JP5062128B2 - 作業機械の旋回駆動装置 - Google Patents

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Description

本発明は、旋回体を有するショベルやクレーン等の作業機械に設けられ、当該作業機械を電動機により駆動する作業機械の旋回駆動装置に関するものである。
近年、作業機械の旋回体を駆動する手段として、従来の油圧アクチュエータに代え、エネルギー効率の高い電動アクチュエータの使用が検討されている。例えば特許文献1には、操作レバーの操作量に応じて目標速度を設定し、その目標速度と実際の旋回速度との偏差を用いて電動機の目標トルクを決定する旋回制御方法が開示されている。
しかし、このような電動機制御では、レバー操作に対するアクチュエータの応答性が油圧駆動システムに比べて過敏となる。例えば、レバー中間領域においてレバー操作によって速度変更を行なうと、電動機が急激に速度変化し、その結果、ハンチングを起こしたりショックが発生したりするおそれがある。
このような不都合を解消するため、特許文献2には、仮想の油圧回路モデルを利用して目標旋回速度を算定する装置が開示されている。具体的に、同文献2には、目標旋回速度と実際の旋回速度との偏差に基づくフィードバック制御を行うのに加え、油圧回路モデルについて設定されたメータイン流量、メータアウト流量、ブリードオフ流量についての支配方程式を連立させて数値積分法により時刻暦応答演算を行うことが記載されている。
特開2001−10783号公報 特開2003−333876号公報
前記特許文献2に記載される制御は、特許文献1に記載される従来の一般的なフィードバック制御、すなわち、目標旋回速度と実際の旋回速度との偏差に基づく制御を基本とするものであって、これを油圧回路モデルによる演算によって補正するだけであり、かつ、その演算は実際の検出値として操作レバーの操作量のみを採用するものであるので、特許文献1と同様、旋回体の慣性モーメントの変化に伴う旋回速度変化を反映させにくいという課題がある。また、多数の支配方程式からなる連立方程式を数値積分法で解く必要があるため、演算制御のためのプログラムが複雑となる。
本発明は、このような事情に鑑み、仮想の油圧回路モデルを利用しながら、簡単な演算動作で、作業機械の実際の旋回速度の変化が油圧回路特性に与える影響をも考慮した旋回駆動制御を行うことが可能な装置の提供を目的とする。
前記課題を解決するための手段として、本発明は、旋回体を有する作業機械に設けられ、当該旋回体を旋回駆動するための装置であって、前記旋回体を旋回させる電動機と、前記旋回体の実際の旋回速度を検出する旋回速度検出手段と、前記旋回体の旋回速度を指定するために操作される操作部材を含み、その操作量に相当する指令信号を出力する操作装置と、前記旋回体を駆動する油圧モータと、当該油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプと、前記操作部材の操作量に対応して前記油圧モータについてのメータイン流量、メータアウト流量、及びブリードオフ流量をそれぞれ変化させる流量制御弁とを含む仮想の油圧回路モデルの特性に近似する特性で前記電動機を作動させるための旋回指令信号を作成して出力する演算制御装置とを備え、この演算制御装置は、前記操作部材の操作量と前記旋回体の旋回速度とに基づいて前記油圧モータの入口圧及び出口圧を想定するモータ圧想定手段と、その想定された入口圧と出口圧との差に基づいて前記電動機の目標トルクを演算し、この目標トルクに基づいて前記旋回指令信号を作成する指令信号作成手段とを含むものである。
この装置では、油圧モータ、油圧ポンプ、及び流量制御弁を含む油圧回路モデルが採用されるとともに、操作部材の操作量と旋回体の旋回速度とに基づいて前記油圧モータの入口圧及び出口圧が想定され、その想定された入口圧と出口圧との差に基づいて前記電動機の目標トルクが演算され、この目標トルクに基づいて旋回指令信号が作成されるので、実際の旋回速度の変化が油圧回路特性に与える影響を考慮した、より精度の高い制御を行うことができる。
また、この装置では、複雑な演算動作を行うことなく前記旋回指令信号を作成することが可能である。具体的に、前記モータ圧想定手段が、前記操作装置の操作量に対応する旋回目標流量を演算する目標流量演算手段と、前記油圧モータへのメータイン流量、前記油圧モータからのメータアウト流量、及びブリードオフ流量をそれぞれ決定する基本流量決定手段と、前記目標流量演算手段が演算した旋回目標流量と、前記基本流量決定手段が決定した各流量とに基づき、前記油圧ポンプの吐出圧を演算するポンプ圧演算手段と、前記旋回速度検出手段が検出する旋回速度と、少なくとも前記基本流量決定手段が決定した各流量とに基づいて想定される前記油圧モータの入口圧及び出口圧を演算するモータ圧演算手段とを含み、前記基本流量決定手段は、前記旋回目標流量に基づいて前記メータアウト流量を決定し、前記ポンプ圧演算手段及び前記モータ圧演算手段がそれぞれ前記油圧ポンプの吐出圧及び前記油圧モータの入口圧を演算した後はこれらの差圧に基づいてメータイン流量を決定し、前記ポンプ圧演算手段が前記油圧ポンプの吐出圧を演算した後はその吐出圧と前記操作部材の操作量とに基づいてブリードオフ流量を決定するものによれば、複雑な支配方程式を解くことなく、簡単な演算制御動作で実際の旋回速度変化を考慮した油圧モータの差圧を想定することができる。
さらに、前記演算制御装置が、前記油圧モータ、前記油圧ポンプ、及び前記流量制御弁に加え、前記油圧モータの入口側及び出口側にそれぞれ設けられるリリーフ弁を含む油圧回路モデルの特性に近似する特性で前記電動機を作動させるための旋回指令信号を作成するものであり、この演算制御装置のモータ圧想定手段は、前記リリーフ弁によるリリーフ流量を決定するリリーフ流量決定手段をさらに含み、当該モータ圧想定手段のモータ圧演算手段は、前記旋回速度検出手段が検出する旋回速度と、少なくとも前記基本流量決定手段が決定した各流量及び前記リリーフ流量決定手段が決定するリリーフ流量とに基づいて想定される前記油圧モータの入口圧及び出口圧を演算し、前記リリーフ流量決定手段は、前記モータ圧演算手段により前記油圧モータの入口圧及び出口圧が演算された後は当該入口圧及び当該出口圧に基づいて各リリーフ弁のリリーフ流量を演算するものでは、メータイン流量、メータアウト流量、及びブリードオフ流量に加え、リリーフ流量を考慮に加えた、実際の油圧回路特性により近似した特性を実現することができる。。
さらに、前記モータ圧想定手段は、前記旋回体の旋回加速度に基づいて前記電動機のトルクのハンチングを抑制するための応答特性調整流量を演算する調整流量決定手段をさらに含み、当該モータ圧想定手段のモータ圧演算手段は、前記旋回速度検出手段が検出する旋回速度と、前記基本流量決定手段が決定した各流量と、前記リリーフ流量決定手段が決定するリリーフ流量と、前記調整流量演算手段が決定する調整流量とに基づいて想定される前記油圧モータの入口圧及び出口圧を演算するものでは、基本流量決定手段及びリリーフ流量決定手段が決定する流量に旋回加速度から演算される応答特性調整流量が加えられることにより、当該旋回加速度に基づくフィードバック制御の要素を加味することが可能であり、簡単な構成で油圧回路モデルの応答の安定性を高め、ハンチングを効果的に抑制することができる。
以上のように、本発明によれば、油圧モータ、油圧ポンプ、及び流量制御弁を含む油圧回路モデルを用いるのに加え、操作部材の操作量と実際の旋回速度に基づいて前記油圧モータの入口圧と出口圧との差を想定し、その差圧に基づいて電動機の目標トルクを演算することにより、簡単な演算制御動作で、実際の旋回速度が油圧回路特性に与える影響をも考慮した、トルクショックの少ない旋回駆動制御を実現することができる効果がある。
本発明の好ましい実施の形態を図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態では作業機械として油圧ショベルが例示されるが、本発明が適用される作業機械はこれに限られず、クレーン、その他、種々の旋回体を有する作業機械に広く適用することが可能である。
図1に示される油圧ショベルは、下部走行体1と上部旋回体2とを備え、上部旋回体2は回転軸R.Aまわりに旋回可能となるように前記下部走行体1に搭載される。
前記上部旋回体2は、フロントアタッチメント3を含む。このフロントアタッチメント3は、ブーム3aおよびそのブーム3aを起伏動作させるブームシリンダ3bと、アーム3cおよびそのアーム3cを回動動作させるアームシリンダ3dと、バケット3eおよびそのバケット3eを回動動作させるバケットシリンダ3fとを備える。このフロントアタッチメント3の姿勢の変化が上部旋回体2全体の慣性モーメントを変化させ、その旋回速度に影響を与える。
前記上部旋回体2は、その他、フロントアタッチメント3の側方に配置されるキャビン4と、その後方に配置される図略のエンジン、油圧機器、タンク等と、これらを覆う機器カバー5とを含む。
この油圧ショベルは、さらに、前記上部旋回体2を電動にて旋回させるための旋回駆動装置10を備える。この旋回駆動装置10は、図2に示されるように、電動機12と、電源14と、エンコーダ(旋回速度検出手段)16と、操作装置18と、コントローラ(演算制御装置)20とを備える。
前記電動機12は、前記電源14からの電力供給を受けることにより前記上部旋回体2を旋回させるもので、当該電動機12の出力軸が減速機15を介して前記上部旋回体2に連結される。この電動機12は、ACサーボモータで構成されるが、DCサーボモータの適用も可能である。
前記電源14には、前記エンジンによって駆動される発電機、この発電機が生成する電力を蓄えるバッテリー、キャパシタ等が組み合わせて用いられる。この電源14は本発明に必須のものではなく、例えば作業機械の外部から電力供給を受けるものでもよい。
前記エンコーダ16は、前記電動機12の出力軸の回転量を検出し、その検出信号を出力する。このエンコーダ16の出力信号の時間微分に基づいて前記上部旋回体2の旋回速度が検出される。
前記操作装置18は、前記キャビン4内の運転席の近傍に設けられ、回動操作可能な操作レバー(操作部材)と、その操作量を検出するポテンショメータとを含む。この操作レバーの操作方向及び操作量Lは、前記上部旋回体2の旋回方向及び旋回速度に対応づけられる。前記ポテンショメータは、前記操作方向に対応した正負の符号と前記操作量Lに対応した絶対値とをもつ操作信号を出力する。
前記コントローラ20は、マイクロコンピュータ等からなり、前記エンコーダ16及び前記操作装置18からの出力信号を受け、図3に示すような仮想の油圧回路モデル50の特性に近似する特性で前記電動機を作動させるための旋回指令信号を作成して出力する演算制御装置として機能する。
前記油圧回路モデル50は、この実施の形態では、前記上部旋回体2を駆動するための正逆回転可能な油圧モータ52と、当該油圧モータ52に作動油を供給する油圧ポンプ54と、当該油圧モータ52と当該油圧ポンプ54との間に介在するコントロールバルブ(流量制御弁)56と、一対のリリーフ弁57,58とを含むものとして想定される。
前記コントロールバルブ56は、前記操作レバーの操作方向に対応した旋回方向に油圧モータ52を回すように弁体の位置が切換えられ、かつ、当該操作レバーの操作量Lに対応して前記油圧ポンプ54から前記油圧モータ52へのメータイン流量Qmi、前記油圧モータ52からのメータアウト流量Qmo、及び前記油圧ポンプ54からタンクへのブリードオフ流量Qbをそれぞれ変化させるように前記弁体が操作されるものとして想定される。前記各リリーフ弁57,58は、この実施の形態では、その一次圧が予め設定された圧力に到達した時点で開弁し、その開弁状態では当該一次圧に比例した流量で作動油をリリーフするものとして想定される。
なお、これらのリリーフ弁57,58の想定は本発明において必須ではない。また、旋回体の旋回方向が指定されない場合(すなわち旋回体が一方向にのみ旋回駆動される場合)には、油圧モータの入口側のみについてリリーフ弁が想定されればよい。
このコントローラ20は、図4に示すように、モータ圧想定手段30と指令信号作成手段40とを備える。前記モータ圧想定手段30は、前記操作装置18から入力される操作レバーの操作量Lと、前記エンコーダ16から入力される信号により得られる上部旋回体2の旋回速度ωとに基づいて、前記油圧モータ52の入口圧Pmi及び出口圧Pmoを想定する。前記指令信号作成手段40は、想定された入口圧Pmiと出口圧Pmoとの差(モータ差圧ΔPm=Pmi−Pmo)に基づいて前記電動機の目標トルクToを演算し、この目標トルクToに基づいて前記旋回指令信号を作成する。
前記モータ圧想定手段30は、目標流量演算手段32と、基本流量決定手段33と、リリーフ流量決定手段34と、調整流量決定手段35と、ポンプ圧演算手段36と、モータ圧演算手段38とを含む。
前記目標流量演算手段32は、前記操作レバーの操作量Lに対応する旋回目標流量Qoを演算する。具体的に、この目標流量演算手段32は、予め設定された、図5(a)に示すような操作量L−旋回目標流量Qoの関係を記憶し、この関係と前記操作量Lとに基づいて旋回目標流量Qoを算定する。
前記基本流量決定手段33は、前記のメータイン流量Qmi、メータアウト流量Qmo、及びブリードオフ流量Qbをそれぞれ決定する。具体的に、この基本流量決定手段33は、前記旋回目標流量Qoをそのまま前記メータアウト流量Qmoに設定する一方、メータイン流量Qmi及びブリードオフ流量Qbを初期段階では予め設定された初期値に設定する。そして、この初期値に基づき前記ポンプ圧演算手段36及び前記モータ圧演算手段38がそれぞれ後述のように油圧ポンプ54の吐出圧Pp及び油圧モータ52の入口圧Pmiを演算した後は、当該吐出圧Ppと当該入口圧Pmiの差に基づいてメータイン流量Qmiを算定し、前記ポンプ圧演算手段36が演算した吐出圧Ppと前記操作レバーの操作量Lとに基づいてブリードオフ流量Qbを算定する。
前記リリーフ流量決定手段34は、前記各リリーフ弁57,58でのリリーフ流量を決定する。具体的に、各リリーフ弁57,58のリリーフ流量を初期状態では予め設定された初期値に設定し、前記のように油圧モータ52の入口圧Pmi及び出口圧Pmoが演算された後は、その入口圧Pmo及び出口圧Pmiと前記旋回方向とに基づき各リリーフ弁57,58のリリーフ流量を演算する。詳しくは、前記旋回方向に基づいて両リリーフ弁57,58がそれぞれ入口側、出口側のいずれであるのかを判別し、入口側のリリーフ弁のリリーフ流量をQri、出口側のリリーフ弁のリリーフ流量をQroとして算定する。
前記調整流量決定手段35は、前記上部旋回体2の旋回速度ωの時間微分によりその旋回加速度βを求め、この旋回加速度βに基づいて応答特性調整流量Qajを演算する。この応答特性調整流量Qajは、前記電動機12の出力トルクのハンチングを抑制するために設定される調整用の流量である。
前記ポンプ圧演算手段36は、前記目標流量演算手段32が演算した旋回目標流量Qoと、前記基本流量決定手段33が決定した各流量Qmi,Qmo,Qbとに基づき、前記油圧ポンプ54の吐出圧Ppを演算する。
前記モータ圧演算手段38は、前記旋回速度ωに基づき、油圧モータ52を通過する作動油の流量であるモータ流量Qmtを演算するとともに、このモータ流量Qmtと、前記操作レバーの操作方向により指定される旋回方向と、前記基本流量決定手段33が決定した前記各流量Qmi,Qmo,Qbと、前記リリーフ流量決定手段34が決定する前記リリーフ流量Qri,Qroと、前記調整流量演算手段35が決定した前記調整流量Qajとに基づいて、想定される前記油圧モータ52の入口圧Pmi及び出口圧Pmoをそれぞれ演算する。
次に、このコントローラ20が行う演算制御動作を、図5に示される特性グラフと、図6に示されるフローチャートとを併せて参照しながら説明する。なお、この演算制御動作は、予め定められたサンプリング周期(例えば1msec)ごとに繰り返される。
(1)各種情報の取り込み(図6のステップS1)
コントローラ20は、操作装置18の操作レバーの旋回操作方向及び旋回操作量Lと、エンコーダ16によって検出される上部旋回体2の旋回速度ωとを取り込む。旋回操作量Lは、フル操作量に対する比率(%)として取り込まれる。
(2)旋回目標流量Qoの算定(ステップS2)
コントローラ20の目標流量演算手段32は、前記旋回操作量Lと、予め記憶している旋回操作量L−旋回目標流量Qoの関係とに基づいて、当該旋回操作量Lに対応する旋回目標流量Qoを算定する。この実施の形態では、前記関係として、図5(a)に示されるように操作量Lの増加とともに旋回目標流量Qoが増加し、操作量Lが100%及びその近傍領域では旋回目標流量Qoが最大値となる関係が設定される。
(3)基本流量及びリリーフ流量の決定(ステップS3,S4,S4′)
コントローラ20の基本流量決定手段33及びリリーフ流量決定手段34は、基本流量(メータイン流量Qmi、メータアウト流量Qmo及びブリードオフ流量Qb)と、油圧モータ入口側のリリーフ流量Qri及び油圧モータ出口側のリリーフ流量Qroの決定を行う。上述のように、リリーフ弁57,58のうちのいずれが入口側リリーフ弁で、いずれが出口側リリーフ弁であるかは、前記操作レバーの操作方向によって指定される旋回方向に基づいて判別される。
前記各流量のうち、メータアウト流量Qmoは、前記旋回目標流量Qoと等しいもの、あるいはこれを補正したもの(例えば調整係数を乗じたもの)として決定される。これに対し、その他の流量Qmi,Qb,Qri,Qroは、基本的に、後述のようにして算定される油圧ポンプ54の吐出圧Ppと油圧モータ52の入口圧Pmi及び出口圧Pmoとを用いて算出される(ステップS4)。ただし、これらの圧力Pp,Pmi,Pmoが算定される前の初期段階では(ステップS3でYES)、前記各流量Qmi,Qb,Qri,Qroがこれらの流量について予め設定された初期値に設定される(ステップS4′)。
(4)応答特性調整流量の算定(ステップS5)
この実施の形態に係るコントローラ20は、前記基本流量Qmi,Qmo,Qb及び前記リリーフ流量Qri,Qroに加え、応答特性調整流量Qajの算定をする。この応答特性調整流量Qajは、前記電動機12の出力トルクのハンチングを抑制するための補正を目的として導入される流量であり、この実施の形態では、予め設定された係数Kajと、前記旋回速度ωの時間微分により得られる旋回加速度β(=dω/dt)との積により与えられる。
(5)ポンプ吐出圧及びモータ圧の算定(ステップS6)
ポンプ圧演算手段36及びモータ圧演算手段38は、前記のようにして決定された各流量に基づき、油圧ポンプ54の吐出圧Pp並びに油圧モータ52の入口圧Pmi及び出口圧Pmoの算定をする。
具体的に、この実施の形態では、各圧力が次式を用いて算定される。
Pp=∫[Kp*(Qo−Qmi−Qb)]dt
Pmi=∫[Kp*(Qmi−Qmt−Qri−Qaj)]dt
Pmo=∫[Kp*(Qmt−Qmo−Qro+Qaj)]dt
これらの式において、Kpは予め設定された係数、∫[Q]dtは、予め設定された時間内でのQの時間積分値を示す。また、モータ通過流量(油圧モータ52を通過する作動油の流量)Qmtは、前記旋回速度ωに予め設定された係数Kmtを乗ずることにより算出される。
このようにして算定された圧力Pp,Pmi,Pmoは、次回の演算制御動作での前記メータイン流量Qmi、前記ブリードオフ流量Qb、及び前記リリーフ流量Qri,Qroの算定に用いられる。具体的に、これらの流量は次式により算定される(前記のステップS4)。
Qmi=Kmi*(Pp−Pmi)(Pp≧Pmiの場合)
Qmi=0(Pp<Pmiの場合)
Qb=Pp*Kb*(100−γ*L)
Qri=Kr*Pmi
Qro=Kr*Pmo
ここで、Kmiは、操作量Lに対応して設定される係数であり、この実施の形態では、図5(b)に示されるように、微小操作領域では0に、この微小操作領域を超えると急増して一定値を維持するように、設定される。
また、γは、操作量Lについて予め設定された調整用係数であり、γ<1の範囲で適宜設定される。Kbは一定の係数である。
Krは、リリーフ弁57,58の一次圧(PmiまたはPmo)が設定値を超えた場合にのみ開弁するリリーフ弁57,58の特性を考慮して設定された係数であり、この実施の形態では、図5(c)に示されるようにモータ圧(PmiまたはPmo)が予め設定された下限圧Pminと上限圧Pmaxの間にある領域では0に、それ以外の領域ではほぼ一定の値に設定される。
(6)旋回指令信号の作成(ステップS7,S8)
コントローラ20の指令信号作成手段40は、前記のようにして算出された油圧モータ52の入口圧Pmiと出口圧Pmoの差であるモータ差圧ΔPm(=Pmi−Pmo)に予め設定された係数Ktを乗じたものを電動機目標トルクToとして算定し(ステップS7)、当該目標トルクToを得るために電動機12に入力すべき旋回指令信号を作成してこれを当該電動機12に向けて出力する(ステップS8)。これにより、当該電動機12による上部旋回体2の駆動が制御される。
この旋回駆動装置10では、電動機12に入力するための旋回指令信号を作成するにあたり、油圧モータ52、油圧ポンプ54、及び流量制御弁であるコントロールバルブ56を含む油圧回路モデル50が採用されるのに加え、操作レバーの操作量(旋回操作量)Lと上部旋回体2の旋回速度ωとに基づいて前記油圧モータ52の入口圧Pmi及び出口圧Pmoが想定され、これらの差であるモータ差圧ΔPmに基づいて前記電動機の目標トルクToが演算され、この目標トルクToに基づいて旋回指令信号が作成されるので、実際の旋回速度の変化が油圧回路特性に与える影響を考慮した、より精度の高い制御を行うことができる。
また、この装置では、従来のように多数の連立した支配方程式を解くといった複雑な演算動作を行うことなく、簡単な構成で前記旋回指令信号を作成することが可能である。具体的には、前記モータ圧想定手段30の目標流量演算手段32が演算した旋回目標流量Qoと、基本流量決定手段33が決定したメータイン流量Qmi、メータアウト流量Qmo、及びブリードオフ流量Qbとに基づいて、当該モータ圧想定手段30のポンプ圧演算手段36が油圧ポンプ54の吐出圧Ppを演算し、前記旋回速度ωと前記各流量とに基づいてモータ圧演算手段38が油圧モータ52の想定入口圧Pmi及び想定出口圧Pmoを演算し、その演算された各圧力Pp,Pmi,Pmoを用いて前記基本流量決定手段33が前記メータイン流量Qmiや前記ブリードオフ流量Qbを改めて演算するので、簡単な演算制御動作で実際の旋回速度変化を考慮した油圧モータの差圧を想定することができる。
特に、この実施の形態では、モータ圧想定手段30に含まれるリリーフ流量決定手段34が、油圧回路モデル50に含まれるリリーフ弁57,58のリリーフ流量を決定し、このリリーフ流量を加味したモータ入口圧Pmi及びモータ出口圧Pmoの演算が行われるので、実際の油圧回路特性により近似した特性を実現することができる。。
さらに、この実施の形態では、前記モータ圧想定手段30に含まれる調整流量決定手段35が、上部旋回体2の旋回加速度βに基づいて、電動機トルクのハンチングを抑制するための応答特性調整流量を演算し、この流量を加味したモータ入口圧Pmi及びモータ出口圧Pmoの演算が行われるので、簡単な構成で油圧回路モデルの応答の安定性を高め、ハンチングを効果的に抑制することができる。
本発明の実施例及び比較例についてシミュレーションした結果を図7および図8に示す。図7は、比較例(図3に示す油圧回路モデル50を用いるがその流量調整は行わない例)でのレバー操作に対するモータ入口圧及び出口圧の想定値の変化と、これに基づいて演算される電動機目標トルクと、当該目標トルクに基づいて制御される旋回速度の時間変化を示したものであり、図8は、本発明の実施例に係るモータ入口圧及び出口圧の想定値、電動機目標トルク、及び旋回速度の時間変化を示したものである。
図7に示される比較例では、レバー操作に応答するモータ圧、目標トルク、及び旋回速度の振動性がいずれも高いのに対し、図8に示される実施例では、本発明にかかる流量調整の実行により、前記モータ圧、目標トルク、及び旋回速度のいずれもが平滑化されてその振動成分が有効に減らされていることが分かる。
本発明の実施の形態に係る油圧ショベルの外観図である。 前記油圧ショベルに搭載される旋回駆動装置の構成図である。 前記旋回駆動装置での旋回指令信号の作成のための演算制御に用いられる油圧回路モデルを示す回路図である。 前記旋回駆動装置におけるコントローラの構成を示すブロック図である。 (a)〜(c)は前記コントローラでの演算に用いられる諸特性を示すグラフである。 前記コントローラの演算制御動作を示すフローチャートである。 本発明の比較例の応答特性を示すグラフである。 本発明の実施例の応答特性を示すグラフである。
符号の説明
1 下部走行体
2 上部旋回体
3 フロントアタッチメント
10 旋回駆動装置
12 電動機
16 エンコーダ(旋回速度検出手段)
18 操作装置
20 コントローラ(演算制御装置)
30 モータ圧想定手段
32 目標流量演算手段
33 基本流量決定手段
34 リリーフ流量決定手段
35 調整流量決定手段
36 ポンプ圧演算手段
38 モータ圧演算手段
40 指令信号作成手段
50 油圧回路モデル
52 油圧モータ
54 油圧ポンプ
56 コントロールバルブ
57,58 リリーフ弁

Claims (4)

  1. 旋回体を有する作業機械に設けられ、当該旋回体を旋回駆動するための装置であって、
    前記旋回体を旋回させる電動機と、
    前記旋回体の実際の旋回速度を検出する旋回速度検出手段と、
    前記旋回体の旋回速度を指定するために操作される操作部材を含み、その操作量に相当する指令信号を出力する操作装置と、
    前記旋回体を駆動する油圧モータと、当該油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプと、前記操作部材の操作量に対応して前記油圧モータについてのメータイン流量、メータアウト流量、及びブリードオフ流量をそれぞれ変化させる流量制御弁とを含む仮想の油圧回路モデルの特性に近似する特性で前記電動機を作動させるための旋回指令信号を作成して出力する演算制御装置とを備え、
    この演算制御装置は、前記操作部材の操作量と前記旋回体の旋回速度とに基づいて前記油圧モータの入口圧及び出口圧を想定するモータ圧想定手段と、その想定された入口圧と出口圧との差に基づいて前記電動機の目標トルクを演算し、この目標トルクに基づいて前記旋回指令信号を作成する指令信号作成手段とを含むことを特徴とする作業機械の旋回駆動装置。
  2. 請求項1記載の作業機械の旋回駆動装置において、
    前記モータ圧想定手段は、
    前記操作装置の操作量に対応する旋回目標流量を演算する目標流量演算手段と、
    前記油圧モータへのメータイン流量、前記油圧モータからのメータアウト流量、及びブリードオフ流量をそれぞれ決定する基本流量決定手段と、
    前記目標流量演算手段が演算した旋回目標流量と、前記基本流量決定手段が決定した各流量とに基づき、前記油圧ポンプの吐出圧を演算するポンプ圧演算手段と、
    前記旋回速度検出手段が検出する旋回速度と、少なくとも前記基本流量決定手段が決定した各流量とに基づいて想定される前記油圧モータの入口圧及び出口圧を演算するモータ圧演算手段とを含み、
    前記基本流量決定手段は、前記旋回目標流量に基づいて前記メータアウト流量を決定し、前記ポンプ圧演算手段及び前記モータ圧演算手段がそれぞれ前記油圧ポンプの吐出圧及び前記油圧モータの入口圧を演算した後はこれらの差圧に基づいてメータイン流量を決定し、前記ポンプ圧演算手段が前記油圧ポンプの吐出圧を演算した後はその吐出圧と前記操作部材の操作量とに基づいてブリードオフ流量を決定することを特徴とする作業機械の旋回駆動装置。
  3. 請求項2記載の作業機械の旋回駆動装置において、
    前記演算制御装置は、前記油圧モータ、前記油圧ポンプ、及び前記流量制御弁に加え、前記油圧モータの入口側及び出口側にそれぞれ設けられるリリーフ弁を含む油圧回路モデルの特性に近似する特性で前記電動機を作動させるための旋回指令信号を作成するものであり、
    この演算制御装置のモータ圧想定手段は、前記リリーフ弁によるリリーフ流量を決定するリリーフ流量決定手段をさらに含み、
    当該モータ圧想定手段のモータ圧演算手段は、前記旋回速度検出手段が検出する旋回速度と、少なくとも前記基本流量決定手段が決定した各流量及び前記リリーフ流量決定手段が決定するリリーフ流量とに基づいて想定される前記油圧モータの入口圧及び出口圧を演算し、
    前記リリーフ流量決定手段は、前記モータ圧演算手段により前記油圧モータの入口圧及び出口圧が演算された後は当該入口圧及び当該出口圧に基づいて各リリーフ弁のリリーフ流量を演算することを特徴とする作業機械の旋回駆動装置。
  4. 請求項3記載の作業機械の旋回駆動装置において、
    前記演算制御装置のモータ圧想定手段は、前記旋回体の旋回加速度に基づいて前記電動機のトルクのハンチングを抑制するための応答特性調整流量を演算する調整流量決定手段をさらに含み、
    当該モータ圧想定手段のモータ圧演算手段は、前記旋回速度検出手段が検出する旋回速度と、前記基本流量決定手段が決定した各流量と、前記リリーフ流量決定手段が決定するリリーフ流量と、前記調整流量演算手段が決定する調整流量とに基づいて想定される前記油圧モータの入口圧及び出口圧を演算することを特徴とする作業機械の旋回駆動装置。
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