JP5082464B2 - 画像形成装置用エンドレスベルト及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電子写真式複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ機等に利用される中間転写ベルト、搬送転写ベルト、感光体ベルト等に有用な画像形成装置用エンドレスベルトであって、トナー離型性やクリーニングブレードによるクリーニング性に優れた画像形成装置用シームレスベルトと、この画像形成装置用エンドレスベルトを含む画像形成装置に関する。
従来より、OA機器等などの画像形成装置として、感光体、トナーを用いた電子写真方式やトナーではなくゲル状のインクを用いた画像形成装置が考案され上市されている。これらの装置には継ぎ目の有無に関わらず感光体ベルト、中間転写ベルト、紙搬送転写ベルト、転写分離ベルト、帯電チューブ、現像スリーブ、定着用ベルト、トナー転写ベルト等の導電性、半導電性、絶縁性の各種電気抵抗に制御したエンドレスベルトが用いられている。
例えば、電子写真方式に用いられる中間転写装置は、中間転写体上にトナー像を一旦形成し、次に紙等へトナーを転写させるように構成されている。この中間転写体の表層におけるトナーへの帯電、除電のためにシームレスベルトよりなるエンドレスベルトが用いられている。このシームレスベルトは、マシーンの機種毎に異なった表面電気抵抗や厚み方向電気抵抗(以下「体積電気抵抗」という)に設定され、導電、半導電、又は絶縁性に調整されている。
また、紙搬送転写装置は、紙を一旦搬送転写体上に保持した上で感光体からのトナーを搬送転写体上に保持した紙上へ転写させ、更に除電により紙を搬送転写体より離すように構成されている。この搬送転写体表層においては紙への帯電、除電のためにシーム有り、無しのエンドレスベルトが用いられている。このエンドレスベルトは、上記中間転写ベルトと同様にマシーン機種毎に異なった表面電気抵抗や体積電気抵抗に設定されている。
図1は一般的な中間転写装置の側面図である。図中、1は感光ドラム、6は導電性エンドレスベルトである。1の感光ドラムの周囲には、帯電器2、半導体レーザー等を光源とする露光光学系3、トナーが収納されている現像器4及び残留トナーを除去するためのクリーナー5よりなる電子写真プロセスユニットが配置されている。導電性エンドレスベルト6は、搬送ローラ7,8,9に掛け渡されて、矢印方向に回転する感光ドラムと同調して矢印方向に移動するようになっている。
次に、動作について説明する。まず矢印A方向に回転する感光ドラム1の表面を帯電器2により一様に帯電する。次に、光学系3により図示しない画像読み取り装置等で得られた画像に対応する静電潜像を感光ドラム1上に形成する。静電潜像は現像器4でトナー像に現像される。このトナー像を、静電転写機10により導電性エンドレスベルト6へ静電転写し、搬送ローラ9と押圧ローラ12の間で記録紙11に転写する。
ところで、電子写真式複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる導電性エンドレスベルトの場合には、機能上2本以上のロールにより高張力で高電圧にて長時間駆動されるため、十分な機械的、電気的耐久性が要求される。
特に、中間転写装置等に使用される中間転写ベルトの場合は、ベルト上でトナーによる画像を形成して紙へ転写するため、駆動中にベルトが弛んだり、伸びたり、蛇行したりすると、画像ズレの原因となるため、高寸法精度(ベルト幅方向の周長差が少ないことと厚みが均一であること)、高弾性率(ベルト周方向の引張り弾性率が高いこと)、高耐屈曲性(割れにくいこと)に優れたものが望まれている。
また、近年カラーレーザプリンタやカラーLEDプリンタ等の電子写真式画像形成装置は、低価格なインクジェット方式の画像形成装置との競争が一層激しくなっている。そのため、電子写真式画像形成装置は、高速での印刷技術でインクジェット方式との差異化を狙い、感光体を4つ並べたタンデム型の紙搬送転写、中間転写方式により高速で印刷する画像形成装置が商品化されてきた。このため、画像形成装置用エンドレスベルトには、より一層の耐久性の向上と画像ズレ防止が益々重要となってきている。
従来、エンドレスベルトについては、その素材の改良により一定の成果を上げてきている。しかしながら、最近では、高速印刷のみならず、画質の向上への要求も高まってきており、特に、広範囲な温度湿度の環境において、高画質な画像が得られること、カラープリンタ用の特殊な紙だけではなく、上質紙、再生紙、裏紙、OHPフィルムといった様々な用紙においても高画質が得られることが、インクジェットプリンタに対する特長を明確にするために特に重要になってきている。
そのため、トナーにおいては重合トナーの開発も進み、粒径4〜6μmの小粒径で粒度ばらつきの少ないトナーが商品化されており、転写ベルトへの表面特性、化学特性、電気的特性への改良要求も益々高まってきている。
特に、中間転写装置等に使用される転写ベルトの場合は、感光体上のトナーを静電気力にて直接転写ベルト上に転写(一次転写)し、転写ベルト上でカラー画像を合成した後トナーを紙へ静電力で転写(二次転写)させるため、転写ベルトの表面電気抵抗や体積電気抵抗特性といった電気抵抗特性が重要であるだけでなく、表面物理特性、表面化学特性等においても改良する必要がある。例えば、近年益々小粒径化しているトナーに対するクリーニング性向上させるために、エンドレスベルトの表面は益々平滑性が求められているが、エンドレスベルトの表面が平滑すぎると、残留トナーをかきとるブレードとの摩擦が大きくなり、トナークリーニング性に関係するトラブルが発生しやすくなる。
そこで、従来からトナー離型性やクリーニング性を解決すべく、エンドレスベルトの表面特性改質のために以下の技術が提案されている。
(1) エンドレスベルトにフッ素樹脂を用いる(特開2002−365866号公報)
(2) エンドレスベルト表面に潤滑性を有する物質をまぶす(特開平2−213881号公報)
(3) エンドレスベルトをフッ素系塗料にてコーティングする(特開平11−212374号公報)
(4) エンドレスベルト成形時に長鎖脂肪酸などを混合する(特許第3473808号公報)
(5) エンドレスベルトに鎖状シリコーン樹脂を加える(特開2005−316040号公報)
(6) エンドレスベルトのフィラーであるカーボンブラックにシリコーンで表面処理を施す(特開2002−214927号公報)
特開2002−365866公報のように、エンドレスベルトにフッ素樹脂を使った場合、線膨張係数が大きくクリープするため、ローラなどに張架して使用する際、たるみがでたり、ローラ部の癖がついたりするため好ましくない。また、フッ素樹脂を主成分として用いるとコスト高となり好ましくない。
また、特開平2−213881号公報のように、エンドレスベルト表面に潤滑性を有する物質をまぶした場合、クリーニングブレードによるトナーのクリーニングとともに表面にまぶされた潤滑性を有する物質もかきとられてしまい、使用毎にこれをまぶす必要があり、装置を複雑化してしまい、コスト高となり好ましくない。
また、特開平11−212374号公報のように、エンドレスベルトをフッ素系塗料にてコーティングすると、経時使用によりコート層が剥がれる問題や、コーティングにおける塗布工程、乾燥、硬化工程などタクトタイム増加によるコスト高を招き、好ましくない。
また、特許第3473808号公報のように、成形時に長鎖脂肪酸を添加することはコスト的には非常に優れているものの、長鎖脂肪酸は融点が低く、温度条件によってはブリードを引き起こして押出成形時にサージングを起こしたり、エンドレスベルト成形時に基材樹脂の発泡を引き起こし、エンドレスベルト表面が荒れる問題が発生するため好ましくない。
また、特開2005−316040号公報のように、高分子量の鎖状シリコーン樹脂を添加するものではフッ素樹脂の場合と同様の問題を含み、高分子量であると末端の数が少なく、カーボンブラックや樹脂と反応しないことから、ブリードを起こして成形時にサージングが発生するため好ましくない。
また、特開2002−214927号公報のように、カーボンブラックにシリコーンで表面処理することは非常に有効であるものの、該特許は基材樹脂としてポリプロピレンを前提としている。一方で、ポリオレフィン以外の耐熱性を有するエンジニアリングプラスチックを基材樹脂とする場合、ポリオレフィンの成形時に比べて成形条件が高温になるため、シリコーンの官能基の量や種類、分子量を制限したり、官能基の種類によってはカーボンブラックのpHや処理条件を制御する必要が発生する。
特開2002−365866号公報 特開平2−213881号公報 特開平11−212374号公報 特許第3473808号公報 特開2005−316040号公報 特開2002−214927号公報
本発明は、上記従来の問題点を解決し、トナー離型性やクリーニングブレードによるクリーニング性に優れたエンドレスベルトであって、コスト面において好ましい方式である押出成形において、表面張力を低減させる成分として用いたシリコーンの影響によるサージングなどを起こすことなく、易成形加工性(高生産性)を維持しつつ、発泡などに起因する表面凹凸による外観不良が発生しない画像形成装置用エンドレスベルトを提供することを目的とする。
本発明はまた、このような画像形成装置用シームレスベルトを備える画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックとを加熱混合する前に、シリコーンをカーボンブラックに添着し、場合によっては反応させることにより、シリコーンの分散が良好となり、表面凹凸が少なく、ブリードや発泡を抑えつつ、エンドレスベルトのトナー離型性やクリーニングブレードによるクリーニング性を改善することができることを見出した。
トナー離型性を改善するためには、トナーと転写ベルトの付着力を低減することと、クリーニングブレードによるクリーニング効率を上げることが重要となる。本発明においては、クリーニング効率を下げない範囲にベルト表面の凹凸を抑えつつ、トナー付着力を低減する対策として、エンドレスベルトの低表面張力化を図る。
エンドレスベルトを押出成形で製造する場合、連続プロセスであるため非常に低コストで生産することができる。しかしながら、トナー離型性を改善するべく、成形材料に表面張力を下げるための物質(以下「表面張力低減物質」と称す場合がある。)を混合すると、基材である熱可塑性ポリマー成分と表面エネルギーが大きく異なってしまうため(特に熱可塑性ポリマー成分がポリエステルやポリアミド、ポリエーテルなどの場合)、混ざり合わずに表面張力低減物質がベルト表面にブリードする。そのため、ブリードした表面張力低減物質が潤滑剤となって、押出成形機に樹脂を投入する際にペレットが滑り、サージングという脈動現象(樹脂が吐出したりしなかったりする)が発生する。サージングが発生すると、エンドレスベルトの厚み変動が発生し生産性が下がったり、空気などを巻き込んで樹脂を押出すため、発泡(フィルム表面のガスがはじけた跡)などの外観不良を引き起こしたりすることとなる。
一方、ブリードしにくい表面張力低減物質として、微粉末のフッ素樹脂やシリコーンゴム、超高分子量のポリエチレンなどがある。これらは、ポリエステルやポリアミドなどの基材樹脂の場合、加熱混合時の温度では溶融せずにフィラーのように分散するため、ブリードしてサージングを起こすようなことは無いものの、これらも表面張力低減物質であるため、基材である熱可塑性樹脂と表面エネルギーが大きく異なってしまい、混ざり合わずにベルト表面に凝集塊となって偏在する。そのため、表面凹凸が大きくなることから、転写ベルト等として使用する際にクリーニング不良が発生する。
これらの表面張力低減物質を溶融させる温度で使用する場合は、加熱混合温度が上がりすぎるため、主成分ポリマーであるポリエステルやポリアミドの分子量が低下し、カーボンブラックの分散性を損ねたり、導電性シームレスベルトとして使用した場合、耐久性などが低下するため好ましくない。
そこで本発明者らは、コスト面で有利な押出成形においてのエンドレスベルトのトナー離型性を改善する方法として、ベルト表面へのブリードを抑えつつ、また、凝集してブツを発生させることなく、表面張力低減物質を混合する方法を検討した結果、主成分である熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックとを加熱混合する前に、予めカーボンブラックに、表面張力低減物質としてのシリコーンを添着させてから加熱混合する手法を見出した。
本発明は上記知見に基いて達成されたものであり、以下を要旨とする。
[1] 画像形成装置に用いられるエンドレスベルトであって、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーよりなる熱可塑性ポリマー成分を主成分とし、該熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックとを加熱混合し、押出成形して得られる画像形成装置用エンドレスベルトにおいて、該カーボンブラックのpHが4以上であり、該熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックとの加熱混合に先立ち、該カーボンブラックにシリコーンが添着されており、該シリコーンの官能基当量が500g/mol以上であることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
[2] [1]において、該熱可塑性ポリマー成分がエステル結合を有することを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
[3] [1]又は[2]において、該シリコーンの平均分子量が100以上10万未満であることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
[4] [1]ないし[3]のいずれかにおいて、該シリコーンの含有量が、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーよりなる熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックとの合計100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
[5] [1]ないし[4]のいずれかにおいて、該カーボンブラックが、DBP吸油量50〜300cm/100g、比表面積35〜500m/g、揮発分0〜20%、平均一次粒径20〜50nmを満たすことを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
[6] [1]ないし[5]のいずれかにおいて、該カーボンブラックがアセチレンブラックであることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
[7] [1]ないし[6]のいずれかにおいて、表面粗さRaが0.02μm<Ra<0.25μmであることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
[8] [1]ないし[7]のいずれかにおいて、該押出成形される材料のメルトフローレート(MFR)で示される溶融粘度が0.1g/10分以上であることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
[9] [1]ないし[8]のいずれかにおいて、該熱可塑性ポリマー成分がポリアルキレンテレフタレートを含むことを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
[10] [1]ないし[9]のいずれかに記載の画像形成装置用エンドレスベルトを含むことを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、機械的強度を低下させることなく、また表面粗さを悪化させることなく、トナー離型性、クリーニング性に優れた化学的、物理的物性を得ることができ、耐屈曲性などの機械的特性及び表面特性が良好で、トナー離型性及びトナークリーニング性に優れた高画質対応の画像形成装置用エンドレスベルトを提供することが可能となる。
また、熱可塑性ポリマー成分はエステル結合を有するような極性ポリマーであるとカーボンブラックなどのフィラーを分散させる上で好ましく、特にエステル結合を有するポリマーとしてポリブチレンテレフタレートやポリエステルエラストマー、ポリカーボネートなどは非極性ポリマーであるポリオレフィンを除くともっとも安価であるため好ましい。また、特に本発明に於いてはシリコーンをカーボンブラックに添着させて分散させることを目的としており、そのためカーボンブラックの熱可塑性ポリマーへの分散性が必須であり、ゆえに熱可塑性ポリマー成分がエステル結合を有することが望ましい。(請求項2)。
また、用いるシリコーンの平均分子量は100以上10万未満であることが好ましい(請求項3)。
また、熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックとの合計100重量部に対して、シリコーンの添着量は0.1〜10重量部であることが好ましい(請求項4)。
また、カーボンブラックは、DBP吸油量が50〜300cm/100g、比表面積が35〜500m/g、揮発分が0〜20%、平均一次粒径が20〜50nmを満たすものを好適に用いることができ(請求項5)、特に、カーボンブラックはアセチレンブラックが好ましい(請求項6)。
本発明のエンドレスベルトの表面粗さRaは0.02μm<Ra<0.25μmであることが好ましい(請求項7)。
また、押出成形に供される材料のメルトフローレート(MFR)で示される溶融粘度は0.1g/10分以上であることが好ましい(請求項8)。
また、熱可塑性ポリマー成分はポリアルキレンテレフタレートを含むことが好ましい(請求項9)。
このような本発明の画像形成装置用エンドレスベルトを含む本発明の画像形成装置であれば、長期に亘り、高画質画像を形成することができる(請求項10)。
以下に本発明の画像形成装置用エンドレスベルト及び画像形成装置の実施の形態を詳細に説明する。
本発明においては、官能基当量500g/mol以上のシリコーンを、熱可塑性ポリマー成分に加熱混合する前に予めカーボンブラックに添着することにより、エンドレスベルトの成形時や成形後のブリードを防ぎ、カーボンブラックを分散させることにより、シリコーンも均一に分散させて、ベルト表面での凝集を防止し、表面凹凸が小さく表面性状に優れたものとする。また、シリコーンの含有量を熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックとの合計100重量部に対して0.1〜10重量部とし、また、その分子量を100以上10万以下とすることにより、効率よくカーボンブラックにグラフトさせ、未反応官能基による熱可塑性ポリマー成分への劣化作用に起因する発泡ガス跡の表面凹凸を防止し、トナー離型性を向上させる。
[シリコーンについて]
本発明においては、官能基当量500g/mol以上のシリコーンを用いる。
ここで、官能基当量とは官能基1モルあたりの化合物の物質量のことであり、g/molで表され、核磁気共鳴分光法(NMR)にて測定されたピークにおいて、想定される構造より、官能基のピーク(面積)とシリコーンのピーク(面積)の比より求められる。
また、官能基とは水酸基、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン基、エステル基、アルコキシ基、イミド基、エポキシ基、メタクリル基、カルボジイミド基、カルボニル基のことなどを言い、主にフィラーにグラフトさせたり、ポリマーとの相溶性を向上させる目的で導入されたものを指す。
また、官能基のあるシリコーンの合成方法として例えば、一般的なアミノ変性シリコーンの場合、アミノアルキルメチルジメトキシシランの加水分解によって得られたシロキサンオリゴマー、環状シロキサンとジシロキサン及び塩基性触媒を用いて平衡反応させる方法が挙げられる。また、アミノアルキルメチルジメトキシシランの加水分解物と両末端にシラノール基を有するシロキサン及び塩基性触媒を用いて合成することによっても、官能基のあるシリコーンを合成することができる。
シリコーンの官能基当量が少なすぎると、即ち、官能基量が多過ぎるとカーボンブラックへのグラフト時に使用しきれず、未反応官能基が加熱混合時に熱可塑性ポリマー成分を劣化させてしまい、機械特性低下、劣化ポリマーの発泡跡による外観不良や、溶融粘度低下による電気特性不良を引き起こす。また官能基当量が多すぎてもカーボンブラックにグラフトされず、ブリードしてしまうため好ましくない。
従って、本発明においては、官能基当量が500g/mol以上、好ましくは800g/mol以上、より好ましくは1000g/mol以上で、好ましくは1万g/mol以下、より好ましくは5000g/mol以下のシリコーンを用いる。
なお、シリコーンの官能基の測定方法は次の通りである。
Varian製Inova500分光計を用い、定量性を上げるため、緩和試薬として酢酸クロムを最終濃度50mMとなるように添加してSi−NMRを測定する。具体的には酢酸クロムを227.3mg秤り取り、重クロロホルム6.5mlに溶かす。さらに10mlのサンプル瓶にシリコーンサンプルと該重クロロホルム溶液を1.5mlずつ入れ、その混合液を外径10mmのNMR試料管に移し、温度25℃、パルス幅30°、パルス繰り返し時間5秒に設定し、化学シフトの基準としてジメチルシロキシ主鎖シグナルを121.00pmとして測定する。
別に、官能基のないシリコーンとして最も一般的であるポリジメチルシロキサンを用いて、上記方法でNMRを測定し、それにより得られるジメチルシロキシ主鎖とトリメチルシリル基の帰属するピークとを比較して、それ以外のピークを官能基のピークとして帰属させ、官能基1molあたりのシリコーン量として官能基当量が求められる。
また、カーボンブラックに添着するシリコーンの平均分子量は100以上10万未満であることが好ましい。シリコーンの平均分子量が高いと相対的に官能基当量が上がる(官能基が少なくなる)ため、カーボンブラックへ添着しにくくなりグラフト効率が低下し、添着せずにブリードアウトしやすくなるため好ましくない。また、平均分子量が100未満の低分子量であると、低分子量のシロキサンガスが発生しやすくなり、加熱混合、加熱押し出しの際に発泡傷の原因となったりするので好ましくない。また、通常シリコーンは鎖状で存在しているが、低分子量になると環状になりやすく、環状になるとカーボンブラックに添着できないだけでなく、揮発して電子機器部品のスイッチ部などに付き、それらがスイッチ部の熱でシリカ(絶縁)になることでスイッチング不良を起こすため、好ましくない。特に、プリンターなどの製品として使用する際に揮発するようなオリゴマーなどは感光体を汚染する可能性もあり好ましくない。より好ましいシリコーンの平均分子量は1000〜1万である。
なお、シリコーンの平均分子量とはゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定される分子量分布曲線におけるピーク値から求められるポリスチレン換算重量平均分子量のことである。
また、本発明に用いるシリコーンは、本発明の効果を著しく損なわない範囲でグラフト結合やブロック結合で金属成分や他のポリマー成分を部分的に導入することもできる。具体的な例としてメタクリル樹脂を主鎖とし、ポリジメチルシロキサンなどをグラフト結合したものなどをあげることができる。
シリコーンとして例えば、ジメチルシリコーン、メチルハイドロジェンシリコーン、メチルフェニルシリコーン、アミノ変性シリコーン、アルキル変性シリコーン、フッ素変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン、アルコール変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーン、カルボキシ変性シリコーンなどが挙げられ、これらはオイル状もしくはガム状でカーボンブラックに添着されることが好ましい。
これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
シリコーンのブリードを抑制する為には、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーよりなる熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックの合計を100重量部としたとき、成形材料へのシリコーンの配合量は0.1〜10重量部とすることが好ましく、0.1〜3重量部とすることがより好ましい。このシリコーンの配合量が多すぎると、カーボンブラックに添着されないシリコーンが多くなり、シリコーンは熱可塑性ポリマー成分との相容性が悪いため、表面にブリードしてしまう。また、シリコーンの配合量が少なすぎると、本発明の目的である低表面張力化が達成できず、トナー離型性やクリーニング性の向上に寄与しない。
また、シリコーンとカーボンブラックの官能基はいずれか一方が多すぎると、熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックを加熱混合する際に熱可塑性ポリマー成分が劣化して発泡する原因となったりするため好ましくない。
そのため、添着されるシリコーンの最適量はカーボンブラックの種類や量、目的とするトナー離型性のための表面張力の程度により決定され、カーボンブラックを熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーよりなる熱可塑性ポリマー成分100重量部に対して10〜50重量部程度含有するエンドレスベルトにおいては、シリコーンを熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーよりなる熱可塑性ポリマー成分100重量部に対して0.1〜10重量部添加すると好適である。
特にシリコーンの官能基の量と種類は、混合対象であるカーボンブラックの種類によって決められるものであり、例えばカーボンブラックがアセチレンカーボンブラックの場合は熱可塑性ポリマー成分とアセチレンカーボンブラックが合計で100重量部のうち、アセチレンブラック10〜20重量部に対してシリコーン0.1〜10重量部の添加量で、シリコーンの官能基はアミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、水酸基などが好適であり、またポリエーテルやフェノール変性したもの、シラノール基やシラザン基を有するものも好適である。さらに官能基当量は500g/mol以上10万g/mol以下とすると好ましい。
[カーボンブラックについて]
カーボンブラックは、エンドレスベルトにした際の機械特性、電気特性、寸法特性、化学特性を考慮して混合されるものであるが、本発明において、シリコーンを添着して用いるカーボンブラックは、加熱混合前にシリコーンを混合するため、粉体品、もしくは粒状品であることが好ましく、また粉体は均一であることが好ましい。
シリコーンを添着して用いるカーボンブラックは、次の理由からpH4以上、DBP吸油量50〜300cm/100g、比表面積35〜500m/g、揮発分0〜20%、平均一次粒径20〜50nmを満たすカーボンブラックであることが好ましい。
・カーボンブラックのpHについて
シリコーンを添着させる際、カーボンブラックのpHが低いとシリコーンが加水分解を起こし、シリコーンの分子量が低下し、シリコーンの主鎖であるシロキサン結合が分解されてシラノール基が増える。そのため、熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックを加熱混合する時に分解して低分子量のシロキサンガスが発生し、発泡の原因となるため好ましくない。また、シリコーンが加水分解を起こしカーボンブラックの表面に添着できずにブリードし、サージングを起こしたり、ブリードしたシリコーンが低分子量だと発泡の原因になったりする。また、加熱混合時、又は押出成形時にpHを調整し中性にしたとしても、添着時に生成したシラノール基が脱水縮合するため、水を発生し成形機内で蒸気となってこれも発泡の原因となるため好ましくない。従って加熱混合前にカーボンブラックのpHを高くすることが望ましく、好ましくはpHは4以上がよい。また、カーボンブラックのpHの上限は12以下であることが好ましい。
また、カーボンブラックのpHが4以上10以下であればシリコーンの加水分解が抑制され、重縮合が起こるため、シリコーンがカーボンブラック表面に添着されやすく好ましい。
また、カーボンブラックのpHが12より大きい場合は、シリコーンの加水分解よりも重縮合が進行し易くなるものの、pH4以上12以下である場合に比べて加水分解される傾向があるため、処理条件などを勘案する必要がある。
従って、シリコーンを添着させるカーボンブラックのpHは4〜10、特に5〜10であることが好ましい。
なお、カーボンブラックのpHは、例えばビーカーにカーボンブラック1gにつき水10mgを加え、15分間煮沸したものを室温まで冷却した後、傾斜法、又は遠心分離法にて上澄み液を除去した後の泥状物にガラス電極pH計の電極を挿入してJIS 28802に従って計測される。
・カーボンブラックのDBP吸油量について
カーボンブラックのDBP吸油量が大きいほど、カーボンは数珠状に連なった連鎖(カーボンストラクチャクチャー)を形成しやすく、カーボン凝集体が発生しにくい利点と、少ない添加量で導電性を発現しやすいため低コストな利点があったが、その反面、材料配合から成形加工の過程においてカーボンブラックを配合した樹脂に加えられる様々な剪断力によりカーボン連鎖が壊れて電気抵抗率がばらつきやすく、安定しないといった問題点がある。
反対にカーボンブラックのDBP吸油量が少なすぎると、カーボン連鎖を形成しにくいため導電性を発現させるためのカーボンブラック添加量が多くなりすぎ、材料の耐屈曲性を損なう問題点がある。
また、シリコーンを加熱混合前に添着させる場合、カーボンブラックのDBP吸油量が多いほど、シリコーンを物理吸着できるため好ましいが、多すぎるとシリコーンによって覆われないカーボンの表面官能基が多くなり、熱可塑性樹脂との加熱混合時における熱可塑性ポリマー成分の劣化の原因となり好ましくない。
従って、好ましいカーボンブラックのDBP吸油量は、50〜300cm/100gである。
・カーボンブラックの粒子径及び比表面積について
カーボンブラックの比表面積が大きいほど、少ない添加重量で導電性が発現するため、機械的強度を割れにくさの点で有利となる反面、カーボンブラック添加量により導電性が急激に変化する傾向にあるため半導電領域にコントロールするためには±0.05%以内の配合精度が必要であり、エンドレスベルトの抵抗ばらつきを±1オーダー以内で均一にすることが難しい。また、比表面積が大きいカーボンブラックは一般に粒径が小さいため、樹脂中に分散させる場合にカーボンブラック粒子がだまになりやすく、その結果、カーボンの凝集体が成形品に混在し、カーボンの凝集体の箇所に電気が集中し、部分的な絶縁破壊を発生させやすい。また、カーボンブラックの比表面積が小さすぎる(カーボン粒子が大きすぎる)と、カーボン凝集体を形成しにくいため成形品の外観は平滑な反面、カーボン粒子間の接触により導電性発現が左右されやすく電気抵抗率がばらつきやすい。従って、最適化したカーボン粒子径を選択することが重要である。
また、シリコーンを添着させるためには、カーボンブラックの比表面積が小さすぎると添着する官能基が相対的に減少し、シリコーンがカーボンブラックに結合されずブリードするおそれがある。また、カーボンブラックの比表面積が大きすぎると未添着の官能基が存在するため、主成分の熱可塑性ポリマー成分を劣化させたり、吸着水分量が多くなるため、成形前に乾燥する時間が長くなり好ましくない。
従って、好ましいカーボンブラックの平均一次粒径は20〜50nmであり、比表面積は35〜500m/gである。
・カーボンブラックの揮発分について
カーボンブラックの揮発分が多いほど、その表面特性によりカーボンの分散性は良好になる反面、加熱混練中にガスを発生させるため、成形上不利である。逆に、カーボンブラックの揮発分が少ないほど、加熱混練中のガスが発生しにくいため成形性は良好である反面、カーボンの分散性は悪化する傾向にある。
従って、好ましいカーボンブラックの揮発分量は、0〜20%である。
カーボンブラックは、上記DBP吸油量、比表面積、揮発分、平均一次粒径を満たすものであれば、その種類には特に制限はなく、また、使用するカーボンブラックは1種類であっても2種類以上であっても良い。
例えば、カーボンブラックの種類としては、アセチレンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどが好適に使用でき、この中でもカリウム、カルシウム、ナトリウムなどの灰分とよばれる不純物が少なく外観不良を発生しにくいアセチレンブラックが特に好適に使用できる。また、樹脂を被覆したカーボンブラックや、加熱処理したカーボンブラックや黒鉛化処理したカーボンブラック等の公知の後処理工程を施したカーボンブラックを発明を阻害しない範囲で使用することができる。
更に、分散性を向上させる目的、ガス発生を抑制させる目的でシラン系、アルミネート系、チタネート系、及びジルコネート系等のカップリング剤で処理したカーボンブラックを用いても良い。
カーボンブラックの配合量は用いるカーボンブラックの種類、エンドレスベルトに要求される導電性の程度によっても異なるが、熱可塑性ポリマー成分100重量部に対して0.1〜30重量部とすることが好ましい。この範囲よりも少ないと導電性が発現されなかったり、カーボンブラック分散状態が粗くなり電気抵抗率がばらつきやすくなり、また、接触抵抗が大きく環境に左右されるようになり、画像形成装置にエンドレスベルトとして搭載した場合、環境によっては画像異常を発生させる場合がある。また、多すぎるとエンドレスベルトの剛性が上がり耐久性が損なわれたり、成形性が損なわれたりするため好ましくない。
本発明において、エンドレスベルト、即ち成形材料中のカーボンブラックの含有量(以下「カーボンブラック濃度」と称す場合がある。)が、下記式(i),(ii)を充たすことが、抵抗値の温度湿度依存性への影響が少なくなるため好ましい。
式(i):LogY≧−X+20
式(ii):LogY≦−X+30
ただし、X,Yは次の通り。
X:エンドレスベルト中のカーボンブラックの含有量(重量%)
Y:エンドレスベルトの100V印加電圧,10秒での表面電気抵抗率(Ω)
即ち、例えば、表面電気抵抗率が1×10(Ω)のベルトの場合は、カーボンブラック濃度は14〜24重量%であり、表面電気抵抗率が1×1010(Ω)のベルトの場合は、カーボンブラック濃度は10〜20重量%であり、表面電気抵抗率が1×1014(Ω)のベルトの場合は、カーボンブラック濃度6〜16重量%であることが、高温高湿から低温低湿での環境変動に対する、電気抵抗率の変動が少ないエンドレスベルトとすることができる点において好ましい。
X,Yは、特に
logY≧−X+21
logY≦−X+29
であることが好ましい。
[熱可塑性ポリマー成分について]
本発明において、熱可塑性ポリマー成分は、熱可塑性エラストマー及び/又は熱可塑性樹脂よりなる。
<熱可塑性樹脂>
本発明のエンドレスベルトに用いる熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレン、ポリエチレン(高密度,中密度,低密度,直鎖状低密度)、プロピレンエチレンブロック又はランダム共重合体、ゴム又はラテックス成分、例えばエチレン・プロピレン共重合体ゴム、スチレン・ブタジエンゴム、スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合体又はその水素添加誘導体、ポリブタジエン、ポリイソブチレン、ポリアミド(PA)、ポリアミドイミド(PAI)、ポリアセタール(POM)、ポリアリレート(Par)、ポリカーボネート(PC)、ポリアルキレンテレフタレート(PAT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンナフタレート(PBN)、ポリトリメチレンテレフタレート(PTT)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフェニレンオキシド(PPE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリオキシベンジレン(POB)、ポリイミド(PI)、液晶性ポリエステル、ポリスルフォン(PSF)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリビスアミドトリアゾール、ポリアミノビスマレイミド、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、アクリル、ポリフッ素化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ素化ビニル、クロロトリフルオロエチレン、エチレンテトラフルオロエチレン共重合体(ETFE)、ヘキサフルオロプロピレン、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、アクリル酸アルキルエステル共重合体、ポリエステルエステル共重合体、ポリエーテルエステル共重合体、ポリエーテルアミド共重合体、ポリウレタン共重合体等の1種又はこれらの2種以上の混合物からなるものが使用できる。
熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、不飽和ポリエステル樹脂等の1種又はこれらの混合物からなるものが使用できる。
本発明のエンドレスベルトに用いる熱可塑性樹脂の中でも、結晶性樹脂として好ましいのは、水酸基、カルボン酸基及びエステル結合の少なくとも1つを有するものであり、結晶化度が20%以上、90%未満であれば特に制限はなく汎用の樹脂を用いることができる。
具体的には熱可塑性結晶性樹脂の中でも、PAT(ポリアルキレンテレフタレート)が好ましく、なかでもPBT(ポリブチレンテレフタレート)やPET(ポリエチレンテレフタレート)やPEN(ポリエチレンナフタレート)はより好ましく、PBTは結晶化速度が速いので成形条件による結晶化度の変化が少なく、一般に30%前後と結晶化度で安定しているので特に好ましい。
また、本発明に用いる結晶性樹脂は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で共重合成分を導入することもできる。具体的な例として主鎖にエステル結合を有し、ポリテトラメチレングリコールやポリカプロラクトンのような脂肪族ポリエステルやポリシクロヘキサジメチレンなどの脂環式ポリエステルなどを導入したものなどを挙げることができる。
本発明のエンドレスベルトに用いる熱可塑性結晶性樹脂の分子量としては、重量平均分子量10,000〜100,000など一般的な分子量の樹脂を用いることができるが、引張り破断伸びなどの機械物性の高い要求がある場合には、高分子量のものが好ましい。具体的には20,000以上が好ましく、25,000以上であれば更に好ましく、30,000以上であれば特に好ましい。
本発明のエンドレスベルトに用いる熱可塑性樹脂の中でも、非晶性樹脂として好ましいのは、水酸基、カルボン酸基及びエステル結合の少なくとも1つを有するものであり、結晶化度が0%以上、10%未満であれば特に制限はなく汎用の樹脂を用いることができる。
具体的にはPC(ポリカーボネート)やPAr(ポリアリレート)などのポリエステルやPMMA(ポリメチルメタクリレート)などの側鎖にエステル結合を有する樹脂が好適な例として挙げることができる。なかでもポリエステルが好ましく、PCは特に好適に用いることができる。
また、本発明のエンドレスベルトに用いる非晶性樹脂は、本発明の効果を著しく損なわない範囲で共重合成分を導入することができる。具体的な例として主鎖にエステル結合を有し、ポリテトラメチレングリコールやポリカプロラクトンのような脂肪族ポリエステルやポリシクロヘキサジメチレンなどの脂環式ポリエステル、ポリメチレングリコールなどエステル結合を導入したものなどを挙げることができる。
本発明のエンドレスベルトに用いる非晶性樹脂の分子量に特に制限はなく、例えば、重量平均分子量10,000〜100,000など一般的な分子量の樹脂を用いることができるが、引張り破断伸びなど機械物性の高い要求がある場合には高分子量のものが好ましい。具体的には20,000以上が好ましく、25,000以上であれば更に好ましく、30,000以上であれば特に好ましい。
<熱可塑性エラストマー>
本発明で用いられる熱可塑性エラストマーとしては、ポリエステル系、ポリアミド系、ポリエーテル系、ポリオレフィン系、ポリウレタン系、塩ビ系等の熱可塑性エラストマー等が使用できる。
熱可塑性エラストマーの特徴は、エンドレスベルトの耐クラック性を大幅に高めることと、柔軟性を付与できる点である。
<熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーとのアロイ材料>
熱可塑性ポリマー成分として、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーとのアロイ材料を用いる場合、熱可塑性エラストマーとしては、熱可塑性樹脂と共通の官能基を持つなど、熱可塑性樹脂との親和性の高い熱可塑性エラストマーを用いることにより、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーのアロイ分散性が良くなり、耐クラック性の飛躍的な向上や引張り弾性率の調整が可能となり、優れた表面平滑性や、カーボンブラック等の導電性物質分散性が得られるため、好ましい。
従って、熱可塑性樹脂としてポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル及び/又はポリカーボネートを用いる場合には、ポリエステル系、又はポリエーテル系の熱可塑性エラストマーを用いることが好ましい。また、ナイロン等のアミド系熱可塑性樹脂には、ポリアミド系の熱可塑性エラストマーを組み合わせることが好ましい。
ポリエステル系エラストマーとしては、ハード成分に芳香族ポリエステル、ソフト成分に脂肪族ポリエーテルを用いたポリエステルポリエーテルブロック共重合体、ハード成分に芳香族ポリエステル、ソフト成分に脂肪族ポリエステルを用いたポリエステルポリエステルブロック共重合体を用いることができる。
ポリエステルポリエーテルブロック共重合体、ポリエステルポリエステルブロック共重合体としては、より具体的には、次の(A),(B)を用いることができる。
(A)ポリエステルポリエーテルブロック共重合体
ポリエステルポリエーテルブロック共重合体は、(a)炭素数2〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジオールと、(b)芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステル、及び(c)重量平均分子量が400〜6,000のポリアルキレンエーテルグリコールとを原料とし、エステル化反応、又は、エステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させたものである。炭素数2〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジオールとしては例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられ、好ましくは、1,4−ブタンジオール、エチレングリコールを主成分とするものであり、これらの1種又は2種以上を併用したものを使用することができる。
芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等があり、好ましくは、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸を主成分とするものであり、これらの2種以上を併用したものでも良い。また、芳香族ジカルボン酸のアルキルエステルとしては、ジメチルテレフタレート、ジメチルイソフタレート、ジメチルフタレート、2,6−ジメチルナフタレート等のジメチルエステルが挙げられ、好ましくはジメチルテレフタレート、2,6−ジメチルナフタレートであり、これらを2種以上併用したものでも良い。また、上記以外に3官能のジオール、その他のジオールや他のジカルボン酸及びそのエステルを少量共重合したものも良く、更に、アジピン酸等の脂肪族ジカルボン酸又は脂環式ジカルボン酸、又は、そのアルキルエステル等を共重合成分として使用したものも良い。
ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、重量平均分子量が400〜6,000のものが使用されるが、好ましくは500〜4,000のものである。ここで、ポリアルキレンエーテルグリコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリ(1,2及び1,3−プロピレンエーテル)グリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリヘキサメチレンエーテルグリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシドのブロック又はランダム共重合体、エチレンオキシドとテトラヒドロフランのブロック又はランダム共重合体等が挙げられる。特に好ましくはポリテトラメチレンエーテルグリコールである。ポリアルキレンエーテルグリコールの含有量は、生成するブロック共重合体に対し、5〜95重量%であることが望ましく、好ましくは10〜85重量%であることが望ましい。
(B)ポリエステルポリエステルブロック共重合体
ポリエステルポリエステルブロック共重合体は、上記(c)重量平均分子量が400〜6,000のポリアルキレンエーテルグリコールのかわりに、(d)脂肪族又は脂環式ジカルボン酸と脂肪族ジオールとが縮合したポリエステルオリゴマー、(e)脂肪族ラクトン又は脂肪族モノオールカルボン酸から合成されたポリエステルオリゴマーと、前記(a)炭素数2〜12の脂肪族及び/又は脂環式ジオールと、(b)芳香族ジカルボン酸又はそのアルキルエステルとを原料とし、エテル化反応又はエステル交換反応により得られたオリゴマーを重縮合させたものである。
上記(d)の例としては、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、ジシクロヘキシル−4,4’−ジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸又はコハク酸、シュウ酸、アジピン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸のうちの一種以上とエチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ペンタメチレングリコール等のジオールのうちの一種以上とを縮合した構造のポリエステルオリゴマーが挙げられ、上記(e)の例としてε−カプロラクトン、ω−オキシカプロン酸等から合成されたポリカプロラクトン系ポリエステルオリゴマーが挙げられる。
本発明に用いられるポリエステル系以外の熱可塑性エラストマーとしては、具体的にはポリスチレン系では、例えば、スチレン−ブタジエン−スチレンコポリマー、スチレン−イソプレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンコポリマー、スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンコポリマー等があり、ポリ塩化ビニル系では、架橋(三次元)塩化ビニル−直鎖塩化ビニルポリマー等があり、オレフィン系としては、ポリエチレン−EPDMコポリマー、ポリプロピレン−EPDMコポリマー、ポリエチレン−EPMコポリマーポリプロピレン−EPMコポリマー、等があり、ポリエステル系としては、PBT(1,4−ブタジエンジオール−テレフタル酸縮合物)−PTMEGT(ポリテトラメチレングリコール−テレフタル酸縮合物)コポリマー等が挙げられ、ポリアミド系としては、例えばナイロンオリゴマー−ジカルボン酸−ポリエーテルオリゴマーを基本骨格としたコポリマーを挙げることができ、前記ナイロンオリゴマーとしては例えばナイロン6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン612、ナイロン11、ナイロン12、等があり、ポリエーテルオリゴマーとしては、例えばポリエーテルグリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等を用いることができる。ウレタン系としては例えばポリウレタン−ポリカーボネートポリオールコポリマー、ポリウレタン−ポリエーテルポリオールコポリマー、ポリウレタン−ポリカプロラクトンポリエステルコポリマー、ポリウレタン−アジベートポリエステルコポリマーが挙げられる。
(熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーの重量比)
熱可塑性ポリマー成分として、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーとのアロイ材料を用いる場合、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーの重量比に特に制限はない。ただし、一般に熱可塑性樹脂の中で結晶性樹脂は耐薬品性、耐屈曲性に優れ、非晶性樹脂は成形寸法安定性に優れるので、使用目的に応じ、熱可塑性エラストマーとの比率を設定することができるが、なかでも、熱可塑性樹脂/熱可塑性エラストマーの重量比が1/99〜99/1が好ましく、5/95〜95/5がより好ましく、10/90〜90/10が更に好ましく、70/30〜30/70が特に好ましく、60/40〜40/60がとりわけ好ましい。
(熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーの粘度差)
熱可塑性ポリマー成分として、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーとのアロイ材料を用いる場合、両材料の粘度差が大きすぎると、製造条件を調整しても良好な分散が得られず、また、特にシリコーンを添着したカーボンブラックも、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーのいずれか一方の相に分散することとなり、不均一分散となりやすいことがあるので、粘度差は小さい方が好ましい。具体的には、熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーを同一条件でMFR測定したときの比が1/20〜20/1程度の範囲に収まることが好ましく、1/10〜10/1の範囲となれば更に好ましい。
なお、MFRの測定方法としてはJIS K−7210に準拠し、測定温度条件は熱可塑性樹脂組成物の加工温度に近い条件を選択することが好ましい。例えば、PBTとポリエステルエラストマーを選択した場合、加工温度となる240℃を測定温度として設定し、両材料の粘度差を比較することが好ましい。また、荷重としては例えば2.16kgを選択することで好適に測定できる。
<熱可塑性ポリマー成分の融点>
本発明においては、熱可塑性ポリマー成分として以下のDSC測定による融点が130℃以上、260℃以下のものを用いることが好ましい。
DSC(示差走査熱量)測定
セイコー電子工業(株)製SSC−5200(商品名)を使用し、試料を昇温速度20℃/minにて400℃まで昇温 させ、融解ピーク温度をDSC測定による融点とする。
熱可塑性ポリマー成分の融点が低すぎると、得られるエンドレスベルトの耐熱性が悪くなり、ローラの癖跡がつきやすくなるばかりか、クリープ性が悪くなるため好ましくない。逆に熱可塑性ポリマー成分の融点が高すぎると、加熱混練時、加熱押し出し時の成形温度が高すぎ、添加成分の揮発で、ベルト表面の外観が荒れる場合がある。熱可塑性ポリマー成分のより好ましい融点は180℃以上 250℃以下、更に好ましくは200℃以上240℃以下である。
尚、熱可塑性ポリマー成分としては、熱可塑性樹脂の1種又は2種以上を用いても良く、熱可塑性エラストマーの1種又は2種以上を用いても良く、これらを混合して用いても良い。
[付加的配合材(任意成分)について]
本発明のエンドレスベルトには、各種目的に応じて任意の配合成分を配合することができる。ただし、耐熱エンプラなどには加熱混練時に揮発しないよう、付加的成分の耐熱性に考慮する必要があり、配合の必要が無い場合もある。
具体的には、イルガホス168,イルガノックス1010,リン系酸化防止剤などの酸化防止剤、熱安定剤、各種可塑剤、光安定剤、紫外線吸収剤、中和剤、滑剤、防曇剤、アンチブロッキング剤、スリップ剤、架橋剤、架橋助剤、着色剤、難燃剤、分散剤等の各種添加剤を添加することができる。
更に、本発明の効果を著しく損なわない範囲内で、第2,第3成分として各種熱可塑性樹脂、各種エラストマー、熱硬化性樹脂、フィラー等の配合材を配合することができる。
[カーボンブラックへのシリコーンの添着方法について]
シリコーンをカーボンブラックに添着させるには、カーボンブラックの表面官能基とシリコーンの官能基が化学的に結合されることが望ましく、そのため、官能基の種類によっては添着させる際に一定の加熱を行った方が結合させやすい。また、添着の方法としてはスプレー塗布、ミキサーでの混合などの乾式や、溶液にカーボンブラックとシリコーンを分散混合させ、乾燥して溶液をとばす湿式の方法がある。乾式法はコストに優れ、湿式法は均一に添着できるメリットがあるため、用途によって使い分けるとよい。
(カーボンブラックへのシリコーンの添着について)
シリコーンのカーボンブラックへの添着は、均一に添着するために、攪拌機能のついたミキサー類を用いて攪拌しながら混合するのが好ましく、さらに攪拌混合時に好ましくは100℃以上で2時間以上加熱すると、溶媒残渣が少なくなることに加え、カーボンブラック表面に未添着のシリコーンの添着を促すことができるため、加熱混合時や加熱成形時に分解されず、発泡抑制、サージング抑制の点で好ましい。より好ましい加熱温度と時間は例えば130〜280℃で3〜24時間であり、この加熱温度が300℃以上の場合には、シリコーンが分解してシリカになるため好ましくない。
また、混合形態としては乾式法としてミキサー類での攪拌混合だけでなく、湿式法として各種溶剤にてシリコーンを希釈し、その溶液中にカーボンブラックを投入して混合した後、溶剤を各種乾燥機などで除去する方法などもあり、これに限らない。
[加熱混合について]
本発明においては熱可塑性ポリマー成分と、シリコーンを添着したカーボンブラックとを加熱混合して樹脂組成物とした後にエンドレスベルトを成形することも、熱可塑性ポリマー成分とシリコーンを添着したカーボンブラックを加熱混合してそのままエンドレスベルトを得ることもできる。
この場合、熱可塑性樹脂組成物を得る段階での加熱混練か樹脂組成物をエンドレスベルトに成形する段階での加熱混練のいずれかで、所望の表面電気抵抗率が得られるような混練条件を調節する。いずれの場合でも、溶融状態でないと十分な分散ができないので、加熱温度はある程度は高い方が好ましく、具体的には結晶性樹脂の融点を目安に用いて、結晶性樹脂の融点以上とすることが好ましく、融点+10℃以上であると更に好ましい。また、加熱温度が高すぎると熱分解を引き起こして物性劣化を招くことがあるので高すぎるのも良くはない。具体的には結晶性樹脂の融点を目安に用いて、結晶性樹脂の融点+80℃以下が好ましく、融点+60℃以下であることが更に好ましい。
また、加熱混練前には原料の乾燥をすることにより、より良い物性のエンドレスベルトを得られることがあるので乾燥は施しておいた方が好ましい。また、場合によっては、加熱混練して熱可塑性樹脂組成物とした後に、融点以下で熱処理を施して、エンドレスベルトに成形することもできる。
また、上記の加熱混合前に、熱可塑性樹脂と、シリコーンを添着したカーボンブラックとをミキサーなどで予備混合してもよい。また、熱可塑性樹脂はペレット状、フレーク状、粉末状のものが選択でき、予備混合する場合は、シリコーンを添着したカーボンブラックと同様の嵩密度のものを選定するとよい。
また、加熱混合時に減圧(脱揮)することにより、分解により発生する低分子量物のオリゴマーや、水分などを除くことができ、エンドレスベルトにした際に発泡やブツの外観不良を低減でき、且つブリードによるサージング発生を抑制することができる。
本発明においては、熱可塑性ポリマー成分とシリコーンを添着したカーボンブラックとのある特定の分散状態が、良好なカーボンブラックの分散状態とシリコーンの分散状態を作り出し、トナー離形性と電気抵抗値均一性の両方に優れたエンドレスベルトを得られると考えられる。従って加熱混合時の温度、及び熱を受ける時間が重要となるので、得られるエンドレスベルトの分散形態を把握しつつ、加熱混合条件を設定することが望ましい。そのときにアロイ状態の指標となるのが、前述の電気抵抗率の電圧依存性特性と電気抵抗率のばらつきと表面電気抵抗率と体積電気抵抗率の比率である。
加熱混合手段にも特に制限はなく公知の技術を用いることができる。例えば、まず熱可塑性樹脂、シリコーンを添着したカーボンブラック、及び必要に応じて配合されるその他の添加成分を加熱混合して樹脂組成物とするのであれば、一軸押出機、二軸混練押出機、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、プラストグラフ、ニーダーなどを用いることができる。
特に、熱可塑性樹脂、シリコーンを添着したカーボンブラック、及び必要に応じて配合されるその他の添加成分を例えば二軸混練押出機により混合し、ペレット化した後にエンドレスベルトとなるように成形する手法が好ましく用いられる。
[成形方法について]
成形方法については、特に限定されるものではなく、連続溶融押出成形法、射出成形法、ブロー成形法、あるいはインフレーション成形法など公知の方法を採用して得ることができるが、特に望ましいのは、連続溶融押出成形法である。特に押し出したチューブの内径を高精度で制御可能な下方押出方式の内部冷却マンドレル方式あるいはバキュームサイジング方式が好ましく、内部冷却マンドレル方式が最も好ましい。
また、この成形時の温度,滞留時間適正化により、より良好な物性のエンドレスベルトを得ることができるので、各配合組成にあわせて条件を調整することが好ましい。
[エンドレスベルトの物性]
本発明によれば、以下のような物性を有するエンドレスベルトを得ることができる。
・表面張力
エンドレスベルトの表面張力が高いとトナーとの親和性が上昇し、付着しやすくなるため好ましくない。
エンドレスベルトの表面張力は36dyne/cm以下であれば、トナー、その他の構成によってはエンドレスベルトとして使用可能であるが、実用的には33dyne/cm以下が好ましく、30dyne/cm以下であれば特に好ましい。
ただし、表面張力が小さ過ぎると感光体とベルトとの摩擦が少なくなりすぎ、トナー一次転写効率が悪くなるため、表面張力は27dyne/cm以上であることが好ましい。
エンドレスベルトの表面張力は、和光純薬製などの各種濡れ試薬を綿棒用いてベルト表面に塗り(約6cmを0.5秒)、塗布2秒後のベルト表面を観察して、濡れているか否かを以下の濡れの判断基準を参考に判断し、2秒間ぬらすのに最も近い標準液を見つけ、その表面張力をもって、試料の表面張力とする。
<濡れの判断基準>
(1) 濡れている場合:液膜が破れを生じないで、塗布された時の状態を保っている
(2) 濡れていない場合:液膜がその周辺で収縮する
・表面粗さRa
エンドレスベルトの表面粗さRaは0.02μm<Ra<0.25μmであることが好ましい。表面粗さRaが0.02μm未満であるとトナーの一次転写効率が悪化してしまう。エンドレスベルトの表面粗さRaが大きいとクリーニングブレードによるクリーニング性が低下しトナーがすり抜けるため好ましくない。従って本発明のエンドレスベルトは0.02μm<Ra<0.25μmが好ましく、0.02μm<Ra<0.15μmであると特に好ましい。
エンドレスベルトの表面粗さRaは例えばキーエンス製VK8500などの非接触式共焦点レーザー顕微鏡などで測定できる。具体的には100倍のレンズ倍率を使用し、任意の単位面積あたりの表面粗さを測定することができ、例えば面積40μmにおいての表面粗さを測定し、その平均値をとることができる。
・耐屈曲性
本発明のエンドレスベルトを例えば中間転写ベルトとして画像形成装置に用いる場合には、耐屈曲性が悪いとクラックが発生して画像が得られなくなるので、耐屈曲性の良好なエンドレスベルトであることが好ましい。具体的な数値としては、500回以上あれば一応エンドレスベルトとして機能を発揮して使用することができるが、実用的には5000回以上が好ましく、10000回以上であれば更に好ましく、30000回以上であれば、特にクラックが発生しにくくなるので特に好ましい。
耐屈曲性の程度は、JIS P−8115の耐折回数の測定方法に従うことで定量的に評価でき、耐折回数の大きいエンドレスベルトほどクラックが入りにくく、耐屈曲性に優れていると判断することができる。
・引張弾性率
エンドレスベルトの引張弾性率が低いと、例えば中間転写ベルトとして画像形成装置に用いる場合に張力により少し伸びが発生してしまい、色ズレなど不具合を発生することがあるので引張弾性率が高い方が好ましく、具体的には1000MPa以上が好ましく、1500MPa以上であればさらに好ましく、2000MPa以上であればさらに好ましく、2500MPa以上であれば色ズレなどの不具合を大幅に抑えることができるので特に好ましい。
一般に柔らかいプラスチックは耐折回数が高いが引張弾性率が低くなりやすく、逆に硬いプラスチックは高い引張弾性率を得られるが脆くなりやすく耐折回数は低いものしか得られないことが多い。本発明ではPBTやPCの有する固有の高い引張弾性率の特性を維持したまま、高い耐折回数を得ることができる意味で有用であると言える。
・表面抵抗率
本発明のエンドレスベルトはカーボンブラックを配合することにより導電性を得ることができる。
抵抗領域は目的により異なるが、表面抵抗率1〜1×1016Ω/□の範囲から選定することが好ましい。
更に好ましい範囲は用途により異なるが、例えば感光体ベルトとして用いる場合には必要に応じて外表面の電荷を内表面に逃がせるように1〜1×10Ω/□と低い表面抵抗率が好ましく、中間転写ベルトとして用いる場合には帯電−転写の容易にできる1×10〜1×1013Ω/□が好ましく、搬送転写ベルトとして用いる場合には帯電しやすく高電圧でも破損しにくい1×1010〜1×1016Ω/□と高い領域が好ましい。
また、エンドレスベルト1本中の表面抵抗率の分布は狭い方が好ましく、それぞれの好ましい表面抵抗率領域において、1本中の最大値と最小値の差が1桁以内であることが好ましい。
エンドレスベルトの表面抵抗率は例えばダイヤインスツルメント(株)製ハイレスタ,ロレスタやアドバンテスト(株)製R8340Aなどにより容易に測定することができる。
・エンドレスベルトの厚み
エンドレスベルトの厚みは50〜1000μmが好ましく、80〜500μmが更に好ましく、100〜200μmであれば特に好ましい。
[エンドレスベルトの用途について]
本発明のエンドレスベルトは、電子写真式複写機、レーザービームプリンター、ファクシミリ機等の画像形成装置に中間転写ベルト,搬送転写ベルト,感光体ベルトなどとして用いられる。エンドレスベルトはそのままベルトとして使用しても良いし、ドラムあるいはロール等に巻き付けて使用しても良い。
更に蛇行防止や端面補強等の目的のために、所定の寸法のエンドレスベルトの内側及び/又は外側端部近傍に耐熱テープを貼り付けたり、或いはウレタンゴムやシリコンゴム等のテープをベルト内側の端部近傍に貼り合わせても良い。
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明の効果を示す。
〈原料〉
原料は下記のものを用い、配合割合は表1の通りとした。
(熱可塑性樹脂)
・PBT:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ノバデュラン5040ZS」
重量平均分子量=40,000
PS換算重量平均分子量=122,000
MFR(240℃、2.16kgf荷重)=4g/10分
・PC:三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製「ユーピロンE2000」
重量平均分子量=28,000
PS換算重量平均分子量=64,000
MFR(280℃、2.16kgf荷重):4.8g/10分
(熱可塑性エラストマー)
・PEER:東洋紡積(株)製 ポリエステル−ポリエステルエラストマー「ペルプ
レンS3001」
MFR(240℃、2.16kgf荷重)=21g/10分
結晶融点=216℃
(カーボンブラック)
・カーボンブラック1:電気化学(株)製アセチレンブラック「デンカブラック粒状品」
pH=9
DBP吸油量=180ml/100g
比表面積=65m/g
揮発分=0%
平均一次粒径=39nm
・カーボンブラック2:デグサ(株)製チャンネルブラック「Printex140V」
pH=4.5
DBP吸油量=110ml/100g
比表面積=90m/g
揮発分=5%
平均一次粒径=29nm
・カーボンブラック3:三菱化学(株)製ファーネスブラック「MA100」
pH=3
DBP吸油量=100ml/100g
比表面積=110m/g
揮発分=1.5%
平均一次粒径=24nm
(酸化防止剤)
クラリアントジャパン(株)製 リン酸化防止剤「PEPQ」
(シリコーン)
・シリコーン1:東レダウコーニング(株)製シリコーンオイル「SH200」
官能基当量=官能基ないため測定不可
平均分子量=4400
・シリコーン2:信越化学工業(株)製 側鎖型アミノ変性シリコーンオイル
「KF−865」
官能基当量=1200g/mol
官能基の種類=アミノ基
平均分子量=5500
・シリコーン3:信越化学工業(株)製 末端型アミノ変性シリコーンオイル
「KF−8012」
官能基当量=1700g/mol
官能基の種類=アミノ基
平均分子量=4300
・シリコーン4:信越化学工業(株)製 アルコール変性シリコーンオイル
「KPN−3504」
官能基当量=2900g/mol
官能基の種類=水酸基
平均分子量=2900
・シリコーン5:東レダウコーニング(株)製シリコーン含有マスターバッチ
「BY27−009」
官能基当量=官能基ないため測定不可
平均分子量=500×10
(ベースポリマーPBTに対し、50%の超高分子量シリコーンを含有)
・シリコーン6:信越化学工業(株)製 末端型アミノ変性シリコーンオイル
「KF−8010」
官能基当量=430g/mol
官能基の種類=アミノ基
平均分子量=860
<配合>
各実施例及び比較例における配合は、シリコーン以外のポリブチレンテレフタレート(PBT)、熱可塑性エラストマー(TPE)、カーボンブラック(CB)、酸化防止剤の配合は、カーボンブラック濃度によって2通りとした。熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックとを合計で100重量部として配合し、酸化防止剤及びシリコーンは外添とした。また、カーボンブラック濃度はおおよその抵抗値を示す範囲を目標にカーボンブラックの種類ごとに設定し、PBTとTPEは7対3の割合となるよう配合した。シリコーンの種類と量は各実施例、比較例ごとに表1,2に示す。
(各例に共通する重量配合比)
・カーボンブラック濃度:13.5重量%の場合(実施例1〜12、比較例1〜4に該当)
PBT:60.55重量部
TPE:25.95重量部
CB:13.50重量部
酸化防止剤:0.30重量部
シリコーン:表1,2に示す重量部
・カーボンブラック濃度17.5重量%の場合(実施例13、比較例5に該当)
PBT:57.75重量部
TPE:24.35重量部
CB:17.50重量部
酸化防止剤:0.30重量部
シリコーン:表1,2に示す重量部
(カーボンブラックへのシリコーンの添着)
クボタ製重量フィーダー(CE−S−4)内にカーボンブラック1kgを投入し、アジテーターを10rpmで回転させながら各シリコーンを20g/minで投入し、投入完了後にそのままの条件で5分間攪拌混合した。この際、加熱などは行わなかった。例えば、シリコーン1重量部、カーボンブラック13.5重量部で配合する場合は、カーボンブラックに対して7.4%配合し(カーボンブラック1kgに対し74.07gを添着)、全体として熱可塑性ポリマーとカーボンブラックの合計100重量部に、シリコーン1重量部となるよう調整した。
<加熱混練>
各原料を、二軸混練押出機(IKG(株)製 PMT32)を用いて材料ペレット化した。
該押出機はL/D=32、2ベント式、各々のベントより原料投入側にニーディングを配し、原料投入側のベントは開放するのみ、溶融樹脂吐出側は真空ポンプにて−760mmHg(−100kPa)まで減圧した。樹脂の吐出量は14kg/hとし、シリンダーの温度はホッパーに一番近いシリンダーから原料投入側のベントがついたシリンダーまでを250℃、それ以外を200℃とし、回転数は140rpmで実施し、吐出された溶融樹脂をストランド状にして水槽を通過させたのち、ペレタイズして所定の大きさのペレットを作成した。
<エンドレスベルトの成形方法>
加熱混練により得られた材料ペレットを130℃で12時間乾燥し、φ190mm、ダイスリップ幅1.0mmの6条スパイラル型環状ダイつき40mmφの押出機により、環状ダイ下方に溶融チューブ状態で押し出し、押出した溶融チューブを、環状ダイと同一軸線上に支持棒を介して装着した外径184mmの冷却マンドレルの外表面(温度90℃)に接しめて冷却固化させつつ、次に、エンドレスベルトの中に設置されている円筒形の中子と外側に設置されている4点式ベルト引取機により、エンドレスベルトを円筒形に保持した状態で引き取りつつ、300mm長の長さで輪切りにして、厚み140μm、表面抵抗値が1×10〜1×1012Ωになるように押出し量と引き取り速度、押出温度を調整しつつ、シリンダーの温度とダイスの温度は260℃とし、内径183mm、厚さ0.14mmのエンドレスベルトとした。
<評価方法>
評価は必要に応じ、エンドレスベルトを必要な大きさに切り開いて実施した。
・表面抵抗値 Ω/□
表面抵抗率が10〜1×1013Ω/□となるサンプルはダイヤインスツルメント(株)製 ハイレスタ(HA端子)を使用し、100V、10秒の条件にて20mmピッチでベルト円周方向を測定し、得られた表面抵抗率の平均値を表面抵抗値とした。
・表面張力
表面張力は和光純薬製などの各種濡れ試薬を綿棒用いてベルト表面に塗り(約6cmを0.5秒)、塗布2秒後のベルト表面を観察して、濡れているか否かを以下の濡れの判断基準を参考に判断し、2秒間ぬらすのに最も近い標準液を見つけ、その表面張力をもって、試料の表面張力とした。
(濡れの判断基準)
濡れている場合:液膜が破れを生じないで、塗布された時の状態を保っている
濡れていない場合:液膜がその周辺で収縮する
・表面粗さ
エンドレスベルトの外側表面を約50mm×50mmのサンプルにカットし、(株)キーエンス製VK8500(非接触式共焦点レーザー顕微鏡)を用い、レンズ倍率100倍、ピッチ0.01μm、AUTO測定モードで40μm×40μmのエリアの表面粗さを4回測定したときの平均値を表面粗さの測定値とした。
・成形性
下記基準で評価した。
◎:問題なし
○:ややサージング
△:サージング
×:著しいサージング
・発泡の有無
下記基準で評価した。
○:発泡なし
△:微発泡
×:発泡あり
<評価結果>
評価結果を表1,2に示す。
Figure 0005082464
Figure 0005082464
<考察>
表1,2より、次のことが分かる。
(実施例1〜3)
シリコーンは信越化学工業製KF−865(官能基当量1200g/mol、分子量5500)を使用し、カーボンブラックは電気化学製デンカブラック粒状品を使用した。シリコーンの添加量を0.25、0.5、1.0重量部と変更したところ、いずれの配合量においても発泡やサージングは見られなかった。また、いずれの添加量においても表面張力が低下しており、表面張力低下の度合は添加量の増加に比例した。
(実施例4〜6)
シリコーンは信越化学工業製KF−8012(官能基当量1700g/mol、分子量4300)を使用し、カーボンブラックは電気化学製デンカブラック粒状品を使用した。シリコーンの添加量を0.25、0.5、1.0重量部と変更したところ、いずれの配合量においても発泡やサージングは見られなかった。また、いずれの添加量においても表面張力が低下しており、表面張力低下の度合は添加量の増加に比例した。
(実施例7〜9)
シリコーンは信越化学工業製KPN−3504(官能基当量2900g/mol、分子量2900)を使用し、カーボンブラックは電気化学製デンカブラック粒状品を使用した。シリコーンの添加量を0.20、0.5、1.0重量部と変更したところ、いずれの配合量においてもサージングは見られなかった。発泡は添加量1.0重量部にした場合のみ若干確認されたが、表面粗さを悪化させるに至らなかった。また、いずれの添加量においても表面張力が低下しており、表面張力低下の度合は添加量の増加に比例した。
(実施例10〜12)
シリコーンは東レダウシリコーン製SH200(官能基なし、分子量4400)を使用し、カーボンブラックは電気化学製デンカブラック粒状品を使用した。シリコーンの添加量を0.25、0.5、1.0重量部と変更したところ、0.25重量部においてはサージングは見られなかったものの、0.5、1.0重量部においてはサージングが見られた。発泡は添加量1.0重量部にした場合のみ若干確認され、やや表面粗さを悪化させるに至った。また、いずれの添加量においても表面張力が低下しており、表面張力低下の度合は添加量の増加に比例した。
(実施例13)
シリコーンは信越化学工業製KPN−3504(官能基当量2900g/mol、分子量2900)を使用し、カーボンブラックはデグサ製Printex140Vを使用した。シリコーンの添加量を1.0重量部で実施したところ、表面張力は30dyne/cm以下まで低下した。微発泡が見られたもののサージングなどは発生しなかった。
(比較例1)
シリコーンは添加しなかった。サージングや発泡は確認されなかったが、表面張力は36dyne/cmとなった。
(比較例2〜3)
シリコーンは東レダウシリコーン製BY27−009(官能基なし、分子量500×10以上)をPBTベースのマスターバッチ(シリコーン含有量50重量%)として添加した。カーボンブラックは電気化学製デンカブラック粒状品を使用した。シリコーンの添加量を1.0、2.0重量部と変更したところ、いずれの添加量においても著しいサージングが見られた。これは、シリコーンが超高分子量のため、ブリードが顕著であったことが原因と考えられる。発泡は確認されなかった。また、いずれの添加量においても表面張力が低下した。
(比較例4)
シリコーンは信越化学工業製KF−8010(官能基当量430g/mol、分子量860)を使用し、カーボンブラックは電気化学製デンカブラック粒状品を使用した。シリコーンの添加量を0.5重量部としたところ、サージングは見られなかったが、発泡が確認された。これは官能基量が多いため、未反応官能基がポリマー劣化を促進したためと考えられる。表面張力は30dyne/cm以下まで低下した。
(比較例5)
シリコーンは信越化学工業製KPN−3504(官能基当量2900g/mol、分子量2900)を使用し、カーボンブラックは三菱化学製MA100を使用した。シリコーンの添加量を1.0重量部で実施したところ、表面張力は30dyne/cm以下まで低下したが、発泡やブツが発生し、サージングも発生した。
以上の結果から、所定の官能基当量のシリコーンオイルをpH4以上のカーボンブラックに予め添着して配合することにより、高画質対応で高耐久性の画像形成装置用シームレスベルトを提供することができることが分かる。
一般的な中間転写装置の側面図である。
符号の説明
1 感光ドラム
2 帯電器
3 露光光学系
4 現像器
5 クリーナー
6 導電性エンドレスベルト
7,8,9 搬送ローラ

Claims (10)

  1. 画像形成装置に用いられるエンドレスベルトであって、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーよりなる熱可塑性ポリマー成分を主成分とし、該熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックとを加熱混合し、押出成形して得られる画像形成装置用エンドレスベルトにおいて、
    該カーボンブラックのpHが4以上であり、該熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックとの加熱混合に先立ち、該カーボンブラックにシリコーンが添着されており、該シリコーンの官能基当量が500g/mol以上であることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
  2. 請求項1において、該熱可塑性ポリマー成分がエステル結合を有することを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
  3. 請求項1又は2において、該シリコーンの平均分子量が100以上10万未満であることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
  4. 請求項1ないし3のいずれか1項において、該シリコーンの含有量が、熱可塑性樹脂及び/又は熱可塑性エラストマーよりなる熱可塑性ポリマー成分とカーボンブラックとの合計100重量部に対して、0.1〜10重量部であることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
  5. 請求項1ないし4のいずれか1項において、該カーボンブラックが、DBP吸油量50〜300cm/100g、比表面積35〜500m/g、揮発分0〜20%、平均一次粒径20〜50nmを満たすことを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項において、該カーボンブラックがアセチレンブラックであることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
  7. 請求項1ないし6のいずれか1項において、表面粗さRaが0.02μm<Ra<0.25μmであることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
  8. 請求項1ないし7のいずれか1項において、該押出成形される材料のメルトフローレート(MFR)で示される溶融粘度が0.1g/10分以上であることを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
  9. 請求項1ないし8のいずれか1項において、該熱可塑性ポリマー成分がポリアルキレンテレフタレートを含むことを特徴とする画像形成装置用エンドレスベルト。
  10. 請求項1ないし9のいずれか1項に記載の画像形成装置用エンドレスベルトを含むことを特徴とする画像形成装置。
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