JP5077516B2 - 熱遮蔽性複合粒子粉末及びそれを用いた熱遮蔽性塗料組成物 - Google Patents

熱遮蔽性複合粒子粉末及びそれを用いた熱遮蔽性塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、シャープな粒子径分布を有し、高い赤外線反射性を有する熱遮蔽性塗料組成物を得ることができると共に、熱遮蔽性塗料組成物中における分散性及び保存安定性に優れた熱遮蔽性複合粒子粉末に関するものである。
従来、屋外で用いられている建築物、自動車等は、太陽の日射によって内部温度が上昇するため、建築物及び自動車等の外観塗装を酸化チタン等の白色顔料を用いて白色から淡色にすることにより太陽光を反射させ、ある程度の熱遮蔽効果を得ることが行われている。
しかしながら、殊に、屋外建築物の屋根等は、汚れを目立たなくするために、濃彩色から黒色を呈している場合が多く、これら、外観塗装が濃彩色から黒色を有する建築物及び自動車等は、白色から淡色の外観塗装を有する建築物及び自動車に比べて太陽熱の遮蔽効果が低く、室内の温度が著しく上昇する傾向にある。
そこで、冷房のためのエネルギー節約や地球温暖化防止という観点から、濃彩色から黒色の外観を有する建築物及び自動車の内部温度上昇の軽減が強く望まれている。
現在、インキ、塗料、ゴム、プラスチック等の濃彩色から黒色の着色剤として、カーボンブラック、黒鉛、黒色酸化鉄等の黒色顔料、ペリレンブラック等の黒色有機顔料及び二色又は三色の有機顔料を混合することによって得られる黒色顔料等が知られている。
これら黒色顔料のうち、殊に、最も一般的に用いられているカーボンブラックは、高い黒色度を有しているが、可視光領域から赤外領域まで光を吸収するため、熱遮蔽効果が著しく低いものである。また、粒子サイズが平均粒子径0.005〜0.05μm程度の微粒子であるため自己凝集しやすく、微粒子の状態で樹脂組成物中へ分散することは困難であると共に、凝集物は最大粒子径で一般に0.1μm〜5mmもの粗大粒子を形成することが知られている。
また、一般に、有機顔料の比重は1.3〜2.5の幅を持っており、数種類の有機顔料を混合して得られた黒色顔料は、一見黒く見えていても、個々の有機顔料の比重差から、例えば塗料ビヒクル中に分散させた場合、長期保存時、比重差による色分かれが生じ易い。
これまでに、カーボンブラック以外の顔料を用いて黒色顔料を得る方法として、350〜2100nmの領域における太陽熱放射反射率が特定値以上である有色有機顔料を混合することにより、黒色を有する熱遮蔽性黒色顔料組成物が提案されている(特許文献1乃至特許文献3)。
また、780〜2100nmの領域における日射反射率が3.0%以上である黒色顔料を含む熱線遮蔽塗料が提案されている(特許文献4)。
また、優れた赤外線反射性及び着色力を有する熱遮蔽性顔料を得ることを目的として、白色無機粒子粉末の粒子表面にオルガノシラン化合物を介してペリレンブラックが付着している熱遮蔽性顔料が知られている(特許文献5)。
特開平4−255769号公報 特開2000−212475号公報 特開2002−20647号公報 特開2000−72990号公報 特開2004−10851号公報
シャープな粒子径分布を有し、高い赤外線反射性を有する熱遮蔽性塗料組成物を得ることができると共に、熱遮蔽性塗料組成物中における分散性及び保存安定性に優れた熱遮蔽性複合粒子粉末は、現在最も要求されているところであるが、未だ得られていない。
即ち、前出特許文献1乃至3には、350〜2100nmの領域における太陽熱放射反射率が特定値以上である赤、橙、黄、緑、青、紫系の有彩色の顔料を混合することにより、マンセル記号(N−1)又はCIE 1976 LABにおけるL値が20以下である黒色を有する熱遮蔽性黒色顔料組成物を得る方法が記載されているが、長期間の使用により顔料が劣化して配色のバランスが崩れて変色し易いという問題もある。また、ビヒクル中に分散させた場合、各有機顔料の比重差に起因して色分れを起こし易く、更に、分散レベルが異なる既存の有機顔料を分散・混合しているだけなので、粒子径が不均一になり易く、ビヒクルや樹脂組成物等への分散が困難となる。
また、前出特許文献4には、780〜2100nmの波長領域における日射反射率が3.0%以上である黒色顔料を含む熱線遮蔽塗料が提案されているが、赤外波長領域における反射率が低いため、塗膜に熱がこもりやすく、熱遮蔽性に優れるとは言い難いものである。
前出特許文献5には、白色無機粒子粉末の粒子表面にオルガノシラン化合物を介してペリレンブラックを付着させる方法が記載されているが、後出比較例に示すとおり、900〜2100nmの波長領域における反射率が40%未満であり、熱遮蔽性に優れるとは言い難いものである。
そこで、本発明は、シャープな粒子径分布を有し、高い赤外線反射性を有する熱遮蔽性塗料組成物を得ることができると共に、熱遮蔽性塗料組成物中における分散性及び保存安定性に優れた黒色から濃彩色を呈する熱遮蔽性複合粒子粉末を提供することを技術的課題とする。
前記技術的課題は、次の通りの本発明によって達成できる。
即ち、本発明は、無機粒子粉末の粒子表面に少なくとも2色以上の有機色素が付着している複合粒子粉末からなり、前記有機色素が赤色系有機色素、青色系有機色素、黄色系有機色素、緑色系有機色素、紫色系有機色素、橙色系有機色素及び褐色系有機色素から選ばれるものであり、当該複合粒子粉末をJIS K 5101に従って作製した塗布膜の900〜2100nmの波長における反射率が40%以上であることを特徴とする熱遮蔽性複合粒子粉末である(本発明1)。
また、本発明は、無機粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に該表面改質剤被覆無機粒子の粒子表面に少なくとも2色以上の有機色素が付着している複合粒子粉末からなり、前記有機色素が赤色系有機色素、青色系有機色素、黄色系有機色素、緑色系有機色素、紫色系有機色素、橙色系有機色素及び褐色系有機色素から選ばれるものであり、当該複合粒子粉末をJIS K 5101に従って作製した塗布膜の900〜2100nmの波長における反射率が40%以上であることを特徴とする熱遮蔽性複合粒子粉末である(本発明2)。
また、本発明は、本発明1又は2に記載の熱遮蔽性複合粒子粉末を含有することを特徴とする熱遮蔽性塗料組成物である(本発明)。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末は、シャープな粒子径分布を有し、高い赤外線反射性を有する熱遮蔽性塗料組成物を得ることができると共に、熱遮蔽性塗料組成物中における分散性及び保存安定性に優れているので、黒色から濃彩色を呈する熱遮蔽性塗料組成物用着色粒子粉末として好適である。
また、本発明に係る熱遮蔽性塗料組成物は、上記熱遮蔽性複合粒子粉末を用いることにより、分散性及び保存安定性に優れているので、長期保存が必要な用途には、特に好適に用いることできる。
本発明の構成をより詳しく説明すれば次の通りである。
先ず、本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末について述べる。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末は、芯粒子粉末である無機粒子粉末の粒子表面に2色以上の有機色素が付着している複合粒子からなる。
本発明における無機粒子粉末としては、白色無機粒子粉末及び有色無機粒子粉末のいずれをも用いることができる。白色無機粒子粉末としては、二酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化亜鉛等の白色粒子粉末、雲母チタン、白雲母等のパール顔料、シリカ粉、ホワイトカーボン、微粉ケイ酸、珪藻土等のシリカ微粒子並びにクレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、アルミナホワイト、タルク及び透明性酸化チタン等の体質顔料が挙げられる。有色無機粒子としては、マグネタイト、ゲータイト及びへマタイト等の酸化鉄系粒子粉末、チタンブラック等が挙げられる。
無機粒子粉末の平均一次粒子径は、0.001〜1.0μmが好ましく、より好ましくは0.003〜0.95μm、更により好ましくは0.005〜0.9μmであり、粒子形状は、球状、粒状、多面体状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、鱗片状及び板状等のいずれの形状であっても良い。平均粒子径が1.0μmを超える場合には、得られる熱遮蔽性複合粒子粉末が粗大粒子となり、着色力が低下するため好ましくなく、一方、平均粒子径が0.001μm未満の場合は、粒子の微細化により凝集を起こしやすくなるため好ましくない。
無機粒子粉末の一次粒子径の粒子径の幾何標準偏差値は、2.0以下が好ましく、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.5以下である。2.0を超える場合には、得られる熱遮蔽性複合粒子粉末の粒度分布が広く、熱遮蔽性塗料組成物中における分散性が低下するため好ましくない。
本発明における無機粒子粉末のBET比表面積値は、0.1m/g以上が好ましい。BET比表面積値が0.1m/g未満の場合には、無機粒子が粗大であったり、粒子及び粒子相互間で焼結が生じた粒子となっており、得られる熱遮蔽性複合粒子粉末もまた粗大粒子となり着色力及び熱遮蔽性塗料組成物中における分散性が低下する。得られる熱遮蔽性複合粒子粉末の着色力及び熱遮蔽性塗料組成物中における分散性を考慮すると、BET比表面積値は、より好ましくは0.5m/g以上、更により好ましくは1.0m/g以上である。無機粒子粉末の粒子表面への表面改質剤による均一な被覆処理及び/又は有機色素による均一な付着処理を考慮すると、その上限値は1000m/g程度であり、好ましくは800m/g、より好ましくは500m/gである。
本発明における無機粒子粉末の色相は、無機粒子粉末の粒子表面に付着させる有機色素の配合比を調節することで濃彩色から黒色の熱遮蔽性複合粒子を得ることができるため特に限定されないが、調色の容易さという観点から、彩度(c値)はできる限り低い方が好ましい。具体的には、c値は18.00以下であることが好ましく、より好ましくは15.00以下、更により好ましくは12.00以下、最も好ましくは9.00以下である。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末は、平均一次粒子径の粒度分布及び熱遮蔽性塗料組成物中における分散性及び分散安定性を考慮した場合、芯粒子粉末である無機粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に、該表面改質剤被覆無機粒子表面に少なくとも2色以上の有機色素が付着している複合粒子からなるものが好ましい。
本発明において、表面改質剤を用いる場合には、無機粒子の粒子表面へ有機色素を付着できるものであれば何を用いてもよく、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、シラン系カップリング剤及びオルガノポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系などのカップリング剤、低分子あるいは高分子界面活性剤等を好適に用いることができる。
有機ケイ素化合物としては、具体的には、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン及びデシルトリエトキシシラン等のアルコキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、トルフルオロプロピルトリエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシラン及びトリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン等のフルオロアルキルシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、ポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、変性ポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン等が挙げられる。
チタネート系カップリング剤としては、イソプロピルトリステアロイルチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルパイロホスフェート)チタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスフェイト)チタネート、テトラ(2−2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスフェイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
アルミネート系カップリング剤としては、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムジイソプロボキシモノエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート等が挙げられる。
ジルコネート系カップリング剤としては、ジルコニウムテトラキスアセチルアセトネート、ジルコニウムジブトキシビスアセチルアセトネート、ジルコニウムテトラキスエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシモノエチルアセトアセテート、ジルコニウムトリブトキシアセチルアセトネート等が挙げられる。
低分子系界面活性剤としては、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ジオクチルスルホンコハク酸塩、アルキルアミン酢酸塩、アルキル脂肪酸塩等が挙げられる。高分子系界面活性剤としては、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、カルボキシメチルセルロース、アクリル酸−マレイン酸塩コポリマー、オレフィン−マレイン酸塩コポリマー等が挙げられる。
有機色素の付着効果を考慮すれば、アルコキシシラン、フルオロアルキルシラン、ポリシロキサン等の有機ケイ素化合物、シラン系、チタネート系、アルミネート系及びジルコネート系の各種カップリング剤を用いることが好ましい。
表面改質剤による被覆量は、表面改質剤被覆無機粒子粉末に対してC換算で0.01〜15.0重量%が好ましい。表面改質剤を0.01〜15.0重量%の範囲で処理することにより、無機粒子粉末の粒子表面に有機色素を効果的に付着することができる。より好ましくは0.02〜12.5重量%であり、更により好ましくは0.03〜10.0重量%である。
本発明における有機色素としては、一般に、塗料、樹脂組成物及びゴム組成物の着色剤として用いられている有機顔料、染料及び染料を沈殿剤で不溶化した染付けレーキ等を用いることができ、赤色系有機色素、青色系有機色素、黄色系有機色素、緑色系有機色素、橙色系有機色素、褐色系有機色素及び紫色系有機色素等の各種有機色素を使用することができる。得られる熱遮蔽性塗料組成物の耐光性を考慮すると、有機顔料もしくは染付けレーキを用いることが好ましい。
本発明における有機顔料の中で、赤色系有機色素としては、ブリリアントカーミン、パーマネントレッド等のアゾ系顔料、縮合アゾレッド等の縮合アゾ顔料及びジアミノアントラキノニルレッド、キナクリドンレッド、チオインジゴレッド、ペリレンレッド、ペリノンレッド、イソインドリンレッド、ジケトピロロピロールレッド等の縮合多環系顔料、リソールルビンBCA等を用いることができる。青色系有機色素としては、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー等のフタロシアニン系顔料、インダンスロンブルー、インジゴブルー等の縮合多環系顔料及びアルカリブルーを用いることができる。黄色系有機色素としては、ハンザエロー等のモノアゾ系顔料、ベンジジンエロー、パーマネントエロー等のジスアゾ系顔料、縮合アゾイエロー等の縮合アゾ顔料及びアントラピリミジンイエロー、イソインドリノンイエロー、イソインドリンイエロー、キノフタロンイエロー等の縮合多環系顔料を用いることができる。緑色系有機色素としては、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料を用いることができる。橙色系有機色素としては、パーマネントオレンジ、リソールファストオレンジ、ピラゾロンオレンジ、バルカンファストオレンジ等のアゾ系顔料及びキナクリドン、ペリノンオレンジ、イソインドリノンオレンジ、イソインドリンオレンジ、ジケトピロロピロールオレンジ等の縮合多環系顔料を用いることができる。褐色系有機色素としては、パーマネントブラウン、パラブラウン、ベンズイミダゾロンブラウン等のアゾ系顔料及びチオインジゴブラウン等の縮合多環系顔料を用いることができる。紫色系有機色素としては、ファストバイオレット等のアゾ系顔料及び無置換キナクリドン、ジオキサジンバイオレット、ペリレンバイオレット等の縮合多環系顔料を用いることができる。本発明に用いられる有機顔料としては、以上に例示した顔料に限られるものではない。
本発明における染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染染料、ナフトール染料、硫化染料、バット染料、分散染料、反応染料、油溶性染料等の染料を用いることができる。
また、本発明における染付けレーキとしては、上記染料を沈殿剤で不溶化したものを用いることができる。
具体的には、アマランス、エリスロシン、ニューコクシン、フロキシンB、ローズベンガル、アシッドレッド、タートラジン、サンセットエローFCF、ファストグリーンFCF、ブリリアントブルーFCF、インジコカルミン、リソールルビンB、ローダミンB、ローダミンBアセテート、ローダミンBステアレート、テトラクロルテトラブロムフルオレセイン、テトラブロムフルオレセイン、スダンIII、ヘリンドンピンクCN、ファーストアシッドマゲンタ、エオシンYS、エオシンYSK、フロキシンBK、ローズベンガルK、ジブロムフルオレセイン、オレンジII、ジードフルオレセイン、エリスロシン黄NA、フルオレセイン、ウラニン、ウラニンK、キノリンイエローWS、キノリンイエローSS、アリザリンシアニングリーンF、キニザリングリーンSS、ピラニンコンク、ライトグリーンSF黄、インジゴ、パテントブルーNA、パテントブルーCA、カルバンスレンブルー、アルファズリンFG、レゾルシンブラウン、アリズリンパープルSS、ビオラミンR、薬用スカーレット、ポンソーSR、ポンソーR、ポンソーSX、オイルレッドXO、ファストレッドS、オレンジI、オレンジSS、ポーラエロー5G、ナフトールエローS、エローAB、エローOB、メタニルエロー、ファストライトエロー3G、ナフトールグリーンB、ギネアグリーンB、スダンブルーB、アリズロールパープル、ナフトールブルーブラック、アルカリブルー、ターコイズブルー、アリザリン、ベーシックフラビン、オーラミン、ローダミン6G、アストラフロキシン、メチルバイオレット、クリスタルバイオレット、ビクトリアブルーBO、ビクトリアブルーB、ベイシックシアニン、ダイアモンドグリーン、マラカイトグリーン、マゼンタ、キニザリン、チオフラビン、フタレイン等の公知の染料及びこれらをアルミニウム、バリウム、ジルコニウム等でレーキ化した染付けレーキを用いることができる。本発明に用いられる染料及び染付けレーキとしては、以上に例示した染料及び染付けレーキに限られるものではない。
有機色素は、前述した有機顔料、染料及び染料を沈殿剤で不溶化した染付けレーキ等の2色以上を組み合わせて用いるものであり、濃彩色から黒色となる組み合わせであれば特に限定されるものではないが、例えば、青色系及び黄色系の組み合わせ、青色系及び紫色系の組み合わせ、青色系、赤色系及び黄色系の組み合わせ、青色系、赤色系、緑色系及び紫色系の組み合わせ等である。
有機色素の付着量は、無機粒子粉末の表面積によっても異なるが、無機粒子粉末100重量部に対して0.1〜500重量部が好ましく、より好ましくは0.5〜400重量部、更により好ましくは1〜300重量部である。0.1重量部未満の場合には、本発明の目的とする高い赤外線反射性を有する熱遮蔽性複合粒子粉末を得ることが困難となる。また、500重量部を超える場合には、均一性の高い有機色素の付着層を形成することが困難となる。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子の粒子形状や粒子サイズは、芯粒子である無機粒子の粒子形状や粒子サイズに大きく依存し、芯粒子に相似する粒子形態を有している。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末の粒子形状は、球状、粒状、針状、紡錘状、米粒状、フレーク状、板状及び不定形等のいずれの形状であってもよい。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末の粒子サイズは、用途に応じて適宜選べばよいが、好ましくは、平均一次粒子径が0.001〜1.0μmであり、より好ましくは0.003〜0.95μm、更により好ましくは0.005〜0.9μmである。平均一次粒子径が1.0μmを超える場合には、粒子サイズが大きすぎるため、着色力が低下し、好ましくない。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子の一次粒子の粒子径の幾何標準偏差値は2.0以下が好ましく、より好ましくは1.8以下、更に好ましくは1.5以下である。2.0を超える場合には、熱遮蔽性複合粒子粉末の粒度分布が広く、熱遮蔽性塗料組成物中における分散性が低下するため好ましくない。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末のBET比表面積値は0.1m/g以上が好ましい。BET比表面積値が0.1m/g未満の場合には、粗大粒子となり着色力が低下する。着色力を考慮すると、BET比表面積値は、より好ましくは0.5m/g以上、更により好ましくは1.0m/g以上である。熱遮蔽性塗料組成物中における分散性及び分散安定性を考慮すると、その上限値は1000m/g程度であり、好ましくは800m/g、より好ましくは500m/gである。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末の着色力は、後述する評価方法により、通常105%以上が好ましく、110%以上がより好ましい。着色力が105%未満では、着色力に優れているとは言い難い。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末の赤外線反射性は、JIS K 5101に従って作製した塗布膜の900〜2100nmの波長における反射率が40%以上であることが好ましく、より好ましくは45%以上である。900〜2100nmの波長における反射率が40%未満では、赤外線反射性に優れているとは言い難い。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末の耐光性は、後述する評価方法において、ΔE*値で、通常5.0以下が好ましく、より好ましくは4.5以下であり、更により好ましくは4.0以下である。ΔE*値が5.0を超えると、耐光性に優れているとは言い難い。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末の明度(L値)は、45.0以下であり、好ましくは40.0以下、より好ましくは35.0以下である。明度が45.0を超える場合は、濃彩色から黒色とは言い難い。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末は、屋外建築物、自動車、船舶のデッキやタンク等の外面の塗装及び路面といった、太陽の日射による内部温度の上昇の防止を要求される熱遮蔽性塗料組成物の着色材として用いることができる。
本発明に係る熱遮蔽性塗料組成物は、溶剤系、水系のいずれでもよく、熱遮蔽性複合粒子粉末、樹脂及び溶剤からなり、必要により油脂、紫外線吸収剤、消泡剤、乾燥促進剤、界面活性剤、硬化促進剤、助剤等を配合し、希釈・分散することにより用いられる。
溶剤系の熱遮蔽性塗料組成物の溶剤としては、溶剤系塗料用に通常使用されている大豆油、トルエン、キシレン、シンナー、ブチルアセテート、メチルアセテート、メチルイソブチルケトン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル系溶剤、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶剤、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素系溶剤、ミネラルスピリット等の石油系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、脂肪族炭化水素等を必要に応じて混合して用いることができる。
水系の熱遮蔽性塗料組成物の溶剤としては、水及び/又は水系塗料用に通常使用されているエチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソルブ、ブチルセロソルブ等のグリコールエーテル系溶剤、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール等のオキシエチレン又はオキシプロピレン付加重合体、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール等のアルキレングリコール、グリセリン、2−ピロリドン等の水溶性有機溶剤を、必要に応じて混合して使用することができる。
溶剤系の熱遮蔽性塗料組成物の樹脂としては、溶剤系塗料用や油性印刷インクに通常使用されているアクリル樹脂、アルキッド樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、変性エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アミノ樹脂、塩化ビニル樹脂、シリコーン樹脂、ガムロジン、ライムロジン等のロジン系樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ニトロセルロース、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性マレイン酸樹脂等のロジン変性樹脂、石油樹脂、フッ素樹脂等を用いることができる。水系の熱遮蔽性塗料の樹脂としては、水系塗料用や水性インクに通常使用されている水溶性アクリル樹脂、水溶性スチレン−マレイン酸樹脂、水溶性アルキッド樹脂、水溶性メラミン樹脂、水溶性ウレタンエマルジョン樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル樹脂等を用いることができる。
本発明に係る熱遮蔽性塗料組成物は、後述する評価方法において、分散安定性がΔE値で1.2以下が好ましく、より好ましくは1.0以下である。また、該熱遮蔽性塗料組成物用いて得られた塗布膜の900〜2100nmの領域における反射率は40%以上、好ましくは45%以上であり、耐光性は、ΔE値で5.0以下が好ましく、より好ましくは4.5以下、更により好ましくは4.0以下である。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末を用いることにより、得られた熱遮蔽性塗料組成物は分散安定性が向上すると共に、これを用いて得られた塗布膜は、優れた赤外線反射性及び耐光性を得ることができる。
次に、本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末の製造法について述べる。
本発明1に係る熱遮蔽性複合粒子粉末は、芯粒子である無機粒子の粒子表面に有機色素を付着させることによって得ることができる。
芯粒子の粒子表面に有機色素を付着させる方法としては、本発明の目的とする特性を満たすものであれば特に限定するものではなく、例えば、湿式処理、メカノケミカル処理等によって得ることができる。
本発明2に係る熱遮蔽性複合粒子粉末は、無機粒子粉末と表面改質剤とを混合し、無機粒子粉末の粒子表面を表面改質剤によって被覆し、次いで表面改質剤によって被覆された無機粒子粉末と有機色素とを混合することによって得ることができる。
無機粒子粉末の粒子表面への表面改質剤による被覆は、無機粒子粉末と表面改質剤又は表面改質剤の溶液とを機械的に混合攪拌したり、無機粒子粉末に表面改質剤の溶液又は表面改質剤を噴霧しながら機械的に混合攪拌すればよい。
無機粒子粉末と表面改質剤との混合攪拌、有機色素と粒子表面に表面改質剤が被覆されている無機粒子粉末との混合攪拌をするための機器としては、粉体層にせん断力を加えることのできる装置が好ましく、殊に、せん断、へらなで及び圧縮が同時に行える装置、例えば、ホイール型混練機、ボール型混練機、ブレード型混練機、ロール型混練機を用いることができ、ホイール型混練機がより効果的に使用できる。
前記ホイール型混練機としては、エッジランナー(「ミックスマラー」、「シンプソンミル」、「サンドミル」と同義語である)、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、コナーミル、リングマラー等があり、好ましくはエッジランナー、マルチマル、ストッツミル、ウエットパンミル、リングマラーであり、より好ましくはエッジランナーである。前記ボール型混練機としては、振動ミル等がある。前記ブレード型混練機としては、ヘンシェルミキサー、プラネタリーミキサー、ナウターミキサー等がある。前記ロール型混練機としては、エクストルーダー等がある。
無機粒子粉末の粒子表面に表面改質剤を被覆した後、有機色素を添加し、混合攪拌して表面改質剤被覆無機粒子表面に有機色素を付着させる。2色以上の有機色素は、別々に添加してもよいし、あらかじめ混合しておいたものを添加してもよい。また、有機色素は処理量にもよるが、少量ずつを時間をかけながら、殊に5分〜12時間、好ましくは5分〜10時間程度をかけて添加するか、もしくは、無機粒子粉末100重量部に対して5〜25重量部の有機色素を、所望の添加量となるまで分割して添加することが好ましい。
表面改質剤被覆無機粒子表面に有機色素を付着させた後、必要により更に、乾燥乃至加熱処理を行ってもよい。乾燥乃至加熱処理を行う場合の加熱温度は、通常40〜80℃が好ましく、より好ましくは50〜70℃であり、加熱時間は、10分〜6時間が好ましく、30分〜3時間がより好ましい。
なお、表面改質剤としてアルコキシシラン及びフルオロアルキルシランを用いた場合には、これらの工程を経ることにより、最終的にはアルコキシシランから生成するオルガノシラン化合物又はフルオロアルキルシランから生成するフッ素含有オルガノシラン化合物となって被覆されている。
<作用>
本発明において最も重要な点は、無機粒子粉末の粒子表面に少なくとも2色以上の有機色素が付着している熱遮蔽性複合粒子粉末は、シャープな粒子径分布を有し、高い赤外線反射性を有する熱遮蔽性塗料を得ることができると共に、熱遮蔽性塗料組成物中における分散性及び保存安定性に優れているという事実である。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末が熱遮蔽性塗料組成物における分散性に優れるとともに、熱遮蔽性塗料組成物が保存安定性に優れる理由として、本発明者は下記のように推定している。即ち、通常、2種もしくはそれ以上の有機色素を単に混合した場合、見かけ上、例えば黒色の粒子を得ることができるが、各有機色素の分散性や平均一次粒子径は各色素ごとにそれぞれ異なるため、得られた混合粒子は粒子サイズに非常に大きなバラツキが生じるとともに、均一な分散性及び保存安定性を奏するとは言い難いものである。一方、本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末は、無機粒子粉末の粒子表面に有機色素を均一に付着させるため、有機色素を単に混合して得られたた濃彩色粒子とは異なり、挙動粒子の分散性がほぼ均一な状態となっているので、分散性及び保存安定性に優れるものと本発明者は推定している。
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末が、シャープな粒子径分布を有する理由について、本発明者は、通常、2種もしくはそれ以上の有機色素を単に混合した場合、見かけ上、例えば黒色の粒子を得ることができるが、各有機色素の分散性や平均一次粒子径はそれぞれ異なるため、得られた混合粒子は粒子サイズに非常に大きなバラツキが生じるが、本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末の場合、比較的粒度分布の揃った無機粒子粉末の粒子表面に有機色素を均一に付着させるため、有機色素を単にミックスして得られたた濃彩色粒子とは異なり、シャープな粒子径分布を得ることができたものと考えている。
以下、本発明における実施例を示し、本発明を具体的に説明する。
粒子の平均粒子径(一次粒子径)は、透過型電子顕微鏡を用いて写真撮影を行い、そこに示された粒子350個の粒子径をそれぞれ測定し、その平均値で示した。
粒子径の粒度分布は、下記の方法により求めた幾何標準偏差値で示した。
即ち、上記拡大写真に示される粒子の粒子径を測定した値を、その測定値から計算して求めた粒子の実際の粒子径と個数から統計学的手法に従って対数正規確率紙上に横軸に粒子径を、縦軸に所定の粒子径区間のそれぞれに属する粒子の累積個数(積算フルイ下)を百分率でプロットする。そして、このグラフから粒子の個数が50%及び84.13%のそれぞれに相当する粒子径の値を読みとり、幾何標準偏差値=積算フルイ下84.13%における粒子径/積算フルイ下50%における粒子径(幾何平均径)に従って算出した値で示した。幾何標準偏差値が1に近いほど、粒子径の粒度分布が優れていることを意味する。
比表面積値は、BET法により測定した値で示した。
無機粒子粉末の粒子表面に被覆されている表面改質剤の被覆量及び熱遮蔽性複合粒子粉末に付着している有機色素の被覆量は、「堀場金属炭素・硫黄分析装置EMIA−2200型」(株式会社堀場製作所製)を用い、下記手順で炭素量を測定することにより求めた。
あらかじめ、芯粒子である無機粒子粉末の単位重量当たりの炭素量を測定しておき、次いで、熱遮蔽性複合粒子粉末の炭素量を測定し、単位重量当たりの炭素量の変化量から、有機色素の付着量を求めた。
無機粒子粉末の彩度(c値)及び熱遮蔽性複合粒子粉末の明度(L値)は、JIS K 5101のフーバー式マーラー法に従い、試料0.5gとヒマシ油0.75mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアーラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μmのアプリケーターを用いて塗布して塗布片を作製し、該塗布片について、「分光測色計 CM−3610d」(ミノルタ株式会社製)を用いてc値及びL値を測定した。
有機色素の色相(L値、a値、b値、c値)は、上記と同様に、JIS K 5101のフーバー式マーラー法に従い、試料0.5gとヒマシ油1.00mlとをフーバー式マーラーで練ってペースト状とし、このペーストにクリアーラッカー4.5gを加え、混練、塗料化してキャストコート紙上に150μmのアプリケーターを用いて塗布して塗布片を作製し、該塗布片について、「分光測色計 CM−3610d」(ミノルタ株式会社製)を用いてL値、a値、b値及びc値を測定した。
熱遮蔽性複合粒子粉末の着色力は、まず下記に示す方法に従って作製した原色エナメルと展色エナメルのそれぞれを、キャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布して塗布片を作製し、該塗布片について、「分光測色計 CM−3610d」(ミノルタ株式会社製)を用いてL値を測色し、その差をΔL値とした。
次いで、熱遮蔽性複合粒子粉末の標準試料として、熱遮蔽性複合粒子粉末と同様の割合で有機色素と無機粒子粉末とを単に混合した混合粒子を用いて、上記と同様にして原色エナメルと展色エナメルの塗布片を作製し、各塗布片のL値を測色し、その差をΔLs値とした。
得られた熱遮蔽性複合粒子粉末のΔL値と標準試料のΔLs値を用いて下記数1に従って算出した値を着色力(%)として示した。
<数1>
着色力(%)=100+{(ΔLs値−ΔL値)×10}
原色エナメルの作製:
上記試料粉体3gとアミノアルキッド樹脂16g及びシンナー10gとを配合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで60分間混合分散した後、アミノアルキッド樹脂50gを追加し、更に5分間ペイントシェーカーで分散させて、原色エナメルを作製した。
展色エナメルの作製:
上記原色エナメル12gとアミラックホワイト(二酸化チタン分散アミノアルキッド樹脂)40gとを配合し、ペイントシェーカーで15分間混合分散して、展色エナメルを作製した。
熱遮蔽性複合粒子粉末の900〜2100nmの領域における反射率は、前述の明度を測定するために作製した塗布片を、「分光光度計 UV−3100PC」(株式会社島津製作所製)を用いて反射率(%)を測定した。
熱遮蔽性塗料組成物の分散安定性は、後述する処方によって調製した各熱遮蔽性塗料組成物をキャストコート紙上に150μm(6mil)のアプリケーターを用いて塗布して塗布片を作製し、得られた塗膜のL値、a値及びb値と、該熱遮蔽性塗料用組成物を25℃において1週間静置して得られた各熱遮蔽性塗料組成物をキャストコート紙上に塗布、乾燥して得られた塗膜のL値、a値及びb値を「分光測色計 CM−3610d」(ミノルタ株式会社製)を用いて測定し、下記数2に従って得られたΔE値で示した。
<数2>
ΔE値=((ΔL値)+(Δa値)+(Δb値)1/2
ΔL値: 比較する試料の放置前後のL値の差
Δa値: 比較する試料の放置前後のa値の差
Δb値: 比較する試料の放置前後のb値の差
熱遮蔽性塗料組成物を用いて得られた塗膜の明度(L値)は、後述する処方によって調製した各熱遮蔽性塗料組成物をキャストコート紙上に150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成して得られた測定用塗布片について、「分光測色計 CM−3610d」(ミノルタ株式会社製)を用いてL値を測定した。
熱遮蔽性塗料組成物を用いて得られた塗の900〜2100nmの領域における反射率は、前述の熱遮蔽性塗料組成物を用いて得られた明度を測定するために作製した塗布片を、「分光光度計 UV−3100PC」(株式会社島津製作所製)を用いて反射率(%)を測定した。
熱遮蔽性塗料組成物を用いて得られた塗膜の耐光性は、後述する処方によって調製した各熱遮蔽性塗料組成物を冷間圧延鋼板(0.8mm×70mm×150mm)(JIS G−3141)に150μmの厚みで塗布、乾燥して塗膜を形成して得られた測定用塗布片の半分を金属製フォイルで覆い、「アイ スーパーUVテスター」(SUV−W13(岩崎電気株式会社製))を用いて、紫外線を照射強度100mW/cmで6時間連続照射した後、金属製フォイルで覆うことによって紫外線が照射されなかった部分と紫外線照射した部分との色相(L値、a値、b値)をそれぞれ測定し、紫外線が照射されなかった部分の測定値を基準に、前記数3に従って算出したΔE値によって示した。
<数3>
ΔE値=((ΔL値)+(Δa値)+(Δb値)1/2
ΔL値: 比較する試料の紫外線照射有無のL値の差
Δa値: 比較する試料の紫外線照射有無のa値の差
Δb値: 比較する試料の紫外線照射有無のb値の差
<実施例1−1:熱遮蔽性複合粒子粉末の製造>
無機粒子粉末(種類:二酸化チタン、粒子形状:紡錘状、平均粒子径:0.037μm、幾何標準偏差値:1.25、BET比表面積値:37.1m/g、彩度c値:4.81)5.0kgをエッジランナー「MPUV−2型」(製品名、株式会社松本鋳造鉄工所製)に投入し、次いで、メチルハイドロジェンポリシロキサン(商品名:TSF484:GE東芝シリコーン株式会社製)100gを、エッジランナーを稼動させながら酸化チタン粒子粉末に添加し、588N/cmの線荷重で20分間混合攪拌を行った。
次に、有機色素B−1(種類:ピグメントブルー(フタロシアニン系顔料)、平均一次粒子径:85nm、BET比表面積値:83.6m/g、L値:24.45、a値:6.03、b値:−12.60、c値:13.97)3.0kg、有機色素R−1(種類:ピグメントレッド(ジケトピロロピロール系顔料)、平均一次粒子径:128nm、BET比表面積値:81.6m/g、L値:37.97、a値:43.26、b値:23.20、c値:49.09)0.75kg及び有機色素Y−1(種類:ピグメントイエロー(アゾ系顔料)、平均一次粒子径:416nm、BET比表面積値:33.7m/g、L値:80.04、a値:13.13、b値:89.65、c値:90.61)1.25kgをあらかじめよく混合しておいた混合色素を、エッジランナーを稼動させながら無機粒子粉末100重量部に対して、混合色素:100重量部を20重量部づつ5回に分けて添加し、更に588N/cmの線荷重で120分間、混合攪拌を行い、メチルハイドロジェンポリシロキサン被覆の上に混合色素を付着させて熱遮蔽性複合粒子粉末を得た。なお、このときの撹拌速度は22rpmで行った。
得られた熱遮蔽性複合粒子粉末は、平均一次粒子径が0.041μmの粒状粒子粉末であった。粒子径の幾何標準偏差値は1.27、BET比表面積値は4.8m/g、赤外線反射性は900〜2100nmの領域のおける反射率が49%以上、明度(L値)は24.7、着色力は124%、耐光性はΔE値で2.70であった。メチルハイドロジェンポリシロキサンの被覆量はSi換算で0.82重量%であり、付着している有機色素の量は、C換算で30.0重量%であった。
電子顕微鏡写真観察の結果、有機色素がほとんど認められないことから、有機色素のほぼ全量がメチルハイドロジェンポリシロキサン被覆に付着していることが認められた。
<実施例2−1:熱遮蔽性塗料組成物の製造>
前記熱遮蔽性複合粒子粉末10gとアミノアルキッド樹脂及びシンナーとを下記割合で配合して3mmφガラスビーズ90gと共に140mlのガラスビンに添加し、次いで、ペイントシェーカーで90分間混合分散し、ミルベースを作製した。
熱遮蔽性複合粒子粉末 3.8重量部、
アミノアルキッド樹脂 20.3重量部、
(アミラックNo.1026:関西ペイント株式会社製)
シンナー 12.7重量部。
前記ミルベースを用いて、下記割合となるようにアミノアルキッド樹脂を配合し、ペイントシェーカーで更に15分間混合分散して、熱遮蔽性塗料組成物を得た。
ミルベース 36.7重量部、
アミノアルキッド樹脂 63.3重量部。
(アミラックNo.1026:関西ペイント株式会社製)
得られた熱遮蔽性塗料組成物の分散安定性はΔE値で0.77であった。
次いで、前記熱遮蔽性塗料組成物を塗布、乾燥して得られた塗布膜の明度L値は25.3、赤外線反射性(900〜2100nmの領域における反射率)は49%以上、耐光性ΔE値は2.93であった。
前記実施例1−1及び2−1に従って熱遮蔽性複合粒子粉末及び熱遮蔽性塗料組成物を作製した。各製造条件及び得られた熱遮蔽性複合粒子粉末及び熱遮蔽性塗料組成物の諸特性を示す。
無機粒子1〜5:
無機粒子粉末として表1に示す特性を有する無機粒子粉末を用意した。
Figure 0005077516
有機色素:
有機色素として表2に示す諸特性を有する有機色素を用意した。
Figure 0005077516
実施例1−2〜1−7、比較例1−1〜1−3:
表面改質剤による被覆工程における添加物の種類、添加量、有機色素の付着工程における有機色素の種類、添加量を種々変化させた以外は、前記実施例1と同様にして熱遮蔽性複合粒子粉末を得た。
なお、いずれの実施例及び比較例においても、有機色素はあらかじめよく混合したものを用いた。また、実施例2及び5では、無機粒子粉末100重量部に対して、混合色素を1時間おきに20重量部ずつ5時間かけて添加した。実施例3では、無機粒子粉末100重量部に対して、混合色素:50重量部を25重量部ずつ2回に分けて添加した。実施例6では、無機粒子粉末100重量部に対して、混合色素:200重量部を25重量部ずつ8回に分けて添加した。
このときの製造条件を表3に、得られた熱遮蔽性複合粒子粉末の諸特性を表4に示す。
Figure 0005077516
Figure 0005077516
実施例1−2〜1−7の各実施例で得られた熱遮蔽性複合粒子粉末は、電子顕微鏡観察の結果、有機色素がほとんど認められないことから、有機色素のほぼ全量が表面改質剤被覆無機粒子に付着していることが確認された。
<熱遮蔽性塗料組成物>
実施例2−2〜2−7、比較例2−1〜2−3:
熱遮蔽性複合粒子粉末の種類を種々変化させた以外は、前記実施例2−1と同様にして熱遮蔽性塗料組成物を得た。
このときの製造条件及び得られた熱遮蔽性塗料組成物の諸特性を表5に示す。
Figure 0005077516
本発明に係る熱遮蔽性複合粒子粉末は、シャープな粒子径分布を有し、高い赤外線反射性を有する熱遮蔽性塗料を得ることができると共に、熱遮蔽性塗料組成物中における分散性及び保存安定性に優れているので、黒色から濃彩色を呈する熱遮蔽性塗料組成物用着色粒子粉末として好適である。
また、本発明に係る熱遮蔽性塗料組成物は、上記熱遮蔽性複合粒子粉末を用いることにより、分散性及び保存安定性に優れているので、長期保存が必要な用途には、特に好適に用いることができる。

Claims (3)

  1. 無機粒子粉末の粒子表面に少なくとも2色以上の有機色素が付着している複合粒子粉末からなり、前記有機色素が赤色系有機色素、青色系有機色素、黄色系有機色素、緑色系有機色素、紫色系有機色素、橙色系有機色素及び褐色系有機色素から選ばれるものであり、当該複合粒子粉末をJIS K 5101に従って作製した塗布膜の900〜2100nmの波長における反射率が40%以上であることを特徴とする熱遮蔽性複合粒子粉末。
  2. 無機粒子粉末の粒子表面が表面改質剤によって被覆されていると共に該表面改質剤被覆無機粒子の粒子表面に少なくとも2色以上の有機色素が付着している複合粒子粉末からなり、前記有機色素が赤色系有機色素、青色系有機色素、黄色系有機色素、緑色系有機色素、紫色系有機色素、橙色系有機色素及び褐色系有機色素から選ばれるものであり、当該複合粒子粉末をJIS K 5101に従って作製した塗布膜の900〜2100nmの波長における反射率が40%以上であることを特徴とする熱遮蔽性複合粒子粉末。
  3. 請求項1又は2に記載の熱遮蔽性複合粒子粉末を含有することを特徴とする熱遮蔽性塗料組成物。
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