JP5060060B2 - 金型及び金型を用いた成形方法 - Google Patents

金型及び金型を用いた成形方法 Download PDF

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Description

本発明は、金型に関し、より詳細には、LIM法で使用される金型に関する。
一般に、プラスチック製品(または部品)を成形加工するためには、金型を備える射出成形機が用いられる。射出成形機内の金型は、通常、固定金型と可動金型とからなり、固定金型と可動金型の互いに対向する面の少なくとも一方には、製造するプラスチック製品の外形に対応した凹凸パターンが形成されている。そして、両金型を閉じることによりプラスチック製品の外形に対応するキャビティを画成し、そのキャビティに樹脂を射出することにより、所定形状のプラスチック製品を成形する。
従来の射出成形に用いられる金型では、樹脂を射出した際に、キャビティ内のガスが成形品内に残らないようにするために、通常、キャビティに流通したガスベント(ガス抜きの穴)が形成されている。射出成形時にキャビティ内に樹脂が射出されると、キャビティ内の空気は樹脂の圧力によりガスベントから外部に排出される。なお、この際、ガスベントの径は通常10μm程度であり、キャビティ内に射出された樹脂の粘度が高いので、射出された樹脂はガスベント内に流入しない。
また、射出成形法には種々の方法があり、その一つに、液状樹脂射出成形(LIM:Liquid Injection Molding)法がある。この方法は、常温で液状の原料樹脂を、高温の金型に射出して加熱硬化させる成形法である。
本発明者らは、LIM法を用いて、例えばプラスチック製の光学部品を作製したところ、所望の光学特性を有した光学部品を製造することができなかった。
本発明の目的は、LIM法を用いてプラスチック製品を成形する際に、完成品に必要とされる所望の特性(光学特性、強度、耐久性等)を有する良質のプラスチック製品を容易に作製することのできる金型を提供することである。
本発明の第1の態様に従えば、熱硬化性樹脂からなる光学部品をLIM法で成形する際に用いる金型であって、
固定金型と、
可動金型とを備え、
上記金型が、上記金型が閉じられた際に上記固定金型及び上記可動金型間に画成される上記成形品のキャビティ内のガスを外部に排出するガスベントを有し、且つ、上記固定金型及び上記可動金型の互いに対向する面の少なくとも一方にオーバーフローキャッチャー部が設けられており、該オーバーフローキャッチャー部が上記ガスベント及び上記キャビティと流通するように設けられており、
液状の上記熱硬化性樹脂が上記キャビティ内に、上記熱硬化性樹脂が上記オーバーフローキャッチャー部に充填されるまで流し込まれ、それにより前記キャビティ内のガスが上記熱硬化性樹脂とともに上記オーバーフローキャッチャー部に押し出されることを特徴とする金型が提供される。
本発明の第2の態様に従えば、熱硬化性樹脂からなる光学部品を金型を用いてLIM法で成形する成形方法において、
上記金型が、成形品本体を成形するためのキャビティと、該キャビティに連通し、該キャビティ内から液状の上記熱硬化性樹脂を導入させるためのゲートと、該キャビティに連通し且つ該キャビティ内からオーバーフローした上記熱硬化性樹脂を受けるオーバーフローキャッチャー部と、該キャビティ内のガスを外部に排出するガスベントと備えた金型であり、
上記ゲートを介して上記熱硬化性樹脂を上記キャビティ内に、上記熱硬化性樹脂が上記オーバーフローキャッチャー部に充填されるまで流し込み、それにより上記キャビティ内のガスを上記熱硬化性樹脂とともに上記オーバーフローキャッチャー部に押し出し、次いで、上記熱硬化性樹脂を固化することを特徴とする成形方法が提供される。
本発明者らは、従来のLIM法によりプラスチック製の光学レンズを作製したが、成形された光学レンズには、ガスベントに対応する位置にバリが発生した。これは、用いた熱硬化性樹脂(シリコーン)の粘度が低く流動性が高いため、射出成形時に樹脂がガスベントに流入したためであると考えられる。このように成形品にバリが発生すると、成形品ごとにバリを除去する処理が必要となり、量産性向上の妨げとなる。
そこで、成形された光学レンズにバリが発生しないように、すなわち、ガスベントに樹脂が流れ込まないようにするために、ガスベントの径を従来より狭くして(5μm程度)射出成形を行い、光学レンズを作製した。しかしながら、成形された光学レンズを検査したところ、光学レンズにバリは発生しなかったが、光学レンズの内部、特に樹脂を流し込むゲートとは反対側の領域に気泡が存在した。これは、ガスベントを狭くして射出成形したため、キャビティ内の空気が抜けきれず成形品内に気泡が残ったためであると考えられる。このように、光学レンズ内に気泡が含まれると光学レンズの透過率、屈折率等が変化するので、所望の光学特性を得ることができない。
なお、光学レンズに限らずプラスチック製の成形品内に気泡が存在すると、必要とする成形品の特性(強度、耐久性等)が得られない恐れがある。また、このように、成形品内に気泡が残る可能性がある場合には、全成形品を検査する必要があり量産性の点では好ましくない。さらに、成形品に気泡が残らないように無理な成形条件で射出成形を行うと、成形品にバラツキ等の不具合が生じる恐れもある。
そこで、本発明者らは、上記課題を解決するために、LIM法でプラスチック製品を成形するために用いる金型内部に、固定金型及び可動金型閉じた際に画成される成形品のキャビティと流通するオーバーフローキャッチャーを設けた。本明細書でいう「オーバーフローキャッチャー」とは、射出成形時に画成される成形品のキャビティと流通し且つ射出された樹脂がキャビティを介して流れ込む樹脂の収容室のことである。なお、本発明の金型では、固定金型及び可動金型の互いに対向する面の少なくとも一方にオーバーフローキャッチャー部を設け、金型を閉じた際に、一方の金型に設けられたオーバーフローキャッチャー部と、それと対向する他方の金型の表面、または、それと対向する他方の金型に設けられたオーバーフローキャッチャー部とで、オーバーフローキャッチャーが画成される。
本発明の金型を用いてLIM法で成形品を作製した場合、キャビティに樹脂を射出すると、まず、キャビティ内を樹脂で充填され、その後、樹脂はオーバーフローキャッチャーに流れ込む。その際、キャビティ内のガスは樹脂と一緒にオーバーフローキャッチャーに押し出される。そして、オーバーフローキャッチャーに押し出されたガスはオーバーフローキャッチャーに流通するガスベントを介して外部に排出される。上述のように、本発明の金型を用いれば、キャビティ内のガスは樹脂と一緒にオーバーフローキャッチャーに押し出されるので、キャビティ内にガスがほとんど残らない。それゆえ、成形品内にも気泡がほとんど残らない。
そして、成形品を金型から取り出した後、その成形品から、樹脂を射出するゲートやオーバーフローキャッチャー等で固化した不要な成形部分を除去すれば気泡をほとんど含まない所望のプラスチック製品が得られる。この際、上述のように金型から取り出した直後の成形品にはオーバーフローキャッチャーで固化した成形部分が着いた状態であるが、この成形部分は全ての成形品で同じ形状となるので、ゲート等で固化した不要な成形部分と同様の方法で機械的に切断することができる。それゆえ、成形品全品に対して個別にバリ除去処理や気泡の有無を検査する必要がなくなるので、量産性が向上する。
本発明の金型では、上記キャビティ内の上記熱硬化性樹脂の最終充填位置付近に上記オーバーフローキャッチャー部が設けられているこが好ましい。本発明の金型を用いた成形プロセスでは、上述のように、キャビティに射出された熱硬化性樹脂によりキャビティ内のガスをオーバーフローキャッチャーに押し出して、キャビティ内のガスを抜くので、オーバーフローキャッチャー部をキャビティ内の熱硬化性樹脂の最終充填位置付近に設けることにより、確実にキャビティ内のガスを抜くことができる。
本発明の金型では、流入させる熱硬化性樹脂としては透明性樹脂であることが好ましい。LIM法で透明性樹脂からなるレンズ等の光学部品を成形する場合、その成形品に気泡が含まれているとその光学特性(透過率、屈折率等)が劣化するので、気泡をほとんど含まない成形品を製造することができる本発明の金型を用いることが好適である。なお、本発明はこれに限定されず、流入させる熱硬化性樹脂としては不透明な樹脂を用いても良い。本発明の金型を用いると、気泡の含まない良質な樹脂製品を製造することができるので、成形品の強度や耐久性といった特性を向上させることができ、LIM法で不透明な樹脂からなる成形品の作製する際にも好適である。
本発明の金型では、上記熱硬化性樹脂の粘度が25℃で1500〜15000d・pasであることが好ましい。特に、上記熱硬化性樹脂がシリコーンであることが好ましい。シリコーン以外で、上記特性を有する熱硬化性樹脂としては、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エリア樹脂、メラミン樹脂等が挙げられる。
本発明の金型によれば、成形品が成形されるキャビティと流通するオーバーフローキャッチャーを設けており、射出成形時にはキャビティ内のガスは樹脂と一緒にオーバーフローキャチャ−に押し出されるので、成形品内部に気泡が残らない。それゆえ、本発明の金型を用いて成形品を作製した場合には、非常に良質な熱硬化性樹脂からなる成形品を製造することができる。
また、本発明の金型を用いて成形品を作製した場合には、金型から取り出した直後の成形品にはオーバーフローキャッチャーで固化した不要な成形部分が着いた状態であるが、この成形部分は、ゲート等で固化した不要な成形部分と同様の方法で機械的に除去することができるので、量産性を向上させることもできる。
以下に、本発明の金型の一実施形態について、図面を参照しながら説明するが、本発明はこれに限定されない。
実施例では、光学レンズをLIM法で成形し、光学レンズの形成材料としてはシリコーンを用いた。
[金型の構造]
実施例で用いた射出成形機の金型部分の概略構成を図1に示した。なお、図1は、金型を閉じた状態の概略断面図である。この例の金型100は、図1に示すように、可動金型12と、固定金型22とから構成される。なお、実施例で用いた射出成形機では、金型以外の部分は従来用いられている射出成形機と同じ構造であり、可動金型12は可動プラテン(不図示)に取り付けられており、固定金型22は固定プラテン(不図示)に取り付けられており、また、可動プラテンには成形品を金型から取り出すため突き出しロッド(不図示)が設けられている。
可動金型12の固定金型22側の表面には、可動ランナー部14と、可動成形部16と、可動ランナー部14及び可動成形部16を繋ぐ可動ゲート部15と、オーバーフローキャッチャー部17とが形成されている。この例では、オーバーフローキャッチャー部17は可動成形部16の可動ゲート部15側とは反対側(熱硬化樹脂の最終充填位置)に設けた。
また、オーバーフローキャッチャー部17は、図1に示すように、キャビティから押し出された樹脂を溜める樹脂受け部17aと、樹脂受け部17a及び可動成形部16を繋ぐ流路部17bとから構成される。なお、この例では、オーバーフローキャッチャー17の流路部17bの深さを、樹脂受け部17aの深さより浅く形成した。この流路部17bで固化する成形部分は、成形品を金型から突き出し法により取り出す際に、突き出しピンの当たる部分に対応しており、流路部17bで固化した成形部分の厚さを、樹脂受け部17aで固化した成形部分の厚さより薄くすることにより突き出しピンを突き立て易くなる。なお、本発明はこれに限定されず、流路部17bの深さと、樹脂受け部17aの深さとを同じ深さにしても良い。
一方、固定金型22には、図1に示すように、熱硬化性樹脂が射出されるスプルーブッシュ33が設けられている。また、固定金型22の可動金型12側の表面には、図1に示すように、固定ランナー部24、固定ゲート部25及び固定成形部26が形成されており、それらは、それぞれ可動金型12の可動ランナー部14、可動ゲート部15及び可動成形部16と対向する領域に形成されている。
本発明の金型では、図1に示すように、金型を閉じた状態にすることにより、可動ランナー部14の開口部と固定ランナー部24の開口部が重なりランナー34が画成される。同様に、可動ゲート部15と固定ゲート部25とからゲート35が画成され、可動成形部16と固定成形部26とからキャビティ36が画成される。そして、この例では、可動金型12のオーバーフローキャッチャー部17と、それと対向する固定金型22の表面領域とでオーバーフローキャッチャー37が画成される。また、この例では、図1に示すように、オーバーフローキャッチャー37のキャビティ36側とは反対側にガスベント38を設けた。
なお、この例では後述するように、最終的にはオーバーフローキャッチャー37で固化した成形部分は切断されるので、キャビティ36からオーバーフローキャッチャー37に押し出された全てのガスがガスベント38を介して排出される必要はなく、オーバーフローキャッチャー37に気泡として残っても良い。それゆえ、ガスベント38の径(サイズ)をより小さくしても良い。また、逆により効率的にガス抜きを行うためにガスベント38の径をある程度大きくしても良い。この場合には、ガスベント38に樹脂が流入してオーバーフローキャッチャー37のガスベント38側にバリが発生するが、オーバーフローキャッチャー38で固化した成形部分は切断されるので問題がない。すなわち、オーバーフローキャッチャー37と流通するガスベント38の径(サイズ)は、樹脂が金型から飛び出さない程度の大きさであれば任意であり、その径は使用する樹脂等に応じて適宜設定し得る。
また、この例の金型100では、オーバーフローキャッチャー37の流路部17bとそれに対向する固定金型22の表面との距離が、ゲート35の径とほぼ同じになるように、オーバーフローキャッチャー部17の流路部17bを形成した。このようなサイズで流路部17bを形成すると、金型から取り出された成形品からオーバーフローキャッチャー37で固化した不要な成形部分を切断する際に、ゲート35で固化した成形部分と同様の手段及び方法を用いて切断することができるので量産性を向上させることができる。また、この例では、金型100を閉じた際に画成されるオーバーフローキャッチャー37の容量がキャビティ36の容量の約50%となるように、流路部17b及び樹脂受け部17aのサイズを設定した、
なお、オーバーフローキャッチャー部17の寸法や形状は、キャビティ36の形状、容量等に応じて適宜設定し得る。特に、オーバーフローキャッチャー37の容量が、キャビティ36の容量の10〜100%程度となるようにオーバーフローキャッチャー部17の寸法、形状を設定することが好ましい。また、オーバーフローキャッチャー37の幅(あるいは径)がガスベント38の径の約10倍以上であることが好ましい。オーバーフローキャッチャー37の容量及び寸法が上記範囲となるようにオーバーフローキャッチャー部17を設けることにより、より効率的に且つ確実に、キャビティ36内のガスをオーバーフローキャッチャー37及びガスベント38を介して外部に排出することができる。
[光学レンズの成形方法及び製造方法]
次に、この例の金型を用いた光学レンズの成形方法及び製造方法について、図2を用いて説明する。図2(a)〜(c)は、実施例における成形プロセスの手順を示した図である。なお、図2の各図は、図1中のA−A側から見たランナー、ゲート、キャビティ及びオーバーフローキャッチャーの概略平面図である。なお、図2では説明を簡略化するため、オーバーフローキャッチャー37と流通するガスベント38は省略した。
まず、金型内部を高温(約150℃)に温調した。次いで、固定金型22のスプレーブッシュ33を介して熱硬化樹脂40(シリコーン)をランナー34に射出した。ランナー34に射出された熱硬化性樹脂40は、ゲート35を介してキャビティ36に流れ込む(図2(a)の状態)。この際、金型は高温に温調されているので、熱硬化性樹脂40は射出された時点で固化し始めるが、流動している領域では固化しない。
キャビティ36に流れ込んだ熱硬化性樹脂40は、キャビティ36内の空気をオーバーフローキャッチャー37に押し出しながら、キャビティ36内に充填される(図2(b)の状態)。オーバーフローキャッチャー37に押し出された空気は、ガスベント38を介して外部に排出される。次いで、さらに圧力を加えてキャビティ36に流れ込んだ熱硬化性樹脂40を製品形状に成形した。
さらに、熱硬化性樹脂40をキャビティ36に流し込むと、キャビティ36内の熱硬化性樹脂40がオーバーフローキャッチャー37に流れ込む。次いで、熱硬化性樹脂40がオーバーフローキャッチャー37に充填されるまで熱硬化性樹脂40をキャビティ36に流し込んだ。そして、オーバーフローキャッチャー37が熱硬化性樹脂40で充填された時点で、成形プロセスを終了した。この時点で熱硬化性樹脂40の流動がなくなり、熱硬化性樹脂40が充填された領域全体が固化する(図2(c)の状態)。上述のようにしてこの例では光学レンズを成形した。
なお、オーバーフローキャッチャー37に押し出された空気は、ガスベント38を介して外部に排出されるが、全て排出されず、図2(c)に示すように、オーバーフローキャッチャー37に気泡50が多少残っても良い。オーバーフローキャッチャー37で固化した成形部分47は成形品から切断される部分であるので、オーバーフローキャッチャー37に気泡50が残っていても良い。
上記成形方法で光学レンズを成形した後、金型を常温に戻して金型を開き、突き出しピンにより、成形品を突き出して、金型から成形品を取り出した。なお、この際、ゲート35及びオーバーフローキャッチャー37に設けられたエジェクトピン(不図示)を成形品に突き立てることにより成形品を取り出した。最後に、ランナー34、ゲート35及びオーバーフローキャッチャー37で固化した成形部分(図2(c)中の44、45及び47の固化部分)を切断して、この例の光学レンズを得た。この例で作製した光学レンズを調べたところ、レンズ内に気泡は見られず、所望の光学特性が得られた。
[比較例]
比較例では、オーバーフローキャッチャーを備えない従来の金型を用いてLIM法により光学レンズを成形した。光学レンズの形成材料としては、実施例と同様にシリコーンを用いた。なお、この例では、シリコーンがガスベントに流入しないように、ガスベントの径を十分小さくした(約5μm以下)。それ以外は、実施例と同様にして光学レンズを作製した。その結果、光学レンズ内には気泡が残り、所望の光学特性を得ることができなかった。光学レンズ内に気泡が残る原因について図3を用いて説明する。なお、図3は、比較例における成形プロセスのフローチャートであり、ここでは、説明を簡略化するために、キャビティに流通するガスベントは省略した。
まず、固定金型12のスプレー13を介して熱硬化樹脂40をランナー34に射出すると、ランナー34に射出された熱硬化性樹脂40は、ゲート35を介してキャビティ36に流れ込む(図3(a)の状態)。キャビティ36に流れ込んだ熱硬化性樹脂40は、キャビティ36内の空気51をゲート35とは反対側に押し出しながら、キャビティ36内に充填される(図3(b)の状態)。この際、キャビティ36内の空気は、キャビティ36と流通するガスベント(不図示)を介して外部に排出される。次いで、さらに圧力を加えてキャビティ36に流れ込んだ熱硬化性樹脂40を製品形状に成形する。そして、熱硬化性樹脂40がオーバーフローキャッチャー38に充填されれば、成形プロセスを終了する(図3(c)の状態)。
しかしながら、この例では、ガスベントの径を非常に小さくしているので、キャビティ36内から、空気が抜けきれず、図3(c)に示すように、成形品56内に気泡52が残る。そのため、この例では成形された光学レンズ内に気泡が残り、所望の光学特性が得られない。
上記実施例では、可動金型の表面にオーバーフローキャッチャー部を形成し、可動金型のオーバーフローキャッチャー部とそれに対向する固定金型の表面とでオーバーフローキャッチャーを画成する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。固定金型の表面にオーバーフローキャッチャー部を形成し、固定金型のオーバーフローキャッチャー部とそれに対向する可動金型の表面とでオーバーフローキャッチャーを画成しても良い。また、固定金型及び可動金型の互いに対向する表面にそれぞれ、所定形状のオーバーフローキャッチャー部を設け、固定金型のオーバーフローキャッチャー部と、可動金型のオーバーフローキャッチャー部とでオーバーフローキャッチャーを画成しても良い。
上記実施例では、光学レンズを例にとり説明したが、本発明はこれに限定されない。粘性の低い熱硬化性樹脂を用いて成形品を作製する場合であれば、本発明の金型を用いることにより、気泡を含まない良質の成形品を作製することができる。具体的には、粘度が25℃で1500〜15000d・pasの熱硬化性樹脂、例えば、フェノール樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、エリア樹脂、メラミン樹脂等を用いて成形品を作製する場合にも有効である。
上記実施例では、透明な成形品(光学レンズ)を作製する例を説明したが、本発明はこれに限定されない。不透明な成形品に対しても本発明の金型は適用可能である。その場合にも、気泡を含まない良質な成形品が得られるので、成形品の強度や耐久性等の特性を向上させることが可能である。
上記実施例では、オーバーフローキャッチャーをキャビティのゲート側と反対側に設けたが、本発明はこれに限定されず、成形品の形状に応じて任意の位置に設けることができる。キャビティ内のガスをより確実にオーバーフローキャッチャーに押し出すためには、キャビティ内の熱硬化性樹脂最終充填部付近に設けることが好ましい。それゆえ、熱硬化性樹脂の最終充填位置がキャビティのゲート付近にある場合には、オーバーフローキャッチャーをキャビティのゲート付近に設ける場合もある。
また、上記実施例では、1つのオーバーフローキャッチャーを設けた例を説明したが、本発明はこれに限定されず、複数のオーバーフローキャッチャーを設けても良い。
本発明の金型を用いて成形品を成形した場合には、気泡をほとんど含まない良質な成形品を提供することができるので、本発明の金型は、熱硬化性樹脂からなる光学レンズ等のような、気泡を含むことにより成形品の特性に大きく劣化する成形品をLIM法で成形する際に用いられる金型として好適である。
図1は、実施例で用いた金型の概略断面図である。 図2(a)〜(c)は、実施例における成形プロセスを説明するための図である。 図3(a)〜(c)は、比較例における成形プロセスを説明するための図である。
符号の説明
12 可動金型
14 可動ランナー部
15 可動ゲート部
16 可動成形部
17 オーバーフローキャッチャー部
17a 樹脂受け部
17b 流路部
22 固定金型
24 固定ランナー部
25 固定ゲート部
26 固定成形部
33 スプルーブッシュ
34 ランナー
35 ゲート
36 キャビティ
37 オーバーフローキャッチャー
38 ガスベント

Claims (9)

  1. 熱硬化性樹脂からなる光学部品をLIM法で成形する際に用いる金型であって、
    固定金型と、
    可動金型とを備え、
    上記金型が、上記金型が閉じられた際に上記固定金型及び上記可動金型間に画成される上記成形品のキャビティ内のガスを外部に排出するガスベントを有し、且つ、上記固定金型及び上記可動金型の互いに対向する面の少なくとも一方にオーバーフローキャッチャー部が設けられており、該オーバーフローキャッチャー部が上記ガスベント及び上記キャビティと流通するように設けられており、
    液状の上記熱硬化性樹脂が上記キャビティ内に、上記熱硬化性樹脂が上記オーバーフローキャッチャー部に充填されるまで流し込まれ、それにより前記キャビティ内のガスが上記熱硬化性樹脂とともに上記オーバーフローキャッチャー部に押し出されることを特徴とする金型。
  2. 上記キャビティ内の上記熱硬化性樹脂の最終充填位置付近に上記オーバーフローキャッチャー部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の金型。
  3. 上記オーバーフローキャッチャー部の容量が、上記キャビティの容量の10〜100%であることを特徴とする請求項1または2に記載の金型。
  4. 熱硬化性樹脂からなる光学部品を金型を用いてLIM法で成形する成形方法において、
    上記金型が、成形品本体を成形するためのキャビティと、該キャビティに連通し、該キャビティ内から液状の熱硬化性樹脂を導入させるためのゲートと、該キャビティに連通し且つ該キャビティ内からオーバーフローした上記熱硬化性樹脂を受けるオーバーフローキャッチャー部と、該キャビティ内のガスを外部に排出するガスベントと備えた金型であり、
    上記ゲートを介して上記熱硬化性樹脂を上記キャビティ内に、該熱硬化性樹脂が上記オーバーフローキャッチャー部に充填されるまで流し込み、それにより上記キャビティ内のガスを上記熱硬化性樹脂とともに上記オーバーフローキャッチャー部に押し出し、次いで、上記熱硬化性樹脂を固化することを特徴とする成形方法。
  5. 上記キャビティ内の上記熱硬化性樹脂の最終充填位置付近に上記オーバーフローキャッチャー部が設けられていることを特徴とする請求項4に記載の成形方法。
  6. 上記オーバーフローキャッチャー部の容量が、上記キャビティの容量の10〜100%であることを特徴とする請求項4または5に記載の成形方法。
  7. 上記熱硬化性樹脂が透明性樹脂であることを特徴とする請求項4〜6のいずれか一項に記載の成形方法。
  8. 上記熱硬化性樹脂の粘度が25℃で1500〜15000d・pasであることを特徴とする請求項4〜7のいずれか一項に記載の成形方法。
  9. 上記熱硬化性樹脂がシリコーンであることを特徴とする請求項4〜8のいずれか一項に記載の成形方法。
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