JP5070744B2 - 耐疲労亀裂伝播特性に優れる鋼材の製造方法 - Google Patents

耐疲労亀裂伝播特性に優れる鋼材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、耐疲労亀裂伝播特性に優れる鋼材およびその製造方法に関する。より詳しくは、船舶、海洋構造物、橋梁、建設機械、建築物、タンクなど各種溶接構造物に用いられ、疲労亀裂伝播速度を遅延する鋼材およびその製造方法に関する。
近年、船舶、海洋構造物、橋梁、建設機械、建築物、タンクなどの構造物においては設計の合理化や鋼材重量の低減、薄肉化や溶接の省力化を目的として高強度鋼材が適用される事例が多くなってきている。加えて高強度鋼材においては、靭性や溶接性に優れていること、構造安全性を確保するため、耐疲労特性に優れていることが要求される。
溶接構造物において、疲労破壊は、溶接止端部から疲労亀裂が発生し、鋼材中を伝播して破壊するケースが多い。これは、溶接止端部がその形状から応力集中部となりやすいこと、加えて溶接後に引張の残留応力が生じることなどに起因するとされている。
このため、溶接止端部からの亀裂発生を抑制させる手段として、付加溶接を施すなどして形状を改善し応力集中を低減させる技術、ショットピーニングなどで圧縮の残留応力を導入する技術などが広く知られている。
しかし、多数存在する溶接止端部にこのような処理を工業的規模で施すことは不可能に近く、コストの面でも現実的とは言いがたい。そこで、仮に溶接止端部などから疲労亀裂が発生したとしてもその後の鋼材中の伝播速度を遅延させることで疲労寿命を延命させることが重要であり、鋼材自身の耐疲労亀裂伝播特性を向上させることが産業界から強く要望されている。
高強度鋼材の耐疲労亀裂伝播特性の向上手法としては組織を軟質相(主にフェライト)と硬質相(主にパーライト、ベイナイト、マルテンサイト)との複合組織とすることが従来から知られており、それらの存在形態を細かく規定することがなされている。
例えば、特許文献1には組織がフェライト、パーライト、ベイナイトの一種または二種以上で主に構成され、さらに平均存在間隔20μm以下でかつ平均扁平比5以上の島状マルテンサイトが0.5〜5%の割合で存在する耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼板ならびにその製造方法が記載されている。
特許文献2には硬質相の素地中に軟質相を分散させ、かつ、硬質相と軟質相との硬度差が150Hv以上、軟質部の平均粒径(硬質部の平均間隔)が50μm以下である、疲労亀裂進展を抑制する鋼板が記載されている。
特許文献3にはビッカース硬度:200以上500以下の硬質層組織中にビッカース硬度:100以下のフェライト組織を面積率で10〜50%存在させる耐疲労亀裂進展特性に優れた鋼材とその製造方法が記載されている。
特開平6−271985号公報 特許第2962134号公報 特開2000−129392号公報
しかしながら、特許文献1記載の鋼板の場合、島状マルテンサイトを多量に含むため、これらを起点として脆性破壊が生じる可能性が高くなることが懸念される。
また、島状マルテンサイトの平均偏平比が5以上であるために、亀裂が板厚方向に伝播する場合には良好な耐疲労亀裂伝播特性を示すと考えられるが、亀裂が板幅方向や板長さ方向に進展する場合には耐疲労亀裂伝播特性が劣化することが懸念される。
また、特許文献1〜3に共通する問題点として、疲労亀裂伝播特性を支配する亀裂先端での塑性域の大きさに鋼材の降伏強度が影響を及ぼすにも拘わらず、ミクロ組織を降伏強度に応じて制御させることについての考察はなされておらず、その他の耐疲労亀裂伝播用鋼に関する従来技術においても同様である。
本発明はこのような従来技術の課題を解決し、亀裂伝播特性の異方性を小さくし、かつ、降伏強度レベルによって組織を適切に造りこむことにより、安定的に、耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材を提供すること、また、そのような鋼材の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく実験と検討を重ねた。その結果、ミクロ組織をフェライトからなる軟質相と、ベイナイトもしくはマルテンサイトあるいはそれらの混合組織からなる硬質相との二相で主に構成し、硬質相の形態を適切な寸法、形状の範囲内とし、更に、硬質相の平均間隔を降伏強度により変化させることで、広い降伏強度範囲で耐疲労亀裂伝播特性が向上することを見出した。また、このような鋼材は疲労き裂伝播特性の異方性が小さくなることも見出した。
また、そのようなミクロ組織を有する鋼材を加熱、圧延、加速冷却及び熱処理を組み合
わせることで製造できることを見出した。本発明は得られた知見を基に更に検討を加えて
なされたもので、
1.質量%で、C:0.02〜0.25%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼を、加熱し、熱間圧延後、加速冷却して、または前記鋼を加熱し、熱間圧延ー冷却後、二相域再加熱後焼入れにより、ミクロ組織フェライトからなる軟質相とベイナイトもしくはマルテンサイトあるいはそれらの混合組織からなる硬質相の二相で構成させ、前記硬質相は硬質相の平均アスペクト比:3以下、硬質相の短軸方向の平均長さ:5μm以上100μm以下とし、前記加速冷却後または前記二相域再加熱後焼入れ後のσ YS が(1)式を満足する場合は焼戻しを行わず、前記加速冷却後または前記二相域再加熱後焼入れ後のσ YS が(1)式を満足しない場合は、(1)式を満足するようにAc1点以下の温度で焼戻しを行うことを特徴とする耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
1000000/σYS <L<10000000/σYS (1)
但し、L[μm]:硬質相の平均間隔、σYS:(加速冷却または二相域再加熱)ー焼戻
し後(加速冷却まま、二相域再加熱ままも含む)の鋼材の降伏応力[MPa]
2.更に、質量%でCu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下、B:0.005%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする1に記載の耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法
3.前記加速冷却する際の鋼の加熱が900℃以上1300℃以下で、熱間圧延がAr 点以上で累積圧下率50%以上の圧延で、前記加速冷却がAr 点からAr −200℃の温度範囲において冷却速度4℃/s未満で5s以上冷却してフェライトを生成させた後、冷却速度5℃/s以上で500℃以下までの加速冷却で、
前記二相域再加熱後焼入れする際の鋼の加熱が900℃以上1300℃以下で、熱間圧延の終了がAr 点以上で、前記二相域再加熱後焼入れがAc 点以上〜Ac 点未満に再加熱した後に、冷却速度5℃/s以上で500℃以下までの焼入れであることを特徴とする1または2記載の耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
本発明によれば、特殊な工程や多量の合金元素の添加を必要とせず、かつ広い降伏強度レベルで疲労き裂伝播特性を高めることができ、船舶、橋梁、建築物に代表されるような溶接構造物の主要部材に対し疲労破壊の安全裕度を拡大できる鋼材が提供可能である。
また、圧延、加速冷却、熱処理を組み合わせた一連の工程により高効率で製造できるために、上記のような諸特性に優れる鋼材を短納期で、安価に提供することが出来、産業上極めて有用である。
本発明では、鋼材の化学成分、ミクロ組織を規定する。
[化学成分]以下の説明で、%で示す単位は全て質量%である。
C:0.02〜0.25%
Cは強度確保のために0.02%以上の添加が必要である。しかし、0.25%以上の添加は溶接性を阻害する。従って0.02%以上0.25%以下に限定する。好ましくは0.02%以上0.20%以下とする。
Si:0.01〜0.50%
Siは脱酸剤として有効であるとともに高強度化のためには0.01%以上必要であるが、0.50%を超えて添加すると溶接性、靭性を劣化させる。従って0.01%以上0.50%以下に限定する。好ましくは0.05%以上0.40%以下とする。
Mn:0.5〜2.0%
Mnは安価に焼入れ性の増加を通じて強度を高めるだけでなく靭性向上の観点から0.5%以上必要であるが、2.0%を超えると溶接性の劣化に繋がる。従って0.5%以上2.0%以下に限定する。好ましくは0.5%以上1.8%以下とする。
P:0.05%以下
Pは鋼の靭性を劣化させるため、その含有量はできるだけ低いことが望ましい。このため上限を0.05%とした。好ましくは0.03%以下とする。
S:0.02%以下
Sは多量に添加すると鋼の靭性を低下させるため極力低減するのが望ましい。このため、上限を0.02%とした。好ましくは0.01%以下とする。
以上を本発明の基本成分とするが、強度、靭性や溶接性等の調整、耐候性の付与などを目的としてCu,Ni,Cr,Mo,Nb,V,Ti,Bの一種または二種以上を添加しても良い。
Cu:1.0%以下
Cuは固溶による強度上昇効果をもたらすとともに耐候性を向上させる。しかし、その含有量が1.0%を超えると溶接性を損なうとともに鋼材製造時に疵が生じやすくなる。従って、添加する場合はその上限を1.0%とする。好ましくは0.5%以下とする。
Ni:2.0%以下
Niは低温靭性を向上させるとともに耐候性やCuを添加した場合に生ずる熱間脆性の改善に有効である。しかし、その添加量が2.0%を超えると溶接性を阻害し、又コスト上昇に繋がる。従って、添加する場合はその上限を2.0%とする。好ましくは1.0%以下とする。
Cr:1.0%以下
Crは耐候性や強度を向上させる。しかし、その含有量が1.0%を超えると溶接性および靭性を損なう。従って、添加する場合は上限を1.0%とする。好ましくは0.5%以下とする。
Mo:1.0%以下
Moは強度を上昇させる。しかし、その含有量が1.0%を超えると溶接性および靭性の劣化が生じる。従って、添加する場合はその上限を1.0%とする。好ましくは0.5%以下とする。
Nb:0.1%以下
Nbは圧延時のオーステナイト再結晶を抑制し細粒化を図ると同時に、析出を通じた高強度化をもたらす働きを有する。しかし、0.1%以上添加すると靭性が劣化する。従って添加する場合は0.1%以下に限定する。好ましくは0.05%以下とする。
V:0.1%以下
VもNbと同様、析出により高強度化をもたらす働きを有する。しかし、0.1%以上の添加は溶接性および靭性の低下を招く。従って添加する場合は0.1%以下に限定する。好ましくは0.07%以下とする。
Ti:0.1%以下
Tiは強度上昇と溶接部靭性を改善する。しかし、その含有量が0.1%を超えるとコスト上昇を招く傾向にある。従って添加する場合は上限を0.1%とする。好ましくは0.05%以下とする。
B:0.005%以下
Bは焼入れ性を高め強度上昇に寄与する。しかし、0.005%を超えて添加すると溶接性を害する。従って上限を0.005%とする。好ましくは0.003%以下とする。
[ミクロ組織]
本発明に係る、疲労亀裂伝播速度を遅延させる鋼材はフェライトからなる軟質相とベイナイトもしくはマルテンサイトあるいはそれらの混合組織からなる硬質相の二相で主に構成されており、以下の特徴を有する。
(1)硬質相の平均アスペクト比:3以下
(2)硬質相の短軸方向の平均長さ:5μm以上100μm以下
(3)硬質相の平均間隔:L[μm]
1000000/σYS <L<10000000/σYS
但し、σYS:鋼材の降伏応力[MPa]
以下、上記ミクロ組織の限定理由について説明する。
フェライトからなる軟質相とベイナイトもしくはマルテンサイトあるいはそれらの混合組織からなる硬質相
軟質相と硬質相とで構成される複合組織とすることにより耐疲労亀裂伝播特性は向上する。また、軟質相をフェライト、硬質相をベイナイトもしくはマルテンサイトあるいはそれらの混合組織とすることで硬度差を設けることができ、フェライト・パーライト鋼よりも耐疲労亀裂伝播特性は向上する。
硬質相の平均アスペクト比:3以下
硬質相のアスペクト比(圧延方向の長さ/板厚方向の長さ)を3以下とすることで、疲労亀裂伝播方向(板厚、板幅、板長)によらず安定的に、速度が遅い良好な疲労亀裂伝播速度が得られる。アスペクト比が3を超えると、伝播速度に異方性が生じる。より好ましくはアスペクト比を2以下とする。
硬質相の短軸方向の平均長さ:5μm以上100μm以下
軟質相から硬質相へ亀裂が突入する際、硬質相の短軸方向の平均長さが5μm以上とすることで疲労亀裂伝播速度が局所的に遅延するようになる。このような効果は硬質相のサイズ上昇とともに顕著となるが、その長さが100μmを超える場合、靭性が劣化する。より好ましくは5μm以上75μm以下とする。
硬質相の平均間隔:L[μm]
1000000/σYS <L<10000000/σYS
但し、σYS:鋼材の降伏応力[MPa]
硬質相の平均間隔を降伏強度を媒介として設定することで、耐疲労亀裂伝播特性は広い降伏強度範囲で安定的に向上する。
本発明の規定を満足する種々の成分範囲にて、種々の方法でフェライトとベイナイトもしくはマルテンサイトあるいはそれらの混合組織とし、降伏強度を変化させた鋼板(σYS:約300MPa〜600MPa)について、板幅方向の疲労亀裂伝播試験(ΔK=20MPa√m)を行った。結果を図1に示す。
図1より、硬質相の平均間隔:Lを本規定の範囲内とすることで疲労亀裂伝播速度が安定的に低くなっていることがわかる。このように広い降伏強度範囲で疲労亀裂伝播速度が低下する原因としては、硬質相の平均間隔を本発明規定の範囲内とすることで、降伏強度により塑性域寸法が変化してもその寸法内に硬質相と軟質相の界面を内在させることができ、結果として疲労亀裂が当該界面で局所的に遅延することによるものと考えられる。
尚、硬質相の平均間隔は、本規定値(1000000/σYS )を下回る場合、疲労亀裂が硬質相を主として伝播するために、耐疲労亀裂伝播特性は低下する。
一方で、本規定値(10000000/σYS )を上回る場合には塑性域内に硬質相と軟質相の界面が安定的に内在しなくなり、耐疲労亀裂伝播特性は低下する。より好ましい硬質相の平均間隔は2000000/σYS <L<8000000/σYS である。但し、σYS:鋼材の降伏応力[MPa]とする。
[製造条件]
本発明に係る鋼材は上記成分を有する鋼を、900℃以上、1300℃以下に加熱し、Ar点以上で累積圧下率50%以上の圧延を行い、Ar点からAr−200℃の温度範囲において冷却速度4℃/s未満で5s以上冷却する工程を設けた後、冷却速度5℃/s以上で500℃以下までの加速冷却まま、もしくはその後Ac1点未満で焼戻しを行うことで得られる。尚、上記温度は鋼材表面温度とし、冷却速度は鋼材の厚さ方向での平均値とする。
加熱温度:900℃以上1300℃以下
加熱温度を900℃未満にするとその後の圧延温度が確保できない。また、1300℃を超える温度にすると鋼の結晶粒が粗大化して、その後の冷却過程時にフェライトが生成せずに、耐疲労亀裂伝播特性が劣化し、かつ、靭性の確保が困難となる。
Ar点以上で累積圧下率50%以上
Ar点以上で累積圧下率50%以上の圧延を行うことにより旧オーステナイト粒を微細化させて靭性を向上させるとともに、この後に続く冷却過程でのフェライト生成を促進する。Ar点未満の圧延では、硬質相が伸張し、耐疲労亀裂伝播特性に異方性が生じる。一方で、累積圧下率が50%未満では旧オーステナイト粒の微細化が達成されない。
Ar点からAr−200℃の温度範囲において冷却速度4℃/s未満で5s以上冷却
フェライトを鋼材中に均一に生成させる手段として、Ar点〜Ar−200℃の温度範囲で冷却速度4℃/s未満となる放冷または徐冷の工程を5s以上設ける。温度がAr点を超える場合あるいはAr点−200℃を下回る場合にはフェライトが生成しない。
当該温度範囲においても冷却速度が4℃/s未満であり、かつその冷却時間が5s以上でないと耐疲労亀裂伝播特性を向上させるためのフェライトを鋼材中に均一に分布できない。
フェライト生成時間である上記放冷または徐冷の工程は5s以上あればよく、特にその上限を設けるものではないが、パーライトの生成や能率の低下を防ぐ目的から500s以下とすることが望ましい。
また、上記放冷または徐冷の工程は、Ar点からAr−200℃の温度範囲内であれば、開始時期は規定せず、Ar点に達した後、直ちに行ってその後水冷したり(徐冷(放冷)→水冷)、水冷後、当該水冷を一端中止して、行い、再度水冷を行っても良い(水冷→徐冷(放冷)→水冷)。また、複数回に分割しても良い。
Ar点〜Ar−200℃の間で徐冷、放冷期間を設けることでフェライトを導入し、その後、水冷を行って残部をベイナイト、マルテンサイト、あるいはそれらの混合組織とする。
放冷または徐冷後、5℃/s以上の冷却速度で500℃以下まで加速冷却
上記放冷または徐冷後、残りの未変態オーステナイトをベイナイト、マルテンサイト、あるいはそれらの混合組織とする。冷却速度が5℃/s未満あるいは停止温度が500℃以上ではフェライトやパ―ライトが生成する。
尚、Ar点から水冷を開始し、当該水冷を一端中止し、上記放冷または徐冷を行う場合の水冷も5℃/s以上の冷却速度とする。
本発明においては硬質相間隔を降伏強度により規定している。従って、得られたミクロ組織に対し、降伏強度が加速冷却ままで前記規定を満足しない場合には、焼戻しにより降伏強度が前記規定を満足するように調整する。但し、焼戻し温度がAc点を超えると島状マルテンサイトが生成し、靭性が劣化する。
また本発明に係る鋼材は任意の条件で加熱、圧延、冷却し、所望する板厚とした鋼材を、Ac点以上〜Ac点未満に再加熱した後に、冷却速度5℃/s以上で500℃以下まで焼入れすることもしくはその後Ac点未満で焼戻しによっても得られる。
この場合、焼入れ前組織の種類は特に問わないが、硬質相のアスペクト比や短軸方向の長さ、硬質相の平均間隔は前組織の影響を受けるため、加熱温度は900℃以上1300℃以下、圧延はAr点以上で終了することが望ましい。
再加熱焼入れ温度がAc点超えの場合にはその後の焼入れによりフェライトが得られない。再加熱焼入れ温度がAc点未満の場合には、前組織がフェライトを含まない場合は再結晶フェライトが得られず、パーライトを含む場合は逆変態せずに焼入れ後にパーライトが残存する。
また、再加熱焼入れ時の冷却速度が5℃/s未満の場合、あるいは停止温度が500℃超えの場合には、パーライトが生成する。
得られたミクロ組織に対し、降伏強度が焼入れままで本規定を満足しない場合には、焼戻しにより降伏強度を本規定値となるよう調整する。但し、焼戻し温度がAc点を超えると島状マルテンサイトが生成し、靭性が劣化する。
なお、Ar点、Ac点、Ac点は例えば、Ar(℃)=910−310C−80Mn−20Cu−15Cr−55Ni−80Mo、Ac=854−180C+44Si−14Mn−17.8Ni−1.7Cr、Ac(℃)=723−14Mn+22Si−14.4Ni+23.3Cr(但し、元素記号は鋼材中の各元素の質量%での含有量を表す)で表される関係式により鋼材の成分組成に基づいて導くことが出来る。
尚、本発明を実製造に適用する場合、予め、サンプル材を用いて、加速冷却後のミクロ組織と降伏強度を求めて、加速冷却ままとするか焼戻しを行うかを決定し、更に焼戻しを行う場合は、所望の降伏強度が得られるように焼戻し条件を求めておき、得られた条件で製品製造を行う。二相域再加熱処理の場合も同様とする。加速冷却まま、二相域再加熱ままで所望の降伏強度が得られている場合は、焼戻しは実施しない。
表1に示す組成を有する鋼を溶製して得られた鋼片を表2,3に示す条件に基づいて板厚12〜100mmの鋼板を製造した。得られた鋼板について、下記に示す手順にて、組織観察、引張強度、靭性、疲労亀裂伝播速度を調査した。尚、表3は再加熱熱処理による製造条件を示す。
組織観察は全厚のサンプルにて、圧延方向に平行な面を2%ナイタール腐食液によりエッチングし、板厚/4位置を光学顕微鏡(倍率×400)により10視野で実施した。これら組織観察から、鋼材の構成組織、硬質相平均アスペクト比、硬質相短軸平均長さ、硬質相平均間隔を求めた。硬質相平均間隔は最近接する硬質相端と硬質相端との間隔を求め、これらを平均することで定めた。
強度は圧延方向に直角方向に採取したJIS Z2201 1A号の全厚試験片(板厚50mm以上は板厚/4位置でのJIS Z2201 4号丸棒試験片)により評価した。
靭性は板厚/4位置(板厚25mm未満は板厚/2位置)で圧延方向と平行方向に採取したJIS Z 2202のVノッチシャルピー衝撃試験片により評価した。
疲労亀裂伝播速度は亀裂が圧延直角方向および圧延方向に進展する全厚(板厚25mmを超えるものは25mmtまで片面減厚)のCT試験を採取し、応力比0.1、周波数20Hz、室温大気中でASTM E647に準拠して行った。
また、板厚方向への進展速度は全厚(板厚25mmを超えるものは25mmtまで片面減厚)の三点曲げ試験片により、応力比0.1、周波数10Hz、室温大気中にて実施した。
本発明においては溶接構造物において溶接止端部などから発生した亀裂が鋼材中を進展するときの伝播速度を低減することが目的であるため、このような状況を想定し、疲労亀裂伝播試験は応力拡大係数範囲(ΔK)が10〜30MPa√mの範囲にて調査した。
実施例において、強度はTSで400MPa以上、靭性はシャルピー衝撃試験での延性/脆性破面遷移温度が−30℃以下、疲労亀裂伝播速度は亀裂進展方向によらず△K=20MPa√mのとき5.0×10−8以下であった場合を合格(本発明範囲内)とした。
表4に試験結果を示す。本発明に規定の成分および製造法を採用し、本発明に規定のミクロ組織を有するNo.1〜No.8、No.18〜20の鋼板は、伝播方向によらず疲労亀裂伝播速度が低く、高い強度と靭性を兼ね備えていることが認められる。
これに対し、P、Sが本発明範囲を超えるNo.9の鋼板は本発明に規定の製造方法と組織が得られても低い靭性を示している。また、Cが本発値を下回るNo.10の鋼板は本発明に規定の製造方法としてもフェライトの生成が多いために、硬質相の短軸方向の平均長さが本規定値を下回り、硬質相の平均間隔が本規定値を上回る。このため、耐疲労亀裂伝播性能に劣っている。
加熱温度が本発明上限を上回り、Ar点以上の累積圧下率が本発明の下限に満たないNo.11の鋼板はフェライトが生成されず、しかも、硬質相の短軸方向の平均長さが本規定値を超える。このため、靭性が低く、耐疲労亀裂伝播特性に劣る。
Ar〜Ar−200℃の温度範囲で4℃/s未満の放冷や徐冷工程を5s以上設けなかったNo.12の鋼板は、フェライトの生成が十分でなく、結果として、硬質相の平均間隔が本規定値を下回る。このため、耐疲労亀裂伝播特性に劣っている。
Ar点を下回る温度で圧延したNo.13の鋼板は硬質相が伸張しており、アスペクト比が本規定値を上回り、短軸方向の平均長さが本規定値を下回る。このため、板厚方向に比べて圧延方向、圧延直角方向の耐疲労亀裂伝播特性が劣る。
Ar〜Ar−200℃の温度範囲で放冷や徐冷工程を設けなかったNo.14の鋼板はフェライトが導入されておらず、耐疲労亀裂伝播特性が劣る。
5℃/s以上の加速冷却を行わなかったNo.15の鋼板、加速冷却速度が5℃/sを下回り、停止温度も500℃を上回るNo.16の鋼板は組織がフェライト/パーライトとなり、強度、靭性が低く、また、耐疲労亀裂伝播特性に劣る。
焼戻し温度がAc1点を上回るNo.17の鋼板は組織中に島状マルテンサイト(MA)が生成されたため、靭性が低い。再加熱温度がAc点を上回るNo.21の鋼板、Ac点を下回るNo.22の鋼板は組織中にフェライトが導入されておらず、耐疲労亀裂伝播特性に劣る。
再加熱焼入れ時の冷却速度と停止温度が本規定を上回るNo.23の鋼板は組織中にパーライトが混入し、結果として、硬質相(ベイナイト)の平均間隔が本規定値を上回る。このため、低強度であり、耐疲労亀裂伝播特性に劣る。
Figure 0005070744
Figure 0005070744
Figure 0005070744
Figure 0005070744
硬質相平均間隔、降伏強度と疲労亀裂伝播速度の関係を示す図。

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.02〜0.25%、Si:0.01〜0.50%、Mn:0.5〜2.0%、P:0.05%以下、S:0.02%以下、残部Fe及び不可避的不純物からなる鋼を、加熱し、熱間圧延後、加速冷却して、または熱間圧延ー冷却後、二相域再加熱後焼入れにより、ミクロ組織フェライトからなる軟質相とベイナイトもしくはマルテンサイトあるいはそれらの混合組織からなる硬質相の二相で構成させ、前記硬質相は硬質相の平均アスペクト比:3以下、硬質相の短軸方向の平均長さ:5μm以上100μm以下とし、前記加速冷却後または前記二相域再加熱後焼入れ後のσ YS が(1)式を満足する場合は焼戻しを行わず、前記加速冷却後または前記二相域再加熱後焼入れ後のσ YS が(1)式を満足しない場合は、(1)式を満足するようにAc1点以下の温度で焼戻しを行うことを特徴とする耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
    1000000/σYS <L<10000000/σYS (1)
    但し、L[μm]:硬質相の平均間隔、σYS:(加速冷却または二相域再加熱)ー焼戻
    し後(加速冷却まま、二相域再加熱ままも含む)の鋼材の降伏応力[MPa]
  2. 更に、質量%でCu:1.0%以下、Ni:2.0%以下、Cr:1.0%以下、Mo:1.0%以下、Nb:0.1%以下、V:0.1%以下、Ti:0.1%以下、B:0.005%以下の一種または二種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法
  3. 前記加速冷却する際の鋼の加熱が900℃以上1300℃以下で、熱間圧延がAr 点以上で累積圧下率50%以上の圧延で、前記加速冷却がAr 点からAr −200℃の温度範囲において冷却速度4℃/s未満で5s以上冷却してフェライトを生成させた後、冷却速度5℃/s以上で500℃以下までの加速冷却で、
    前記二相域再加熱後焼入れする際の鋼の加熱が900℃以上1300℃以下で、熱間圧延の終了がAr 点以上で、前記二相域再加熱後焼入れがAc 点以上〜Ac 点未満に再加熱した後に、冷却速度5℃/s以上で500℃以下までの焼入れであることを特徴とする請求項1または2記載の耐疲労亀裂伝播特性に優れた鋼材の製造方法。
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