JP5076275B2 - 非水電解液二次電池用電極板及びその製造方法 - Google Patents
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Description
一般的な非水電解液二次電池の構成を単純化すると、正極板、負極板、セパレーター及び電解液からなり、該正極板及び負極板としては、金属箔等の集電体の上に、電極活物質層として塗工膜を形成したものが用いられている。
電極活物質層は通常、活物質、結着剤、必要に応じて導電剤、及びその他の材料を溶媒中で混練・分散してスラリー状の活物質用塗工組成物に調製し、該活物質用塗工組成物を集電体上に塗布・乾燥して形成される。
電池のインピーダンスを下げる手段の1つとして、電極活物質層のインピーダンスを減らす方法がある。電極活物質層は、集電体を通して授受される電子と電解液を通して授受されるカチオンの存在下、活物質の化学反応によって充放電が起きる場所であるため、そのような電極活物質層のインピーダンスを下げるには、電極活物質層の導電性を上げる(電子の移動抵抗を下げる)又は電解液から供給されるカチオンの伝導性を上げる(カチオンの移動抵抗を下げる)事が効果的である。
一般に、電極活物質層の導電性を上げるために、グラファイトやアセチレンブラックなどの導電剤が、活物質、結着剤と共に活物質層用塗工組成物の構成材料として用いられている。特に正極の場合、用いられる活物質は通常、半導体ないし絶縁体の領域の材料であるため、導電剤の種類及び量の選択は特に重要である。
理想的には、電極活物質層内において、導電剤同士が連鎖して導電性パスを形成し、この導電性パスによって各活物質粒子と集電体とがつながれ、そして活物質、結着剤および導電剤が存在しない空隙を電解液が満たしている状態であると、電極活物質層の導電性を好ましく上げることができる。
多量の導電剤を含有させた活物質層用塗工組成物を用いて電極活物質層を形成することによって、このような導電性パスを効果的に形成し、電極活物質層の導電性を上げることができる。
すなわち、一般的に使用されるアセチレンブラック等の導電剤は、活物質の粒子よりも小さい一次粒子からなるため凝集しやすく、また、吸液性も高いため、活物質層用塗工組成物中の含有量が大きいと分散性、安定性、塗工適性等が悪くなる。また、導電剤の凝集がはなはだしい場合には、電極活物質の膜物性を低下させる原因にもなる。尚、一般に使用されているグラファイトなど比較的粒径の大きな導電剤については、比較的粒径の小さな活物質と共に用いる場合には、分散性や塗工適性はよいが、導電性パスが形成されにくい。
結着剤を増やした場合のさらなる問題として、活物質表面と導電剤表面の状態又は性質の違いにより、結着剤が活物質粒子、又は導電剤粒子のいずれかの表面に多く偏在して粒子を被覆してしまう場合がある。その結果、活物質と電子とカチオンの有効な接触が結着剤の被膜によってさえぎられ、導電性の発現が抑えられてしまう。
また、上述したような活物質の表面に導電剤を予め付着させてスラリーを調製する従来の試みは、個々の活物質粒子と、その表面に付着した導電剤との接触性は良好であるが、各活物質粒子と集電体とをつなぐ有効な導電性パスを形成するためには必ずしも充分でない。
また、本発明によれば、活物質層用塗工組成物に導電剤を多量に混合する必要がないため、活物質層用塗工組成物の分散性、安定性、塗工適性が良好である。従って、活物質層用塗工組成物を含む電極活物質層を形成するための材料の設計変更を容易に行うことができる。
具体的には、本発明において提供される第1の非水電解液二次電池用電極板は、集電体と該集電体の少なくとも一面に電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板において、前記電極活物質層が、少なくともリチウム酸化物及びカルコゲン化合物からなる群より選択される正極用活物質及び結着剤を含有する、導電剤を含まない活物質層中間体の空隙内に、導電性付与材料を追加することにより形成されたものであることを特徴とする。
本発明の非水電解液二次電池用電極板の製造方法を説明する。尚、本発明において提供される電極板は、正極であっても負極であってもよい。
まず、集電体を準備する。集電体の材質は特に限定されないが、正極板の集電体としては、通常、アルミニウム箔が好ましく用いられる。一方、負極板の集電体としては、電解銅箔や圧延銅箔等の銅箔が好ましく用いられる。集電体の厚さは、5〜50μm程度とする。
そして、基体である上記集電体の一面又は両面に正極又は負極活物質層用塗工組成物を塗布、乾燥して正極又は負極用の活物質層中間体を形成する。ここで、活物質層中間体とは、集電体上に活物質層用塗工組成物を塗布して形成した塗膜であって、その後、導電性付与材料が追加されて電極活物質層となるものをいう。
また、負極活物質としては、従来から非水電解質液二次電池の負極活物質として用いられている材料を用いることができ、例えば、天然グラファイト、人造グラファイト、アモルファス炭素、又は、これらの成分に異種元素を添加したもののような炭素質材料が好んで用いられる。溶媒が有機系の場合には金属リチウム又はリチウム合金のようなリチウム含有金属が好適に用いられる。特に、LiCoO2を正極用活物質として用い、炭素質材料を負極用活物質として用いることにより、4ボルト程度の高い放電電圧を有するリチウム系2次電池が得られる。
活物質層用塗工組成物中の活物質の配合割合は、溶剤を除く配合成分を基準(固形分基準)とした時に、99〜80重量%とすることが好ましく、特に容量と塗膜強度のバランスを図る点からは、98〜85重量%とすることが好ましい。
活物質層用塗工組成物中の充填材の配合割合は、例えば、固形分基準で通常、0.1〜5重量%、好ましくは0.5〜3重量%とする。
活物質層用塗工組成物中の結着材の配合割合は、例えば、固形分基準で通常、1〜20重量%とするが、容量と塗膜強度のバランスを図る点からは、2〜15重量%が好ましい。
正極又は負極活物質層用塗工組成物は、適宜選択した正極又は負極活物質、結着材、及び他の配合成分を適切な溶剤中にいれ、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル又はプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、スラリー状に調製できる。
乾燥工程における熱源としては、温風、熱風、赤外線、マイクロ波、高周波、或いはそれらを組み合わせて利用できる。材料の耐熱性、溶媒除去効率等を考慮して、温風乾燥、遠赤外線乾燥、接触乾燥、減圧乾燥、フリーズドライ乾燥などの手法の中から適宜選択若しくは組み合わせることもできる。乾燥工程において集電体をサポートする金属ローラーや金属シートを加熱して放出させた熱によって乾燥してもよい。また、乾燥後、電子線又は放射線を照射することにより、結着材を架橋反応させて活物質層中間体を得ることもできる。
尚、導電性付与材料の追加は、活物質層中間体の形成後に続けて行ってもよいし、活物質層中間体をプレス処理した後に実施してもよいが、活物質層中間体が未プレスの状態で導電性付与材料の追加を行う方が、活物質層中間体の空隙がつぶされていないため、導電性付与材料の追加が行いやすく好ましい。
第1の方法は、液状の導電性付与材料を用いる方法である。具体的には、液状の導電性付与材料を活物質層中間体の空隙内に浸透させてから、必要に応じて乾燥及び/又は変質させる工程を1回あるいは複数回行ない、電極活物質層を形成する。
第2の方法は、導電性付与材料から形成された導電性材料からなる表面被膜を、活物質層中間体の細孔内面(空隙を形成する界面)に物理的、化学的に直接形成する方法であり、活物質層の種類や構造、及び目的によって適したものを選択することができる。表面被膜を物理的、化学的に直接形成する方法としては、例えば、スパッタリング法、イオンプレーティング法、PVD法、CVD法等が挙げられ、高温等による活物質への影響が大きくない範囲で用いることができる。
液状の導電性付与材料とは、少なくとも導電剤を液状成分に分散又は溶解させたものである。
溶媒に分散させる場合の導電剤としては、カーボン微粒子、金属酸化物微粒子、金属微粒子、導電性ポリマー微粒子からなる群のうち、少なくとも1つからなる導電性微粒子が好ましい。該導電性微粒子の平均粒径は、活物質層中間体の空隙全体に染込むように、前記活物質層中間体に形成された空隙の平均細孔径の半分以下であることが好ましく、通常は1μm以下、好ましくは0.1μm以下のものが適している。ここで、平均細孔径とは、活物質層中間体内の細孔径の平均値をいい、水銀ポロシメータ等により測定することができる。
また、導電剤は、溶媒に可溶なものを用いてもよい。溶媒に溶解させる場合の導電剤としては、例えば、可溶性カーボンナノチューブ、導電性高分子、可溶性カーボンブラック等が例示される。
結着剤を用いる場合は、電極活物質層の形成に一般的に使用される結着剤から任意に選択できるほか、液状の導電性付与材料の活物質層中間体への浸透性を考慮して、従来の電極活物質層には用いられなかった材料を用いても良い。
また、結着剤を用いる場合は、活物質層中間体と同じ結着剤を用いる必要は無い。活物質層中間体に用いたものと異なる結着剤を導電性付与材料に用いることによって、導電性付与材料の溶剤として活物質層中間体の結着剤を溶解させにくい溶媒を選択することが容易になるので、活物質層中間体に導電性付与材料を浸透させる時に、活物質層中間体の骨格(多孔質構造)が導電性付与材料の溶媒により崩壊することを回避できる。
本発明において、熱硬化性材料とは、加熱により硬化し得る材料であり、例えば、熱硬化性のエポキシ樹脂、アクリル系樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂が挙げられる。
また、本発明において、光硬化性材料とは、可視及び非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線のような粒子線、及び、電磁波と粒子線を総称する放射線又は電離放射線のいずれかによって硬化し得る材料であり、例えば、光ラジカル重合性のモノマー、例えば、エチレン性不飽和結合を有するビニル系又はアクリル系のモノマーやオリゴマーを含有する感光性樹脂組成物が挙げられる。樹脂組成物の硬化には、主に、波長が2μm以下の電磁波、電子線、電離放射線等が使用される。特に、電極活物質層の色は一般的に黒く、電極活物質層にある程度の厚みがある場合は、電極活物質層の底部まで充分に照射するために、電子線を用いることが好ましい。
熱硬化性又は光硬化性のモノマーまたはオリゴマーの粘度が十分に小さく、溶媒なしでも用いることが可能な場合は、溶媒を使用しなくてもよい。
かかる観点から、液状の導電性付与材料中の結着材の含有割合は、固形分基準で通常、0〜10重量%、好ましくは0〜7重量%とし、導電性付与材料中の導電剤の配合割合は、固形分基準で通常、90〜100重量%、好ましくは93〜100重量%とする。
導電性付与材料は、適宜選択した導電剤、結着材、及び他の配合成分を適切な溶剤中にいれ、ホモジナイザー、ボールミル、サンドミル、ロールミル又はプラネタリーミキサー等の分散機により混合分散して、インキ等の分散体又は配合成分が溶解した溶液の形態に調製できる。
その他の導電性付与材料の追加方法としては、ゾルゲル法を利用したものを用いることもできる。具体的には、液状の導電性付与材料を活物質層中間体の空隙内に浸透させた後、加水分解性縮合反応によって導電皮膜を形成する方法である。
上記乾燥後、結着剤の性質に合わせて、加熱又は電子線等の光照射を行うか、脱水重縮合を行うか、或いは、その他の適切な変質を行うことによって、電極活物質層が得られる。該電極活物質層は、集電体に対する密着性を高めるために、適当な厚さにプレス加工される。
尚、導電性付与材料の粘度を下げるために、固形分量を下げた場合など、1回の染込み作業では追加する導電性付与材料の量が足りない場合がある。その場合には、導電性付与材料を浸透させてから必要に応じて乾燥及び/又は変質させる一連の工程を複数回繰り返しても良い。
乾燥後の活物質層に含有される各成分の配合割合は、通常、活物質が60〜98%、導電剤が0.1〜20%、結着剤が1〜30%である。
上記の活物質層中間体の空隙に表面被膜が形成されている状態では、表面被膜は、活物質粒子及び結着剤それぞれの細孔内の空隙との界面に沿って形成されているため、電解液が染み入るための空隙は確保されている。
また、活物質粒子表面に導電剤を被覆する場合も、活物質表面に結着剤が付着している部分では、結着剤によって導電剤が空隙から遮られるため、導電性パスの形成には有効に機能しなかった。
また、上記導電性パス(電子伝導パス)は、カチオン導電性パスである活物質粒子間の空隙(電解液が浸透する空隙)に沿って位置選択的に形成されるので、活物質への電子およびカチオンの到達効率もよい。そのため、活物質粒子表面での電池反応が効率よく行なわれる。
特に、正極に用いられる活物質は通常、半導体ないし絶縁体の領域の材料であり、導電性により電極活物質層の導電性を向上させることが重要であるため、本発明は正極板に好適に適用される。
本発明による、その他の効果としては、活物質層用塗工液に導電剤を多量に配合しなくてよいので、活物質層用塗工組成物の分散性、安定性、塗工適性が向上するため、取り扱いやすく、塗工液の処方の設計変更も容易である。
正極用活物質としてLiCoO2粉末を90重量部、および、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを4.7重量部を、溶媒であるN−メチルピロリドン中で分散して活物質層用塗工組成物を調製した。得られた活物質層用塗工組成物は良好な塗工適性を示した。該活物質層用塗工組成物を厚み15μmのアルミ箔に塗布し、乾燥工程を経て活物質層中間体を得た。乾燥後の活物質層中間体の塗膜重量は約189g/m2であった(活物質量は約180g/m2)。
該活物質層中間体に、導電性カーボンブラック分散液(カーボンブラック/ポリフッ化ビニリデンの重量比5/0.3、溶媒N−メチルピロリドン)をスプレーにより染込ませ、乾燥させ、電極活物質層を得た。乾燥後の塗膜重量は約200g/m2であり、計算で求めた活物質/導電剤/結着剤の重量比は90/5/5であった。
その後、所定の厚みに圧延し、充放電特性を評価したところ、定電流値0.2C(単位 アンペア(A)、Cはキャパシタンス)での放電容量に対する2Cでの放電容量における放電容量比は98%であった。充放電特性は、TOSCAT(商品名、東洋システム株式会社製)に2極式セルを用いて、対極に金属リチウムを設置し、定電流0.2C、および定電圧4.2Vで充電を行い、定電流0.2Cあるいは2C、および電圧は3Vカット(電圧が3Vに達したところで測定終了)で放電を行うことによって測定した。尚、1C(A)とは、所定の電池を1時間で放電することができる電流値であり、例えば、2Ah(2Aの容量の電池を1時間で放電)の容量の電池を1時間で放電するには2Aの電流が必要と考える場合、1C=2Aとする。結果を表1に示す。
正極用活物質としてLiCoO2粉末を90重量部、および、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを4.7重量部を、溶媒であるN−メチルピロリドン中で分散して活物質層用塗工組成物を調製した。得られた活物質層用塗工組成物は良好な塗工適性を示した。この該活物質層用塗工組成物を厚み15μmのアルミ箔に塗布し、乾燥工程を経て活物質層中間体を得た。乾燥後の活物質層中間体の塗膜重量は約189g/m2であった(活物質量は約180g/m2)。
該活物質層中間体に、導電性カーボンブラック分散液(カーボンブラック/アクリレート系オリゴマーの重量比5/0.3、溶媒 KT−11(MEK/トルエン=1/1))をスプレーにより染込ませ、乾燥させた。乾燥後の塗膜重量は約200g/m2であり、計算で求めた活物質/導電剤/結着剤の重量比は90/5/5であった。この乾燥した活物質層中間体に電子線照射装置にて10Mradの電子線を照射し、アクリレートオリゴマーの架橋を行ない、電極活物質層を得た。
その後、所定の厚みに圧延し、充放電特性を評価したところ、0.2C放電と2C放電における放電容量比は98%であった。結果を表1に示す。
正極用活物質としてLiCoO2粉末を90重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを5重量部、および、導電剤として導電性カーボンブラック5重量部を、溶媒であるN−メチルピロリドン中で分散して活物質層用塗工組成物を調製した。得られた活物質層用塗工組成物はやや流動性に劣る塗工適性を示した。該活物質層用塗工組成物を厚み15μmのアルミ箔に塗布し、乾燥工程を経て電極活物質層を得た。乾燥後の塗膜重量は約200g/m2であった。
その後、所定の厚みに圧延し、充放電特性を評価したところ、0.2C放電と2C放電における放電容量比は92%であった。結果を表1に示す。
正極用活物質としてLiCoO2粉末を90重量部、結着剤としてポリフッ化ビニリデンを4.7重量部およびアクリレート系オリゴマーを0.3重量部、および、導電剤として導電性カーボンブラック5重量部を、溶媒であるN−メチルピロリドン中で分散して活物質層用塗工組成物を調製した。得られた活物質層用塗工組成物はやや流動性に劣る塗工適性を示した。該活物質層用塗工組成物を厚み15μmのアルミ箔に塗布し、乾燥した。乾燥後の塗膜重量は約200g/m2であった。これに電子線照射装置にて10Mradの電子線を照射し、アクリレートオリゴマーの架橋を行ない、電極活物質層を得た。
その後、所定の厚みにプレスし、充放電特性を評価したところ、0.2C放電と2C放電における放電容量比は90%であった。結果を表1に示す。
正極用活物質としてLiCoO2粉末を90重量部、結着剤としてアクリレート系オリゴマーを5重量部、および、導電剤として導電性カーボンブラック5重量部を、溶媒であるN−メチルピロリドン中で分散して活物質層用塗工組成物を調製したところ、著しく塗工適性が悪く、均一な塗膜を形成することができなかった。結果を表1に示す。
本発明に係る方法によって作成された実施例1の電極活物質層は、0.2C放電と2C放電における放電容量比が98%と良好で、且つ、活物質層用塗工組成物の塗工適性が良好であった。同様に、本発明に係る方法によって作成された光硬化性材料を含む実施例2の電極活物質層も、0.2C放電と2C放電における放電容量比が98%と良好で、且つ、活物質層用塗工組成物の塗工適性が良好であった。
一方、本発明とは異なり、導電剤と共に、活物質および結着剤を溶媒に分散させた活物質層用塗工組成物を用いた比較例1〜3については、実施例1および2よりも劣る結果となった。比較例1においては、電極活物質層の0.2C放電と2C放電における放電容量比は92%と減少し、且つ、活物質層用塗工組成物の塗工適性がやや流動性に劣った。光硬化性材料を含む比較例2の電極活物質層0.2C放電と2C放電における放電容量比は90%とさらに減少し、且つ、活物質層用塗工組成物の塗工適性がやや流動性に劣った。また、本来本発明における導電性付与材料に適するアクリレート系オリゴマーを、活物質層用塗工組成物の結着剤として用いた比較例3は、塗工適性が著しく悪く、電極活物質層を形成することができなかった。
Claims (28)
- 集電体と該集電体の少なくとも一面に電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板において、前記電極活物質層は、少なくともリチウム酸化物及びカルコゲン化合物からなる群より選択される正極用活物質及び結着剤を含有する、導電剤を含まない活物質層中間体の空隙内に、導電性付与材料を追加することにより形成されたものであることを特徴とする、非水電解液二次電池用電極板。
- 前記活物質の少なくとも一部が粒子状であることを特徴とする、請求項1に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記活物質層中間体が充填剤を含むことを特徴とする、請求項1又は2に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記導電性付与材料が液状の形態である、請求項1乃至3のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記液状の導電性付与材料が、少なくとも導電剤を液状成分に溶解又は分散させたものであることを特徴とする、請求項4に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記液状の導電性付与材料が前記導電剤として導電性微粒子を含有することを特徴とする、請求項5に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記導電性微粒子がカーボン微粒子、金属酸化物微粒子、金属微粒子、及び導電性ポリマー微粒子からなる群のうち、少なくとも1つからなることを特徴とする、請求項6に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記導電性微粒子の平均粒径が前記活物質層中間体の空隙の平均細孔径の半分以下であることを特徴とする、請求項6又は7に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記液状の導電性付与材料が、さらに結着剤を含むことを特徴とする、請求項4乃至8のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記活物質層中間体の空隙内に追加された前記導電性付与材料から形成された導電性材料からなる表面被膜が、前記活物質層中間体の細孔内面の少なくとも一部を被覆していることを特徴とする、請求項1乃至9のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記導電性付与材料からなる表面被膜が、前記活物質層中間体の結着剤とは異なる結着剤を含有することを特徴とする、請求項10に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記導電性付与材料が結着剤として熱硬化性材料及び/又は光硬化性材料を含有し、該導電性付与材料を活物質層中間体に追加した後、加熱処理あるいは光照射処理によって該導電性付与材料を硬化させたことを特徴とする、請求項4乃至11のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記液状の導電性付与材料を前記活物質層中間体の空隙内に追加してから乾燥又は変質させる工程を1回あるいは複数回行ない、電極活物質層を形成したことを特徴とする、請求項4乃至12のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 集電体と該集電体の少なくとも一面に電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板において、前記集電体の少なくとも一面に設けられ、且つ、少なくともリチウム酸化物及びカルコゲン化合物からなる群より選択される正極用活物質及び結着剤を含有する、導電剤を含まない活物質層中間体の細孔内面を構成している活物質粒子及び結着剤それぞれの空隙との界面の少なくとも一部に、導電剤が高濃度に偏在していることを特徴とする、非水電解液二次電池用電極板。
- 前記活物質粒子及び結着剤それぞれの空隙との界面の少なくとも一部に、前記導電剤及び結着剤を含有する導電性材料からなる表面被膜が存在することを特徴とする請求項14に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記導電剤が、導電性微粒子であることを特徴とする請求項14又は15に記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 前記表面被膜が結着剤として熱硬化性材料及び/又は光硬化性材料の硬化物を含有することを特徴とする、請求項14乃至16のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板。
- 集電体と該集電体の少なくとも一面に電極活物質層を備える非水電解液二次電池用電極板の製造方法において、前記集電体の少なくとも一面に設けられ、かつ、少なくともリチウム酸化物及びカルコゲン化合物からなる群より選択される正極用活物質及び結着剤を含有する、導電剤を含まない活物質層中間体の空隙内に、導電性付与材料を追加して前記電極活物質層を形成する工程を含むことを特徴とする、非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
- 少なくともリチウム酸化物及びカルコゲン化合物からなる群より選択される正極用活物質及び結着剤を含む、導電剤を含まない活物質層用塗工組成物を前記集電体上に塗工して前記活物質層中間体を形成する工程を含む、請求項18に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
- 前記活物質の少なくとも一部が粒子状であることを特徴とする、請求項18又は19に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
- 前記活物質層中間体が充填剤を含むことを特徴とする、請求項18乃至20のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
- 前記導電性付与材料が液状の形態であり、該導電性付与材料を前記活物質層中間体に浸透させることを特徴とする、請求項18乃至21のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
- 前記液状の導電性付与材料が、少なくとも導電剤を液状成分に溶解又は分散させたものであることを特徴とする、請求項22に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
- 前記導電剤が導電性微粒子であることを特徴とする、請求項23に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
- 前記導電性微粒子の平均粒径が前記活物質層中間体の空隙の平均細孔径の半分以下であることを特徴とする、請求項24に記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
- 前記液状の導電性付与材料が、さらに結着剤を含むことを特徴とする、請求項22乃至25のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
- 前記導電性付与材料が結着剤として熱硬化性材料及び/又は光硬化性材料を含有し、該導電性付与材料を活物質層中間体に追加した後、加熱処理あるいは光照射処理によって該導電性付与材料を硬化させることを特徴とする、請求項22乃至26のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
- 前記液状の導電性付与材料を前記活物質層中間体の空隙内に追加してから乾燥又は変質させる工程を1回あるいは複数回行ない、電極活物質層を形成することを特徴とする、請求項22乃至27のいずれかに記載の非水電解液二次電池用電極板の製造方法。
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