JP5062615B2 - 遮熱性に優れた天然繊維調メッシュシート - Google Patents
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Description
そこで昨今では、天然繊維調の和み外観を有し、しかも遮熱効果・耐久性・外界透視性に優れた日除け材、ブラインド材が望まれている。
前記不定形金属酸化物粒子が、シリカ又はアルミナによりコーティングされた酸化チタン粒子であって、その粒子径分布が、0.3〜3.0μmの範囲内にあり、かつそのアスペクト比が1.0〜3.0の範囲内にある不定形粒子である
ことを特徴とするものである。
本発明の遮熱性天然繊維調メッシュシートにおいて、前記不定形酸化チタン粒子の粒子径分布が0.3〜1.6μmの範囲内にあり、かつそのアスペクト比が1.1〜2.5の範囲内にあることが好ましい。
本発明の遮熱性天然繊維調メッシュシートにおいて、前記遮熱層上に防汚層が形成されていることが好ましい。
2.粒子は樹脂中にランダムに分散しており、同じ粒子径の粒子であっても光線の入射方向によって、散乱効率の高い光の波長が変動する。
上記1,2より、粒子の形状不定形になることにより、真球状の粒子に較べて、同じ粒径分布であっても、近赤外線領域における光の散乱比が高くなる。
本発明に用いる前記不定形酸化チタン粒子としては、屈折率2.5以上、粒子径分布0.3〜3.0μm、アスペクト比1.0〜3.0のシリカ又はアルミナでコーティングされた酸化チタン粒子が用いられる。
動的耐久性評価
サンシャインカーボンアーク燈式促進暴露試験(JIS規格A−1415)で500時間耐候促進後又は屋外曝露12カ月後の試験片、或は、初期試験片に、JIS L−1096のスコット法に従って、つかみ間隔2cm、押圧荷重1kgfの条件下に、回数1,000回の屈曲試験を施し、その結果を目視で評価し、動的耐久性の評価とした。
剪断強度
初期の試験片、或はサンシャインカーボンアーク燈式促進暴露試験(JIS規格A−1415)で500時間促進試験後、及び屋外曝露12カ月後の試験片のJIS L−1096のA法による剪断強度を測定した。剪断強度が491N/3cm未満のものは、日除け、ブラインドとして屋外で使用した場合に1年以内で破損の可能性が高く、また施工及びメンテナンスの作業時にメッシュシートが破ける等の問題が起こる可能性が高い。
天然繊維調和み感の評価のための光沢度の測定
JIS Z−8741に準じて、デジタル変角光沢計VG−1D(日本電色工業(株)製)を用いて、入射角度80°にて試験片の裏面を、黒色艶消し標準版によって覆い、初期及び、サンシャインカーボンアーク燈式促進暴露試験(JIS規格A−1415)で500時間耐候促進後及び屋外曝露12カ月後の光沢度を測定した。光沢度10以下のものは、紡績糸を使用した毛羽立った外観と相まって天然繊維のように和み感を有する外観を示した。
遮熱性評価
(試験方法)
高さ5cm×幅10cm×長さ15cmの箱型フレームの4側面と上面部及び底面部とに試験片を貼り付けて固定し、試験箱を準備した。試験箱内部の底面部の中央に熱流量計(Shothrm HFM熱流量計:昭和電工(株)製)のセンサーを取り付けた。次に試験環境として、外気温遮断性と気密性を有する外箱構造体(内径が、高さ45cm×幅35cm×長さ35cm)準備し、外箱構造体の天井中央に白熱ランプ(100V、500Wのフォトリフレクタランプ:デイライトカラー用:東芝(株)製)を取り付けた。試験膜材で被覆した試験箱(比較時には試験膜材の装着がないものを使用)を、この外箱構造体の底面部中央に取り付けて、ランプの中心部と試験箱の中心部を垂直方向に重なるように固定した。箱型構造体内部のランプ先端から試験箱の天井部までの距離は35cmであった。
(評価方法)
試験片を装着していない試験箱を外箱構造体内に入れて密閉状態を形成し、ランプを点灯し、試験箱内部の温度と熱流量(kcal/m2h)とを1分ごとに測定し、30分後の温度と熱流量qn(kcal/m2h)を測定した。外箱構造体内の温度を外気温度まで戻した後、試験片を装着した試験箱を外箱構造体に入れて密閉状態に置き、ランプを点灯し、試験箱内部温度と熱流量(kcal/m2h)を1分ごとに測定し、30分後の温度と熱流量qc(kcal/m2h)を測定し、下記式により遮熱率を求めた。尚、外気温度は20℃の恒温とした。
遮熱率pfは、数値が大きい程、遮熱性が高いものと判断する。
遮熱率pf(%)=〔(qn−qc)/qn〕×100
屋外曝露後の遮熱性評価
幅20cm×長さ2mの試験膜材を、遮熱層側を表側にして、陽当たりの良い南向きに設置した曝露台の傾斜30°方向に展張し、屋外曝露試験を12ヶ月間行った。展張12ヶ月後にサンプル小片を採取し、遮熱性評価を行い、遮熱率pf12を求め、未展張膜材の遮熱率pf0との比較(遮熱率差)を行った。
※屋外展張は、埼玉県草加市内において、3月に開始し、12ヶ月間継続した。
※12ヶ月遮熱率差=pf0−pf12
3:遮熱率の低下が5%未満である。
2:遮熱率の低下が5〜10%未満である。
1:遮熱率の低下が10%以上である。
粗目編織物からなる基布として、表面毛羽を有するポリエステル短繊維紡績糸(1182dtex)の3本模紗織り組織を有する粗目状織物:
1182dtex/3×1182dtex/3
───────────────────
7×7(本/25.4mm)
を使用した。下記組成の軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾルを調製した。
<配合1.軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル組成>
ポリ塩化ビニル樹脂 100質量部
DOP(ジオクチルフタレート、可塑剤) 65質量部
エポキシ化大豆油 2.0質量部
Ba−Zn系安定剤 1.5質量部
紫外線吸収剤 0.3質量部
シリカ被覆不定形ルチル型酸化チタン粒子 20質量部
前記軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル中に前記粗目編織物からなる基布を浸漬し、マングルで絞った後、180℃で熱処理して遮熱層を形成した。遮熱層の付着量は180g/m2であった。なお、配合1では、不定形なルチル型酸化チタン粒子をシリカでコーティング(酸化チタン94質量%、シリカ6質量%)したものを用いた。その粒子径の分布範囲は0.3〜1.0μm、屈折率は2.75であり、アスペクト比は1.2〜2.5であった。得られた遮熱性メッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ50%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は100%であった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例1と同様にして遮熱性メッシュシートを作製した。但し、遮熱層上に下記組成の防汚層用樹脂分散液を、60メッシュのグラビアコーターによりコーティング加工し、120℃で2分間乾燥することにより防汚層を設けた。
<配合2.防汚層用樹脂分散液の組成>
アクリル系樹脂(セイコー化成(株)製、商標:ラックスキン
Z−594−2 固形分25%) 100質量部
トルエン(溶剤) 100質量部
得られた遮熱性メッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ50%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める表面毛羽を有する短繊維紡績糸の質量比率は100%であった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2と同様にして遮熱性メッシュシートを作製した。但し、遮熱層を形成する軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル組成中の前記不定形酸化チタン粒子の配合量を3質量部とした。得られたメッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ50%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める表面毛羽を有する短繊維紡績糸の質量比率は100%であった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2と同様にして遮熱性メッシュシートを作製した。但し、粗目編織物からなる基布として、経糸がポリエステルフィラメント糸(1111dtex)、緯糸が表面毛羽を有するポリエステル短繊維紡績糸(1182dtex)の3本模紗織り組織を有する粗目状織物:
1111dtex/3×1182dtex/3
───────────────────
7×7(本/25.4mm)
を用いた。また、遮熱層上に下記組成の防汚層用樹脂分散液を60メッシュのグラビアコーターによりコーティング加工し、120℃で2分間乾燥することにより防汚層を設けた。
<配合3.防汚層用樹脂分散液の組成>
アクリル系樹脂(セイコー化成(株)製、商標:ラックスキン
Z−594−2 固形分25%) 100質量部
シリカ((株)トクヤマ製、商標:ファインシールX37) 3質量部
トルエン(溶剤) 100質量部
得られたメッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ50%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は36%であった。得られたメッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
粗目編織物からなる基布として、経糸がポリエステルフィラメント糸(1111dtex)、緯糸が表面毛羽を有するポリエステル短繊維紡績糸(1182dtex)の1本とポリエステルフィラメント糸(1111dtex)2本で構成された紗織り組織を有する粗目状織物:
1111dtex/3×1182dtex1111dtex/2
─────────────────────────
7×7(本/25.4mm)
を使用し、ウレタン系樹脂エマルジョンを用いて、下記組成(配合4)の遮熱層用エマルジョンを調製した。なお、配合4では、不定形なルチル型酸化チタンをシリカでコーティング(酸化チタン94質量%、シリカ6質量%)した粒子を用いた。その粒子径分布は0.3〜1.0μm、屈折率は2.75であり、アスペクト比は1.2〜2.5であった。
<配合4.遮熱層用エマルジョン組成>
ウレタン系樹脂エマルジョン(固形分:30質量%) 100質量部
シリカ被覆不定形ルチル型酸化チタン粒子 5質量部
紫外線吸収剤 0.5質量部
前記遮熱層用エマルジョン中に、前記粗目織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して遮熱層を形成した。遮熱層付着量は100g/m2であった。更に遮熱層上に下記組成の防汚層用樹脂分散液を60メッシュのグラビアコーターによりコーティング加工し、120℃で2分間乾燥することにより防汚層を設けた。
<配合5.防汚層用樹脂分散液の組成>
ウレタン系樹脂(セイコー化成(株)製、商標:ラックスキン
U−1475 固形分25%) 100質量部
トルエン(溶剤) 100質量部
得られたメッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ36%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率はおよそ17.5%であった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2と同様にして遮熱性メッシュシートを作製した。但し、遮熱層上に下記組成の防汚層用樹脂分散液を60メッシュのグラビアコーターによりコーティング加工し、120℃で2分間乾燥することにより防汚層を設けた。
<配合6.防汚層用樹脂分散液の組成>
フッ素系樹脂(大日本インキ化学工業(株)製、商標:ディフェンサー
TR−230K 固形分16%) 100質量部
トルエン(溶剤) 100質量部
得られたメッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ50%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は100%であった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
粗目編織物からなる基布として、予め緑色に原着され、表面毛羽を有するポリエステル短繊維紡績糸(1182dtex)の3本と模紗織り組織を有する粗目状織物:
1182dtex/3×1182dtex/3
───────────────────
7×7(本/25.4mm)
を使用し、下記組成(配合7)の遮熱層用エマルジョンを調製した。なお、配合7では、不定形なルチル型酸化チタン粒子をシリカでコーティング(酸化チタン94質量%、シリカ6質量%)した粒子を用いた。その粒子径分布は0.3〜1.0μm、屈折率は2.75であり、アスペクト比は1.2〜2.5であった。
<配合7.遮熱層用エマルジョン組成>
アクリル系樹脂エマルジョン(固形分:45質量%) 100質量部
不定形金属酸化物粒子:シリカ被覆不定形ルチル型酸化チタン 10質量部
紫外線吸収剤 0.5質量部
前記遮熱用エマルジョン中に、前記着色粗目織物を浸漬し、マングルで絞った後100℃で乾燥し、更に140℃で熱処理して遮熱層を形成した。遮熱層付着量は100g/m2であった。更に遮熱層上に下記組成の接着層用樹脂分散液を60メッシュのグラビアコーターによりコーティング加工し、100℃で2分間乾燥することにより接着層を設けた。その上に更に、下記組成の光触媒防汚層形成用塗布液を60メッシュのグラビアコーターによりコーティング加工し、100℃で2分間乾燥することにより光触媒防汚層を形成した。
<配合8.接着層用樹脂分散液の組成>
シリコン含有量3mol%のアクリルシリコン樹脂を8質量%(固形分)
含有するエタノール−酢酸エチル(50/50質量比)溶液 100質量部
メチルシリケートMS51
(コルコート(株)製)の20%エタノール溶液(ポリシロキサン) 8質量部
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン(シランカップリング剤) 1質量部
<配合9.光触媒防汚層形成用塗布液>
酸化チタン含有量10質量%に相当する硝酸酸性酸化チタンゾルが
分散している水−エタノール(50/50質量比)溶液 50質量部
酸化珪素含有量10質量%に相当する硝酸酸性シリカゾルが
分散している水−エタノール(50/50質量比)溶液 50質量部
得られたメッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ36%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は100%であった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2と同様にメッシュシートを作製した。但し、粗目編織物からなる基布として、278dtexのポリエステルフィラメント糸を芯成分として、鞘成分に1.6dtexでステープル長100mmの、表面毛羽を有するポリエステル短繊維紡績糸を質量比65/35になるように絡ませた芯鞘構造の複合糸を2本撚りあわせた撚糸(855dtex)の3本模紗織り組織を有する粗目状織物:
855dtex/3×855dtex/3
─────────────────
11×11(本/25.4mm)
を用いた。遮熱層付着量は180g/m2であった。更に、遮熱層上に下記組成の添加剤移行防止層形成用塗布液を60メッシュのグラビアコーターによりコーティング加工し、100℃で2分間乾燥することにより添加剤移行防止層を形成した。更に前記添加剤移行防止層の上に、実施例7と同様の配合8の接着層と配合9の光触媒防汚層とを順次に積層した。
<配合10.添加剤移行防止層形成用塗布液>
ビニリデンフルオライド−テトラフルオロエチレン共重合体樹脂
(商標:カイナー7201:エルフ・アトケム・ジャパン(株)製) 20質量部
シリカ(商標:ニップシールE−75:東ソ・シリカ(株)製) 5質量部
MEK(溶剤) 80質量部
得られたメッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ44%であった。前記粗目編織物からなる基布に占める短繊維紡績糸の質量比率は35%であった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2と同様にして遮熱性メッシュシートを作製した。但し、粗目編織物からなる基布として、ポリエステルマルチフィラメント糸(1182dtex)の3本模紗織りからなり、表面毛羽のない粗目状織物:
1182dtex/3×1182dtex/3
───────────────────
7×7(本/25.4mm)
を用いた。
遮熱層付着量は180g/m2で、得られたメッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ50%であった。ポリエステルフィラメント糸基布が用いられているため、繊維糸条のバルキー性が不十分であり、表面の毛羽立ちが悪く樹脂被覆を施した時に光沢度が高く、天然繊維調とは似つかない外観を有し、和み感に乏しいメッシュシートであった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2と同様にしてメッシュシートを作製した。但し、遮熱層を形成せず、防汚層のみを基布上に形成した。得られたメッシュシートは僅かな樹脂被覆で遮熱効果も無く、屋外使用での耐候耐久性や巻上げ使用による動的耐久性に劣るものであった。得られたメッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2と同様にして遮熱性メッシュシートを作製した。但し、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル組成に不定形酸化チタン粒子を配合しなかった。得られたメッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ50%であったが、遮熱層中に不定形酸化チタン粒子が配合されていないため、遮熱効果が低いものであった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2と同様にして遮熱性メッシュシートを作製した。但し、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル組成に配合した不定形酸化チタン粒子を、ルチル型酸化チタンをシリカでコーティング(酸化チタン92質量%、シリカ8質量%)した粒子(顔料用酸化チタン粒子)に変更した。その粒子径分布は0.1〜0.5μm、屈折率は2.75であり、アスペクト比は1.0〜1.5であった。得られた遮熱性メッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ50%であったが、用いた酸化チタンの粒子径分布が0.3μm未満の粒子を多く含む顔料用酸化チタンを用いたため、近赤外線に対する散乱効果が低く、遮熱効果の低いものであった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2と同様にして遮熱性メッシュシートを作製した。但し、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル組成物に配合した不定形酸化チタン粒子を、不定形なルチル型酸化チタン粒子をシリカでコーティング(酸化チタン95質量%、シリカ5質量%)して得られ、粒子径分布は0.5〜2.0μm、屈折率は2.75であり、アスペクト比は1.0〜8.0の不定形粒子に変更した。得られたメッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ50%であったが、用いた前記不定形酸化チタン粒子のアスペクト比が1.0〜8.0であり、アスペクト比が3を超える粒子を多く含んでいるため赤外線の散乱効果が不十分であって、遮熱効果の低いものであった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2と同様にして遮熱性メッシュシートを作製した。但し、軟質ポリ塩化ビニル系樹脂ゾル組成に添加する前記不定形酸化チタン粒子の配合量を100質量部とした。得られた遮熱性メッシュシートにおける遮熱層付着量は250g/m2で、遮熱層の質量比率は、およそ58%であり、得られたメッシュシートの遮熱性は格段に向上したが有彩色の着色が困難で、無機材料の含有量が多いことによる熱可塑樹脂の強度低下により動的耐久性に劣るものとなった。得られたメッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例2と同様にして遮光性メッシュシートを作製した。但し、遮熱層付着量を300g/m2に変更し、遮熱層の上に施す防汚層を下記の防汚層用樹脂分散液の組成に変更した。
<配合11.防汚層用樹脂分散液の組成>
アクリル系樹脂(セイコー化成(株)製、商標:ラックスキン
Z−594−2 固形分25%) 100質量部
シリカ(商標:ニップシールE−75:東ソ・シリカ(株)製) 5質量部
トルエン(溶剤) 100質量部
得られた遮熱性メッシュシートにおける遮熱層の質量比率は、およそ63%であり、熱可塑性組成樹脂から成る遮熱層の付着量が増えたため、得られたメッシュシートの遮熱性、耐候耐久性は良好なものであったが、基布を被覆する被覆層樹脂付着が多いため、短繊維紡績糸の毛羽立ちが無くなりフラットな外観になり、天然繊維調とはかけ離れた外観となり、艶消し防汚層を施したにも係わらず、光沢度が高く、和み感に乏しい製品となった。得られた遮熱性メッシュシートの評価結果を表1〜4に示す。
実施例3と比較例3を比較すると、前記不定形酸化チタン粒子の添加量が僅かでも、それを配合されることにより、初期遮熱率20を超え良好な遮熱性を示すことが明らかである。
比較例1,7に示されている様に、短繊維紡績糸の表面毛羽立ちが失われると、遮熱性や耐候耐久性は良好でも、光沢度が高く、天然繊維調には程遠く、和み感の無いものとなることが確認された。
比較例4,5に示されている様に、前記不定形酸化チタン粒子の粒子径分布に0.3μm未満の粒子を多く含むものであったり、前記不定形酸化チタン粒子のアスペクト比において3.0を超える粒子を多く含むものであると、近赤外線の散乱効果が不十分になり、遮熱率が低くなることが確認された。
比較例6に示されている様に、遮熱層中の前記不定形酸化チタン粒子の配合量が過多であると、熱可塑性樹脂の強度が低下して動的耐久性に劣るものとなってしまうことが確認された。
Claims (3)
- 表面毛羽を有する短繊維紡績糸を含む繊維糸条から形成された粗目編織物からなる基布と、前記基布を含浸・被覆している遮熱層とを含み、前記遮熱層が、(i)熱可塑性樹脂と、(ii)不定形金属酸化物粒子とを含み、前記遮熱層の質量が前記基布と前記遮熱層の合計質量に対して20〜60質量%であり、かつ前記不定形金属酸化物粒子の含有量が、前記遮熱層の質量に対して1〜30質量%であり、
前記不定形金属酸化物粒子が、シリカ又はアルミナによりコーティングされた酸化チタン粒子であって、その粒子径分布が、0.3〜3.0μmの範囲内にあり、かつそのアスペクト比が1.0〜3.0の範囲内にある
ことを特徴とする、遮熱性天然繊維調メッシュシート。 - 前記不定形酸化チタン粒子の粒子径分布が0.3〜1.6μmの範囲内にあり、かつそのアスペクト比が1.1〜2.5の範囲内にある、請求項1に記載の遮熱性天然繊維調メッシュシート。
- 前記遮熱層上に防汚層が形成されている、請求項1又は2に記載の遮熱性天然繊維調メッシュシート。
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