JP5078224B2 - 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体 - Google Patents

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Description

本発明は、光線隠蔽性および表面外観に優れた白色外観の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体に関する。更には、これらの特性に加えて、溶融安定性、剛性、難燃性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、及びそれを成形してなる成形体に関する。
芳香族ポリカーボネートに酸化チタンを配合してなる樹脂組成物は、光線隠蔽性や光線反射性に優れ、また、耐衝撃性や耐熱性にも優れた樹脂材料であることから、誘導灯、広告灯等の表示灯や液晶ディスプレイ用のバックライトユニット用の反射板などに利用されている。
また、最近では多種多様なデザインに対する要望から、白色系の外観でありながら高い遮光性を有する各種の芳香族ポリカーボネート樹脂成形品の要求が高くなっている。
例えば、液晶プロジェクターでは高輝度光源部周辺からの光漏れがない白色系の筐体用の射出成形用材料が求められている。また、薄肉でありながら、高い遮光性を有する白色系のシートやフィルムが求められている。
芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の光線隠蔽性と光線反射性を改良するには、酸化チタンを配合する方法が一般的であり、最近の例では、特許文献1〜4等を挙げることができる。
しかしながら、光線隠蔽性と光線反射性の向上を酸化チタンの配合のみで達成しようとする従来方法では、十分な光線隠蔽性と光線反射性を付与するには、多量の酸化チタンを芳香族ポリカーボネートに配合する必要があった。また、光線隠蔽性のみが特性として求められる用途の場合においても、白色系外観の場合では光線隠蔽性を高めるための染料や顔料の配合量を少なくする必要があるために、多量の酸化チタンを芳香族ポリカーボネートに配合する必要があった。
芳香族ポリカーボネートにおいては、多量の酸化チタンの配合により、成形加工の際の溶融安定性が大きく低下するという問題がある。すなわち、多量の酸化チタンの配合により、芳香族ポリカーボネートの分子量が低下するのみならず、成形加工時にシルバーが発生し外観不良となりやすいという問題があった。さらには、多量の酸化チタンの配合により、成形体が非常に脆くなり、製品としての十分な強度を維持することが困難となり、特に薄肉の成形体の場合では成形体の柔軟性が低下するために、製品の組み立てや輸送において成形体が壊れやすいという問題があった。
一方、OA機器や電気・電子機器用として使用される芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では、高度な難燃性が同時に求められることが多く、最近では、環境に対する配慮から、臭素系難燃剤あるいはリン系難燃剤を使用しない難燃性の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が求められている。
特開2003−183491号公報 特開2003−213114号公報 特開2003−213144号公報 特開2003−226805号公報
本発明の課題は、光線隠蔽性および表面外観に優れた白色外観の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、及びそれを成形してなる成形体を提供すること、更には、これらの特性に加えて、溶融安定性、難燃性、剛性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、及びそれを成形してなる成形体を提供することである。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、芳香族ポリカーボネートに対して、珪酸塩化合物と酸化チタンを組み合わせて配合し、更に極めて少量の染顔料を含有させることにより、白色系の樹脂組成物でありながら、光線隠蔽性が著しく向上し、同時に表面外観に優れた樹脂組成物が得られるという驚くべき事実を見出し、本発明に至った。
すなわち本発明は、下記[1]〜[11]である。
[1]芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)100重量部に対して、珪酸塩化合物(B)3〜10重量部、酸化チタン(C)5〜12重量部、有機染顔料、または有機染顔料とカーボンブラックの組み合わせ(有機染顔料/カーボンブラックの重量比=3/25〜1/2)からなる染顔料(但し、蛍光増白剤は除く)(D)0.0001〜0.003重量部を含む白色外観の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であって、製品肉厚が1mmの厚みの場合に、全光線透過率が0.2%未満であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。(但し、芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂とは芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂の使用量は成分(A)の総量100重量部に対して1〜15重量部である。)
[2]該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、さらに有機酸及び/又は有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩から選ばれる化合物(E)0.001〜5重量部を含むことを特徴とする前記[1]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[3]該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、さらに脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩、芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩(F)0.001〜1重量部を含むことを特徴とする前記[1]又は[2]に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[4]該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、さらにフルオロポリマー(G)0.01〜1重量部を含むことを特徴とする前記[1]〜[3]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[5]該成分(E)の重量部数が、該珪酸塩化合物(B)と該成分(E)の混合物をJIS−K−5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が4〜8の範
囲となる重量部数であることを特徴とする前記[2]〜[4]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[6]該珪酸塩化合物(B)が、タルク、マイカから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする前記[1]〜[5]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。
[7]該成分(E)が、有機スルホン酸及び/または有機スルホン酸エステルから選ばれる化合物であることを特徴とする前記[2]〜[6]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[8]該酸化チタン(C)が、アルミナ及び/又はシリカで処理された酸化チタンであることを特徴する前記[1]〜[7]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[9]該酸化チタン(C)が、アルミナ及び/又はシリカで処理後、有機シロキサン化合物で処理された酸化チタンであることを特徴とする前記[1]〜[7]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
[10]該酸化チタン(C)が、1次平均粒径が0.1〜0.3μmであることを特徴とする前記[1]〜[9]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
11]前記[1]〜[10]のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
本発明の芳香族ポリカーボネート脂組成物、及びそれを成形してなる成形体は、光線隠蔽性および表面外観に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体であり、更には、これらの特性に加えて、溶融安定性、難燃性、剛性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体であり、工業的に極めて有用である。
以下に、本発明について具体的に説明する。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物は「白色外観」を有することを特徴とするが、本発明でいう「白色外観」とは、分光測色方法(JIS−Z−8722)で求められるL*値が70以上、好ましくは80以上、更に好ましくは85以上であるものをいう。
本発明において成分(A)は、芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂である。
ここで、芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂とは、成分(A)の総量を100重量部とした場合に、成分(A)の50重量部を超える成分が芳香族ポリカーボネートであり、残りの樹脂成分が芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂であるものを示す。
本発明の成分(A)として好ましく用いられる芳香族ポリカーボネートは、芳香族ジヒドロキシ化合物より誘導される芳香族ポリカーボネートであり、芳香族ジヒドロキシ化合物としては、例えば、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−t−ブチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルエーテル等のジヒドロキシアリールエーテル類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルフィド等のジヒドロキシアリールスルフィド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホキシド等のジヒドロキシアリールスルホキシド類、4,4′−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4′−ジヒドロキシ−3,3′−ジメチルフェニルスルホン等のジヒドロキシアリールスルホン類、等を挙げることができる。
これらの中で、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(通称、ビスフェノールA)が特に好ましい。これらの芳香族ジヒドロキシ化合物は単独または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明の成分(A)として好ましく用いられる芳香族ポリカーボネートは、公知の方法で製造したものを使用することができる。具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体とを反応せしめる公知の方法、例えば、芳香族ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(例えばホスゲン)を水酸化ナトリウム水溶液及び塩化メチレン溶媒の存在下に反応させる界面重合法(例えばホスゲン法)、芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステル(例えばジフェニルカーボネート)などを反応させるエステル交換法(溶融法)、ホスゲン法または溶融法で得られた結晶化カーボネートプレポリマーを固相重合する方法〔特開平1−158033(米国特許第4,948,871号に対応)、特開平1−271426、特開平3−68627(米国特許第5,204,377号に対応)〕などの方法により製造されたものを用いることができる。
本発明の成分(A)として使用される芳香族ポリカーボネートとして特に好ましいものは、二価フェノール(芳香族ジヒドロキシ化合物)と炭酸ジエステルとからエステル交換法にて製造された実質的に塩素原子を含まない芳香族ポリカーボネートである。
前記芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)は、通常、5,000〜500,000であり、好ましくは10,000〜100,000であり、より好ましくは13,000〜50,000、特に好ましくは15,000〜30,000、とりわけ好ましくは17,000〜25,000である。
本発明において、芳香族ポリカーボネートの重量平均分子量(Mw)の測定は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)を用いて行うことができ、測定条件は以下の通りである。すなわち、テトラヒドロフランを溶媒として、ポリスチレンゲルを使用し、標準単分散ポリスチレンの構成曲線から下式による換算分子量較正曲線を用いて求められる。
pc=0.3591Mps 1.0388
(Mpcは芳香族ポリカーボネートの分子量、Mpsはポリスチレンの分子量)
また、本発明の(A)として使用される芳香族ポリカーボネートは、分子量が異なる2種以上の芳香族ポリカーボネートを組み合わせて使用することも好ましい実施態様である。例えば、Mwが通常14,000〜16,000の範囲にある光学ディスク用材料の芳香族ポリカーボネートと、Mwが通常20,000〜50,000の範囲にある射出成形用あるいは押出成形用の芳香族ポリカーボネートを組み合わせて使用することもできる。
前記芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂にあっては、好ましく使用することができる芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ハイインパクトポリスチレン(HIPS)、アクリロニトリル−スチレン樹脂(AS樹脂)、ブチルアクリレート−アクリロニトリル−スチレン樹脂(BAAS樹脂)、アクリロニトリル−ブタジエンースチレン樹脂(ABS樹脂)、メチルメタクリレート−ブタジエンースチレン樹脂(MBS樹脂)、ブチルアクリレート−アクリロニトリル−スチレン樹脂(AAS樹脂)、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレート等のポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート、ポリアリレート、等の熱可塑性樹脂を挙げることができる。特にAS樹脂、BAAS樹脂は流動性を向上させるのに好ましく、ABS樹脂、MBS樹脂は耐衝撃性を向上させるのに好ましく、また、ポリエステル樹脂は耐薬品性を向上させるのに好ましい。
前記ポリカーボネートを主体とする樹脂において、芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂の使用量は、成分(A)の総量100重量部に対して、0.1〜30重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜20重量部、さらに好ましくは1〜15重量部である。
本発明で用いられる成分(B)は珪酸塩化合物であり、金属酸化物成分とSiO2成分とからなる珪酸塩化合物である。成分(B)として使用することができる珪酸塩化合物は、その珪酸イオンの形態として、オルトシリケート、ジシリケート、環状シリケート、鎖状シリケート、層状シリケート、等のいずれの形態であってもよい。
前記「珪酸塩化合物」は、複合酸化物、酸素酸塩、固溶体、のいずれの化合物でもよく、更に複合酸化物は単一酸化物の2種以上の組合せ、および単一酸化物と酸素酸塩との2種以上の組合せ、のいずれであってもよく、更に固溶体は2種以上の金属酸化物の固溶体、2種以上の酸素酸塩の固溶体、のいずれであってもよい。
また、前記「珪酸塩化合物」は水和物であってもよい。水和物における結晶水の形態はSi−OHとして水素珪酸イオンとして含まれるもの、金属陽イオンに対して水酸イオン(OH-)としてイオン的に含まれるもの、構造の隙間に水分子として含まれるもの、のいずれであってもよい。
また、前記「珪酸塩化合物」は、天然物および人工合成物のいずれも使用することができる。人工合成物としては、従来公知の各種の方法、例えば固体反応、水熱反応、および超高圧反応などを利用した各種の合成法、から得られた珪酸塩化合物が利用できる。
本発明の成分(B)として特に好ましく使用される珪酸塩化合物は、好ましくはその組成が実質的に下記式(1)で示されるものである。
xMO・ySiO2・zH2O (1)
(ここで、xおよびyは自然数を表し、zは0以上の整数を表し、MOは金属酸化物成分を表し、複数の金属酸化物成分であってもよい。)
上記金属酸化物MOにおける金属Mは、カリウム、ナトリウム、リチウム、バリウム、カルシウム、亜鉛、マンガン、鉄、コバルト、マグネシウム、ジルコニウム、アルミニウム、チタンなどを挙げることが出来る。
金属酸化物MOにおいて好ましいものは、CaOまたはMgOのいずれかを実質的に含むものである。更に好ましいものは金属酸化物MOが、CaOおよびMgOから選択される少なくとも1種の成分から実質的になる場合であり、特に好ましいものはMgOから実質的になる場合である。
本発明の成分(B)として好ましく使用される珪酸塩化合物の具体例としては、タルク、マイカ、ワラストナイト、ゾノトライト、カオリンクレー、モンモリロナイト、ベントナイト、セピオライト、イモゴライト、セリサイト、ローソナイト、スメクタイト、等を挙げることができる。
また、前記「珪酸塩化合物」は、任意の形状(板状、針状、粒状、繊維状等)のものが使用できるが、板状、針状のものが好ましく、中でも特に、板状の形態であるものが本発明の成分(B)として最も好ましく使用できる。
ここで板状の形態とは、平均粒子径を(a)、厚みを(c)とした場合に、a/c比が5〜500、好ましくは10〜300、更に好ましくは20〜200である形状のものである。
また、針状の形態とは、長軸方向の平均粒子径を(a)、短軸方向の平均粒子径を(c)とした場合に、a/c比が5〜500、好ましくは10〜300、更に好ましくは20〜200である形状のものである。
本発明において、成分(B)の平均粒子径は、0.1〜500μmが好ましく、0.5〜100μmがより好ましく、1〜50μmが更に好ましく、2〜30μmが特に好ましく、3〜20μmが最も好ましい。
尚、本発明でいう平均粒子径は、レーザー回折法により(例えば、島津製作所製;SALD−2000を使用して)平均粒子径を求める。
本発明の成分(B)として使用することができる珪酸塩化合物の中でも、特に好ましいものは、タルク、およびマイカである。
本発明の成分(B)として、特に好ましく使用できるタルクとは、層状構造を持つ含水ケイ酸マグネシウムであり、化学式4SiO2・3MgO・H2Oで表され、通常、SiO2 約63重量%、MgO約32%、H2O約5重量%、その他Fe23、CaO、Al23などを含有しており、比重は約2.7である。
また、本発明の成分(B)として、特に好ましく使用できるタルクとして、焼成タルクや、塩酸や硫酸等の酸で洗浄して不純物を除いたタルク、等も好ましく使用することができる。さらに、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等で表面疎水性処理を行ったタルクも使用することができる。
一方、本発明の成分(B)として、特に好ましく使用できるマイカとは、アルミニウム、カリウム、マグネシウム、ナトリウム、鉄、等を含んだケイ酸塩鉱物の粉砕物である。マイカには白雲母(マスコバイト、化学式: K(AlSi3O10)(OH)2Al4(OH)2(AlSi3O10)K )、金雲母(フロゴパイト、化学式: K(AlSi3O10)(OH)2Mg6(OH)2(AlSi3O10)K )、黒雲母(バイオタイト、化学式: K(AlSi3O10)(OH)2(Mg,Fe)6(OH)2(AlSi3O10)K )、人造雲母(フッ素金雲母、化学式: K(AlSi3O10)(OH)2F2Mg6F2(AlSi3O10)K)等があり、本発明のマイカとしてはいずれのマイカも使用できるが、好ましくは白雲母である。
また、かかるマイカはシランカップリング剤やチタネートカップリング剤等で表面疎水性処理されていてもよい。
本発明において成分(B)の使用量は、成分(A)100重量部に対して0.1〜30重量部であり、0.5〜25重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましく、2〜15重量部が更に好ましく、3〜10重量部が特に好ましい。
成分(B)の使用量が30重量部を超える場合は溶融安定性が低下し、また製品の外観や機械的物性の低下が大きく、一方、0.1重量部未満の場合は光線隠蔽性が低下し、さらに難燃性が低下する傾向にある。
本発明で用いられる成分(C)は酸化チタンであり、特に好ましくは二酸化チタンである。本発明に用いられる成分(C)の1次粒径は好ましくは0.05〜0.5μmであり、より好ましくは0.1〜0.4μmであり、さらに好ましくは0.1〜0.3μmである。
該酸化チタンは、硫酸法、塩素法のどちらで製造されたものも使用可能である。
また、酸化チタンの結晶構造は、ルチル型、アナターゼ型のどちらでも使用可能であるが、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の熱安定性、耐光性等の観点からルチル型がより好ましい。
本発明で使用される酸化チタンは表面処理されていることが好ましい。かかる表面処理剤としてはアルミナ及び/又はシリカなどの含水酸化物、トリエタノールアミンなどのアミン化合物、トリメチロールエタンなどのポリオール化合物等を挙げることができ、これらの表面処理剤で表面処理されているものが好ましく、中でもアルミナ及び/又はシリカなどの含水酸化物で処理されたものがより好ましい。
さらに好ましくは、アルキルポリシロキサン、アルキルアリールポリシロキサン、アルキルハイドロジェンポリシロキサンなどの有機シロキサン化合物、アルキルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシランなどのシランカップリング剤で前記表面処理に加えてさらに処理されたものが好ましく、特に好ましい表面処理剤として、アルキルハイドロジェンポリシロキサン、アルキルハイドロジェンポリシクロシロキサンなどのポリオルガノ水素シロキサンが挙げられる。
成分(C)にかかわる表面処理の方法としては湿式法と乾式法が挙げられる。湿式法は、表面処理剤と低沸点溶媒の混合液に酸化チタンを加え、攪拌後、溶媒を除去する方法で行う。その後、さらに100℃〜300℃で熱処理すると酸化チタンの分散性を向上させる上で好ましい。乾式法は表面処理剤と酸化チタンをヘンシェルミキサー、ダンブラー等の混合機中で混合するか、あるいは表面処理剤を溶媒に溶解させるか、あるいは分散させた混合溶液を酸化チタンに噴霧する方法で行う。その後、さらに100℃〜300℃で熱処理すると酸化チタンの分散性がより向上するので好ましい。このような表面処理をすることにより、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の物性低下を抑制し、さらに酸化チタンの樹脂組成物中での分散性を向上させ、シルバー等の成形不良を抑制することができる。 本発明における成分(C)の配合量は、成分(A)100重量部に対して1〜30重量部であり、好ましくは2〜30重量部であり、より好ましくは3〜20重量部、さらに好ましくは4〜15重量部、特に好ましくは5〜12重量部である。
成分(C)の使用量が30重量部を超える場合は樹脂組成物の溶融安定性、耐衝撃性、伸び特性、難燃性等が低下する傾向にある。一方、1重量部未満の場合は、光線反射性、光線隠蔽性が不十分となる傾向にある。
本発明で用いられる成分(D)は染顔料であり、本発明において染顔料とは、芳香族ポリカーボネートの着色に使用することができる顔料や染料を表す。
本発発明の樹脂組成物は白色系の外観であって高い遮光性を有する芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であるので、成分(D)の使用量は極めて少量である。しかしながら、本発明では、成分(B)、(C)に加えて極少量の成分(D)を組み合わせて使用することにより、光線隠蔽性が格段に向上した樹脂組成物となる。
かかる成分(D)の具体例としては、チタンイエロー、弁柄、群青、コバルトブルー、スピネルグリーン等の無機顔料、縮合アゾ系有機顔料、キナクドリン系有機顔料、イソインドリノン系有機顔料、ペリレン系有機顔料、アンスラキノン系有機顔料、フタロシアニン系有機顔料などの有機顔料、カーボンブラック、ペリレン系染料、クマリン系染料、チオインジゴ系染料、アンスラキノン系染料、チオキサントン系染料、ペリノン系染料、キノリン系染料、キナクリドン系染料、ジオキサジン系染料、イソインドリノン系染料およびフタロシアニン系染料等の有機染料を挙げることができる。
本発明では、成分(D)を2種以上を組み合わせて使用することもできる。
本発明における成分(D)の配合量は、成分(A)100重量部に対して0.0001〜0.1重量部である。成分(D)の使用量が0.0001重量部未満では光線隠蔽性が劣る傾向にある。一方、0.1重量部を越える場合は、組成物は白色系の外観を維持することが困難となる。
本発明で用いられる成分(E)は、有機酸性化合物及び/又は有機酸性化合物誘導体である。
本発明で用いられる成分(E)は、具体的には、有機酸及び/又は有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩から選ばれる有機酸誘導体を挙げることができる。
本発明では成分(B)と成分(E)を組み合わせて使用することにより、光線反射性、光線隠蔽性のみならず、樹脂組成物の難燃性や溶融安定性、更には薄肉の製品とした場合の折り曲げ強度を飛躍的に向上させることができる。
また本発明において、成分(E)を使用する場合では、成分(B)に対する成分(E)の使用量も極めて重要であり、成分(B)に対して成分(E)が少なすぎても過剰であっても、本発明の優れた効果、すなわち、高度な難燃性や優れた溶融安定性を得ることが困難となる。
前記「有機酸」とは、−SO3H基、−COOH基、−POH基からなる群から選ばれる基を分子構造中に少なくとも1つ含む有機化合物、すなわち、有機スルホン酸、有機カルボン酸、有機リン酸である。本発明ではこれらの中でも有機スルホン酸、有機カルボン酸が好ましく、特に、有機スルホン酸が好ましい。
また、前記「有機酸誘導体」とは、前記有機酸から誘導される有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩を指す。
前記「有機酸及び/又は有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩から選ばれる有機酸誘導体(E)」は、低分子化合物のみならず、オリゴマー状あるいはポリマー状のものを使用することができる。本発明において、成分(E)は二種以上を併用することもできる。
本発明の成分(E)として、特に、有機スルホン酸及び/又は有機スルホン酸エステル、有機スルホン酸ホスホニウム塩、有機スルホン酸アンモニウム塩から選ばれる有機スルホン酸誘導体、有機カルボン酸を好ましく使用することができる。
中でも、成分(E)として有機スルホン酸、有機スルホン酸エステルを使用する場合は、樹脂組成物の溶融安定性が特に優れており、揮発成分の発生も低レベルに抑えることができるために、広い温度範囲で成形加工が行えると共に、成形品の外観にも極めて優れる。
本発明の成分(E)として、好ましく使用することができる有機スルホン酸としては、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、ジイソプロピルナフタレンスルホン酸、ジイソブチルナフタレンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、等の芳香族スルホン酸、炭素数8〜18の脂肪族スルホン酸、スルホン化ポリスチレン、アクリル酸メチル・スルホン化スチレン共重合体等のポリマーまたはオリゴマー状の有機スルホン酸、等を挙げることができる。
また、本発明の成分(E)として使用することができる有機スルホン酸エステルとしては、ベンゼンスルホン酸メチル、ベンゼンスルホン酸エチル、ベンゼンスルホン酸プロピル、ベンゼンスルホン酸ブチル、ベンゼンスルホン酸オクチル、ベンゼンスルホン酸フェニル、p−トルエンスルホン酸メチル、p−トルエンスルホン酸エチル、p−トルエンスルホン酸プロピル、p−トルエンスルホン酸ブチル、p−トルエンスルホン酸オクチル、p−トルエンスルホン酸フェニル、ナフタレンスルホン酸メチル、ナフタレンスルホン酸エチル、ナフタレンスルホン酸プロピル、ナフタレンスルホン酸ブチル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−プロピル、ドデシルベンゼンスルホン酸−2−フェニル−2−ブチル、等を挙げることができる。
また、本発明の成分(E)として使用することができる有機スルホン酸ホスホニウム塩としては、オクチルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、デシルスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラエチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラブチルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラヘキシルホスホニウム塩、ドデシルベンゼンスルホン酸テトラオクチルホスホニウム塩、等を挙げることができる。
また、本発明の成分(E)として使用することができる有機スルホン酸アンモニウム塩として、デシルアンモニウムブチルサルフェート、デシルアンモニウムデシルサルフェート、ドデシルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルアンモニウムエチルサルフェート、ドデシルメチルアンモニウムメチルサルフェート、ドデシルジメチルアンモニウムテトラデシルサルフェート、テトラデシルジメチルアンモニウムメチルサルフェート、テトラメチルアンモニウムヘキシルサルフェート、デシルトリメチルアンモニウムヘキサデシルサルフェート、テトラブチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラエチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、テトラメチルアンモニウムドデシルベンジルサルフェート、等を挙げることができる。
さらに、本発明において、成分(E)として好ましく使用される有機スルホン酸は、分子構造中に−SO3H基の他に、−OH基、−NH2基、−COOH基、ハロゲン基、等を含む有機スルホン酸化合物であってもよく、例えば、ナフトールスルホン酸、スルファミル酸、ナフチルアミンスルホン酸、スルホ安息香酸、全置換もしくは部分置換のクロル基含有有機スルホン酸、全置換もしくは部分置換のフルオロ基含有有機スルホン酸、等を挙げることができる。
本発明において用いられる成分(E)としては、芳香族スルホン酸化合物が特に好ましく、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、等は最も好ましい例として挙げることができる。
本発明において成分(E)を使用する場合、その使用量は、成分(A)100重量部に対して0.001〜5重量部の範囲が好適であり、より好ましくは0.01〜3重量部、さらに好ましくは0.05〜2重量部、特に好ましくは0.1〜1重量部である。成分(E)の使用量が0.001重量部未満の場合では溶融安定性の改良効果が不十分となる傾向にあり、一方、5重量部を超える場合は樹脂組成物の溶融安定性が低下する傾向にある。
本発明の組成物における成分(E)の使用量(重量部数)は、前記成分(B)と該成分(E)の混合物をJIS−K−5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が4〜8の範囲となる重量部数であることが特に好ましい。
すなわち、本発明における成分(E)の最適な使用量は、成分(B)の種類や形状や量、あるいは成分(E)の種類によって変化する。
成分(E)の使用量は、成分(B)と成分(E)の混合物をJIS−K−5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が4.2〜7.8の範囲となる重量部数である場合がより好ましく、4.5〜7.6の範囲となる重量部数である場合がさらに好ましく、5.0〜7.4の範囲となる重量部数である場合が特に好ましく、5.5〜7.2の範囲となる重量部数である場合が最も好ましい。
本発明にかかわるJIS−K−5105のpH値の測定では、操作方法として煮沸法と常温法があるが、本発明では煮沸法を用いる。
また、本発明における成分(B)と成分(E)の混合物のpH値の測定では、成分(E)の水に対する溶解度が低い場合は、エタノールやイソプロピルアルコール等のアルコール類を懸濁液の分散媒として使用する。
本発明で用いられる成分(F)は、有機酸アルカリ金属塩および有機酸アルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の有機酸金属塩である。
本発明では成分(F)を使用することにより、優れた難燃性を獲得することができる。本発明の成分(F)として好ましく使用できる有機酸金属塩は、有機スルホン酸の金属塩及び/又は硫酸エステルの金属塩であり、これらは単独の使用だけでなく2種以上を混合して使用することも可能である。
本発明の成分(F)に含まれるアルカリ金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウムが挙げられ、アルカリ土類金属としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムが挙げられる。
本発明において、特に好ましいアルカリ金属はリチウム、ナトリウム、カリウムであり、最も好ましくはナトリウム、カリウムである。
本発明で好ましく使用することができる上記有機スルホン酸の金属塩としては、脂肪族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩、芳香族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩などが挙げられる。尚、本明細書中で「アルカリ/アルカリ土類金属塩」は、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩のいずれか、若しくはいずれもを含む意味で使用する。
脂肪族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩としては、炭素数1〜8のアルカンスルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩、またはかかるアルカンスルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩のアルキル基の一部がフッ素原子で置換されたスルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩、さらには炭素数1〜8のパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩を好ましく使用することができ、特に好ましい具体例として、パーフルオロエタンスルホン酸ナトリウム塩、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩、を挙げることができる。
また、芳香族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩としては、芳香族スルホン酸として、モノマー状またはポリマー状の芳香族サルファイドのスルホン酸、芳香族カルボン酸およびそのエステルのスルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族エーテルのスルホン酸、芳香族スルホネートのスルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸、モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホンスルホン酸、芳香族ケトンのスルホン酸、複素環式スルホン酸、芳香族スルホキサイドのスルホン酸、芳香族スルホン酸のメチレン型結合による縮合体、からなる群から選ばれる少なくとも1種を芳香族スルホン酸とする芳香族スルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩を挙げることができる。
上記、モノマー状またはポリマー状の芳香族サルファイドのスルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジナトリウム、ジフェニルサルファイド−4,4’−ジスルホン酸ジカリウムを挙げることができる。
また、上記芳香族カルボン酸およびそのエステルのスルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、5−スルホイソフタル酸カリウム、5−スルホイソフタル酸ナトリウム、ポリエチレンテレフタル酸ポリスルホン酸ポリナトリウムを挙げることができる。
また、上記モノマー状またはポリマー状の芳香族エーテルのスルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、1−メトキシナフタレン−4−スルホン酸カルシウム、4−ドデシルフェニルエーテルジスルホン酸ジナトリウム、ポリ(2,6−ジメチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,3−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(1,4−フェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリナトリウム、ポリ(2,6−ジフェニルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸ポリカリウム、ポリ(2−フルオロ−6−ブチルフェニレンオキシド)ポリスルホン酸リチウムを挙げることができる。
また、上記芳香族スルホネートのスルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、ベンゼンスルホネートのスルホン酸カリウムを挙げることができる。
また、上記モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ベンゼンスルホン酸カリウム、ベンゼンスルホン酸ストロンチウム、ベンゼンスルホン酸マグネシウム、p−ベンゼンジスルホン酸ジカリウム、ナフタレン−2,6−ジスルホン酸ジカリウム、ビフェニル−3,3’−ジスルホン酸カルシウム、トルエンスルホン酸ナトリウム、トルエンスルホン酸カリウム、キシレンスルホン酸カリウムを挙げることができる。
また、上記モノマー状またはポリマー状の芳香族スルホンスルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸ナトリウム、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸カリウム、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウム、ジフェニルスルホン−3,4’−ジスルホン酸ジカリウムを挙げることができる。
上記芳香族ケトンのスルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、α,α,α−トリフルオロアセトフェノン−4−スルホン酸ナトリウム、ベンゾフェノン−3,3’−ジスルホン酸ジカリウムを挙げることができる。
上記複素環式スルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジナトリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸ジカリウム、チオフェン−2,5−ジスルホン酸カルシウム、ベンゾチオフェンスルホン酸ナトリウムを挙げることができる。
上記芳香族スルホキサイドのスルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩は、その好ましい例として、ジフェニルスルホキサイド−4−スルホン酸カリウムを挙げることができる。
上記芳香族スルホン酸アルカリ/アルカリ土類金属塩のメチレン型結合による縮合体は、その好ましい例として、ナフタレンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物、アントラセンスルホン酸ナトリウムのホルマリン縮合物を挙げることができる。
一方、硫酸エステルのアルカリ/アルカリ土類金属塩としては、本発明では一価及び/又は多価アルコール類の硫酸エステルのアルカリ/アルカリ土類金属塩を好ましく使用することができ、かかる一価及び/又は多価アルコール類の硫酸エステルとしては、メチル硫酸エステル、エチル硫酸エステル、ラウリル硫酸エステル、ヘキサデシル硫酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルの硫酸エステル、ペンタエリスリトールのモノ、ジ、トリ、テトラ硫酸エステル、ラウリン酸モノグリセライドの硫酸エステル、パルミチン酸モノグリセライドの硫酸エステル、ステアリン酸モノグリセライドの硫酸エステルなどを挙げることができる。これらの硫酸エステルのアルカリ/アルカリ土類金属塩として、特に好ましいものとして、ラウリル硫酸エステルのアルカリ/アルカリ土類金属塩を挙げることができる。
また、その他のアルカリ/アルカリ土類金属塩としては、芳香族スルホンアミドのアルカリ/アルカリ土類金属塩を挙げることができ、例えばサッカリン、N−(p−トリルスルホニル)−p−トルエンスルホイミド、N−(N’−ベンジルアミノカルボニル)スルファニルイミド、およびN−(フェニルカルボキシル)スルファニルイミドのアルカリ/アルカリ土類金属塩などが挙げられる。
上記に挙げた成分(F)の中で、より好ましいアルカリ/アルカリ土類金属塩として、芳香族スルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩およびパーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ/アルカリ土類金属塩を挙げることができる。
本発明において成分(F)を使用する場合、その使用量は、成分(A)100重量部に対して通常0.001〜1重量部であり、0.005〜0.8重量部が好ましく、0.01〜0.7重量部がより好ましく、0.03〜0.5重量部が更に好ましく、0.05〜0.3重量部が特に好ましく、0.06〜0.2重量部が最も好ましい。
成分(F)の使用量が1重量部を超えると、樹脂組成物の溶融安定性が低下し、溶融混練で着色しやすくなる傾向にあり、一方、0.001重量部未満の場合は難燃性が不十分となる傾向にある。
本発明で用いられる成分(G)はフルオロポリマーであり、燃焼物の滴下を防止する目的で使用される。本発明で好ましく使用することができる成分(G)は、フィブリル形成能力を有するフルオロポリマーであり、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン・プロピレン共重合体等のテトラフルオロエチレンポリマー、を好ましく使用することができ、特に好ましくはポリテトラフルオロエチレンである。
成分(G)は、ファインパウダー状のフルオロポリマー、フルオロポリマーの水性ディスパージョン、ASやPMMA等の第2の樹脂との粉体状混合物等、様々な形態のフルオロポリマーを使用することができる。
本発明で好ましく使用できるフルオロポリマーの水性ディスパージョンとして、三井デュポンフロロケミカル(株)製「テフロン30J(登録商標)」、ダイキン工業(株)製「ポリフロンD−1(登録商標)」、「ポリフロンD−2(登録商標)」、「ポリフロンD−2C(登録商標)」、「ポリフロンD−2CE(登録商標)」を例示することができる。
また、本発明では成分(G)として、ASやPMMA等の第2の樹脂との粉体状混合物としたフルオロポリマーも好適に使用することができるが、これら第2の樹脂との粉体状混合物としたフルオロポリマーに関する技術は、特開平9−95583号公報(米国特許第5,804,654号に対応)、特開平11−49912号公報(米国特許第6,040,370号に対応)、特開2000−143966号公報、特開2000−297189号公報等に開示されている。本発明において好ましく使用できる、これら第2の樹脂との粉体状混合物としたフルオロポリマーとして、GEスペシャリティケミカルズ社製「Blendex 449(登録商標)」、三菱レーヨン(株)製「メタブレンA−3800(登録商標)」を例示することができる。
本発明における成分(G)の配合量は、成分(A)100重量部に対して、通常は0.01〜1重量部であり、好ましくは0.05〜0.8重量部、より好ましくは0.1〜0.6重量部、さらに好ましくは0.2〜0.4重量部である。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物では、必要に応じて、さらに、熱安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤(耐光剤)、滑剤、離型剤、帯電防止剤、蛍光増白剤などを添加することもできる。また、リン系難燃剤、臭素系難燃剤、シリコーン系難燃剤等の各種の難燃剤を含むこともできる。
前記熱安定剤としてはリン系熱安定剤を含むことが好ましい。かかるリン系安定剤の配合により、樹脂組成物の熱安定性が向上し、色調安定性、耐湿熱性、耐熱変色性、成形加工特性を向上させることができる。
リン系熱安定剤としては、リン酸エステル、亜リン酸エステル、ホスホン酸エステル等を使用することができる。
リン酸エステルの具体例としては、トリブチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリメチルホスフェート、トリフェニルホスフェート、ジフェニルモノオキソキセニルホスフェート、ジブチルホスフェート、ジオクチルホスフェート、ジイソプロピルホスフェートを例示することができる。
亜リン酸エステルの具体例としては、トリフェニルホスファイト、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、トリデシルホスファイト、トリオクチルホスファイト、トリオクダデシルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、ジイソプロピルモノフェニルホスファイト、モノブチルジフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、ビス(ノニルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイトを例示することができる。
ホスホン酸エステルの具体例としては、テトラキス(2,4−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−iso−プロピルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−n−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,3’−ビフェニレンジホスホナイト、テトラキス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)−3,3’−ビフェニレンジホスホナイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイト、ベンゼンホスホン酸ジメチル、ベンゼンホスホン酸ジエチル、ベンゼンホスホン酸ジプロピルを例示することができる。
上記の中で特に好ましく使用できるものは、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレンジホスホナイトおよびビス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−ビフェニルホスホナイトである。
リン系安定剤を使用する場合、その使用量は成分(A)100重量部に対して、0.001〜1重量部が好ましく、0.01〜0.5重量部がより好ましく、0.02〜0.3重量部がさらに好ましい。また、リン系安定剤は、1種もしくは2種以上を混合して用いてもよい。
前記紫外線吸収剤としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンに代表されるベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−ヘキシルオキシフェノールに代表されるトリアジン系紫外線吸収剤、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−tert−オクチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−tert−ブチルフェノール、2−(5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−2,4−tert−ブチルフェノールおよび2,2’−メチレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール]等に代表されるベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が例示され、これらは単独で用いても、2種以上併用してもよい。
これら紫外線吸収剤を使用する場合、その使用量は、成分(A)100重量部当り、通常は0.01〜1重量部、好ましくは0.05〜0.8重量部配合することができる。
前記離型剤としては、脂肪酸エステル化合物を好ましく使用することができる。かかる脂肪酸エステルとしては、炭素数1〜20の一価または多価アルコールと炭素数10〜30の飽和脂肪酸との部分エステルまたは全エステルであるのが好ましく、その具体例として、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸ジグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ステアリン酸モノソルビテート、ベヘニン酸モノグリセリド、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラペラルゴネート、プロピレングリコールモノステアレート、ステアリルステアレート、パルミチルパルミテート、ブチルステアレート、メチルラウレート、イソプロピルパルミテート、ビフェニルビフェネート、ソルビタンモノステアレート、2−エチルヘキシルステアレート等を挙げることができ、ステアリン酸モノグリセリド、ステアリン酸トリグリセリド、ペンタエリスリトールテトラステアレートは特に好ましい。これらは単独で用いても、2種以上併用してもよい。
これら脂肪酸エステルを使用する場合、その使用量は、成分(A)100重量部あたり、通常は0.01〜0.5重量部、好ましくは0.1〜0.3重量部配合することができる。
前記蛍光増白剤としては、スチルベンゼン系、ベンズイミダゾール系、ベンズオキサゾール系、ナフタルイミド系、ローダミン系、クマリン系、オキサジン系化合物等が挙げられる。これら蛍光増白剤を使用する場合、その使用量は、成分(A)100重量部あたり、通常は0.001〜0.1重量部であり、好ましく0.001〜0.05重量部、より好ましく0.001〜0.02重量部配合することができる。
次に、本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法について説明する。
本発明の樹脂組成物は前記の各成分(A)〜(D)、必要に応じて成分(E)〜(G)およびその他の成分を本明細書記載の組成割合で配合し、押出機等の溶融混練装置を用いて溶融混練することにより得ることが出来る。このときの各構成成分の配合、及び溶融混練は一般に使用されている装置、例えば、タンブラー、リボンブレンダー等の予備混合装置、単軸押出機や二軸押出機、コニーダー等の溶融混練装置を使用することが出来る。また、溶融混練装置への原材料の供給は、予め各成分を混合した後に供給することも可能であるが、それぞれの成分を独立して溶融混練装置に供給することも可能である。
本発明の樹脂組成物を製造するにあたり、成分(B)は、予め成分(B)の表面および内部が、有機酸性化合物及び/又は有機酸性化合物誘導体(E)によって、共有結合、イオン結合、分子間力、水素結合を介して、化学的または物理的に表面処理された後に、溶融混練装置に供給されることがより好ましい。
成分(B)を成分(E)により、予め表面処理する方法としては、例えば、以下の方法を示すことができる。成分(B)に対して、成分(E)を所定量配合し、必要により成分(E)は、溶融状態、溶液状態、あるいはガス状態として、噴霧、滴下、湿潤、浸漬、等の方法により成分(B)に接触させ、ヘンシェルミキサー、ナウタミキサー、Vブレンダー、タンブラー等の機械的混合装置を用いて混合攪拌処理を行う。該混合攪拌処理は、成分(E)の融点以下の温度で行ってもよいが、成分(E)の融点以上の温度まで加熱昇温して行うことがより効果的である。該混合攪拌処理に要する時間は混合装置の種類にもよるが、通常1分〜3時間、好ましくは2分〜1時間、より好ましくは3分〜40分、更に好ましくは5分〜30分である。混合装置としては加熱装置付きのヘンシェルミキサー、ナウターミキサーを特に好ましく使用することができる。また、混合攪拌処理の後に過剰の(E)成分を減圧処理及び/又は加熱処理により脱揮除去し、十分に乾燥させることが好ましい。
本発明の樹脂組成物を製造するための溶融混練装置として、通常は押出機、好ましくは2軸押出機が使用される。成分(B)は押出機の途中からサイドフィードすることもできる。溶融混練は通常、押出機のシリンダー設定温度を200〜300℃、好ましくは220〜270℃とし、押出機スクリュー回転数100〜700rpm、好ましくは200〜500rpmの範囲で適宜選択して行うことができるが、溶融混練に際し、過剰の発熱を与えないように配慮する。さらに、押出機の後段部分に開口部を設けて、開放脱揮、必要に応じて減圧脱揮を行うことも有効である。また、原料樹脂の押出機内滞留時間は通常、10〜60秒の範囲で適宜選択される。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品を得るための成形方法は特に限定されないが、例えば、射出成形、ガスアシスト成形、押出成形、圧縮成形、真空成形等が挙げられるが、中でも射出成形と押出成形が好ましく用いられる。
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を用いた成形品の例としては、コンピューター、ノート型パソコン、複写機、プリンター、液晶プロジェクター、電気・電子機器、携帯電話、携帯情報端末、電池パック、家電製品などのハウジング材料、バックライトユニット用の反射板部材、照明用部品材料、電子・情報機器用の難燃性シート(絶縁シート)、遮光用シート、遮光用フィルム等が挙げられ、特に、光線隠蔽性が求められる場合に好適に使用することができる。
以下に、実施例及び比較例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例などにより何ら限定されるものではない。
実施例あるいは比較例においては、以下の成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)を使用し、芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を製造した。
1.成分(A):芳香族ポリカーボネート
(A−1)
ビスフェノールAとジフェニルカーボネートから、溶融エステル交換法により製造された、ビスフェノールA系ポリカーボネートであり、ヒンダードフェノール系酸化防止剤としてオクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートを300ppm、および、ホスファイト系熱安定剤としてトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイトを300ppm含むもの。
重量平均分子量(Mw)=22,000
2.成分(B):珪酸塩化合物
(B−1)
日本タルク株式会社製、「マイクロエースP3(登録商標)」
3.成分(C):酸化チタン
(C−1)
硫酸法により製造したルチル型の二酸化チタンであり、1次平均粒子径が0.22μmのアルミナ処理された二酸化チタン
(C−2)
塩素法により製造したルチル型の二酸化チタンであり、1次平均粒子径が0.21μmのアルミナ処理された後、メチルハイドロジェンポリシロキサンで表面処理された二酸化チタン
4.成分(D):染顔料
(D−1)
三菱化学株式会社製、「三菱カーボンNo.50(登録商標)」
(D−2)
三菱化学株式会社製、「ダイヤレジンイエローH2G(登録商標)」
5.成分(E):有機酸性化合物及び/又は有機酸性化合物誘導体
(E−1)
p−トルエンスルホン酸、和光純薬工業株式会社製
6.成分(F):有機アルカリ金属塩および有機アルカリ土類金属塩から選ばる少なくとも1種の金属塩
(F−1)
パーフルオロブタンスルホン酸カリウム塩(大日本インキ工業(株)製、「メガファックF114(登録商標)」)
7.成分(G):フルロポリマー
(G−1)
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)とポリメチルメタクリレート(PMMA)の50/50(重量比)粉体状混合物(三菱レーヨン株式会社製、「メタブレンA3800(登録商標)」)
(実施例1〜2、参考実施例3〜5、及び、比較例1〜4)
成分(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)成分を表1に示す量(
単位は重量部)で二軸押出機を用いて溶融混練して芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を得た。
成分(A)を除く成分、すなわち、成分(B)、(C)、(D)、(E)、(F)、(G)(これらはいずれも粉体である)を予めタンブラーを用いて5分間予備混合を行って粉体原料混合物とした。しかる後に、該粉体原料混合物と成分(A)(成分(A)はペレット形状である)を更にタンブラーで5分間混合して、成分(A)〜(G)からなる原料予備混合物を調製した。
尚、実施例1、2、参考実施例4、参考実施例5並びに比較例1において、成分(B)と成分(E)の混合物に対して、JIS−K−5101規格に準拠してpH測定を行ったところ、6.0であった。
溶融混練装置は2軸押出機(ZSK−25、L/D=37、Werner&Pfleiderer社製)を使用した。
前記原料予備混合物を2軸押出機に重量フィーダーを介して投入し、シリンダー設定温度250℃、スクリュー回転数200rpm、混練樹脂の吐出速度15kg/Hrの条件で溶融混練を行った。溶融混練中に、押出機ダイ部で熱電対により測定した溶融樹脂の温度は260〜270℃であった。また、押出機の後段部分にベント口を設けて、開放脱揮を行った。
溶融混練された芳香族ポリカーボネート樹脂組成物はストランド状に押出され、ペレタイズされる。得られたペレットを120℃で5時間乾燥し、以下の各試験を実施した。
(1)全光線透過率
シリンダー温度300℃、金型温度80℃に設定し、射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)を用いて、50mm(幅)×90mm(長さ)であり、厚みが3mm、2mm、及び1mmの3段状となっている3段プレートを作成した。該成形体のゲート位置は成形体の片端(厚み3mm部分)であり、タブ状ゲートである。
該3段プレートの厚み1mmの部分に対して、日本電色工業(株)製COLOR AND COLOR DIFFERENCE METER MODEL 1001DPを使用し、全光線透過率を測定し、以下の基準で分類した。
○:全光線透過率が0.2%未満
×:全光線透過率が0.2%以上
さらに、エプソン株式会社製マルチメディア・プロジェクター「ELP−51」を使用し、光源をオンにした状態で投射レンズ部分に該3段プレートの厚み1mm部分を押し当て、暗室内で光線隠蔽性を目視判断した。
○:光線透過がなく光線隠蔽性が良好である。
×:光線透過が認められる。
(2)表面外観
シリンダー温度300℃、金型温度80℃に設定した射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)により、50mm(幅)×90mm(長さ)×2.5mm(厚み)平板を成形体の片端から樹脂組成物を充填して成形し、その表面外観の状態を目視により観察し、以下の分類を行った。
○:シルバーの発生が観察されない。
×:シルバーの発生が観察される。
(3)曲げ弾性率
シリンダー温度280℃、金型温度80℃に設定した射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)で1/8インチ厚短冊片を成形体の片端から樹脂組成物を充填して成形し、ASTM D790に準じて、曲げ弾性率(単位:MPa)を測定した。測定温度は23℃である。
(4)難燃性
燃焼試験用の短冊形状成形体(12.7mm(幅)×127mm(長さ)×1.5mm(厚み))を射出成形機(オートショット100D、ファナック社製)により、シリンダー設定温度300℃、金型設定温度80℃の条件で成形し、温度23℃、湿度50%の環境下に7日保持した後、UL−94規格に準じて20mm垂直燃焼試験を行った。
難燃性の程度は、V−0>V−1>V−2の順で高難燃性を表す。
(5)L*
前光線透過率測定で使用した3段プレートの厚み2mmの部分を使用して、ミノルタ株式会社製 分光測色計CM−2002を使用して、L*値を測定した。測定条件はD65/10°で行った。
結果を表1に示す。
Figure 0005078224
本発明の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、及びそれを成形してなる成形体は、光線隠蔽性および表面外観に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体であり、更には、溶融安定性、難燃性、剛性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂組成物および成形体であり、コンピューター、ノート型パソコン、複写機、プリンター、液晶プロジェクター、電気・電子機器、携帯電話、携帯情報端末、電池パック、家電製品などのハウジング材料、バックライトユニット用の反射板部材、照明用部品材料、電子・情報機器用の難燃性シート(絶縁シート)、遮光用シート、遮光用フィルム等に適用でき、工業的に極めて有用である。

Claims (11)

  1. 芳香族ポリカーボネートまたは芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂(A)100重量部に対して、珪酸塩化合物(B)3〜10重量部、酸化チタン(C)5〜12重量部、有機染顔料、または有機染顔料とカーボンブラックの組み合わせ(有機染顔料/カーボンブラックの重量比=3/25〜1/2)からなる染顔料(但し、蛍光増白剤は除く)(D)0.0001〜0.003重量部を含む白色外観の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物であって、製品肉厚が1mmの厚みの場合に、全光線透過率が0.2%未満であることを特徴とする芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
    (但し、芳香族ポリカーボネートを主体とする樹脂とは芳香族ポリカーボネート以外の熱可塑性樹脂の使用量は成分(A)の総量100重量部に対して1〜15重量部である。)
  2. 該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、さらに有機酸及び/又は有機酸エステル、有機酸無水物、有機酸ホスホニウム塩、有機酸アンモニウム塩から選ばれる化合物(E)0.001〜5重量部を含むことを特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  3. 該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、さらに脂肪族スルホン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩、芳香族スルホン酸のアルカリ金属塩及び/又はアルカリ土類金属塩から選ばれる少なくとも1種の金属塩(F)0.001〜1重量部を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  4. 該芳香族ポリカーボネート樹脂組成物が、さらにフルオロポリマー(G)0.01〜1重量部を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  5. 該成分(E)の重量部数が、該珪酸塩化合物(B)と該成分(E)の混合物をJIS−K−5101に基づいてpH値を測定したときに、該混合物のpH値が4〜8の範囲となる重量部数であることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  6. 該珪酸塩化合物(B)が、タルク、マイカから選ばれる少なくとも1種以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート系樹脂組成物。
  7. 該成分(E)が、有機スルホン酸及び/または有機スルホン酸エステルから選ばれる化合物であることを特徴とする請求項2〜6のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  8. 該酸化チタン(C)が、アルミナ及び/又はシリカで処理された酸化チタンであることを特徴する請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  9. 該酸化チタン(C)が、アルミナ及び/又はシリカで処理後、有機シロキサン化合物で処理された酸化チタンであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  10. 該酸化チタン(C)が、1次平均粒径が0.1〜0.3μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の芳香族ポリカーボネート樹脂組成物を成形してなる成形品。
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