JP5060454B2 - トラクション動力伝達装置及びこれを搭載した画像形成装置 - Google Patents

トラクション動力伝達装置及びこれを搭載した画像形成装置 Download PDF

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Description

本発明は、ローラ同士の間に発生させたトラクションを利用して、動力の伝達や回転速度の減速を行うことができるトラクション動力伝達装置、及びこれを搭載した画像形成装置に関する。
トラクション動力伝達装置に関する先行技術として、回転軸に連結された太陽ローラの回りに複数の遊星ローラを配置し、各遊星ローラの遊星軸をキャリアにより支持した構造のものが知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1の装置では、太陽ローラと遊星ローラとの間に発生させたトラクションを利用して各遊星ローラを回転させるとともに、各遊星ローラが軌道リングに沿って太陽ローラの外側を周回する運動をキャリアから出力軸へ伝達している。
遊星ローラと太陽ローラとの間に充分なトラクションを発生させるためには、遊星ローラを遊星軸によって回転自在に支持しつつ、潤滑剤の存在下で遊星ローラを太陽ローラに対して強く押し付ける(圧接する)必要がある。このため、特許文献1の装置では遊星軸と遊星ローラとの間に間隙を確保しておき、遊星ローラの軸方向の両外側に形成した傾斜部を一対の軌道リングで挟み込み、それぞれの内周に形成した傾斜面を圧接させて各遊星ローラを太陽ローラの周面に押し付けている。
特許文献1の装置によれば、遊星軸はキャリアに固定されているものの、遊星軸に対して遊星ローラは間隙の分だけ自由に移動できる構造である。このため傾斜面に軌道リングを圧接させると、遊星ローラが太陽ローラに対して強く押し付けられ、潤滑剤の存在下で必要なトラクションを発生させることができる。
特開2000−329206号公報
しかしながら、特許文献1の装置では、高価な工具鋼等の材料を用いた軌道リングを2枚使用する必要があるため、材料費の高騰が製品コストの上昇に直結する。また、軌道リングのように高精度な組み付けを要する部品点数が多くなると、それだけ組み付け作業も複雑になり、製造コストの上昇にもつながるという問題がある。
また、特許文献1の装置では遊星軸と遊星ローラとの間に間隙が設けられているため、その構造上、遊星ローラの回転軸線(回転中心)は遊星軸の軸線(中心線)に対してある程度の角度をもって変位する余地がある。このため遊星ローラを太陽ローラに押し付けたとき、僅かに遊星ローラの周面が太陽ローラの周面に対して傾斜してしまうことがある。この場合、遊星ローラの周面では軸方向で圧力分布が不均一となり、いわゆる片当たりを起こして太陽ローラの周面に偏摩耗が生じてしまう。このことは、製品の長寿命化を図る観点からは好ましくない。
さらに、遊星ローラを太陽ローラに押し付ける押圧部材(特許文献1では軌道リング)と遊星ローラとの間や、この遊星ローラと太陽ローラとの間には高圧の押圧力を印加させる必要があり、これらの組み立て時点から既に当該押圧力を作用させている。つまり、特許文献1の装置では、駆動しない場合にも、これらの間に押圧力が作用することになる。この点からも、やはり長寿命のトラクション動力伝達装置が得られないとの問題がある。
本発明の目的は、押圧力の自動調整を可能にし、機械寿命まで使用可能なトラクション動力伝達装置を提供することにある。
本発明の一局面に係るトラクション動力伝達装置は、第1中心軸線を持ち、この第1中心軸線回りに回転自在な太陽ローラと、前記太陽ローラの周面に沿って回転自在に設けられた複数の遊星ローラ機構と、前記遊星ローラ機構を囲繞し、該遊星ローラ機構を前記太陽ローラの周面に向けて押圧する押圧面を有し、前記太陽ローラと前記遊星ローラ機構との間にてトラクションによる動力伝達を可能にする押圧部材と、を備え、前記遊星ローラ機構の各々は、第2中心軸線を持ち、前記第1中心軸線と平行で互いに離間する2つの周辺軸線上に前記第2中心軸線が合致するようにそれぞれ配置される第1及び第2軸部材と、前記第1軸部材に回転自在に支持され、前記太陽ローラの周面に沿って回転する第1遊星ローラと、前記第2軸部材に回転自在に支持され、その周面が前記第1遊星ローラの周面に当接すると共に前記押圧面に当接し、当該遊星ローラ機構の前記太陽ローラの周面に沿った回転時に前記第1遊星ローラの周面を前記太陽ローラの周面に押し付ける第2遊星ローラと、前記第2軸部材が嵌り込む支持部を備えたリングばねと、を含み、前記押圧面は、前記太陽ローラと同心の円周面であり、前記遊星ローラ機構の前記太陽ローラの周面に沿った回転方向において、前記太陽ローラの第1中心軸線と前記第1軸部材の第2中心軸線とを結ぶ線よりも前記回転方向の上流側に、前記第2軸部材の第2中心軸線が配置されており、前記複数の遊星ローラ機構は、前記太陽ローラの周方向において等間隔に配置されており、これにより前記第2軸部材も前記周方向において等間隔に配置され、前記リングばねの支持部は、前記第2軸部材の配置間隔に対応して設けられ、前記リングばねは、前記第2軸部材を前記押圧面に向かう方向に付勢することで、前記第2遊星ローラの周面を前記押圧面に押し付けることを特徴とする。
この構成によれば、遊星ローラ機構の回転に伴って初めて高圧の押圧力が、太陽ローラの周面に作用する。従って、装置の組み立て時点から既に高圧が作用している従来装置に比して、偏摩耗等を防止でき、長寿命のトラクション動力伝達装置が得られる。
また、前記押圧面は、前記太陽ローラと同心の円周面であり、前記遊星ローラ機構の前記太陽ローラの周面に沿った回転方向において、前記太陽ローラの第1中心軸線と前記第1軸部材の第2中心軸線とを結ぶ線よりも前記回転方向の上流側に、前記第2軸部材の第2中心軸線が配置されているので、第2遊星ローラの周面が押圧部材の押圧面に食い込ませるくさび効果を発生させることができる。
さらに、前記第2軸部材が嵌り込む支持部を備えたリングばねを備え、前記複数の遊星ローラ機構は、前記太陽ローラの周方向において等間隔に配置されており、これにより前記第2軸部材も前記周方向において等間隔に配置され、前記リングばねの支持部は、前記第2軸部材の配置間隔に対応して設けられ、前記リングばねは、前記第2軸部材を前記押圧面に向かう方向に付勢することで、前記第2遊星ローラの周面を前記押圧面に押し付ける。このため、第2遊星ローラが押圧部材に対して空転せず、この第2遊星ローラを押圧部材に向けてより一層食い込ませることができる。従って、遊星ローラ機構の回転当初においても、適切な押圧力を得ることができる。
上記構成において、前記第1遊星ローラ及び前記第2遊星ローラは、実質的に同一部品であることが望ましい。この構成によれば、各遊星ローラ機構から均一な押圧力を太陽ローラに伝達することが可能になる。なお、前記遊星ローラ機構の数が3個であり、各遊星ローラ機構は、1個の第1遊星ローラと、1個の第2遊星ローラとを備える構成とすることができる。
上記構成において、各遊星ローラ機構の前記第1軸部材と前記第2軸部材とを連結するリンク部材をさらに備えることが望ましい。この場合、前記リンク部材は、前記第1遊星ローラ及び前記第2遊星ローラの一方の側面に配置される第1リンク部材と、他方の面に配置される第2リンク部材とを含み、前記第1リンク部材及び前記第2リンク部材は、実質的に同一部品であることが望ましい。
この構成によれば、リンクによって、押圧面からの押圧力を第1及び第2遊星ローラに伝達することが可能となる。このリンクが、第1及び第2遊星ローラの表裏にて同一部品で構成されてあれば、各遊星ローラ機構から均一な押圧力を太陽ローラに伝達させることが可能になる。
上記構成において、前記太陽ローラの第1中心軸線と前記第1遊星ローラの第2中心軸線との平行を保持したまま、前記第1軸部材を前記太陽ローラの径方向に移動自在に案内する案内部材をさらに備えることが望ましい。
この構成によれば、第1遊星ローラが太陽ローラの径方向に移動しても、常に第1遊星ローラの回転中心と太陽ローラの回転中心との平行を保持できるため、軸方向で均等にトラクションを発生させることができる。
この場合、前記第1軸部材の回りに前記第1遊星ローラを回転自在に支持するベアリングをさらに備え、前記案内部材は、前記第1軸部材自体を前記第1遊星ローラとともに前記太陽ローラの径方向へ移動自在に案内することが望ましい。
この構成によれば、軸部材は第1遊星ローラとともに回転せず、ベアリングを介して第1遊星ローラを支持するものとなる。この状態で、案内部材が軸部材自体を太陽ローラの径方向に移動自在に案内することで、第1遊星ローラの回転中心と太陽ローラの回転中心との平行を保持したまま第1遊星ローラを太陽ローラの径方向へ移動させることができる。
上記構成において、前記案内部材は、前記第1中心軸線回りに、前記太陽ローラに対して相対回転自在に支持された第1キャリア部材と、前記第1キャリア部材に対し前記第1中心軸線方向に間隔をおいて連結され、前記第1キャリア部材との間に前記第1遊星ローラを収容した状態で前記第1キャリア部材とともに前記第1軸部材を支持する第2キャリア部材と、前記第1及び第2キャリア部材にそれぞれ形成され、前記第1軸部材の両端部を前記太陽ローラの径方向に移動自在に案内する案内溝とを含むことが望ましい。
この場合、前記第1軸部材は、その一端部に、前記案内溝の幅に合わせて対向する一対の平行面が、該第1軸部材の外周の一部をカット加工することで形成された小判形状部を有し、前記第1軸部材の長手方向でみた前記平行面の幅を、前記第1又は第2キャリア部材の厚みに合わせることで、前記小判形状部にて前記第1軸部材自体の前記太陽ローラに対する傾斜方向への変位を拘束していることが望ましい。
この構成によれば、軸部材の一端部に小判形状部を形成することで軸部材自体の傾斜を抑え、第1遊星ローラの回転軸線と太陽ローラの中心軸線との平行を保持できる。また、軸部材の一端部のみを小判形状部とし、その他端部については丸断面形状とすることで、加工上の誤差による両側の角度ずれを防止することができる。これにより、軸部材が案内溝内でスムーズに平行移動(摺動)するため、第1遊星ローラと太陽ローラとの間で良好なトラクションを発生させることができる。
また、前記第1キャリア部材は、前記第2キャリア部材に向けて前記太陽ローラの長手方向に延びる連結部を有し、前記第2キャリア部材は、前記連結部を嵌め合わせることで前記第1及び第2キャリア部材を互いに前記太陽ローラの周方向に拘束する嵌合凹部が形成され、前記第1軸部材は、その両端部にそれぞれ形成され、前記太陽ローラの長手方向でみて前記第1遊星ローラを挟んだ前記第1及び第2キャリア部材の外面に掛止される掛止部を有し、これら掛止部にて前記第1及び第2キャリア部材が互いに離隔することを拘束し、前記連結部と前記嵌合凹部との嵌合わせ状態を保持する構成とすることが望ましい。
この構成によれば、軸部材はその掛止部にて第1及び第2キャリア部材が互いに離隔するのを拘束するとともに、連結部と嵌合凹部との嵌合わせ状態を保持することができる。この場合、各部材(第1及び第2キャリア部材、軸部材)を高精度に加工することで、ねじ留め等の締結具を用いることなく、嵌め合い関係だけで部材同士を組み合わせることができる。
上記構成において、互いに圧接される前記太陽ローラ、前記第1及び第2遊星ローラ、及び前記押圧部材の各部材として、圧接部分の表面速度の大きな部材から順に、高い硬度を有する材料が用いられていることが望ましい。この構成によれば、同材質の部材を組み合わせた場合に比して、焼きつきや磨耗に起因する性能低下が少なくなり、長寿命のトラクション動力伝達装置を提供できる。
上記構成において、互いに圧接される前記太陽ローラ、前記第1及び第2遊星ローラ、及び前記押圧部材の各部材として、少なくとも金型鋼と同等以上の硬度を有する材料が用いられており、これら各部材のうち、圧接部分の表面速度の少なくとも最高値で駆動される部材の表面には、マイクロショットピーニング処理が施されていることが望ましい。この構成によれば、当該処理が未処理の場合に比して磨耗に起因する性能低下が少なくなり、長寿命のトラクション動力伝達装置を提供できる。
上記構成において、前記案内部材に接続され、回転駆動される出力軸をさらに備え、該出力軸は、前記案内部材に対して、その駆動時に締まる方向に向けて螺合されることで接続されていることが望ましい。この構成によれば、出力軸はその駆動時に締まる方向に向けて案内部材に螺合されているので、これら案内部材と出力軸との接続は確実に維持される。
上記構成において、その内部に、前記太陽ローラの一部、前記第1及び第2遊星ローラ及び前記押圧部材が収容され、且つ潤滑剤が充填されるケーシングと、前記ケーシングの内部に配置され、前記潤滑剤を強制循環させる循環部材とをさらに備えることが望ましい。この構成によれば、循環部材によって、圧接された状態にある各部材に向けて潤滑剤が積極的に循環される。従って潤滑剤の劣化が防止され、トラクション動力伝達装置の長寿命化を図ることができる。
本発明の他の局面に係る画像形成装置は、少なくとも感光体ドラム、又は感光体ドラム及び中間転写ベルトを含む画像形成部と、前記感光体ドラムを、又は感光体ドラム及び中間転写ベルトの少なくとも一方を駆動する駆動力を発生する駆動源と、前記駆動源の駆動力を、前記感光体ドラムの回転軸又は前記中間転写ベルトの駆動部材に伝達する上記のトラクション動力伝達装置と、を備えることを特徴とする。
この構成によれば、感光体ドラムや中間転写ベルトの駆動系に、本発明に係るトラクション動力伝達装置を連結することで、ギア駆動の場合に比して感光体ドラムや中間転写ベルトを高精度に回転制御でき、高品質な画像形成を実現できる。
本発明によれば、押圧力の自動調整を可能にし、機械寿命まで使用可能なトラクション動力伝達装置を提供することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態につき詳細に説明する。図1(A)、(B)は、本発明の一実施形態に係るトラクション動力伝達装置Mの外観を2方向から示す斜視図である。トラクション動力伝達装置Mは、円筒形状のケーシング2、太陽ローラ4、エンドプレート6、軸受プレート7及び出力軸8を含んでいる。
ケーシング2の一端には四角形状のフランジ部2aが形成されており、その開口部がフランジ部2aに対応する形状のエンドプレート6により閉止されている。フランジ部2aと反対側のケーシング2の他端には、四角形状のフランジ部2bが形成されている。トラクション動力伝達装置Mは、フランジ部2aの側に図示しない駆動源(モータ)を連結することが可能とされている。
ケーシング2の内部には太陽ローラ4の一端部が収容されており、また、ケーシング2の内部からは、太陽ローラ4の反対側方向に、出力軸8が突出している。エンドプレート6には軸受プレート7が取り付けられており、この軸受プレート7には、その中央にボス部7aが形成されている。このボス部7a内にはベアリング16が設けられており、太陽ローラ4は、ベアリング16を介して軸受プレート7(ケーシング2)に支持されている。一方、フランジ部2bの中央にもボス部2cが形成されており、このボス部2c内にもベアリング18が設けられている。出力軸8は、ベアリング18を介してフランジ部2b(ケーシング2)に支持されている。
図2及び図3は、トラクション動力伝達装置Mからケーシング2を除いた斜視図である。上記ケーシング2内には、太陽ローラ4の他、1つのアウタリング10(押圧部材)と、遊星キャリア14(案内部材)と、3つの遊星ローラ機構22と、出力軸8の一端部とが収容されている。遊星キャリア14は、第1キャリア部材14aと第2キャリア部材14bとを含み、これら2つのキャリア部材によって3つの遊星ローラ機構22が支持されている。各遊星ローラ機構22は、第1遊星ローラ22aと第2遊星ローラ22bとのペアを含む。
アウタリング10は、3つの遊星ローラ機構22を囲繞し、各遊星ローラ機構22(第1遊星ローラ22a)を太陽ローラ4の周面に向けて押圧する押圧面10bを有している。この押圧面10bは、遊星ローラ機構22に当接可能である。なお、アウタリング10の外径はケーシング2の内径より僅かに小さく、これらは所定の隙間をあけてケーシング2内に配置されている。このケーシング2の内部には潤滑剤(グリス)が充填されており、上記ベアリング16及びベアリング18は、ケーシング2内に充填されたグリスを封止している。
遊星キャリア14は、出力軸8に一体的に接続され、出力軸8と一体回転する部材である。遊星キャリア14は、太陽ローラ4の中心軸線と第1遊星ローラ22aの中心軸線との平行を保持したまま、第1遊星ローラ22aを太陽ローラ4の径方向に移動自在に案内する。この遊星キャリア14については、後記で詳述する。
遊星ローラ機構22は、太陽ローラ4の周囲を公転する。なお、本実施形態では3つの遊星ローラ機構22を例示しているが、3つ以外の複数個であっても良い。この遊星ローラ機構22についても、後記で詳述する。
太陽ローラ4、第1遊星ローラ22a、第2遊星ローラ22b及びアウタリング10の構成材としては、高い硬度を有する材料、特に金型鋼(die steel)と同等以上の硬度を有する材料を用いることが望ましい。例えば、太陽ローラ4としては、高速度鋼(high-speed steel)の一種であるJIS G4403に規定されたSKH系の材料を適切な温度での焼入れ・焼戻し処理したものを用いることができる。第1遊星ローラ22a及び第2遊星ローラ22bとしては、工具鋼(alloy tool steel)の一種であるJIS G4404に規定されたSKD系の材料を適切な温度にて焼入れ処理が施されたものを用いることができる。また、アウタリング10としては、金型鋼の一種のプリハードン鋼であるNAK(大同特殊鋼株式会社のプラスティック金型材の商品名)を、焼入れ処理を施さずに母材のまま用いることができる。
より具体的には、太陽ローラ4にはSKH51を、第1遊星ローラ22a及び第2遊星ローラ22bにはSKD11を、アウタリング10にはNAK55(大同特殊鋼株式会社の商品名)を用いることができる。これらの硬度は、マイクロビッカース硬度Hvで、太陽ローラ4が約700程度、第1遊星ローラ22a及び第2遊星ローラ22bが約520程度、アウタリング10が約450程度である。
ここでは、太陽ローラ4、第1遊星ローラ22a及び第2遊星ローラ22b、アウタリング10のうち、圧接部分の表面速度の大きな部材から順に、高い硬度を有する材料が用いられている。具体的には、太陽ローラ4、第1遊星ローラ22a及び第2遊星ローラ22b、アウタリング10,12の順に高い硬度を有する材料が用いられている。これにより、ワウフラッタの目標値を満足できる寿命は、同じ荷重条件にて総て同材質で構成させた場合に比して約3倍に延長させることができる。従って、焼きつきや磨耗に起因する性能低下を引き伸ばすことができ、耐磨耗性を向上させ得る。
また、太陽ローラ4、第1遊星ローラ22a及び第2遊星ローラ22b、アウタリング10のうち、圧接部分の表面速度の少なくとも最高値で駆動される部材、より詳しくは太陽ローラ4の表面には、マイクロショットピーニング処理(WPC処理)が施されていることが望ましい。当該処理は、約10μm(1μm=1×10−6m)程度のセラミック或いはガラスを音速で部材の表面に衝突させるものである。これにより、太陽ローラ4の耐磨耗性を向上させることができる。
太陽ローラ4にマイクロショットピーニング処理を施した場合、ワウフラッタの目標値を満足できる寿命は、同じ荷重条件で当該処理が施されていない場合に比して約1.5倍に延長させることができる。従って、トラクション動力伝達装置Mの長寿命を図ることができる。
続いて、図4に基づき、遊星キャリア14の構成について詳述する。上述の通り遊星キャリア14は、第1キャリア部材14aと第2キャリア部材14bとを含む。具体的には、図4に示されるように、第1及び第2キャリア部材14a,14bは、いずれも全体として円板型の形状をなしている。
第2キャリア部材14bは、その中央部に挿通穴14cを備えており、この挿通孔14cの内径は太陽ローラ4の外径よりも大きいものとされている。このため、第2キャリア部材14bは、太陽ローラ4の周囲で自由に回転することができる。
第1キャリア部材14aの出力軸8側の面には、その中央部にボス部14dが形成されている。このボス部14dには連結部14eが接続され、さらに、この連結部14eには出力軸8の基端部が嵌合(圧入)されている。一方、ボス部14dの反対側(第2キャリ
ア部材14bに対向する側)の面には、図示しないベアリングが配置され、太陽ローラ4の先端部が回転自在に支持されている。
第1キャリア部材14aには、その周縁近傍に3つの連結部14fが形成されており、これら連結部14fは周方向で等間隔(120°)に配置されている。遊星キャリア14の組み立て状態で、連結部14fは太陽ローラ4と平行に第1キャリア部材14aから第2キャリア部材14bに向かって延びている。これと相対する第2キャリア部材14bには、各連結部14fに対応して3つの嵌合凹部14gが形成されている。これら嵌合凹部14gは、第1キャリア部材14aに対向する面から第2キャリア部材14bの厚み方向に窪むようにして形成されている。
遊星キャリア14は、各連結部14fをそれぞれ対応する嵌合凹部14g内に嵌め合わせることで、第1及び第2キャリア部材14a,14bを互いに組み合わせ、太陽ローラ4の回転軸線(第1中心軸線)方向における両者間の間隔を不変としている。特に本実施形態では、連結部14f及び嵌合凹部14gを高精度に加工し、これらを高精度に嵌め合わせることで、両者の前記回転軸線回りの回転方向への変位(ガタ)を極めて小さく抑えている。
第1キャリア部材14aは、その周縁部に3つの案内溝14hを有している。また、第2キャリア部材14bは、その周縁部の、案内溝14hの形成位置に太陽ローラ4の回転軸線方向において対応する位置に、3つの案内溝14jを有している。これら案内溝14h,14jは、周方向で等間隔(120°)に配置されており、それぞれ第1及び第2キャリア部材14a,14bの周縁部から回転中心(径方向中心部)に向かって直線状に延びている。なお本実施形態では、案内溝14jの方が案内溝14hよりも広い幅を有している。
次に、図2、図5及び図6に基づいて、遊星ローラ機構22について詳述する。図5は、遊星キャリア14及び遊星ローラ機構22の斜視図であり、図6は、遊星ローラ機構22の分解斜視図である。3つの遊星ローラ機構22は、太陽ローラ4の周方向で等間隔(120°)にそれぞれ配置されている。各遊星ローラ機構22は、第1遊星ローラ22a及びこれを回転自在に支持する軸部材24(第1軸部材24A)と、第2遊星ローラ22b及びこれを回転自在に支持する軸部材24(第2軸部材24B)と、これら一対の軸部材24を連結する支持アーム22c(リンク部材)と、軸部材24回りに遊星ローラ22a、22bを回転自在に支持するベアリング26とを備えている。
遊星ローラ機構22が含む3つの第1遊星ローラ22aは、太陽ローラ4の回転軸線Z1(第1中心軸線;図2参照)と平行な3つの周辺軸線上であって、太陽ローラ4の周方向で等間隔(120°)に配置されている。すなわち、3つの第1遊星ローラ22aは各第1軸部材24Aで支持されているが、これら第1軸部材24Aの中心軸線Z2(第2中心軸線;第1遊星ローラ22aの回転軸線)が、前記3つの周辺軸線に各々合致するように、つまり回転軸線Z1と中心軸線Z2とが平行になるように、太陽ローラ4の周囲に3つの第1遊星ローラ22aが配置されている。
このような配置関係で、3つの第1遊星ローラ22aは、第1及び第2キャリア部材14a,14bの間に挟みつけられ、第1軸部材24Aを介して第1及び第2キャリア部材14a,14bに支持されている。この状態で、第1遊星ローラ22aは、いずれも太陽ローラ4の周面4aに沿って回転(公転)可能に構成され、太陽ローラ4の回転前おける周面4aと第1遊星ローラ22aの周面23aとは、太陽ローラ4からのトルクが伝達される程度に接している。
第2遊星ローラ22bは、各第1遊星ローラ22aの外周側にそれぞれ配置されている。第2遊星ローラ22bは、本実施形態では3つであり、第1遊星ローラ22aの各々と一対のペアを組んでいる。第2遊星ローラ22bは、第1遊星ローラ22aと同一部品で構成され、第2遊星ローラ22bもまた第2軸部材24Bに回転自在に支持されている。この第2軸部材24Bを中心とした回転軸線も、太陽ローラ4の回転軸線Z1と平行である。第2遊星ローラ22bの周面23bは、アウタリング10の押圧面10bに当接すると共に、第1遊星ローラ22aの周面23aにも当接している。
第1軸部材24A及び第2軸部材24Bは、その一つずつが板状の遊星ローラ支持アーム22cで連結されており、これにより1つの第1遊星ローラ22aと1つの第2遊星ローラ22bとからなる遊星ローラペアが形成されている。
より具体的には、図6に示されるように、第1遊星ローラ22a及び第2遊星ローラ22bには、その中央部に挿通穴221がそれぞれ形成されている。この挿通穴221は、ベアリング26が圧入されるサイズの穴である。ベアリング26には、第1軸部材24A及び第2軸部材24Bが挿通され、各遊星ローラ22a,22bは、ベアリング26を介して軸部材24に対して回転自在に取り付けられている。
遊星ローラ支持アーム22cは、第1遊星ローラ22a及び第2遊星ローラ22bの両側面に1枚ずつ配置されている。これら支持アーム22cは、同一部品である。支持アーム22cの一端には丸穴22dが、その他端には長孔22fがいずれもアーム22cを貫通して穿設されている。軸部材24(第1軸部材24A及び第2軸部材24B)は、その軸方向に、大径部と小径部とを有している。
支持アーム22cの丸穴22dには、軸部材24の小径側が挿入され、この小径側は、かしめリング22eで支持アーム22cに締結されている。ここで、当該小径側には対向一対の平行面がカット加工により形成されている。この一対をなす平行面は、軸部材24の中心軸線に関して対称であり、かつ互いに平行に形成されている。このような平行面により、軸部材24の一端部には小判形状部24a(断面が小判形状となる部分)が形成されている。
この小判形状部24aは、いずれも軸部材24の一端部から僅かに内側に位置している。このため軸部材24の一端部には、図6の一点鎖線円内の拡大図で示しているように、平行面241よりも外側(一端寄り)の位置に丸断面形状の部位が残存しており、この部位が掛止部242となっている。この掛止部242は、軸部材24を案内溝14h内に嵌め合わせた状態で第1キャリア部材14aから外側(第1、第2遊星ローラ22a、22bと反対側)に突出し、第1キャリア部材14aの外面に掛止される。
軸部材24の他端部(大径側)にも、図示省略しているが、掛止部が形成されている。この他端部は丸断面形状で小判形状部は存在せず、前記掛止部の部分が大径とされている。この掛止部もまた、軸部材24を案内溝14j内に嵌め合わせた状態で第2キャリア部材14bから外側に突出し、第2キャリア部材14bの外面に掛止される。なお、このような掛止が実際に行われるのは、第1軸部材24Aだけであるが、部品共通化のために第2軸部材24Bも同じ形状とされている。
このように、本実施形態では軸部材24の両端部にそれぞれ掛止部が形成されているため、図示のように軸部材24を案内溝14h,14j内に嵌め合わせた状態では、2つの掛止部が第1及び第2キャリア部材14a,14bの分離を防止し、両者の嵌合わせ状態を保持している。特に本実施形態では、軸部材24の両端間でみて、2つの掛止部間の内寸法が遊星キャリア14全体の厚み寸法よりも僅かに大きく設定されているため、軸部材24は案内溝14h,14j内にて太陽ローラ4の径方向へ自在に移動することができる。
さらに本実施形態では、軸部材24(ここでは第1軸部材24Aを指す)を太陽ローラ4の径方向のみに移動自在とし、それ以外への変位を拘束するため、以下のような構造上の特徴を有している。
先ず、軸部材24の径方向でみて、小判形状部24aによる一対の平行面241の面幅(間隔)が案内溝14hの幅よりも僅かに小さく設定されている。具体的には、軸部材24の径方向に関し、小判形状部24a(平行面241)は案内溝14h内に僅かな隙間をもって高精度に嵌め合わされている。したがって軸部材24は、案内溝14h内にて太陽ローラ4の径方向には移動自在であるが、この回転軸線Z1回りへの回転変位は拘束されている。
次に、小判形状部24aの平行面241の長手方向の幅に着目すると、この幅は、第1キャリア部材14aの厚みより僅かに大きく設定されている。つまり、軸部材24の長手方向(中心軸線Z2の方向)に関して、小判形状部24aは案内溝14h内に僅かな隙間をもって高精度に嵌め合わされている。したがって軸部材24は、案内溝14h内にて太陽ローラ4の径方向には移動自在であるが、長手方向(回転軸線Z1の方向)への移動は拘束されている。
さらに、軸部材24はその中心軸線Z2を傾斜させる方向(太陽ローラ4の径方向に沿う平面内で回転させる方向)への変位を拘束されている。すなわち、軸部材24の長手方向でみると、小判形状部24aの両側に丸形断面の部位(掛止部242)が存在しているため、案内溝14h内に小判形状部24aを嵌め合わせた状態で軸部材24を傾斜させようとしても、掛止部242が第1キャリア部材14aの外面又は内面に接触し、その傾斜は阻止される。これにより、軸部材24は案内溝14h内にて太陽ローラ4の径方向にのみ移動自在であり、それ以外の方向への変位は拘束されている。
なお、各遊星ローラ22a,22bには、その回転軸線方向の前後からベアリング26が嵌合されているため、本実施形態では遊星ローラ22a,22b、ベアリング26及び軸部材24までを含めての公差を極めて小さくしている。これにより、遊星キャリア14内では第1遊星ローラ22aが第1軸部材24Aとほぼ一体となって太陽ローラ4の径方向にのみ移動できる構成となる。
トラクション動力伝達装置Mにおいて、遊星キャリア14に対する第1軸部材24A(第1遊星ローラ22a)の摺動は極めて重要な要素である。このため本実施形態では、第1軸部材24Aのスムーズな移動を可能にするために、上記のように軸部材24の一端部のみを小判形状とし、他端部については丸断面形状のままとしている。すなわち、両端部とも小判形状にしたとすると、加工上の誤差で両側の小判形状同士の相対的な角度ずれが発生しやすくなる。このような角度のずれは、直ちに軸部材24の摺動状況に悪影響を及ぼし、第1遊星ローラ22aの片当たり、ひいては太陽ローラ4の偏摩耗を引き起こす要因となる。この点、本実施形態では一端部のみを小判形状としているため角度ずれの心配がなく、第1遊星ローラ22aを太陽ローラ4に対して均等に押し付けることができる点で有効である。
次に、遊星ローラ機構22の組み立てについて説明する。まず、第1遊星ローラ22a及び第2遊星ローラ22bを、これら周面23a,23bが当接するように直列状に配置する。また、各支持アーム22cは、遊星ローラ22a,22bの表裏側にて、図6に示されるように、一方の支持アーム22cの丸穴22dが他方の支持アーム22cの長孔22fに対峙するように配置される。
次いで、この丸穴22dに小判形状部24aを挿入し、かしめリング22eで締結する。各挿通穴221にベアリング26をそれぞれ挿通すると共に、ベアリング26に軸部材24をそれぞれ挿通すると、第1遊星ローラ22a及び第2遊星ローラ22bは、ベアリング26を介して軸部材24に対してそれぞれ回転自在に取り付けられる。続いて、軸部材24の他端部を長孔22fにそれぞれ挿入することで、遊星ローラ機構22が完成する。この軸部材24の他端部が長孔22fに沿って移動可能になる結果、ベアリング26がその芯を保持したまま、軸部材24は太陽ローラ4の周方向に沿って移動可能になる。
その後、第1遊星ローラ22aを支持する軸部材24のうち、小判形状部24aを第1キャリア部材14aの案内溝14hに、この軸部材24の他端部(大径側)を第2キャリア部材14bの案内溝14jにそれぞれ嵌め合わせる。これにより、3つの遊星ローラ機構22が遊星キャリア14に取り付けられる。
次いで、これら遊星ローラ機構22を囲繞するよう、その周囲にアウタリング10を配置し、さらに、太陽ローラ4及び出力軸8をそれぞれ設置する。その後、図7、図8に示すように、押圧リングばね40(付勢部材)を設置する。このリングばね40は、3つの第2遊星ローラ22bの周面23bを、アウタリング10の押圧面10bに押し付けるよう、第2軸部材24Bを押圧面10bに向かう方向に付勢する部材である。
押圧リングばね40は、図7に示される如く、出力軸8側から第1キャリア部材14aに向けて取り付けられている。このリングばね40には、3つの第2軸部材24Bの配置間隔に対応して、その中心に向けて窪んだ支持部42が等間隔(120°)に3つ配置されている。これら各支持部42は、第2軸部材24Bの他端部(大径側)を、太陽ローラ4の径方向外側に向けて、回転開始時における押圧力が得られる程度の弱めに付勢している(図8)。これにより、第2遊星ローラ22bの周面23bは、アウタリング10の押圧面10bに確実に当接される。
次に、トラクション動力伝達装置の動作を説明する。トラクション動力伝達装置Mの組み立て状態では、第2遊星ローラ22bの周面23bは押圧面10bに接触し、この周面23bは第1遊星ローラ22aの周面23aにも接触している。一方、この周面23aは太陽ローラ4の周面4aに弱く接触している。太陽ローラ4が、図2でみて、矢印で示しているように反時計回りに回転すると、第1遊星ローラ22aは時計回りに回転(第1軸部材24A回りに自転)する。同時に、第2遊星ローラ22bは反時計回りに回転(第2軸部材24B回りに自転)する。なお、遊星ローラ機構22は、太陽ローラ4の回りを、反時計回りに公転する。
図9は、遊星ローラ機構22の動作を説明するための模式的な図である。太陽ローラ4の回転軸線Z1と第1遊星ローラ22aの回転軸線P1(中心軸線Z2)とを結ぶ直線L1に対して、くさび効果を発生させるために、回転軸線P1と第2遊星ローラ22bの回転軸線P2とを結ぶ直線L2は、所定の余裕角αだけ傾いて配置されている。これにより、遊星ローラ機構22の公転方向(図中の矢印Aの反時計方向)の下流側には、余裕角αに応じた略くさび状の空間Hが形成されている。前記公転方向でいうと、第2遊星ローラ22bの回転軸線P2は、遊星ローラ機構22の公転方向でみて、直線L1よりも上流側に配置されている。
第2遊星ローラ22bが反時計回りに自転すると、この略くさび状の空間Hが狭められるように、第2遊星ローラ22bがアウタリング10に食い込むことになる。この食い込みにより、遊星ローラ支持アーム22cの外側端、つまり、図2でみて小判形状部24a
に突出された各端部は、第1遊星ローラ22aに対して立ち上がる方向に向けてそれぞれ移動する。また、アウタリング10も反時計回りに回転する。
そして、押圧面10bは、第2遊星ローラ22bがアウタリング10に食い込むことによって生じた反力により、第2遊星ローラ22bの周面23bを押圧する。同時に、この周面23bは第1遊星ローラ22aの周面23aを押圧するので、第1遊星ローラ22aは太陽ローラ4の径方向に近接するよう移動する。これにより、太陽ローラ4の周面4aは、第1遊星ローラ22aの周面23aから強い押し付け力を受けるようになる。
その後、押圧面10bと周面23bとの接点、周面23bと周面23aとの接点、並びに、周面23aと周面4aとの接点が略一直線上に連なる。その結果、第1遊星ローラ22aは太陽ローラ4に対して強く押し付けられた状態となり、それ以上、第1遊星ローラ22aが移動できなくなると、アウタリング10は遊星ローラ機構22と同じ速度で反時計回りに回転する。換言すれば、遊星ローラ機構22からみてアウタリング10は相対的に停止する。
この状態で、ケーシング2の内部では各遊星ローラ機構22と太陽ローラ4との間(微小隙間)に超高圧力が掛かるので、その微小隙間に挟まれたグリスが弾塑性体としての性質を発揮し、太陽ローラ4の回転時に良好なトラクションを発生させることができる。このトラクションを利用して3つの第1遊星ローラ22aが太陽ローラ4と逆方向に回転しつつ、各遊星ローラ機構22が太陽ローラ4に対して遊星運動(太陽ローラ4の外側で周回運動)すると、その運動が軸部材24を介して遊星キャリア14に伝達される。この結果、遊星キャリア14全体が太陽ローラ4と同方向に回転する。このときの遊星キャリア14の回転を出力軸8から取り出すことで、太陽ローラ4に入力されたトルクを正確な減速比で出力軸8に伝達することができる。従って、トラクション動力伝達装置Mを減速機として利用することができる。
本実施形態に係るトラクション動力伝達装置Mを用いた減速機によれば、歯車伝達機構のようにバックラッシュの影響がなく、滑らかなトルクの伝達を可能にする。従って、回転角度を高精度に制御する必要のある機器の動力源として好適である。
さらに本実施形態では、第1遊星ローラ22aの軸部材24が、太陽ローラ4の回転軸線との平行を保持したまま径方向のみに移動できる構造である。このため、第1遊星ローラ22aの回転軸線が太陽ローラ4の回転軸線に対して傾斜することがなく、その片当たりによる太陽ローラ4の偏摩耗を確実に防止することができる。これにより、トラクション動力伝達装置Mが長期間にわたる耐久性を発揮することができ、該伝達装置Mが適用された機器の製品寿命まで機能し続けることができる。
特に、本実施形態よれば、太陽ローラ4の周面4aには、遊星ローラ機構22の回転に伴って初めて高圧の押圧力が作用する。従って、装置の組み立て時点から既に高圧が作用している従来の構成に比して、長寿命のトラクション動力伝達装置Mが得られる。しかも、太陽ローラ4や出力軸8のいずれにも組み立て時にはスラスト方向(回転軸方向)の与圧が発生しないので、モータや出力軸側に接続される駆動体(感光体ドラム等)にも悪影響を与えない。
また、押圧リングばね40が第2遊星ローラ22bの周面23bを押圧面10bに向けて付勢する構造を備える。このため、第2遊星ローラ22bがアウタリング10に対して空転せず、第2遊星ローラ22bがアウタリング10に向けてより一層食い込むことができ、遊星ローラ機構22の回転当初においても、適切な押圧力を得ることができる。なお、このリングばね40は装置の組み立て後半で取り付けられるため、ユニットとしての組み立て性も良好である。
さらに、第1遊星ローラ22aは太陽ローラ4に押し付けられ、第2遊星ローラ22bは、アウタリング10に食い込むとともに、第1遊星ローラ22aを押し付ける機能を有している。これら計6つの第1遊星ローラ22a及び第2遊星ローラ22bは、同一部品で構成されている。従って、等間隔に配置された各遊星ローラ機構22のいずれからも均一な押圧力を、太陽ローラ4に伝達することが可能である。
また、遊星ローラ支持アーム22cは、押圧面10bからの押圧力を第1及び第2遊星ローラ22a,22bに伝達する機能を有している。第1及び第2遊星ローラ22a,22bの表裏に配置される、計6つの支持アーム22cが同一部品で構成されているので、芯出しやその位置精度が向上し、各遊星ローラ機構22のいずれからも均一な押圧力が太陽ローラ4に伝達可能である。なお、本実施形態の構成によれば、遊星ローラが2段となって部品点数は増えるものの、その部品種類は増えないことから、コストの上昇は抑制可能である。
本実施形態のトラクション動力伝達装置Mが好適に適用される機器の一つとして、フルカラー画像形成装置を例示することができる。図10は、フルカラー画像形成装置の一例であるタンデム方式のカラープリンタ9の全体構成を示した概略断面図である。
カラープリンタ9は、筐体構造を有する装置本体9a内に、用紙Pを給紙する給紙部92と、この給紙部92から給紙された用紙Pを搬送しながら当該用紙Pに画像を転写する画像形成部93と、この画像形成部93で用紙Pに転写された画像に対して定着処理を施す定着部94とが備えられている。装置本体9aの上面には、定着部4で定着処理の施された用紙Pが排紙される排紙部95が設けられている。
給紙部92は、用紙Pを貯留する給紙カセット921、ピックアップローラ922、給紙ローラ923,924,925、及びレジストローラ926を備えている。画像形成部93は、画像形成ユニット97と、この画像形成ユニット97によってその表面にトナー像が1次転写される中間転写ベルト911と、この中間転写ベルト911上のトナー像を給紙カセット921から送り込まれた用紙Pに2次転写させるための2次転写ローラ912とを備えている。
画像形成ユニット97は、上流側(図10では左側)から下流側に向けて順次配設されたブラック用ユニット97K、イエロー用ユニット97Y、シアン用ユニット97C、及びマゼンタ用ユニット97Mを備えている。各ユニット97K,97Y,97C及び97Mは、それぞれの中央位置に像担持体としての感光体ドラム971を含む。感光体ドラム971は、図中の反時計方向に回転駆動される。各感光体ドラム971の周囲には、帯電器、露光装置、現像装置、クリーニング装置及び除電器等が、回転方向上流側から順に各々配置されている。
中間転写ベルト911は、無端状のベルト状回転体であって、表面側が各感光体ドラム971の周面にそれぞれ当接するように、駆動ローラ913、ベルト支持ローラ914、バックアップローラ915、一次転写ローラ916及びテンションローラ917に架け渡されている。中間転写ベルト911は、各感光体ドラム971と対向配置された一次転写ローラ916によって感光体ドラム971に押圧された状態で、前記複数のローラによって無端回転する。
各感光体ドラム971上に形成されたトナー像は、駆動ローラ913の駆動により矢符(時計回り)方向に周回する中間転写ベルト911に重ね塗り状態で順次転写(1次転写)され、フルカラートナー像が形成される。このフルカラートナー像は、2次転写ローラ912とバックアップローラ915とのニップ部において、用紙Pに二次転写される。フルカラートナー像が転写された用紙Pは、定着部94で定着処理が施された後、排紙部95へ排紙される。
このようなカラープリンタ9において、回転駆動が必要な部品の駆動系に、上記で説明したトラクション動力伝達装置Mを接続することができる。とりわけ、画像形成部93の駆動部品、例えば感光体ドラム971や中間転写ベルト911の駆動に、トラクション動力伝達装置Mを適用することが望ましい。感光体ドラム971の回転軸や中間転写ベルト911を駆動する駆動ローラ913(駆動部材)に、トラクション動力伝達装置Mを介してモータD(駆動源)の回転駆動力を伝達するようにすれば、ギア駆動の場合に比して、伝達ロスや駆動ムラが防止されて高品質な画像形成を実現できる。さらに、モータとしてステッピングモータを用いる場合には、そのパルス制御に応じて、感光体ドラム971等の回転角度が高精度に制御することができ、極めて高品質な画像形成を実現できる。
以上、本発明の一実施形態に係るトラクション動力伝達装置Mを説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば次のような実施形態を取ることができる。
(1)上記実施形態では、軸部材24にベアリング26を介して第1、第2遊星ローラ22a、22bを取り付ける例を挙げているが、第1、第2遊星ローラ22a、22bと軸部材24とが一体に回転する構成としてもよい。この場合、遊星キャリア14にベアリングを摺動可能に設けて、軸部材をベアリングとともに太陽ローラ4の径方向へ移動自在に案内する構成とすればよい。
(2)遊星ローラ機構22が具備する遊星ローラの数は、複数段である限り必ずしも2段に限定されるものではない。例えば、第1遊星ローラ22aと第2遊星ローラ22bとの間に、他の遊星ローラが配置されていても良い。この場合にも、遊星ローラを太陽ローラの周面に対して常に平行に押し付け、軸方向で均等にトラクションを発生させることが可能である。
(3)上記実施形態では、第1キャリア部材14aのボス部14dに連結部14eが接続され、この連結部14eに出力軸8の基端部を嵌合する例を示した。これに代えて、遊星キャリア14と出力軸8とを、螺合により直接接続するようにしても良い。これにより、加工工程が簡略化され、コストの低廉化が図られる。
この場合、出力軸8は、その駆動時に締まる方向に向けて遊星キャリア14に螺合させることが望ましい。このようにすれば、組み立て時に十分なトルクで締め付けておくことで、実使用時にはその回転方向に対して、例え一瞬でも締め付け不良による回転ムラ(駆動遅れ)が発生しない。この結果、これら遊星キャリア14と出力軸8との接続は確実に維持される。
(4)ケーシング2の内部で、グリスを強制循環させる循環部材を付設するようにしてもよい。図11は循環部材50の一例を示す斜視図である。循環部材50は、第2キャリア部材14bの外面側に配置されるものであって、その中央部分に、太陽ローラ4が挿通される孔部51を有している。この孔部51の径方向外側の適宜位置には、3つの切り起こしフィン52が、等間隔(120°)に立設されている。切り起こしフィン52の径方向外側の適宜位置には、3つの係合部53が等間隔(120°)に形成されている。係合部53は、各軸部材24に対して各々係合される。
このような循環部材50を組み入れることで、キャリア14の回転駆動時に切り起こしフィン52がケーシング2内の潤滑剤を強制循環させ、潤滑剤を太陽ローラ4と第1遊星ローラ22aとの圧接部分に向けて送出させることができる。従って、当該循環部材を有しない場合に比して潤滑剤の劣化が防止され、トラクション動力伝達装置の長寿命化を図ることができる。
(A)、(B)は、本発明の実施形態に係るトラクション動力伝達装置の外観を2方向から示す斜視図である。 トラクション動力伝達装置の要部を、太陽ローラ側から見た斜視図である。 トラクション動力伝達装置の要部を、出力軸側から見た斜視図である。 図2に示された遊星キャリア及び出力軸の斜視図である。 図2に示された遊星キャリア及び遊星ローラ機構の斜視図である。 遊星ローラ機構の分解斜視図である。 遊星ローラ機構に押圧リングばねを装着する前の斜視図である。 遊星ローラ機構に押圧リングばねを装着した後の斜視図である。 遊星ローラ機構の動作を説明するための模式的な図である。 本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略断面図である。 循環部材の一例を示す斜視図である。
2 ケーシング
4 太陽ローラ
10 アウタリング(押圧部材)
10b 押圧面
14 遊星キャリア(案内部材)
22 遊星ローラ機構
22a 第1遊星ローラ
22b 第2遊星ローラ
22c 支持アーム(リンク部材)
24 軸部材
24A 第1軸部材
24B 第2軸部材
40 押圧リングばね(付勢部材)

Claims (15)

  1. 第1中心軸線を持ち、この第1中心軸線回りに回転自在な太陽ローラと、
    前記太陽ローラの周面に沿って回転自在に設けられた複数の遊星ローラ機構と、
    前記遊星ローラ機構を囲繞し、該遊星ローラ機構を前記太陽ローラの周面に向けて押圧する押圧面を有し、前記太陽ローラと前記遊星ローラ機構との間にてトラクションによる動力伝達を可能にする押圧部材と、を備え、
    前記遊星ローラ機構の各々は、
    第2中心軸線を持ち、前記第1中心軸線と平行で互いに離間する2つの周辺軸線上に前記第2中心軸線が合致するようにそれぞれ配置される第1及び第2軸部材と、
    前記第1軸部材に回転自在に支持され、前記太陽ローラの周面に沿って回転する第1遊星ローラと、
    前記第2軸部材に回転自在に支持され、その周面が前記第1遊星ローラの周面に当接すると共に前記押圧面に当接し、当該遊星ローラ機構の前記太陽ローラの周面に沿った回転時に前記第1遊星ローラの周面を前記太陽ローラの周面に押し付ける第2遊星ローラと、
    前記第2軸部材が嵌り込む支持部を備えたリングばねと、を含み、
    前記押圧面は、前記太陽ローラと同心の円周面であり、
    前記遊星ローラ機構の前記太陽ローラの周面に沿った回転方向において、前記太陽ローラの第1中心軸線と前記第1軸部材の第2中心軸線とを結ぶ線よりも前記回転方向の上流側に、前記第2軸部材の第2中心軸線が配置されており、
    前記複数の遊星ローラ機構は、前記太陽ローラの周方向において等間隔に配置されており、これにより前記第2軸部材も前記周方向において等間隔に配置され、
    前記リングばねの支持部は、前記第2軸部材の配置間隔に対応して設けられ、
    前記リングばねは、前記第2軸部材を前記押圧面に向かう方向に付勢することで、前記第2遊星ローラの周面を前記押圧面に押し付けることを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  2. 請求項1に記載のトラクション動力伝達装置において、
    前記第1遊星ローラ及び前記第2遊星ローラは、実質的に同一部品であることを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  3. 請求項2に記載のトラクション動力伝達装置において、
    前記遊星ローラ機構の数が3個であり、各遊星ローラ機構は、1個の第1遊星ローラと、1個の第2遊星ローラとを備えることを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置において、
    各遊星ローラ機構の前記第1軸部材と前記第2軸部材とを連結するリンク部材をさらに備えることを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  5. 請求項4に記載のトラクション動力伝達装置において、
    前記リンク部材は、前記第1遊星ローラ及び前記第2遊星ローラの一方の側面に配置される第1リンク部材と、他方の面に配置される第2リンク部材とを含み、
    前記第1リンク部材及び前記第2リンク部材は、実質的に同一部品であることを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置において、
    前記太陽ローラの第1中心軸線と前記第1遊星ローラの第2中心軸線との平行を保持したまま、前記第1軸部材を前記太陽ローラの径方向に移動自在に案内する案内部材をさらに備えることを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  7. 請求項6に記載のトラクション動力伝達装置において、
    前記第1軸部材の回りに前記第1遊星ローラを回転自在に支持するベアリングをさらに備え、
    前記案内部材は、前記第1軸部材自体を前記第1遊星ローラとともに前記太陽ローラの径方向へ移動自在に案内することを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  8. 請求項7に記載のトラクション動力伝達装置において、
    前記案内部材は、
    前記第1中心軸線回りに、前記太陽ローラに対して相対回転自在に支持された第1キャリア部材と、
    前記第1キャリア部材に対し前記第1中心軸線方向に間隔をおいて連結され、前記第1キャリア部材との間に前記第1遊星ローラを収容した状態で前記第1キャリア部材とともに前記第1軸部材を支持する第2キャリア部材と、
    前記第1及び第2キャリア部材にそれぞれ形成され、前記第1軸部材の両端部を前記太陽ローラの径方向に移動自在に案内する案内溝と、
    を含むことを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  9. 請求項8に記載のトラクション動力伝達装置において、
    前記第1軸部材は、
    その一端部に、前記案内溝の幅に合わせて対向する一対の平行面が、該第1軸部材の外周の一部をカット加工することで形成された小判形状部を有し、
    前記第1軸部材の長手方向でみた前記平行面の幅を、前記第1又は第2キャリア部材の厚みに合わせることで、前記小判形状部にて前記第1軸部材自体の前記太陽ローラに対する傾斜方向への変位を拘束していることを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  10. 請求項9に記載のトラクション動力伝達装置において、
    前記第1キャリア部材は、前記第2キャリア部材に向けて前記太陽ローラの長手方向に延びる連結部を有し、
    前記第2キャリア部材は、前記連結部を嵌め合わせることで前記第1及び第2キャリア部材を互いに前記太陽ローラの周方向に拘束する嵌合凹部が形成され、
    前記第1軸部材は、その両端部にそれぞれ形成され、前記太陽ローラの長手方向でみて前記第1遊星ローラを挟んだ前記第1及び第2キャリア部材の外面に掛止される掛止部を有し、これら掛止部にて前記第1及び第2キャリア部材が互いに離隔することを拘束し、前記連結部と前記嵌合凹部との嵌合わせ状態を保持することを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置において、
    互いに圧接される前記太陽ローラ、前記第1及び第2遊星ローラ、及び前記押圧部材の各部材として、圧接部分の表面速度の大きな部材から順に、高い硬度を有する材料が用いられていることを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置において、
    互いに圧接される前記太陽ローラ、前記第1及び第2遊星ローラ、及び前記押圧部材の各部材として、少なくとも金型鋼と同等以上の硬度を有する材料が用いられており、
    これら各部材のうち、圧接部分の表面速度の少なくとも最高値で駆動される部材の表面には、マイクロショットピーニング処理が施されていることを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  13. 請求項6〜10のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置において、
    前記案内部材に接続され、回転駆動される出力軸をさらに備え、
    該出力軸は、前記案内部材に対して、その駆動時に締まる方向に向けて螺合されることで接続されていることを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  14. 請求項1〜13のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置において、
    その内部に、前記太陽ローラの一部、前記第1及び第2遊星ローラ及び前記押圧部材が収容され、且つ潤滑剤が充填されるケーシングと、
    前記ケーシングの内部に配置され、前記潤滑剤を強制循環させる循環部材と、
    をさらに備えることを特徴とするトラクション動力伝達装置。
  15. 少なくとも感光体ドラム、又は感光体ドラム及び中間転写ベルトを含む画像形成部と、
    前記感光体ドラムを、又は感光体ドラム及び中間転写ベルトの少なくとも一方を駆動する駆動力を発生する駆動源と、
    前記駆動源の駆動力を、前記感光体ドラムの回転軸又は前記中間転写ベルトの駆動部材に伝達する請求項1〜14のいずれかに記載のトラクション動力伝達装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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