JP5060757B2 - 弱溶剤可溶型イソシアネート - Google Patents

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Description

本発明は、ポリイソシアネート硬化剤、詳しくは、含フッ素共重合体を硬化させるために、好適に用いられるポリイソシアネート硬化剤に関する。
従来より、耐候性に優れる塗料用樹脂として、フッ素樹脂が知られており、例えば、重防食トップコートや、セメント基材のトップコートなどとして、用いられている。
また、このようなフッ素樹脂を含有する塗料用樹脂に、トルエンやキシレンなどの強溶剤(強極性溶剤)が含有されていると、合成樹脂調合ペイント、塩化ゴム系塗料、ラッカー類などの塗膜であって経年変化した旧塗膜に、補修などを目的として、塗料用樹脂を直接塗装すると、縮みや膨れを生じ、あるいは、密着性が低下するという不具合を生じる場合がある。
また、このようなフッ素樹脂を含有する塗料用樹脂を、硬度および耐汚染性の向上を図るべく、ポリイソシアネート硬化剤と組み合わせて、2液硬化型塗料として用いる場合には、塗料用樹脂には、イソシアネート基と反応させるための水酸基が導入されているので、弱溶剤(弱極性溶剤)には溶解しにくく、強溶剤が含有される。しかるに、塗料用樹脂に強溶剤が含有されると、上記と同様に、旧塗膜の補修において旧塗膜を損傷させる場合がある。
そのため、弱溶剤に可溶であり、かつ、2液硬化型塗料の塗料用樹脂として用いることのできるフッ素樹脂として、例えば、フルオロオレフィンと、フルオロオレフィンと共重合可能な二重結合含有モノマーとの共重合体であり、フルオロオレフィンに基づくフッ素の含有量が10質量%以上であり、二重結合含有モノマーのうち、5〜30モル%が水酸基を含有し、10〜50モル%が炭素数3以上の分岐状アルキル基を含有する弱溶剤可溶性の含フッ素共重合体が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、ポリイソシアネート硬化剤についても、非極性溶剤に溶解し、フッ素樹脂との相溶性に優れるポリイソシアネート硬化剤として、例えば、ジイソシアネート化合物と、炭素数が10〜50のモノアルコールとを、イソシアヌレート化触媒の存在下に反応させた後、未反応のジイソシアネート化合物を除去してなる、イソシアヌレート環を有するポリイソシアネートが提案されている(例えば、特許文献2参照。)。
特開2004−277716号公報 特開平2−250872号公報
しかし、特許文献1に記載の含フッ素共重合体に、特許文献2参照に記載のポリイソシアネートを組み合わせて、2液硬化型塗料として用いる場合において、含フッ素共重合体およびポリイソシアネートを弱溶剤に溶解すると、当初、一旦、完全溶解するものの、その後、弱溶剤量の増加につれて再び析出するという不具合を生じる。
本発明の目的は、弱溶剤に対する溶解性が良好であり、含フッ素共重合体を硬化させた後の塗膜物性にも優れるポリイソシアネート硬化剤を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明のポリイソシアネート硬化剤は、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートと、ドデシルアルコールとの反応により得られ、アロファネート/イソシアヌレート組成比が、50/50〜100/0であることを特徴としている。
また、本発明のポリイソシアネート硬化剤では、ミネラルスピリットに対する下記希釈性が、500%以上であることが好適である。
希釈性:0℃において、ポリイソシアネート硬化剤Xgに対して、ミネラルスピリットを白濁するまで加えたときの、その白濁時点でのミネラルスピリットの配合量Ygから、次式で表される。
希釈性(%)=Yg/Xg×100
また、本発明のポリイソシアネート硬化剤は、フルオロオレフィンと、フルオロオレフィンと共重合可能な二重結合含有モノマーとの共重合体であり、フルオロオレフィンに基づくフッ素の含有量が10質量%以上であり、二重結合含有モノマーのうち、5〜30モル%が水酸基を含有し、10〜50モル%が炭素数3以上の分岐状アルキル基を含有する弱溶剤可溶性の含フッ素共重合体を、硬化させるために、好適に用いられる。
本発明のポリイソシアネート硬化剤は、弱溶剤に対する溶解性に優れ、かつ、含フッ素共重合体を硬化させることにより得られた塗膜において、耐候性および塗膜物性にも優れている。さらには、ポットライフなどの加工性にも優れている。そのため、強溶剤により損傷を受けやすい各種分野の被塗物に対して、被塗物に損傷を与えることなく、塗膜物性に優れる塗膜を形成することができる。
本発明のポリイソシアネート硬化剤は、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートと、少なくとも炭素数10〜50のモノアルコールとの反応により得ることができる。
本発明において、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートは、イソホロンジイソシアネート(以下、IPDIと省略する。)であって、ポリウレタン原料として入手可能である。
本発明において、炭素数10〜50のモノアルコールとしては、例えば、n−デカノール、n−ウンデカノール、n−ドデカノール、ブチルヘキサノール、トリメチルノニルアルコール、n−トリデカノール、n−テトラデカノール、5−エチル−2−ノナノール、n−ペンタデカノール、n−ヘキサデカノール、2−ヘキシルデカノール、n−ヘプタデカノール、3,9−ジエチル−6−デカノール、n−オクタデカノール、2−イソヘプチルイソウンデカノール、n−ノナデカノール、エイコサノール、2−オクチルドデカノール、セリルアルコール、2−デシルテトラデカノール、2−セチルステアリルアルコール、メリシルアルコールなどが挙げられる。好ましくは、炭素数10〜30のモノアルコール、さらに好ましくは、炭素数10〜16のモノアルコール、より具体的には、n−デカノール(n−デシルアルコール)、n−ドデカノール(n−ドデシルアルコール)、n−ヘキサデカノール(n−ヘキサデシルアルコール)が挙げられる。これらモノアルコールは、単独使用または2種以上併用することもできる。
また、これらモノアルコールは、分子中に1つのヒドロキシル基を有していれば、それ以外の分子構造は、本発明の優れた効果を阻害しない限り、特に制限されず、例えば、分子中に、エステル基、エーテル基、シクロヘキサン環、芳香環などを有することもできる。
そして、本発明において、IPDIと、炭素数10〜50のモノアルコールとは、得られたポリイソシアネート硬化剤において、アロファネート/イソシアヌレート組成比が、50/50〜100/0(質量比)、好ましくは、60/40〜95/5(質量比)となるように反応させる。つまり、アロファネート組成(IPDIのアロファネート体)が、イソシアヌレート組成(IPDIのイソシアヌレート体)に対して同じかそれ以上となるように反応させる。
アロファネート/イソシアヌレート組成比は、得られたポリイソシアネート硬化剤におけるIPDIのアロファネート体と、IPDIのイソシアヌレート体との質量比であって、例えば、示差屈折率検出器(RID)を装備したゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)によって、ポリイソシアネート硬化剤の分子量分布を測定して、得られたクロマトグラム(チャート)から、IPDIのアロファネート体に相当するピークと、IPDIのイソシアヌレート体に相当するピークとの比率(面積比率)を求めることにより、算出することができる。便宜的には、GPCにより測定されたクロマトグラムにおいて、IPDIのアロファネート体に相当するピーク以外のピークを、IPDIのイソシアヌレート体に相当するピークとみなして(但し、未反応のIPDIが残存する場合には、その未反応のIPDIに相当するピークは除外する。)、すべてのピークに対するIPDIのアロファネート体に相当するピークの面積比率を、アロファネート組成比(その残余がイソシアヌレート組成比)として、算出することができる。
得られたポリイソシアネート硬化剤において、IPDIのアロファネート体は、弱溶剤可溶性(希釈性)を向上させることができ、IPDIのイソシアヌレート体は、塗膜物性を向上させることができる。そのため、得られたポリイソシアネート硬化剤において、アロファネート/イソシアヌレート組成比が、上記の範囲であれば、弱溶剤可溶性と塗膜物性とを両立させることができる。
得られたポリイソシアネート硬化剤において、アロファネート/イソシアヌレート組成比が上記の範囲となるように、IPDIと、炭素数10〜50のモノアルコールとを反応させるには、特定の反応触媒の存在下、特定の反応条件で反応させる。
かかる反応触媒としては、反応の制御が容易であり、反応生成物の着色が少なく、熱安定性に劣る二量体の生成を低減できるものが用いられ、例えば、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウムなどのテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドやその有機弱酸塩、例えば、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウムなどのトリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドやその有機弱酸塩、例えば、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸などのアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、例えば、上記アルキルカルボン酸の錫、亜鉛、鉛などの金属塩、例えば、アルミニウムアセチルアセトン、リチウムアセチルアセトンなどのβ−ジケトンの金属キレート化合物、例えば、塩化アルミニウム、三フッ化硼素などのフリーデル・クラフツ触媒、例えば、チタンテトラブチレート、トリブチルアンチモン酸化物などの種々の有機金属化合物、例えば、ヘキサメチルシラザンなどのアミノシリル基含有化合物などが挙げられる。好ましくは、テトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドやその有機弱酸塩や、トリアルキルヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドやその有機弱酸塩などの第4級アンモニウム化合物が挙げられる。これら反応触媒は、単独使用または2種以上併用することもできる。
触媒の添加割合は、IPDI 100質量部に対して、例えば、0.1質量部以下、好ましくは、0.01質量部以下である。ポリウレタン化化合物の高分子化を防ぐため、触媒はなるだけ少量が望ましい。
かかる反応条件としては、例えば、窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気、常圧(大気圧)下において、反応温度が、例えば、80℃を超過する温度、好ましくは、90−100℃であり、反応時間が、例えば、0.1−2.0時間、好ましくは、0.2−0.5時間である。
また、この反応において、IPDIと、炭素数10〜50のモノアルコールとは、炭素数10〜50のモノアルコールの水酸基に対するIPDIのイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、例えば、5−50、好ましくは、15−30となる配合割合にて、配合される。
また、この反応では、必要により、公知の反応溶媒を配合してもよく、さらに、任意のタイミングで公知の触媒失活剤を添加することもできる。
そして、この反応は、より具体的には、例えば、不活性ガスにて置換した反応容器に、IPDIと、炭素数10〜50のモノアルコールとを、上記の配合割合にて仕込み、その後、例えば、80℃を超過する温度、好ましくは、85−90℃で、2−6時間反応させた後、反応触媒を添加して、さらに、例えば、70−90℃、好ましくは、75−85℃で、1−2時間反応させ、その後、触媒失活剤を添加して、反応を停止させるようにする。
反応終了後、未反応のIPDIは、必要により、蒸留などの公知の除去方法により、除去する。
さらに、反応終了後において、得られたポリイソシアネート硬化剤と、数平均分子量が、例えば、400−2000、好ましくは、700−1000のポリオールとを反応させることにより、得られたポリイソシアネート硬化剤をポリオールにて変性することもできる。
このようなポリオールとしては、例えば、ポリオキシエチレンジオール、ポリオキシエチレントリオール、ポリオキシプロピレンジオール、ポリオキシプロピレントリオール、ポリオキシエチレン・オキシプロピレンジオール、ポリオキシエチレン・オキシプロピレントリオールなどのポリオキシアルキレンポリオールなどが挙げられる。これらポリオールは、単独使用または2種以上併用することもできる。
ポリオールの配合割合は、例えば、ポリイソシアネート硬化剤100質量部に対して、例えば、1−20質量部、好ましくは、5−15質量部である。
また、ポリイソシアネート硬化剤とポリオールとは、特に制限されず、公知の反応条件にて反応させることができる。
このようにして得られたポリイソシアネート硬化剤は、上記したように、好ましくは、アロファネート/イソシアヌレート組成比が、50/50〜100/0(質量比)、さらには、60/40〜95/5(質量比)であり転化率(反応率)が、例えば、30−50%、さらには、35−45%であり、イソシアネート含有量が、例えば、10−20%、さらには、12−18%であり、未反応のIPDIの含有量が、例えば、1.0質量%以下、さらには、0.5質量%以下である。
また、得られたポリイソシアネート硬化剤のミネラルスピリットに対する希釈性は、好ましくは、500%以上、さらには、700%以上、通常、1000%以下である。
希釈性は、弱溶剤によってポリイソシアネート硬化剤をどの程度まで希釈できるかを示す指標(希釈率)であって、例えば、0℃において、ポリイソシアネート硬化剤Xgに対して、ミネラルスピリットを白濁するまで加えたときの、その白濁時点でのミネラルスピリットの配合量Ygから、次式で表される。
希釈性(%)=Yg/Xg×100
希釈性が、500%以上であれば、ポリイソシアネート硬化剤の弱溶剤に対する溶解性が大変良好であり、その使用において、ポリイソシアネート硬化剤を弱溶剤に十分溶解させることができる。
そして、本発明のポリイソシアネート硬化剤は、特に制限されないが、例えば、塗料組成物の硬化剤として用いられ、好ましくは、水酸基を有するフッ素樹脂の硬化剤として用いられ、より具体的には、弱溶剤可溶性の含フッ素共重合体の硬化剤として用いられる。
本発明のポリイソシアネート硬化剤は、弱溶剤に対する溶解性に優れ、かつ、含フッ素共重合体を硬化させることにより得られた塗膜において、耐候性および塗膜物性にも優れている。さらには、ポットライフなどの加工性にも優れている。そのため、強溶剤により損傷を受けやすい各種分野の被塗物に対して、被塗物に損傷を与えることなく、塗膜物性に優れる塗膜を形成することができる。
このような含フッ素共重合体として、例えば、フルオロオレフィンと、フルオロオレフィンと共重合可能な二重結合含有モノマーとの共重合体であり、フルオロオレフィンに基づくフッ素の含有量が10質量%以上であり、二重結合含有モノマーのうち、5〜30モル%が水酸基を含有し、10〜50モル%が炭素数3以上の分岐状アルキル基を含有する弱溶剤可溶性の含フッ素共重合体が挙げられる。このような含フッ素共重合体として、例えば、特開2004−277716号公報に記載の塗料用含フッ素共重合体が挙げられる。
フルオロオレフィンは、耐候性の観点より、好ましくは、フッ素付加数が2以上、さらには、3〜4のフルオロオレフィンが挙げられ、具体的には、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレンなどが挙げられ、好ましくは、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンが挙げられる。これらフルオロオレフィンは、単独使用または2種以上併用することもできる。
二重結合含有モノマーは、フルオロオレフィンと共重合可能なフルオロオレフィン以外の、CH=CH−で表される炭素−炭素二重結合を有するビニル系モノマーであって、このようなビニル系モノマーとしては、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基を含有するアルキルビニルエーテル、アルキルビニルエステルなどが挙げられる。
また、二重結合含有モノマーには、水酸基を含有する二重結合含有モノマー(以下、水酸基含有モノマーという。)と、炭素数3以上の分岐状アルキル基を含有する二重結合含有モノマー(以下、分岐アルキル基含有モノマーという。)の両方が含まれる。なお、水酸基含有モノマーが炭素数3以上の分岐状アルキル基を含んでもよく、分岐アルキル基含有モノマーが水酸基を含んでもよい。
また、二重結合含有モノマーのうち、5〜30モル%が水酸基を含有する。水酸基含有モノマーの含有量が、5モル%以上であると、硬度の高い塗膜を得ることができ、また、水酸基含有モノマーの含有量が30モル%以下であると、弱溶剤に対して、十分な溶解性を維持することができる。
水酸基含有モノマーの炭素数は、特に制限されないが、好ましくは、2〜10、さらに好ましくは、2〜6、とりわけ好ましくは、2〜4である。
このような水酸基含有モノマーとしては、例えば、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル(HEVE)、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルなどのヒドロキシアルキルビニルエーテル類、例えば、ヒドロキシエチルアリルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノアリルエーテルなどのヒドロキシアルキルアリルエーテル類、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類などが挙げられる。
共重合性に優れ、形成される塗膜の耐候性の向上を図る観点から、好ましくは、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類が挙げられる。とりわけ、弱溶剤に対する溶解性に優れる観点から、好ましくは、炭素数2〜4のヒドロキシアルキルビニルエーテル、より好ましくは、HBVEが挙げられる。これら水酸基含有モノマーは、単独使用または2種以上併用することもできる。
また、二重結合含有モノマーのうち、10〜50モル%が炭素数3以上の分岐アルキル基を含有する。分岐アルキル基含有モノマーが10〜50モル%であれば、上記の割合で水酸基含有モノマーを配合しても、弱溶剤に対する溶解性を確保することができる。
分岐アルキル基含有モノマーにおける分岐アルキル基の炭素数は、3以上であれば特に制限されないが、好ましくは、4〜15、さらに好ましくは、4〜10である。
このような分岐アルキル基含有モノマーとしては、例えば、分岐アルキル基を含有するビニルエーテル類、アリルエーテル類または(メタ)アクリル酸エステル類が挙げられる。分岐アルキル基としては、例えば、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基などが挙げられる。また、分岐アルキル基含有モノマーとしては、共重合性に優れる観点から、好ましくは、2−エチルヘキシルビニルエーテル(2−EHVE)、tert−ブチルビニルエーテル(t−BuVE)などのビニルエーテル類が挙げられ、さらに好ましくは、2−EHVEが挙げられる。これら分岐アルキル基含有モノマーは、単独使用または2種以上併用することもできる。
二重結合含有モノマーとして、さらに、上記した優れた効果を阻害しない範囲において、水酸基含有モノマー、分岐アルキル基含有モノマー以外の他の二重結合含有モノマーを含有させることもできる。
他の二重結合含有モノマーとしては、好ましくは、アルキル基を含有するモノマーが挙げられ、そのアルキル基としては、直鎖状、分岐状または環状のアルキル基が挙げられる。また、アルキル基の炭素数は、好ましくは、2〜8、さらに好ましくは、2〜6である。とりわけ、環状アルキル基を含有する二重結合含有モノマーを配合すれば、含フッ素共重合体のガラス転移温度(Tg)を上昇させることができ、塗膜の硬度をさらに高めることができる。
このような環状アルキル基を含有する二重結合含有モノマーとしては、例えば、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルメチルビニルエーテルなどの環状アルキルビニルエーテル類、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリル酸環状アルキルエステル類などが挙げられる。これら他の二重結合含有モノマーは、単独使用または2種以上併用することもできる。また、他の二重結合含有モノマーの割合は、二重結合含有モノマーの全量に対して、好ましくは、70モル%以下、さらに好ましくは、30〜60モル%である。
フルオロオレフィンに基づく重合単位と、二重結合含有モノマーに基づく重合単位との割合は、フルオロオレフィンに基づく重合単位が、好ましくは、30〜70モル%、さらに好ましくは、40〜60モル%であり、二重結合含有モノマーに基づく重合単位が、好ましくは、70〜30モル%、さらに好ましくは、60〜40モル%である。フルオロオレフィンに基づく重合単位の割合が、70モル%以下であると、含フッ素共重合体の弱溶剤に対する溶解性が十分となり、30モル%以上であると、十分な耐候性を確保することができる。
そして、含フッ素共重合体は、フルオロオレフィンと、水酸基含有モノマーおよび分岐アルキル基含有モノマーを含む二重結合含有モノマーとを配合して、重合媒体の存在下または非存在下で、重合開始剤または電離性放射線などの重合開始源を添加して、共重合することにより、得ることができる。この共重合反応は、公知のラジカル共重合反応であり、反応温度、反応時間、反応圧力などの反応条件は、適宜選択される。
なお、共重合反応における、フルオロオレフィンと二重結合含有モノマーとの配合割合は、含フッ素共重合体におけるフルオロオレフィンに基づく重合単位と二重結合含有モノマーに基づく重合単位の割合と同一割合である。
重合媒体としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン類、例えば、酢酸エチル、酢酸n−ブチルなどのエステル類、例えば、キシレン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、例えば、シクロヘキサノン、ソルベントナフサ、ミネラルターペン、ミネラルスピリット、石油ナフサなどの脂肪族炭化水素類、例えば、3−エトキシプロピオン酸エチル、メチルアミルケトン、酢酸tert−ブチル、4−クロロベンゾトリフルオリド、ベンゾトリフルオリド、モノクロロトルエン、3,4−ジクロロベンゾトリフルオリドなどが挙げられる。
重合開始剤としては、例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビスシクロヘキサンカーボネートニトリル、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2´−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ系開始剤が挙げられる。また、例えば、シクロヘキサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド類、例えば、tert−ブチルハイドロパーオキサイドなどのハイドロパーオキサイド類、例えば、ベンゾイルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類、例えば、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類、例えば、2,2−ジ−(tert−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケタール類、例えば、tert−ブチルパーオキシピバレイトなどのアルキルパーエステル類、例えば、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートなどのパーカーボネート類などの過酸化物系開始剤などが挙げられる。
また、含フッ素共重合体は、フルオロオレフィンに基づくフッ素の含有量が、含フッ素共重合体の全量に対して10質量%以上であり、好ましくは、20〜30質量%である。フッ素の含有量が10質量%以上であると、塗膜の耐候性を向上させることができる。
また、含フッ素共重合体は、ポリイソシアネート硬化剤のイソシアネート基と反応させるための水酸基を含有しており、その水酸基価(以下、OHVという。)は、好ましくは、30〜55mgKOH/g、さらに好ましくは、35〜50mgKOH/gである。OHVが30mgKOH/g以上であれば、塗膜の硬度を高めることができる。また、OHVが55mgKOH/g以下であれば、弱溶剤に対して含フッ素共重合体を十分に溶解させることができる。
また、含フッ素共重合体は、標準ポリスチレンの検量線に基づく、GPCによって測定される数平均分子量(Mn)が、好ましくは、5000〜10000である。Mnが5000以上であると耐候性に優れ、Mnが10000以下であると弱溶剤に対する溶解性に優れる。
また、含フッ素共重合体は、そのガラス転移点(以下、Tgという。)が、好ましくは、25℃以上、さらに好ましくは、30〜40℃である。Tgが25℃以上であると、塗膜の硬度を高めることができる。
また、含フッ素共重合体は、好ましくは、カルボキシル基を含有する。カルボキシル基を含有することにより、顔料の分散性を向上させることができる。含フッ素共重合体の酸価(以下、AVという。)は、例えば、0.5〜5mgKOH/g、好ましくは、2〜5mgKOH/gである。
カルボキシル基は、例えば、フルオロオレフィンと二重結合含有モノマーとの共重合反応後に、含フッ素共重合体が有する水酸基に、多価カルボン酸またはその無水物を反応させることにより導入することができる。また、共重合反応において、カルボキシル基を有する二重結合含有モノマーを、水酸基含有モノマーおよび分岐アルキル基含有モノマーとともに、二重結合含有モノマーとして含ませることにより、直接共重合させることもできる。このような多価カルボン酸またはその無水物としては、例えば、無水マレイン酸等が挙げられる。また、カルボキシル基を有する二重結合含有モノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等が挙げられる。
そして、本発明のポリイソシアネート硬化剤を、弱溶剤可溶性の含フッ素共重合体の硬化剤として用いる場合には、例えば、本発明のポリイソシアネート硬化剤、含フッ素共重合体および弱溶剤を含有する塗料組成物を調製する。
弱溶剤は、弱極性溶剤、つまり、極性を有する溶質に対して貧溶媒であり、具体的には、労働安全衛生法による有機溶剤の分類において、第3種有機溶剤に区分されているものが挙げられ、下記イ)〜ハ)のいずれかに相当するものである。
イ)ガソリン、コールタールナフサ(ソルベントナフサを含む)、石油エーテル、石油ナフサ、石油ベンジン、テレピン油、ミネラルスピリット(ミネラルシンナー、ペトロリウムスピリット、ホワイトスピリットおよびミネラルターペンを含む)、
ロ)イ)のみからなる混合物、
ハ)イ)と、イ)以外のものの混合物で、イ)を5質量%超過して含有するもの。
弱溶剤として、このような第3種有機溶剤を用いれば、強溶剤に相当する第2種有機溶剤が、全溶剤の5質量%を超過して含有されず、被塗物の損傷を防止することができる。
弱溶剤としては、引火点が室温以上である観点から、好ましくは、ミネラルスピリットが挙げられる。
そして、塗料組成物は、ポリイソシアネート硬化剤、含フッ素共重合体および弱溶剤を配合することにより、得ることができる。
塗料組成物において、含フッ素共重合体の配合割合は、塗料組成物の固形分100質量部に対して、例えば、20質量部以上、好ましくは、30質量部以上、さらに好ましくは、40質量部以上であり、通常、50質量部以下である。
また、ポリイソシアネート硬化剤の配合割合は、含フッ素共重合体の水酸基に対するポリイソシアネート硬化剤のイソシアネート基の当量比(NCO/OH)が、ほぼ1(当量)となる割合で配合され、より具体的には、含フッ素共重合体100質量部に対して、例えば、1〜100質量部、好ましくは、1〜50質量部である。ポリイソシアネート硬化剤が1質量部以上であると、塗膜の耐溶剤性および硬度が十分となり、100質量部以下であると、加工性および耐衝撃性に優れる。
また、弱溶剤の配合割合は、塗料組成物におけるポリイソシアネート硬化剤および含フッ素共重合体の残量であって、含フッ素共重合体の溶解性、塗装時の適度粘度、塗装方法などを考慮して適宜決定される。具体的には、含フッ素共重合体の弱溶剤に対する優れた溶解性を考慮すると、塗料組成物の全量に対して、例えば、10〜30質量%である。
また、塗料組成物においては、含有される固形分全量が、弱溶剤に溶解していることが最良であるが、若干の不溶分は許容される。
また、塗料組成物は、好ましくは、2液硬化型塗料として用いられ、具体的には、まず、含フッ素共重合体を弱溶剤に溶解して主剤を調製し、その主剤とは別途、ポリイソシアネート硬化剤を調製して、使用直前に、主剤とポリイソシアネート硬化剤とを混合して塗料組成物を調製し、その塗料組成物を、被塗物に塗装する。
また、塗料組成物には、上記成分以外に、目的および用途により、他の機能性配合剤を含有することができる。
そのような機能性配合剤として、例えば、塗膜の乾燥性を改善するために、CAB(セルロースアセテートブトレート)、NC(ニトロセルロース)などを含有させてもよく、また、塗膜の光沢、硬度、塗料の施工性を改良するために、アクリル酸またはそのエステルからなる重合体やポリエステルなどを含有させることができる。
また、他の機能性配合剤として、着色顔料、染料、塗膜の付着性向上のためのシランカップリング剤、紫外線吸収剤、硬化促進剤、光安定剤、つや消し剤などが挙げられる。
着色顔料、染料としては、例えば、耐候性の良好なカーボンブラック、酸化チタンなどの無機顔料、例えば、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、キナクリドンレッド、インダンスレンオレンジ、イソインドリノン系イエローなどの有機顔料、染料などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシシランなどが挙げられる。
紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアクリレート系の紫外線吸収剤が挙げられる。
硬化促進剤としては、例えば、ジブチルスズジラウレートなどが挙げられる。
光安定剤としては、例えば、ヒンダードアミン系光安定剤などが挙げられ、より具体的には、例えば、アデカスタブLA62、アデカスタブLA67(以上、アデカアーガス化学社製、商品名)、チヌビン292、チヌビン144、チヌビン123、チヌビン440(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名)などが挙げられる。
つや消し剤としては、例えば、超微粉合成シリカなどが挙げられる。つや消し剤を配合すれば、優雅な半光沢、つや消し仕上げの塗膜を形成することができる。
これら機能性配合剤は、その目的および用途により、適宜の配合割合にて塗料組成物に配合される。また、機能性配合剤は、予め、上記した主剤および/またはポリイソシアネート硬化剤に配合してもよく、あるいは、主剤およびポリイソシアネート硬化剤の配合後の塗料組成物に配合することもできる。
そして、このような塗料組成物によれば、弱溶剤に対する溶解性に優れ、かつ、耐候性、硬度、耐衝撃性などの塗膜物性にも優れている。さらには、ポットライフなどの加工性にも優れている。そのため、強溶剤により損傷を受けやすい各種分野の被塗物に対して、被塗物に損傷を与えることなく、塗膜物性に優れる塗膜を形成することができる。
なお、塗料組成物は、被塗物に対して、特に制限されず、例えば、スプレー塗装、エアスプレー塗装、はけ塗り、浸漬法、ロールコーター、フローコーターなどの任意の塗装方法により、塗装することができる。
また、被塗物としては、特に制限されず、例えば、コンクリート、自然石、ガラスなどの無機物、例えば、鉄、ステンレス、アルミニウム、銅、真鍮、チタンなどの金属、例えば、プラスチック、ゴム、接着剤、木材などの有機物が挙げられる。とりわけ、既に形成された塗膜の表面に対する再塗装に適する。また、有機無機複合材であるFRP、樹脂強化コンクリート、繊維強化コンクリートなどの塗装にも適する。
より具体的には、自動車、電車、航空機などの輸送用機器、橋梁部材、鉄塔などの土木部材、防水材シート、タンク、パイプなどの産業機材、ビル外装、ドア、窓門部材、モニュメント、ポールなどの建築部材、道路の中央分離帯、ガードレール、防音壁などの道路部材、通信機材、電気および電子部品などが挙げられる。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は、下記の実施例によって限定されることはない。
合成例1(硬化剤Aの合成)
攪拌機、温度計、窒素ガス導入管およびジムロート冷却管を備えた500mL容量の四つロフラスコに、窒素ガス雰囲気下、IPDI521.7gおよびドデシルアルコール44.4gを仕込み、90℃に加温し、2時間保持した。
その後、反応触媒として、トリメチル−N−2−ヒドロキシプロピルアンモニウム2−エチルヘキサノエート0.02gを加え、反応温度を90±5℃に調節しながら、2時間反応を継続した。その後、触媒失活剤として、o−トルエンスルホン酸アミド0.02gを加えて、反応触媒を失活させて、反応を停止させた。
得られた反応液から、未反応のIPDIを除去して、淡黄色透明のポリイソシアネート硬化剤A237.7g(転化率、42%)を得た。
このポリイソシアネート硬化剤Aは、25℃においてほぼ固体状態であり、アロファネート/イソシアヌレート組成比が73/27であり、イソシアネート含有量が14.6%であり、未反応のIPDIの含有量が0.5質量%であり、NMR測定の結果、ウレタン基は実質的に認められなかった。
また、このポリイソシアネート硬化剤AをミネラルスピリットA(新日本石油社製)にて、固形分80質量%に希釈した溶液は、25℃における粘度が3600mPa・sであって、0℃においても白濁することなく、均一透明状態を維持した。
合成例2(硬化剤Bの合成)
加温する温度を、90℃から60℃に変更した以外は、合成例1と同様の方法により、ポリイソシアネート硬化剤Bを得た。
このポリイソシアネート硬化剤Bは、アロファネート/イソシアヌレート組成比が10/90であり、イソシアネート含有量が19.9%であり、未反応のIPDIの含有量が0.5質量%であり、NMR測定の結果、ウレタン基は実質的に認められなかった。
合成例3(硬化剤Cの合成)
モノアルコールを、ドデシルアルコールに代替して、イソブチルアルコールとした以外は、合成例1と同様の方法により、ポリイソシアネート硬化剤Cを得た。
このポリイソシアネート硬化剤Cは、アロファネート/イソシアヌレート組成比が73/27であり、イソシアネート含有量が17.3%であり、未反応のIPDIの含有量が0.5質量%であり、NMR測定の結果、ウレタン基は実質的に認められなかった。
合成例4(硬化剤Dの合成)
ポリイソシアネートを、IPDIに代替して、HDIとした以外は、合成例1と同様の方法により、ポリイソシアネート硬化剤Hを得た。
このポリイソシアネート硬化剤Dは、アロファネート/イソシアヌレート組成比が72/28であり、イソシアネート含有量が17.9%であり、未反応のHDIの含有量が0.5質量%であり、NMR測定の結果、ウレタン基は実質的に認められなかった。
合成例5(硬化剤Eの合成)
ポリイソシアネートを、IPDIに代替して、HDIとし、モノアルコールを、ドデシルアルコールに代替して、2−エチルヘキシルアルコールとした以外は、合成例1と同様の方法により、ポリイソシアネート硬化剤Eを得た。
このポリイソシアネート硬化剤Eは、アロファネート/イソシアヌレート組成比が60/40であり、イソシアネート含有量が20.0%であり、未反応のHDIの含有量が0.5質量%であり、NMR測定の結果、ウレタン基は実質的に認められなかった。
調製例1(主剤の調製)
ルミフロンLF800(ミネラルスピリット可溶性含フッ素共重合体、旭硝子社製、)41.5g、D−918(白色顔料、堺化学社製)100g、ミネラルスピリットA108.5gを配合して、ビーズミルにて2時間強制攪拌することにより、ミルベース250gを得た。
次いで、ミルベース250gと、ルミフロンLF800 342.9gとを混合した後、樹脂固形分が35質量%となるようにミネラルスピリットAを加え、主剤を調製した。
実施例1および比較例1〜4(塗料組成物の調製、塗膜の形成)
主剤100質量部に対し、ポリイソシアネート硬化剤A〜Eを、硬化剤のイソシアネート基と主剤の水酸基との当量比が1/1になるように配合して、ミネラルスピリットAにて不揮発分(固形分)が50質量%になるように希釈した後、硬化促進剤としてジブチルスズジラウレートを0.01質量部添加して、表1に示す各実施例および各比較例の塗料組成物を調製した。
そして、各塗料組成物を、クロメート処理したアルミ板の表面に、それぞれ25μmの膜厚となるよう塗装して塗膜を形成し、23℃の恒温室にて1週間養生した。
Figure 0005060757
表1中、アロファネート/イソシアヌレート組成比は、各ポリイソシアネート硬化剤を、RIDを装備したGPCにて分子量分布測定し、すべてのピークに対するアロファネート体に相当するピークの面積比率をアロファネート体の組成比とし、その残余をイソシアヌレート体の組成比として算出した。
評価
1)希釈性
上記により得られたポリイソシアネート硬化剤A〜E100gを、0℃において、ミネラルスピリットA(新日本石油社製)にて白濁するまで希釈し、白濁時点でのミネラルスピリットAの希釈量Y(g)を希釈性(%)とした。その結果を表1に示す。
なお、各ポリイソシアネート硬化剤は、当初、ミネラルスピリットAに完全溶解したが、ミネラルスピリットAの希釈量の増加につれて再び白濁した。
2)塗膜物性
2−1)ポットライフ
塗料組成物の調製時点から、25℃でE型粘度計にて粘度測定し、450mPa・sになるまでの時間をポットライフ時間(分)とした。その結果を表1に示す。
2−2)エリクセン
JIS K 5600−5−6(2002年)に準拠して、塗膜表面(裏)に1/4インチ径のセンターポンチを当て、塗装板の周辺をしっかり固定しておき、所定の速度で塗装板に対して、ポンチを押し出し塗膜表面に亀裂が入った時の押し出し長さ(mm)を、エリクセン(mm)として評価した。その結果を表1に示す。
以上の結果から、ポリイソシアネートとして、IPDIを用いたポリイソシアネート硬化剤は、優れた希釈性を示し、塗膜物性が良好であることがわかる。一方、モノアルコールの炭素数が10未満では、希釈性が著しく低下していることがわかる。
また、HDIを用いたポリイソシアネート硬化剤は、エリクセンは良好であるが、希釈性に乏しいことがわかる。

Claims (3)

  1. 3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートと、ドデシルアルコールとの反応により得られ、アロファネート/イソシアヌレート組成比が、50/50〜100/0であることを特徴とする、ポリイソシアネート硬化剤。
  2. ミネラルスピリットに対する下記希釈性が、500%以上であることを特徴とする、請求項1に記載のポリイソシアネート硬化剤。
    希釈性:0℃において、ポリイソシアネート硬化剤Xgに対して、ミネラルスピリットを白濁するまで加えたときの、その白濁時点でのミネラルスピリットの配合量Ygから、次式で表される。
    希釈性(%)=Yg/Xg×100
  3. フルオロオレフィンと、フルオロオレフィンと共重合可能な二重結合含有モノマーとの共重合体であり、フルオロオレフィンに基づくフッ素の含有量が10質量%以上であり、二重結合含有モノマーのうち、5〜30モル%が水酸基を含有し、10〜50モル%が炭素数3以上の分岐状アルキル基を含有する弱溶剤可溶性の含フッ素共重合体を、
    硬化させるために用いることを特徴とする、請求項1または2に記載のポリイソシアネート硬化剤。
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