JP5064043B2 - 車両の駆動装置 - Google Patents

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Description

この発明は、電動機の駆動力を車両左右の車輪に差動装置を介して伝達する車両の駆動装置に関するものである。
車両の駆動装置として、車両左右の車軸を差動装置に連結するとともに、一方の車軸の外周に同軸に配置した電動機によって差動装置に駆動力を伝達するようにしたものが案出されている(例えば、特許文献1参照)。
この駆動装置は、車軸駆動用の電動機と、その電動機の駆動回転を減速する遊星歯車式減速機が一方の車軸の外周側に同軸に配置され、電動機と遊星歯車式減速機と差動装置が一体のハウジングに収容されている。遊星歯車式減速機は、一方の車軸の外周に配置された電動機のロータにサンギヤが連結され、そのサンギヤがプラネタリギヤに噛合されるとともに、プラネタリキャリアが差動装置のディファレンシャルケースに連結されている。そして、プラネタリギヤはさらにリングギヤに噛合され、そのリングギヤは多板式の制動手段によって適宜制動制御されるようになっている。
この構成により、リングギヤが制動手段によって制動されると、電動機の駆動力は、設定減速比に減速されてプラネタリキャリアを通して差動装置に入力され、その差動装置を介して車両左右の車輪に伝達される。一方、制動手段によるリングギヤの制動が解除されると、プラネタリギヤに噛合されているリングギヤが空転し、その結果、プラネタリキャリアとサンギヤの間の動力伝達が不可となり、車輪と電動機の間の動力伝達が遮断される。
したがって、この駆動装置においては、車輪側回転速度が電動機側回転速度よりも速いとき等に制動手段によるリングギヤの制動を解除することにより、電動機の過剰回転や車軸フリクションの増大を防止することができる。
特開2006−264647号公報
しかし、この従来の駆動装置の場合、差動装置のディファレンシャルケースと遊星歯車式減速機のプラネタリキャリアを連結し、リングギヤに対する制動を制動手段によって適宜解除することによって車輪と電動機の間の動力伝達を遮断するようになっているため、例えば、電動機を停止状態で車輪から切り離して車両走行を行うとき等に、重量物であるディファレンシャルケースやプラネタリキャリア、リングギヤ等が車輪と連動して回転してしまう。このため、上記従来の駆動装置においては、車輪を電動機から切り離して運転するときに車軸フリクションを充分に低減することができず、さらなる車軸フリクションの低減が望まれている。
そこでこの発明は、車輪を電動機側から切り離して運転する場合に充分に車軸フリクションを低減できるようにして、動力損失のより少ない車両の駆動装置を提供しようとするものである。
上記の課題を解決する請求項1に記載の発明は、車輪駆動用の電動機(例えば、後述の実施形態における電動機2)と、この電動機の駆動回転を減速する減速機(例えば、後述の実施形態における遊星歯車式減速機12)と、この減速機の出力を車両左右の車輪に分配する差動装置(例えば、後述の実施形態における差動装置13)と、を備えた車両の駆動装置(例えば、後述の実施形態における駆動装置1)において、車両左右のいずれか一方の車輪と前記差動装置の間に、動力接続と遮断を行う噛み合い式断接手段(例えば、後述の実施形態におけるシンクロメッシュ機構37)を設け、前記断接手段は、車軸と同軸上に配置したピストン(例えば、後述の実施形態における制御ピストン50)に油圧を作用させることによって断接を切換える油圧式断接手段によって構成し、前記ピストンの設定変位時に同ピストンと当接して前記断接手段の断接状態を検出する状態検出スイッチ(例えば、後述の実施形態における状態検出スイッチ68)を設けるとともに、この状態検出スイッチをハウジングの周壁(例えば、後述の実施形態における周壁11a)に斜めに傾斜させて設置したことを特徴とする。
これにより、一方の車輪と差動装置の間が断接手段によって接続されると、左右の車輪が差動装置と減速機を介して電動機に接続される。したがって、この状態で電動機が駆動されると、電動機の動力が減速機で設定減速比に減速され、差動装置を介して左右の車輪に分配される。また、一方の車輪と差動装置の間が断接装置によって遮断されると、差動装置の一方の車輪側がほぼ無負荷状態とされるため、差動装置に接続された他方の車輪はディファレンシャルケースに殆ど動力を伝達せずに回転する。したがって、この状態では車輪側から差動装置や減速機を介して電動機側に回転力が伝達されなくなる。
また、この発明の場合、噛み合い式の断接手段が噛合されて動力接続状態にされると、その後は大きなエネルギーを付与し続けなくても接続状態が維持される。また、多板クラッチのような摩擦係合式の断接手段と異なり、動力遮断状態での回転抵抗が生じにくくなる。
また、この発明においては、円周方向でほぼ均一な力がピストンから噛み合い式の断接手段に作用し、安定した動力の断接操作が行われるようになる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、車両左右のいずれか一方の車輪と前記差動装置を接続する車軸(例えば、後述の実施形態における車軸10B)の周囲に前記電動機を配置したことを特徴とする。
これにより、電動機は車軸回りにコンパクトに配置されるようなる。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の車両の駆動装置において、前記減速機を遊星歯車式減速機(例えば、後述の実施形態における遊星歯車式減速機12)によって構成し、この遊星歯車式減速機を、車両左右のいずれか一方の車輪と前記差動装置を接続する車軸の外周に配置し、前記遊星歯車式減速機のリングギヤ(例えば、後述の実施形態におけるリングギヤ24)を、車体固定のハウジング(例えば、後述の実施形態におけるハウジング11)の内側に結合した。
これにより、電動機の動力は、遊星歯車式減速機のサンギヤとプラネタリキャリアのうちの一方に入力され、他方に出力されることになるが、このときリングギヤは車体固定のハウジングに結合されているため、電動機の動力は充分に大きく減速されて確実に差動装置に伝達されるようになる。また、遊星歯車式減速機は車軸回りにコンパクトに配置されるようになる。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の車両の駆動装置において、前記遊星歯車式減速機のプラネタリギヤ(例えば、後述の実施形態におけるプラネタリギヤ22)を、サンギヤ(例えば、後述の実施形態におけるサンギヤ21)に噛合される大径の第1ギヤ(例えば、後述の実施形態における第1ギヤ26)の軸方向側部に小径の第2ギヤ(例えば、後述の実施形態における第2ギヤ27)が一体に設けられた構成とし、前記第2ギヤの外周側に同ギヤと噛合される前記リングギヤを配置したことを特徴とする。
この場合、リングギヤは、プラネタリギヤの小径の第2ギヤの外周側に配置されるため、サンギヤに直接噛合される第1ギヤの外周側に配置するときに比較して外径を小さくすることができる。したがって、リングギヤを収容するハウジングの外径を小さくすることができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の駆動装置において、前記電動機によって駆動されて前記断接手段に作動液を供給するオイルポンプ(例えば、後述の実施形態におけるオイルポンプ75)を、前記電動機と前記断接手段の間に配置したことを特徴とする。
これにより、電動機によって駆動されるオイルポンプが断接手段に近接して配置され、そのオイルポンプから供給される作動液によって断接手段が操作されるようになる。したがって、車輪と差動装置の間の動力接続と遮断を迅速に行うことが可能になる。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の駆動装置において、前記断接手段は、前記電動機が作動状態のときに接続状態となり、前記電動機が非作動状態のときに遮断状態となるように制御することを特徴とする。
これにより、電動機による車輪駆動や回生発電の際にのみ左右の車輪が差動装置を介して相互に接続されて左右の車輪と電動機が動力伝達可能な状態となり、電動機を作動させない他の状況では、差動装置を介した左右の車輪の接続が遮断され、左右の車輪と電動機の間が動力伝達不可の状態となる。したがって、車両運転時におけるエネルギー損失を有効に低減することができる。
この発明によれば、車両左右のいずれか一方の車輪と差動装置の間に動力接続と遮断を行う断接手段を設け、断接手段による遮断操作によってディファレンシャルケースや減速機側に殆ど動力を伝達せずに左右の車輪を回転させられるようにしたため、車輪を電動機側から切り離して運転する場合に、ディファレンシャルケースや減速機の連れ回りを無くして、充分に車軸フリクションを低減することができる。したがって、車輪を電動機側から切り離して運転する場合における車両の動力損失を確実に低減することができる。
特に、請求項1に係る発明は、噛み合い式の断接手段を、車軸と同軸上に配置したピストンに油圧を作用させることによって断接を切換える油圧式断接手段によって構成し、ピストンの設定変位時に同ピストンと当接して断接手段の断接状態を検出する状態検出スイッチを設けるとともに、この状態検出スイッチをハウジングの周壁に斜めに傾斜させて設置するようにしたため、状態検出スイッチがハウジング内を軸方向で大きく占有することがなくなるため、ハウジングの軸長の短縮が可能になる。
以下、この発明の一実施形態を図1〜図5に基づいて説明する。
この発明にかかる駆動装置1は、電動機2を車輪駆動用の駆動源とするものであり、例えば、図1に示すような駆動システムの車両3に用いられる。
図1に示す車両3は、内燃機関4と電動機5が直列に接続された駆動ユニット6を有するハイブリッド車両であり、この駆動ユニット6の動力がトランスミッション7を介して前輪Wf側に伝達される一方で、この駆動ユニット6と別に設けられたこの発明にかかる駆動装置1の動力が後輪Wr側に伝達されるようになっている。駆動ユニット6の電動機5と後輪Wr側駆動装置1の電動機2は、PDU8(パワードライブユニット)を介してバッテリ9に接続され、バッテリ9からの電力供給と、各電動機5,2からバッテリ9へのエネルギー回生がPDU8を介して行われるようになっている。
図2は、駆動装置1の全体の縦断面図を示すものであり、同図において、10A,10Bは、車両の後輪側の左右の車軸である。駆動装置1のハウジング11は、両車軸10A,10Bのほぼ中間位置から一方の車軸10Bの外周側を覆うように設けられ、車両3(図1参照)の後部下方に車軸10Bとともに支持固定されている。また、ハウジング11は全体が略円筒状に形成され、その内部には、車軸駆動用の電動機2と、この電動機2の駆動回転を減速する遊星歯車式減速機12(減速機)と、この遊星歯車式減速機12の出力を左右の車軸10A,10Bに分配する差動装置13が車軸10Bと同軸になるように収容配置されている。
ハウジング11内の軸方向略中央位置には、電動機2のステータ14が固定設置され、このステータ14の内周側に環状のロータ15が回転可能に配置されている。ロータ15の内周部には車軸10Bの外周側を囲繞する円筒軸16が結合され、この円筒軸16が車軸10Bと同軸となるようにハウジング11内に回転可能に支持されている。また、円筒軸16の外周とハウジング11の間には、ロータ15の回転位置情報を電動機2のコントローラ(図示せず)にフィードバックするためのレゾルバ20が設けられている。
遊星歯車式減速機12は、円筒軸16の一端側外周に一体に設けられたサンギヤ21と、このサンギヤ21に噛合される複数のプラネタリギヤ22と、これらのプラネタリギヤ22を支持するプラネタリキャリア23と、プラネタリギヤ22の外周側に噛合されるリングギヤ24とを備え、サンギヤ21から電動機2の駆動力が入力され、減速された駆動力がプラネタリキャリア23を通して出力されるようになっている。
プラネタリギヤ22は、サンギヤ21に直接噛合される大径の第1ギヤ26と、この第1ギヤ26よりも小径の第2ギヤ27を有し、これらの第1ギヤ26と第2ギヤ27が同軸にかつ軸方向にオフセットした状態で一体に形成されている。リングギヤ24は、ハウジング11内の第1ギヤ26の軸方向側方に対面する位置に固定設置され、その内周面が小径の第2ギヤ27に噛合されている。この実施形態の場合、リングギヤ24の最大半径は、第1ギヤ26の車軸10Bの中心からの最大距離よりも小さくなるように設定されている。
一方、差動装置13は、内面側に回転可能なピニオン30が突設されたディファレンシャルケース31と、このディファレンシャルケース31内においてピニオン30に噛合される一対のサイドギヤ32a,32bを備え、これらの各サイドギヤ32a,32bが左右の車軸10A,10Bに夫々結合されている。ディファレンシャルケース31には、遊星歯車式減速機12の前述のプラネタリキャリア23が一体に結合されている。なお、ディファレンシャルケース31はハウジング11内に回転可能に支持されている。
ところで、車軸10Bは、一端に差動装置13の前記サイドギヤ32bが設けられる第1軸34と、この第1軸34の他端に一体回転可能に結合された接続ハブ35と、ハウジング11内の差動装置13と逆側の軸方向の端部に回転可能に設けられた第2軸36とを備え、第2軸36が右側車輪(図示せず)に接続されるとともに、接続ハブ35と第2軸36が断接手段であるシンクロメッシュ機構37を介して接続状態と遮断状態を任意に変更し得るようになっている。
接続ハブ35は、図3にも示すように、第1軸34にスプライン嵌合される軸部38と、軸部38の端部に一体に形成されたフランジ部39とを備え、フランジ部39の外周に、スプラインギヤ40が設けられるとともに、このスプラインギヤ40に対して一段縮径して先細り状に傾斜するテーパ面41が設けられている。
車輪側の第2軸36は、一端に右車輪側の図示しない接続ロッドがスプライン嵌合される軸部42と、この軸部42の接続ハブ35側の端部に一体に形成されたフランジ部43とを備え、フランジ部43の外周に接続ハブ35方向に突出する円筒壁44が設けられるとともに、この円筒壁44の外周面に、接続ハブ35のスプラインギヤ40と同径のスプラインギヤ45が形成されている。
シンクロメッシュ機構37は、所謂トリプルコーン式のシンクロメッシュ機構であり、接続ハブ35のテーパ面41と第2軸36の円筒壁44の間に介装された3層の摩擦伝達部材であるアウタリング46、シンクロコーン47、及び、インナリング48と、第2軸36のスプラインギヤ45の外周に軸方向にスライド可能にスプライン嵌合されるシンクロスリーブ49と、このシンクロスリーブ49を軸方向に進退作動させる制御ピストン50(ピストン)と、を備えている。このシンクロメッシュ機構37は、シンクロスリーブ49が制御ピストン50によって接続ハブ35方向に操作されたときに、アウタリング46、シンクロコーン47、インナリング48と接続ハブ35が隣接する各テーパ面を通して摩擦接触し、接続ハブ35と第2軸36の間に回転速度差がある場合に、その回転速度差を各テーパ面間の摩擦抵抗によって漸減するようになっている。そして、シンクロスリーブ49は、接続ハブ35と第2軸36の回転速度差が充分に低くなってさらに接続ハブ35方向に操作されると、その内周面に形成された内スプライン(符号省略)が第2軸36と接続ハブ35のスプラインギヤ45,40に跨って噛合され、それによって第1軸34と第2軸36を結合するようになっている。また、シンクロスリーブ49は、第1軸34と第2軸36が結合された状態から制御ピストン50が接続ハブ35から離間する方向に操作されると、接続ハブ35のスプラインギヤ40との噛合が解除され、それによって第1軸34と第2軸36の接続を遮断する。
制御ピストン50は、ハウジング11の端部寄りの周壁11aに摺動自在に嵌合される略円筒状のガイド壁51と、ハウジング11の端部壁11bに円環状に凹設されたシリンダ部52に摺動自在に嵌合される円環状のピストン本体53と、ガイド壁51とピストン本体53を結合する円筒状の連結壁54と、を備えている。また、ハウジング11の端部壁11bには制御ピストン50の連結壁54の内周面に摺動自在に当接する円環状のシール壁55が固定されている。そして、ピストン本体53は、シリンダ部52とシール壁55と連結壁54との間で解除側作動室56を形成するとともに、シリンダ部52の底部との間で接続側作動室57を形成している。解除側作動室56と接続側作動室57はそれぞれ後述する油圧回路58の給排通路59,60(図4参照)に接続されている。なお、図2,図3においては、ハウジング11の中心軸線を挟んで上側ではシンクロメッシュ機構37が接続された状態を示し、下側ではシンクロメッシュ機構37が遮断された状態を示している。
また、制御ピストン50のガイド壁51の内周には環状の保持リング61が取り付けられ、シンクロスリーブ49の外周に突設された係止爪49aがこの保持リング61によって係止されるようになっている。したがって、シンクロスリーブ49は保持リング61を介して制御ピストン50に係止され、制御ピストン50の作動に応じて進退操作されるようになっている。
ハウジング11の周壁11aと制御ピストン50のガイド壁51の間には、制御ピストン50を前後の設定制御位置(接続側の制御位置と解除側の制御位置)に位置決めするためのディテント機構62が設けられている。このディテント機構62は、ガイド壁51の外周面に軸方向に沿って設けられた接続側および解除側の各位置決め溝63,64と、ハウジング11の周壁11aを貫通して設けられたボール保持器65と、ボール保持器65に進退自在に保持されたボール66と、このボール66を制御ピストン50の軸心方向に付勢するスプリング67によって構成されている。このディテント機構62は、制御ピストン50が前後のいずれか一方に油圧制御されたときに、その操作方向にある位置決め溝63または64にボール66がスプリング付勢されて嵌合されることにより、制御ピストン50を軸方向前後のいずれかの設定制御位置に位置決めする。
また、ハウジング11の周壁11aと端部壁11bには、制御ピストン50の制御位置からシンクロメッシュ機構37の断接状態を検出する一対の状態検出スイッチ68,69が設けられている。この状態検出スイッチ68,69は、図3に示すように先端部にボール70を保持する検出ピストン71がケーシング78内に収容され、ボール70に作用する外力によって検出ピストン71が設定量押し込まれたときにスイッチ本体部72がオン状態にされ、スイッチ本体部72からオン信号が図示しないコントローラに出力されるようになっている。一方の状態検出スイッチ68は、ハウジング11の周壁11aに斜めに傾斜して設置され、その先端部が周壁11aを貫通してハウジング11内に突出しており、他方の状態検出スイッチ69は、ハウジング11の端部壁11bに軸方向に沿って設置され、その先端部が端部壁11bを貫通してハウジング11内に突出している。制御ピストン50のガイド壁51の外周には一方の状態検出スイッチ68の先端部との干渉を回避するための窪み部73が設けられるとともに、ガイド壁51の端部壁11b寄りの外周縁部には、制御ピストン50の作動位置に応じて状態検出スイッチ68,69の各ボール70が選択的に当接するテーパ状のスイッチ作動片74が設けられている。なお、この実施形態の場合、周壁11aに設置される状態検出スイッチ68がシンクロメッシュ機構37の接続状態(オン状態)を検出し、端部壁11bに設置される状態検出スイッチ69がシンクロメッシュ機構37の遮断状態(オフ状態)を検出する。
また、ハウジング11内の電動機2とシンクロメッシュ機構の37の間には、図2に示すように、ハウジング11内の底部から汲み上げた作動液を制御ピストン50やハウジング11内の冷却通路、潤滑通路、さらにリザーバタンク80への戻し通路に供給するためのオイルポンプ75が固定設置されている。このオイルポンプ75は、電動機2の駆動力を受けて作動するポンプであり、例えばトロコイド型のポンプによって構成されている。なお、図2中81は、オイルポンプ75の吸入部に設けられたオイルストレーナである。
ここで、図4に示す油圧回路58について説明する。
この油圧回路58は、ハウジング11内の底部の作動液を吸い上げて吐出するオイルポンプ75と、オイルポンプ75から吐出された作動液を高圧のライン通路82と低圧通路83に振り分けるレギュレータバルブ84と、シンクロメッシュ機構37の制御ピストン50を制御するための給排通路59,60に対してライン通路82を選択的に導通させる給排切換えバルブ85と、を備え、レギュレータバルブ84と給排切換えバルブ85が夫々電磁式の制御バルブ86,87によって操作されるようになっている。なお、以下では、説明の都合上レギュレータバルブ84を操作する制御バルブ86をH/Lソレノイド86と呼び、給排切換えバルブ85を操作する制御バルブ87をSYNソレノイド87と呼ぶものとする。
レギュレータバルブ84は、バルブ収容室(符号省略)内に摺動自在に収容された制御スプール88と、バルブ収容室の略中央部の内周面に形成されてポンプ側通路89とライン通路82を常時連通させる環状の供給ポート90と、バルブ収容室の供給ポート90に隣接する位置に形成されて低圧通路83に連通する環状の排出ポート91と、バルブ収容室の一端側(図中右側)に配置されて制御スプール88を他端側(図中左側)に付勢するスプリング92と、バルブ収容室の他端に設けられて制御スプール88にスプリング92の力に抗する方向にライン通路82の圧力を作用させるライン圧導入ポート93と、スプリング92の収容されるバルブ収容室の一端側に設けられて後述するH/Lソレノイド86による制御圧が導入されるスプール制御ポート94とを備えている。
このレギュレータバルブ84は、スプール制御ポート94がH/Lソレノイド86によって低圧(ドレン圧)に制御されているときには、ライン圧導入ポート93を通して制御スプール88に作用するライン圧がスプリング92の付勢力に打ち勝ち、制御スプール88を図4中右側に移動させて供給ポート90を排出通路91に導通させる。このため、このときオイルポンプ75から吐出された作動液はレギュレータバルブ84を介して低圧通路83側に供給される。一方、この状態からスプール制御ポート94がH/Lソレノイド86によって高圧(ライン圧)に制御されると、ライン圧導入ポート93とスプール制御ポート94を通して制御スプール88に作用する力が釣り合い、制御スプール88はスプリング92の力によって図4中左側に移動する。このため、このときオイルポンプ75から吐出された作動液はレギュレータバルブ84を通してほぼ全量がライン通路82に供給される。
H/Lソレノイド86は、ソレノイドのオン・オフによって操作される2位置3ポート型の切換弁であり、ライン通路82に接続されるライン側ポート95と、レギュレータバルブ84のスプール制御ポート94と後述する給排切換えバルブ85の第2給排ポート110に導通する制御ポート96と、ドレン通路に接続されるドレンポート97とを備えている。このH/Lソレノイド86は、図示しないコントローラによってオン・オフ制御され、オフ制御時には制御ポート96をドレンポート97に接続し、オン制御時にはライン側ポート95を制御ポート96に接続するようになっている。つまり、H/Lソレノイド86のオフ制御時には、レギュレータバルブ84のスプール制御ポート94が低圧状態にされて同バルブ84がポンプ側通路89と低圧通路83を接続し、H/Lソレノイド86のオン制御時には、レギュレータバルブ84のスプール制御ポート94が高圧状態にされて同バルブ84がポンプ側通路89とライン通路82を接続する。
また、給排切換えバルブ85は、バルブ収容室(符号省略)内に摺動自在に収容された制御スプール108と、バルブ収容室の略中央部に軸方向に並んで設けられ、それぞれライン通路82とH/Lソレノイド86のバルブ制御ポート96に接続される環状の第1,第2給排ポート109,110と、バルブ収容室の第1給排ポート109に隣接する位置に設けられ、制御ピストン50の接続側作動室57に接続される環状の接続側ポート111と、バルブ収容室の接続側ポート111に隣接する位置に設けられた第1ドレンポート107と、バルブ収容室の第2給排ポート110に隣接する位置に設けられ、制御ピストン50の解除側作動室56に接続される環状の解除側ポート112と、バルブ収容室の解除側ポート112に隣接する位置に設けられた第2ドレンポート106と、バルブ収容室の一端側(図中右側)に配置されて制御スプール108を他端側(図中左側)に付勢するスプリング113と、バルブ収容室の他端に設けられてSYNソレノイド87による制御圧が導入されるスプール制御ポート114とを備えている。
この給排切換えバルブ85は、スプール制御ポート114がSYNソレノイド87によって低圧(ドレン圧)に制御されているときには、制御スプール108をスプリング113の付勢力によって図4中左側に移動させて、第2給排ポート110を解除側ポート112に導通させるとともに、接続側ポート111を第1ドレンポート107に導通させる。このとき、H/Lソレノイド86がオフ制御にされている場合には、解除側ポート112(解除側作動室56)と接続側ポート111(接続側作動室57)がともにドレン圧になって制御ピストン50が非作動状態にされ、H/Lソレノイド86がオン制御にされている場合には、解除側ポート112(解除側作動室56)がライン圧になる一方で接続側ポート111(接続側作動室57)がドレン圧になり、その結果、制御ピストン50がシンクロ解除方向に作動する。
一方、この状態からスプール制御ポート114がSYNソレノイド87によって高圧(ライン圧)に制御されると、制御スプール108がスプリング113の付勢力に打ち勝って図4中右側に移動し、第1給排ポート109を接続側ポート111に導通させるとともに、解除側ポート112を第2ドレンポート106に導通させる。これにより、このとき接続側ポート112(接続側作動室57)がライン圧になる一方で解除側ポート112(解除側作動室56)がドレン圧になり、その結果、制御ピストン50がシンクロ接続方向に作動する。
SYNソレノイド87は、ソレノイドのオン・オフによって操作される2位置3ポート型の切換弁であり、ライン通路82に接続されるライン側ポート116と、給排切換バルブ85のスプール制御ポート114に接続される制御ポート117と、ドレン通路に接続されるドレンポート118とを備えている。このSYNソレノイド87は、H/Lソレノイド86と同様に図示しないコントローラによってオン・オフ制御され、オフ制御時には制御ポート117をドレンポート118に接続し、オン制御時にはライン側ポート116を制御ポート117に接続するようになっている。つまり、SYNソレノイド87のオフ制御時には、給排切換えバルブ85のスプール制御ポート114が低圧状態にされて、同バルブ85が第2給排ポート110を解除側ポート112に接続するともに接続側ポート111を第1ドレンポート107に接続し、SYNソレノイド87のオン制御時には、給排切換えバルブ85のスプール制御ポート114が高圧状態にされて、同バルブ85が第1給排ポート109を接続側ポート111に接続するとともに、解除側ポート112を第2ドレンポート106に接続する。
なお、図4中、120は、ライン通路82の圧力を検出してその信号をコントローラに出力する圧力センサであり、121は、ライン通路82に設けられたリリーフバルブである。また、122は、低圧通路83の油圧を調圧し、かつレギュレータバルブ84から低圧通路83に大流量が流れたときにレギュレータバルブ84の直下位置からオイルポンプ75に作動液を戻す還流バルブである。
以下、この駆動装置1の電動機2によって車両を発進し、車両の速度が設定速度に達したときに内燃機関4によるクルーズ走行に移行し、さらにその後に内燃機関4と電動機2の並列駆動によって急加速を行う場合を例にして各部の作動を説明する。なお、シンクロメッシュ機構37は車両の停止時にオン状態(接続状態)にされているものとする。
車両の発進時に電動機2が始動されると、電動機2の駆動力が遊星歯車式減速機12によって設定減速比に減速され、さらに差動装置13を介して左右の車軸10A,10Bに伝達される。このとき、シンクロメッシュ機構37は接続状態とされているため、差動装置13で分配された駆動力は左右の車軸10A,10Bを通して車輪に伝達される。
なお、この発進直後には、H/Lソレノイド86とSYNソレノイド87はオフ状態とされている(図5中の下段参照)。したがって、電動機2の始動とともにオイルポンプ75の回転速度が上昇して、図4に示すライン通路82の圧力が上昇すると、レギュレータバルブ84のライン圧導入ポート93の圧力が高まり、レギュータバルブ84の制御スプール88が図中右側に移動する。これにより、供給ポート90と排出ポート91が接続され、オイルポンプ75から吐出された作動液は低圧通路83に供給される。
電動機2の駆動力が車輪に伝達されて車速が設定速度に達し、コントローラによってクルーズ運転条件に達したものと判定されると、コントローラがH/Lソレノイド86をオンにして、同ソレノイド86のライン側ポート95をバルブ制御ポート96側に接続する。こうして、バルブ制御ポート96に高圧のライン圧が導入されると、レギュレータバルブ84が図4中の左側に移動し、オイルポンプ75から吐出された作動液のほぼ全流量がライン通路82に供給されるとともに、ライン通路82の作動液がバルブ制御ポート96を通して給排切換えバルブ85の第2給排ポート110に供給される。このとき、SYNソレノイド87はオフ状態とされているため(図5中の中断参照)、給排切換えバルブ85は第2給排ポート110を解除側ポート112に接続し、接続側ポート111を第1ドレンポート107に接続している。したがって、このとき解除側作動室56に高圧の作動液が供給される一方で接続側作動室57から作動液が排出され、その結果、制御ピストン50がシンクロ解除方向に作動してシンクロメッシュ機構37を解除状態にする。なお、このとき制御ピストン50はディテント機構62によって確実にシンクロ解除位置に維持される。
こうして、シンクロメッシュ機構37による接続が解除され、そのことが状態検出スイッチ69によって検出されると、コントローラが電動機2の作動を停止するとともに内燃機関4を始動し、その後にH/Lソレノイド86を再度オフにする。このとき、解除側作動室56と接続側作動室57の作動液がともにドレンされるが、シンクロメッシュ機構37は一度噛み合いが解除されると、その状態が維持されるため、解除側作動室56には高圧を作用させ続ける必要はない。
ところで、上記のようにシンクロメッシュ機構37が解除されると、差動装置13と右側車輪の接続が遮断されるため、右側車輪がフリー状態で回転するようになるとともに、差動装置13の右側のサイドギヤ32bがほぼ無負荷状態となる。このため、左側の車輪の回転力は、左側のサイドギヤ32aからディファレンシャルケース31に殆ど伝達されることなく、右側のサイドギヤ32b(右側の車軸10Bの第1軸34)のみを回転させることになる。したがって、このとき左右の車輪の回転は、差動装置13のディファレンシャルケース31部分で遮断され、遊星歯車式減速機12や電動機2には伝達されなくなる。この結果、車輪の回転に電動機2が引きずられて回転することがなくなるのは勿論のこと、ディファレンシャルケース31や遊星歯車式減速機12の連れ回りも生じなくなる。
また、上記のクルーズ走行条件から急加速条件に移行し、そのことがコントローラによって判定されると、コントローラが、電動機2を再始動させて現在の車速に合致するように電動機2の回転速度を制御するとともに、H/Lソレノイド86をオンにし、同ソレノイド86のライン側ポート95をバルブ制御ポート96側に接続して、オイルポンプ75からの作動液の供給をレギュレータバルブ84によってライン通路82側のみに切換える。この後、コントローラがSYNソレノイド87をオンにして(図5中の上段参照)、同ソレノイド87のライン側ポート116を制御ポート117に接続し、給排切換えバルブ85を図4中の右側に移動させる。これにより、給排切換えバルブ85は第1給排ポート109を接続側ポート111に接続するとともに、解除側ポート112を第2ドレンポート106に接続するようになる。したがって、このとき接続側作動室57に高圧の作動液がライン通路82から供給される一方で解除側作動室56から作動液が排出され、その結果,制御ピストン50がシンクロ接続方向に作動してシンクロメッシュ機構37を接続状態にする。なお、このときも制御ピストン50はディテント機構62によって確実にシンクロ接続位置に維持される。
こうしてシンクロメッシュ機構37が接続され、そのことが状態検出スイッチ68によって検出されると、コントローラがH/Lソレノイド86をオフにし、その後にSYNソレノイド87をつづけてオフにする。こうして、H/Lソレノイド86とSYNソレノイド87がともにオフにされると、接続側作動室57と解除側作動室56の作動液がドレンされるが、シンクロメッシュ機構37は一度噛み合い状態にされると、その状態が維持されるため、接続側作動室57には高圧を作用させ続ける必要はない。このときオイルポンプ75から吐出された作動液は再び低圧通路83に供給されるようになる。
また、こうしてシンクロメッシュ機構37が接続されると、電動機2の駆動力が遊星歯車式減速機12と差動機構13を介して左右の車輪に伝達され、内燃機関4と電動機4の動力を併せた加速が行われることになる。
この駆動装置1を採用した車両においては、以上で説明した走行条件以外においもH/Lソレノイド86とSYNソレノイド87の同様のオン・オフ制御によってシンクロメッシュ機構37の接続と遮断を適宜行うことができ、例えば、車両の減速時に両ソレノイド86,87を一度オンにすることによって電動機2による回生発電を行わせることもできる。
以上のように、この駆動装置1においては、右側車輪と差動装置13を接続する一方の車軸10B中にシンクロメッシュ機構37が設けられ、このシンクロメッシュ機構37によって右側車輪と差動装置13の接続を遮断することにより、左右の車輪の回転がディファレンシャルケース31に伝達されるのを阻止できるようになっているため、車輪を電動機2から切り離して運転する場合に、電動機2だけでなく重量物であるディファレンシャルケース31や遊星歯車式減速機12の連れ回りを防止することができる。したがって、この駆動装置1を採用することにより、車輪を電動機2側から切り離して運転する場合における車軸フリクションを大幅に低減し、車両の動力損失を確実に減少させることができる。
また、この駆動装置1においては、一方の車軸10Bの周囲に電動機2が同軸に配置されているため、装置の全体の外径を小さくすることができる。したがって、車両における駆動装置1の占有面積を縮小することができため、車両レイアウトを有利にすることができる。
さらに、この駆動装置1においては、電動機2の駆動力を減速して差動装置13に伝達する減速機として、リングギヤ24がハウジング11の内周面に結合される遊星歯車式減速機12を採用しているため、車軸10B回りの外径を大きくすることなく、電動機2から差動装置13に伝達される動力を充分に大きく減速することができる。
特に、駆動装置1で採用している遊星歯車式減速機12の場合、プラネタリギヤ22を、サンギヤ21に噛合される大径の第1ギヤ26とこの第1ギヤ26よりも小径の第2ギヤ27を同軸に設けた構造とし、リングギヤ24を第1ギヤ26の軸方向側部に配置して第2ギヤ27に噛合するようにしているため、サンギヤ21と噛合するプラネタリギヤ22のギヤ部の径を大きく維持したまま、リングギヤ24の外径を充分に小さくすることができる。このため、充分に大きな減速比を確保したまま、車軸10B回りの外径をより小さくすることができる。
また、この駆動装置1においては、電動機2の動力で作動するオイルポンプ75をハウジング11内の電動機2とシンクロメッシュ機構37の間に配置し、そのオイルポンプ75で発生した油圧によってシンクロメッシュ機構37を制御するようになっているため、オイルポンプ75とシンクロメッシュ機構37の操作部の間の油路を短くして迅速なシンクロメッシュ機構37の作動を得ることができる。
また、一方の車輪と差動装置の間で動力接続と遮断を行う断接手段は、シンクロメッシュ機構37に限らず摩擦クラッチ等の他の機構を採用することも可能であるが、この実施形態のシンロメッシュ機構37のような噛み合い式断接手段を用いた場合には、動力接続時や遮断時に付与する押圧力は短時間の間一時的に付与するのみで済み、その分エネルギーの損失を低減するうえで有利となる。また、シンロメッシュ機構37のような噛み合い式断接手段においては、多板クラッチ等に比較して遮断状態での摺動抵抗が少なく、その分動力損失を低減することができる。
さらに、この実施形態の駆動装置1においては、シンクロメッシュ機構37のシンクロスリーブ49を操作する略円環状の制御ピストン50を、車軸10Bやシンクロスリーブ49と同軸に配置し、その制御ピストン50に油圧を作用させてシンクロメッシュ機構37の接続と遮断を行うようになっているため、常に円周方向でバランスした均一な力をシンクロスリーブ49に作用させて、安定した断接操作を行うことができるという利点がある。
また、この実施形態の場合、制御ピストン50の進退位置を基にシンクロメッシュ機構37の断接状態を検出する状態検出スイッチ68,69のうちの、接続検出側の状態検出スイッチ68がハウジング11の周壁11aに斜めに傾斜させて配置されているため、状態検出スイッチ68がハウジング11内の軸方向を占有する面積が小さくなり、その分ハウジング11の軸長の短縮を図ることができるという利点もある。
また、この駆動装置1においては、シンクロメッシュ機構37の接続が、基本的に、電動機2による車両駆動や回生発電等が行われる電動機2の作動時にのみ為されるように制御ピストン50が制御されるため、電動機2を作動させない状況での車軸フリクションを低減し、車両運転時におけるエネルギー損失を減少させることができる。
なお、この発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更が可能である。例えば、上記の実施形態においては、この発明にかかる駆動装置を後輪側に採用したが、同様に前輪側に採用することも可能である。
この発明の一実施形態の駆動装置を適用する車両のレイアウトを示す概略構成図。 同実施形態の駆動装置を示す縦断面図。 同実施形態を示す図2の一部を拡大した断面図。 同実施形態を示す油圧回路図。 同実施形態のSYNソレノイドとH/Lソレノイドの作動状態を記号で示す図。
符号の説明
1…駆動装置
2…電動機
10B…車軸
11…ハウジング
11a…集壁
12…遊星歯車式減速機(減速機)
13…差動装置
21…サンギヤ
22…プラネタリギヤ
23…プラネタリキャリア
24…リングギヤ
26…第1ギヤ
27…第2ギヤ
37…シンクロメッシュ機構(断接手段,油圧式断接手段,噛み合い式断接手段)
50…制御ピストン(ピストン)
68…状態検出スイッチ
75…オイルポンプ

Claims (6)

  1. 車輪駆動用の電動機と、
    この電動機の駆動回転を減速する減速機と、
    この減速機の出力を車両左右の車輪に分配する差動装置と、
    を備えた車両の駆動装置において、
    車両左右のいずれか一方の車輪と前記差動装置の間に、動力接続と遮断を行う噛み合い式の断接手段を設け、
    前記断接手段は、車軸と同軸上に配置したピストンに油圧を作用させることによって断接を切換える油圧式断接手段によって構成し、
    前記ピストンの設定変位時に同ピストンと当接して前記断接手段の断接状態を検出する状態検出スイッチを設けるとともに、
    この状態検出スイッチをハウジングの周壁に斜めに傾斜させて設置したことを特徴とする車両の駆動装置。
  2. 車両左右のいずれか一方の車輪と前記差動装置を接続する車軸の周囲に前記電動機を配置したことを特徴とする請求項1に記載の車両の駆動装置。
  3. 前記減速機を遊星歯車式減速機によって構成し、
    この遊星歯車式減速機を、車両左右のいずれか一方の車輪と前記差動装置を接続する車軸の外周に配置し、
    前記遊星歯車式減速機のリングギヤを、車体固定のハウジングの内側に結合したことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の駆動装置。
  4. 前記遊星歯車式減速機のプラネタリギヤを、サンギヤに噛合される大径の第1ギヤの軸方向側部に小径の第2ギヤが一体に設けられた構成とし、
    前記第2ギヤの外周側に同ギヤと噛合される前記リングギヤを配置したことを特徴とする請求項3に記載の車両の駆動装置。
  5. 前記電動機によって駆動されて前記断接手段に作動液を供給するオイルポンプを、前記電動機と前記断接手段の間に配置したことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の車両の駆動装置。
  6. 前記断接手段は、前記電動機が作動状態のときに接続状態となり、前記電動機が非作動状態のときに遮断状態となるように制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両の駆動装置。
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