JP5075506B2 - 発泡成形品の製造方法 - Google Patents
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Description
当工法は、特別な設備も必要なく容易に実施可能であるが、工法の特徴上、発泡ガスの圧力によりキャビティ内を完全に充填させるため、空隙の充填率としては限界があり、平均発泡倍率が低く、製品の軽量化率としては満足できるものではない。また、発泡体内部(ゲート近傍部と充填末端部)での発泡セル径及びセル密度が不均一となり、製品の要求品質を満足させるまでに至っていない。
また、発泡成形には、熱分解により不活性ガスを発生するような有機系または無機系化学発泡剤を用いることが知られている。しかし、化学発泡剤の分解反応の際、副生成物が発生し、長時間連続して成形していると、金型表面に副生成物が付着堆積してしまういわゆる金型汚染の問題があった。その結果、堆積部分の転写不良が起こり、成形品の外観を損なう不具合となってしまう。それを防ぐためには、定期的な金型清掃が必要となり、生産性を著しく損なってしまう問題もある。
さらに、発泡倍率の向上及び金型汚染の防止のための工法として、超臨界状態の物理発泡剤を用いる方法も知られている。この技術は、マイクロセルラー発泡技術として知られている(例えば、特許文献2、3参照。)。しかし、このような超臨界状態の物理発泡剤を使用した射出発泡成形においては、導入する超臨界状態の物理発泡剤の量に拘わらず、微細セルができない、前述工法の成形品と同様に、発泡セル径及びセル密度が不均一、等の問題があり、製品の要求品質を十分満足させるまでに至っていない。また、成形加工上の制約が多く、さらに大規模な高圧設備が必要等の問題もあった。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、簡便で容易に、かつ効率的に実施でき、外観に優れた高発泡倍率の発泡成形品を製造する方法を提供することにある。
さらに、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記発泡性熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、熱膨張性マイクロカプセル0.5〜20重量部含むことを特徴とする発泡成形品の製造方法が提供される。
さらに、本発明の第5の発明によれば、第1〜4のいずれかの発明において、射出充填完了後、金型を所定量開いて、キャビティ容積を増大させることを特徴とする発泡成形品の製造方法が提供される。
本発明の発泡成形品の製造方法は、開閉可能なキャビティ型とコア型からなる金型を閉じて形成されるキャビティに、溶融状態又は半溶融状態の発泡性熱可塑性樹脂組成物を射出充填し、キャビティ内で発泡性樹脂組成物の発泡と冷却固化を行う発泡成形品の製造方法であって、前記発泡性熱可塑性樹脂組成物が熱可塑性樹脂と熱膨張性マイクロカプセルを含み、前記発泡性熱可塑性樹脂組成物を射出充填する際、キャビティ内圧を負圧とすることを特徴とするものである。
本発明の発泡成形品の製造方法は、溶融状態又は半溶融状態の樹脂を、金型のキャビティ内に射出充填しうる射出ユニットと、相対的に開閉可能なキャビティ型とコア型を有する金型ユニットとを有する射出成形機を用いて行うことができる。
本発明では、金型を閉じて形成されるキャビティに、発泡性樹脂を射出充填した後、適度な時間をおき、発泡と成形品の冷却固化を行う。その後、金型を開いて発泡成形品を取り出す。金型の開閉は、キャビティ型とコア型のどちらを移動させて行ってもよく、両方を移動させることもできるが、キャビティ型を移動させて行うことが好ましい。
発泡方法としては、金型を閉じて形成されるキャビティに、そのキャビティの容積に満たない量の発泡性溶融樹脂を射出し、その発泡性溶融樹脂の発泡圧力により、金型内の空隙を満たすショートショット成形法、また金型を所定量開いてキャビティ容積を増大させる型開発泡成形法、更に、樹脂の容積収縮分を発泡により膨脹させる発泡成形法等が挙げられる。可能な限りこれらを組み合わせた方法であってもよい。例えば、キャビティの容積に満たない量の発泡性溶融樹脂を射出し、その発泡性溶融樹脂の発泡圧力により、金型内の空隙を満たされた後、金型を所定量開いてキャビティ容積を増大させ、さらに発泡させる方法等を例示することができる。
射出充填時のキャビティ内の圧力を負圧にする方法としては、キャビティ内を負圧にしてから樹脂を射出充填する方法、樹脂を射出充填しながら負圧にする方法、樹脂を射出充填完了時に負圧にする方法が挙げられる。後者二つの方法においては、予めキャビティ内を十分に負圧にしうる負圧状態のバッファタンクを、弁を介してキャビティに接続しておき、所定のタイミングで弁を開け、キャビティ内を急速に負圧にするなどして、成形品の冷却固化の進行に応じて、効果的に発泡が起こるように、負圧達成手段を選ぶことが好ましい。
ここで、射出充填時とは、射出開始時から射出完了時までをいう。
また、最小圧力とは、射出開始時から射出完了時における時間(秒)−圧力(hpa)プロファイルを計測し、Σ(P−Pi)2が最小値となる圧力(P)をいう。計測数には制限はないが、射出開始時、射出完了時及び前記2点を除く射出充填時の任意の1点を含む3点以上が好ましい。
負圧の定義としては、本発明内容を実施する成形機周辺の大気圧未満〜大気圧0(真空)までのことをいう。
射出成形用金型1は、開閉可能なコア型2とキャビティ型3とから構成され、キャビティ4内に加熱シリンダー11で加熱された溶融樹脂が、溶融樹脂注入口10から注入される。金型1には、キャビティ4を減圧できるように、キャビティ型及びコア型に設けた真空経路7及び8を介して真空装置に接続されている。キャビティ4内を減圧する手段は、特に限定されず、キャビティ型、コア型の一方もしくは両方に減圧装置を組み込んでもよく、キャビティ型、コア型の一方もしくは両方またはキャビティ型とコア型のパーティング面に設けた真空経路を介して、真空装置と接続されていてもよい。
真空経路7及び8のキャビティ近傍は、微細な連通した空隙を有する多孔質体9で形成されていることが好ましい。多孔質体9を使用することにより、冷却固化前の樹脂が真空経路に流出するのを防ぐことができる。多孔質体としては、アルミ多孔質体、ステンレス系の金属粉末多孔質体等が挙げられる。多孔質体は、新東工業製ポーセラミックなどとして、入手可能である。
発泡方法としては、金型を閉じて形成されるキャビティに、そのキャビティの容積に満たない量の発泡性溶融樹脂を射出し、その発泡性溶融樹脂の発泡圧力により金型内の空隙を満たすショートショット成形法、またショートショット成形後、金型を所定量開いて、キャビティ容積を増大させる型開発泡成形法、更に、樹脂の容積収縮分を発泡により膨脹させる発泡成形法等が挙げられる。
この場合、特に射出時間と保圧時間を短縮することが可能となり、成形サイクルが短縮される。射出圧力を40〜120MPaとすることにより、成形機の規模などで特に制限を受けることなく、所望の成形機を使用できる。射出時間を2〜15secとすることにより、金型の大きさなどで特に制限を受けることがなくなる成形可能となる。更に、保持圧力を0〜12MPaとすることにより、成形機の規模やゲートの数などで特に制限を受けることがなくなる。更にまた、保持時間を0〜30secとすることにより、保持時間による成形体(ポリプロピレン樹脂組成物)の外観に及ぼす影響が好適化される。また、樹脂温度を180〜250℃とすることにより、生産効率を上げることが可能となる。一方、樹脂温度が180℃未満であるとポリプロピレン樹脂の不溶不具合が発生することがあり、また、250℃を超えると、生産効率低下・ガス焼け・製品ヒケ等が発生し、適当でない。
本発明に係る発泡性熱可塑性樹脂組成物において、使用可能な樹脂としては、熱可塑性樹脂であれば、特に制限はされない。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル−1−ペンテン等のポリオレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレン・2,6−ナフタレート等のポリエステル樹脂、ナイロン−6、ナイロン−66、ナイロン−11、ナイロン−12等のポリアミド樹脂、ポリオキシメチレン等のポリエーテル樹脂、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・アクリル酸エステル共重合体、エチレン・メタクリル酸エステル共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸エステル共重合体樹脂、エチレン・アクリル酸共重合体等のエチレン・不飽和カルボン酸共重合体樹脂、およびそれらの金属イオン架橋物(アイオノマー樹脂)、ポリスチレン、ABS樹脂等を挙げることができる。
特に適した熱可塑性樹脂は、ポリプロピレンであって、それはプロピレンの単独重合体であっても、プロピレンとそれ以外のα−オレフィンとの共重合体であってもよい。α−オレフィンとしては、エチレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数2〜20のオレフィンを使用することができ、特にエチレンが好ましい。コモノマーとしてのα−オレフィン含量は、10モル%以下、好ましくは5モル%以下が望ましい。共重合体の場合には、プロピレンとα−オレフィンとのランダム共重合体であってもよいし、ブロック共重合体であってもよい。
また、ASTM D−1238に準拠し230℃、2.16kg荷重下で測定されるメルトフローレート(MFR)は、0.5〜200g/10分が好ましく、より好ましくは2〜50g/10分である。
なお、分子量分布が広く、また立体規則性の高いポリプロピレンを用いると、一層剛性の高い射出成形品を得ることができる。
なお、本明細書において、最大発泡温度は、熱膨張性マイクロカプセルを常温から加熱しながらその径を測定したときに、熱膨張性マイクロカプセルの径が最大となったとき(最大変位量)における温度を意味する。
また、射出成形に、上記熱膨張性マイクロカプセルを使用する場合、上記熱膨張性マイクロカプセルをポリエチレンなどのベースレジンなどとマスターバッチ化したペレットを用いることもできる。
このような熱膨張性マイクロカプセルペレットとして、積水化学工業株式会社製の「Advancell」(登録商標)耐熱グレード開発品番「EMS−023MB」や「EMS−024MB」などが挙げられる。
無機充填剤としては、タルク、シリカ、マイカ、炭酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、硫酸バリウム、水酸化マグネシウム、ワラスナイト、珪酸カルシウム繊維、炭素繊維、マグネシウムオキシサルフェート繊維、チタン酸カリウム繊維、酸化チタン、亜硫酸カルシウム、ホワイトカーボン、クレー、硫酸カルシウムを例示することができる。
具体的なオレフィン系エラストマーの例として、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・1−ブテン共重合体、エチレン・1−ヘキセン共重合体、エチレン・1−オクテン共重合体、エチレン・1−デセン共重合体、プロピレン・1−ブテン共重合体、プロピレン・1−ブテン・エチレン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体を挙げることができる。これらのエラストマーは、1種類を単独で使用することもできるし、2種類以上を組み合わせて使用することもできる。なお、エラストマーの量は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、1〜30重量部が好ましい。
本発明の発泡成形品の製造方法によれば、高剛性であり、美麗で表面外観に優れる発泡成形品を得ることができる。かかる成形品の用途は、インスツルメントパネル、ドアトリム等の自動車内装部品、バンパ、バックドア等の自動車外装部品、化粧台、洗面台、トイレタリー製品等のアメニティ部材をはじめとする工業部品等に好適に使用することができる。
以下に実施例及び比較例で用いられた評価内容について記す。
ショートショット法では、充填率を変化させ、成形品の形状がキャビティ形状を再現できる最小の充填率の際に得られる成形品の発泡倍率とした。
また、型開法においては、型開量を変化させ、成形品の形状がキャビティ形状を再現できる最大の型開量の際に得られる成形品の発泡倍率とした。
さらに、ショートショット法と型開法の組合せでは、充填率をショートショット法のみで求められる成形品の形状がキャビティ形状を再現できる最小の充填率に固定し、型開量を変化させ、成形品の形状がキャビティ形状を再現できる最大の型開量の際に得られる成形品の発泡倍率とした。
発泡成形品のゲート部と充填末端部から切り取って得られた試験片のそれぞれの比重(dG、dM)を測定し、その平均値(dG−M)と発泡成形品用材料の比重(d1)との比を求め、(d1/dG−M)=発泡倍率とした。
○;鏡面光沢有り、スワールマーク極少
△;表面曇り、スワールマーク少
×;光沢無し、スワールマーク多
○;金型光沢維持、付着物無し
×;光沢無し、付着物有
ポリプロピレン樹脂(日本ポリプロ製ホモポリプロピレンMA06、以下PP(A)という。)100重量部と熱膨張性マイクロカプセルペレット(積水化学製の「Advancell EMS−023MB」、体積平均粒子径:26μm、Tmax:210℃)(ベースレジン/熱膨張性マイクロカプセルの質量比=1/1)2.5重量部をドライブレンドし、ポリプロピレン樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、バッファタンク、開閉バルブを介して真空ポンプを接続した金型がセットされた射出成形機に供給した。なお、金型には、一方の短辺にフィルムゲートが設けられており、溶融樹脂の流動末端に相当する他方の短辺近傍に真空経路が設けられている。金型を閉じ、キャビティ内を400hpaに減圧した後、キャビティ容量の87%の量に相当する量(104cm3)の樹脂組成物を、樹脂温度:210℃、樹脂圧力:80MPa、射出時間:2秒で射出成形を行った。射出開始から2秒後(射出終了時)に、開閉バルブを閉じ、真空経路を遮断した。冷却時間は30秒とした。300×100×4mmの平板を得た。なお、キャビティ内の圧力は、バッファタンクに設置された圧力計で計測した。射出開始から2秒後の圧力は400hpa、最少圧力は400hpaであった。
得られた平板状の成形品は、充填不足はなく、キャビティ形状を再現していた。成形品の発泡倍率を測定し、成形品外観、金型付着物および成形サイクル評価を行った。得られた結果を表1に示す。
別途、キャビティ容量の86%の量に相当する量の樹脂を射出充填した場合には、発泡倍率は1.16倍であったが、充填不足が認められた。
ポリプロピレン樹脂(PP(A):日本ポリプロ製ホモポリプロピレンMA06)100重量部と熱膨張性マイクロカプセルペレット(積水化学製の「Advancell EMS−023MB」、体積平均粒子径:26μm、Tmax:210℃)2.0重量部をドライブレンドし、ポリプロピレン樹脂組成物を調製した。
金型を閉じ、キャビティ内を100hpaに減圧した後、キャビティ容量の91%の量に相当する量の樹脂組成物を射出したこと以外は実施例1と同様に射出成形を行った。なお、射出開始から2秒後の圧力は100hpa、最少圧力は100hpaであった。キャビティ内の圧力は、バッファタンクに設置された圧力計で計測した。
得られた平板状の成形品は、充填不足はなく、キャビティ形状を再現していた。成形品の発泡倍率を測定し、成形品外観、金型付着物および成形サイクル評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例1と同様に、ポリプロピレン樹脂組成物を調製した。
得られた樹脂組成物を、バッファタンク、開閉バルブを介して真空ポンプを接続した金型がセットされた射出成形機に供給した。なお、金型には、一方の短辺にフィルムゲートが設けられており、溶融樹脂の流動末端に相当する他方の短辺近傍に真空経路が設けられている。金型を閉じ、キャビティ内を400hpaに減圧した後、キャビティ容量の87%の量に相当する量(104cm3)の樹脂組成物を、樹脂温度:210℃、樹脂圧力:80MPa、射出時間:2秒で射出成形を行った。射出開始から2秒後(射出終了時)に、開閉バルブを閉じ、真空経路を遮断した。その後キャビティ型を3mm後退させ、発泡を促進して厚さ7mmの成形品を得た。冷却時間は30秒とした。なお、キャビティ内の圧力は、バッファタンクに設置された圧力計で計測した。射出開始から2秒後の圧力は400hpa、最少圧力は400hpaであった。
得られた平板状の成形品は、充填不足はなく、キャビティ形状を再現していた。成形品の発泡倍率を測定し、成形品外観、金型付着物および成形サイクル評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例3において、「Advancell EMS−023MB」を「Advancell EMS−024MB」(ベースレジン/熱膨張性マイクロカプセルの質量比=1/1)(体積平均粒子径:27μm、Tmax:220℃)に変更した以外は、実施例3と同様に実施した。
得られた平板状の成形品は、充填不足はなく、キャビティ形状を再現していた。成形品の発泡倍率を測定し、成形品外観、金型付着物および成形サイクル評価を行った。得られた結果を表1に示す。
ABS樹脂(テクノポリマー社製130)100重量部と熱膨張性マイクロカプセルペレット(積水化学製の「Advancell EMS−023MB」、体積平均粒子径:26μm、Tmax:210℃)2.5重量部をドライブレンドし、樹脂組成物を調製した。
金型を閉じ、キャビティ内を300hpaに減圧した後、キャビティ容量の88%の量に相当する量の樹脂組成物を射出したこと以外は、実施例1と同様に射出成形を行った。なお、射出開始から2秒後の圧力は300hpa、最少圧力は300hpaであった。なお、キャビティ内の圧力は、バッファタンクに設置された圧力計で計測した。
得られた平板状の成形品は、充填不足はなく、キャビティ形状を再現していた。成形品の発泡倍率を測定し、成形品外観、金型付着物および成形サイクル評価を行った。得られた結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP(A):日本ポリプロ製ホモポリプロピレンMA06)100重量部と化学発泡剤(日東化工(株)製の「ファインブロー S20N」)2.5重量部をドライブレンドし、ポリプロピレン樹脂組成物を調製した。
金型を閉じ、キャビティ内を600hpaに減圧した後、キャビティ容量の98%の量に相当する量の樹脂組成物を射出したこと以外は実施例1と同様に射出成形を行った。なお、射出開始から2秒後の圧力は600hpa、最少圧力は600hpaであった。なお、キャビティ内の圧力は、バッファタンクに設置された圧力計で計測した。
得られた平板状の成形品は、充填不足はなく、キャビティ形状を再現していた。成形品の発泡倍率を測定し、成形品外観、金型付着物および成形サイクル評価を行った。得られた結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP(A):日本ポリプロ製ホモポリプロピレンMA06)100重量部と化学発泡剤(日東化工(株)製の「ファインブロー S20N」)2.5重量部をドライブレンドし、ポリプロピレン樹脂組成物を調製した。
金型を閉じ、キャビティ内を100hpaに減圧した後、キャビティ容量の100%の量に相当する量の樹脂組成物を射出したこと以外は、実施例1と同様に射出成形を行った。なお、射出開始から2秒後の圧力は100hpa、最少圧力は100hpaであった。なお、キャビティ内の圧力は、バッファタンクに設置された圧力計で計測した。
得られた平板状の成形品は、充填不足はなく、キャビティ形状を再現していた。成形品の発泡倍率を測定し、成形品外観、金型付着物および成形サイクル評価を行った。得られた結果を表1に示す。
実施例1と同様に、ポリプロピレン樹脂組成物を調製した。
金型を閉じ、キャビティ内を減圧することなく、キャビティ容量の98%の量に相当する量の樹脂組成物を射出したこと以外は、実施例1と同様に射出成形を行った。
得られた平板状の成形品は、充填不足はなく、キャビティ形状を再現していた。成形品の発泡倍率を測定した。得られた結果を表1に示す。
ポリプロピレン樹脂(PP(A):日本ポリプロ製ホモポリプロピレンMA06)100重量部と化学発泡剤(日東化工(株)製の「ファインブロー S20N」)2.5重量部をドライブレンドし、ポリプロピレン樹脂組成物を調製した。
金型を閉じ、キャビティ内を減圧することなく、キャビティ容量の100%の量に相当する量の樹脂組成物を射出したこと以外は、実施例1と同様に射出成形を行った。その後、キャビティ型を3mm後退させ発泡を促進して厚さ7mmの成形品を得た。
得られた平板状の成形品は、充填不足はなく、キャビティ形状を再現していた。成形品の発泡倍率を測定し、成形品外観、金型付着物および成形サイクル評価を行った。得られた結果を表1に示す。
2 コア型
3 キャビティ型
4 キャビティ
5 パーティング面
6 シール部材
7 真空経路
8 真空経路
9 多孔質体
10 樹脂注入口
11 加熱シリンダー
Claims (5)
- 開閉可能なキャビティ型とコア型からなる金型を閉じて形成されるキャビティに、溶融状態又は半溶融状態の発泡性熱可塑性樹脂組成物を射出充填し、キャビティ内で発泡性樹脂組成物の発泡と冷却固化を行う発泡成形品の製造方法であって、
前記発泡性熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂と熱膨張性マイクロカプセルを含み、前記発泡性熱可塑性樹脂組成物を射出充填する際、射出充填開始時のキャビティ内の圧力が150〜700hPaであり、かつ射出充填完了時のキャビティ内の圧力が150〜700hPaであることを特徴とする発泡成形品の製造方法。 - 前記熱可塑性樹脂がオレフィン系熱可塑性樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の発泡成形品の製造方法。
- 前記発泡性熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂100重量部に対して、熱膨張性マイクロカプセル0.5〜20重量部含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の発泡成形品の製造方法。
- 前記熱膨張性マイクロカプセルは、体積平均粒子径が5〜50μm、最大発泡温度(Tmax)が180℃以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の発泡成形品の製造方法。
- 射出充填完了後、金型を所定量開いて、キャビティ容積を増大させることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の発泡成形品の製造方法。
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