JP5084866B2 - 有機排水の処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えばうどんのゆで汁、米のとぎ汁等の有機排水を処理する処理装置に関する。
環境水の水質基準を確保するため、下水道や排水施設の整備が進められている。水質汚濁防止法等においては、工業・事業場排水規制の対象となる特定事業場を当該事業場の排水量(50m/日以上)で特定し、排水規制が行われている。しかしながら、最近になって、上記規制の係らない小規模事業所の排水による水質汚濁が問題となっている。
たとえば、香川県では、うどん店のうどんのゆで汁を含む排水等により、河川の水質が悪化するという問題が生じている。そのため、香川県では、うどん店や製麺業者等の小規模事業所(排水量10m/日以上)についても排水規制の対象とするべく、生活環境の保全に関する条例が平成21年に改正された。
うどん店の排水はでんぷんを多く含むためにTOC(全有機炭素)、BOD(生物化学的酸素要求量)及びCOD(化学的酸素要求量)が高く、高負荷であること、そして、高温のゆで汁を含むために排水温が高いことが特徴である。したがって、このような排水の特徴に適応した排水処理装置が求められている。
そこで、本願出願人は、でんぷんを含む排水として、たとえば、麺類の製造時に発生する排水や米のとぎ汁を主とする有機排水を処理対象とする有機排水の処理装置について提案している(特願2009−3815号、平成21年1月9日出願)。この処理装置は、主に好気性処理槽と生物濾過槽とからなり、これらの好気性処理槽及び生物濾過槽に散気装置を設けて両槽内での有機物分解能を向上させると共に、好気性処理槽と生物濾過槽に亘り処理水が循環するように形成したものである。
また、特許文献1には、特定の種の生澱粉分解酵母又は細菌を担体に固定させて得られたバイオリアクター及び該バイオリアクターからなる排水処理システムが記載されている。
特開2000−107793号公報
特願2009−3815号に記載された有機排水の処理装置では、排水は好気性処理槽と生物濾過槽とで曝気されるが、排水はこれらの槽を循環することで、徐々に有機物が分解されて処理される。それゆえ、著しく高負荷な排水が多量に処理槽内に導入された場合には、有機物の分解が追い付かずにでんぷんの中間分解生成物である有機酸が発生し、処理水のpHが低下したり、COD濃度に比してTOC濃度が高くなる可能性を有する。
特許文献1に記載されたバイオリアクターでは、特定の種の酵母又は細菌のもつ生澱粉分解能を利用した浄化を目的としている。そのため、排水処理能力は固定されている酵母又は細菌の状態に影響を受けて変化しやすい。それゆえ、処理時間の経過とともに有用でない他の細菌が担体に優占的に固定されて生澱粉分解能が低下したり、担体に固定された特定の酵母等の状態が悪くなると再固定されるまでに時間がかかり、排水処理が長期間滞る可能性がある。
本発明は上述した点に鑑み案出されたもので、その目的はでんぷん等が多く含まれる高負荷な排水が流入した場合においても、効率のよい排水処理を安定して行うことのできる有機排水の処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明の有機排水の処理装置は、有機排水の好気性処理を行う第1の処理手段と、第1の処理手段で好気性処理された処理水の濾過処理を行う第2の処理手段と、第1の処理手段で好気性処理された処理水のさらなる好気性処理を行う第3の処理手段とを少なくとも備え、第2の処理手段で濾過処理された処理水の少なくとも一部を第1の処理手段に戻すように構成され、第3の処理手段でさらなる好気性処理された処理水の少なくとも一部を第1の処理手段に戻すように構成されている。
第1の処理手段において、処理すべき有機排水の好気性処理が行われる。この第1の処理手段において好気性処理され、第3の処理手段でさらなる好気性処理が施された処理水の少なくとも一部が第1の処理手段に戻り、その結果、第1の処理手段に存在している処理水のTOC、BOD又はCOD等の濃度が低減される。そのため、有機排水の浄化処理の時間を長くとることができると共に、各処理手段における単位体積あたりのTOC等の有機物負荷が減少して効率よく好気性処理を行うことができ、充分に有機排水を浄化することができる。
また、第2の処理手段において濾過処理が施された処理水の少なくとも一部は第1の処理手段に戻り、第1の処理手段と第2の処理手段との間で処理水が循環するように構成されている。そのため、水中に含まれる浮遊物質(SS)等が第2の処理手段に備えられた濾過材に吸着除去されて、濁度の低い処理水を得ることができると共に、有機排水の好気性処理の時間を長くとることができる。
第1の処理手段及び第3の処理手段に微生物固定担体が配置され、かつ、第1の処理手段及び第3の処理手段の処理水は、各処理手段の下部に設けられた排出部から引き抜かれて移送されるように構成されていることが好ましい。
好気性処理が行われる第1の処理手段及び第3の処理手段に配置された微生物固定担体に微生物が担持され、好気性処理を行う微生物の流出を防ぐ。また、第1の処理手段及び第3の処理手段からの処理水は各処理手段の下部に設けられた排出部から引き抜かれて移送されるが、このとき、各処理手段に発生した余剰汚泥も処理水の移送と共に引き抜かれる。そのため、装置の維持管理において、各処理手段の余剰汚泥を排出する必要がなく、メンテナンスを容易にすることができる。
第1の処理手段に供給される有機排水中に含まれるでんぷんの酵素分解処理を行う前処理手段を備えることも好ましい。
前処理手段では、有機排水に含まれるでんぷんの酵素分解処理が行われる。この酵素分解処理により、有機排水中に含まれるでんぷん(炭水化物)がでんぷんよりも分子量の小さい糖類等に変換され、後の第1の処理手段での好気性処理において有機物が効率よく分解される。
さらに、本発明の有機排水の処理装置は、有機排水の好気性処理を行う第一好気性処理槽と、第一好気性処理槽に接続されている、第一好気性処理槽から移送される好気性処理された処理水のさらなる好気性処理を行う第二好気性処理槽と、第二好気性処理槽に接続されている、第二好気性処理槽から移送されるさらなる好気性処理された処理水の濾過処理を行う濾過処理槽と、第二好気性処理槽に接続されている、第二好気性処理槽から移送されるさらなる好気性処理された処理水の好気性処理を行う第三好気性処理槽とを備え、濾過処理槽によって濾過処理された処理水の少なくとも一部を第二好気性処理槽に戻すように構成され、第三好気性処理槽によって好気性処理された処理水の少なくとも一部を第一好気性処理槽に戻すように構成され、第三好気性処理槽によって好気性処理された処理水の一部を外部へ排出するように構成されている。
第一好気性処理槽に処理すべき有機排水が流入し、好気性処理が行われる。この第一好気性処理槽において好気性処理され、第二好気性処理槽でさらなる好気性処理が施され、加えて第三好気性処理槽にて好気性処理が施された処理水の少なくとも一部が第一好気性処理槽に戻り、その結果、第一好気性処理槽に存在している処理水のTOC、BOD又はCOD等の濃度が低減される。そのため、有機排水の好気性処理の時間を長くとることができると共に、各好気性処理槽における単位体積あたりのTOC等の有機物負荷が減少して効率よく好気性処理を行うことができ、充分に有機排水を浄化することができる。
また、濾過処理槽において濾過処理が施された処理水の少なくとも一部は再び第二好気性処理槽に戻り、好気性処理が行われる第二好気性処理槽と濾過処理が行われる濾過処理槽との間で処理水が循環するように構成されている。そのため、水中に含まれる浮遊物質(SS)等が濾過処理槽内の濾過材に吸着除去されて、濁度の低い処理水を得ることができると共に、有機排水の好気性処理の時間を長くとることができる。
第一好気性処理槽、第二好気性処理槽及び第三好気性処理槽には微生物固定担体が配置され、かつ、第一好気性処理槽、第二好気性処理槽及び第三好気性処理槽から移送される処理水は、各槽の下部に設けられた排出部から引き抜かれて移送されるように構成されていることが好ましい。
好気性処理が行われる第一好気性処理槽、第二好気性処理槽及び第三好気性処理槽に配置された微生物固定担体に微生物が担持され、好気性処理を行う微生物の流出を防ぐ。また、これらの好気性処理槽からの処理水は各槽の下部に設けられた排出部から引き抜かれて移送されるが、このとき、各槽で発生した余剰汚泥も処理水の移送と共に引き抜かれる。そのため、装置の維持管理において、各槽の余剰汚泥を排出する必要がなく、メンテナンスを容易にすることができる。
第一好気性処理槽に接続されており、有機排水中に含まれるでんぷんの酵素分解処理を行う前処理槽を備えることも好ましい。
前処理槽では、有機排水に含まれるでんぷんの酵素分解処理が行われる。この酵素分解処理により、有機排水中に含まれるでんぷん(炭水化物)がでんぷんよりも分子量の小さい糖類等に変換され、後の第一好気性処理槽における好気性処理で有機物が効率よく分解される。
本発明によれば、以下のような優れた効果を有する有機排水の処理装置を提供することができる。
(1)第3の処理手段からの処理水を第1の処理手段に戻すことで、第1の処理手段内の全TOC(有機性炭素)等の濃度を低くし、各処理手段における単位体積あたりの有機物負荷を低減させて効率よく好気性処理を行うことができると共に、好気性処理の時間を長くとり、充分に有機排水を浄化することができる。
(2)第1の処理手段と第2の処理手段との間で処理水が循環することにより、水中に含まれる浮遊物質(SS)等が第2の処理手段内部に備えられた濾過材に吸着除去され、濁度の低い処理水が得られる。
(3)微生物固定担体に微生物が担持されているため、好気性処理を行う微生物が槽内に維持されると共に、第1の処理手段及び第3の処理手段に発生した余剰汚泥は処理水の移送と共に引き抜かれるため、各処理手段に発生する余剰汚泥を引き抜き清掃する必要がなく、装置の維持管理を容易にすることができる。
(4)でんぷんの酵素分解処理を行う前処理手段にて、有機排水中に含まれるでんぷんが糖類に変換されるため、のちの好気性処理において効率のよい有機物の分解が行われる。
(5)第三好気性処理槽からの処理水を第一好気性処理槽に戻すことで、第一好気性処理槽内の全TOC(有機性炭素)等の濃度を低くし、各好気性処理槽における単位体積あたりの有機物負荷を低減させて効率よく好気性処理を行うことができると共に、好気性処理の時間を長くとり、充分に有機排水を浄化することができる。
(6)第二好気性処理槽と濾過処理槽との間で処理水が循環することにより、水中に含まれる浮遊物質(SS)等が濾過処理槽内の濾過材に吸着除去され、濁度の低い処理水が得られる。
(7)微生物固定担体に微生物が担持されているため、好気性処理を行う微生物が槽内に維持されると共に、第一好気性処理槽、第二好気性処理槽及び第三好気性処理槽で発生した余剰汚泥は処理水の移送と共に引き抜かれるため、各好気性処理槽に発生する余剰汚泥を引き抜き清掃する必要がなく、装置の維持管理を容易にすることができる。
(8)でんぷんの酵素分解処理を行う前処理槽にて、有機排水中に含まれるでんぷんが糖類に変換されるため、のちの好気性処理において効率のよい有機物の分解が行われる。
本発明の第一の実施形態に係る有機排水の処理装置の全体構成を概略的に示すブロック図である。 図1の実施形態における有機排水の処理装置の全体構成をより詳細に示す構成図である。 図1の実施形態における第一好気性処理槽での酵素分解処理にかかる説明図である。 図1の実施形態における第一好気性処理槽での好気性処理にかかる説明図である。 図1の実施形態における第二好気性処理槽での好気性処理にかかる説明図である。 図1の実施形態における第二好気性処理槽と濾過処理槽との間の処理水の循環を示す説明図である。 図1の実施形態における第三好気性処理槽での好気性処理にかかる説明図である。 本発明の第二の実施形態に係る有機排水の処理装置の全体構成を概略的に示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、本発明の第一の実施形態における有機排水の処理装置1は、流入した有機排水Wについて好気性処理を行う第一好気性処理槽2を備える。また、この処理装置1は、第一好気性処理槽2で好気性処理され、その下部から排出された処理水Wのさらなる好気性処理を行う第二好気性処理槽3と、その第二好気性処理槽3の下部から排出された処理水Wの濾過処理を行う濾過処理槽4とを備える。後述するように、本実施形態における濾過処理槽は、濾過処理槽4a及び濾過処理槽4bの2槽から構成されている(図2)。この濾過処理槽4からの処理水Wは第二好気性処理槽3に戻り、第二好気性処理槽3と濾過処理槽4との間を循環するように構成されている。さらに、処理装置1は、第二好気性処理槽3でさらなる好気性処理された処理水Wの好気性処理を行う第三好気性処理槽5を備える。この第三好気性処理槽5で好気性処理され、その下部から排出された処理水Wの少なくとも一部は第一好気性処理槽2に戻るように構成されている。第三好気性処理槽5での好気性処理により浄化され、この第三好気性処理槽5の上部からオーバーフローした処理水Wは外部に排出される。
処理装置1の処理対象たる処理すべき有機排水Wとは、特に限定されるものではないが、高負荷な排水であって、例えば、でんぷんを含むうどん等の麺類のゆで汁、米のとぎ汁又はその他食品の製造時に発生する排水が挙げられる。
次に、図2を用いて、本実施形態における処理装置1の全体構成をより詳細に説明する。本実施形態における処理装置1に備えられた第一好気性処理槽2には、好気性処理を行うための散気装置20と槽内の水温を測定する温度センサ21と微生物固定担体22とが設けられている。この散気装置20はブロワ管81を介してブロワ8に接続されている。さらに、第一好気性処理槽2には、処理水Wを排出する排出部23と処理すべき有機排水等が流入する流入部24とが設けられている。そして、第一好気性処理槽2の下部に設けられた排出部23は流路Lに接続されており、第一好気性処理槽2の上部に設けられた流入部24は流路Lに接続されている。この流路Lは、電磁弁、流路L及びポンプPを介して有機排水Wが流入する流路Lと、第三好気性処理槽5からの処理水Wが流入する流路Lに電磁弁、流路L、ポンプP、流路L及び電磁弁を介して接続されている。以上述べた及び以下に述べる流路は、有機排水Wや処理水W〜Wを移送できるものであればよく、例えば、パイプ又はホース等から構成される。
図2に示すように、本実施形態の処理装置1には、有機物を分解する酵素液71を第一好気性処理槽2に添加することができる酵素添加装置7が設けられている。酵素添加装置7は、酵素液71を収容している薬液タンク70と、この薬液タンク70から第一好気性処理槽2へ酵素液71を移送するパイプ72とパイプ72に設置されるポンプ73とから主に構成されている。ここで用いられる酵素とは、主にでんぷん分解酵素であるアミラーゼが用いられるが、有機排水に含まれる成分により適宜選択され、蛋白質分解酵素であるプロテアーゼや油脂分解酵素であるリパーゼ等も用いることができる。
図2に示す処理装置1に備えられた第二好気性処理槽3について説明する。第二好気性処理槽3には、好気性処理を行うための散気装置30と槽内の水温を測定する温度センサ31と微生物固定担体32とが設けられている。この散気装置30はブロワ管82を介してブロワ8に接続されている。さらに、第二好気性処理槽3には、処理水Wを排出する排出部33及び34が設けられ、第一好気性処理槽2からの処理水W及び濾過処理槽4bからの処理水W3bが流入する流入部35並びに濾過処理槽4aからの処理水W3aが流入する流入部36が設けられている。そして、第二好気性処理槽3の下部に設けられた排出部33は流路Lに接続されており、排出部34は流路L12に接続されている。また、第二好気性処理槽3の上部に設けられた流入部35は流路Lに接続されており、この流路Lは、第一好気性処理槽2からの処理水Wが流入する流路Lに電磁弁、流路L、ポンプP及び電磁弁を介して接続されていると共に、濾過処理槽4bからの処理水W3bが戻る流路L11とも接続されている。さらに流入部36は、濾過処理槽4aからの処理水W3aが戻る流路L15に電磁弁を介して接続されている。
次に、図2に示す本実施形態における処理装置1に備えられた濾過処理槽4a及び4bについて説明する。本実施形態においては、濾過処理槽が2槽備えられているが、濾過処理槽の数は特に限定されず、濾過材の種類等による濾過処理の能力等により選択される。濾過処理槽4aには、濾過処理を行うための濾過材40aが備えられている。濾過材40aは、特に限定されないが、表面に凹凸があり物質を吸着できるものであればよく、具体的には燻炭や活性炭等が挙げられる。さらに、濾過処理槽4aには、処理水W3aを排出する排出部41aと第二好気性処理槽3からの処理水Wが流入する流入部42aとが設けられている。そして、濾過処理槽4aの下部に設けられた排出部41aは流路L15に接続されている。また、濾過処理槽4aの上部に設けられた流入部42aは流路L14に接続されており、この流路L14は、第二好気性処理槽3からの処理水Wが流入する流路L12に電磁弁、流路L13、電磁弁、流路L、ポンプP及び電磁弁を介して接続されている。
他方、濾過処理槽4bにも濾過処理槽4aと同様に、濾過材40bが備えられ、処理水W3bを排出する排出部41bと第二好気性処理槽3からの処理水Wが流入する流入部42bとが設けられている。そして、濾過処理槽4bの下部に設けられた排出部41bは流路L11に接続されている。また、濾過処理槽4bの上部に設けられた流入部42bは流路L10に接続されており、この流路L10は、第二好気性処理槽3からの処理水Wが流入する流路Lに電磁弁、流路L、ポンプP及び電磁弁を介して接続されている。
最後に、図2に示す本実施形態の処理装置1に備えられた第三好気性処理槽5について説明する。第三好気性処理槽5には、好気性処理を行うための散気装置50と微生物固定担体51とが設けられている。この散気装置50はブロワ管83を介してブロワ8に接続している。さらに、第三好気性処理槽5には、処理水Wを排出すると共に第二好気性処理槽3からの処理水Wを流入する流入部52が設けられ、処理水Wをオーバーフローにより排出する排出部53が設けられている。そして、第三好気性処理槽5の下部に設けられた排出部52は流路Lに接続されており、この流路Lは、電磁弁、流路L16、電磁弁、流路L、ポンプP及び電磁弁を介して第二好気性処理槽3からの処理水Wが流れる流路L12に接続されている。さらに、第三好気性処理槽5の上部に設けられた排出部53は流路L17に接続されている。
次に、本実施形態における処理装置1の動作を図3〜図7に基づいて説明する。
図3に示すように、処理すべき有機排水Wは、有機排水の供給口からポンプPにより汲み上げられて流路L、流路L、制御装置(図示せず)によって制御される電磁弁及び流路Lを通り、第一好気性処理槽2の流入部24より流入する。以上述べた及び以下に述べる有機排水Wや処理水W〜Wを移送する流路L〜L17による経路は、制御装置によって制御される電磁弁により、流路L〜L17が切り替わることで構成される。有機排水Wが第一好気性処理槽2に溜まると、でんぷん分解酵素液71が酵素添加装置7より添加され、有機排水W中に含まれるでんぷんの酵素分解処理が行われる。この酵素分解処理により、有機排水中に含まれるでんぷん(炭水化物)がでんぷんよりも分子量の小さい糖類等に変換される。それゆえ、引き続き行われる好気性処理において有機物が効率よく分解される。
処理すべき有機排水Wに麺類のゆで汁が含まれる等して排水の温度が比較的高い場合には、でんぷん分解酵素の酵素活性が高くなるため、酵素分解処理をより効率よく進ませることができる。第一好気性処理槽2内の水温は温度センサ21でモニタされており、この温度センサ21からの信号は制御装置に転送され、一定の温度に槽内の水温が低下するまで、後述する第三好気性処理槽5からの処理水Wの流入を待機状態とし、第一好気性処理槽2での酵素分解反応を維持するように制御される。例えば、60℃程度の排水が第一好気性処理槽に流入した場合、排水温が約40℃に下がるまで、制御装置により第三好気性処理槽5からの処理水Wの第一好気性処理槽2への流入は行われないよう制御され、上記温度範囲におけるでんぷん分解酵素による分解処理が効率よく行われるように制御されている。
なお、上述した酵素による分解処理は必ず行う必要はなく、排水中に含まれる成分によって適宜選択されうる。また、例えば、蛋白質や油脂を多く含むような有機排水については、上記のでんぷん分解酵素に変えて蛋白質分解酵素やリパーゼ等を用い酵素分解処理を行うこともできる。
そして、図4に示すように、酵素分解処理が行われた後には、引き続いて第一好気性処理槽2にて好気性処理が行われる。このとき、第三好気性処理槽5からの処理水Wが流路Lから電磁弁、流路L、ポンプP、流路L、電磁弁及び流路Lを通り、第一好気性処理槽2の流入部24より流入する。この処理水Wの第一好気性処理槽への流入は電磁弁及びポンプP等を通じて制御装置で制御され、一定の水位に達するまで流入される。この処理水Wは、第一好気性処理及び第二好気性処理、第三好気性処理が施されていることから、処理水W中のTOC、BOD又はCOD等の濃度は、処理すべき有機排水Wに含まれるものと比べて低い。そのため、第一好気性処理槽2内の有機排水中のTOC、BOD又はCOD等の濃度が低減し、第一好気性処理槽における単位体積あたりの有機物負荷が減少する。
このように、第一好気性処理槽2では、満たされている有機排水W及び処理水Wについて、散気装置20による曝気が行われ、好気性処理が行われる。好気性処理を行う好気性微生物が固定された微生物固定担体22は第一好気性処理槽2に複数配置されている。微生物固定担体22を用いることで、この第一好気性処理槽2から排出される処理水Wの移送による好気性微生物数の変動を防ぐと共に、第一好気性処理槽2内全体での安定した高効率な処理を行うことができる。微生物固定担体22は、特に限定されないが、第一好気性処理槽2の下部に設けられた排水部23から流出しない程度の大きさであるものがよく、例えばBB材(株式会社菊池エコアース社製品)などが用いられる。この第一好気性処理槽2における好気性処理により、例えば、でんぷんの酵素分解により生成した糖類が分解されて有機酸が生成するなど、有機排水Wに含まれていた有機物の浄化処理が進行する。
さらに、第一好気性処理槽2からの処理水Wは第一好気性処理槽2の下部に設けられた排出部23から引き抜かれて移送されるが、このとき、第一好気性処理槽2内に発生した余剰汚泥も処理水Wの移送と共に引き抜かれる。そのため、処理装置1の維持管理において、第一好気性処理槽2内の余剰汚泥を引き抜き清掃する必要がなく、メンテナンスが容易である。
次に、図5に示すように、第一好気性処理槽2からの処理水WはポンプPにより汲みあげられて流路Lから電磁弁、流路L、電磁弁及び流路Lを通り、第二好気性処理槽3の流入部35から流入する。この処理水Wの第二好気性処理槽3への流入は電磁弁及びポンプP等を通じて制御装置で制御されている。そして、第二好気性処理槽3に満たされている処理水について、散気装置30により曝気され、好気性処理が行われる。好気性処理を行う好気性微生物は、前述した第一好気性処理槽2での状態と同様に、微生物固定担体32に固定されて第二好気性処理槽3に複数配置されている。微生物固定担体32を用いることで、この第二好気性処理槽3から排出される処理水Wの移送による好気性微生物数の変動を防ぐと共に、第二好気性処理槽3内全体での安定した高効率な処理を行うことができる。微生物固定担体32は、特に限定されないが、第二好気性処理槽3の下部に設けられた排水部33及び34から流出しない程度の大きさであるものがよく、例えばBB材(株式会社菊池エコアース社製品)などが用いられる。この第二好気性処理槽3における好気性処理により、例えば、第一好気性処理槽2で生成した有機酸が分解されるなど、有機物の浄化処理がさらに進行する。
さらに、第二好気性処理槽3からの処理水Wは第二好気性処理槽3の下部に設けられた排出部33及び34から引き抜かれて移送されるが、このとき、第二好気性処理槽3内に発生した余剰汚泥も処理水Wの移送と共に引き抜かれる。そのため、処理装置1の維持管理において、第二好気性処理槽3内の余剰汚泥を引き抜き清掃する必要がなく、メンテナンスが容易である。
次に、図6に示すように、第二好気性処理槽3からの処理水WはポンプPにより汲みあげられて流路L12から電磁弁、流路L、電磁弁、流路L13、電磁弁及び流路L14を通り、濾過処理槽4aの流入部42aから流入する。この処理水Wの濾過処理槽4aへの流入は電磁弁及びポンプP等を通じて制御装置で制御されている。そして、濾過処理槽4aに流入した処理水Wは、濾過処理槽4aの内部に充填された濾過材40aの隙間から下方に流れ落ちる。この際、処理水W中に含まれる各好気性処理槽で発生した余剰汚泥を含む浮遊物質(SS)等は濾過材40aに吸着されて除去される。濾過材40aの隙間を通過して浄化された処理水W3aは、濾過処理槽4aの下部の排出部41aから流路L15及び電磁弁を通り、再び第二好気性処理槽3の上部に設けられた流入部36より流入する。このように、第二好気性処理槽3と濾過処理槽4aとの間で、処理水W及びW3aが循環するように構成されている。
この濾過処理槽4aにおける濾過処理により、処理水W中に含まれる浮遊物質(SS)等が減り、濁度の低い処理水を得ることができる。そして、第二好気性処理槽3と濾過処理槽4aとの間で処理水W及びWが循環するため、処理水の好気性処理の時間を長くとることができ、有機物の分解がさらに促進される。また、各好気性処理槽で発生した余剰汚泥は濾過処理槽4aの濾過材40aに吸着されて除去されるため、処理装置1の余剰汚泥の引き抜き清掃にあたっては濾過処理槽4a内の濾過材40aを交換するだけでよく、メンテナンスが容易である。
他方、図6に示す濾過処理槽4bにおいても、第二好気性処理槽3からの処理水WはポンプPにより汲みあげられて流路Lから電磁弁、流路L、電磁弁及び流路L10を通り、濾過処理槽4bの流入部42bから流入する。この処理水Wの濾過処理槽4bへの流入は電磁弁及びポンプP等を通じて制御装置で制御されている。そして、濾過処理槽4bに流入した処理水Wは、濾過処理槽4bの内部に充填された濾過材40bの隙間から下方に流れ落ちる。この際、処理水W中に含まれる各好気性処理槽で発生した余剰汚泥を含む浮遊物質(SS)等は濾過材40bに吸着されて除去される。濾過材40bの隙間を通過して浄化された処理水W3bは、濾過処理槽4bの下部の排出部41bから流路L11及びLを通り、再び第二好気性処理槽3の上部に設けられた流入部35より流入する。このように、前述した濾過処理槽4aと同様に、第二好気性処理槽3と濾過処理槽4bとの間で、処理水WとW3bが循環するように構成されており、作用効果も同様である。
なお、濾過処理槽4a及び濾過処理槽4bの内部にそれぞれ散気装置を設け、エアレーションによる好気性処理を濾過処理と併せて行うこともできる。
次に、図7に示すように、第二好気性処理槽3からの処理水WはポンプPにより汲みあげられて流路L12から電磁弁、流路L、電磁弁、流路L16、電磁弁及び流路Lを通り、第三好気性処理槽5の流入部52から流入する。この処理水Wの第三好気性処理槽5への流入は電磁弁及びポンプP等を通じて制御装置で制御されている。そして、第三好気性処理槽5に満たされている処理水について、散気装置50により曝気され、好気性処理が行われる。好気性処理を行う好気性微生物は、前述した第一好気性処理槽2及び第二好気性処理槽3での状態と同様に、微生物固定担体51に固定されて第三好気性処理槽5に複数配置されている。微生物固定担体51を用いることで、処理水Wの移送による好気性微生物数の変動を防ぐと共に、第三好気性処理槽5内全体での安定した高効率な処理を行うことができる。微生物固定担体51は、第三好気性処理槽5の下部に設けられた排水部(流入部)52から流出しない程度の大きさであるものがよく、例えばBB材(株式会社菊池エコアース社製品)などが用いられる。この第三好気性処理槽5における好気性処理により、処理すべき有機排水W中に含まれる有機物の大部分が分解される。浄化された第三好気性処理槽5内の上澄みの処理水Wは、第三好気性処理槽の上部に設けられた排出部53からオーバーフローにより処理装置1の外へ排出される。
さらに、第三好気性処理槽5からの処理水Wは第三好気性処理槽5の下部に設けられた排出部52から引き抜かれて移送されるが、このとき、第三好気性処理槽5内に発生した余剰汚泥も処理水Wの移送と共に引き抜かれる。そのため、処理装置1の維持管理において、第三好気性処理槽5内の余剰汚泥を引き抜き清掃する必要がなく、メンテナンスが容易である。
本実施形態における処理装置1は、連続処理又はバッチ処理、これらを組み合わせた半連続処理のいずれの処理方法でも用いることができる。
次に、本発明の第二の実施形態における有機排水の処理装置10について、図8に基づいて説明する。
図8に示すように、本発明の第二の実施形態における有機排水の処理装置10は、流入した有機排水W中に含まれるでんぷんの酵素分解処理を行う前処理槽6を備える。この前処理槽6は第一好気性処理槽2に接続されており、酵素分解処理が施された処理水Wは前処理槽6から第一好気性処理槽2へ移送されて、好気性処理が行われる。処理水Wが第一好気性処理槽2に移送された後の処理装置10の構成は第一の実施形態と同様である。
本実施形態においては、有機排水W中に含まれるでんぷん(炭水化物)の酵素分解処理が前処理槽6内で行われる。それゆえ、安定した酵素分解処理を行うことができる。この酵素分解処理により、有機排水W中に含まれるでんぷん(炭水化物)がでんぷんよりも分子量の小さい糖類等に変換され、のちの好気性処理において有機物が効率よく分解される。
さらに、有機排水Wに麺類のゆで汁等が含まれる場合には、排水温度は一般の排水よりも高いことが多く、好気性処理に影響を及ぼす可能性を有するが、本実施形態においては、前処理槽6内で高温の有機排水Wを適当な温度に冷却することができる。この際には、でんぷん分解酵素の酵素活性も高くなるため、酵素分解処理をより効率よく行うことができる。前処理槽6で冷却及び酵素分解処理された処理水Wについて、第一好気性処理槽2で好気性処理が施される。
次に、本発明の第三の実施形態における有機排水の処理装置について説明する。
本発明の第三の実施形態における有機排水の処理装置は、有機排水の好気性処理を行う第1の処理手段と、第1の処理手段で好気性処理された処理水の濾過処理を行う第2の処理手段と、第1の処理手段で好気性処理された処理水のさらなる好気性処理を行う第3の処理手段とを少なくとも備える。そして、第2の処理手段で濾過処理された処理水の少なくとも一部は第1の処理手段に戻り、第1の処理手段と第2の処理手段との間で処理水が循環するように構成されている。さらに、第3の処理手段でさらなる好気性処理された処理水の少なくとも一部が第1の処理手段に戻るように構成されている。
本実施形態における第1の処理手段は、有機排水について、好気性微生物による好気性処理を行うことができるような構成であればよく、特に限定されないが、具体的には好気性処理槽における散気装置等を用いたエアレーション等が挙げられる。また、第1の処理手段には、処理手段中の好気性微生物が処理水の移送に影響されないように、好気性微生物を固定するための微生物固定担体が第1の処理手段内に配置されていることが好ましい。そして、第1の処理手段から処理手段内部又は他の処理手段に移送される処理水は、第1の処理手段に発生する余剰汚泥と共に引き抜かれるよう、処理手段の下部に排出部が設けられていることが好ましい。さらに、第1の処理手段は複数の好気性処理槽から構成されていてもよく、供給される有機排水中に含まれるでんぷんやたんぱく質などを酵素分解するための酵素添加装置を設けることもできる。
次に、本実施形態における第2の処理手段は、第1の処理手段からの処理水について、濾過処理を行うことができるような構成であればよく、特に限定されないが、具体的には濾過処理槽内部に充填された濾過材による濾過処理等が挙げられる。そして、第2の処理手段は、濾過効率を上げるために、複数の濾過処理槽から構成されていてもよい。
本実施形態における第3の処理手段は、第1の処理手段からの処理水について、好気性微生物による好気性処理を行うことができるような構成であればよく、特に限定されないが、具体的には好気性処理槽における散気装置等を用いたエアレーション等が挙げられる。また、第3の処理手段には、処理手段中の好気性微生物が処理水の移送に影響されないように、好気性微生物を固定するための微生物固定担体が第3の処理手段内に配置されていることが好ましい。そして、第3の処理手段から処理手段内部又は他の処理手段に移送される処理水は、第3の処理手段に発生する余剰汚泥と共に引き抜かれるよう、処理手段の下部に排出部が設けられていることが好ましい。第3の処理手段は複数の好気性処理槽から構成されていてもよい。
本実施形態における処理装置は、第1の処理手段、第2の処理手段及び第3の処理手段の他に、第1の処理手段に供給される有機排水中に含まれるでんぷんの酵素分解処理を行う前処理手段を備えることもできる。そして、さらに、その他の処理手段を備えることも可能である。
本実施形態における処理装置の動作を以下説明する。
有機排水は配管等を通って第1の処理手段に供給され、好気性処理が行われる。このとき、第3の処理手段からの処理水が配管等を通じて第1の処理手段に一部戻り、供給された有機排水と混合される。第3の処理手段からの処理水は、既に第1の処理手段と第3の処理手段とで好気性処理が施されていることから、処理水中のTOC、BOD又はCOD等の濃度は、供給された有機排水に含まれるものと比べて低い。そのため、第1の処理手段における処理対象たる有機排水中のTOC、BOD又はCOD等の濃度が低減し、第1の処理手段における単位体積あたりの有機物負荷が減少する。
このように、第1の処理手段では、供給された有機排水及び第3の処理手段からの処理水について、散気装置によるエアレーション等が行われ、好気性処理が行われる。好気性処理を行う好気性微生物が固定された微生物固定担体は特に限定されないが、第1の処理手段の下部に設けられた排水部から流出しない程度の大きさであるものがよく、例えばBB材(株式会社菊池エコアース社製品)などが用いられる。この第1の処理手段における好気性処理により、例えば、でんぷんの酵素分解により生成した糖類が分解されて有機酸が生成するなど、供給された有機排水に含まれていた有機物の浄化処理が進行する。
さらに、第1の処理手段からの処理水は第1の処理手段の下部に設けられた排出部から引き抜かれて移送されるが、このとき、第1の処理手段で発生した余剰汚泥も処理水の移送と共に引き抜かれる。そのため、処理装置の維持管理において、第1の処理手段に発生した余剰汚泥を引き抜き清掃する必要がなく、メンテナンスが容易である。
そして、第1の処理手段により好気性処理が施された処理水は、配管等を通じて第2の処理手段へ移送される。第2の処理手段に流入した処理水は、第2の処理手段の内部に充填された濾過材等の隙間から下方に流れ落ち、処理水中に含まれる余剰汚泥を含む浮遊物質(SS)等は濾過材等に吸着されて除去される。濾過材等の隙間を通過して浄化された処理水は、配管等を通じて再び第一の処理手段に戻り、第1の処理手段と第2の処理手段との間で、処理水が循環するように構成されている。
この第2の処理手段における濾過処理により、処理水中に含まれる浮遊物質(SS)等が減り、濁度の低い処理水を得ることができる。そして、第1の処理手段と第2の処理手段との間で、処理水が循環するため、処理水の好気性処理の時間を長くとることができ、有機物の分解がさらに促進される。また、好気性処理により発生した余剰汚泥は第2の処理手段の濾過材等に吸着されて除去されるため、処理装置の余剰汚泥の引き抜き清掃にあたっては第2の処理手段内の濾過材等を交換するだけでよく、メンテナンスが容易である。
次に、第1の処理手段からの処理水は配管等を通じて第3の処理手段へ移送される。そして、散気装置によるエアレーション等が行われ、好気性処理が行われる。好気性処理を行う好気性微生物が固定された微生物固定担体は第1の処理手段と同様のものが用いられる。この第3の処理手段における好気性処理により、供給された有機排水中に含まれる有機物の大部分が分解される。浄化された第3の処理手段からの処理水の上澄みは、例えば、第3の処理手段の上部に設けられた排出部からオーバーフロー等で処理装置の外へ排出されうる。
さらに、第3の処理手段からの処理水は下部に設けられた排出部から引き抜かれて第1の処理手段に移送されるが、このとき、第3の処理手段に発生した余剰汚泥も処理水の移送と共に引き抜かれる。そのため、処理装置の維持管理において、第3の処理手段に発生した余剰汚泥を引き抜き清掃する必要がなく、メンテナンスが容易である。
本実施形態における処理装置の第1の処理手段、第2の処理手段及び第3の処理手段は、連続処理又はバッチ処理、これらを組み合わせた半連続処理のいずれの処理方法でも用いることができる。
以下、実施例を用いて、本発明を詳細に説明する。
図2に示す第一の実施形態にかかる処理装置1について、以下表1に示す内容及び条件で設定した。濾過処理槽A及び濾過処理槽Bに充填した濾過材には、燻炭を用いた。また、第一好気性処理槽、第二好気性処理槽及び第三好気性処理槽には微生物固定担体として、BB材(株式会社菊池エコアース社製品)を15〜30本設置した。なお、散気装置によるエアレーション及び第二好気性処理槽と濾過処理槽A及び濾過処理槽Bとの間の循環は常時行われるよう設定した。
Figure 0005084866
このように設定された処理装置を用いて、あるうどん店から排出される排水の浄化処理を行った。このうどん店には300L容量のゆで釜があり、一日数百Lの排水が生じている。ゆで釜から採取した排水はうどん粉にふくまれるでんぷんを多量に含んでおり、CODは2693(mg/L)、TOCは1941(mg/L)であり、pHは3.72であった。また、この排水は、うどんを茹でるゆで釜から排出されるために、高温であった。
このうどん店からの有機排水の処理は以下のような工程で行った。まず、ゆで釜から排出された高温の排水を第一好気性処理槽に流入させた。次に、酵素添加装置を用いて、この排水に対しアミラーゼの濃度を0.3%となるように添加した。酵素添加後、第一好気性処理槽内の水温を温度センサでモニタし、42℃に水温が下がるまで、酵素反応工程を維持させた。水温が42℃まで下がってから、既に好気性処理が行われた第三好気性処理槽からの処理水を第一好気性処理槽内が満水になるまで返送させた。ここで得られた第一好気性処理槽内の処理水について、散気装置からのエアレーションを行い、好気性処理を行った。
次に、第一好気性処理槽からの処理水約35Lを、連続処理により既に処理水がある程度満たされている第二好気性処理槽へ移送させ、移送後約2時間に亘り好気性処理を行った。第二好気性処理槽においては好気性処理の他に、第二好気性処理槽と濾過処理槽A又は濾過処理槽Bとの間で処理水を循環させて濾過処理も行った。2時間後、第二好気性処理槽からの処理水約35Lを、連続処理により既に処理水が満たされている第三好気性処理槽へ移送させた。この移送により、第三好気性処理槽上部のオーバーフロー排出部に達した一部の処理水が装置の外に排出された。また、残りの処理水については、散気装置によりエアレーションを行い、好気性処理を行った。
このように、第一好気性処理槽からの処理水を2時間ごとに約35Lずつ第二好気性処理槽に移送し、引き続き行われる好気性処理及び濾過処理を行うことで、うどん店から排出される一日分の有機排水を処理した。かかる有機排水の処理において、流入する有機排水及び各好気性処理槽から採水した処理水中に含まれるTOC濃度及び有機酸濃度の測定結果を以下表2に示す。
Figure 0005084866
その結果、2000mg/L以上を示す有機排水のTOC濃度が、好気性処理が進むにつれて低減し、最後の第三好気性処理槽においては、排水基準値(香川県)である160mg/Lを大きく下回る86mg/Lを示した。さらに、うどん店からの排水のように、でんぷんが多く含まれる有機排水は好気性処理により有機酸が発生し、処理水のpHが低くなると共に有機酸自体の悪臭が問題となっていたが、第三好気性処理槽における好気性処理の後では有機酸はほとんど分解され、第三好気性処理槽内の処理水のpHもほぼ中性の値を示した。
本発明は、上記の実施形態及び実施例に限定されるものでなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨を逸脱しない範囲内での種々、設計変更した形態を技術的範囲に含まれるものである。
1、10 有機排水の処理装置
2 第一好気性処理槽
20 散気装置
21 温度センサ
22 微生物固定担体
23 排出部
24 流入部
3 第二好気性処理槽
30 散気装置
31 温度センサ
32 微生物固定担体
33 排出部
35、36 流入部
4、4a、4b 濾過処理槽
40a、40b 濾過材
41a、41b 排出部
42a、42b 流入部
5 第三好気性処理槽
50 散気装置
51 微生物固定担体
52 排出部(流入部)
53 オーバーフロー排出部
6 前処理槽
7 酵素添加装置
70 薬液タンク
71 酵素液
72 パイプ
73 ポンプ
8 ブロワ
81、82、83 ブロワ管
〜L17 流路
、P ポンプ
処理すべき有機排水
、W、W、W、W5、 処理水

Claims (3)

  1. 有機排水の好気性処理を行う第一好気性処理槽と、前記第一好気性処理槽に接続されていると共に該第一好気性処理槽から移送される好気性処理された処理水のさらなる好気性処理を行う第二好気性処理槽と、前記第二好気性処理槽に接続されていると共に該第二好気性処理槽から移送されるさらなる好気性処理された処理水の濾過処理を行う濾過処理槽と、前記第二好気性処理槽に接続されていると共に該第二好気性処理槽から移送されるさらなる好気性処理された処理水の好気性処理を行う第三好気性処理槽とを備え、
    前記濾過処理槽と前記第二好気性処理槽との間で、該濾過処理槽によって濾過処理された処理水と該第二好気性処理槽から移送される処理水とが循環するように構成され、
    前記第三好気性処理槽は、前記第一好気性処理槽に接続されて、該第三好気性処理槽によって好気性処理された処理水の少なくとも一部を第一好気性処理槽に移送するように構成されると共に、該第三好気性処理槽によって好気性処理された前記処理水の上澄みを外部へ排出するように構成され
    前記第一好気性処理槽、前記第二好気性処理槽及び前記第三好気性処理槽から移送される処理水は、各好気性処理槽の下部に設けられた排出部から夫々引き抜かれて移送され、前記処理水中に含まれる前記各好気性処理槽で発生した余剰汚泥を含む浮遊物質は、前記濾過処理槽で濾過処理されるように構成されていることを特徴とする有機排水の処理装置。
  2. 前記第一好気性処理槽、前記第二好気性処理槽及び前記第三好気性処理槽には微生物固定担体が配置されていることを特徴とする請求項に記載の有機排水の処理装置。
  3. 前記第一好気性処理槽に接続されており、有機排水中に含まれるでんぷんの酵素分解処理を行う前処理槽を備えることを特徴とする請求項又はに記載の有機排水の処理装置。
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