JP5076774B2 - 電子天秤 - Google Patents
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Description
歪ゲージ式ロードセル6は、上部はり61と下部はり62と固定柱63と可動柱64とからなるロバーバル機構と、歪ゲージS1〜S4とから構成される。
上部はり61は、一端部を薄肉部61aを介して可動柱64に接続されるとともに、他端部を薄肉部61bを介して固定柱63に接続されている。また、下部はり62も、一端部を薄肉部62aを介して可動柱64に接続されるとともに、他端部を薄肉部62bを介して固定柱63に接続されている。そして、各歪ゲージS1〜S4は、それぞれ薄肉部61a、61b、62a、62bに接着剤を用いて貼着されている。また、被計量物を載せるための計量皿4は、可動柱64に接続されている。
なお、図2に示すように、歪ゲージ式ロードセル6のロバーバル機構は、通常、母材のくり抜き加工等によって一体的に形成されている場合が多い。
このようなクリープ現象は、歪ゲージ式ロードセル6のロバーバル機構だけでなく、歪ゲージS1〜S4、歪ゲージS1〜S4をロバーバル機構に貼り付ける接着剤(図示せず)、歪ゲージS1〜S4の保護材(図示せず)等の材質や構造や形状等に起因するものであり、これらの原因が組み合わされることにより、歪ゲージ式ロードセル6全体としてのクリープ現象が生じる。なお、クリープ現象としては、時間が経過するにしたがって出力値が増加するプラスクリープと、時間が経過するにしたがって出力値が減少するマイナスクリープとがある。
さらに、歪ゲージの寸法比を調整したり、歪ゲージと接着剤や保護材との組み合わせを検討したりした結果、歪ゲージを歪ゲージ式ロードセルに貼着すれば、その後、クリープ量を調整することは困難であった。そのため、歪ゲージを貼着した後にクリープ量を調整したくなったり、歪ゲージ式ロードセルが経時変化を起したりしても、クリープ量を調整することはほとんどできず、そのまま用いなければならないという問題点があった。
図3は、歪ゲージ式ロードセルに荷重Wnを負荷したときの重量信号の変化を示すグラフである。ここで、重量信号をWn(t)とする。また、tは時間を示す。
図3に示すように、歪ゲージ式ロードセルに荷重Wnが負荷された時点(t=0)では、重量信号Wn(t)は、クリープ現象がまだ生じていないため、Wnを示す。すなわち、Wn(0)=Wnである。そして、荷重Wnが負荷された状態が継続すると、重量信号Wn(t)は、クリープ現象により時間tの経過とともに徐々に増大する。すなわち、重量信号Wn(t)は、下記式(4)で表すことができる。
Wn(t)=Wn+Cr(t)・・・・・・(4)
つまり、Cr(t)が、時間tの経過に伴う重量信号Wn(t)の変化分、すなわちクリープ量の経時変化を示す全クリープ関数を表す。なお、全クリープ関数Cr(t)は、歪ゲージ式ロードセルへの1回の荷重負荷だけではなく繰り返し荷重が負荷される場合も含めたクリープ量の経時変化をも示すことになる。
1個の荷重Wnのみが負荷されたときには、これまでの経験から全クリープ関数Cr(t)は、下記式(2)のクリープ関数Creep(t)で表されることが判った。
Cr(t)=Creep(t)=A×{1−EXP(−α×C×t)}・・・(2)
ここで、A、Cは、係数(ただし温度がほぼ一定とする)である。
また、αは、負荷時と除荷時との応答の違いを表すパラメータである。すなわち、ある荷重を負荷したときと、同じ荷重を除荷したときでは、クリープ関数Creep(t)に見られる応答性の形状(すなわち係数Cの値で定まる応答性)が異なることがあるので、負荷時と除荷時との違いを、設定パラメータとして組み込ませるときの値である。この違いを厳密に扱う場合は、負荷時の係数Cを基準(すなわちα=1)とし、除荷時のCをαCとして組み込むようにしている(ただし、後述する実施形態1では演算処理を簡略化するため、α=1が常に成り立つものとし、実施形態2では負荷時がα=1、除荷時がα≠1として扱うようにしている)。
Cr(t)=(Wn/Ws)Creep(t)・・・(5)
そこで、歪ゲージ式ロードセルに荷重を次々と負荷したり、除荷したりしたときには、各荷重に対応するクリープ量を式(5)を用いてそれぞれ算出して、その全てのクリープ量を加算した値が、重量信号Wn(t)に含まれるクリープ量とすることができることを見出した。
例えば、時間T1に荷重W1を負荷し、時間T2に荷重W2を負荷し、時間T3に荷重W2を除荷したときには、クリープ量を下記式(6)で表わす。なお、荷重Wsのみが負荷されたときのクリープ量が、式(2)を満足しているものとする。
Cr(t)=(W1/Ws)Creep(t−T1)+(W2/Ws)Creep(t−T2)+(W3/Ws)Creep(t−T3)・・・(6)
ここで、式(6)に式(2)を代入して時間tで微分すると、下記式(7)のようになる。ただし、演算を簡略にするために、αは一定(α=1)として扱う。
本発明の電子天秤によれば、被計量物が載置されると、重量信号検出部で歪ゲージ式荷重センサに負荷された荷重Wnに対応する重量信号Wn(t)が検出される。なお、重量信号Wn(t)は、時間tが経過するにしたがって、クリープ現象が生じることにより変化する。そこで、本発明の電子天秤では、上述した方法で算出されたクリープ量を算出するための全クリープ関数Cr(t)を記憶する。そして、現在クリープ量算出部は、全クリープ関数Cr(t)を用いて時間(t)のクリープ量Cr(t)を算出することになる。
まず、荷重の大きさ(ΣWn)は、荷重更新算出部により荷重更新記憶部に更新されて記憶されていくものを用いる。つまり、荷重更新算出部は、歪ゲージ式荷重センサに新たに荷重が負荷されれば、荷重更新記憶部に記憶されていた荷重の大きさ(ΣWn)に、新たに負荷された荷重の大きさ(Wn>0)を加算して記憶させ、一方、歪ゲージ式荷重センサから新たに荷重が除荷されれば、荷重更新記憶部に記憶されていた荷重の大きさ(ΣWn)に、新たに除荷された荷重の大きさ(Wn<0)を加算して記憶させることになる。このとき、式(1)の全クリープ関数Cr(t)を用いて時間(t)のクリープ量Cr(t)を算出するためには、更新された荷重の大きさ(ΣWn)が得られればいいので、過去に荷重の大きさがどのように変化したかを記憶する必要はない。
最後に、Cr(t−ΔT)は、現在クリープ量算出部により過去クリープ量記憶部に更新されて記憶されていくものを用いる。つまり、現在クリープ量算出部は、時間(t−ΔT)に算出したクリープ量Cr(t−ΔT)を用いながら、時間(t)のクリープ量を設定時間間隔(ΔT)で算出していく。なお、全クリープ関数Cr(t)を用いて時間(t)のクリープ量Cr(t)を算出するためには、直前の時間(t−ΔT)のクリープ量(すなわち1つのサンプリングデータ)が得られればいいので、過去にクリープ量がどのように変化したかを継続的に記憶する必要はない。
また、歪ゲージ式ロードセルに歪ゲージを貼着した後でも、クリープ量を調整することができる。
さらに、全クリープ関数Cr(t)を用いて時間(t)のクリープ量を算出するために、過去に荷重の大きさやクリープ量がどのように変化したかを記憶する必要もない。
また、上記発明において、前記負荷又は除荷された荷重に対応する重量信号Wn(t)に含まれるクリープ量の経時変化を示す下記式(2)で表されるクリープ関数Creep(t)を記憶するクリープ関数記憶部と、目的とする被計量物の計量前に荷重Wsを負荷することにより、荷重Wsを負荷したときのクリープ量の測定値と時間tとの関係に基づいて、前記クリープ関数Creep(t)における係数A及び係数Cを算出して設定する設定部とを備え、前記現在クリープ量算出部は、前記被計量物の計量時に全クリープ関数Cr(t)に、前記設定部で設定された係数A、係数Cと、荷重Wsとを代入して時間(t)のクリープ量を算出するようにしてもよい。
Creep(t)=A×{1−EXP(−α×C×t)} ・・・・・(2)
ここで、tは荷重が負荷又は除荷された時間を示し、Creep(t)は時間tのクリープ量を示し、αは歪ゲージ式ロードセルの負荷または除荷時の応答性を表すために設定したパラメータを示す。
したがって、歪ゲージ式荷重センサが経時変化を起こしても、新たに係数A、係数Cを設定することができるので、クリープ量を常に正確に算出することができる。
さらに、上記発明において、前記歪ゲージ式荷重センサの温度を検出する温度センサを備え、前記係数A及び係数Cは、検出された温度に基づいて設定されるようにしてもよい。
Creep(t)=A×{1−EXP(−α×C×t)} ・・・・・(2)
ここで、tは荷重が負荷又は除荷された時間を示し、Creep(t)は時間tのクリープ量を示し、A、Cは歪ゲージ式ロードセルの固有の係数であり、αは歪ゲージ式ロードセルの負荷時または除荷時の応答性を表すために設定したパラメータを示す。
ここで、tは時間を示し、Cr(t)は時間tのクリープ量を示し、Nは荷重を変化させた回数を示し、Wsは秤量荷重を示す。
本発明の電子天秤によれば、被計量物が載置されると、重量信号検出部で歪ゲージ式荷重センサに負荷された荷重Wnに対応する重量信号Wn(t)が検出される。なお、重量信号Wn(t)は、時間tが経過するにしたがって、クリープ現象が生じることにより変化する。そこで、本発明の電子天秤は、上述したクリープ量を算出するための全クリープ関数Cr(t)を記憶する。そして、クリープ量算出部は、全クリープ関数Cr(t)を用いて、時間(t)のクリープ量Cr(t)を算出することになる。
荷重が負荷又は除荷された時間(Tn)と、荷重の大きさWnとは、荷重履歴算出部により荷重履歴記憶部に順次記憶されていくものを用いる。つまり、荷重履歴算出部は、歪ゲージ式荷重センサに新たに荷重が負荷されれば、荷重が負荷された時間(Tn)と、荷重の大きさ(Wn>0)とを記憶させ、一方、歪ゲージ式荷重センサから新たに荷重が除荷されれば、荷重が負荷された時間(Tn)と、荷重の大きさ(Wn<0)とを記憶させることになる。
以上のように、本発明の電子天秤によれば、検出される重量信号Wn(t)に含まれるクリープ量を計算式により算出するため、歪ゲージにおける幅と長さとの寸法比を調整したり、歪ゲージと接着剤や保護材との組み合わせを検討したりする必要はない。
また、歪ゲージ式ロードセルに歪ゲージを貼着した後でも、クリープ量を調整することができる。
図1は、本発明の一実施形態である電子天秤の構成の一例を示すブロック図であり、図2は、図1に示す電子天秤の歪ゲージ式ロードセル(歪ゲージ式荷重センサ)の構造を示す図である。なお、歪ゲージ式ロードセル6は、従来技術で説明した歪ゲージ式ロードセル6と同様な構造であるので、ここでは説明を省略する。
電子天秤1は、歪ゲージ式ロードセル6と、信号処理器20と、マイクロコンピュータ50と、液晶表示画面60とを備える。
歪ゲージ式ロードセル6は、その計量皿4の上面に載置された被計量物の荷重Wnを検知し、信号処理器20にアナログ信号を設定時間間隔ΔTで順次出力する。
ところで、重量信号Wn(t)は、荷重Wnが継続して負荷されると、クリープ現象によって時間tの経過とともに徐々に変化する。そこで、CPU30は、全クリープ関数Cr(t)を用いて重量信号Wn(t)からクリープ量を除いた計量値を算出して液晶表示画面60に表示することになる。
ここで、CPU30が処理する機能をブロック化して説明すると、重量信号検出部31と、判定部32と、荷重更新算出部33と、設定部34と、現在クリープ量算出部35と、表示部36とを有する。
また、メモリ40は、全クリープ関数Cr(t)を記憶する全クリープ関数記憶部41と、算出されたクリープ量を記憶する過去クリープ量記憶部42と、荷重の大きさ(ΣWn)を記憶する荷重更新記憶部43と、重量信号Wn(t)を順次記憶する重量信号記憶部44と、クリープ関数Creep(t)を記憶するクリープ関数記憶部45とを有する。
Creep(t)=A×{1−EXP(−α×C×t)}・・・・・・・・・(2)
ここで、tは、荷重が負荷又は除荷された時間を示す。αは、歪ゲージ式ロードセルの負荷または除荷時の応答性を表すための設定パラメータを示すが、ここでは負荷時と除荷時とのαをいずれも1として扱う。
すなわち、クリープ現象は、負荷時と除荷時とでは、一般には応答性が異なるので、負荷時と除荷時との違いをパラメータとしてαにより与えるようにしているが、本実施形態ではα=1として扱う。
判定部32は、被計量物が計量皿4に載せられたり、計量皿4から取り除かれたりしたか否かを判定して、被計量物が載せられたり、取り除かれたりしたと判定したときには、荷重の大きさWnを算出する制御を行うものである。
具体的には、被計量物が載せられたり、取り除かれたりしたか否かの判定は、時間(t)に検出された重量信号Wn(t)から、時間(t−ΔT)に記憶された重量信号Wn(t−ΔT)を差分することにより算出された重量変化量が、所定の閾値範囲から外れるか否かによって行われる。つまり、重量変化量が所定の閾値範囲内にあるときには、クリープ現象による重量変化量と判定し、一方、重量変化量が所定の閾値範囲から外れるときには、被計量物が載せられたり、取り除かれたりしたと判定する。
さらに、重量変化量が所定の閾値範囲から外れたと判定したときには、重量変化量を新たに負荷又は除荷された荷重の大きさWnとする。つまり、荷重Wnが負荷又は除荷された時点では、クリープ現象がまだ生じていないため、荷重の大きさWnそのものが算出される。
具体的には、計量皿4に基準被計量物を載せることにより、判定部32によって基準被計量物が計量皿4に載せられたと判定されて、荷重の大きさWsが算出される。
さらに、歪ゲージ式ロードセル6に荷重Wsを所定時間(例えば、60秒間)負荷することにより、重量信号Wn(60)を検出し、さらに歪ゲージ式ロードセル6に荷重Wsを所定時間(例えば、300秒間)負荷し続けることにより、重量信号Wn(300)を検出する。
このようにして得られた荷重の大きさWsと、重量信号Wn(60)と、重量信号Wn(300)とを、式(1)に代入して方程式を解くことにより、歪ゲージ式ロードセル6に固有の係数である係数A、係数Cを決定する。
これにより、目的とする被計量物を計量する前に、係数A、係数Cと、荷重Wsを設定するため、後述する現在クリープ量算出部35によって全クリープ関数Cr(t)に基づいてクリープ量を算出するときに、歪ゲージ式ロードセル6が経時変化を起こしていても、クリープ量を正確に算出することができるようになる。
具体的には、荷重更新算出部33は、歪ゲージ式ロードセル6に新たに荷重Wnが負荷されれば、荷重更新記憶部43に記憶されていた荷重の大きさ(ΣWn)に、新たに負荷された荷重の大きさ(Wn>0)を加算して記憶させ、一方、歪ゲージ式ロードセル6から新たに荷重Wnが除荷されれば、荷重更新記憶部43に記憶されていた荷重の大きさ(ΣWn)に、新たに除荷された荷重の大きさ(Wn<0)を加算して記憶させる。このとき、全クリープ関数Cr(t)を用いて時間(t)のクリープ量を算出するためには、更新された荷重の大きさ(ΣWn)が得られればいいので、過去に荷重の大きさがどのように変化したかを記憶する必要はない。
このとき、現在クリープ量算出部35は、時間(t)のクリープ量を算出するときに、現在クリープ量算出部35が時間(t−ΔT)に算出したクリープ量Cr(t−ΔT)を用いることになる。すなわち、現在クリープ量算出部35は、時間(t−ΔT)に算出したクリープ量Cr(t−ΔT)を用いながら、時間(t)のクリープ量Cr(t)を設定時間間隔(ΔT)で算出していく。なお、全クリープ関数Cr(t)を用いて時間(t)のクリープ量Cr(t)を算出するためには、直前の時間(t−ΔT)のクリープ量Cr(t−ΔT)が得られればいいので、過去にクリープ量がどのように変化したかを継続的に記憶する必要はない。
表示部36は、時間(t)の重量信号Wn(t)から時間(t)のクリープ量Cr(t)を差分した計量値を、液晶表示画面60に設定時間間隔(ΔT)で表示する制御を行うものである。
また、歪ゲージ式ロードセル6に歪ゲージを貼着した後でも、クリープ量を調整することができる。
さらに、全クリープ関数Cr(t)を用いて時間(t)のクリープ量Cr(t)を算出するために、過去に荷重の大きさやクリープ量がどのように変化したかを記憶する必要もない。
また、歪ゲージ式ロードセル6が経時変化を起こしても、新たに係数A、係数C、及び、荷重Wsを設定することができるので、クリープ量を常に正確に算出することができる。
電子天秤1を用いて、測定開始から60秒後に300gの分銅を負荷し、その後、測定開始から120秒後に300gの分銅を負荷し、その後、測定開始から180秒後に300gの分銅を除荷し、その後、測定開始から240秒後に300gの分銅を除荷したときのものである。その結果、クリープ量の計算値を実線で示し、クリープ量の測定値を点で示している。
図4に示すように、クリープ量の計算値は、クリープ量の測定値とほぼ同じ値を示し、良好な結果が得られていることがわかる。
図5は、本発明の他の一実施形態である電子天秤の構成の一例を示すブロック図である。本実施形態は、上述した実施形態1と異なり、クリープ量Cr(t)を算出するための全クリープ関数Cr(t)の内容を変更している。そのため、全クリープ関数Cr(t)に代入するための値を算出するための構成も異なったものとなっている。なお、上述した実施形態1と同様のものについては、同じ符号を付して、説明を省略することとする。
マイクロコンピュータ50は、CPU(データ処理装置)30と、メモリ40とから構成される。
ここで、CPU30が処理する機能をブロック化して説明すると、重量信号検出部31と、判定部32と、荷重履歴算出部37と、クリープ量算出部38と、表示部36とを有する。
また、メモリ40は、全クリープ関数Cr(t)を記憶する全クリープ関数記憶部41と、荷重が負荷又は除荷された時間(Tn)と荷重の大きさ(Wn)とを記憶する荷重履歴記憶部46と、重量信号Wn(t)を順次記憶する重量信号記憶部44と、クリープ関数Creep(t)を記憶するクリープ関数記憶部45とを有する。
クリープ関数Creep(t)は、全クリープ関数Cr(t)に代入されるためのものであり、式(2)で表される。
Creep(t)=A×{1−EXP(−α×C×t)}・・・・・・・・・(2)
ここで、tは、荷重が負荷又は除荷された時間を示し、A及びCは、歪ゲージ式ロードセルの固有の係数を示す。また、αは、歪ゲージ式ロードセルの負荷または除荷時の応答性を表すための設定パラメータを示す。実施形態1では、α=1として扱ったが、負荷時と除荷時とでは一般には応答性が異なる場合があるので、ここでは負荷時のαを1とし、歪ゲージ式ロードセル6の特性により、除荷時のαを他の値(例えば2.5)と設定する。
具体的には、荷重履歴算出部37は、歪ゲージ式ロードセル6に新たに荷重が負荷されれば、荷重が負荷された時間(Tn)と、荷重の大きさ(Wn>0)とを記憶させ、一方、歪ゲージ式ロードセル6に新たに荷重が除荷されれば、荷重が除荷された時間(Tn)と、荷重の大きさ(Wn<0)とを記憶させる。
クリープ量算出部38は、全クリープ関数Cr(t)に、荷重履歴記憶部46に記憶された全ての時間(Tn)と荷重の大きさ(Wn)と、クリープ関数記憶部45に記憶されたクリープ関数Creep(t)とを代入することにより、時間(t)のクリープ量を順次算出する制御を行うものである。
このように荷重が負荷、除荷されるごとに、そのときの時間(Tn)と荷重の大きさ(Wn)とを用いて新たに項を追加するようにして、過去のクリープ量の総和を算出するようにし、しかも負荷時と除荷時とにおいて、αの値を変更するようにしたので、正確なクリープ量を算出することができる。
また、歪ゲージ式ロードセル6に歪ゲージを貼着した後でも、クリープ量を調整することができる。
上述した電子天秤において、さらに温度センサを備えるような構成としてもよい。このときには、式(1)における係数A及び係数Cを温度が反映したものとすることができる。具体的には、予め係数A、係数Cの温度変化率を求めておくか、係数A、係数Cと温度との関係を測定したテーブルを求めておけばよい。
6 歪ゲージ式ロードセル(歪ゲージ式荷重センサ)
31 重量信号検出部
33 荷重更新算出部
35 現在クリープ量算出部
36 表示部
40 メモリ
41 全クリープ関数記憶部
42 過去クリープ量記憶部
43 荷重更新記憶部
Claims (4)
- 歪ゲージ式荷重センサに荷重が負荷又は除荷されることにより検出される重量信号に含まれるクリープ量を算出して、当該重量信号からクリープ量を除いた計量値を表示する電子天秤であって、
前記重量信号Wn(t)を設定時間間隔(ΔT)で順次検出する重量信号検出部と、
前記クリープ量を算出するための下記式(1)で表される全クリープ関数Cr(t)を記憶する全クリープ関数記憶部と、
前記全クリープ関数Cr(t)を用いて算出されたクリープ量を記憶する過去クリープ量記憶部と、
前記歪ゲージ式荷重センサに負荷されている時間(t)の荷重の大きさ(ΣWn)を記憶する荷重更新記憶部と、
前記歪ゲージ式荷重センサに新たに荷重が負荷又は除荷されたときには、前記荷重更新記憶部に記憶されていた荷重の大きさ(ΣWn)に、新たに負荷又は除荷された荷重の大きさ(Wn)を加算することにより、荷重の大きさ(ΣWn)を更新して荷重更新記憶部に記憶させる荷重更新算出部と、
前記全クリープ関数Cr(t)に、前記過去クリープ量記憶部に記憶された時間(t−ΔT)のクリープ量(Cr(t−ΔT))と、前記荷重更新記憶部に記憶された時間(t)の荷重の大きさ(ΣWn)と、設定時間間隔(ΔT)とを代入して時間(t)のクリープ量(Cr(t))を算出するとともに、時間(t−ΔT)のクリープ量(Cr(t−ΔT))を時間(t)のクリープ量(Cr(t))に更新して過去クリープ量記憶部に記憶させる現在クリープ量算出部と、
時間(t)の重量信号Wn(t)から時間(t)のクリープ量Cr(t)を差分した計量値を表示する表示部とを備えることを特徴とする電子天秤。
ここで、tは時間を示し、Cr(t)は時間tのクリープ量を示し、Cr(t−ΔT)は時間(t−ΔT)のクリープ量を示し、Nは荷重を変化させた回数を示し、A、Cは歪ゲージ式ロードセルの固有の係数であり、Wsは秤量荷重であり、αは歪ゲージ式ロードセルの負荷時または除荷時の応答性を表すために設定したパラメータを示す。 - 前記負荷又は除荷された荷重に対応する重量信号Wn(t)に含まれるクリープ量の経時変化を示す下記式(2)で表されるクリープ関数Creep(t)を記憶するクリープ関数記憶部と、
目的とする被計量物の計量前に荷重Wsを負荷することにより、荷重Wsを負荷したときのクリープ量の測定値と時間tとの関係に基づいて、前記クリープ関数Creep(t)における係数A及び係数Cを算出して設定する設定部とを備え、
前記現在クリープ量算出部は、前記被計量物の計量時に全クリープ関数Cr(t)に、前記設定部で設定された係数A、係数Cと、荷重Wsとを代入して時間(t)のクリープ量を算出することを特徴とする請求項1に記載の電子天秤。
Creep(t)=A×{1−EXP(−α×C×t)} ・・・・・(2)
ここで、tは荷重が負荷又は除荷された時間を示し、Creep(t)は時間tのクリープ量を示し、αは歪ゲージ式ロードセルの負荷時または除荷時の応答性を表すために設定したパラメータを示す。 - 前記歪ゲージ式荷重センサの温度を検出する温度センサを備え、
前記係数A及び係数Cは、検出された温度に基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載の電子天秤。 - 歪ゲージ式荷重センサに荷重が負荷又は除荷されることにより検出される重量信号に含まれるクリープ量を算出して、当該重量信号からクリープ量を除いた計量値を表示する電子天秤であって、
前記重量信号Wn(t)を順次検出する重量信号検出部と、
前記クリープ量を算出するための下記式(3)で表される全クリープ関数Cr(t)を記憶する全クリープ関数記憶部と、
前記負荷又は除荷された荷重に対応する重量信号Wn(t)に含まれるクリープ量の経時変化を示す下記式(2)で表されるクリープ関数Creep(t)を記憶するクリープ関数記憶部と、
前記歪ゲージ式荷重センサに荷重が負荷又は除荷された時間(Tn)と荷重の大きさ(Wn)とを記憶する荷重履歴記憶部と、
前記歪ゲージ式荷重センサに新たに荷重が負荷又は除荷されたときには、新たに荷重が負荷又は除荷された時間(Tn)と荷重の大きさ(Wn)とを、前記荷重履歴記憶部に順次記憶させる荷重履歴算出部と、
前記全クリープ関数Cr(t)に、前記荷重履歴記憶部に記憶された時間(Tn)、荷重の大きさ(Wn)、前記クリープ関数記憶部に記憶されたクリープ関数Creep(t)を代入して時間(t)のクリープ量を順次算出するクリープ量算出部と、
時間(t)の重量信号Wn(t)から時間(t)のクリープ量Cr(t)を差分した計量値を表示する表示部とを備えることを特徴とする電子天秤。
Creep(t)=A×{1−EXP(−α×C×t)} ・・・・・(2)
ここで、tは荷重が負荷又は除荷された時間を示し、Creep(t)は時間tのクリープ量を示し、A、Cは歪ゲージ式ロードセルの固有の係数であり、αは歪ゲージ式ロードセルの負荷時または除荷時の応答性を表すために設定したパラメータを示す。
ここで、tは時間を示し、Cr(t)は時間tのクリープ量を示し、Nは荷重を変化させた回数を示し、Wsは秤量荷重を示す。
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