JP5075516B2 - レジスト保護膜用重合体溶液の製造方法 - Google Patents

レジスト保護膜用重合体溶液の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、半導体加工の際にレジストの上層に保護膜として用いる樹脂組成物に用いられる重合体の製造方法に関する。詳しくは、液浸露光システムを用いて露光する際の液浸用保護膜に用いられる重合体の製造方法に関する。
近年、LSIの高集積化に伴い、半導体パターンの微細化が急速に進められている。これまではレジストパターンの形成の際に使用する露光光として、g線(436nm)もしくはi線(365nm)を光源とする光源光が広く用いられ、現在ではKrFエキシマレーザー(248nm)が主流となり、ArFエキシマレーザー(193nm)を用いたフォトリソグラフィーが立ち上がりつつある。しかしながら、ArFエキシマレーザーを用いても65nmノードまでは対応可能であるが、45nmノードでは十分な解像度を得ることができないため、更なる技術開発が進められている。
新技術の候補の一つとして露光光の短波長化が挙げられ、F2(157nm)リソグラフィーの検討が行われていたが、装置・材料の両面から課題が多数持ち上がっており、現在では液浸ArFエキシマレーザーが45nmノードでの主力となるであろうと予想され、盛んに検討が行われている。
液浸露光システムにおいて浸漬する液としては空気より小さい屈折率を有する様々な化合物が検討されているが、価格、取り扱いの容易さ等の観点から水が検討されている。ここで、レジストの上に水が存在することによる様々な問題が指摘された。発生した酸や、クエンチャーとしてレジストに添加しているアミン化合物が水に溶解してしまうことによる形状変化や、膨潤によるパターン倒れなどである。そのため、レジストと水との間に保護膜を設けることが有効であることが提案されている。
このようなことを目的として特許文献1ではレジスト保護膜として非水溶性でアルカリ可溶性材料を用いる方法が提案されている。この特許では、フッ素を有する繰り返し単位と、アルカリに溶解する親水性基としてスルホ基、カルボキシル基を有する繰り返し単位とを共重合した重合体を用いている。
このような重合体からなる保護膜をレジスト上に形成する際にコスト・プロセスの容易さ等の観点から一般にスピンコート法が用いられる。ところがスピンコートする溶液がレジストと親和性を有すると、溶媒が先に形成されているレジストを溶解してしまうためにレジスト膜の平滑性が失われたり、レジスト膜中の低分子成分が保護膜中に溶出したりして、微細な形状を得ることが困難となってしまう。このため、一般にはアルコール系あるいはフッ素系の溶媒が保護膜用組成物には用いられる。
一方で保護膜用の重合体を合成する際には、一般にレジストと高い親和性を有するケトン系、エステル系、エーテル系の溶媒が用いられている。また、重合体の合成を行う際には高温での反応が行われるケースが多いので、安全性の観点から沸点の高い溶媒が選択されることが多い。
このように沸点が高い溶媒を用いて重合を行い、精製後、製品溶媒であるアルコール系、フッ素系の溶媒に置換を行うが、保護膜形成溶媒の沸点が重合溶媒よりも低い場合は、加熱あるいは減圧で溶媒の置換を効率的に行うことができないために最終製品中にレジストと高い親和性を有する重合溶媒が残留してしまう。製品中に残留した不純物である重合溶媒はスピンコートの際にレジスト膜を溶解してしまい微細プロファイルを形成することが困難となってしまう。
レジスト用重合体の場合、製品中の残留単量体、開始剤、連鎖移動剤、重合中に生成する不純物を精製により除去する方法がこれまでに数多く提案されている。重合液を貧溶媒と混合して固形分を再沈させる方法が公知である。しかしながら、再沈を1 回行うだけでは、未反応単量体等の不純物が充分除去できない。又、再沈を2 回以上行うことも可能であるが、この場合、沈殿、ろ過、再溶解という操作を繰り返し行う必要がある。
このような問題を解決するために特許文献2には、特殊な装置を用いて再沈・濾過・リパルプを行う方法が開示されているが、この方法では特殊な装置を有するばかりか、リパルプのために多量の溶媒を必要とするために生産性が低くなり好ましくない。
また、特許文献3には特定構造の単量体を用いた共重合体を沈殿精製した後に貧溶媒を用いたリパルプもしくはリンスを行う方法を開示しているが、重合溶媒と保護膜形成溶媒の沸点の関係、リンス溶媒と保護膜形成溶媒の沸点の関係、またリンスの回数が重合溶媒の除去に対して及ぼす影響に関してはなんら触れられていない。
特開2006−91798号公報 特開2005−132974号公報 特開2003−231721号公報
従って、本発明の目的は、レジストとの親和性を有する溶媒の含有量が少なく、塗布時のレジストへの相互作用を起こさず、レジストの良好なパターンプロファイルを得ることを可能とする保護膜を形成できる保護膜形成用重合体の製造方法を提供することにある。
本発明は、
(1)予め加温された重合溶媒中に、重合溶媒に溶解された単量体及び開始剤を滴下し、滴下終了後、加熱下において熟成させて重合する工程、
(2)重合溶液を重合体の貧溶媒と接触させて、重合体を析出させる工程、
(3)析出した重合体を遠心濾過減圧濾過及び加圧濾過からなる群より選択される少なくとも1つの方法で固液分離する工程、
(4)得られた固体状の重合体をリンスする工程、
(5)得られた固体状の重合体を塗膜形成溶媒に溶解後、濃縮する工程、
前記工程を含むレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法において、固体状の重合体をリンスする溶媒が重合体に対して貧溶媒であり、塗膜形成溶媒よりも沸点が低いことを特徴とするレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法を提供する。
本発明はまた、前記レジスト保護膜用重合体溶液の製造方法において、リンスを2回以上することを特徴とする前記記載のレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法を提供する。
本発明は更に、塗膜形成溶媒がフッ素系溶媒、アルコール系溶媒、またはそれらを含む混合溶媒であることを特徴とする前記記載のレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法を提供する。
本発明は、得られるレジスト保護膜用重合体溶液において、重合する工程で使用される重合溶媒の含有量がレジスト保護膜用重合体溶液に含まれる固形分に対して1重量%以下であることを特徴とする前記記載のレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法を提供する。
本発明は更に、重合体がフッ素を有する繰り返し単位と、アルカリに溶解する親水性基としてスルホ基、カルボキシル基、少なくともα位の炭素原子にフルオロアルキル基を有するアルコール性水酸基のいずれかを有する繰り返し単位とを共重合した重合体であることを特徴とする前記記載のレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法を提供する。
なお、本明細書では、上記発明のほか、
(1)単量体、開始剤、重合溶媒を混合した溶液を過熱して重合する工程、
(2)重合溶液を重合体の貧溶媒と接触させて、重合体を析出させる工程、
(3)析出した重合体を遠心濾過・減圧濾過・加圧濾過等の方法で固液分離する工程、
(4)得られた固体状の重合体をリンスする工程、
(5)得られた固体状の重合体を塗膜形成溶媒に溶解後、濃縮する工程、
前記工程を含むレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法において、固体状の重合体をリンスする溶媒が重合体に対して貧溶媒であり、塗膜形成溶媒よりも沸点が低いことを特徴とするレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法、についても説明する。
本発明によれば、保護膜形成用組成物中に含まれるレジストとの親和性の高い溶媒が低含有量である溶液を簡便な方法で製造することができ、レジスト膜への影響を及ぼすことなくレジスト膜上へ保護膜を形成することができ、従って良好なパターンプロファイルを得ることができる。
本発明で精製対象となる保護膜形成用重合体とは、レジストの上層に形成され、レジストを保護するために用いられる膜を形成するために用いられる重合体である。このような保護膜としては、環境アミンによるレジスト形状がT−トップなることを抑制するための保護膜、上層反射防止膜、液浸用保護膜等が挙げられる。重合体としては、レジスト膜と相互作用を有さず、外部の影響をレジストに及ぼさないように保護する機能がある材料であればどのような材料でも用いることができる。例えば、ポリビニルエーテル、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂、パーフルオロアルキル化合物、フッ素系樹脂、フッ素で置換された官能基を有する単量体とカルボキシル基、スルホニル基、少なくともα 位の炭素原子にフルオロアルキル基を有するアルコール性水酸基を有する繰り返し単位等の官能基を有する単量体の共重合体等が挙げられる。
液浸保護膜として用いる場合、液浸液に対する耐性と露光処理後の処理の容易さとの観点から、液浸液に対する撥水性を付与できるフッ素原子を有する繰り返し単位とアルカリ現像液に対する溶解性を付与できるカルボキシル基、スルホニル基、少なくともα 位の炭素原子にフルオロアルキル基を有するアルコール性水酸基等の官能基を有する繰り返し単位の共重合体が特に好ましく用いることができる。
フッ素原子を有する繰り返し単位として、下記式(1)、式(2)で表される単位が挙げられる。
Figure 0005075516

(式中、R、R、R、Rは、同一又は異なって、水素原子、フッ素原子、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜10のアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数3〜15のシクロアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜10のフルオロアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数3〜15のフルオロシクロアルキル基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数1〜10のハロアルキルオキシ基、ヒドロキシル基を有していてもよい炭素数3〜10のハロシクロアルキルオキシ基を示し、RとRは互いに結合して隣接する2個の炭素原子とともに環を形成していてもよい。但し、R〜Rのうち少なくとも1つはフッ素原子を含有する基である。)
Figure 0005075516


(式中、Rは、水素原子、フッ素原子、メチル基、トリフルオロメチル基、又はカルボキシメチル基を示す。Rは、置換基を有していてもよく、またエステル基、エーテル基、ヒドロキシル基又はアミド基を有していてもよい、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基もしくは炭素数5〜20の脂環式炭化水素基、又はこれらが2以上結合した基を示す)
前記アルキル基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基等が挙げられる。シクロアルキル基としては、シクロペンチル、シクロへキシル基等が挙げられる。フルオロアルキル基としては、トリフルオロメチル基、トリフルオロエチル基、ペンタフルオロエチル基などが挙げられる。ヒドロキシル基を有するフルオロアルキル基としては、−C(CF−OH、−CH−C(CF−OHなどが挙げられる。フルオロシクロアルキル基としては、ヘキサフルオロシクロアルキル基などが挙げられる。ハロアルキルオキシ基としては、−OCF、−OC、−OC、−OC17、−OCHCF、−OCH、−OCHCFCFCFCFHなどが挙げられる。RとRは互いに結合して隣接する2個の炭素原子とともに形成する環としては、フッ素原子又はフッ素原子含有基を有していてもよいシクロブタン環、フッ素原子又はフッ素原子含有基を有していてもよいシクロヘプタン環、フッ素原子又はフッ素原子含有基を有していてもよいシクロヘキサン環、フッ素原子又はフッ素原子含有基を有していてもよい1,3‐ジオキソラン環などが挙げられる。
における炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s−ブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシル基等のアルキル基;アリル基等のアルケニル基;プロピニル基等のアルキニル基等が挙げられる。Rにおける炭素数5〜20の脂環式炭化水素基としては、シクロペンチル、シクロへキシル基等のシクロアルキル基;シクロペンテニル、シクロヘキセニル基等のシクロアルケニル基;ノルボルニル、アダマンチル基等の橋架け環式基などが挙げられる。これての脂肪族炭化水素基や脂環式炭化水素基が有していてもよい置換基としては、特に限定されず、好ましい置換基としてフッ素原子、ヒドロキシル基等が挙げられる。
式(1)で表される繰り返し単位の代表的な例として以下のものが挙げられる。
・R=H、R=F、R=H、R=Hである繰り返し単位
・R=H、R=F、R=H、R=Fである繰り返し単位
・R=H、R=F、R=F、R=Fである繰り返し単位
・R=F、R=F、R=F、R=Fである繰り返し単位
・R=H、R=F、R=H、R=CFである繰り返し単位
・R=F、R=F、R=H、R=CFである繰り返し単位
・R=F、R=F、R=F、R=CFである繰り返し単位
・R=H、R=H、R=H、R=OCFである繰り返し単位
・R=H、R=H、R=H、R=OCである繰り返し単位
・R=H、R=H、R=H、R=OCである繰り返し単位
・R=H、R=H、R=H、R=OC17である繰り返し単位
・R=H、R=H、R=H、R=OCHCFである繰り返し単位
・R=H、R=H、R=H、R=OCHである繰り返し単位
・R=F、R=F、R=F、R=OCである繰り返し単位
・R=F、R=F、RとRが結合して隣接する2個の炭素原子とともに、テトラフルオロブタン環を形成している繰り返し単位
・R=F、R=F、RとRが結合して隣接する2個の炭素原子とともに、ヘキサフルオロペンタン環を形成している繰り返し単位
・R=F、R=F、RとRが結合して隣接する2個の炭素原子とともに、2,2−ビス(トリフルオロメチル)−1,3−ジオキソラン環を形成している繰り返し単位
・R=H、R=H、RとRが結合して隣接する2個の炭素原子とともに、2−(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−ヒドロキシエチル)ノルボルナン環を形成している繰り返し単位
・R=H、R=H、RとRが結合して隣接する2個の炭素原子とともに、2−(3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−1−ヒドロキシプロピル)ノルボルナン環を形成している繰り返し単位等。
式(2)で表される繰り返し単位の代表的な例として以下のものが挙げられる。
・R=H、CH、F又はCF、R=CHCFである繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=CHCFHである繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=CHCFCFである繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=CHCFCFHである繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=CHCF(CF)である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=CHCFCFHCFである繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=CHCFCFCFCFである繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=CHCFCFCFCFHである繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=CHCHCFCFCFCFである繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=CHCFCFCFCFCFCFCFCFである繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=CHCHCFCFCFCFCFCFCFである繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=4−(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシエチル)シクロへキシル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=2−(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシエチル)シクロへキシル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=4−(1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−12−ヒドロキシプロピル)シクロへキシル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=4−(1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−12−ヒドロキシプロピル)−4−ヒドロキシシクロへキシル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=4−(1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−12−ヒドロキシプロピル)シクロへキシル−メチル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=4−(1,1,3,3,3−ペンタフルオロ−12−ヒドロキシプロピル)−4−ヒドロキシシクロへキシル−メチル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=4−(1,1,2,2,3,3,4,4−オクタフルオブチル)シクロへキシル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=5−(2,2,2−トリフルオロ−1−トリフルオロメチル−1−ヒドロキシエチル)ノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=5−(3,3,3−トリフルオロ−2−トリフルオロメチル−1−ヒドロキシプロピル)ノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=5−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=6,6−ジフルオロ−5−トリフルオロメチル−5−ヒドロキシノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=6−(2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルオキシカルボニル)ノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位
・R=H、CH、F又はCF、R=6−(2,2,3,3,4,4,5,5,5−ノナフルオロペンチルオキシカルボニル)ノルボルナン−2−イル基である繰り返し単位等。
アルカリ現像液に対する溶解性を付与することができるスルホ基、カルボキシル基又は少なくともα 位の炭素原子にフルオロアルキル基を有するアルコール性水酸基を有する繰り返し単位としては、スルホ基又はカルボキシル基、少なくともα 位の炭素原子にフルオロアルキル基を有するアルコール性水酸基を有していれば特に限定されない。
スルホ基を有する繰り返し単位に対応する不飽和化合物(重合性単量体)の代表例として、例えば、ビニルスルホン酸(エチレンスルホン酸)、2−プロペンスルホン酸、3−ブテンスルホン酸、4―ペンテンスルホン酸、(メタ)アクリルスルホメチル、(メタ)アクリル酸2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸3−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸2−メチル−3−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸4−スルホブチル、N−(2−スルホエチル)(メタ)アクリル酸4−スルホブチル、N−(2−スルホエチル)(メタ)アクリル酸アミド、N−(1−メチル−2−スルホエチル)(メタ)アクリル酸アミド、N−(2−メチル−3−スルホプロピル)(メタ)アクリル酸アミド、N−(4―スルホブチル)(メタ)アクリル酸アミドなどが挙げられるが、これに限定されない。
カルボキシル基を有する繰り返し単位に対応する不飽和化合物(重合性単量体)の代表例として、例えば、(メタ)アクリル酸、3−ブテン酸、4−ペンテン酸、2−フルオロアクリル酸、2−トリフルオロメチルアクリル酸、3−ビニルオキシプロピオン酸、4−ビニルオキシ酪酸、3−カルボキシ−3−ブテン酸、(メタ)アクリル酸カルボキシシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸カルボキシノルボルニル、(メタ)アクリル酸カルボキシアダマンチル、(メタ)アクリル酸カルボキシメチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピルなどが挙げられる。
少なくともα 位の炭素原子にフルオロアルキル基を有するアルコール性水酸基を有する繰り返し単位に対応する代表例として、式(3)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 0005075516



式(3) においてR7 は水素原子または炭素数1 〜 4 のアルキル基を、R8 は2 価の有機基を、それぞれ表す。
炭素数1 〜 4 のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n − プロピル基、i − プロピル基、n − ブチル基、2 − メチルプロピル基、1 − メチルプロピル基、t − ブチル基等のアルキル基が挙げられる。
2 価の有機基としては、好ましくは2 価の炭化水素基であり、2 価の炭化水素基の中で好ましくは鎖状または環状の炭化水素基である。
好ましいR8 としては、メチレン基、エチレン基、1 , 3 − プロピレン基もしくは1 ,2 − プロピレン基などのプロピレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、トリデカメチレン基、テトラデカメチレン基、ペンタデカメチレン基、ヘキサデカメチレン基、ヘプタデカメチレン基、オクタデカメチレン基、ノナデカメチレン基、インサレン基、1 − メチル− 1 , 3 − プロピレン基、2 − メチル− 1 , 3 − プロピレン基、2 − メチル− 1 , 2 − プロピレン基、1 − メチル− 1 , 4− ブチレン基、2 − メチル− 1 , 4 − ブチレン基、メチリデン基、エチリデン基、プロピリデン基、または、2 − プロピリデン基等の飽和鎖状炭化水素基、1 , 3 − シクロブチレン基などのシクロブチレン基、1 , 3 − シクロペンチレン基などのシクロペンチレン基、1 , 4 − シクロヘキシレン基などのシクロヘキシレン基、1 , 5 − シクロオクチレン基などのシクロオクチレン基等の炭素数3 〜 1 0 のシクロアルキレン基などの単環式炭化水素環基、1 , 4 − ノルボルニレン基もしくは2 , 5 − ノルボルニレン基などのノルボルニレン基、1 , 5 − アダマンチレン基、2 , 6 − アダマンチレン基などのアダマンチレン基等の2 〜 4 環式炭素数4 〜 3 0 の炭化水素環基などの架橋環式炭化水素環基等が挙げられる。
特に、R として2 価の脂肪族環状炭化水素基を含むときは、ビストリフルオロメチル− ヒドロキシ− メチル基と該脂肪族環状炭化水素基との間にスペーサーとして炭素数1 〜4 のアルキレン基を挿入することが好ましい。
また、R としては、2 , 5 − ノルボルニレン基を含む炭化水素基、1 , 2−エチレン基、プロピレン基が好ましい。
本発明のレジスト保護膜形成用樹脂組成物を構成する重合体において、アルカリ現像液に対する溶解性を付与する繰り返し単位の割合は、全繰り返し単位(全単量体単位)に対して、例えば1〜99モル%、好ましくは10〜80モル%、さらに好ましくは15〜70モル%程度である。繰り返し単位の割合が少なすぎると、アルカリ溶解性が低下してしまいアルカリ現像時のスカム等の欠陥が生じやすくなる。一方、繰り返し単位の割合が多すぎると、撥水性が低下する場合がある。
前記重合体がフッ素原子を有する繰り返し単位を有する場合、その割合は、全繰り返し単位(全単量体単位)に対して、例えば1〜99モル%、好ましくは5〜95モル%、さらに好ましくは10〜90モル%程度である。フッ素原子を有する繰り返し単位の割合が少ない場合には、撥水性が低下してウォーターマーク等の欠陥が生じやすくなり、フッ素原子を有する繰り返し単位の割合が多すぎると、アルカリ可溶性が低下しやすくなる。
本発明の保護膜形成用重合体には、上記目的を妨げない範囲でアルカリ現像液に対する溶解性を付与する繰り返し単位、フッ素原子を有する繰り返し単位以外の繰り返し単位を共重合することが可能である。アルカリ現像液に対する溶解性を付与する繰り返し単位、並びにフッ素原子を有する繰り返し単位と共重合可能なものであれば特に限定されない。中でも好ましい繰り返し単位としては、炭素数1 〜 2 0 の直鎖状、分岐状又は環状のアルキル基であり、エーテル、エステル、ラクトンなどを有していてもよい( メタ)誘導体、ビニルエーテル誘導体、ノルボルネン誘導体、ノルボルナジエン誘導体等を挙げることができる。中でも、ラクトン骨格を含む単量体、酸により脱離してアルカリ可溶性となる基を含む単量体、ヒドロキシル基を有する脂環式骨格を含む単量体が好ましい単量体として挙げられる。
本発明のレジスト保護膜形成用重合体の重量平均分子量(Mw;ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の値)は、例えば1000〜500000程度、好ましくは2000〜30000,さらに好ましくは2000〜15000程度である。重量平均分子量が小さすぎるとレジスト材料とミキシングを起こしたり、水に溶解しやすくなる。一方、重量平均分子量が大きすぎると、スピンコート時の成膜性に問題が生じたり、アルカリ溶解性が低下することがある。
本発明のレジスト保護膜形成用重合体を得るに際し、単量体混合物の重合は、溶液重合、塊状重合、懸濁重合、乳化重合など、アクリル系重合体等を製造する際に用いる慣用の方法により行うことができるが、特に、溶液重合が好適である。さらに、溶液重合のなかでも滴下重合が好ましい。滴下重合は、具体的には、例えば、(i) 予め有機溶媒に溶解した単量体溶液と、有機溶媒に溶解した重合開始剤溶液とをそれぞれ調製し、一定温度に保持した有機溶媒中に前記単量体溶液と重合開始剤溶液とを各々滴下する方法、(ii) 単量体と重合開始剤とを有機溶媒に溶解した混合溶液を、一定温度に保持した有機溶媒中に滴下する方法、(iii) 予め有機溶媒に溶解した単量体溶液と、有機溶媒に溶解した重合開始剤溶液とをそれぞれ調製し、一定温度に保持した前記単量体溶液中に重合開始剤溶液を滴下する方法、(iv)予め別々の有機溶媒に溶解した単量体溶液と、有機溶媒に溶解した重合開始剤溶液とをそれぞれ調製し、一定温度に保持した有機溶媒中に前記各単量体溶液と重合開始剤溶液とを各々滴下する方法、などの方法により行われる。
重合溶媒としては公知の溶媒を使用でき、例えば、エーテル( ジエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等グリコールエーテル類などの鎖状エーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテルなど) 、エステル( 酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、乳酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類など) 、ケトン( アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど) 、アミド( N , N − ジメチルアセトアミド、N , N − ジメチルホルムアミドなど) 、スルホキシド( ジメチルスルホキシドなど) 、アルコール( メタノール、エタノール、プロパノールなど) 、炭化水素( ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素、ヘキサン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素など) 、これらの混合溶媒などが挙げられる。原料となるモノマー及び重合により生成するポリマーの溶解性の観点から、溶媒としてはエーテル系、エステル系、ケトン系の溶媒を好ましく用いることができる。また、重合反応を行なう上での安全性の確保の観点から、溶媒の沸点は80℃を以上である事が好ましい、更に好ましくは、100℃以上、より好ましくは、120℃以上である。また、重合開始剤として公知の重合開始剤を使用できる。重合温度は、例えば30 〜 150 ℃ 程度の範囲で適宜選択できる。好ましくは、50〜120℃、更に好ましくは55〜110℃の範囲である。
得られた重合体は、沈殿又は再沈殿により精製できる。沈殿又は再沈殿溶媒は有機溶媒及び水の何れであってもよく、また混合溶媒であってもよい。沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、例えば、炭化水素( ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素; シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素; ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素) 、ハロゲン化炭化水素( 塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素; クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素など) 、ニトロ化合物( ニトロメタン、ニトロエタンなど) 、ニトリル( アセトニトリル、ベンゾニトリルなど) 、エーテル( ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル; テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル) 、ケトン( アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなど) 、エステル( 酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、カーボネート( ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど) 、アルコール( メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなど) 、カルボン酸( 酢酸など) 、これらの溶媒を含む混合溶媒等が挙げられる。
中でも、前記沈殿又は再沈殿溶媒として用いる有機溶媒として、少なくとも炭化水素(特に、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素) を含む溶媒が好ましい。このような少なくとも炭化水素を含む溶媒において、炭化水素( 例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素) と他の溶媒との比率は、例えば前者/ 後者( 重量比) =10/90〜100/0、好ましくは前者/ 後者( 重量比)=30/70〜100/0 、さらに好ましくは前者/ 後者( 重量比) =50/50〜100/0程度である。
前記沈殿あるいは再沈殿により精製された重合体は濾過により分別される。濾過の方法としては、自然濾過、加圧濾過、減圧濾過、遠心濾過等が挙げられる。濾過で回収される溶媒を含む重合体(湿重合体)中の残存溶媒の均一性、残留する溶媒の量等を考慮すると、その分離効率の観点から遠心濾過を選択することが好ましい。分離の際に湿重合体に含まれる溶媒の量は特定されるものではないが、製品中に残留する単量体、開始剤、重合溶媒、生成不純物の量を考慮すると回収される重合体の5重量倍以下であることが好ましい。更に好ましくは3倍以下、より好ましくは2倍以下である。濾過により分離された湿重合体はすぐに回収することなく、そのままの状態で次のリンス工程に付される。
リンス工程で用いられる溶媒は特に限定されるものではないが、濃縮工程での除去の容易さから製品溶媒よりも沸点が低い方が好ましい。リンス溶媒の沸点は特に限定されるものではないが、製品溶媒の沸点よりも5℃以上低いことが好ましい。更に好ましくは10℃以上、より好ましくは20℃以上低いことが好ましい。リンス溶媒の沸点が製品溶媒(保護膜形成用溶媒ともいう)の沸点と変わらない、あるいは製品溶媒の沸点よりも高い場合は、後の濃縮工程で容易に除去できないために、濃縮工程の負担が多くなったり、製品中に不純物として残留してしまう等の問題を引き起こしてしまう可能性がある。
リンス溶媒は重合体との親和性が低い、貧溶媒を用いる必要がある。リンス溶媒として重合体との親和性が高い溶媒を用いると粉状に分散していた重合体が溶解してしまい、モチ状となって不純物が十分に除去されなかったり、後の製品溶媒への溶解工程で溶解しにくくなり溶解時間が長くなってしまったり、更に親和性が高い場合は、重合体が溶解して収率が低下してしまう。リンス溶媒が重合体の貧溶媒であるかどうかは、湿重合体の粉をリンス溶媒と混合して1時間程度放置した後に、湿重合体が粉状を保っているかどうかで容易に判断することができる。
リンス時の温度は特に制限されるものではないが、溶媒以外に残留している単量体が除去されやすくなるので温度が高い方が好ましい。リンス溶媒の温度は室温以上であることが好ましい。リンス溶媒の温度が高くなると重合体との親和性が変化する場合があるのでリンス時の温度を変える場合は、実温度での湿重合体の分散安定性を確認する必要がある。
リンス溶媒は上記特性を満たしていれば有機溶媒及び水の何れであってもよく、また混合溶媒であってもよい。また、不純物の種類を増やさないという観点からは沈殿もしくは再沈殿で使用した溶媒を用いることが好ましい。
リンス溶媒として用いる有機溶媒として、例えば、炭化水素( ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素; シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素; ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素) 、ハロゲン化炭化水素( 塩化メチレン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素; クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素など) 、ニトロ化合物( ニトロメタン、ニトロエタンなど) 、ニトリル( アセトニトリル、ベンゾニトリルなど) 、エーテル( ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジメトキシエタンなどの鎖状エーテル; テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの環状エーテル) 、ケトン( アセトン、メチルエチルケトン、ジイソブチルケトンなど) 、エステル( 酢酸エチル、酢酸ブチルなど)、カーボネート( ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネートなど) 、アルコール( メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロピルアルコール、ブタノールなど) 、カルボン酸( 酢酸など) 、これらの溶媒を含む混合溶媒等が挙げられる。
中でも、前記リンス溶媒として用いる有機溶媒として、少なくとも炭化水素(特に、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素) を含む溶媒が好ましい。このような少なくとも炭化水素を含む溶媒において、炭化水素( 例えば、ヘキサンなどの脂肪族炭化水素) と他の溶媒との比率は、例えば前者/ 後者( 重量比) =10/90〜100/0、好ましくは前者/ 後者( 重量比)=30/70〜100/0 、さらに好ましくは前者/ 後者( 重量比) =50/50〜100/0程度である。
リンス溶媒の使用量は重合体重量の1〜100倍の範囲で選択することができる。好ましくは2〜50倍、更に好ましくは5〜20倍である。1倍よりも少ないとリンスの効果が低くなり、100倍を超えると使用率が低下してしまう。リンス溶媒は遠心濾過機等の濾過装置内で濾別された湿重合体に直接加えても、別の装置に一旦湿重合体を回収して、別の装置内で加えてもかまわないが、分離装置内でそのまま処理する方が好ましい。リンス溶媒を湿重合体に加えた後に、加圧、減圧、あるいは遠心することにより溶媒を分離・除去することができる。
リンス後の分離の際に湿重合体に含まれる溶媒の量は特定されるものではないが、製品中に残留する単量体、開始剤、重合溶媒、生成不純物の量を考慮すると回収される重合体の5重量倍以下であることが好ましい。更に好ましくは3倍以下、より好ましくは2倍以下である。
上記リンス工程は2回以上行うことが好ましい。2回以上であればその回数は特に制限されない。リンス工程がない場合、重合溶媒が十分に除去されないために後の濃縮工程の負荷が増大したり、製品中に含まれる重合溶媒の量が増える等の問題が生じる。
リンスした樹脂(湿重合体) は沈殿操作で使用した溶媒等の低沸点不純物を含んでいる。このような低沸点不純物が保護膜中に存在すると性能が低下するため、これを除去する必要がある。低沸点不純物の除去方法として、例えば、前記湿重合体を乾燥する方法、前記湿重合体を保護膜形成溶媒に再溶解させたのち、蒸留で低沸点不純物を留去する方法などが挙げられる。しかし、低沸点不純物を除去するため湿重合体を乾燥する方法では、樹脂を一旦乾燥すると、乾燥により粒子同士の密着性が強くなるためか、保護膜形成溶媒に溶解する際、非常に溶解しにくくなる。また、乾燥の際に加える熱により樹脂中の官能基の一部が反応してしまうという問題がある。従って、溶解性の良い樹脂を得るには、前記湿重合体を少なくとも1種の保護膜形成溶媒を含む溶媒に再溶解させ、得られた再溶解液を濃縮して、前記湿重合体中に含まれる低沸点不純物を留去するのが好ましい。この方法によれば、樹脂の変性も抑制できる。
本発明のレジスト保護膜形成用重合体溶液は、通常、前記重合体を溶媒に溶解して調製する。用いられる溶媒としてはレジストを溶解しない溶媒が好ましい。この場合、用いられる溶媒としては特に限定されないが、レジストを溶解させる溶媒は好ましくない。例えば、レジスト溶媒として用いられるシクロヘキサノン、メチル− 2 − n − アミルケトン等のケトン類、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のエーテル類、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、乳酸エチル、ピルビン酸エチル、酢酸ブチル、3 − メトキシプロピオン酸メチル、3 − エトキシプロピオン酸エチル、酢酸tert− ブチル、プロピオン酸tert− ブチル、プロピレングリコールモノ− tert− ブチルエーテルアセテート、3 − メトキシブタノール、3 − メチル− 3 − メトキシブタノール、1 − メトキシ− 2 − プロパノール、1 − エトキシ− 2 − プロパノール等のエステル類などは好ましくない。
レジスト層を溶解しない溶媒としては、炭素数4 以上の高級アルコール、炭化水素、鎖状エーテル、含フッ素溶媒などが挙げられる。溶媒は単独で又は2種以上を混合して使用してもよい。また、極性の低い溶媒と極性の高い溶媒とを組み合わせて使用することもできる。
前記炭素数4以上のアルコールとして、例えば、1 − ブチルアルコール、2 − ブチルアルコール、イソブチルアルコール、tert−ブチルアルコール、1− ペンタノール、2 − ペンタノール、3 − ペンタノール、t e r t − アミルアルコール、ネオペンチルアルコール、2 − メチル− 1 − ブタノール、3 − メチル− 1 − ブタノール、3 − メチル− 3 − ペンタノール、シクロペンタノール、1 − ヘキサノール、2 − ヘキサノール、3 − ヘキサノール、2 , 3 − ジメチル− 2 − ブタノール、3 , 3 − ジメチル− 1 −ブタノール、3 , 3 − ジメチル− 2 − ブタノール、2 − ジエチル− 1 − ブタノール、2 −メチル− 1 − ペンタノール、2 − メチル− 2 − ペンタノール、2 − メチル− 3 − ペンタノール、3 − メチル− 1 − ペンタノール、3 − メチル− 2 − ペンタノール、3 − メチル− 3− ペンタノール、4 − メチル− 1 − ペンタノール、4 − メチル− 2 − ペンタノール、4 −メチル− 3 − ペンタノール、シクロヘキサノールなどが挙げられる。前記炭化水素として、例えば、ヘキサン、ヘプタン、オクタンなどの脂肪族炭化水素;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素;トルエン、キシレン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼンなどの芳香族炭化水素が挙げられる。前記鎖状エーテルとしては、例えば、アニソール、ジブチルエーテルなどが挙げられる。前記含フッ素溶媒としては、例えば、2 − フルオロアニソール、3 − フルオロアニソール、4 − フルオロアニソール、2 , 3 − ジフルオロアニソール、2 , 4 − ジフルオロアニソール、2 , 5 − ジフルオロアニソール、5 , 8 − ジフルオロ− 1 , 4 − ベンゾジオキサン、2 , 3 − ジフルオロベンジルアルコール、1 , 3 − ジフルオロ− 2 − プロパノール、2 ’ , 4 ’ − ジフルオロプロピオフェノン、2 , 4 − ジフルオロトルエン、トリフルオロアセトアルデヒドエチルヘミアセタール、トリフルオロアセトアミド、トリフルオロエタノール、2 , 2 , 2 − トリフルオロエチルブチレート、エチルヘプタフルオロブチレート、エチルヘプタフルオロブチルアセテート、エチルヘキサフルオログルタリルメチル、エチル− 3 − ヒドロキシ− 4 , 4 , 4 − トリフルオロブチレート、エチル− 2 −メチル− 4 , 4 , 4 − トリフルオロアセトアセテート、エチルペンタフルオロベンゾエート、エチルペンタフルオロプロピオネート、エチルペンタフルオロプロピニルアセテート、エチルパーフルオロオクタノエート、エチル− 4 , 4 , 4 − トリフルオロアセトアセテート、エチル− 4 , 4 , 4 − トリフルオロブチレート、エチル− 4 , 4 , 4 − トリフルオロクロトネート、エチルトリフルオロスルホネート、エチル− 3 − ( トリフルオロメチル) ブチレート、エチルトリフルオロピルベート、S − エチルトリフルオロアセテート、フルオロシクロヘキサン、2 , 2 , 3 , 3 , 4 , 4 , 4 − ヘプタフルオロ− 1 − ブタノール、1 , 1 , 1 , 2 , 2 , 3 , 3 − ヘプタフルオロ− 7 , 7 − ジメチル− 4 , 6 − オクタンジオン、1 , 1 , 1 , 3 , 5 , 5 , 5 − ヘプタフルオロペンタン− 2 , 4 − ジオン、3 ,3 , 4 , 4 , 5 , 5 , 5 − ヘプタフルオロ− 2 − ペンタノール、3 , 3 , 4 , 4 , 5 , 5, 5 − ヘプタフルオロ− 2 − ペンタノン、イソプロピル4 , 4 , 4 − トリフルオロアセトアセテート、メチルパーフルオロデナノエート、メチルパーフルオロ( 2 − メチル− 3 −オキサヘキサノエート) 、メチルパーフルオロノナノエート、メチルパーフルオロオクタノエート、メチル− 2 , 3 , 3 , 3 − テトラフルオロプロピオネート、メチルトリフルオロアセトアセテート、1 , 1 , 1 , 2 , 2 , 6 , 6 , 6 − オクタフルオロ− 2 , 4 − ヘキサンジオン、2 , 2 , 3 , 3 , 4 , 4 , 5 , 5 − オクタフルオロ− 1 − ペンタノール、1H , 1 H , 2 H , 2 H − パーフルオロ− 1 − デカノール、パーフルオロ( 2 , 5 − ジメチル− 3 , 6 − ジオキサンアニオニック) 酸メチルエステル、2 H − パーフルオロ− 5 − メチル− 3 , 6 − ジオキサノナン、1 H , 1 H , 2 H , 3 H , 3 H − パーフルオロノナン−1 , 2 − ジオール、1 H , 1 H , 9 H − パーフルオロ− 1 − ノナノール、1 H , 1 H − パーフルオロオクタノール、1 H , 1 H , 2 H , 2 H − パーフルオロオクタノール、2 H −パーフルオロ− 5 , 8 , 1 1 , 1 4 − テトラメチル− 3 , 6 , 9 , 1 2 , 1 5 − ペンタオキサオクタデカン、パーフルオロトリブチルアミン、パーフルオロトリヘキシルアミン、パーフルオロ− 2 , 5 , 8 − トリメチル− 3 , 6 , 9 − トリオキサドデカン酸メチルエステル、パーフルオロトリペンチルアミン、パーフルオロトリプロピルアミン、1 H , 1 H, 2 H , 3 H , 3 H − パーフルオロウンデカン− 1 , 2 − ジオール、トルフルオロブタノール1 , 1 , 1 − トリフルオロ− 5 − メチル− 2 , 4 − ヘキサンジオン、1 , 1 , 1 − トリフルオロ− 2 − プロパノール、3 , 3 , 3 − トリフルオロ− 1 − プロパノール、1 , 1, 1 − トリフルオロ− 2 − プロピルアセテート、パーフルオロブチルテトラヒドロフラン、パーフルオロ( ブチルテトラヒドロフラン) 、パーフルオロデカリン、パーフルオロ(1 , 2 − ジメチルシクロヘキサン) 、パーフルオロ( 1 , 3 − ジメチルシクロヘキサン)、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルトリフルオロメチルアセテート、トリフルオロメチル酢酸ブチル、3 − トリフルオロメトキシプロピオン酸メチル、パーフルオロシクロヘキサノン、プロピレングリコールトリフルオロメチルエーテル、トリフルオロ酢酸ブチル、1 , 1 , 1 − トリフルオロ− 5 , 5 − ジメチル− 2 , 4 − ヘキサンジオン、1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 − ヘキサフルオロ− 2 − プロパノール、1 , 1 , 1 , 3 , 3 , 3 − ヘキサフルオロ− 2 − メチル− 2− プロパノール、2 , 2 , 3 , 4 , 4 , 4 − ヘキサフルオロ− 1 − ブタノール、2 − トリフルオロメチル− 2 − プロパノール、2 , 2 , 3 , 3 − テトラフルオロ− 1 − プロパノール、3 , 3 , 3 − トリフルオロ− 1 − プロパノール、4 , 4 , 4 − トリフルオロ− 1 − ブタノールなどが挙げられる。
本発明のレジスト保護膜形成用重合体溶液における溶媒として特に好ましい溶媒には、炭素数4以上のアルコール(なかでも炭素数4〜6の脂肪族アルコール又は脂環式アルコール)、又は炭素数2以上の脂肪族又は脂環式アルコールの炭素原子に結合する水素原子の一部又は全部がフッ素原子で置換されたフッ素化アルコール(中でも、炭素数4〜10のフッ素化アルコール)が含まれる。
湿重合体を再溶解するのに用いる溶媒は、少なくとも1 種の保護膜形成溶媒を含んでいればよい。すなわち、例えば2 種の溶媒の混合溶媒を保護膜形成溶媒として用いる場合、1 種の溶媒を用いて湿重合体を再溶解してもよく、2 種の溶媒の混合溶媒を用いて湿重合体を再溶解してもよい。また、保護膜形成溶媒とその他の溶媒( 保護膜形成溶媒よりも沸点の低い溶媒) とを用いて湿重合体を再溶解してもよい。保護膜形成溶媒以外の溶媒を再溶解溶媒として用いる場合、保護膜形成溶媒以外の溶媒の量は、樹脂の溶解性等に応じて適宜選択できるが、濃縮時のエネルギーコストの点から、再溶解溶媒全体の2 0 重量% 以下が好ましく、さらに好ましくは1 0 重量% 以下、特に好ましくは5重量% 以下である。なお、2 種以上の混合溶媒を保護膜形成溶媒として用いる場合において、前記湿重合体の再溶解に用いなかった溶媒は、濃縮中又は濃縮後に添加することができる。
湿重合体を保護膜形成溶媒に溶解する際には、最終製品の固形分濃度よりも低い固形分濃度となるように溶解することが好ましい。最終製品よりも低い固形分濃度とした溶液を濃縮して、最終製品の固形分濃度よりも高くなるように濃縮することにより、湿重合体中に含まれる低沸点の不純物を除去することが可能である。湿重合体を保護膜形成溶媒に溶解する際の濃度は製品濃度は最終製品の固形分濃度より2%以上低い方が好ましい。更に好ましくは5%以上低い方が好ましい。
こうして得られた再溶解液の蒸留は、蒸留缶の加熱用ジャケット及び/ 又はチューブ(コイル状チューブなど) に1 4 0 ℃ 以下の熱媒又は蒸気を流通させて行うのが好ましい。蒸留塔としては、単蒸留塔、棚段塔、充填塔等の慣用の蒸留塔を使用できる。熱媒又は蒸気の温度( 熱媒と蒸気の両方を用いる場合には、好ましくは両方の温度) を1 4 0 ℃ 以下に設定することで重合体の熱による変性を顕著に抑制できる。熱媒又は蒸気の温度は、好ましくは1 3 0 ℃ 以下、さらに好ましくは1 2 0 ℃ 以下、特に好ましくは1 1 0 ℃ 以下である。該温度の下限は、例えば4 0 ℃ 、好ましくは50 ℃ 程度である。1 4 0 ℃ を超える温度の熱媒又は蒸気を加熱用ジャケットやチューブに流通させると、例え蒸留缶内の液温を低くしても、加熱用ジャケットやチューブの壁面で重合体が分解する。加熱用に用いる熱媒又は蒸気の温度が4 0 ℃ より低いと、減圧度をかなり低くする必要があり、蒸留される溶媒を冷却し凝縮させる冷却水の温度が低くなりすぎてコスト面で不利になりやすい。
蒸留の際には蒸留缶内を撹拌機で撹拌しながら蒸留するのが好ましい。撹拌をしながら蒸留することは、特に溶液の粘度が上昇したとき、つまり溶解している樹脂の濃度が上昇したときには効果が大きい。その理由としては、撹拌によりジャケットやコイルの表面での溶液の更新が順調に行われ、液の過熱が防止できるためと考えられる。撹拌の強度は特に限定はされないが、内部の溶液が撹拌混合できる程度であればよい。
蒸留の際の圧力は、再溶解溶媒の種類等に異なるが、一般には500 〜 1 t o r r ( 66 .5 〜 0 .133kPa ) 、好ましくは400 〜 2t o r r ( 53 .2 〜 0.266 kP a ) である。圧力が高いと蒸留温度が高くなり、樹脂の熱分解が懸念され、圧力が低すぎると、蒸発した溶媒の凝縮に要する冷媒の温度を低くする必要があり、経済的ではない。蒸留缶内の液温( 缶液温度) は、好ましくは100 ℃ 以下、さらに好ましくは80 ℃ 以下である。
蒸留においては、低沸点不純物を完全に除去するため、低沸点不純物とともに保護膜形成溶媒の一部( 保護膜形成溶媒以外の溶媒をも使用する場合は、該溶媒及び保護膜形成溶媒の一部) を留去する。蒸留における留出率[ ( 留出量/ 仕込量) × 1 0 0 ( 重量% ) ]は、湿重合体中の低沸点不純物の含有量、再溶解用溶媒の種類及び組成等に応じて適宜選択できるが、一般には3 0 〜 9 0 重量% 、好ましくは5 0 〜 8 7 重量% 程度である。
蒸留において最終的に濃縮された重合体溶液の重合体濃度は、例えば10〜70重量% 、好ましくは20〜60重量% 、特に好ましくは30〜50重量% 程度である。
蒸留により低沸点不純物を除去した後、必要に応じて残液に保護膜形成溶媒を足して、所望の濃度の重合体溶液を調製する。最終的な重合体溶液中の重合体濃度は、例えば5 〜 50 重量% 、好ましくは10〜30 重量% である。
得られたレジスト保護膜形成重合体溶液中に含まれる重合溶媒の割合は固形分に対して、1重量%以下であることが好ましい。更に好ましくは0.5重量%以下である。1重量%をこえるとスピンコートの際にレジスト膜を侵してしまう。
本発明のレジスト保護膜形成用重合体溶液には、必要に応じて適宜な添加剤が含まれていてもよい。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、重合体溶液の固形分濃度は、重合体溶液1g を蒸発皿に採取して、160 ℃ で乾燥し、その重量残分より求めた。なお、重合体溶液の固形分濃度を単に重合体濃度と称して重合体(固形分)含有量を示す事もある。
重合体の重量平均分子量( M w ) 及び分子量分布( M w / M n ) は、検出器として屈折率計( R I ) を用い、溶離液としてテトラヒドロフラン( T H F ) を用いたG P C 測定により、標準ポリスチレン換算で求めた。G P C 測定は昭和電工( 株) 製カラム「S h o d e x K F - 8 0 6 L」( 商品名) を3 本直列につないだものを使用し、試料濃度0 . 5% 、サンプル注入量3 5 μ l 、カラム温度4 0 ℃ 、R I 温度4 0 ℃ 、溶離液の流速0 . 8m l / 分、分析時間6 0 分の条件で行った。G P C 測定装置として、( 株) 島津製作所製の「GPCLC - 10A 」を用いた。
残留溶媒は、検出器としてFIDを用い、キャリアガスとしてヘリウムを用いたGC測定により求めた。測定は、内部標準物質を加えた試料濃度10wt%の溶液を用いて、サンプル注入量1μL、インジェクション温度250℃、検出器温度250℃の条件で行なった。溶媒重量とピーク面積の比を基に検量線を作成し、試料中に含まれる残留溶媒量を定量した。GC測定装置として島津製作所製GC−17Aを用いた。
実施例1
ガラス製撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素導入管を備えたガラス製セパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート( P G M E A、沸点146℃) を 365.5g 導入し、80 ℃ に昇温した。一方、メタクリル酸(MAA、MW=86.09)30g (0.348モル)、1H,1H,5H−オクタフルオロペンチルメタクリレート(OFPMA、MW=300.15)120g(0.400モル)、 ジメチル− 2 , 2 ´ − アゾビス( 2 − メチルプロピオネート) ( 開始剤; 和光純薬工業製、商品名「V−601」)12gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)484.5g に溶解して単量体溶液を調製した。単量体溶液を5 時間かけてフラスコ内に滴下した。その間、フラスコ内の温度を80 ℃ にコントロールした。滴下終了後、同温度で2 時間熟成した。得られた反応溶液(重合体溶液) を冷却後、再沈溶媒である8000gのヘキサンに撹拌しながら滴下し、滴下終了後、さらに30分撹拌した。析出した沈殿を遠心分離機により遠心分離した。得られた湿重合体を取り出すことなく、湿重合体の上からリンス溶媒である1000gのヘキサン(沸点 69℃)を加えて、遠心分離を行なう操作を2回繰り返した。湿重合体に含まれる溶媒の量は重合体の1.45重量倍であった。取り出された湿重合体を保護膜形成溶媒である900 g の1−ペンタノール(1−PEN、沸点138℃)に撹拌して溶解した。得られた溶液を、湯浴と0℃の冷媒が流れる還流管を有するエバポレーターに仕込み、エバポレーターを回転させながら60℃の湯浴で過熱しながら、減圧下で濃縮を行った。液量がおよそ400mlになった時点で濃縮を停止した。濃縮された重合体濃度を測定したところ40重量% であった。1−ペンタノールを添加して、重合体濃度20 重量% の1−ペンタノール溶液を調製した。
また、調製後の溶液をサンプリングし、GPC分析したところ、重量平均分子量(M w ) は10240 、分子量分布(Mw/Mn) は2.05 であった。また、重合溶媒であるPGMEAの固形分に対する含有量は0.40重量%であった。なお、ヘキサンは検出されなかった。
実施例2
実施例1において重合溶媒をPGMEAからシクロヘキサノン(CHO、沸点156℃)に変更した他は実施例1と同様の方法でシクロヘキサノン溶液を調製した。保護膜形成溶媒に溶解する前の湿重合体に含まれる溶媒の量は重合体の1.51重量倍であった。また、調製後の溶液をサンプリングし、GPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は9950、分子量分布(Mw/Mn)は1.98であった。また、重合溶媒であるCHOの固形分に対する含有量は0.47重量%であった。なお、ヘキサンは検出されなかった。
実施例3
実施例1において保護膜形成溶媒を1−ペンタノールから1−ブタノール(沸点117℃)に変更した他は実施例1と同様の方法で1−ブタノール溶液を調製した。保護膜形成溶媒に溶解する前の湿重合体に含まれる溶媒の量は重合体の1.38重量倍であった。また、調製後の溶液をサンプリングし、GPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、10430、分子量分布(Mw/Mn)は 2.00であった。また、重合溶媒であるPGMEAの固形分に対する含有量は0.49重量%であった。なお、ヘキサンは検出されなかった。
実施例4
実施例1において再沈及びリンス溶媒をヘキサンからヘプタン(沸点98℃)に変更した他は実施例1と同様の方法で1−ペンタノール溶液を調製した。保護膜形成溶媒に溶解する前の湿重合体に含まれる溶媒の量は重合体の1.39重量倍であった。また、調製後の溶液をサンプリングし、GPC分析したところ、重量平均分子量(Mw)は、10250、分子量分布(Mw/Mn)は2.05であった。また、重合溶媒であるPGMEAの固形分に対する含有量は0.39重量%であった。なお、ヘプタンは検出されなかった。
比較例1
実施例1において遠心分離により得られた湿重合体に1000gのヘキサンを加えることなく取り出して、1−ペンタノールを添加し、撹拌して溶解した他は実施例1と同様の方法で1−ペンタノール溶液を調製した。保護膜形成溶媒に溶解する前の湿重合体に含まれる溶媒の量は重合体の1.42重量倍であった。また、調製後の溶液をサンプリングし、GPC分析したところ、重合平均分子量(Mw)は10270、分子量分布(Mw/Mn)は2.02であった。また、重合溶媒であるPGMEAの固形分に対する含有量は6.80重量%であった。なお、ヘキサンは検出されなかった。
比較例2
実施例2において遠心分離により得られた湿重合体に1000gのヘキサンを加えることなく取り出して、1−ペンタノールを添加し、撹拌して溶解した他は実施例1と同様の方法で1−ペンタノール溶液を調製した。保護膜形成溶媒に溶解する前の湿重合体に含まれる溶媒の量は重合体の1.31重量倍であった。また、調製後の溶液をサンプリングし、GPC分析したところ、重合平均分子量(Mw)は9930、分子量分布(Mw/Mn)は2.01であった。また、重合溶媒であるシクロヘキサンノン(CHO)の固形分に対する含有量は9.38重量%であった。なお、ヘキサンは検出されなかった。
比較例3
実施例3において遠心分離により得られた湿重合体に1000gのヘキサンを加えることなく取り出して、1−ブタノールを添加し、撹拌して溶解した他は実施例1と同様の方法で1−ブタノール溶液を調製した。保護膜形成溶媒に溶解する前の湿重合体に含まれる溶媒の量は重合体の1.46重量倍であった。また、調製後の溶液をサンプリングし、GPC分析したところ、重合平均分子量(Mw)は10410、分子量分布(Mw/Mn)は2.00であった。また、重合溶媒であるPGMEAの固形分に対する含有量は12.70重量%であった。なお、ヘキサンは検出されなかった。
比較例4
実施例4において遠心分離により得られた湿重合体に1000gのヘプタンを加えることなく取り出して、1−ペンタノールを添加し、撹拌して溶解した他は実施例1と同様の方法で1−ペンタノール溶液を調製した。保護膜形成溶媒に溶解する前の湿重合体に含まれる溶媒の量は重合体の1.40重量倍であった。また、調製後の溶液をサンプリングし、GPC分析したところ、重合平均分子量(Mw)は10210、分子量分布(Mw/Mn)は2.06であった。また、重合溶媒であるPGMEAの固形分に対する含有量は6.67重量%であった。なお、ヘプタンは検出されなかった。
なお、実施例及び比較例の結果は表1及び表2に示した。
Figure 0005075516






Figure 0005075516

Claims (5)

  1. (1)予め加温された重合溶媒中に、重合溶媒に溶解された単量体及び開始剤を滴下し、滴下終了後、加熱下において熟成させて重合する工程、
    (2)重合溶液を重合体の貧溶媒と接触させて、重合体を析出させる工程、
    (3)析出した重合体を遠心濾過減圧濾過及び加圧濾過からなる群より選択される少なくとも1つの方法で固液分離する工程、
    (4)得られた固体状の重合体をリンスする工程、
    (5)得られた固体状の重合体を塗膜形成溶媒に溶解後、濃縮する工程、
    前記工程を含むレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法において、固体状の重合体をリンスする溶媒が重合体に対して貧溶媒であり、塗膜形成溶媒よりも沸点が低いことを特徴とするレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法。
  2. 前記レジスト保護膜用重合体溶液の製造方法において、リンスを2回以上することを特徴とする請求項1記載のレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法。
  3. 塗膜形成溶媒がフッ素系溶媒、アルコール系溶媒、またはそれらを含む混合溶媒であることを特徴とする請求項1記載のレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法。
  4. 得られるレジスト保護膜用重合体溶液において、重合する工程で使用される重合溶媒の含有量がレジスト保護膜用重合体溶液に含まれる固形分に対して1重量%以下であることを特徴とする請求項1記載のレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法。
  5. 重合体がフッ素を有する繰り返し単位と、アルカリに溶解する親水性基としてスルホ基、カルボキシル基、少なくともα位の炭素原子にフルオロアルキル基を有するアルコール性水酸基のいずれかを有する繰り返し単位とを共重合した重合体であることを特徴とする請求項1記載のレジスト保護膜用重合体溶液の製造方法。
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