JP5087427B2 - 切削工具用硬質皮膜 - Google Patents

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Description

本発明は、高硬度鋼の切削加工等に使用する工具に被覆する切削工具用硬質皮膜に関するものである。
従来、金属切削用工具に被覆する硬質耐摩耗皮膜としてTiN,TiCN若しくはTiAlNが使用されてきた。特に、特許文献1及び特許文献2に代表されるTiAlN系皮膜はTiNにAlを添加することで硬度と耐熱性を改良させたもので、耐摩耗性の良さから焼入れ鋼を含む鉄鋼材料を加工するための切削工具用硬質皮膜として広く用いられている。
しかしながら、近年ではさらに高硬度な材料の切削を実現するための工具が求められてきており、TiAlN系皮膜とTiSiN系皮膜とを積層させた特許文献3や特許文献4に開示されるような切削工具用硬質皮膜が提案されている。
特開昭62−56565号公報 特開平2−194159号公報 特許第3248897号公報 特許第3248898号公報
しかしながら、高速度鋼などに代表される高硬度焼入鋼の切削では、上記従来技術のSi含有多層皮膜でも耐摩耗性が充分とはいえず、さらに耐摩耗性能を上げた切削工具用硬質皮膜の開発が求められている。
本発明は、上述のような現状に鑑み、本発明者等が切削工具用硬質皮膜における皮膜組織、皮膜層構成及び皮膜組成について研究した結果、この皮膜組織、皮膜層構成及び皮膜組成を工夫することで上記課題を解決できるとの知見を得て完成したもので、従来の切削工具用硬質皮膜に比し高速度鋼などに代表される高硬度焼入鋼の切削における耐摩耗性が向上する極めて実用性に秀れた切削工具用硬質皮膜を提供するものである。
本発明の要旨を説明する。
基材上に形成される切削工具用硬質皮膜であって、この硬質皮膜は第一皮膜層と第二皮膜層とが交互に各2層以上積層して成る多層皮膜層を含み、前記第一皮膜層は金属成分として少なくともAlとCrとを含み非金属成分としてNを含み不可避不純物を含む皮膜層であり、前記第二皮膜層は金属及び半金属成分として少なくともTiとSiとを含み非金属成分としてNを含み不可避不純物を含む皮膜層であり、前記第一皮膜層及び前記第二皮膜層の夫々一層当りの膜厚は1nm以上20nm以下に設定され、前記多層皮膜層を断面TEM法で観察したとき、前記第一皮膜層の成分と前記第二皮膜層の成分とが混在した組織を有する混在組織部が存在し、この混在組織部の面積が前記多層皮膜層の断面積の5%以上80%以下であることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1記載の切削工具用硬質皮膜において、前記第一皮膜層は金属及び半金属成分が原子%で、
Al(100−x−y−z)Cr(x)V(y)B(z)
ただし、20≦x≦40,2≦y≦15,2≦z≦15
と表され、前記第二皮膜層は金属及び半金属成分が原子%で、
Ti(100−v−w)Cr(v)Si(w)
ただし、5≦v≦30,5≦w≦30
と表されることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1,2いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材と前記多層皮膜層との間には第三皮膜層が設けられ、この第三皮膜層の金属成分または金属成分及び半金属成分は前記第一皮膜層の金属成分または金属成分及び半金属成分と同一であることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材直上には第四皮膜層が設けられ、この第四皮膜層はTiを主成分とする窒化物若しくは炭窒化物から成り、この第四皮膜層の膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1〜3いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材直上には第四皮膜層が設けられ、この第四皮膜層はCrを主成分とする窒化物若しくは炭窒化物から成り、この第四皮膜層の膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記多層皮膜層の表層側には第五皮膜層が設けられ、この第五皮膜層の金属成分及び半金属成分は前記第二皮膜層の金属成分及び半金属成分と同一であることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1〜5いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記多層皮膜層の表層側には第五皮膜層が設けられ、この第五皮膜層の金属成分または金属成分及び半金属成分は前記第一皮膜層の金属成分または金属成分及び半金属成分と同一であることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
また、請求項1〜7いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材はWCを主成分とする硬質粒子とCoを主成分とする結合材からなる超硬合金であって、前記WC粒子の平均粒径が0.1μm〜2μmに設定され、前記Coの含有量が重量%で5〜15%に設定されたものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜に係るものである。
本発明は上述のように構成したから、第一皮膜層と第二皮膜層との層間密着性が高まり、それだけ従来の切削工具用硬質皮膜に比し高速度鋼などに代表される高硬度焼入鋼の切削における耐摩耗性が向上する極めて実用性に秀れた切削工具用硬質皮膜となる。
好適と考える本発明の実施形態を本発明の作用を示して簡単に説明する。
多層皮膜層にして第一皮膜層と第二皮膜層との層間部分に第一皮膜層と第二皮膜層とが混在する混在組織部(図1,2に図示したように第一皮膜層と第二皮膜層とが明確に区別されず、第一皮膜層の成分と第二皮膜層の成分とが混在する部分)が存在するから、第一皮膜層と第二皮膜層との結合が強固となって層間密着性が高まり、それだけ高速度鋼などに代表される高硬度焼入鋼に対する耐摩耗性が向上する。
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
本実施例は、基材上に形成される切削工具用硬質皮膜であって、この硬質皮膜は第一皮膜層と第二皮膜層とが交互に各2層以上積層して成る多層皮膜層を含み、前記第一皮膜層は金属成分として少なくともAlとCrとを含み非金属成分としてNを含み不可避不純物を含む皮膜層であり、第二皮膜層は金属及び半金属成分として少なくともTiとSiとを含み非金属成分としてNを含み不可避不純物を含む皮膜層であり、前記第一皮膜層及び前記第二皮膜層の夫々一層当りの膜厚は1nm以上20nm以下に設定され、前記多層皮膜層を断面TEM法で観察したとき、前記第一皮膜層と前記第二皮膜層とが混在した混在組織部が存在し、この混在組織部の面積が前記多層皮膜層の断面積の5%以上80%以下のものである。
各部を具体的に説明する。
基材は、WC(タングステンカーバイド)を主成分とする硬質粒子とCo(コバルト)を主成分とする結合材とから成る超硬合金製のものが採用されている。具体的には、前記WC粒子の平均粒径が0.1μm〜2μmに設定され、前記Coの含有量が重量%で5〜15%に設定されたものが採用されている。
この基材の直上には、Ti(チタン)を主成分とする窒化物若しくは炭窒化物から成る第四皮膜層が設けられている。この第四皮膜層の膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定されている。尚、第四皮膜層として、Cr(クロム)を主成分とする窒化物若しくは炭窒化物を採用しても良い。この場合も膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定すると良い。
この第四皮膜層の上には、第三皮膜層が設けられている。この第三皮膜層の金属成分または金属成分及び半金属成分は前記第一皮膜層の金属成分または金属成分及び半金属成分と同一に設定されている。本実施例においては、後述するように第一皮膜層が金属成分と半金属成分を含む構成であり、第三皮膜層の金属成分及び半金属成分を第一皮膜層の金属成分及び半金属成分と同一に設定している。
本実施例においては、この第三皮膜層の上に前記第一皮膜層と第二皮膜層とを交互に積層して成る多層皮膜層が設けられている。
第一皮膜層は金属及び半金属成分が原子%で、
Al(100−x−y−z)Cr(x)(y)(z)
ただし、20≦x≦40,2≦y≦15,2≦z≦15
と表され、非金属成分としてNを含むと共に、不可避不純物を含む構成としている。
また、第二皮膜層は金属及び半金属成分が原子%で、
Ti(100−v−w)Cr(v)Si(w)
ただし、5≦v≦30,5≦w≦30
と表され、非金属成分としてNを含むと共に、不可避不純物を含む構成としている。
この多層皮膜層の表層側には、第五皮膜層が設けられ、この第五皮膜層の金属成分,半金属成分及び非金属成分は前記第二皮膜層の金属成分,半金属成分及び非金属成分と同一に設定されている。尚、第五皮膜層の金属成分,半金属成分及び非金属成分は前記第一皮膜層の金属成分,半金属成分及び非金属成分と同一に設定しても良い。
上記構成を採用した理由及び上記構成による作用効果を以下に説明する。
はじめに、Al−Cr−N系皮膜及びTi−Si−N系皮膜の特徴と課題について述べる。特許第3039381号公報などで提案されているAl−Cr−N皮膜は、切削工具用硬質皮膜として従来広く使われてきたTi−Al−N皮膜に対し、TiNの代わりにCrNをベースとすることで耐熱性を向上させたものであり、耐熱性が高く、また、靭性も比較的高いものの、硬度がやや低く、高速度鋼などに代表される高硬度焼入鋼の切削には耐摩耗性が十分とは言えない。一方、Veprekら(S.Christiansen,M.Albrecht,H.P.Strunk,and S.Veprek,J.Vac.Sci.Technol.B16(1),Jan/Feb1998.)によれば、Ti−Si−N皮膜は粒状のTiN微細結晶とSi−N非晶質部が混在した組織となり、非常に高い硬度が得られ、また、耐熱性も高い皮膜であると言われている。しかし、硬度と耐熱性は高いものの靭性がやや低く、高硬度被削材を切削した際、切れ刃に微小チッピングが生じる場合がある。本発明者等は、Al−Cr−N系皮膜の薄い層とTi−Si−N系皮膜の薄い層を積層することで両者の欠点を補い、高硬度被削材に対する耐摩耗性を高めることができると考え、研究を行った。
本発明者等は、Al−Cr−N系皮膜層とTi−Si−N系皮膜層の積層皮膜について、種々の成膜条件で皮膜を作成して研究を行ったところ、皮膜積層部内の層間密着性の良し悪しが被覆工具の耐摩耗性に大きく影響することがわかった。即ち、皮膜積層部内の層間密着性が良いと高硬度被削材に対して良好な耐摩耗性が得られるが、層間密着性が悪いと微小チッピングを伴う工具摩耗形態となり十分な耐摩耗性が得られない。後者の被覆工具は積層部内で微小破壊が生じ、それが起点となって工具摩耗が進行したものと思われる。断面TEM法にて積層部を観察したところ、耐摩耗性が良好な皮膜では、Ti−Si−N系皮膜層とAl−Cr−N系皮膜層が混在した組織の部分が存在することがわかった。多層皮膜層の一部が第一皮膜層と第二皮膜層との混在組織になることで皮膜積層部内の層間密着性が高くなり、その結果、被覆工具の耐摩耗性が良好になったものと考える。本実施例は、この結果をもとに、皮膜積層部の一部が混在組織になるように皮膜組織をコントロールすることで皮膜積層部内の層間密着性を高くし、耐摩耗性に優れた切削工具用多層型硬質皮膜を提供するものである。皮膜積層部断面に閉める混在組織の割合が少なすぎると層間密着性を向上させる効果が低くなり、一方、混在組織の割合が多すぎると耐熱性がやや低下するので、混在組織の割合を5%以上80%以下にすることが望ましい。混在組織の生成メカニズムについては今後の研究が待たれるところであるが、ドロップレットと呼ばれる微小金属粒子の皮膜への取り込みが影響しているように思われる。ドロップレットの密度を適切にコントロールすることで、ある程度、混在組織の割合を制御することができるようである。また、明確には判明していないが、混在組織部はAl−Cr−Ti−Si−N系物質のマトリックスにTiNを主成分とする微細結晶が分散した組織になっているものと推定される。混在組織部は第一皮膜層と第二皮膜層の境界が不明瞭となっているところに特徴がある。
次に、第一皮膜層及び第二皮膜層の夫々一層当りの膜厚について述べる。一層当りの膜厚を1nm未満とすると、第一皮膜層と第二皮膜層とが混在しやすくなり、前記ドロップレットの密度に関わらず第一皮膜層と第二皮膜層との混在組織の割合が80%を超える傾向となり、耐熱性が低下してしまう。一方、一層当りの膜厚を20nmより厚くすると、第二皮膜層が厚くなり過ぎて積層皮膜全体の靭性を十分に高くすることが出来ない。また、第一皮膜層についても、薄くし過ぎると積層皮膜全体の靭性が高くならず、厚くし過ぎると積層皮膜全体の硬度が低くなる。以上のことから、第一皮膜層及び第二皮膜層の夫々一層当りの膜厚を1nm以上20nm以下とすることが望ましい。
次に、第一皮膜層の組成について述べる。本実施例は金属及び半金属成分として少なくともAlとCrを含み非金属成分としてNを含む組成を発明の範囲としており、AlCrNをベースとしている。本発明者等は、AlCrN皮膜に種々の第3元素を入れた皮膜について研究し、V及びBを所定量含有させることで鉄鋼材料に対する耐摩耗性を向上できることを発見した。皮膜の硬度と潤滑性が改善されたためと考える。金属及び半金属のみの原子%でB量が2%に満たない場合その効果は小さいが、2%以上で硬度の向上効果が現れる。そして、B含有量が15%を超えると硬度の値はあまり変化しなくなる。BはAlやCrに比べて高価な元素であるので、皮膜硬度と経済性を考慮すると、金属及び半金属のみの原子%で2%以上、15%以下の組成範囲でBを含有させることが望ましい。また、Vの含有については、その含有量を多くすると皮膜の潤滑性が向上する。金属及び半金属のみの原子%でV量が2%に満たない場合その効果は小さいが、2%以上で潤滑性の向上効果が現れ、その皮膜を被覆した工具の鉄鋼材料に対する耐摩耗性が向上する。一方、V含有量を多くしすぎると皮膜の硬度が低下し、鉄鋼材料に対する耐摩耗性が低下してくる。また、VはAlやCrに比べて極めて高価な元素であるので、皮膜の潤滑性及び硬度と経済性とを考慮すると、金属及び半金属のみの原子%で2%以上、15%以下の組成範囲でVを含有させることが望ましい。
次に、第二皮膜層の組成について述べる。本実施例は、金属成分及び半金属成分として少なくともTiとSiを含み非金属成分としてNを含むものとしているが、そのベースとなるのはTiSiNである。本発明者等はTiSiNをベースに、皮膜の耐摩耗性をさらに向上すべく、様々な種類の第3元素の添加を試みた。その結果、Crを所定量含有させることで潤滑性が向上し、皮膜の耐摩耗性が向上することを確認した。即ち、金属及び半金属のみの原子%でCr量が5%に満たない場合、その効果は小さいが、5%以上で潤滑性の向上効果が現れ、その皮膜を被覆した超硬合金基材切削工具の高硬度被削材に対する耐摩耗性が向上することが確認された。また、Cr含有量を多くしすぎると皮膜の硬度が低下し、その皮膜を被覆した超硬合金基材切削工具の高硬度被削材に対する耐摩耗性が低下してくることも確認された。これらのことから、Crの含有量は金属及び半金属のみの原子%で5%以上30%以下が望ましい。一方、Siの含有については、その含有量を多くすると、皮膜の耐酸化性と硬度が向上する。すなわち、金属及び半金属のみの原子%でSi量が5%に満たない場合、その効果は小さいが、5%以上で耐酸化性と硬度の向上効果が現れ、その皮膜を被覆した超硬合金基材切削工具の高硬度被削材に対する耐摩耗性が向上することが確認された。また、Si含有量を多くしすぎると、その皮膜を被覆した超硬合金基材切削工具の高硬度被削材に対する耐摩耗性が低下してくることも確認された。これは、Si量が多すぎると、皮膜の内部応力が大きくなりすぎることで、皮膜内に微小亀裂が生じやすくなるためと考える。これらのことから、Siの含有量は金属及び半金属のみの原子%で5%以上30%以下が望ましい。
次に、第三皮膜層について述べる。本発明者等は超硬合金製切削工具に多層皮膜層を被覆して切削試験を試みたが、切削時に皮膜剥離が生じてしまう場合があることを確認した。超硬合金基材と皮膜との密着性が十分でないためと考えられる。そこで、超硬合金基材と多層皮膜層との間に第三皮膜層を形成し、第三皮膜層の金属成分及び半金属成分を第一皮膜層の金属成分及び半金属成分と同一の組成としたところ、切削時の皮膜剥離が格段に低減した。第三皮膜層を形成したことで、超硬合金基材と皮膜との密着性が大幅に向上したものと考えられる。第三皮膜層の膜厚については特に限定するものではないが、薄すぎると密着性向上の効果が現れにくいので、膜厚を0.1μm以上とすることが望ましい。
皮膜剥離を低減するための別の方策として、基材との密着性に優れたTi系あるいはCr系の窒化物若しくは炭窒化物(第四皮膜層)を基材直上に形成させても良い。基材の直上に第四皮膜層を形成しその上に多層皮膜層を形成しても、膜剥離が大幅に低減する。より好ましい皮膜構成は、基材の直上に第四皮膜層を形成し、その上に第三皮膜層を形成し、さらにその上に多層皮膜層を形成した構成である。第四皮膜層の膜厚は、その上に第三皮膜層を形成する場合には比較的膜厚が薄くても基材との密着性向上の効果が現れるが、その場合でも0.01μm以上の厚さがあることが望ましい。また、第四皮膜層の目的は基材との密着性向上効果にあるので、膜厚を厚くしすぎる必要もなく、膜厚を0.5μm以下にすることが望ましい。
次に、第五皮膜層について述べる。本発明者等は、最表層部にAl−Cr−N系皮膜(金属成分及び半金属成分が第一皮膜層と同一の組成)またはTi−Si−N系皮膜(金属成分及び半金属成分が第二皮膜層と同一の組成)を形成することで、被削材の種類によっては、被覆工具の耐摩耗性をさらに少し高められる場合があることを確認した。65HRCに熱処理されたSKH51材(高速度鋼)に対しては、Ti−Si−N系皮膜を最表部に形成することで被覆工具の耐摩耗性がやや向上した。一方、53HRCに熱処理されたSTAVAX材に対してはAl−Cr−N系皮膜を最表部に形成することで被覆工具の耐摩耗性が少し向上した。前述した通り、Al−Cr−N系皮膜は靭性が比較的高いものの硬度がやや低く、Ti−Si−N系皮膜は硬度が高いものの靭性がやや低い特徴がある。詳細なメカニズムは不明であるものの、最表部に第五皮膜層を設けることで、これらの特徴が被覆工具の耐摩耗性に良い効果をもたらしたものと思われる。第五皮膜層の膜厚については特に限定するものではないが、薄くしすぎるとその効果が現れにくく、また、厚くしすぎると硬度の低さ(Al−Cr−N系皮膜)や靭性の低さ(Ti−Si−N系皮膜)が現れてくるので、0.1μm以上1μm以下にすることが望ましい。
本実施例の硬質皮膜は鉄鋼材料用切削工具向けに発明されたものであるが、その基材としては、WCを主成分とする硬質粒子とCoを主成分とする結合材からなる超硬合金が、鉄鋼材料用切削工具として硬度と靭性のバランスが取れた材料であることから望ましい。WC粒子の平均粒径を小さくしすぎると、結合材中にWC粒子を均一に分散させることが難しくなり、超硬合金の抗折力低下を引き起こしやすい。一方、WC粒子を大きくしすぎると超硬合金の硬度が低下する。また、Co含有量を少なくしすぎると超硬合金の抗折力が低下し、逆にCo含有量を多くしすぎると超硬合金の硬度が低下する。そのため、WC粒子の平均粒径が0.1μm〜2μmであり、Co含有量が重量%で5〜15%の超硬合金を基材とすることが望ましい。
本実施例は上述のように構成したから、多層皮膜層に第一皮膜層と第二皮膜層が混在する混在組織部が所定量存在することにより、第一皮膜層と第二皮膜層との層間密着性が高まり、それだけ高速度鋼などに代表される高硬度焼入鋼に対する耐摩耗性が向上する。
特に、本実施例は、基材上に、第四皮膜層、第三皮膜層、多層皮膜層、第五皮膜層を順次積層し、多層皮膜層の基材側及び表層側に夫々更に所定の特性を有する皮膜層を設けている。即ち、膜応力が大きくなる皮膜の基材側に靱性に秀れた皮膜層を配すると共に、被切削物と接触する表層側に硬度に秀れた皮膜層を配することで、皮膜が基材から剥離し難く且つ表層が摩耗し難くなり、極めてチッピングが生じ難いものとなる。
従って、本実施例は、第一皮膜層と第二皮膜層との層間密着性が高まり、それだけ従来の切削工具用硬質皮膜に比し高速度鋼などに代表される高硬度焼入鋼の切削における耐摩耗性が向上する極めて実用性に秀れた切削工具用硬質皮膜となる。
以下、本実施例の効果を裏付ける実験例について説明する。
[実験例1]
実験例1では、成膜装置としてアーク放電式イオンプレーティング装置を用い、金属及び半金属成分の蒸発源としてAl60Cr27及びTi62Cr15Si23ターゲットを成膜装置内に取り付け、また、反応ガスとしてNガスを成膜装置内に導入し、ガス圧を6Pa、バイアス電圧を−100V、基材温度600℃として、成膜基材としての超硬合金板に成膜した。成膜装置内に2種類のターゲットを互いに向かい合うように配置し、その中央部に成膜基材をセットして回転速度3min−1で回転させた(回転軸はターゲット面と平行)。成膜初期はTi62Cr15Si23ターゲットの放電をOFFにして、超硬基板直上に(Al60Cr27)N(第三皮膜層)を形成し、次に、Ti62Cr15Si23ターゲットの放電もONにして(Al60Cr27ターゲットとTi62Cr15Si23ターゲットの同時放電)、(Al60Cr27)N(第一皮膜層)と(Ti62Cr15Si23)N(第二皮膜層)とを基材の回転に伴って交互に積層し多層皮膜層を形成した。図1,図2の積層部で相対的に黒くみえる層が第二皮膜層、相対的に白くみえる層が第一皮膜層である。TEM像から、積層部の一部に第一皮膜層と第二皮膜層とが混在した組織が存在することが確認できる。この混在組織を積層部に導入することで、多層皮膜層の層間密着性を大幅に改良することができ、それにより被覆工具の耐摩耗性の向上を実現している。
[実験例2]
実験例2では、成膜装置としてアーク放電式イオンプレーティング装置を用い、金属及び半金属成分の蒸発源として各種組成のターゲットを成膜装置内に取り付け、また、反応ガスとしてNガス、CHガスのうち、1種類もしくは2種類のガスを成膜装置内に導入して、成膜基材としての超硬合金製2枚刃ボールエンドミル(外径3mm)に所定の皮膜を成膜した。3種類のターゲットが取り付けられる成膜装置を使用し、2種類または3種類のターゲットを取り付けて成膜を行った。成膜に当たっては、ガス圧6Pa、バイアス電圧−30V〜−200V、基材温度500℃〜600℃の条件とし、全皮膜の膜厚が3.0〜4.0μmになるように基材エンドミルに成膜した。所定の皮膜を被覆したエンドミルを用いて、次の切削条件で切削試験を行い、エンドミル逃げ面の摩耗幅を測定した。即ち、被削材をSKH51焼入材(65HRC)とし、外径3mmのエンドミルを19000min−1の回転速度で回転させ、送り速度1440mm/min、切り込み量Ad=0.15mm、Pf=0.45mmとし、エアーブローをクーラントとして試験を行った。切削試験の結果を表1に示す。
尚、No.8,11,12の第四皮膜層(TiCN)は、基材直上部のC量を0、即ちTiNとし、表層部に向けて徐々にC量を増やしながら成膜した。また、No.9の第四皮膜層(CrCN)は、基材直上部のC量を0、即ちCrNとし、表層部に向けて徐々にC量を増やしながら成膜した。
また、No.1〜9の実施例では、多層皮膜層の断面TEM像に第一皮膜層と第二皮膜層とが混在した組織の部分が存在し、その混在組織部の面積が多層皮膜層の断面積の5%以上80%以下であった。尚、No.10の比較例では、多層皮膜層の断面TEM像に第一皮膜層と第二皮膜層とが混在した組織を確認することができなかった。
表1では実施例とともに、従来の硬質皮膜や実施例の範囲外の硬質皮膜を実施例と同様な手段で被覆したエンドミルで切削試験を行った結果を比較例として記載している。
表1から、本実施例は比較例に比べてエンドミル逃げ面摩耗幅の低減、すなわち、高硬度焼入鋼に対する耐摩耗性の向上が認められる。
本実施例の要部の説明断面図である。 本実施例の要部の拡大説明断面図である。

Claims (8)

  1. 基材上に形成される切削工具用硬質皮膜であって、この硬質皮膜は第一皮膜層と第二皮膜層とが交互に各2層以上積層して成る多層皮膜層を含み、前記第一皮膜層は金属成分として少なくともAlとCrとを含み非金属成分としてNを含み不可避不純物を含む皮膜層であり、前記第二皮膜層は金属及び半金属成分として少なくともTiとSiとを含み非金属成分としてNを含み不可避不純物を含む皮膜層であり、前記第一皮膜層及び前記第二皮膜層の夫々一層当りの膜厚は1nm以上20nm以下に設定され、前記多層皮膜層を断面TEM法で観察したとき、前記第一皮膜層の成分と前記第二皮膜層の成分とが混在した組織を有する混在組織部が存在し、この混在組織部の面積が前記多層皮膜層の断面積の5%以上80%以下であることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  2. 請求項1記載の切削工具用硬質皮膜において、前記第一皮膜層は金属及び半金属成分が原子%で、
    Al(100−x−y−z)Cr(x)V(y)B(z)
    ただし、20≦x≦40,2≦y≦15,2≦z≦15
    と表され、前記第二皮膜層は金属及び半金属成分が原子%で、
    Ti(100−v−w)Cr(v)Si(w)
    ただし、5≦v≦30,5≦w≦30
    と表されることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  3. 請求項1,2いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材と前記多層皮膜層との間には第三皮膜層が設けられ、この第三皮膜層の金属成分または金属成分及び半金属成分は前記第一皮膜層の金属成分または金属成分及び半金属成分と同一であることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  4. 請求項1〜3いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材直上には第四皮膜層が設けられ、この第四皮膜層はTiを主成分とする窒化物若しくは炭窒化物から成り、この第四皮膜層の膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  5. 請求項1〜3いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材直上には第四皮膜層が設けられ、この第四皮膜層はCrを主成分とする窒化物若しくは炭窒化物から成り、この第四皮膜層の膜厚は0.01μm〜0.5μmに設定されていることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  6. 請求項1〜5いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記多層皮膜層の表層側には第五皮膜層が設けられ、この第五皮膜層の金属成分及び半金属成分は前記第二皮膜層の金属成分及び半金属成分と同一であることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  7. 請求項1〜5いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記多層皮膜層の表層側には第五皮膜層が設けられ、この第五皮膜層の金属成分または金属成分及び半金属成分は前記第一皮膜層の金属成分または金属成分及び半金属成分と同一であることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
  8. 請求項1〜7いずれか1項に記載の切削工具用硬質皮膜において、前記基材はWCを主成分とする硬質粒子とCoを主成分とする結合材からなる超硬合金であって、前記WC粒子の平均粒径が0.1μm〜2μmに設定され、前記Coの含有量が重量%で5〜15%に設定されたものであることを特徴とする切削工具用硬質皮膜。
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