JP5068106B2 - フィラメントを内包する透明中空繊維ユニット及びその製造方法、それを混入させた紙、並びにそれを混入させた偽造防止用紙 - Google Patents
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Description
(2)透明中空繊維の中空部に配置された金属線または磁性繊維をレーザー光で切断することによりフィラメントを作製した後、該金属線または磁性繊維を移動させて、該金属線または磁性繊維の末端と作製されたフィラメントとの間に十分な間隔を設け、再びレーザー光を照射してフィラメントを作製するという操作を繰り返し行うことにより、該透明中空繊維の中空部に一定間隔を介して配置された、複数のフィラメントを作製する工程と、前記工程で作製された、任意の隣り合うフィラメント間の略中間部分に位置する透明中空繊維の部位を切断および封止する工程とを有することを特徴とする、(1)に記載のフィラメントを内包する透明中空繊維ユニットの製造方法。
(3)前記レーザー光の波長が近赤外領域にあることを特徴とする、(1)または(2)に記載のフィラメントを内包する透明中空繊維ユニットの製造方法。
(4)前記レーザー光の光源として、イットリウム−アルミニウム−ガーネット結晶レーザー、イットリウム−四酸化バナジウム結晶レーザー、リチウム−イットリウム−フッ化物結晶レーザー、希土類ドープファイバーレーザー、および半導体レーザーより選ばれる1種のレーザーを用いることを特徴とする、(1)〜(3)のいずれかに記載のフィラメントを内包する透明中空繊維ユニットの製造方法。
(5)前記金属線または磁性繊維として撚線を用いることを特徴とする、(1)〜(4)のいずれかに記載のフィラメントを内包する透明中空繊維ユニットの製造方法。
(6)(1)〜(5)のいずれかに記載の方法により製造された、フィラメントを内包する透明中空繊維ユニット。
(7)(6)に記載のフィラメントを内包する透明中空繊維ユニットの少なくとも一本を混入したことを特徴とする紙。
(8)(6)に記載のフィラメントを内包する透明中空繊維ユニットの少なくとも一本を混入したことを特徴とする偽造防止用紙。
本発明の製造方法は、フィラメントを内包する透明中空繊維ユニットを製造する方法である。本発明の透明中空繊維ユニットの一例の概念図を図1に示す。透明中空繊維ユニット11は、フィラメント12と透明中空繊維13からなる。図1では、これに限定されるものではないが、フィラメント12として表面に蛍光材料が付着したフィラメントが例示されている。
本発明によって製造される、フィラメントを内包する透明中空繊維においては、前述の偽造防止用紙における効果を発現させるため、透明中空繊維内部でフィラメントを動かすことが可能である必要がある。よって、本発明の製造法の予備段階として、透明中空繊維の中空部に金属線または磁性繊維を配置する工程を最初に行う必要がある。図3に、金属線または磁性繊維32が配置された状態の透明中空繊維33の一例の概念図を示す。中空繊維内部で金属線または磁性繊維を自由に動かすことを可能にするため、金属線または磁性繊維32としては、その径が中空繊維33の内径よりも十分に小さいものを用いる。従って、中空繊維33のどちらか一方の端部の中空部に金属線または磁性繊維の先端を挿入したのち、機械的に押し込むなどの、従来公知の方法により、金属線または磁性繊維32を配置することができる。
なお、本発明においては、最初に透明中空繊維に配置された金属線または磁性繊維32を、レーザー光により切断してフィラメント12を作製しているため、本明細書においても便宜上「金属線」または「磁性繊維」と「フィラメント」という用語を使い分けているが、これらは長さが異なるだけであり、材質や物性などは本質的に同じものである。よって、以下において、フィラメント12の材質などに関する記述はすべて切断前の金属線または磁性繊維32においても同様に当てはまるものである。
また、磁性繊維を用いる場合は、磁性繊維として例えば以下のようなものを好適に用いることができる。すなわち、樹脂に磁性粉を練り込んで紡糸したもの、磁性粉を含むコーティング剤を繊維状樹脂にコーティングしたもの、バインダーを利用して磁性粉を繊維状樹脂に付着させたものなどであってもよい。このような磁性繊維は当業界において公知である。この場合、磁性体粉体としては、着磁により磁性を帯びるものであれば特に制限なく用いることができるが、強磁性体またはフェリ磁性体が好ましい。具体的には、マグネタイト、マグヘマイト、ヘマタイト、Mn−Znフェライト、Ni−Znフェライト、Ni−Cu−Znフェライト、Ni−Mgフェライト、Cu−Znフェライト、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、Niフェライト、Liフェライト、Caフェライト等のフェライトの粉末、鉄・シリコン合金系磁性粉、サマリウム・コバルト合金系磁性粉、ネオジウム−鉄−ホウ素系磁性粉などの希土類磁性粉が挙げられる。用いられる磁性体粉体の粒子径は特に制限されることはないが、例えば平均粒子径が10μm以下、好ましくは5μm以下程度であればよい。磁性繊維体を形成する繊維としては、ポリエステル繊維、ナイロン(ポリアミド)繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、ポリ塩化ビニル繊維などの合成繊維、木質繊維、木綿、麻繊維、竹、リンター、絹、羊毛などの天然繊維、レーヨンなどの再生セルロース繊維などの有機繊維、ロックファイバー、ガラス繊維、アルミナ繊維、SiC繊維などの無機繊維などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。磁性粉を樹脂繊維に付着させるのに使用されるバインダーとしてはSi系、Ti系、Al系、Zr系などの有機金属化合物が挙げられ、中でもオルガノシランが経済的な観点から好ましい。
金属線または磁性繊維32の径は、前記透明中空繊維の内径より小さいものが用いられる。具体的には、外径として20μmから300μm程度のものが使用できる。20μm未満では、オバートとして用いた時に人間の目に観察されないおそれがある。一方、300μmを超えると、中空繊維の中での移動がスムースでなくなり、磁石を近づけても動かなくなる可能性がある。
着色材料や蛍光材料を金属線または磁性繊維の表面に付着させる方法としては、特に限定されないが、例えば、着色材料や蛍光材料を混入した樹脂材料を溶融押出法などにより金属線表面に被覆する方法、着色材料や蛍光材料とバインダー樹脂を含む塗料を金属線または磁性繊維の表面に塗布する方法、着色材料や蛍光材料を真空蒸着やスパッタなどの方法により金属線または磁性繊維の表面に成膜する方法、などが挙げられる。
前記蛍光材料としては、アクリルオレンジ、9−アミノアクリジン、キナクリン、アリルナフタレンスルホン酸類、アンスロイルオキシステアリン酸、オーラミンO、シアニン色素類、ダンシルクロリド誘導体類、ジフェニルヘキサトリエン、エオシン、ε−アデノシン、エチジウムブロマイド、フルオレセイン系化合物、フォーマイシン、スチルベンジスルホン酸系化合物、NBD−ホスファチジルコリン、オキソノール色素類、パリナリン酸類、ペリレン、ペリレン誘導体、N−フェニル−1−ナフチルアミン、ピレン、ピレン誘導体、サフラニンOなどの有機系の蛍光染料、あるいはそれらが会合した有機系の蛍光顔料、BaSi2O5:Pb、Sr2P2O7:Eu、BaMg2Al16O27:Eu、MgWO4、3Ca3(PO4)2・Ca(F,Cl)2:Sb,Mn、MgGa2O4:Mn、Zn2SiO4:Mn、(Ce,Tb)MgAl11O19、Y2SiO5:Ce,Tb、Y2O3:Eu、YVO4:Eu、(Sr,Mg,Ba)3(PO4)2:Sn、3.5MgO・5MgF2・GeO2:Mnなどの無機系の蛍光顔料が挙げられる。
最後に、前記工程(1)により任意の間隔を介して配置された、隣り合うフィラメントの間のほぼ中間部分に位置する透明中空繊維の部位を切断及び封止する工程(2)を行うことにより、本発明の製造方法における目的物である、フィラメントを内包する透明中空繊維ユニットが製造される。図5a〜dは工程(2)の概念を示した図である。本工程により、フィラメント12を内包する透明中空繊維ユニット11を連続的に製造することができる。なお、図5a〜dでは、中空繊維ユニット1個につきフィラメント1個が内包された透明中空繊維ユニットを作製する場合について例示されている。製造された透明中空繊維ユニットは両末端が封止されているため、フィラメントが中空繊維内部から失われることが無く、透明中空繊維の内部でフィラメントを動かすことにより視認性を変化させるという、偽造防止用紙などに用いられた際の機能は長期にわたって保持される。
また、前記のように該部位を溶融させてから切断する代わりに、先にカッターやレーザー光を用いて切断したのち、切断した中空繊維の端部を封止しても良い。封止方法としては、熱溶融による封止、接着剤による封止など任意の方法が用いられる。
このようにして、透明中空繊維の切断及び封止を行い、これを隣り合うフィラメント間のすべての中間部分について行えば、図5dのように、本発明における目的物である、フィラメント12を内包した透明中空繊維ユニット11を連続的に製造することができる。
また、中空繊維ユニット1個あたりに内包されるフィラメントの数は1個に限らず、2個以上にすることもできる。その場合は、前記工程(1)において、レーザー照射及びフィラメントの引き出し操作の際に、フィラメントの長さやフィラメント間の間隔を適宜設定し、前記工程(2)において、中空繊維ユニット1個について複数のフィラメントが内包されるように、中空繊維の切断および封止を行うことにより、複数のフィラメントが内包された中空繊維ユニットを製造することができる。
酸化亜鉛(東京化成試薬、特級)0.4g、一酸化マンガン(東京化成試薬、特級)0.004gを100mlビーカーに入れ、蒸留水約10mL添加した。次に濃硝酸(関東化学試薬、特級)1mLを添加し攪拌し、酸化物を溶解させた。別のビーカーに水ガラス(関東化学試薬、特級)20mLとり、そこに、先ほど亜鉛とマンガンを溶解させた硝酸塩水溶液を添加した。生成した沈殿を吸引ろ過し、沈殿物を105℃で15分間乾燥させた。乾燥した沈殿物を、今度は磁性るつぼに移し、800℃の電気炉で約1時間加熱した。1時間経過した後、電気炉から磁性るつぼを取り出し、温度が室温に下がるまで放置した。こうして、365nmの励起光によって、緑色に発光する蛍光物質(Zn2SiO4:Mn)を得た。
<蛍光物質を表面に付着させた、磁性体からなる金属線の作製>
PFA樹脂(四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)のペレット100質量部に対して、上記の蛍光物質の合成で作製した蛍光物質を0.1質量部混合し、物理的に均一になるまで攪拌した。この樹脂を次に示す溶融押出法により金属線に被覆した。なお、図6aはここで用いた溶融押出機を横から見た図、図6bは上から見た図である。前記樹脂混合物61を図6aの溶融押出機62のホッパー63から投入し、押出温度250℃で押し出した。押し出された樹脂は、一定速度で流れている金属線66と接触し、冷却されながら均一に金属線66を被覆した。このようにして、蛍光物質を含む樹脂により均一に被覆された金属線32を得ることができた。なお金属線には、冷間加工処理を施した径15μmのJIS規格SUS301のステンレスワイヤ7本を撚り合わせた、径50μmの撚線を使用し、被覆後の径は60μmであった。この金属線の比透磁率は14.0であった。
溶融押出成型機を用い、ノズルの中心部のガス吐出孔から窒素ガスを流しつつ、該中心部の周りのノズルから、ポリカーボネート樹脂を押し出した。押出機温度は250℃にし、窒素ガスをほぼ大気圧に保った。溶融したカーボネート樹脂の押出し速度は0.15kg/hrであった。押出機出口の溶融繊維を引き伸ばし、外径180μm、内径100μmの透明中空繊維を得た。
前記透明中空繊維を長さ50cmに切断したものに、上記で作製した、蛍光物質を表面に付着させた金属線を挿入し、図3のような状態にした。次に、金属線を図3において左方向に少し引き出し、透明中空繊維の中空部の片末端に、長さ30mmの空隙を設けた。その部分の金属線末端から5mm離れた部分(図4aの41)にレーザー光42を照射した。なお、レーザー光源にはYbファイバーレーザー加工装置(SUNX社製LP−F10)を用い、波長1060nmの連続波を10Wの出力で400ms照射した。これにより図4bのように、レーザー光が透明中空繊維を傷つけることなく金属線32を切断し、長さ5mmのフィラメント12が作製された。その後、図4cのように金属線32を再び左側方向に30mm引き出し、金属線先端と前記で作製されたフィラメント12との間に空間を設けた後、再び上記と同様の方法でレーザー光42を照射してフィラメント12を作製した。このような、レーザー光照射によるフィラメント作製工程と、金属線の引き出し操作を繰り返すことにより、図4eのように、中空繊維内部に、一定間隔を介して配置された複数個のフィラメントを作製することができた。
図5aに示すように、前記で中空繊維33の内部に製造された隣り合う各フィラメント12の間の中間地点に相当する中空繊維33の部位を、順番にパルスヒーター51(パルスヒートPHU−IN30、日本アビオニクス社製)によって熱溶融させた。中空繊維は熱溶融と同時に切断され、図5cの状態となり、切断された中空繊維の端部は熱融着のため封止されていた。この操作を繰り返して、図5dのように、フィラメントを内包する透明中空繊維ユニット11が、それぞれの両末端が封止された状態で作製できた。各透明中空繊維ユニットの長さは30mmであった。
用紙の原料としては、水中で濃度が0.5%の針葉樹クラフトパルプ(叩解度:430ccCSF)に紙力増強剤(商品名:AF−255、荒川化学工業製)を絶乾パルプ当り0.1%添加した紙料を用いた。この紙料に、前記で作製された透明中空繊維ユニットを混入し、実験用手すきマシンで坪量70g/m2の紙を抄紙した。乾燥は回転式ドライヤーを使用し90℃で行った。透明中空繊維ユニットが紙の前面に一様に分散し、該透明中空繊維ユニットが容易には剥離しない偽造防止用紙を得た。本偽造防止用紙の紙厚は135μmであった。
前記で作製された偽造防止用紙に波長365nmのブラックライトを当てながら観察したところ、磁石を近づけた部分では、透明中空繊維ユニット内でフィラメントの移動が目視観察できた。よって、目視観察による真贋判定が行えるという偽造防止用紙としての機能が確認できた。
一方、磁気センサー(商品名:ST008型、日本シーディーアール製)のヘッドを本偽造防止用紙表面に当てながら左右にスライドさせた際、ヘッドが透明中空繊維ユニットに近づいた時に、磁気センサーが磁性フィラメントに反応しピーという音が発生した。よって、機械検知により真贋判定が行えるという、偽造防止用紙としての効果も確認した。
<カーボンブラックを表面に付着させた、磁性体からなる金属線の作製>
冷間加工処理を施した径40μmのJIS規格SUS304のステンレスワイヤの表面に、カーボン蒸着機SVC−700TURBO−TM(サンユー電子(株)製)を用いてカーボンブラックを均一に蒸着した。この金属線の比透磁率は14.0であった。
磁石を近づけた部分では、透明中空繊維ユニット内で黒色のフィラメントの移動が目視観察できたことから、目視観察による真贋判定が行えるという偽造防止用紙としての機能が確認できた。
一方、磁気センサー(商品名:ST008型、日本シーディーアール製)のヘッドを本偽造防止用紙表面に当てながら左右にスライドさせた際、ヘッドが透明中空繊維ユニットに近づいた時に、磁気センサーが磁性フィラメントに反応しピーという音が発生した。よって、機械検知により真贋判定が行えるという、偽造防止用紙としての効果も確認した。
透明中空繊維の作製方法において、ポリカーボネート樹脂の代わりにPFA樹脂(四フッ化エチレン−パーフルオロアルコキシエチレン共重合体)を用いた以外は、実施例1と同様にして、中空部に一定間隔を介して配置された複数のフィラメントを有する透明中空繊維を作製した。
図5aに示すように、前記で中空繊維33の内部に製造された隣り合う各フィラメント12の間の中間地点に相当する中空繊維33の部位を、順番にパルスヒーター51によって熱溶融させた。パルスヒーターを当てた各部分52は、内部が熱融着されて封止された状態となった。その各部分に、炭酸ガスレーザーを照射し、該部分の切断を行った。なお、レーザー光源にはCO2レーザマーカ(キーエンス社製ML−G9300)を用い、波長10.6μmの連続波を30Wの出力で40ms照射した。このようにして、図5dのように、フィラメントを内包する透明中空繊維ユニットが、それぞれの両末端が封止された状態で作製できた。各透明中空繊維ユニットの長さは30mmであった。
作製した透明中空繊維ユニットを用い、実施例1と同様にして偽造防止用紙を作製した。
実施例1と同様にして作製された金属線と透明中空繊維を用い、次の方法で透明中空繊維の内部において複数のフィラメントを作製した。
前記透明中空繊維を長さ50cmに切断したものに、上記で作製した、蛍光物質を表面に付着させた金属線を挿入し、図3のような状態にした。次に、金属線を図3において左方向に少し引き出し、透明中空繊維の中空部の片末端に、十分な長さ、例えば20cmの空隙を設けた。その部分の金属線末端から5mm離れた部分(図7aの41)にレーザー光42を照射した。なお、レーザー光源にはYbファイバーレーザー加工装置(SUNX社製LP−F10)を用い、波長1060nmの連続波を10Wの出力で400ms照射した。これにより図4bのように、レーザー光が透明中空繊維を傷つけることなく金属線32を切断し、長さ5mmのフィラメント12が作製された。この金属線へのレーザー照射を、照射部位を5mmずつずらしながら繰り返していくことにより、図7bのように複数のフィラメントを作製した。その後、作製された各フィラメントに、中空繊維の外側から磁石を近づけて、各フィラメントを動かすことにより、図4eのように、中空繊維内部に、一定間隔を介して複数個のフィラメントを配置させた。
これ以降は、実施例1と同様の方法で偽造防止用紙を作製した。
前記で作製された偽造防止用紙に波長365nmのブラックライトを当てながら観察したところ、磁石を近づけた部分では、透明中空繊維ユニット内でフィラメントの移動が目視観察できた。よって、目視観察による真贋判定が行えるという偽造防止用紙としての機能が確認できた。
一方、磁気センサー(商品名:ST008型、日本シーディーアール製)のヘッドを本偽造防止用紙表面に当てながら左右にスライドさせた際、ヘッドが透明中空繊維ユニットに近づいた時に、磁気センサーが磁性フィラメントに反応しピーという音が発生した。よって、機械検知により真贋判定が行えるという、偽造防止用紙としての効果も確認した。
12 磁性体からなるフィラメント
13 透明中空繊維
21 透明中空繊維ユニットを混入した偽造防止用紙
32 (着色材料や蛍光材料を表面に付着させた)金属線または磁性繊維
33 透明中空繊維
41 金属線または磁性繊維において、レーザー光が照射された部位
42 レーザー光
51 パルスヒーターやヒートシーラーなどの熱溶融に用いる器具
52 透明中空繊維の、熱溶融された部位
61 樹脂材料
62 溶融押出機
63 ホッパー
64 スクリュー
65 スリット
66 金属線または磁性繊維
Claims (5)
- 透明中空繊維の中空部に配置された金属線または磁性繊維をレーザー光で切断することにより複数のフィラメントを作製し、作製された各フィラメントを中空繊維の中空部において移動させ、各フィラメントの両側に十分な空隙を設け、設けられた空隙部に位置する透明中空繊維の部位を封止および切断する工程を有することを特徴とする、フィラメントを内包する透明中空繊維ユニットの製造方法。
- 透明中空繊維の中空部に配置された金属線または磁性繊維をレーザー光で切断することによりフィラメントを作製した後、該金属線または磁性繊維を移動させて、該金属線または磁性繊維の末端と作製されたフィラメントとの間に十分な間隔を設け、再びレーザー光を照射してフィラメントを作製するという操作を繰り返し行うことにより、該透明中空繊維の中空部に一定間隔を介して配置された、複数のフィラメントを作製する工程と、前記工程で作製された、任意の隣り合うフィラメント間の略中間部分に位置する透明中空繊維の部位を切断および封止する工程とを有することを特徴とする、請求項1に記載のフィラメントを内包する透明中空繊維ユニットの製造方法。
- 前記レーザー光の波長が近赤外領域にあることを特徴とする、請求項1または2に記載のフィラメントを内包する透明中空繊維ユニットの製造方法。
- 前記レーザー光の光源として、イットリウム−アルミニウム−ガーネット結晶レーザー、イットリウム−四酸化バナジウム結晶レーザー、リチウム−イットリウム−フッ化物結晶レーザー、希土類ドープファイバーレーザー、および半導体レーザーより選ばれる1種のレーザーを用いることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィラメントを内包する透明中空繊維ユニットの製造方法。
- 前記金属線または磁性繊維として撚線を用いることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィラメントを内包する透明中空繊維ユニットの製造方法。
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