JP5070903B2 - 水溶性光開始剤、及びそれを用いた光重合/架橋性組成物 - Google Patents

水溶性光開始剤、及びそれを用いた光重合/架橋性組成物 Download PDF

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本発明は新規な水溶性光開始剤、及びそれを用いた光重合/架橋性組成物に関するものである。
光硬化反応を利用するUV硬化システムは、溶媒を使用しないクリーンな硬化方法として、また極めて短時間に硬化反応が終了するために高速な硬化方法として注目を浴びている。そのために、高精細を要求されるレジストの製造、高速化を要求される印刷などにUVインクとしていろんな分野に使われている。また、最近ではインクジェットの分野でも、高速で乾燥不要な印刷方法として普及してきた。
また、UV光源も従来の高圧水銀灯、低圧水銀灯の他に光の波長365nmの発光ダイオード(LED)が実用されつつあり、大きな発展を遂げようとしている。
UV印刷インク、インクジェットインクでは、高速化、乾燥なしを特徴と生かすために溶媒を使用せず、光重合/架橋性のモノマー/オリゴマー/ポリマーと光開始剤を基本材料とする硬化システムが実用化されている。しかしながら、近年の環境意識の高まりとともに、水を溶媒に用いて感作性などが懸念される光重合/架橋性のモノマー/オリゴマーの使用量を減らした水性の光硬化システムの必要性が高まっており、さまざまな提案がされている。しかしながら、ほとんどの光開始剤は油溶性のもので、水溶性が不足し、十分な感度が得られていない。
それを克服するために、水溶性の光開始剤もいろいろ提案されている。特開平6−228218号公報にはヒドロキシエトキシ基を2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オンまたはベンゾフェノンに導入した開始剤、特開2003−192712号公報にはポリアルキレンオキシド基をα位に置換したアルキルフェノン誘導体、特開2001−525887号公報にはハロメチル−1,3,5−トリアジン陰イオンの光重合開始剤、特開2000−273110号公報にはシクロアルカノール構造を有する水溶性光開始剤、特開2000−186242号公報には2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オンのエチレンオキシド付加物が開示されている。
しかしながら、高圧水銀灯のメイン発光であり、LEDの発光波長でもあるλ365nmの光吸収が少ないために、いずれの光源を用いても硬化が不十分になってしまう。λ365nmの光吸収が高く水溶性の高い開始剤として、特開2005−307199号公報にアシル水溶性ホスフィン化合物が記載されているが、アシル水溶性ホスフィン化合物はλ420nmまで光吸収があるために蛍光灯下でも硬化してしまい、光重合/架橋性組成物として取り扱いが難しく、更にエームズ試験で陽性など安全性で懸念があるため、広く用いることが出来なかった。
本発明者はλ365nm光感度の高く、可視光まで光吸収が伸びていない水溶性光開始剤として探索した結果、特公昭56−095904号公報に記載されたベンジルケタール化合物に着目した。この化合物はλ365nmの光吸収も高く、更にλ400nm以上に吸収を持たず、蛍光灯下での作業性も良く、安全性も問題が少ない。
しかしながら、既存化合物を調査すると水酸基を置換した例として、特開2004−515612号公報の実施例に記載されているものの、水にはわずかしか溶解せず、感度を得ることが出来なかった(例えば、特許文献1参照)。また、他の既存化合物を調べたが、特開平5−310635号公報にアクリル基を導入した化合物が記載されているなど全て油溶性のもののみで、水溶性の光開始剤として用いることが出来ないものばかりであった。
特表2004−515612号公報
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、水性の光重合/架橋性物を与える新規な水溶性光開始剤を提供することにあり、また該水溶性光開始剤を用いて光波長365nmでの硬化感度の高く、室内蛍光灯下での保存性がよく、安全な光重合/架橋性組成物を提供することである。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
1.下記一般式(1)に下記−X−Y基を有することを特徴とする水溶性光開始剤。
Figure 0005070903
(式中、両ベンゼン環の少なくとも1つに−X−Y基を少なくとも1つ有し、両ベンゼン環には更にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基を有してもよい。−X−Y基において、XはOまたはSを表し、Yはアルキレン−Z(Zはカルボン酸塩またはスルホン酸塩)、(アルキレン−O)n−スルホン酸塩を表す。R1、R2は置換または未置換のアルキル基を表す。)
2.前記一般式(1)に前記−X−Y基を有する水溶性光開始剤が下記一般式(A)、(B)、(C)から選ばれることを特徴とする前記1に記載の水溶性光開始剤。
Figure 0005070903
(式中、−X−Y基、R1、R2は一般式(1)のそれらと同義であり、両ベンゼン環には更にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基を有してもよい。)
3.前記Xが酸素原子であることを特徴とする前記1または2に記載の水溶性光開始剤。
4.少なくとも、水、エチレン性不飽和基を有する化合物と前記1〜3のいずれか1項に記載の水溶性開始剤を含有することを特徴とする光重合/架橋性組成物。
本発明の新規な水溶性光開始剤を用いた水性の光重合/架橋性組成物は、水溶性が高く、水比率の高い水系UV組成物でも高感度で硬化することができるとともに、蛍光灯下での重合/架橋性組成液の安定性にも優れる。
本発明者は、前記課題を達成するために、特定構造を持った光解裂と酸基の塩を有する置換基をもったベンジルケタール化合物を使用することが有効であることを見出し、本発明を完成した。
より具体的には前記一般式(1)に前記−X−Y基を有する水溶性光開始剤であり、更には前記一般式(A)、(B)、(C)から選ばれる水溶性光開始剤が好ましい。
−X−Y基において、XはOまたはSを表し、Yはアルキレン−Z(Zはカルボン酸塩またはスルホン酸塩)、(アルキレン−O)n−スルホン酸塩を表す。カルボン酸塩、スルホン酸塩においては、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、4級アンモニウム塩が挙げられる。
上記におけるアルキレンとしては、エチレン、プロピレン、ブチレンが挙げられ、これらは置換基、例えば、水酸基を有してもよい。
両ベンゼン環には更にハロゲン原子、アルコキシ基、アルキルチオ基を有してもよく、具体的にはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基が挙げられる。
1、R2は置換または未置換のアルキル基を表し、未置換のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等が挙げられ、置換アルキル基としては、ヒドロキシアルキル基(例えば、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基)、グリシジル基、−(CH2CH2O)nH(n=1〜3)等が挙げられる。
前記一般式(A)、(B)、(C)において、−X−Y基、R1、R2は一般式(1)のそれらと同義であり、両ベンゼン環には更にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基を有してもよい。
−X−Y基においてXは酸素原子が好ましく、一般式(1)、一般式(A)、(B)、(C)においてR1、R2はメチル基が好ましい。
以下に一般式(1)で表される光開始剤の具体的化合物を示す。
Figure 0005070903
Figure 0005070903
Figure 0005070903
Figure 0005070903
本発明に係る光開始剤とともに用いるエチレン性不飽和基を有する化合物は、水溶性が好ましいが、水溶性でなくても少量ならば水性の重合性組成物に溶解するため化合物としては特に制限されない。エチレン性不飽和基を有する化合物のイオン性は本発明に係る光開始剤がアニオン性なので、光重合/架橋性組成物中での凝集を引き起こさないためにノニオン性、アニオン性が好ましいが、カチオン性の化合物でも凝集を起こさない量ならば用いることができる。本発明において、光重合/架橋性組成物とは光によって重合、あるいは架橋、またはその両方によって高分子化合物を形成する組成物のことである。
《エチレン性不飽和基を有する化合物》
エチレン性不飽和基を有する化合物とは、化合物中に1個以上のエチレン性不飽和基を持つ化合物。具体的にはスチレン基、アクリル基、メタクリル基、アリル基、クロトン酸基、マレイン酸基、イタコン酸基を少なくとも1つ以上分子中に有する化合物をいう。好ましくはアクリル基、メタクリル基を1つ以上分子中に有する化合物である。
スチレン基と有する化合物の例をしては、スチレン、スチレンスルホン酸が挙げられる。
アクリル基、メタクリル基(以後、2つあわせて(メタ)アクリル基を記する)の例としては、以下が挙げられる。(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及び2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート。トリメチロールプロパンモノまたはジ(メタ)アクリレート、及びペンタエリスリトールのモノ、ジまたはトリ(メタ)アクリレート等の水酸基を有するポリオールポリ(メタ)アクリレート。エチレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート、及びプロピレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールのモノまたはジ(メタ)アクリレート。ヘキサンジオール、ノナンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジトリメチロールプロパン、トリシクロデカンジメチロール及びジペンタエリスリトール等のポリオールのエチレンオキサイド付加物のポリ(メタ)アクリレート。
(メタ)アクリロニトリル並びにビニルアセテート、カチオン性不飽和化合物としては、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート及びジエチルアミノ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩。
ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド等のジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩酸塩及び硫酸塩等の3級塩、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの塩化メチル付加物等のロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩。ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリルアミドの塩化メチル付加物等のハロゲン化アルキル付加物及び塩化ベンジル付加物等のハロゲン化アリール付加物等の4級塩。
エチレン性不飽和基を有する化合物はオリゴマーまたは重合体でもよい。イオン性基としては、カルボキシル基及びスルホン酸等の酸性基の塩、並びにアルキレンオキサイド基、水酸基等が挙げられる。
より具体的には、(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸との共重合体であるカルボキシル基含有共重合体にグリシジル(メタ)アクリレートを付加させて得られる重合体及びその塩、脂肪酸及びアルキレングリコールモノグリシジルエーテルのエステルに(メタ)アクリル酸を付加させたもの、末端にエチレン性二重結合を持ちアルコール部分にポリアルキレンオキシドを用いたポリウレタン(メタ)アクリレートまたはポリエステル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレートを連結基で介して結合されたポリビニルアルコールポリマーなどが挙げられる。
ポリウレタン(メタ)アクリレートの例としては、多価アルコールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオールや、エチレングリコールアジペート、ブタンジオールアジペート、ブタンジオールフタレート及びヘキサンジオールフタレート等のポリエステルジオールが挙げられる。
多価イソシアネート化合物としては、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及び水添ジフェニルメタンジイソシアネート等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート及びヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートが挙げられる。
ポリエステル(メタ)アクリレートとしては、ポリエステル型の多価アルコールと(メタ)アクリル酸との反応物を挙げることができる。
ポリエステル型の多価アルコールとしては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸及びトリメリット酸等の多塩基酸、並びにその無水物等が挙げられる。アルコール成分としては、エチレングリコール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンのエチレンオキサイド、またはプロピレンオキサイド付加物のトリオール、グリセリンのエチレンオキサイド、またはプロピレンオキサイド付加物のトリオール、及びペンタエリスリトールのエチレンオキサイド、またはプロピレンオキサイド付加物のテトラオール等を反応させたポリエステルアルコール等が挙げられる。
エチレン性不飽和基を有する化合物は1種でもよいが、2種以上を併用して使用することもできる。
(メタ)アクリレートを連結基を介して結合されたポリビニルアルコールポリマーの例としては、特開2000−181062号公報、特開2004−189841号公報記載のように、メタ(アクリル基)を末端に他の末端にアルデヒド基を持つ化合物をポリビニルアルコールの水酸基にアセタール化して結合したポリマーが挙げられる。
本発明の水溶性光開始剤の配合割合としては、目的に応じて適宜設定すればよいが、重合性組成物量100質量部に対して0.05〜12質量%が好ましく、より好ましくは0.1〜5質量%である。本発明の水溶性光開始剤は水溶性であるため、水系の活性エネルギー線硬化型組成物に好ましく適用できる。重合性組成物量100質量部に対するエチレン性不飽和基を有する化合物は、乾燥後光照射して硬化させる場合と乾燥前に光照射して硬化させる場合など目的に応じて異なるが、1.0質量部から60質量部まで広く用いることができる。
《光開始剤、光増感剤》
本発明においては、本発明に係る光開始剤の他に必要に応じて他の光開始剤や光増感剤を添加してもよい。
添加してもよい他の光開始剤としては下記が挙げられる。
1)ベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、ビス−N,N−ジメチルアミノベンゾフェノン、ビス−N,N−ジエチルアミノベンゾフェノン、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、及びそれらの塩
2)チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、クロロチオキサントン、イソプロポキシクロロチオキサントン等のチオキサントン類、及びそれらの塩
3)エチルアントラキノン、ベンズアントラキノン、アミノアントラキノン、クロロアントラキノン等のアントラキノン類
4)アセトフェノン類
5)ベンゾインメチルエーテル等のベンゾインエーテル類
6)2,4,6−トリハロメチルトリアジン類。
7)1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジ(m−メトキシフェニル)イミダゾール2量体、2−(o−フルオロフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−フェニルイミダゾール2量体、2−(p−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2−ジ(p−メトキシフェニル)−5−フェニルイミダゾール2量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾール2量体、2,4,5−トリアリールイミダゾール2量体等のイミダゾール類
8)ベンジルジメチルケタール、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、フェナントレンキノン、9,10−フェナンスレンキノン、メチルベンゾイン、エチルベンゾイン等のベンゾイン類。
9)9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9,9′−アクリジニル)ヘプタン等のアクリジン誘導体
10)ビスアシルフォスフィンオキサイド、ビスフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド
11)4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、及びこれらのエチレンオキシド付加物。
また、インクに加える形態は必要に応じて溶解物、または分散物として加えることができる。
光増感剤の例としては、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等が挙げられる。
本発明の光重合/架橋性組成物では、水の他に必要があれば有機溶媒を用いてもよい。有機溶媒は水溶性の溶媒が好ましいが、光重合/架橋性組成物中で溶解していれば特に水溶性でない溶媒も少量用いることができる。
光重合/架橋性組成物中の水、及び有機溶媒の使用量は、組成物100質量部あたり20〜99質量部であり、好ましくは50〜98質量部である。
本発明の光重合/架橋性組成物のpHが5未満の場合は、本発明の水溶性光開始剤の加水分解が起こすために好ましくなく、pHは5.5以上、好ましくは6.5以上が好ましい。
本発明の光重合/架橋性組成物は、塗料等のコーティング剤、接着剤及びレジスト等、UV硬化性のインク、UV硬化性のUV印刷インクといった種々の用途に使用することができ、それに応じて顔料、染料、消泡剤、レベリング剤、無機フィラー、有機フィラー及び光安定剤等を配合することもできる。
本発明の光重合/架橋性組成物の使用方法としては、従来の光硬化型組成物の使用方法に従えばよい。具体的には、光重合/架橋性組成物をバーコーター、ワイヤーバー、インクジェットヘッドなどにより基材上に塗布印刷した後、紫外線を照射し乾燥するか、基材に光重合/架橋性組成物を塗布、加熱により水分を蒸発させた後に、紫外線を照射する方法が挙げられる。
本発明の光重合/架橋性組成物を硬化させる光源としては、高圧水銀灯、低圧水銀灯、発光ダイオード(LED)、電子線、太陽光などを用いることができるが、本発明の水溶性光開始剤は光の波長λ365nmの光吸収感度が高い特性があることから、λ365nm光の出力が強い高圧水銀灯、λ365nmに発光スペクトルを有するLEDが特に好ましく用いることができる。
(本発明に用いる材の合成法)
本発明の水溶性光開始剤を得るためには、水溶性光開始剤の前駆体であるベンジル誘導体からケタール化を行い、必要に応じて加水分解等を行うことで目的物を得ることができる。
ベンジル誘導体を得る方法は、対照化合物の場合はフェニル化合物とオキザリルクロリドのフリーデルクラフト反応、またはベンゾインを酸化して得る方法など一般に広く知られている。非対称化合物を得る方法もフェニルアセチルクロリドとフェニル化合物フリーデルクラフト反応でベンジルフェニルケトン誘導体を得た後、臭素化、アルコキシドによる脱臭化水素反応で、ベンジル誘導体を得ることができる。
続くケタール化反応は、塩化チオニルとメタノール、DMFとナトリウムメトキシドなど酸性条件、塩基性条件での反応が広く知られているが、これらの反応条件では本発明の水溶性光開始剤の前駆体であるケタール化合物はごく少量しか得られず、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸を用いて、オルトギ酸エステルとアルコールを用いることが必要であった。また、収率の点からトリフルオロメタンスルホン酸を用いるが好ましい。
例示化合物1の合成
Figure 0005070903
(化合物Bの合成)
塩化アルミニウム11.7g(84mmol)をジクロロメタン33mlに加え、氷冷する。フェノキシ酢酸メチル(化合物A)6.6g(40mmol)を内温15℃以下で滴下し、次いでオキザリルクロリド2.8g(22mmol)をゆっくり滴下する。盛んに塩化水素ガスが発生する。塩化水素ガスの発生の終了後、反応液を氷水100g中に投入し、酢酸エチル30mlを加え攪拌すると結晶が析出してくる。この結晶を濾過洗浄して、化合物B、2.5gを白色結晶として得る。
(化合物Cの合成)
化合物B、23.9g(62mmol)、オルトギ酸トリメチル65.6g(620mmol)、メタノール19.8g(618mmol)、トルエン360mlの混合物を還流する。この液にトリフルオロメタンスルホン酸を2.8g(18.6mmol)を滴下して加え、還流を5時間続ける。酢酸エチルと炭酸水素ナトリウム水溶液をかき混ぜた液中に、反応液を投入し、酢酸エチル相を分離エバポレートする。カラムで分離精製して、化合物Cを白色結晶として18.8g得る。
(例示化合物1)の合成)
化合物C、16.7g、メタノール130ml、水酸化ナトリウムの30質量%水溶液10mlを加え、還流を2時間行う。黄色物質が析出してくるので、濾過して取り除いた後、溶媒等を留去する。得られた透明オイルにエタノールを加え、結晶化させる。濾過、乾燥して、例示化合物1を15.1g得る。
化合物の確認は1H−NMRにて行った。
((メタ)アクリレートに連結基を介して結合されたポリビニルアルコールポリマー(アクリル基含有ポリビニルアルコール)の合成)
グリシジルメタクリレート56g、p−ヒドロキシベンズアルデヒド48g、ピリジン2g、及びN−ニトロソ−フェニルヒドロキシアミンアンモニウム塩1gを反応容器に入れ、80度の湯浴中で8時間攪拌した。
次に、重合度500、ケン化率88%のポリ酢酸ビニルケン化物45gをイオン交換水225gに分散した後、この溶液にリン酸4.5gと上記反応で得られたp−(3−メタクリロキシ−2−ヒドロキシプロピルオキシ)ベンズアルデヒドをポリビニルアルコールに対して変性率が3モル%になるように加え、90℃で6時間攪拌した。得られた溶液を室温まで冷却した後、塩基性イオン交換樹脂30gを加え1時間攪拌した。その後イオン交換樹脂を濾過し、イオン交換水にて希釈して濃度10%のアクリル基含有ポリビニルアルコールを得た。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中で「%」は、特に断りのない限り質量%を表す。
実施例1(UV印刷インクの例)
(ブラック顔料分散液の調製)
以下の各添加剤を混合し、0.5mmのジルコニアビーズを体積率で50%充填したサンドグラインダーを用いて分散し、イオン交換水で希釈してブラック顔料の含有量が10%のブラック顔料分散液を調製した。このブラック顔料分散液に含まれるブラック顔料粒子の平均粒径は154nmであった。なお、粒径測定はマルバーン製ゼータサイザ1000HSにより行った。
カーボンブラック 15部
高分子分散剤(スチレン/アクリル酸/ブチルアクリレート共重合体、Tg65℃、数平均分子量7000) 4部
グリセリン 18部
イオン交換水 残り
〔ブラック印刷インク1の調製〕
ブラック顔料分散液 30部
A400(新中村化学製) 20部
TO−1343(東亞合成製、アクリロイル基を2個以上有する水溶性ポリエステル系アクリルオリゴマー) 5部
ジョンクリル537J(ジョンソンポリマー製、固形分46%) 8部
水溶性光開始剤(1) 2部
ジエチレングリコール 20部
水 残り
以下、水溶性光開始剤を表1に記した化合物に変えて、ブラック印刷インク2〜16を調製した。
Figure 0005070903
〔評価〕
(365nmLEDでの硬化性)
アート紙上に得られたインクをワイヤーバーでWet膜厚10μmで塗布し、λ365nmのLEDランプ(日亜化学工業製)で115mJ/cm2の照度で照射し、照射後の状態を目視で観察した。
○:流動性がない
△:一部に流動性がある
×:流動性がある。
(高圧水銀灯での硬化性)
アート紙上に得られたインクをワイヤーバーでWet膜厚50μmで塗布し、高圧水銀灯で(ウシオ電機製)で96mJ/cm2の照度で照射し、照射後の状態を目視で観察した。
○:流動性がない
△:一部に流動性がある
×:流動性がある。
(蛍光灯下でのインク保存性)
インク20mlを50mlビーカーに入れ、上部50cmより100Wに蛍光灯を24時間照射し、保存性の評価を行った。
○:インクに変化がない
△:表面の一部がゲル化している
×:不溶物がある。
Figure 0005070903
表1より、本発明の水溶性光開始剤を用いたUVインクは、365nmのLED、高圧水銀灯での硬化に優れるとともに、室内蛍光灯下での組成液安定性に優れていることが分かる。
実施例2(インクジェットUVインク)
表2中の各顔料分散液は下記のように調製した。
Cabojet−300(濃度15%):キャボット社製の自己分散型カーボンブラック分散液
ブラック顔料分散液(濃度15%):実施例1参照
マゼンタ顔料分散液(濃度15%):実施例1のブラック顔料分散液の調製において、カーボンブラックに代えて、C.I.Pigment Red122を使用した以外は同様にして、マゼンタ顔料分散液を調製した。
上記顔料分散液を用いて、表2の組成のインクジェットインクNo.1〜5を調製した。表2に使用する材料は以下の通りである。
A−400:新中村化学製、ポリエチレンオキシドジアクリレート、分子量500
UA−W2A:新中村化学製、水溶性ウレタンアクリレートオリゴマー
アクリル基含有ポリビニルアルコール(重合度500、変性率3%、濃度10%)
DEG:ジエチレングリコール
EG:エチレングリコール
オルフィンE1010:日信化学製。
Figure 0005070903
〔評価〕
高圧水銀灯を搭載したUVインクジェットプリンターで、アート紙上に15g/m2の付量になるようにベタ画像を作成した。
実施例1と同様の評価を行った。
Figure 0005070903
Figure 0005070903
表3、4より、本発明の水溶性光開始剤を用いたUV硬化型インクは、インクジェットインクとして用いても365nmのLED、高圧水銀灯での硬化に優れるとともに、室内蛍光灯下でのインク保存性に優れていることが分かる。

Claims (4)

  1. 下記一般式(1)に下記−X−Y基を有することを特徴とする水溶性光開始剤。
    Figure 0005070903
    (式中、両ベンゼン環の少なくとも1つに−X−Y基を少なくとも1つ有し、両ベンゼン環には更にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基を有してもよい。−X−Y基において、XはOまたはSを表し、Yはアルキレン−Z(Zはカルボン酸塩またはスルホン酸塩)、(アルキレン−O)n−スルホン酸塩を表す。R1、R2は置換または未置換のアルキル基を表す。)
  2. 前記一般式(1)に前記−X−Y基を有する水溶性光開始剤が下記一般式(A)、(B)、(C)から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の水溶性光開始剤。
    Figure 0005070903
    (式中、−X−Y基、R1、R2は一般式(1)のそれらと同義であり、両ベンゼン環には更にハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基またはアルキルチオ基を有してもよい。)
  3. 前記Xが酸素原子であることを特徴とする請求項1または2に記載の水溶性光開始剤。
  4. 少なくとも、水、エチレン性不飽和基を有する化合物と請求項1〜3のいずれか1項に記載の水溶性開始剤を含有することを特徴とする光重合/架橋性組成物。
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