ヒストグラムテーブルT1a−5には、00−0(信号レベルL5)の初期ヒストグラムデータとして、量子化値z=1が頻度9、量子化値z=2が頻度1となるデータ値が登録されている。ヒストグラムテーブルT1a−6には、00−1(信号レベルL6)の初期ヒストグラムデータとして、量子化値z=6が頻度8、量子化値z=7が頻度2となるデータ値が登録されている。
なお、第1の演算処理を一般化して記載すると、受信波形aの信号レベルを信号レベルL1〜Lp(p=1、2、・・・)とした場合に、信号レベルLr(1≦r≦p、rは整数)に重畳した雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルSkの値以下となる出現確率Pkを算出する。
この場合、正規化受信レベルSkに対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルSk-1に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、量子化値k−1以下となる出現確率Pkから量子化値k−2以下となる出現確率Pk-1を引いて、信号レベルLrが量子化値k−1となる確率である頻度を求める。ただし、kが1となる場合は、量子化値0以下となる出現確率P1から正規化受信レベルS0となる出現確率を引いて、信号レベルLrが量子化値0となる確率である頻度を求める。そして、信号レベルL1〜Lpすべての頻度を求め、頻度を正規化した値を初期ヒストグラム情報のデータ値とする。
例えば、r=1の信号レベルL1において、k=8とすると、正規化受信レベルS8(=1.00)に対応する量子化値7(=8−1)と、正規化受信レベルS7(=0.93)に対応する量子化値6(=k−2)とに対し、量子化値7以下となる出現確率P8(=1)から量子化値6以下となる出現確率P7(=0.7477878)を引いて、信号レベルL1が量子化値7となる確率である頻度を求めるといったことになる。
次に第2の演算処理について説明する。なお、以降の説明のために、受信Q値=15.0dB、μave=0.49、Coeff=0.0098であったとして、雑音分布演算処理部24において、式(3a)、(3b)からμ0=0.34、μ1=0.64が算出され、式(4)から標準偏差σ=0.010が算出されたとする。
図30はビット0、1における雑音分布を示す図である。縦軸は振幅、横軸は出現確率である。ビット0における雑音分布B0と、ビット1における雑音分布B1を示している。雑音分布B0は、平均値がスペースμ0であり、標準偏差σの分布広がりを持つ正規分布である。また、雑音分布B1は、平均値がマークμ1であり、標準偏差σの分布広がりを持つ正規分布である。
図31はビット0、1の受信レベルの出現確率を示す図である。列r1〜r3は図19で示したものと同じである。出現確率テーブルT4は、ビット0、1が正規化受信レベルとなるときの出現確率を表している。以下、出現確率テーブルT4に記載されている数値の意味について説明する。
初期ヒストグラム情報演算処理部25では、ビット0、1に重畳した雑音分布における確率変数が、ある正規化受信レベルの値以下となる出現確率を算出する。出現確率テーブルT4には、正規化受信レベル個別に算出された出現確率の値が記されている。
ビット1を例に挙げると、ビット1の欄に記載されている“1”という数値の意味は、ビット1の雑音分布(平均値=μ1=0.64、標準偏差σ=0.01を持つ正規分布)における確率変数が、ある正規化受信レベル(1.00に該当)以下となる確率のことである。
図32はビット1の雑音分布の正規化受信レベルが1.00以下となる範囲を示す図である。縦軸は振幅、横軸は出現確率である。ビット1における雑音分布B1は、平均値がマークμ1となるので0.64、標準偏差σ=0.01の正規分布である。
雑音分布B1は確率分布であるから、雑音分布B1内の全体の領域の面積は1である。したがって、雑音分布B1において、正規化受信レベルが1.00以下となる確率は、雑音分布B1内の領域全体が含まれるから“1”である。出現確率テーブルT2のビット1の該当欄にはこの“1”が記されている。
また、雑音分布B1の最大の振幅値は実質的に、0.67(=0.64+0.01×3)とみなしてよいから、ビット1では、正規化受信レベル1.00だけでなく、0.93、0.79以下となる確率も、雑音分布B1内の領域全体が、各正規化受信レベル内に含まれるから“1”になる。
一方、ビット1の欄に記載されている“0.7249691”という数値の意味は、ビット1の雑音分布B1における確率変数が、ある正規化受信レベル(0.64に該当)以下となる確率のことである。
図33はビット1の雑音分布B1の正規化受信レベルが0.6429以下となる範囲を示す図である。縦軸は振幅、横軸は出現確率である。雑音分布B1において、正規化受信レベルが0.6429以下となる確率は、雑音分布B1内の斜線領域の面積となり、この面積の値(積分値)を計算することで0.7249691が得られ、この値が出現確率テーブルT4のビット1の該当欄に記されているものである。ビット1のその他の正規化受信レベルに対しても同様にして出現確率が算出される。なお、雑音分布B1では、最小の振幅値は0.61(=0.64−0.01×3)とみなしてよいから、0.61よりも小さな正規化受信レベルの出現確率は0としてよい。
次にビット0について説明すると、ビット0の欄に記載されている“1”という数値の意味は、ビット0の雑音分布(平均値=μ0=0.34、標準偏差σ=0.01を持つ正規分布)における確率変数が、ある正規化受信レベル(1.00に該当)以下となる確率のことである。
図34はビット0の雑音分布の正規化受信レベルが1.00以下となる範囲を示す図である。縦軸は振幅、横軸は出現確率である。ビット0における雑音分布B0は、平均値がスペースμ0となるので0.34、標準偏差σ=0.01の正規分布である。
雑音分布B0は確率分布であるから、雑音分布B0内の全体の領域の面積は1である。したがって、雑音分布B2において、正規化受信レベルが1.00以下となる確率は、雑音分布B0内の領域全体が含まれるから“1”である。出現確率テーブルT4のビット0の該当欄にはこの“1”が記されている。
また、雑音分布B0の最大の振幅値は0.37(=0.34+0.01×3)とみなしてよいから、ビット0では、正規化受信レベル1.00だけでなく、0.93、0.79、0.64、0.50以下となる確率も、雑音分布B0内の領域全体が、各正規化受信レベル内に含まれるから“1”になる。
一方、ビット0の欄に記載されている“0.9255107”という数値の意味は、ビット0の雑音分布B0における確率変数が、ある正規化受信レベル(0.36に該当)以下となる確率のことである。
図35はビット0の雑音分布B0の正規化受信レベルが0.36以下となる範囲を示す図である。縦軸は振幅、横軸は出現確率である。雑音分布B0において、正規化受信レベルが0.36以下となる確率は、雑音分布B0内の斜線領域の面積となり、この面積の値(積分値)を計算することで0.9255107が得られ、この値が出現確率テーブルT4のビット0の該当欄に記されているものである。ビット0のその他の正規化受信レベルに対しても同様にして出現確率が算出される。
なお、雑音分布B0では、最小の振幅値は0.31(=0.34−0.01×3)としてよいから、0.31よりも小さな正規化受信レベルの出現確率は、実質0となる。
次にビット0、1の各量子化値に対する出現確率について説明する。上記では、ビット0、1に対して、ある正規化受信レベル以下となる出現確率を、正規化受信レベル個別に求めた。次の処理としては、ビット0、1内の量子化値に対する出現確率(頻度)を求める。
図36は頻度テーブルを示す図である。頻度テーブルT5は、ビット0、1における各量子化値に対する頻度を示している。ビット1の雑音分布B1において、正規化受信レベルが0.79以下となる出現確率は1であり、正規化受信レベルが0.64以下となる出現確率は0.7249691であった。
また、出現確率テーブルT4からわかるように、正規化受信レベル0.79は量子化値z=5に対応し、正規化受信レベル0.64は量子化値z=4に対応しているので、量子化値z=5以下となる出現確率は1であり、量子化値z=4以下となる出現確率は0.7249691である。
量子化値z=5となる確率(頻度)は、量子化値z=5以下となる出現確率から量子化値z=4以下となる出現確率を引いたものとしてよいから、量子化値z=5となる頻度は、0.2750(=1−0.7249691)となる。
また、量子化値z=4となる頻度は、量子化値z=4以下となる出現確率から量子化値z=3以下となる出現確率を引いたものとしてよいから、量子化値z=4となる頻度は、0.7250(=0.7249691−0)となる(出現確率テーブルT4の記載に忠実にもとづけば、0.7249691−1.038E−44となるが、0.7249691−0としてよい)。なお、ビット1において、同様な計算を行うことで、その他の量子化値に対する頻度は0となる。
同様に、ビット0の雑音分布B0において、正規化受信レベルが0.50以下となる出現確率は1であり、正規化受信レベルが0.36以下となる出現確率は0.9255107であった。
また、出現確率テーブルT4からわかるように、正規化受信レベル0.50は量子化値z=3に対応し、正規化受信レベル0.36は量子化値z=2に対応しているので、量子化値z=3以下となる出現確率は1であり、量子化値z=2以下となる出現確率は0.9255107である。
量子化値z=3となる確率(頻度)は、量子化値z=3以下となる出現確率から量子化値z=2以下となる出現確率を引いたものとしてよいから、量子化値z=3となる頻度は、0.0745(=1−0.9255107)となる。
また、量子化値z=2となる頻度は、量子化値z=2以下となる出現確率から量子化値z=1以下となる出現確率を引いたものとしてよいから、量子化値z=2となる頻度は、0.9255(=0.9255107−0)となる(出現確率テーブルT4の記載に忠実にもとづけば、0.9255107−1.05E−39となるが、0.9255107−0としてよい)。なお、ビット0において、同様な計算を行うことで、その他の量子化値に対する頻度は0となる。図37に頻度グラフを示す。縦軸は量子化値z、横軸は頻度である。頻度テーブルT5に記載された数値を、ビット0、1毎に折れ線グラフで示したものである。
次の処理としては、頻度テーブルT5に示される値を、ビット0、1毎に合計100となるように各頻度を整数に正規化して、正規化した値をヒストグラムデータとする。
図38はヒストグラムテーブルを示す図である。頻度テーブルT5で示された値を整数に変換した値が、ヒストグラムテーブルT1bに記載されている。頻度テーブルT5のビット1では、量子化値z=5の頻度が0.2750であり、量子化値z=4の頻度が0.7250となっているので、ヒストグラムテーブルT1bでは、量子化値z=5の頻度を28、量子化値z=4の頻度を72と正規化した値が登録されている。
また、頻度テーブルT5のビット0では、量子化値z=3の頻度が0.0745であり、量子化値z=2の頻度が0.9255となっているので、ヒストグラムテーブルT1bでは、量子化値z=3の頻度を7、量子化値z=2の頻度を93と正規化した値が登録されている。
なお、第2の演算処理を一般化して記載すると、ビット0の雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルSkの値以下となる出現確率Pkを算出する。この場合、正規化受信レベルSkに対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルSk-1に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、量子化値k−1以下となる出現確率Pkから量子化値k−2以下となる出現確率Pk-1を引いて、量子化値k−1となる確率であるビット0の頻度を求める。ただし、kが1となる場合は、量子化値0以下となる出現確率P1から正規化受信レベルS0となる出現確率を引いて、信号レベルLrが量子化値0となる確率である頻度を求める。
また、ビット1の雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルSkの値以下となる出現確率Pkを算出する。この場合、正規化受信レベルSkに対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルSk-1に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、量子化値k−1以下となる出現確率Pkから量子化値k−2以下となる出現確率Pk-1を引いて、量子化値k−1となる確率であるビット1の頻度を求める。そして、ビット0、ビット1の頻度を正規化した値を初期ヒストグラム情報のデータ値とする。
次に制御装置20の機能を光ノード内に配置した場合の構成について説明する。上記では、制御装置20は、ネットワーク設計ツールの端末の1つの機能として説明したが、制御装置20の機能をノード内の伝送制御部に配置してもよい。
図39は光ネットワークの構成を示す図である。光ネットワーク1bは、図10で上述した光ネットワーク1aと基本的に同じ構成である。ただし、光ネットワーク1bは、制御装置20の機能をノード内で実行するものである。
また、光ネットワーク1bでは、ネットワーク利用者のサービスデータが通過するベアラチャネルと、運用関連の制御情報が通過し、ネットワーク制御に用いられるコントロールチャネルといった2つの論理チャネルで伝送を行うネットワークである。ベアラチャネルをデータプレーン(Data Plane)、コントロールチャネルをコントロールプレーン(Control Plane)と呼ぶ(コントロールプレーンは制御用のネットワーク層での処理となる)。
伝送制御部c1〜c11の内、伝送制御部c1〜c9は、OADMノード10a−1〜10a−9内にそれぞれ設置し、伝送制御部c10、c11はそれぞれ、HuBノード10a−10、10a−11に配置する。
伝送制御部c1〜c11は、ノード内の伝送制御を行う(図13で上述した伝送制御部56−1、56−2と同じ制御を行う)。また、伝送制御部c1〜c11の内、少なくともいずれか1つの伝送制御部に対して、制御装置20の機能を持たせる(すべてのノード内に設けてもよい)。そして、コントロールプレーンを用いて、受信機10b−1〜10b−3へ該当の初期ヒストグラム情報を伝達する。
例えば、伝送制御部c1に制御装置20の機能を持たせ、伝送制御部c1において、パスp1に関連する初期ヒストグラム情報H1を作成し、パスp2に関連する初期ヒストグラム情報H2を作成し、パスp3に関連する初期ヒストグラム情報H3を作成する。そして、コントロールプレーン上で初期ヒストグラム情報H1〜H3を伝送する。
伝送制御部c3は、コントロールプレーンを流れてきた制御情報の中に、OADMノード10a−3からDropすべき初期ヒストグラム情報H1が存在することを認識すると、初期ヒストグラム情報H1を制御情報の中から抽出して、初期ヒストグラム情報H1を受信機10b−1へDropする。
伝送制御部c2は、コントロールプレーンを流れてきた制御情報の中に、OADMノード10a−2からDropすべき初期ヒストグラム情報H2が存在することを認識すると、初期ヒストグラム情報H2を制御情報の中から抽出して、初期ヒストグラム情報H2を受信機10b−2へDropする。
伝送制御部c10は、コントロールプレーンを流れてきた制御情報の中に、HuBノード10a−10からDropすべき初期ヒストグラム情報H3が存在することを認識すると、初期ヒストグラム情報H3を制御情報の中から抽出して、初期ヒストグラム情報H3を受信機10b−3へDropする。
次に新規のパスが立ち上がった場合の初期ヒストグラム情報の生成・伝達処理について説明する。図40は新規のパスが立ち上がった場合の初期ヒストグラム情報の生成・伝達処理を示すフローチャートである。
〔S41〕制御装置20が起動する。
〔S42〕制御装置20は、ネットワーク情報にもとづき、パスに対応した初期ヒストグラム情報を算出する。
〔S43〕制御装置20は、受信機の起動を認識すると、パス毎に算出した初期ヒストグラム情報を、該当パスを通じて光信号を受信する該当受信機に対して設定する。
〔S44〕受信機は、自己の初期ヒストグラム情報を受信し、初期ヒストグラム情報にもとづいて、ビット推定およびヒストグラム情報の更新を行う。
〔S45〕制御装置20は、各受信機で更新されているヒストグラム情報を一定周期で収集する。
〔S46〕制御装置20は、新たに立ち上げられたパスがあるか否かを判別する。新規のパスがあればステップS47へいき、新規のパスがなければステップS46を繰り返す。
〔S47〕制御装置20は、新規のパスが既設のパスと同一であるか否かを判別する。新規パスの伝送ルートが既設パスの伝送ルートと同一であればステップS48へいき、新規パスの伝送ルートが既設パスの伝送ルートと異なるのであればステップS49へいく。
〔S48〕複数の既設パスに対し、既設パスP1〜Pnとし、既設パスPk(1≦k≦n)を通じて光信号を受信する受信機を受信機Rkとする。また、新規パスを新規パスPnewとし、新規パスPnewを通じて光信号を受信する受信機を受信機Rnewとする
制御装置20は、新規パスPnewの伝送ルートが既設パスPkの伝送ルートと同じである場合、受信機Rkから収集した最新のヒストグラム情報(最も最近更新されたヒストグラム情報)を受信機Rnewに設定する。
〔S49〕制御装置20は、新規パスPnewの伝送ルートが既設パスP1〜Pnのどの伝送ルートとも異なる場合、新規パスPnewに対応した新たな初期ヒストグラム情報を生成し、受信機Rnewに設定する。
このように、新規パスPnewが立ち上がった場合は、新規パスPnewが、既設パスPkと同じ伝送路ルートであれば、既設パスPkに対応するヒストグラム情報を受信機Rnewに設定すればよいので(新規パスPnewを流れる波長信号と、既設パスPkを流れる波長信号が異なっていても、伝送品質に大きな差異はないことを前提としている)、受信機Rk側で更新されている最新のヒストグラム情報を、初期ヒストグラム情報として受信機Rnewに設定する。
また、新規パスPnewが、すべての既設パスP1〜Pkと異なる伝送路ルートであれば、新規パスPnewに対応した新しい初期ヒストグラム情報を生成して、受信機Rnewに設定することになる。
図41は新規パス立ち上げ時の初期ヒストグラム情報の生成・伝達処理を説明するネットワーク構成例を示す図である。上記のフローチャートの内容について光ネットワークを図示して具体的に説明する。
光ネットワーク1cは、図10で上述した光ネットワーク1aと基本的に同じ構成である。ただし、送信機10c−4が新たにOADMノード10a−1に接続し、OADMノード10a−9に送信機10c−5が新たに接続している。また、受信機10b−4、10b−5が新たにOADMノード10a−3に接続している。さらに、送信機10c−4と受信機10b−4との間に新規パスp4が生成し、送信機10c−5と受信機10b−5との間に新規パスp5が生成している。
制御端末20aは、ネットワーク情報にもとづき、パスp1〜p3に対応した初期ヒストグラム情報H1〜H3を算出する。そして、受信機10b−1〜10b−3の起動を認識すると、初期ヒストグラム情報H1〜H3を受信機10b−1〜10b−3に対して設定する。受信機10b−1〜10b−3はそれぞれ、自己の初期ヒストグラム情報を受信すると、ビット推定およびヒストグラム情報の更新を行う。
制御端末20aは、受信機10b−1〜10b−3で更新されたヒストグラム情報(更新後のヒストグラム情報をそれぞれ、ヒストグラム情報H1a、H2a、H3aとする)を一定周期で収集する。その後、新規パスp4、p5が新たに立ち上げられたパスであると認識する。
ここで、新規パスp4、p5が立ち上がると、制御端末20aは、新規パスp4、p5に対応した初期ヒストグラム情報を生成して受信機10b−4、10b−5へ設定することになるが、新規パスp4の伝送ルートは、既設パスp1の伝送ルートと同じであり、新規パスp5の伝送ルートは、既設パスp1〜p3のすべてと異なることを認識する。
制御端末20aは、受信機10b−4に対しては、収集したヒストグラム情報H1aを設定する。また、受信機10b−5に対しては、新規パスp5用の初期ヒストグラム情報H5を生成して、初期ヒストグラム情報H5を受信機10b−5に設定する。
次に伝送シミュレーション結果にもとづいて効果について説明する。図42、図43は初期ヒストグラム情報を示す図である。縦軸は頻度、横軸は量子化値zであり、状態ビットN=2のときの8つの現状態−次ビットの組み合わせパターンについての初期ヒストグラムデータを折れ線グラフで示している。
また、図42は従来の固定値として設定されていた初期ヒストグラム情報3aを示し、図43は本発明による波形シミュレーションにより得た受信波形から生成した初期ヒストグラム情報4aを示している。
なお、図43の初期ヒストグラム情報を生成する際に行った波形シミュレーションでは、シミュレーション条件として、入力信号が10.7059225E9[bit/sec]のNRZ(Non Return to Zero)信号であり、入力ビット数=65536とする。また、波形劣化の要因として、100[ps/nm]の波長分散が生じ、1.0Tsec(T=1/10.7059225E9[sec])のDGD(Differential Group Delay)が生じ、さらに受信OSNRが20.0dBであったとする。
なお、PMDが存在する光ファイバにパルス信号が流れると、パルス信号は伝播速度が異なる2つの偏光モードのパルス波形に***する。DGDは、このパルス***の大きさに相当し、PMDが存在するときの信号波形歪みの大きさの指標として使われる。
図44、図45は初期ヒストグラム情報が更新された後のヒストグラム情報を示す図である。縦軸は頻度、横軸は量子化値zである。図44は図43の初期ヒストグラム情報3aの更新後のヒストグラム情報3a−1であり、図45は図44の初期ヒストグラム情報4aの更新後のヒストグラム情報4a−1である。
ヒストグラム情報3a−1、4a−1は、初期ヒストグラム情報3a、4aから推定されるビットの受信中に随時更新されて生成される。また、図44、図45に示すヒストグラム情報3a−1、4a−1は、すべてのビット(入力ビット数=65536)の受信が完了して更新された後のヒストグラムデータを示している。
伝送シミュレーション結果によって、従来の場合は、エラー数が8911/65536bitで誤り率が1.36E−1であり、本発明の場合は、エラー数が4378/65536bitで誤り率が6.68E−2であった。
ここで、受信波形を考慮した初期ヒストグラム4aでは、受信したビットの直前の2ビット(xx−1、xx−0のxxで示される値)の違いにより、同じビットを受信した場合でも、直前の2ビットが異なればヒストグラムも異なることがわかる(例えば、00−1のヒストグラムと01−1のヒストグラムは、同じビット1を受信したときでも異なっている)。このことは、直前の2ビットの違い毎に、最適のヒストグラムが形成されていることを意味している。
また、初期ヒストグラム情報3aと初期ヒストグラム情報4aとを比較すると、xx−0(0と判定)とxx−1(1と判定)との頻度の傾向が大きく異なっていることがわかる(すなわち、実線グラフと点線グラフとの乖離が初期ヒストグラム情報3aでは大きく、初期ヒストグラム情報4aでは小さい)。xx−0(0と判定)とxx−1(1と判定)との頻度の傾向が大きく異なると誤り率が劣化することになる。
一方、初期ヒストグラム情報3aの形状と、更新後のヒストグラム情報3a−1の形状は大きく異なっており、入力ビット数(65536)に対して、最適なヒストグラムに更新しきれていないことがわかる(初期ヒストグラム情報3aが伝送路状態に適したものでないから、いくら更新してもヒストグラムの波形が定まらない)。
これに対し、初期ヒストグラム情報4aの形状と、更新後のヒストグラム情報4a−1の形状は近似しており、入力ビット数(65536)に対して、最適なヒストグラムに更新されていることがわかる(初期ヒストグラム情報4aが伝送路状態に適したものであるから、その後の更新においてもヒストグラム形状に大きな変化は生じない)。
以上説明したように、本発明によれば、MLSE機能を持つ受信機において、受信信号の誤り率を低減するために、ビット列の推定に用いるヒストグラムの初期値を適切に設定する構成とした。従来では、MLSE受信機は個別に初期値を管理しており、ネットワーク全体の情報をヒストグラムに反映することができなかったが、通信システム1により、ネットワーク全体の情報から、各々の受信機に最適な初期ヒストグラムを計算して設定することが可能になるため、受信信号の誤り率を大きく低減することができ、伝送品質の向上を図ることが可能になる。
(付記1) ネットワーク上で通信を行う通信システムにおいて、
ネットワーク内に配置して伝送路で接続される複数の伝送装置と、
前記伝送装置の初期運用時に必要となる初期データを計算して、前記伝送装置へ設定する制御装置と、
を備え、
前記伝送装置は、最尤系列推定による受信処理を行い、
前記制御装置は、前記伝送装置間の信号伝達経路であるパスに対し、前記初期データとして、前記最尤系列推定が行われるための初期の尤度情報である初期尤度情報を、個々の前記パスの伝送状態に応じて求める、
ことを特徴とする通信システム。
(付記2) 前記制御装置は、
前記伝送装置で受信信号が量子化された際の量子化値毎に、
N(N=2、3、4・・・)ビットのビット列が生起したという条件下で、現在受信したビット値が0となる尤度の分布と、
Nビットのビット列が生起したという条件下で、現在受信したビット値が1となる尤度の分布とを求めて、
前記0となる尤度の分布と、前記1となる尤度の分布とを、ヒストグラムデータで表して、2N×2のヒストグラムデータで構成される初期ヒストグラム情報を前記初期尤度情報として、個々の前記パスの伝送状態に応じて求め、
パスp1〜pn(n=1、2、3、・・・)の伝送状態に応じて求めた前記初期ヒストグラム情報を初期ヒストグラム情報H1〜Hnとした場合に、
パスpk(1≦k≦n:kは自然数)を通じて伝送される信号を受信する伝送装置Rkに対して、パスpkに対応する初期ヒストグラム情報Hkを伝送装置Rkに設定する、
ことを特徴とする付記1記載の通信システム。
(付記3) 前記制御装置は、
前記伝送路および前記伝送装置の状態情報であるネットワーク情報を管理するネットワーク情報管理部と、
前記ネットワーク情報にもとづき、対象パスの波形シミュレーションを行って、受信波形を求める受信波形生成部と、
前記受信波形の信号レベルを保持する信号レベル保持部と、
前記ネットワーク情報にもとづいて、雑音分布の標準偏差の算出を行う雑音分布演算処理部と、
前記標準偏差を持つ前記雑音分布から、各量子化値となる尤度を算出し、算出結果を正規化して、前記初期ヒストグラム情報を生成する初期ヒストグラム情報演算処理部と、
を備えることを特徴とする付記2記載の通信システム。
(付記4) 前記初期ヒストグラム情報演算処理部は、
前記対象パスで生じる、波形歪みおよび雑音劣化を反映させた前記初期ヒストグラム情報を生成する第1の演算処理と、
前記対象パスで生じる雑音劣化を反映させた前記初期ヒストグラム情報を生成する第2の演算処理と、
を行い、
前記第1の演算処理を行う場合は、前記波形シミュレーションで得られた前記受信波形に対し、前記受信波形の信号レベル毎に重畳した前記雑音分布から、前記初期ヒストグラム情報を生成し、
前記第2の演算処理を行う場合は、ビット1における前記雑音分布およびビット0における前記雑音分布から、前記初期ヒストグラム情報を生成する、
ことを特徴とする付記3記載の通信システム。
(付記5) 前記初期ヒストグラム情報演算処理部は、
前記量子化値のビットが量子化値0〜nの(n+1)ビットである場合(n=0、1、2、・・・)、
前記量子化値の中間値を量子化中間値Mk(0≦k≦n+1、kは整数)とした際に、k=0のときMk=M0=0、1≦k≦nのときMk=(k+(k−1))/2、k=n+1のときMk=Mn+1=nと算出し、
量子化中間値Mkをnで割って、信号受信レベル範囲を離散値で表した正規化受信レベルSk(Sk=Mk/n)を求め、
前記第1の演算処理を行う場合は、
前記受信波形の信号レベルを信号レベルL1〜Lp(p=1、2、・・・)とした場合に、
信号レベルLr(1≦r≦p、rは整数)に重畳した前記雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルSkの値以下となる出現確率Pkを算出し、
正規化受信レベルSkに対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルSk-1に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、
量子化値k−1以下となる出現確率Pkから量子化値k−2以下となる出現確率Pk-1を引いて、信号レベルLrが量子化値k−1となる確率である頻度を求め、
kが1となる場合は、量子化値0以下となる出現確率P1から正規化受信レベルS0となる出現確率を引いて、信号レベルLrが量子化値0となる確率である頻度を求め、
信号レベルL1〜Lpすべての前記頻度を求め、前記頻度を正規化した値を前記初期ヒストグラム情報のデータ値とし、
前記第2の演算処理を行う場合は、
ビット0の前記雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルSkの値以下となる出現確率Pkを算出し、
正規化受信レベルSkに対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルSk-1に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、
量子化値k−1以下となる出現確率Pkから量子化値k−2以下となる出現確率Pk-1を引いて、量子化値k−1となる確率であるビット0の頻度を求め、
kが1となる場合は、量子化値0以下となる出現確率P1から正規化受信レベルS0となる出現確率を引いて、信号レベルLrが量子化値0となる確率である頻度を求め、
ビット1の前記雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルSkの値以下となる出現確率Pkを算出し、
正規化受信レベルSkに対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルSk-1に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、
量子化値k−1以下となる出現確率Pkから量子化値k−2以下となる出現確率Pk-1を引いて、量子化値k−1となる確率であるビット1の頻度を求め、
kが1となる場合は、量子化値0以下となる出現確率P1から正規化受信レベルS0となる出現確率を引いて、信号レベルLrが量子化値0となる確率である頻度を求め、
ビット0、ビット1の前記頻度を正規化した値を初期ヒストグラム情報のデータ値とする、
ことを特徴とする付記4記載の通信システム。
(付記6) 前記制御装置内の機能は、前記伝送装置に接続可能な制御端末に設定され、前記制御端末で生成された前記初期ヒストグラム情報は、前記伝送装置間で運用情報の伝達を行う監視制御信号に挿入されて、所定の前記伝送装置へ伝達されることを特徴とする付記2記載の通信システム。
(付記7) 前記制御装置内の機能は、前記伝送装置の伝送制御を行う、前記伝送装置内の伝送制御部に設定され、前記伝送制御部で生成された前記初期ヒストグラム情報は、運用情報の伝達を行うチャネルであるコントロールプレーンに挿入されて、所定の前記伝送装置へ伝達されることを特徴とする付記2記載の通信システム。
(付記8) 複数の既設のパスを既設パスP1〜Pnとし、既設パスPk(1≦k≦n)を通じて信号を伝送する伝送装置を伝送装置Rkとし、新たに立ち上がったパスを新規パスPnewとし、新規パスPnewを通じて信号を伝送する伝送装置を伝送装置Rnewとした場合、
前記制御装置は、
伝送装置R1〜Rnのそれぞれに設定された初期ヒストグラム情報が更新された後のヒストグラム情報を一定周期間隔で収集し、
新規パスPnewが立ち上がったことを認識すると、
新規パスPnewの伝送ルートが既設パスPkの伝送ルートと同じである場合には、伝送装置Rkから収集したヒストグラム情報を伝送装置Rnewに設定し、
新規パスPnewの伝送ルートが既設パスP1〜Pnのどの伝送ルートとも異なる場合には、新規パスPnewに対応した新たな初期ヒストグラム情報を生成して、伝送装置Rnewに設定する、
ことを特徴とする付記2記載の通信システム。
(付記9) 前記初期ヒストグラム情報演算処理部は、前記ネットワーク情報の中から前記対象パスの伝送距離の情報を抽出し、抽出した前記伝送距離がしきい値を超える場合は、前記第1の演算処理を選択して、前記対象パスに関する前記初期ヒストグラム情報を前記第1の演算処理で生成し、前記伝送距離が前記しきい値を超えない場合は、前記第2の演算処理を選択して、前記対象パスに関する前記初期ヒストグラム情報を前記第2の演算処理で生成することを特徴とする付記4記載の通信システム。
(付記10) 最尤系列推定の受信処理を行う伝送装置に対し、前記伝送装置の初期運用時に必要となる初期データを計算する制御装置において、
前記伝送装置が配置されるネットワークの伝送路の状態情報および前記伝送装置に関する状態情報であるネットワーク情報を管理するネットワーク情報管理部と、
前記伝送装置間の信号伝達経路であるパスに対し、前記初期データとして、前記最尤系列推定が行われるための初期の尤度情報である初期尤度情報を、個々の前記パスの伝送状態に応じて求める制御部と、
を有することを特徴とする制御装置。
(付記11) 前記制御部は、
前記伝送装置で受信信号が量子化された際の量子化値毎に、
N(N=2、3、4・・・)ビットのビット列が生起したという条件下で、現在受信したビット値が0となる尤度の分布と、
Nビットのビット列が生起したという条件下で、現在受信したビット値が1となる尤度の分布とを求めて、
前記0となる尤度の分布と、前記1となる尤度の分布とを、ヒストグラムデータで表して、2N×2のヒストグラムデータで構成される初期ヒストグラム情報を前記初期尤度情報として、個々の前記パスの伝送状態に応じて求め、
パスp1〜pn(n=1、2、3、・・・)の伝送状態に応じて求めた前記初期ヒストグラム情報を初期ヒストグラム情報H1〜Hnとした場合に、
パスpk(1≦k≦n:kは自然数)を通じて伝送される信号を受信する伝送装置Rkに対して、パスpkに対応する初期ヒストグラム情報Hkを伝送装置Rkに設定する、
ことを特徴とする付記10記載の制御装置。
(付記12) 前記制御部は、
前記ネットワーク情報にもとづき、対象パスの波形シミュレーションを行って、受信波形を求める受信波形生成部と、
前記受信波形の信号レベルを保持する信号レベル保持部と、
前記ネットワーク情報にもとづいて、雑音分布の標準偏差の算出を行う雑音分布演算処理部と、
前記標準偏差を持つ前記雑音分布から、各量子化値となる尤度を算出し、算出結果を正規化して、前記初期ヒストグラム情報を生成する初期ヒストグラム情報演算処理部と、
を備えることを特徴とする付記11記載の制御装置。
(付記13) 前記初期ヒストグラム情報演算処理部は、
前記対象パスで生じる、波形歪みおよび雑音劣化を反映させた前記初期ヒストグラム情報を生成する第1の演算処理と、
前記対象パスで生じる雑音劣化を反映させた前記初期ヒストグラム情報を生成する第2の演算処理と、
を行い、
前記第1の演算処理を行う場合は、前記波形シミュレーションで得られた前記受信波形に対し、前記受信波形の信号レベル毎に重畳した前記雑音分布から、前記初期ヒストグラム情報を生成し、
前記第2の演算処理を行う場合は、ビット1における前記雑音分布およびビット0における前記雑音分布から、前記初期ヒストグラム情報を生成する、
ことを特徴とする付記12記載の制御装置。
(付記14) 前記初期ヒストグラム情報演算処理部は、
前記量子化値のビットが量子化値0〜nの(n+1)ビットである場合(n=0、1、2、・・・)、
前記量子化値の中間値を量子化中間値Mk(0≦k≦n+1、kは整数)とした際に、k=0のときMk=M0=0、1≦k≦nのときMk=(k+(k−1))/2、k=n+1のときMk=Mn+1=nと算出し、
量子化中間値Mkをnで割って、信号受信レベル範囲を離散値で表した正規化受信レベルSk(Sk=Mk/n)を求め、
前記第1の演算処理を行う場合は、
前記受信波形の信号レベルを信号レベルL1〜Lp(p=1、2、・・・)とした場合に、
信号レベルLr(1≦r≦p、rは整数)に重畳した前記雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルSkの値以下となる出現確率Pkを算出し、
正規化受信レベルSkに対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルSk-1に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、
量子化値k−1以下となる出現確率Pkから量子化値k−2以下となる出現確率Pk-1を引いて、信号レベルLrが量子化値k−1となる確率である頻度を求め、
kが1となる場合は、量子化値0以下となる出現確率P1から正規化受信レベルS0となる出現確率を引いて、信号レベルLrが量子化値0となる確率である頻度を求め、
信号レベルL1〜Lpすべての前記頻度を求め、前記頻度を正規化した値を初期ヒストグラム情報のデータ値とし、
前記第2の演算処理を行う場合は、
ビット0の前記雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルSkの値以下となる出現確率Pkを算出し、
正規化受信レベルSkに対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルSk-1に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、
量子化値k−1以下となる出現確率Pkから量子化値k−2以下となる出現確率Pk-1を引いて、量子化値k−1となる確率であるビット0の頻度を求め、
kが1となる場合は、量子化値0以下となる出現確率P1から正規化受信レベルS0となる出現確率を引いて、信号レベルLrが量子化値0となる確率である頻度を求め、
ビット1の前記雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルSkの値以下となる出現確率Pkを算出し、
正規化受信レベルSkに対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルSk-1に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、
量子化値k−1以下となる出現確率Pkから量子化値k−2以下となる出現確率Pk-1を引いて、量子化値k−1となる確率であるビット1の頻度を求め、
kが1となる場合は、量子化値0以下となる出現確率P1から正規化受信レベルS0となる出現確率を引いて、信号レベルLrが量子化値0となる確率である頻度を求め、
ビット0、ビット1の前記頻度を正規化した値を初期ヒストグラム情報のデータ値とする、
ことを特徴とする付記13記載の制御装置。
(付記15) 前記制御装置内の機能は、前記伝送装置に接続可能な制御端末に設定され、前記制御端末で生成された前記初期ヒストグラム情報は、前記伝送装置間で運用情報の伝達を行う監視制御信号に挿入されて、所定の前記伝送装置へ伝達されることを特徴とする付記11記載の制御装置。
(付記16) 前記制御装置内の機能は、前記伝送装置の伝送制御を行う、前記伝送装置内の伝送制御部に設定され、前記伝送制御部で生成された前記初期ヒストグラム情報は、運用情報の伝達を行うチャネルであるコントロールプレーンに挿入されて、所定の前記伝送装置へ伝達されることを特徴とする付記11記載の制御装置。
(付記17) 複数の既設のパスを既設パスP1〜Pnとし、既設パスPk(1≦k≦n)を通じて信号を伝送する伝送装置を伝送装置Rkとし、新たに立ち上がったパスを新規パスPnewとし、新規パスPnewを通じて信号を伝送する伝送装置を伝送装置Rnewとした場合、
前記制御部は、
伝送装置R1〜Rnのそれぞれに設定された初期ヒストグラム情報が更新された後のヒストグラム情報を一定周期間隔で収集し、
新規パスPnewが立ち上がったことを認識すると、
新規パスPnewの伝送ルートが既設パスPkの伝送ルートと同じである場合には、伝送装置Rkから収集したヒストグラム情報を伝送装置Rnewに設定し、
新規パスPnewの伝送ルートが既設パスP1〜Pnのどの伝送ルートとも異なる場合には、新規パスPnewに対応した新たな初期ヒストグラム情報を生成して、伝送装置Rnewに設定する、
ことを特徴とする付記11記載の制御装置。
(付記18) 前記初期ヒストグラム情報演算処理部は、前記ネットワーク情報の中から前記対象パスの伝送距離の情報を抽出し、抽出した前記伝送距離がしきい値を超える場合は、前記第1の演算処理を選択して、前記対象パスに関する前記初期ヒストグラム情報を前記第1の演算処理で生成し、前記伝送距離が前記しきい値を超えない場合は、前記第2の演算処理を選択して、前記対象パスに関する前記初期ヒストグラム情報を前記第2の演算処理で生成することを特徴とする付記13記載の制御装置。
通信システムの原理図である。 受信部の構成を示す図である。 ビット推定の流れを示す図である。 ヒストグラムを示す図である。 トレリス線図を示す図である。 量子化値の時間変位とヒストグラムを示す図である。 ヒストグラムデータの管理構成例を示す図である。 ヒストグラムデータの更新手順を示すフローチャートである。 ヒストグラムデータの更新の一例を示す図である。 光ネットワークの構成を示す図である。 制御端末の基本動作を示すフローチャートである。 受信機の基本動作を示すフローチャートである。 初期ヒストグラム情報の配布動作を説明するための図である。 制御装置の構成を示す図である。 受信波形を示す図である。 受信波形から得られた信号レベルの値を示す図である。 信号波形のレベル“0”側の雑音分布とレベル“1”側の雑音分布を示す図である。 受信波形の信号レベルに重畳した雑音分布を示す図である。 信号レベルにおける受信レベルの出現確率を示す図である。 信号レベルに重畳した雑音分布の正規化受信レベルが1.00以下となる範囲を示す図である。 信号レベルに重畳した雑音分布の正規化受信レベルが0.93以下となる範囲を示す図である。 信号レベルに重畳した雑音分布の正規化受信レベルが1.00以下となる範囲を示す図である。 信号レベルに重畳した雑音分布の正規化受信レベルが0.21以下となる範囲を示す図である。 頻度テーブルを示す図である。 頻度グラフを示す図である。 ヒストグラムテーブルを示す図である。 ヒストグラムテーブルへの初期ヒストグラムデータの登録過程を示す図である。 ヒストグラムテーブルへの初期ヒストグラムデータの登録過程を示す図である。 ヒストグラムテーブルへの初期ヒストグラムデータの登録過程を示す図である。 ビット0、1における雑音分布を示す図である。 ビット0、1の受信レベルの出現確率を示す図である。 ビット1の雑音分布の正規化受信レベルが1.00以下となる範囲を示す図である。 ビット1の雑音分布の正規化受信レベルが0.6429以下となる範囲を示す図である。 ビット0の雑音分布の正規化受信レベルが1.00以下となる範囲を示す図である。 ビット0の雑音分布の正規化受信レベルが0.36以下となる範囲を示す図である。 頻度テーブルを示す図である。 頻度グラフを示す図である。 ヒストグラムテーブルを示す図である。 光ネットワークの構成を示す図である。 新規のパスが立ち上がった場合の初期ヒストグラム情報の生成・伝達処理を示すフローチャートである。 新規パス立ち上げ時の初期ヒストグラム情報の生成・伝達処理を説明するネットワーク構成例を示す図である。 初期ヒストグラム情報を示す図である。 初期ヒストグラム情報を示す図である。 初期ヒストグラム情報が更新された後のヒストグラム情報を示す図である。 初期ヒストグラム情報が更新された後のヒストグラム情報を示す図である。 受信信号のアイパターンを示す図である。
符号の説明
1 通信システム
10−1〜10−3 伝送装置
10a−1〜10a−3 受信部
20 制御装置
F1、F2 伝送路
p11、p12 パス
H1、H2 初期尤度情報

Claims (7)

  1. ネットワーク上で通信を行う通信システムにおいて、
    ネットワーク内に配置して伝送路で接続される複数の伝送装置と、
    前記伝送装置の初期運用時に必要となる初期データを計算して、前記伝送装置へ設定する制御装置と、
    を備え、
    前記伝送装置は、最尤系列推定による受信処理を行い、
    前記制御装置は、前記伝送装置間の信号伝達経路であるパスに対し、前記初期データとして、前記最尤系列推定が行われるための初期の尤度情報である初期尤度情報を、個々の前記パスの伝送状態に応じて求め、
    前記制御装置は、
    前記伝送装置で受信信号が量子化された際の量子化値毎に、
    N(N=2、3、4・・・)ビットのビット列が生起したという条件下で、現在受信したビット値が0となる尤度の分布と、
    Nビットのビット列が生起したという条件下で、現在受信したビット値が1となる尤度の分布とを求めて、
    前記0となる尤度の分布と、前記1となる尤度の分布とを、ヒストグラムデータで表して、2 N ×2のヒストグラムデータで構成される初期ヒストグラム情報を前記初期尤度情報として、個々の前記パスの伝送状態に応じて求め、
    パスp1〜pn(n=1、2、3、・・・)の伝送状態に応じて求めた前記初期ヒストグラム情報を初期ヒストグラム情報H1〜Hnとした場合に、
    パスpk(1≦k≦n:kは自然数)を通じて伝送される信号を受信する伝送装置Rkに対して、パスpkに対応する初期ヒストグラム情報Hkを伝送装置Rkに設定する、
    ことを特徴とする通信システム。
  2. 前記制御装置は、
    前記伝送路および前記伝送装置の状態情報であるネットワーク情報を管理するネットワーク情報管理部と、
    前記ネットワーク情報にもとづき、対象パスの波形シミュレーションを行って、受信波形を求める受信波形生成部と、
    前記受信波形の信号レベルを保持する信号レベル保持部と、
    前記ネットワーク情報にもとづいて、雑音分布の標準偏差の算出を行う雑音分布演算処理部と、
    前記標準偏差を持つ前記雑音分布から、各量子化値となる尤度を算出し、算出結果を正規化して、前記初期ヒストグラム情報を生成する初期ヒストグラム情報演算処理部と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
  3. 前記初期ヒストグラム情報演算処理部は、
    前記対象パスで生じる、波形歪みおよび雑音劣化を反映させた前記初期ヒストグラム情報を生成する第1の演算処理と、
    前記対象パスで生じる雑音劣化を反映させた前記初期ヒストグラム情報を生成する第2の演算処理と、
    を行い、
    前記第1の演算処理を行う場合は、前記波形シミュレーションで得られた前記受信波形に対し、前記受信波形の信号レベル毎に重畳した前記雑音分布から、前記初期ヒストグラム情報を生成し、
    前記第2の演算処理を行う場合は、ビット1における前記雑音分布およびビット0における前記雑音分布から、前記初期ヒストグラム情報を生成する、
    ことを特徴とする請求項2記載の通信システム。
  4. 前記初期ヒストグラム情報演算処理部は、
    前記量子化値のビットが量子化値0〜nの(n+1)ビットである場合(n=0、1、2、・・・)、
    前記量子化値の中間値を量子化中間値M k (0≦k≦n+1、kは整数)とした際に、k=0のときM k =M 0 =0、1≦k≦nのときM k =(k+(k−1))/2、k=n+1のときM k =M n+1 =nと算出し、
    量子化中間値M k をnで割って、信号受信レベル範囲を離散値で表した正規化受信レベルS k (S k =M k /n)を求め、
    前記第1の演算処理を行う場合は、
    前記受信波形の信号レベルを信号レベルL1〜Lp(p=1、2、・・・)とした場合に、
    信号レベルLr(1≦r≦p、rは整数)に重畳した前記雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルS k の値以下となる出現確率P k を算出し、
    正規化受信レベルS k に対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルS k-1 に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、
    量子化値k−1以下となる出現確率P k から量子化値k−2以下となる出現確率P k-1 を引いて、信号レベルLrが量子化値k−1となる確率である頻度を求め、
    kが1となる場合は、量子化値0以下となる出現確率P 1 から正規化受信レベルS 0 となる出現確率を引いて、信号レベルLrが量子化値0となる確率である頻度を求め、
    信号レベルL1〜Lpすべての前記頻度を求め、前記頻度を正規化した値を前記初期ヒストグラム情報のデータ値とし、
    前記第2の演算処理を行う場合は、
    ビット0の前記雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルS k の値以下となる出現確率P k を算出し、
    正規化受信レベルS k に対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルS k-1 に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、
    量子化値k−1以下となる出現確率P k から量子化値k−2以下となる出現確率P k-1 を引いて、量子化値k−1となる確率であるビット0の頻度を求め、
    kが1となる場合は、量子化値0以下となる出現確率P 1 から正規化受信レベルS 0 となる出現確率を引いて、信号レベルLrが量子化値0となる確率である頻度を求め、
    ビット1の前記雑音分布における確率変数が、正規化受信レベルS k の値以下となる出現確率P k を算出し、
    正規化受信レベルS k に対応する量子化値k−1と(1≦k≦n+1)、正規化受信レベルS k-1 に対応する量子化値k−2と(2≦k≦n+1)に対し、
    量子化値k−1以下となる出現確率P k から量子化値k−2以下となる出現確率P k-1 を引いて、量子化値k−1となる確率であるビット1の頻度を求め、
    kが1となる場合は、量子化値0以下となる出現確率P 1 から正規化受信レベルS 0 となる出現確率を引いて、信号レベルLrが量子化値0となる確率である頻度を求め、
    ビット0、ビット1の前記頻度を正規化した値を前記初期ヒストグラム情報のデータ値とする、
    ことを特徴とする請求項3記載の通信システム。
  5. 前記制御装置内の機能は、前記伝送装置に接続可能な制御端末に設定され、前記制御端末で生成された前記初期ヒストグラム情報は、前記伝送装置間で運用情報の伝達を行う監視制御信号に挿入されて、所定の前記伝送装置へ伝達されることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
  6. 前記制御装置内の機能は、前記伝送装置の伝送制御を行う、前記伝送装置内の伝送制御部に設定され、前記伝送制御部で生成された前記初期ヒストグラム情報は、運用情報の伝達を行うチャネルであるコントロールプレーンに挿入されて、所定の前記伝送装置へ伝達されることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
  7. 複数の既設のパスを既設パスP1〜Pnとし、既設パスPk(1≦k≦n)を通じて信号を伝送する伝送装置を伝送装置Rkとし、新たに立ち上がったパスを新規パスP new とし、新規パスP new を通じて信号を伝送する伝送装置を伝送装置R new とした場合、
    前記制御装置は、
    伝送装置R1〜Rnのそれぞれに設定された前記初期ヒストグラム情報が更新された後のヒストグラム情報を一定周期間隔で収集し、
    新規パスP new が立ち上がったことを認識すると、
    新規パスP new の伝送ルートが既設パスPkの伝送ルートと同じである場合には、伝送装置Rkから収集したヒストグラム情報を伝送装置R new に設定し、
    新規パスP new の伝送ルートが既設パスP1〜Pnのどの伝送ルートとも異なる場合には、新規パスP new に対応した新たな初期ヒストグラム情報を生成して、伝送装置R new に設定する、
    ことを特徴とする請求項1記載の通信システム。
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