JP5060317B2 - エンジン - Google Patents

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Description

本発明は、クランク軸の周期的な角速度の変化を許容すると共に出力軸を等速回転させることのできるエンジンに関する。
従来、オットサイクル機関において、熱効率を上昇させて出力を向上させる手段として、圧縮比(≒膨張比)を高めることが知られているが、圧縮比を単に高くするだけでは、ノッキングの発生を招くことになる。特に、高負荷運転状態においては燃焼圧力が高くなるため、ノッキングを生じ易い。
そのため、一般には、点火時期を制御し、ノッキング発生を検知したときは、点火時期を直ちに遅角補正してノッキングの発生を防止するようにしている。しかし、点火時期を遅角させると、燃焼室内の最高燃焼圧力が低くなり、熱効率が低下し、その分、出力が低下する不都合がある。
その対策として、本出願人は、特許文献1(特開2005−291103号公報)や特許文献2(特開2007−138818号公報)において、クランク軸の軸端とクランク軸に平行な出力軸の軸端とに、互いに噛合する一対の非円形歯車を配設し、この両非円形歯車の相互回転により、クランク軸の回転を上死点を挟む前後において速くする不等速回転とすることで、ノッキングの発生を有効に回避する技術を提案した。
特開2005−291103号公報 特開2007−138818号公報
上述した特許文献1や特許文献2に記載されている技術によれば、クランク軸が一定の周期で不等速回転していても、互いに噛合する一対の非円形歯車を介して出力軸から出力される回転は等速回転されるため安定した出力を得ることができる。
しかし、特許文献1や特許文献2に開示されている技術では、一対の非円形歯車にかかる応力が考慮されておらず、エンジン回転数の増加に伴い応力が非線形で増大してしまう。従って、上述した各文献に開示されている技術では、エンジン回転数を必要以上に上昇させることができず、従って、エンジンの定格回転数を低く設定する必要があり、適用範囲が限定されてしまう不都合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、互いに噛合する非円形歯車の噛合面間にかかる応力を考慮し、エンジン回転数を上昇させても一対の歯車の噛合面間にかかる負担を軽減して、定格回転数を高く設定することのできるエンジンを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明は、クランク軸の出力側に駆動側非円形歯車を配設し、該クランク軸と平行に配設されている出力軸に前記駆動側非円形歯車に噛合する従動側非円形歯車を配設し、該両非円形歯車の回転により、クランク軸の周期的な不等速回転を等速回転に変換するエンジンにおいて、前記クランク軸には、180クランク角度或いは360クランク角度毎に複数のピストンが連設されており、上記両非円形歯車の噛合面のピッチ円半径の比であるギヤ比を、前記180クランク角度或いは前記360クランク角度毎の4サイクル等間隔燃焼に設定されている複数の前記ピストンと前記クランク軸とを連設するコンロッドの長さと、該クランク軸の回転半径と、回転系の総重量とピストン系の総重量との比に基づいて、前記クランク軸の周期的な角速度の変化を許容すると共に前記出力軸を等速回転させる値に、クランク角毎に設定したことを特徴とする。
本発明によれば、両非円形歯車の噛合面間のギヤ比を、クランク軸の周期的な角速度の変化を許容すると共に出力軸を等速回転させる値にクランク角毎に設定したので、互いに噛合する非円形歯車の噛合面間にかかる負担が軽減され、従って、定格回転数を高く設定することができ、広い汎用性を得ることができる。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。
[第1実施形態]
図1〜図4に本発明の第1実施形態を示す。図1は4サイクル4気筒エンジンの正面図、図2は4サイクル4気筒エンジンの側面スケルトーン図である。
同図には、OHCタイプの4気筒4サイクルエンジン(以下、単に「エンジン」と称する)1Aが示されている。このエンジン1Aのエンジン本体2に、クランクケース3とシリンダブロック4とが形成され、このシリンダブロック4の上面にシリンダヘッド5が取付けられている。
クランクケース3にはクランク軸6が内装され、その両端がクランクケース3に軸受け(図示せず)を介して回動自在に支持されている。このクランク軸6に、#1〜#4気筒に挿通されるピストン11がコンロッド10を介して各々連設されている。図2に示すように、本実施形態で採用するエンジン1Aは、点火順が#1→#3→#4→#2の等間隔燃焼に設定されている。従って、気筒#1が圧縮上死点にあるとき、気筒#3が吸気下死点にあり、気筒#4が排気上死点にあり、又、気筒#2が膨張下死点にある。このように、4サイクル4気筒エンジンでは、各ピストン11が180[deg-CA(クランク角度)]毎に、上死点或いは下死点の何れかに位置している。
又、シリンダヘッド5には、燃焼室(図示せず)に連通する吸気通路13と排気通路14とが形成されている。又、このシリンダヘッド5の上面に動弁室20(図2参照)が形成され、この動弁室20が動弁カバー21で覆われている。この動弁室20にカム軸22が横設されている。このカム軸22はクランク軸6の回転に対して1/2の回転数で回転しており、このカム軸22に、吸気カム23a、排気カム23bが、各気筒#1〜#4毎に設けられており、この各吸気カム23a、排気カム23bに、燃焼室(図示せず)と吸気通路13との間を開閉する吸気弁15と、燃焼室(図示せず)と排気通路14との間を開閉する排気弁16とが連設されている。
又、クランク軸6の一端に、クランクケース3から外方に突出されている駆動軸6aが連続形成されており、この駆動軸6aがクランクケース3の側面から外方へ突出されている。又、この駆動軸6aが突出されているクランクケース3の側壁に、出力軸24が配設されている。この出力軸24は、駆動軸6aの上方で、この駆動軸6aに沿って平行に配設されている。この出力軸24に、駆動側タイミングギヤ27とフライホイール30とが軸着されていると共に、発電機、走行負荷等の負荷発生手段が変速機を介して或いは直接的に連設される。
この駆動軸6aと出力軸24とに、互いに噛合する一対の駆動側非円形歯車25と従動側非円形歯車26との軸芯が各々軸着されている。尚、図においては、便宜的に、駆動側非円形歯車25と従動側非円形歯車26とをピッチ円で表す。又、この両非円形歯車25,26の詳細な諸元については後述する。クランク軸6を回転させると、互いに噛合する両非円形歯車25,26のギヤ比が連続的に変化して、クランク軸6の周期的な不等速回転が許容されると共に、従動側非円形歯車26を軸支する出力軸24が等速回転される。その結果、クランク軸6の回転速度をピストン11の上死点を挟む前後では、速くすることでノッキングの発生が回避され、又、出力軸24は等速回転とすることでサージ振動の低減を図ることができる。
又、出力軸24に軸着されている駆動側タイミングギヤ27とカム軸22の軸端に軸着されている従動側タイミングギヤ28とがタイミングベルト29を介して連設されている。この従動側タイミングギヤ28の歯数は、駆動側タイミングギヤ27の歯数の2倍(歯数比2.0)に設定されており、従って、カム軸22は出力軸24の回転数に対して、1/2の回転数で回転する。尚、後述するように、この出力軸24は等速回転するため、カム軸22はクランク軸6の不等速回転の影響を受けることなく等速回転させることができる。又、図示しないが吸気弁15の直上流には、噴射方向を吸気弁15に指向するインジェクタが配設されている。
ところで、ピストン11を含む直線運動を行うピストン系に発生する運動エネルギと、このピストン系の直線運動を回転運動に変換するクランク軸6を含む回転系に発生する回転エネルギとは、エネルギ保存則から鑑みた場合、運動エネルギ+回転エネルギ=一定でなければならない。図10(a)には、クランク軸6に、フライホイール30を含む外的な負荷が印加されず、ピストン11に発生する圧縮時及び燃焼時の押圧力も印加されない状態でエンジン1Aを駆動させた場合(回転速度:2000[rpm])のエネルギ変動が示されている。尚、同図において、0[deg-CA]、及びその前後の180[deg-CA]、−180[deg-CA]は、各ピストン11の上死点及び下死点を示す。
同図に破線で示すピストン系に作用するエネルギは燃焼により発生するため、各気筒#1〜#4が上述した点火順に従って燃焼行程を迎えることで、180[deg-CA]周期で変動する。その結果、同図に実線で示すように、回転系のエネルギは、中間ストローク(図の−90,90[deg-CA])付近で遅く回転し、上死点及び下死点(図の0,180,−180[deg-CA])を挟む前後で早く回転する。従って、同図に太線で示すように、ピストン系のエネルギ+回転系のエネルギ=一定となる。
このように、回転系では、回転速度を上死点付近で速くすることでノッキング抑制と冷却損失の低減との双方を満足させることができる。しかし、この場合、同図(b)に示すように、フライホイール30がないため、クランク軸6の角速度[rad/sec]が、180[deg-CA]周期で大きく変化してしまう。
従って、クランク軸6に発生する角速度の周期的な変化を許容しつつ、出力軸24側の出力系を等速回転させることができれば、サージ振動を抑えることも可能となる。サージ振動を抑制することができれば、フライホイール30にはサージ振動抑制の機能を担わせる必要がなくなるので、燃焼による駆動トルクを平滑化するための機能のみを担わせれば良くなる。その結果、フライホイール30の軽量化を実現することができ、フライホイール30の軽量化によりレスポンス特性、及び燃費を改善することができる。
従って、上述した図10(b)に示すクランク軸6の角速度[rad/sec]の周期的な変動を、互いに噛合する両非円形歯車25,26の角速度差により吸収すれば、両非円形歯車25,26の噛合面間にかかる負担を軽減することができ、回転系は非等速回転、出力系は等速回転とすることができる。尚、両非円形歯車25,26の噛合面をヘリカルギヤで形成すれば、伝達効率が良くなる。
具体的には、互いに噛合する非円形歯車25,26のクランク角θ毎のギヤ比ε(θ)を、クランク軸6の周期的な角速度の変化(図10(b)参照)を相殺する値、すなわち、図3に示すように設定することで実現する。尚、ギヤ比ε(θ)は、駆動側非円形歯車25のピッチ円半径をr1、従動側非円形歯車26のピッチ円半径をr2とした場合、
ε(θ)=r2(θ)/r1(θ)
で表される。
本出願人は、クランク角θ毎のギヤ比ε(θ)を、次式(1)に示す近似式から求めることで、両非円形歯車25,26の噛合面間にかかる負担を軽減することができ、回転系は非等速回転、出力系は等速回転とすることができることを解析した。尚、この場合、両非円形歯車25,26の歯数は同一である。又、非円形歯車25,26の軸間距離Lは固定されているため、
r1(θ)+r2(θ)=L(固定)
である。
Figure 0005060317
ここで、Bfはバランスファクタ、lnは対数関数、kは固定値、lはコンロッド10の長さ[m]、γはクランク軸6の回転半径(ピストンストローク/2)[m]である。尚、バランスファクタBfは、ピストン系と回転系との重量配分比であり、
Bf=Mcw/Mp …(2)
から算出することができる。ここで、Mcwはクランク軸6及びフライホイール30を含む回転系の総重量[Kg]、Mpは気筒数分(4個分)のピストン11及びコンロッド10を含むピストン系の総重量[Kg]である。このバランスファクタBfは、採用するエンジンに応じて最適な値を設定する。尚、本実施形態では、Bf=1に設定している。
ところで、ギヤ比ε(θ)は、
ε(θ)=r2(θ)/r1(θ)=ω2(θ)/ω1(θ) …(3)
である。ここで、ω1(θ)は駆動側非円形歯車25のクランク角θ毎の角速度、ω2(θ)は従動側非円形歯車26のクランク角θ毎の角速度である。
又、ピストン系のエネルギと回転系のエネルギの合計Eは一定(エネルギ保存則)であり、これを式に表せば、
E=[(1/2)・I・ω1]+[(1/2)・Mp・u…(4)
となる。ここで、右辺第一項が回転系のエネルギ、右辺第二項がピストン系のエネルギである。又、Iは回転系の回転モーメント、Mpはピストン系の総重量、uはピストン速度である。
ピストン速度uは、クランク軸6(=駆動側非円形歯車25)の角速度ω1と、クランク軸6の回転半径γ、及びコンロッド10の長さlに基づき、次式(5)から算出することができる。
Figure 0005060317
そして、(4)式に(5)式を代入し、(4)式から駆動側非円形歯車25の角速度ω1を求める。次いで、クランク角θ毎の角速度ω1(θ)とギヤ比ε(θ)とに基づき、従動側非円形歯車26の角速度ω2を求める。そして、クランク角毎の各角速度ω1(θ),ω2(θ)に基づいて、両非円形歯車25,26のクランク角θ毎のピッチ円半径r1(θ),r2(θ)を算出する。
このようにして求めた駆動側非円形歯車25、及び従動側非円形歯車26を、図1、図2に示すように、クランク軸6と出力軸24との間に介装することで、図10(b)に示すようなクランク軸6の周期的な不等速回転が許容され、且つ出力軸24を等速回転させることができる。ところで、互いに噛合する歯車の噛合面間にかかる応力は、角速度の二乗で増加する。従って、図4に破線で示すように、上述した特許文献1に開示されている従来の一対の非円形歯車では、歯車の噛合面間にかかる応力を考慮しないでギヤ比が設定されているため、比較的低いエンジン回転数Nαで、両非円形歯車の噛合面に作用する応力が限界に達してしまう。
これに対し、本実施形態による駆動側非円形歯車25と従動側非円形歯車26は、周期的に不等速回転するクランク軸6の回転に併せてギヤ比εをクランク角θ毎に設定したので、噛合面間にかかる応力(負担)を軽減することができる。
従って、図4に太線で示すように、本実施形態による一対の非円形歯車25,26を用いることで、上死点、及び下死点を挟む前後でのピストン変位速度を速めてノッキングを回避させても、非円形歯車25,26の噛合面間にかかる応力が少なく、この噛合面にかかる応力の限界(限界応力)に対して余裕を持たせることができる。この場合、非円形歯車25,26の噛合面間には、圧縮、及び燃焼により発生する応力もかかるが、この応力はエンジン回転数の上昇に対してほぼ一定値であり、この応力は非円形歯車25,26の材質や、噛み合い剛性等の歯車強度で充分に対応することができる。
すなわち、図4に示すようにエンジン1Aの定格回転数をNβとし、上述した計算式に基づいて形成した両非円形歯車25,26の噛合面間に発生する応力が太線で示す特性を示した場合、この特性と定格回転数Nβとの交点と、定格回転数Nβと限界応力との交点との間が余裕応力(両非円形歯車25,26の噛合面間の強度からピストン11に印加される爆発応力を減算した値)となる。
従って、両非円形歯車25,26の噛合面間のギヤ比ε(θ)は、上述した計算式から求めた値であれば、エンジンの定格回転数を限界応力に達する域まで高めることができる。或いは、上述した計算式から求めたギヤ比ε(θ)自体を、予め設定した定格回転数Nβにおいて限界応力に達する値まで修正することができる。ギヤ比ε(θ)を限界応力に達する値まで修正することで、ピストン11の上死点を挟む前後の変位速度を、出力軸24の等速回転を維持した状態で更に速めることが可能となり、ノック抑制効果を更に向上させることができる。
[第2実施形態]
図5〜図7に本発明の第2実施形態を示す。図5は4サイクル2気筒エンジンの側面スケルトーン図、図6は互いに噛合する一対の非円形歯車をピッチ円で表した概略図である。尚、第1実施形態と同一構成については同一の符号を付して説明を省略する。
上述した第1実施形態による一対の非円形歯車25,26の諸元を設定する方法は、4サイクルエンジンであって、等間隔燃焼で、且つ同時に上死点或いは下死点となるタイミングに設定されているものであれば、4気筒以外のエンジンにも適用することができる。
本実施形態では、第1実施形態に示した一対の非円形歯車25,26の諸元を設定する方法を、等間隔燃焼する2気筒4サイクルエンジン(以下、「2気筒エンジン」と略称)1Bに適用した場合を例示する。2気筒エンジン1Bにおいて、クランク軸6に、フライホイール30を含む外的な負荷が印加されず、ピストン11に発生する圧縮時及び燃焼時の押圧力も印加されない状態でクランク軸6を回転させた場合、ピストン系に作用するエネルギが360[deg-CA]周期で変動する。そのため、図11に示すように、2気筒エンジン1Bでは、クランク軸6の角速度が360[deg-CA]周期で変動する。尚、図に示すクランク角0[deg-CA]は圧縮上死点である。
2気筒エンジン1Bでは、互いに噛合する非円形歯車25,26のクランク角θ毎のギヤ比ε(θ)を、クランク軸6の周期的な角速度の変化(図11参照)を相殺する値、すなわち、図7に示すように設定することで、クランク軸6に発生する角速度の変化を許容しつつ、出力軸24の回転を等速回転させることができる。
実験によれば、図7に示すギヤ比ε(θ)は、次式(6)に示す近似式から算出できることが解明された。
Figure 0005060317
ここで、バランスファクタBfは、Bf=1に設定されている。
互いに噛合する一対の非円形歯車25,26のギヤ比ε(θ)を、(6)式に基づいて求めることで両非円形歯車25,26の噛合面間にかかる負担が軽減されると共に、回転系は非等速回転、出力系は等速回転とすることができる。
そして、(6)式から求めたギヤ比ε(θ)と、上述した(3)〜(5)式とに基づき、両非円形歯車25,26のクランク角θ毎のピッチ円半径r1(θ),r2(θ)を算出する。
このようにして求めた駆動側非円形歯車25及び従動側非円形歯車26を、図5、図6に示すように、クランク軸6と出力軸24との間に介装することで、2気筒エンジン1Bであっても、上述した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
[第3実施形態]
図8に本発明の第3実施形態による駆動系の概略構成図を示す。本実施形態は、上述した第1実施形態によるエンジン1Aの出力軸24に、無段変速機31を介して前後進切換装置32を連設したものである。
無段変速機31はベルト式であり、プライマリプーリ31aとセカンダリプーリ31bと、この両プーリ31a,31b間に巻回された駆動ベルト31cとを備えており、このプライマリプーリ31aが出力軸24に軸着されている。更に、セカンダリプーリ31bが前後進切換装置32の入力軸32aに軸着されている。
又、前後進切換装置32は遊星歯車で構成されており、入力軸32aにサンギヤ33が軸着されている。更に、このサンギヤ33とリングギヤ34との間に介装されているプラネタリピニオン35がプラネタリキャリア36に支持され、このプラネタリキャリア36が、駆動輪(図示せず)に動力を伝達する出力軸37に連設されている。更に、リングギヤ34の外周に、出力軸24に軸着されているピニオン38が噛合されており、等速回転する出力軸24の回転によりプライマリプーリ31aとピニオン38とが一体回転する。尚、サンギヤ33とピニオン38とのモジュール及び歯数は同一である。
前後進切換装置32は、セカンダリプーリ31bの溝幅とプライマリプーリ31aの溝幅とを、油圧等により互いに反比例する方向へ可変させることで、変速比(プライマリプーリ回転速度Np/セカンダリプーリ回転速度Ns)を連続的に可変設定することができる。
いま、プライマリプーリ31a(出力軸24)とセカンダリプーリ31bの回転速度が等しい場合(変速比=1)、このプライマリプーリ31aと一体回転するピニオン38によって回転されているリングギヤ34と、セカンダリプーリ31bと一体回転するサンギヤ33とが、互いに反対方向へ等しい速度で回転するため、プラネタリピニオン35は自転するのみで公転することはない。その結果、プラネタリキャリア36は回転せず、ニュートラル状態となる(ギヤードニュートラル状態)。
一方、このニュートラル状態から、セカンダリプーリ31bの回転速度を増加させると(変速比<1)、サンギヤ33とリングギヤ34との差回転により、プラネタリピニオン35が公転し、この公転による回転速度がプラネタリキャリア36を介して駆動輪に伝達されて、車両が前進する。
又、ニュートラル状態から、セカンダリプーリ31bの回転速度を減速させると(変速比>1)、サンギヤ33とリングギヤ34との間に、前進時とは逆方向の差回転が発生し、この差回転によりプラネタリキャリア36が逆転し、この出力が駆動輪に伝達されて、車両が後進する。
車両の前進、或いは後進時において、出力軸24が常時、等速回転しているため、安定した出力を駆動輪へ伝達させることができる。
[第4実施形態]
図9に本発明の第4実施形態による駆動系の概略構成図を示す。本実施形態は、上述した第1実施形態、及び第3実施形態の変形例であり、エンジン1Cとして、2つのバンクを有する4サイクル4気筒V型、或いは水平対向型エンジンを示す。尚、第1実施形態、及び第3実施形態と同一の構成部分については同一の符号を付して説明を省略する。
2つのバンクを有するエンジンでは、各バンク毎に動弁室20a,20bを有し、この各動弁室20にカム軸22a,22bが横設されている。クランク軸6に軸着されている駆動側非円形歯車25に、2つの従動側非円形歯車26a,26bが噛合されている。尚、この駆動側非円形歯車25、及び従動側非円形歯車26a,26bの形状は、第1実施形態で説明した駆動側非円形歯車25、及び従動側非円形歯車26と同一であるため、説明を省略する。
この各従動側非円形歯車26a,26bを軸着する出力軸24a,24bに駆動側タイミングギヤ27a,27bが各々軸着され、又、各カム軸22a,22bに従動側タイミングギヤ28a,28bが各々軸着されている。そして、この各駆動側タイミングギヤ27a,27bと従動側タイミングギヤ28a,28bとが、各タイミングベルト29a,29bを介して各々連設されている。尚、エンジン1Cは、点火順が#1→#3→#2→#4の等間隔燃焼に設定されている。又、無段変速機31、及び前後進切換装置32の構成は、上述した第3実施形態と同一である。
又、一方のバンクに設けられている出力軸24aにプライマリプーリ31aが軸着されている。更に、他方のバンクに設けられている出力軸24bに、リングギヤ34の外周に噛合するピニオン38が軸着されている。
いま、プライマリプーリ31a(出力軸24a)とセカンダリプーリ31bの回転速度が等しい場合(変速比=1)、サンギヤ33とピニオン38とが、互いに反対方向へ等しい速度で回転するため、プラネタリピニオン35は自転するのみで公転することはなく、従って、プラネタリキャリア36は回転せず、ニュートラル状態となる(ギヤードニュートラル状態)。尚、前進走行、及び後進走行時の作用は、上述した第3実施形態と同一であるため説明を省略する。
このように、本実施形態では、一方の出力軸24aにプライマリプーリ31aを軸着し、他方の出力軸24bに、リングギヤ34に噛合するピニオン38を軸着したので、第3実施形態のように1つの出力軸24にプライマリプーリ31aとピニオン38とを軸着する場合に比し、各出力軸24a,24bにかかる負担を軽減することができ、相対的に各出力軸24a,24bの強度を低減することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば採用するエンジンは、180[deg-CA]、或いは360[deg-CA]周期で等間隔燃焼するものであれば、4サイクル2気筒、4サイクル4気筒以外のエンジンにも採用することができる。
第1実施形態による4サイクル4気筒エンジンの正面図 同、4サイクル4気筒エンジンの側面スケルトーン図 同、一対の非円形歯車の噛合面間のギヤ比の変化を示す説明図 同、エンジン回転数と一対の非円形歯車の噛合面間にかかる応力との関係を示す説明図 第2実施形態による4サイクル2気筒エンジンの側面スケルトーン図 同、互いに噛合する一対の非円形歯車をピッチ円で表した概略図 同、一対の非円形歯車の噛合面間のギヤ比の変化を示す説明図 第3実施形態による駆動系の概略構成図 第4実施形態による駆動系の概略構成図 従来例を示し、(a)は4サイクル4気筒エンジンのピストン系と回転系とのエネルギ変動を表す説明図、(b)は4サイクル4気筒エンジンのクランク軸の角速度の変化を表す特性図 4サイクル2気筒エンジンのクランク軸の角速度の変化を示す特性図
符号の説明
1A,1C…4気筒4サイクルエンジン、
1B…2気筒4サイクルエンジン
6…クランク軸、
6a…駆動軸
10…コンロッド、
11…ピストン、
22,22a,22b…カム軸、
24,24a,24b…出力軸、
25…駆動側非円形歯車、
26,26a,26b…従動側非円形歯車、
γ…回転半径、
ε…ギヤ比、
θ…クランク角、
ω1,ω2…角速度、
Bf…バランスファクタ、
E…(ピストン系のエネルギと回転系のエネルギの)総和、
L…軸間距離、
Nα…エンジン回転数、
Nβ…定格回転数、
l…長さ、
r1,r2…ピッチ円半径、
u…ピストン速度

Claims (1)

  1. クランク軸の出力側に駆動側非円形歯車を配設し、該クランク軸と平行に配設されている出力軸に前記駆動側非円形歯車に噛合する従動側非円形歯車を配設し、該両非円形歯車の回転により、クランク軸の周期的な不等速回転を等速回転に変換するエンジンにおいて、
    前記クランク軸には、180クランク角度或いは360クランク角度毎に複数のピストンが連設されており、
    上記両非円形歯車の噛合面のピッチ円半径の比であるギヤ比を、前記180クランク角度或いは前記360クランク角度毎の4サイクル等間隔燃焼に設定されている複数の前記ピストンと前記クランク軸とを連設するコンロッドの長さと、該クランク軸の回転半径と、回転系の総重量とピストン系の総重量との比に基づいて、前記クランク軸の周期的な角速度の変化を許容すると共に前記出力軸を等速回転させる値に、クランク角毎に設定した
    ことを特徴とするエンジン。
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