JP5061961B2 - 誘電体磁器組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、誘電体磁器組成物に係り、さらに詳しくは、比較的に定格電圧が高い中高圧用途に好適に用いられる誘電体磁器組成物に関する。
近年、電子回路の高密度化に伴う電子部品の小型化に対する要求は高く、積層セラミックコンデンサの小型・大容量化が急速に進むとともに、用途も拡大し、要求される特性は様々である。
たとえば、ECM(エンジンエレクトリックコンピュータモジュール)、燃料噴射装置、電子制御スロットル、インバータ、コンバータ、HIDヘッドランプユニット、ハイブリッドエンジンのバッテリコントロールユニット、デジタルスチールカメラ等の機器に用いられる中高圧用コンデンサには、高い電界強度下においても使用できることが求められる。
したがって、上記の機器に中高圧用コンデンサを用いる場合、電子部品の高密度の実装により生じる発熱や、自動車用電子部品に代表される過酷な使用環境が問題となるため、高電圧下で使用できることだけでなく、高温度下、たとえば100℃以上の環境下においても高い信頼性が望まれている。
このような要求に対して、たとえば、特許文献1には、主成分であるチタン酸バリウムに比較的多量の希土類酸化物、Mn、Mg等の酸化物を添加した組成を有する非還元性誘電体セラミックが提案されている。
また、特許文献2には、結晶粒界に希土類元素、M元素(MはNi,Co,Fe,CrおよびMnから選ばれた少なくとも1種)を存在させている積層セラミックコンデンサが提案されている。
しかしながら、特許文献1に開示された積層セラミックコンデンサにおいては、高温負荷寿命において、要求を十分に満足し得るものではない。さらに、特許文献2に開示された積層セラミックコンデンサにおいては、DCバイアス特性において、要求を満足しない。
また、強誘電性を示すチタン酸バリウムを主成分とする誘電体磁器組成物を使用した積層セラミックコンデンサにおいては、電界を印加した際に、機械的歪みが発生するという電歪現象を伴う。この電歪現象による振動により発生する振動音は、人に不快な音域の場合もあり、対策が必要とされていた。
特開2000−103668号公報 特開2002−201065号公報
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、電圧印加時における電歪量が低く、しかも高温負荷寿命およびDCバイアス特性を向上させることができる誘電体磁器組成物を提供することを目的とする。
本発明者等は、上記目的を達成するために鋭意検討を行った結果、チタン酸バリウムを含む主成分と、特定の副成分とを有する誘電体磁器組成物が、電圧印加時における電歪量が低くすることができることを見出し、さらに、この誘電体磁器組成物を構成する誘電体粒子の周囲に存在する結晶粒界において、特定の副成分元素の含有割合を特定の範囲とすることで、高温負荷寿命およびDCバイアス特性を向上することができることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係る誘電体磁器組成物は、
チタン酸バリウムを含む主成分と、
BaZrOを含む第1副成分と、
Rの酸化物(ただし、Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも1種)を含む第2副成分と、
Mの酸化物(ただし、Mは、Mn、Ni、Cr、CoおよびFeから選択される少なくとも1種)を含む第3副成分と、
Siの酸化物を含む第4副成分と、を含有する誘電体磁器組成物であって、
前記誘電体磁器組成物が、複数の誘電体粒子と、隣り合う前記誘電体粒子間に存在する結晶粒界と、を有しており、
前記結晶粒界における前記Zr元素の含有割合および前記R元素の含有割合を測定したときに、前記Zr元素の含有割合および前記R元素の含有割合が1atom%以上である測定点の割合が、全測定点の90%以上であり、かつ、測定点における前記Zr元素の含有割合の平均値および前記R元素の含有割合の平均値が、1atom%以上である。
好ましくは、前記主成分100モルに対して、第1副成分の比率が、BaZrO換算で、10モル以上、第2副成分の比率が、R換算で、4〜6モルである。
好ましくは、前記チタン酸バリウムを、組成式(BaO)・TiOと表したときに、前記式中のxが、1.000以上で1.010を超えない。
本発明に係る誘電体磁器組成物が好適に用いられる誘電体層を有する電子部品は特に制限されないが、積層セラミックコンデンサ、圧電素子、チップインダクタ、チップバリスタ、チップサーミスタ、チップ抵抗、その他の表面実装(SMD)チップ型電子部品が例示される。
本発明によれば、通常、主成分に拡散する傾向にあるZr元素およびR元素を結晶粒界中に特定量存在させて、結晶粒界におけるZr元素の含有割合およびR元素の含有割合が上記の範囲に制御された誘電体磁器組成物が得られる。このようにすることにより、本発明に係る誘電体磁器組成物は、良好な高温負荷寿命を示し、比較的に定格電圧が高い中高圧用途に好適に用いられる。
また、第1副成分および第2副成分の含有量を上記の範囲、あるいは主成分に含まれるチタン酸バリウムのAサイトとBサイトとの比率(x)を上記の範囲とすることで、上記の効果に加え、比誘電率が高く、DCバイアス特性および電歪特性に優れた誘電体磁器組成物を得ることができる。
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図、
図2は、図1に示す誘電体層2の要部拡大断面図、
図3は、結晶粒界2bにおけるZr元素の含有割合およびR元素の含有割合を測定する方法を説明するための模式図、
図4は、本発明の実施例および比較例に係る試料について、結晶粒界におけるZr元素の含有割合およびR元素の含有割合が1atom%以上である測定点の割合と、高温負荷寿命と、の関係を示すグラフ、
図5は、本発明の実施例および比較例に係る試料について、結晶粒界におけるZr元素の含有割合の平均値と、高温負荷寿命と、の関係を示すグラフ、
図6は、本発明の実施例および比較例に係る試料について、結晶粒界におけるR元素の含有割合の平均値と、高温負荷寿命と、の関係を示すグラフである。
積層セラミックコンデンサ1
図1に示すように、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサ1は、誘電体層2と内部電極層3とが交互に積層された構成のコンデンサ素子本体10を有する。このコンデンサ素子本体10の両端部には、素子本体10の内部で交互に配置された内部電極層3と各々導通する一対の外部電極4が形成してある。コンデンサ素子本体10の形状に特に制限はないが、通常、直方体状とされる。また、その寸法にも特に制限はなく、用途に応じて適当な寸法とすればよい。
内部電極層3は、各端面がコンデンサ素子本体10の対向する2端部の表面に交互に露出するように積層してある。また、一対の外部電極4は、コンデンサ素子本体10の両端部に形成され、交互に配置された内部電極層3の露出端面に接続されて、コンデンサ回路を構成する。
誘電体層2
誘電体層2は、本発明の誘電体磁器組成物を含有する。
本発明の誘電体磁器組成物は、チタン酸バリウムを含む主成分と、BaZrOを含む第1副成分と、Rの酸化物(ただし、Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも1種)を含む第2副成分と、Mの酸化物(ただし、Mは、Mn、Ni、Cr、CoおよびFeから選択される少なくとも1種)を含む第3副成分と、Siの酸化物を含む第4副成分と、を有する。
主成分として含有されるチタン酸バリウムは、たとえば、組成式(BaO)TiOで表される。前記組成式中のxは、チタン酸バリウムのAサイトとBサイトとの比率を示しており、xは、好ましくは1.000≦x<1.010、さらに好ましくは1.000≦x≦1.004である。
xが小さすぎると、比誘電率が低下すると共に高温負荷寿命が低下する傾向にある。一方、xが大きすぎると、電歪特性、DCバイアス特性が低下する傾向にある。
第1副成分(BaZrO)は、主に、主成分であるチタン酸バリウムの強誘電性を抑制する効果を有する。第1副成分の含有量は、主成分100モルに対して、BaZrO換算で、好ましくは10モル以上であり、より好ましくは10〜15モルである。第1副成分の含有量が少なすぎると、電歪特性およびDCバイアス特性が悪化する傾向にあり、一方、多すぎると比誘電率が低下する傾向にある。
第2副成分(Rの酸化物)は、主に、主成分であるチタン酸バリウムの強誘電性を抑制する効果を有する。第2副成分の含有量は、主成分100モルに対して、R換算で、好ましくは4〜6モルであり、より好ましくは4〜5モルである。第2副成分の含有量が少なすぎると、電歪特性およびDCバイアス特性が悪化すると共に高温負荷寿命が悪化する傾向にある。一方、多すぎると比誘電率が低下する傾向にある。なお、上記Rの酸化物を構成するR元素としては、Gd、Sm、Tb、Dy、Ho、Yから選択される少なくとも1種が好ましい。中でも温度特性に優れることから、Gdが特に好ましい。
第3副成分(Mの酸化物)は、誘電体磁器組成物の耐還元性を向上させる効果を有する。第3副成分の含有量は、主成分100モルに対して、MnO、NiO、CrO3/2 、CoO4/3 またはFeO3/2 換算で、好ましくは0.1〜2.0モルであり、より好ましくは0.4〜1.5モルである。第3副成分の含有量が少なすぎると、誘電体の抵抗値が低下する傾向にある。一方、多すぎると、高温負荷寿命が悪化する傾向にある。なお、第3副成分としては、上記各酸化物のなかでも特性の改善効果が大きいという点から、MnまたはCrの酸化物を用いることが好ましい。
第4副成分(Siの酸化物)は主として焼結助剤としての役割を有している。第4副成分の含有量は、主成分100モルに対して、SiO換算で、好ましくは0.5〜5.0モルであり、より好ましくは1.0〜3.0モルである。第4副成分の含有量が少なすぎると、焼結性が悪化する傾向にある。一方、多すぎると、比誘電率が低下する傾向にある。なお、第4副成分としてのSiの酸化物が含有される形態については特に制限されず、たとえば、SiOの形態で含まれていてもよいし、(Ba,Ca)SiO等の複合酸化物の形態で含まれていてもよい。
なお、本実施形態においては、必要に応じて、上記第1〜第4副成分に加えて、その他の副成分を添加しても良い。このような副成分としては、たとえば、Mgの酸化物、Alの酸化物などが挙げられる。Mgの酸化物は、他の特性を良好に保ちながら、容量温度特性を安定させる効果を有する。また、Alの酸化物は、他の特性を良好に保ちながら、焼結助剤としての効果を有する。これらの酸化物を用いる場合における含有量は、主成分100モルに対して、Mgの酸化物が、MgO換算で、1.0〜5.0モル、Alの酸化物が、Al換算で、0.3〜1.0モルであることが好ましい。
誘電体層の微細構造
図2に示すように、誘電体層2は、誘電体粒子(結晶粒)2aと、隣接する複数の誘電体粒子2a間に形成された結晶粒界2bと、を含んで構成される。この誘電体粒子2aは、主成分であるチタン酸バリウムと、上記の副成分とを含んでいると考えられる。
結晶粒界2bは、誘電体層あるいは内部電極層を構成する材質の酸化物や、別途添加された材質の酸化物、さらには工程中に不純物として混入する材質の酸化物を成分とし、通常は主としてガラスないしガラス質で構成される。
本発明では、結晶粒界2bには、Zr元素およびR元素が含まれており、その含有割合が制御されている。なお、結晶粒界2bには、Si元素やM元素が存在していてもよい。
本発明では、結晶粒界2bにおけるZr元素の含有割合およびR元素の含有割合を測定した場合に、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合が1atom%以上である測定点の存在割合が、全測定点の90%以上、好ましくは92〜100%である。また、測定点におけるZr元素の含有割合の平均値が1atom%以上、好ましくは1.5atom%以上であり、測定点におけるR元素の含有割合の平均値が1atom%以上、好ましくは1.3atom%以上である。
通常、Zr元素およびR元素は、主成分に拡散する傾向にあり、結晶粒界2bにおける含有割合は非常に小さい。これに対して本発明では、Zr元素およびR元素の含有割合を上記の範囲に制御することで、誘電体磁器組成物の高温負荷寿命を向上させることができる。
Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合が1atom%以上である測定点の存在割合が、全測定点の90%未満である場合には、高温負荷寿命が悪化する傾向にある。また、測定点におけるZr元素の含有割合の平均値およびR元素の含有割合の平均値の双方またはいずれか一方が、1atom%未満である場合にも、高温負荷寿命が悪化する傾向にある。
結晶粒界2bにおけるZr元素の含有割合およびR元素の含有割合を測定する方法としては、特に制限されないが、たとえば、TEMを用いた点分析により測定することができる。
本実施形態では、以下のようにして、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合を測定することができる。まず、誘電体層を、走査透過型電子顕微鏡(STEM)により観察し、目視にて誘電体粒子2aと結晶粒界2bとを判別する。次に、任意の誘電体粒子を選択し、その誘電体粒子の周囲に存在する結晶粒界2bにおいて所定数の測定点を選択する。たとえば、図3に示すように、その誘電体粒子の外周長さを略5等分する点を測定点とする。そして、選択された測定点(5点)において、STEMに付属のエネルギー分散型X線分光装置を用いて、点分析を行い、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合を算出する。
これを所定数の誘電体粒子について行うことで、結晶粒界2bにおけるZr元素の含有割合およびR元素の含有割合を測定することができる。測定点は100点以上であることが好ましい。また、選択する誘電体粒子は20個以上であることが好ましい。Zr元素およびR元素の含有割合の偏りの影響を小さくすることができるからである。
図1に示す誘電体層2を構成する誘電体粒子の平均粒子径は、誘電体層2の厚さなどに応じて決定すればよいが、本実施形態では、1.5μm以下であることが好ましい。
内部電極層3
図1に示す内部電極層3に含有される導電材は特に限定されないが、誘電体層2の構成材料が耐還元性を有するため、比較的安価な卑金属を用いることができる。導電材として用いる卑金属としては、NiまたはNi合金が好ましい。Ni合金としては、Mn,Cr,CoおよびAlから選択される1種以上の元素とNiとの合金が好ましく、合金中のNi含有量は95重量%以上であることが好ましい。なお、NiまたはNi合金中には、P等の各種微量成分が0.1重量%程度以下含まれていてもよい。また、内部電極層3は、市販の電極用ペーストを使用して形成してもよい。内部電極層3の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよい。
外部電極4
図1に示す外部電極4に含有される導電材は特に限定されないが、本発明では安価なNi,Cuや、これらの合金を用いることができる。外部電極4の厚さは用途等に応じて適宜決定すればよい。
積層セラミックコンデンサ1の製造方法
本実施形態の積層セラミックコンデンサ1は、従来の積層セラミックコンデンサと同様に、ペーストを用いた通常の印刷法やシート法によりグリーンチップを作製し、これを焼成した後、外部電極を印刷または転写して焼成することにより製造される。以下、製造方法について具体的に説明する。
まず、誘電体層用ペーストに含まれる誘電体原料(誘電体磁器組成物粉末)を準備し、これを塗料化して、誘電体層用ペーストを調製する。
誘電体層用ペーストは、誘電体原料と有機ビヒクルとを混練した有機系の塗料であってもよく、水系の塗料であってもよい。
誘電体原料としては、上記した主成分および副成分の酸化物やその混合物、複合酸化物を用いることができるが、その他、焼成により上記した酸化物や複合酸化物となる各種化合物、たとえば、炭酸塩、シュウ酸塩、硝酸塩、水酸化物、有機金属化合物等から適宜選択し、混合して用いることもできる。例を挙げると、(BaO)・TiOの原料として、(BaO)・TiOを用いてもよいし、BaCOおよびTiOを用いてもよい。また、BaZrOの原料として、BaZrOを用いてもよいし、BaCOおよびZrOを用いてもよい。
誘電体原料中の各化合物の含有量は、焼成後に上記した誘電体磁器組成物の組成となるように決定すればよい。塗料化する前の状態で、誘電体原料の粒径は、通常、平均粒径0.1〜1μm程度である。
主成分原料としてのチタン酸バリウム粉末は、いわゆる固相法の他、各種液相法(たとえば、しゅう酸塩法、水熱合成法、アルコキシド法、ゾルゲル法など)により製造されたものなど、種々の方法で製造されたものを用いることができる。
なお、本実施形態では、第1副成分(BaZrO)、第2副成分(R元素酸化物)および第4副成分(Si酸化物)の原料のみを予め仮焼きし、仮焼き後の原料を主成分原料および残りの副成分原料に添加して誘電体原料とすることが好ましい。たとえば、第2副成分、第3副成分および第4副成分の原料のみを予め仮焼きしても、本発明の効果は得るのは難しい。
仮焼き温度は、好ましくは1000〜1200℃であり、仮焼き時間は、好ましくは2〜10時間である。第1副成分、第2副成分および第4副成分の原料のみを、所定の温度・時間で予め仮焼きすることで、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合を上述した範囲とすることができる。
有機ビヒクルとは、バインダを有機溶剤中に溶解したものである。有機ビヒクルに用いるバインダは特に限定されず、エチルセルロース、ポリビニルブチラール等の通常の各種バインダから適宜選択すればよい。用いる有機溶剤も特に限定されず、印刷法やシート法など、利用する方法に応じて、テルピネオール、ブチルカルビトール、アセトン、トルエン等の各種有機溶剤から適宜選択すればよい。
また、誘電体層用ペーストを水系の塗料とする場合には、水溶性のバインダや分散剤などを水に溶解させた水系ビヒクルと、誘電体原料とを混練すればよい。水系ビヒクルに用いる水溶性バインダは特に限定されず、たとえば、ポリビニルアルコール、セルロース、水溶性アクリル樹脂などを用いればよい。
内部電極層用ペーストは、上記した各種導電性金属や合金からなる導電材、あるいは焼成後に上記した導電材となる各種酸化物、有機金属化合物、レジネート等と、上記した有機ビヒクルとを混練して調製する。
外部電極用ペーストは、上記した内部電極層用ペーストと同様にして調製すればよい。
上記した各ペースト中の有機ビヒクルの含有量に特に制限はなく、通常の含有量、たとえば、バインダは1〜5重量%程度、溶剤は10〜50重量%程度とすればよい。また、各ペースト中には、必要に応じて各種分散剤、可塑剤、誘電体、絶縁体等から選択される添加物が含有されていてもよい。これらの総含有量は、10重量%以下とすることが好ましい。
印刷法を用いる場合、誘電体層用ペーストおよび内部電極層用ペーストを、PET等の基板上に印刷、積層し、所定形状に切断した後、基板から剥離してグリーンチップとする。
また、シート法を用いる場合、誘電体層用ペーストを用いてグリーンシートを形成し、この上に内部電極層用ペーストを印刷した後、これらを積層してグリーンチップとする。
焼成前に、グリーンチップに脱バインダ処理を施す。脱バインダ条件としては、昇温速度を好ましくは5〜300℃/時間、保持温度を好ましくは180〜400℃、温度保持時間を好ましくは0.5〜24時間とする。また、焼成雰囲気は、空気もしくは還元性雰囲気とする。
グリーンチップの焼成は、還元性雰囲気とすることが好ましく、雰囲気ガスとしてはたとえば、NとHとの混合ガスを加湿して用いることができる。その他の条件は、以下のようにするのが好ましい。
まず、昇温速度は、好ましくは400℃/時間以上、より好ましくは500〜800℃/時間である。昇温速度を上記の範囲とすることで、Zr元素およびR元素を結晶粒界に存在させることができ、その結果、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合を上述した範囲とすることができる。
焼成時の保持温度は、好ましくは1000〜1400℃、より好ましくは1200〜1300℃であり、その保持時間は、好ましくは0.5〜8時間、より好ましくは2〜5時間である。保持温度が上記範囲未満であると緻密化が不十分となり、前記範囲を超えると、内部電極層の異常焼結による電極の途切れや、内部電極層構成材料の拡散による容量温度特性の悪化、誘電体磁器組成物の還元が生じやすくなる。
焼成時の酸素分圧は、内部電極層用ペースト中の導電材の種類に応じて適宜決定されればよいが、導電材としてNiやNi合金等の卑金属を用いる場合、焼成雰囲気中の酸素分圧は、10−14〜10−10MPaとすることが好ましい。酸素分圧が上記範囲未満であると、内部電極層の導電材が異常焼結を起こし、途切れてしまうことがある。また、酸素分圧が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化する傾向にある。
降温速度は、好ましくは50〜1000℃/時間、より好ましくは100〜800℃/時間である。
本実施形態では、副成分の原料粉末の添加量、特定の副成分原料の仮焼の有無、上記の焼成条件の制御等を組み合わせることにより、誘電体層2中の結晶粒界2bにおけるZr元素の含有割合およびR元素の含有割合を上述した範囲内に制御することができる。その結果、電歪特性およびDCバイアス特性を良好に保ちつつ、しかも高温負荷寿命が向上した誘電体磁器組成物を得ることができる。
還元性雰囲気中で焼成した後、コンデンサ素子本体にはアニールを施すことが好ましい。アニールは、誘電体層を再酸化するための処理であり、これによりIR寿命を著しく長くすることができるので、信頼性が向上する。
アニール雰囲気中の酸素分圧は、10−9〜10−5MPaとすることが好ましい。酸素分圧が前記範囲未満であると誘電体層の再酸化が困難であり、前記範囲を超えると内部電極層の酸化が進行する傾向にある。
アニールの際の保持温度は、1100℃以下、特に500〜1100℃とすることが好ましい。保持温度が上記範囲未満であると誘電体層の酸化が不十分となるので、IRが低く、また、IR寿命が短くなりやすい。一方、保持温度が前記範囲を超えると、内部電極層が酸化して容量が低下するだけでなく、内部電極層が誘電体素地と反応してしまい、容量温度特性の悪化、IRの低下、IR寿命の低下が生じやすくなる。なお、アニールは昇温過程および降温過程だけから構成してもよい。すなわち、温度保持時間を零としてもよい。この場合、保持温度は最高温度と同義である。
これ以外のアニール条件としては、温度保持時間を好ましくは0〜20時間、より好ましくは2〜10時間、降温速度を好ましくは50〜500℃/時間、より好ましくは100〜300℃/時間とする。また、アニールの雰囲気ガスとしては、たとえば、加湿したNガス等を用いることが好ましい。
上記した脱バインダ処理、焼成およびアニールにおいて、Nガスや混合ガス等を加湿するには、たとえばウェッター等を使用すればよい。この場合、水温は5〜75℃程度が好ましい。
脱バインダ処理、焼成およびアニールは、連続して行なっても、独立に行なってもよい。
上記のようにして得られたコンデンサ素子本体に、例えばバレル研磨やサンドブラストなどにより端面研磨を施し、外部電極用ペーストを塗布して焼成し、外部電極4を形成する。そして、必要に応じ、外部電極4表面に、めっき等により被覆層を形成する。
このようにして製造された本実施形態の積層セラミックコンデンサは、ハンダ付等によりプリント基板上などに実装され、各種電子機器等に使用される。
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は、上述した実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々に改変することができる。
たとえば、上述した実施形態では、本発明に係る誘電体磁器組成物を適用した電子部品として積層セラミックコンデンサを例示したが、本発明に係る誘電体磁器組成物を適用する電子部品としては、積層セラミックコンデンサに限定されず、上記構成の誘電体層を有するものであれば何でも良い。
以下、本発明を、さらに詳細な実施例に基づき説明するが、本発明は、これら実施例に限定されない。
実施例1
まず、主成分の原料として、(BaO)・TiO粉末を、副成分の原料として、BaZrO、R、MOおよびSiOを、それぞれ準備した。なお、(BaO)・TiO粉末としては、表1に示すxの値を有するものを準備した。また、Rとしては、GdおよびYを準備し、MOとしては、MnOおよびCrを準備した。さらに、上記の原料以外に、MgCOおよびAlを準備した。
次に、上記で準備した副成分の原料を、表1の「仮焼きした副成分」の欄に示す副成分のみを1000℃で仮焼きした。この仮焼き後の原料と、主成分の原料および残りの副成分の原料とをボールミルで15時間、湿式粉砕し、乾燥して、誘電体原料を得た。なお、各副成分の添加量は、主成分であるBaTiO100モルに対して、表1に示す量とした。
なお、MgCOは、焼成後には、MgOとして誘電体磁器組成物中に含有されることとなる。
次いで、得られた誘電体原料:100重量部と、ポリビニルブチラール樹脂:10重量部と、可塑剤としてのジオクチルフタレート(DOP):5重量部と、溶媒としてのアルコール:100重量部とをボールミルで混合してペースト化し、誘電体層用ペーストを得た。
また、上記とは別に、Ni粒子:44.6重量部と、テルピネオール:52重量部と、エチルセルロース:3重量部と、ベンゾトリアゾール:0.4重量部とを、3本ロールにより混練し、スラリー化して内部電極層用ペーストを作製した。
そして、上記にて作製した誘電体層用ペーストを用いて、PETフィルム上に、乾燥後の厚みが30μmとなるようにグリーンシートを形成した。次いで、この上に内部電極層用ペーストを用いて、電極層を所定パターンで印刷した後、PETフィルムからシートを剥離し、電極層を有するグリーンシートを作製した。次いで、電極層を有するグリーンシートを複数枚積層し、加圧接着することによりグリーン積層体とし、このグリーン積層体を所定サイズに切断することにより、グリーンチップを得た。
次いで、得られたグリーンチップについて、脱バインダ処理、焼成およびアニールを下記条件にて行って、積層セラミック焼成体を得た。
脱バインダ処理条件は、昇温速度:25℃/時間、保持温度:260℃、温度保持時間:8時間、雰囲気:空気中とした。
焼成は、昇温速度は、表1に示す昇温速度とした。また、保持温度は、表1に示すように1200〜1300℃とし、保持時間を2〜5時間とした。降温速度は、昇温速度と同様にした。なお、雰囲気ガスは、加湿したN+H混合ガスとし、酸素分圧が10−12MPaとなるようにした。
アニール条件は、昇温速度:200℃/時間、保持温度:1000℃、温度保持時間:2時間、降温速度:200℃/時間、雰囲気ガス:加湿したNガス(酸素分圧:10−7MPa)とした。
なお、焼成およびアニールの際の雰囲気ガスの加湿には、ウェッターを用いた。
次いで、得られた積層セラミック焼成体の端面をサンドブラストにて研磨した後、外部電極としてIn−Gaを塗布し、図1に示す積層セラミックコンデンサの試料を得た。得られたコンデンサ試料のサイズは、3.2mm×1.6mm×0.6mmであり、誘電体層の厚み20μm、内部電極層の厚み1.5μm、内部電極層に挟まれた誘電体層の数は10とした。
得られた各コンデンサ試料について、誘電体層中の結晶粒界におけるZr元素およびR元素の含有割合の測定を下記に示す方法で行った。次に、比誘電率(εs)、DCバイアス特性、電圧印加による電歪量および高温負荷寿命を下記に示す方法により測定した。
結晶粒界におけるZr元素およびR元素の含有割合の測定
各試料について、任意の誘電体粒子20個を選択し、透過型電子顕微鏡(TEM)に付属のエネルギー分散型X線分光装置を用いて点分析を行うことにより、結晶粒界におけるZr元素およびR元素の含有割合を測定した。まず、誘電体粒子の周囲に存在する結晶粒界において、誘電体粒子の外周長さを略5等分にするように測定点を選択した。この測定点において、点分析を行い、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合を測定した。この測定を20個の誘電体粒子について行い、合計で測定点を100点とした。
測定した100点に対して、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合が1atom%以上である測定点の割合(%)を求めた。本実施例では、90%以上、すなわち、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合が1atom%以上である測定点が90点以上である場合を良好とした。結果を表1に示す。
さらに、測定した100点について、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合の平均値をそれぞれ求めた。Zr元素の含有割合の平均値およびR元素の含有割合の平均値が、いずれも1atom%以上である場合を良好とした。結果を表1に示す。
比誘電率εs
コンデンサ試料に対し、25℃において、デジタルLCRメータ(YHP社製4284A)にて、周波数1kHz、入力信号レベル(測定電圧)1Vrmsの信号を入力し、静電容量Cを測定した。そして、比誘電率εs(単位なし)を、誘電体層の厚みと、有効電極面積と、測定の結果得られた静電容量Cとに基づき算出した。本実施例では、10個のコンデンサ試料を用いて算出した値の平均値を比誘電率とした。比誘電率は高いほうが好ましく、800以上を良好とした。結果を表2に示す。
DCバイアス特性
コンデンサ試料に対し、25℃にて、10V/μmの電界下で直流電圧の印可状態に保持し、デジタルLCRメータ(YHP社製4284A)にて、周波数1kHz、入力信号レベル(測定電圧)1Vrmsの条件で静電容量を測定し、基準温度25℃における静電容量に対する変化率を算出した。本実施例では、−40%以上を良好とした。結果を表2に示す。
電圧印加による電歪量
まず、コンデンサ試料を、所定パターンの電極がプリントしてあるガラスエポキシ基板にハンダ付けすることにより固定した。次いで、基板に固定したコンデンサ試料に対して、AC:10Vrms/μm、周波数3kHzの条件で電圧を印加し、電圧印加時におけるコンデンサ試料表面の振動幅を測定し、これを電歪量とした。なお、コンデンサ試料表面の振動幅の測定には、レーザードップラー振動計を使用した。また、本実施例では、10個のコンデンサ試料を用いて測定した値の平均値を電歪量とした。電歪量は低いほうが好ましく、40ppm以下を良好とした。結果を表2に示す。
高温負荷寿命
コンデンサ試料に対し、200℃にて、40V/μmの電界下で直流電圧の印加状態に保持し、寿命時間を測定することにより、高温負荷寿命を評価した。本実施例においては、印加開始から絶縁抵抗が一桁落ちるまでの時間を寿命と定義した。また、この高温負荷寿命は、10個のコンデンサ試料について行った。評価基準は、10時間以上を良好とした。結果を表2に示す。
Figure 0005061961
Figure 0005061961
また、図4は、試料番号3〜5および8〜12までの試料について、結晶粒界におけるZr元素の含有割合およびR元素の含有割合が1atom%以上である測定点の割合と、高温負荷寿命と、の関係を示すグラフである。図5は、試料番号1および8〜11までの試料について、結晶粒界におけるZr元素の含有割合の平均値と、高温負荷寿命と、の関係を示すグラフである。図6は、試料番号2および8〜11までの試料について、結晶粒界におけるR元素の含有割合の平均値と、高温負荷寿命と、の関係を示すグラフである。
表1および2より、結晶粒界におけるZr元素の含有割合の平均値が1atom%未満である場合(試料番号1)および結晶粒界におけるR元素の含有割合の平均値が1atom%未満である場合(試料番号2)には、表2から明らかなように、高温負荷寿命が劣っている。
また、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合が1atom%以上である測定点が、全体の90%未満である場合(試料番号3〜5)にも、表2から明らかなように、高温負荷寿命が劣っている。
さらに、第2副成分および第3副成分のみを予め仮焼きした場合(試料番号6)および第2〜4副成分のみを予め仮焼きした場合(試料番号7)には、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合が1atom%以上である測定点が、全体の80%以下となっていることが確認できる。その結果、表2から明らかなように、高温負荷寿命がきわめて劣っている。
これに対し、結晶粒界におけるZr元素の含有割合の平均値およびR元素の含有割合の平均値が本発明の範囲内であり、かつ、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合が1atom%以上である測定点が、本発明の範囲内である場合(試料番号8〜12)には、表2から明らかなように、比誘電率、DCバイアス特性および電歪特性を良好に保ちつつ、高温負荷寿命が向上している。
このような特性結果は、図4〜6からも明らかである。すなわち、図4から、Zr元素の含有割合およびR元素の含有割合が1atom%以上である測定点が、全体の90%を超えると、高温負荷寿命が急激に良好になっていることが確認できる。また、図5および6から、結晶粒界におけるZr元素またはR元素の含有割合の平均値が1atom%以上となると、高温負荷寿命が急激に良好になっていることが確認できる。
実施例2
として、Gd、Yb、Sm、DyおよびHoを準備し、各副成分の含有量を表3に示す量とした以外は、実施例1と同様にして、コンデンサ試料を作製し、実施例1と同様の特性評価を行った。結果を表3および4に示す。
Figure 0005061961
Figure 0005061961
表3および4より、第1副成分または第2副成分の含有量を本発明の好ましい範囲外である場合(試料番号13〜16)には、表4から明らかなように、DCバイアス特性、電歪特性、比誘電率等が悪化している。また、主成分である(BaO)・TiOにおけるxの値が本願発明の好ましい範囲外である場合(試料番号17および18)にも、表4から明らかなように、DCバイアス特性や高温負荷寿命が悪化している。
これに対して、第1副成分または第2副成分の含有量、またはxの値を、本発明の好ましい範囲内することで、さらに良好な結果が得られる。
図1は、本発明の一実施形態に係る積層セラミックコンデンサの断面図である。 図2は、図1に示す誘電体層2の要部拡大断面図である。 図3は、結晶粒界2bにおけるZr元素の含有割合およびR元素の含有割合を測定する方法を説明するための模式図である。 図4は、本発明の実施例および比較例に係る試料について、結晶粒界におけるZr元素の含有割合およびR元素の含有割合が1atom%以上である測定点の割合と、高温負荷寿命と、の関係を示すグラフである。 図5は、本発明の実施例および比較例に係る試料について、結晶粒界におけるZr元素の含有割合の平均値と、高温負荷寿命と、の関係を示すグラフである。 図6は、本発明の実施例および比較例に係る試料について、結晶粒界におけるR元素の含有割合の平均値と、高温負荷寿命と、の関係を示すグラフである。
符号の説明
1… 積層セラミックコンデンサ
10… コンデンサ素子本体
2… 誘電体層
2a… 誘電体粒子
2b… 結晶粒界
3… 内部電極層
4… 外部電極

Claims (3)

  1. チタン酸バリウムを含む主成分と、
    BaZrOを含む第1副成分と、
    Rの酸化物(ただし、Rは、Sc、Y、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、YbおよびLuから選択される少なくとも1種)を含む第2副成分と、
    Mの酸化物(ただし、Mは、Mn、Ni、Cr、CoおよびFeから選択される少なくとも1種)を含む第3副成分と、
    Siの酸化物を含む第4副成分と、を含有する誘電体磁器組成物であって、
    前記誘電体磁器組成物が、複数の誘電体粒子と、隣り合う前記誘電体粒子間に存在する結晶粒界と、を有しており、
    前記結晶粒界における前記Zr元素の含有割合および前記R元素の含有割合を測定したときに、前記Zr元素の含有割合および前記R元素の含有割合が1atom%以上である測定点の割合が、全測定点の90%以上であり、かつ、測定点における前記Zr元素の含有割合の平均値および前記R元素の含有割合の平均値が、1atom%以上であることを特徴とする誘電体磁器組成物。
  2. 前記主成分100モルに対して、第1副成分の比率が、BaZrO換算で、10モル以上、第2副成分の比率が、R換算で、4〜6モルである請求項1に記載の誘電体磁器組成物。
  3. 前記チタン酸バリウムを、組成式(BaO)・TiOと表したときに、前記式中のxが、1.000以上で1.010を超えないことを特徴とする請求項1または2に記載の誘電体磁器組成物。
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