JP5055697B2 - 絶縁ゲート電界効果トランジスタ及びその動作方法 - Google Patents

絶縁ゲート電界効果トランジスタ及びその動作方法 Download PDF

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Description

本発明は、ゲート絶縁膜とゲート電極が形成されているチャネル形成領域と、これに接触するソース領域およびドレイン領域とを有する絶縁ゲート電界効果トランジスタと、その動作方法に関するものである。
MOS集積回路において、回路の動作速度を決める主要因は、MOSFETのオン電流と、オン電流によって充放電される負荷容量の大きさである。オン電流は、一般的には、ゲート長の短縮でチャネル抵抗が下がることによって増加する。したがって、ゲート長を短縮すればオン電流が増加し、集積回路の動作速度を上げることができる。
しかし、ゲート長が100nmを切るあたりから、ゲート長の短縮に見合うオン電流の増加を得ることが容易ではなくなってきている。その原因の1つを、以下に図16を用いて説明する。
MOS集積回路の高速化・高集積化・低消費電力化は、これまで主に、プレーナー型MOSFETの微細化によって進められてきた。
従来のプレーナー型MOSFETの断面構造を、図16(A)の模式図に示す。
図16(A)の構造において、ソース領域およびドレイン領域は、外部配線と接続を低抵抗で行うための領域であり、高濃度で基板深くまで形成されている。一方、エクステンション部は、ソース領域およびドレイン領域の各々からゲート電極の下方まで張り出し、チャネル層(反転層)にソース領域またはドレイン領域を接続させるための領域である。このエクステンション部の深さは、反転層が形成される基板領域がゲート絶縁膜に接する界面を基準とした接合深さXjにより既定される。一方、実効ゲート長Lは、2つのエクステンション部の間隔により規定される。
図16(A)の構造において、ゲート長を短縮した場合、いわゆるショートチャネル効果が顕在化し、ソース領域、ドレイン領域あるいはエクステンション部からチャネルに向かって伸びる空乏層によって、しきい値電圧の低下や、サブスレッショルド傾斜サブスレッショルド傾斜の減少、DIBL(Drain Induced Barrier Lowering)の増加が起こる。
ショートチャネル効果を抑えるためには、スケーリング則に沿った微細化が必要である。
すなわち、ゲート大容量化(ゲート絶縁膜の薄膜化)、チャネル高濃度化、および、ソース領域およびドレイン領域の接合面を浅くすることの3つ観点から、これらを組み合わせて微細化が行われる。
このうち、ゲート大容量化は、従来、ゲート酸化膜の薄膜化によってなされてきたが、既に物理膜厚で2nmを切り、耐圧の観点から限界に達している。そのため、さらなる薄膜化によらない高容量化の手段として、高誘電率の絶縁膜の適用について検討が進んでいる。
また、チャネル高濃度化も、チャネル領域の不純物濃度にして1018cm−3のオーダに達している。不純物濃度が1018cm−3に近づくと、ツェナーブレークダウン(トンネルブレークダウン)による接合耐圧の低下、チャネルに発生する高電界による移動度の低下などが懸念される。
一方、ソース領域およびドレイン領域の接合面を浅くすることは、チャネルに接する浅いソース・ドレイン領域として図16(A)に示すエクステンション部の接合深さXjが、現在100nm以下に達している。このエクステンション部の接合面を浅くしていくと電流経路が狭まり、ソースおよびドレインの直列抵抗が増大する。このため、オン電流(電流駆動能力)が減少する。したがって、図16(A)に示す従来のプレーナー型のMOSトランジスタにおいて、この様な接合面を浅くすることをさらに推し進めるには、不純物のドーピングを行う技術、その後の熱処理を低温化する技術が十分に確立されているとは言えず、その技術確立のための困難な課題が多い。
この問題に対し、ソース・ドレイン領域、または、エクステンション部を、チャネルの反転層と同じ深さか、あるいはそれよりも上方に位置させる構造が提案されている。それらの構造を図16(B)および図16(C)に模式的に示した。
図16(B)は、「グルーブゲート」、あるいは「リセスゲート」と呼ばれる構造の模式図である。基板に形成されたトレンチあるいはリセス(以下、凹部という)の底部にチャネルが形成されるゲート電極構造にすることによって、エクステンション部と反転層との前記位置関係を実現している(たとえば、特許文献1の第1〜第3および第7実施形態ならびに非特許文献1および2参照)。
ここで特許文献1においては、ゲートに隣接する凹部の内壁を斜めに形成し、凹部のゲート側部分に第1のソース・ドレイン領域を形成し、それより深い第2のソース・ドレイン領域をゲートから離れた位置に形成している。この第1のソース・ドレイン領域が、いわゆるエクステンション部に該当すると考えられる。
なお、特許文献1の他の実施形態、たとえば第4および第5実施形態において、これら第1および第2のソース・ドレイン領域をエピタキシャル成長層に形成したものが開示されている。
一方、図16(C)は、持ち上げエクステンション(Raised Extension)構造を示した模式図である。この構造に関し、基板表面にチャネル層が形成され、ゲートの両側に絶縁層を挟んで位置し、基板表面から積層されたエピタキシャル成長層によりエクステンション部を形成し、このエクステンション部のゲート端から離れた部分およびその下の基板表面部に、エクステンション部の上方からイオン注入を行うことによりソース・ドレイン領域を形成する技術が知られている(たとえば、非特許文献3参照)。
これらの構造における1つの典型は、ソース・ドレイン拡散層の拡散深さXjをゼロ、または負の値に設定することである。
図17(A)〜図18(C)にシミュレーションから得られ、それぞれ、接合深さXjを負(基準面:ゲート絶縁膜と基板との界面)、すなわち接合位置を基準面より上方に位置させた場合の、不純物濃度分布、電子濃度分布(ゼロバイアス時)、電子濃度分布(動作時)、ドレイン電流経路に沿った電位分布、電界分布および移動度分布を示す。なお、図17(B)および図17(C)の各曲線に添える数値「10」〜「20」は不純物濃度のオーダを示すものであり、たとえば数値「19」は不純物濃度が1×1019/cmであることを示している。
このような設計においては、ショートチャネル効果が抑制され、しきい値電圧のロールオフが著しく低減することが実験で確かめられている。
ところが、高いオン電流は得られていない。これは、チャネル領域とオーバーラップ領域の間にコーナー部が存在するためである(たとえば非特許文献4を参照)。
コーナー部は、実効的な酸化膜厚が厚いことと、ゲートから基板内部に向かう電界が放射状に広がることとにより、局所的なしきい値電圧が高い。その結果、同じゲート電圧でも、平坦なチャネル領域と比べて、コーナー部のシートキャリア濃度は低くなる。図17(B)および図17(C)において、コーナー部の不純物濃度が、チャネル層の濃度およびソースやドレインの濃度より低くなっているのが分かる。とくに動作時(図17(C))においては、ソース領域側のオーバーラップ領域(図の左側のコーナー部の上付近)には、強い電界により蓄積層が形成されるが、それでも、コーナー部でキャリア濃度が不足している。
コーナー部においてキャリア濃度が低いことから、ドレイン電流の連続性から、コーナー部のキャリアは高速に走らなければならない。その結果、その部分の移動度が低下し、抵抗が増大する。
抵抗が増大すると、コーナー部の電圧降下が増加するので、チャネルのソース端の電位が上昇し、実効的なゲート電圧(FETチャネルに対する実効的なゲート・ソース間電圧)が減少する。その結果、チャネルのキャリア密度が減少して抵抗が増大するので、ドレイン電流が減少する。キャリアのドリフト速度が飽和に達した場合は、コーナー部が定電流源として働くため、ドレイン電流は頭打ちになる。
図18(A)から、ソース側から供給されたキャリアがチャネルに入る手前で電位が上昇していることが分かる。
一方、ソース・ドレインを持ち上げつつ、ゲート端で、ある程度の深さまでソース・ドレイン不純物を拡散している構造も種々提案されている(たとえば、特許文献3参照)。
この場合は、コーナー部が、ソース・ドレイン拡散層の中に埋め込まれるため、コーナー部にあっても不純物由来のキャリアで十分なシートキャリア濃度が確保される。したがって、上記の問題は起こらない。
特開2000−082813号公報 特開2001−144290号公報 特開2001−326351号公報 西松、他:Groove Gate MOSFET, 8th Conf. on Solid State Devices, pp.179-183 (1976) K. Matsuo, et al, High Performance Damascene Gate CMOSFETs with Recessed Channel Formed by Plasma Oxidation and Etching Method (RC-POEM), IEDM 2002 Uchino, et al: A Raised Source/Drain Technology Using In-situ P-doped SiGe and B-doped Si for 0.1μm CMOS ULSIs, IEDM 1997, pp.479-482 (1977) Paul-Henri Bricout, et al, Short-Channel Effect Immunity and Current Capability of Sub-0.1-Micron MOSFET's Using a Recessed Channel, IEEE ED-43, No.8, p.1251
ところが、上述した背景技術においては、とくにキャリア移動が制限されるソース領域において、どの程度まで、その接合深さを深くしたらよいかの提案がなされていない。
たとえば特許文献3において、接合深さを10〜20nmとしている限りにおいては、実効ゲート長10〜20nmにおけるショートチャネル効果を十分抑制することができない。その結果、オフ時のリーク電流の増大、あるいは、リーク電流を抑えた場合は、オーバードライブ電圧の不足によるオン電流の減少が避けられず、高性能なMOSFETは得られない。
本発明が解決しようとする課題は、ゲート長が微細化された場合でも、ショートチャネル効果によるしきい値電圧のロールオフの抑制と、上記コーナー部の高抵抗化の抑制を両立させることである。
本発明に係る絶縁ゲート電界効果トランジスタは、ゲート絶縁膜を介してゲート電極と対向し、内部にチャネルとなる反転層が形成される半導体基板の領域であって、第1導電型不純物濃度が2×1018/cmのチャネル形成領域と、当該チャネル形成領域と逆の第2導電型を有し、前記チャネル形成領域に各々接し互いに離れて形成されているソース領域およびドレイン領域と、を有し、前記ソース領域と前記ドレイン領域のそれぞれが、前記チャネル形成領域と前記ゲート絶縁膜との界面を深さの基準面としたときに、該基準面と同じ深さ位置から基板深部側に形成され、端部が前記ゲート電極から離れている第2導電型不純物領域であるキャリア供給部と、前記キャリア供給部上に接する部分から前記ゲート電極の側に延在し、当該延在部分の端部が前記チャネル形成領域に接し、第2導電型不純物濃度が、前記チャネル形成領域の前記第1導電型不純物濃度より1桁から2桁高いエクステンション部と、を有し、前記ソース領域と前記ドレイン領域の離間方向における前記ゲート電極の寸法であるゲート長が10nm以上で40nm以下であり、前記エクステンション部の前記延在部分は、前記基準面と同じ深さ位置より上方の部分が前記ゲート電極から離れるほど厚く形成され、該エクステンション部と前記チャネル形成領域との間に形成されている空乏層と、前記エクステンション部内の空間電荷の中性領域とが成す界面が、前記基準面と同じ深さ位置から基板深部側に8nmまでの深さ範囲内に位置し、前記ソース領域の側の前記エクステンション部の延在部分が電気的に接続される箇所の前記チャネルとなる反転層の深さが、前記基準面から基板深部側に4nm付近となるように当該反転層を形成して動作させる
この絶縁ゲート電界効果トランジスタは、チャネル層にソース領域を電気的に良好に接続するためには、形状や濃度などの様々な変動要因があっても、それらのワーストケースにおいて上記良好な接続ができる最低限の接合深さの指標が適用されたものである。この指標は、ソース領域の空乏層と中性領域との界面位置が、ゲート絶縁膜と基板(厳密にはチャネル形成領域)との間の面からチャネル層の最大深さの2倍までの深さ範囲に位置することである。この指標を満足する限り、ゲート電極エッジ付近での高抵抗化は生じず、このとき短チャネル効果が十分抑制される。
本発明によれば、ゲート長が微細化された場合でも、ショートチャネル効果によるしきい値電圧のロールオフの抑制と、ゲートエッジ付近での高抵抗化の抑制とを両立させることができるという利点がある。
本発明を実施するための最良の形態を、N型のMISトランジスタを例として図面を参照して述べる。なお、P型のMISトランジスタについては、適宜導電型を逆にすることによって以下の記述が類推適用できる。
<構造例1>
図1(A)〜図4(D)は、構造例1のMISトランジスタについて、その製造方法を説明するためのチャネル方向の断面図である。
まず、完成したMISトランジスタの基本構造を、図4(D)を参照して述べる。
図解したMISトランジスタにおいて、たとえばシリコンウェハからなる基板1の表面部に素子分離絶縁層、たとえばSTI(Shallow Trench Isolation)2が形成されている。このSTI2が形成されていない領域(活性領域)にチャネルの反転層が形成されるP型領域、たとえばPウェル3が形成されている。
Pウェル3上にゲート絶縁膜4とゲート電極5を含む積層体(ゲートスタック)7が形成され、その側面が隔壁絶縁膜11と側壁絶縁膜13により覆われている。隔壁絶縁膜11に形成位置が決められたエピタキシャル成長によりエクステンション部12がPウェル3上に形成されている。また、側壁絶縁膜13により形成位置が決められたサリサイド(Self-aligned silicide)プロセスにより、エクステンション部12およびゲート電極5のそれぞれに合金層としてのシリサイド層14Aおよび14Bが形成されている。エクステンション部12の下面に接するPウェル3の表面部にN型のソース・ドレイン領域10が形成されている。トランジスタの全面が層間絶縁膜15に覆われ、シリサイド層14Aに接触する接続層16が層間絶縁膜15内に形成されている。
図4(D)において以上の構成は、ゲートを中心にしてチャネル方向で対称に形成され、バイアス印加条件に応じて、その一方側がソース、他方側がドレインとして機能する。
ソース・ドレイン領域10のゲート側端の水平方向位置を、好ましくは、エクステンション部12のゲート側端と、その上のシリサイド層14Aのゲート側端との間に位置させ、この位置を、ソース抵抗あるいはドレイン抵抗、さらにはソース・ドレイン間のリークを低減するなどの観点から最適化している。また、エクステンション部12のゲート側端部に傾斜端面を備え、この傾斜端面を側壁絶縁膜13で覆うことによって、ゲートとソースまたはゲートとドレインとの寄生容量を低減している。
エクステンション部12は、Pウェル3のゲート直下部分(実効チャネル領域)に電流を供給する層である。エクステンション部12がないと、ソース・ドレイン領域10を実効チャンネル領域に近接させなければならず、この場合、とくにドレイン側で電界が集中し、短チャネル効果が顕著となりリーク電流が増大する。また、空乏層がチャネル電流経路内に大きく伸びてキャリアが枯渇し、その部分でチャネル抵抗が増大し、また、その部分でチャネル走行キャリアが飽和速度に達すると、これによってオン電流値が制限される。
構造例1においては、エクステンション部12が存在することによって、ソース・ドレイン領域10を実効チャネル領域から離すことができる。エクステンション部12は、N型不純物が導入されているエピタキシャル成長層であり、いわゆる持ち上げエクステンション構造となっている。エクステンション部12は、ここではソース・ドレイン領域10より低濃度としているが、抵抗値を下げる意味でソース・ドレイン領域10と同等以上のN型不純物濃度としてもよい。
なお、エクステンション部をイオン注入により形成した場合、深さ方向の濃度分布がすそ引きし、基板との境界では急峻なPN接合が形成されにくい。
これに対し、本構造例1においては、たとえばエピタキシャル成長途中の不純物導入(In-suit doping)によってエクステンション部12と基板(Pウェル3)との界面で急峻なPN接合が形成され、その結果、エクステンション部12からの空乏層の延びが抑えられている。
また、エクステンション部12が基板表面より上方に持ち上げられていることによって、動作バイアス印加時にエクステンション部12の直列抵抗を上げることなく、そのウェル表面からのPN接合深さを浅くすることができることから、エクステンション部12から伸びる空乏層の実効チャネル領域に対する影響および電界集中を抑えることができる。
以上の結果、本実施の形態においては短チャネル効果が抑圧され、また、リーク電流の増大およびチャネル抵抗の局部的増大を防止している。
なお、エピタキシャル成長途中の加熱、および、その後の熱履歴によって、エクステンション部12内のN型不純物がPウェル3に多少なりとも熱拡散する。
ただし、本実施の形態においては後述する製造方法の適用によって、この熱拡散が必要最小限に抑えられる。これにより、図4(D)には現れていないが、エクステンション部12の熱拡散部の深さは数nm、最大でも10nm程度である。このことについて、本発明の特徴でもあるため詳細は後述する。
また、隔壁絶縁膜11の幅にもよるが、その幅を、たとえば2nmと薄くし、エクステンション部12からの横方向の熱拡散によって、その熱拡散部の一部がゲート電極5とオーバーラップすることが望ましい。本構造例1では、熱拡散量が比較的小さいことから、そのオーバーラップ幅も必要最小限に制御されている。
このオーバーラップ部には、とくにソース側においてゲート電極5による電界によってキャリア蓄積層が形成され、低抵抗化が図られる。このためオーバーラップ部の存在自体は好ましいが、あまりオーバーラップ量が大きいと、ゲート寄生容量の増加を招き、論理ゲートの動作速度が低下する。また、オーバーラップ部から伸びる空乏層の影響(キャリアの枯渇)が大きくなり、また、実効チャネル長の減少にともない短チャネル効果が大きくなる。このためオーバーラップ量にはトレードオフが存在するが、従来構造では、過度にオーバーラップ部の幅が大きく、そのため、特性低下を招くことが多い。
本構造例1においては、このオーバーラップ量を隔壁絶縁膜11の膜厚で制御できることから最適化が容易で、特性低下が起きない。
実施の形態においては、後述するようにソース・ドレイン領域10をエクステンション部12より先に形成し、その活性化アニールによりエクステンション部12からの熱拡散が過度に起きないようにしている。
このため、ソース・ドレイン領域10内の不純物は、エクステンション部12との境界付近までしか存在せず、成長直後のエクステンション部12の表面側濃度は、ソース・ドレイン領域10の濃度と比べると低いことがある。このような低い濃度のエクステンション部12に直接、接続層16を接触させると、そのコンタクト抵抗が大きくなる。
したがってシリサイド層14Aが設けられているのであるが、構造例1においては、シリサイド層14Aがエピタキシャル成長層を厚さ方向に貫いて高濃度なソース・ドレイン領域10にまで達し、これによって良好なコンタクトが実現されている。その一方、シリサイド層14Aが余り深くまで達すると、ソース・ドレイン領域10の接合リークが増大する。
このシリサイド層14Aの深さ制御は、合金材料、合金時の条件に大きく依存するが、エクステンション部12の厚さにも依存する。エクステンション部12の厚さと濃度分布は、この観点と、ソースまたはドレインの直列抵抗低減の観点、さらには、その傾斜端面形状(とくに傾き)なども考慮して決められる。
つぎに、構造例1のMISトランジスタの製造方法を、図面を参照して述べる。
なお、CMOSプロセスにおいては、基板の図示しない他の部分にP型のMISトランジスタが形成される。以下は、記述の簡潔化のために、N型のMISトランジスタの手順を抽出して述べるが、CMOSプロセスにおいては、必要な箇所で以下と類似の工程を、その都度繰り返すことによってN型のMISトランジスタとP型のMISトランジスタを同一基板に作製する。
まず、図1(A)に示すように、基板1に、既知の方法を用いて素子間分離のためのSTI2を形成する。
つぎに、基板1を熱酸化し、表面に、たとえば8nmの酸化膜(図示せず)を形成する。続いて、トランジスタの活性領域となるSTI2が形成されていない基板部分を露出するパターンのレジスト(図示せず)を形成する。その後、イオン注入を行い、レジストを除去してから活性化アニールを行うと、図1(B)に示すように、Pウェル3が形成される。Pウェル形成のためのイオン注入のイオン種は、たとえばホウ素Bである。活性化アニールの条件は、たとえばRTA(Rapid Thermal Anneal)法において1010℃、10秒である。
なお、Pウェル形成と前後してしきい値電圧調整のためのチャネル注入を行ってもよい。また、CMOSプロセスの場合は、Pウェル形成(および、そのチャネル注入)と前後して、同様の手順でNウェル(図示せず)を形成してもよい。この場合のNウェルの不純物は、たとえば燐Pである。また、この場合の活性化アニールは、PウェルとNウェルを形成後に一括して行うとよい。
図1(C)に示すように、基板表面にゲート絶縁膜4とゲート層5aを順次形成する。ゲート絶縁膜4の形成は熱酸化によって行い、その厚さは、たとえば1〜3nmである。酸化後に窒素プラズマに曝して、ゲート絶縁膜4を酸窒化膜に改質してもよい。
ゲート層5aは、たとえば熱CVD法で堆積したポリシリコン層であり、その厚さは、100〜150nmである。
続いて、図示のようにゲート層5aにイオン注入法で不純物を導入し、その後、活性化アニールを行い、ゲート層5aに注入された不純物を活性化する。ゲート層5aに導入する不純物は、たとえば燐Pである。
図1(D)に示すように、ゲート層5aの上にハードマスク層6aを積層する。ハードマスク層6aは、たとえば、30nmのSiO膜と30nmのSiN膜を順次堆積した2層膜とし、その成膜は熱CVD法によって行う。
ハードマスク層6aにレジスト(図示せず)を堆積し、光学リソグラフィ、電子線リソグラフィ、または、それらを組み合わせた方法によって、レジストにゲートパターンを形成する。つぎに、パターンニングしたレジストを酸素プラズマで等方的に細らせ目的のパターン寸法を得た後、反応性イオンエッチング(RIE)を行い、レジストパターンをハードマスク層6aに転写し、ハードマスク6を形成する。続いて、ハードマスク6をマスクとして、ゲート層5aをRIEによりパターンニングする。
レジストを除去すると、図2(A)に示すように、ゲート絶縁膜4と、ゲート層5aからなるゲート電極5と、ハードマスク6とからなるゲートスタック7が基板上に形成された状態になる。なお、図2(A)においてはゲートスタック7周囲の領域でゲート絶縁膜4がエッチオフされているが、ゲート層5aのRIE時に、この領域にゲート絶縁膜4が残るようにエッチング条件を定めることが好ましい。
図2(B)に示すようにカバレッジのよい絶縁膜8を堆積し、ゲートスタック7を完全に絶縁膜8で被覆する。絶縁膜8として、たとえば熱CVD法によって形成されるSiN膜が選択できる。
絶縁膜8をRIEでエッチバックすることにより、図2(C)に示すように、ゲートスタック7の両側に側壁絶縁膜9を形成する。この図示のように側壁絶縁膜9、ゲート絶縁膜4およびハードマスク6によりゲート電極5の周囲が絶縁膜で覆われた状態となる。
このゲートスタック7と側壁絶縁膜9からなる構造物は、つぎに形成される2つのソース・ドレイン領域10の間隔D1(図3(B)参照)を規定する「スペーサ」の具体例である。本構造例においては、このスペーサの中に最初からゲート電極5が埋め込まれている。
側壁絶縁膜9の幅は、ゲート長(ゲートスタック7の幅)と、つぎの工程で形成するソース・ドレイン領域10の接合深さXj1(図3(A)参照)との関係で最適値が決められる。一例を挙げると、ゲート長を20nm、ソース・ドレイン領域10の接合深さXj1を150nmとした場合、側壁絶縁膜9の底面の幅は70nm程度が望ましい。
P型のMISトランジスタ側をレジスト(図示せず)で被覆した後、図2(D)に示すようにゲートスタック7と側壁絶縁膜9をマスクとしてイオン注入を行い、ソース・ドレイン領域となる不純物の導入領域10aをPウェル3に形成する。不純物は、たとえば燐Pであり、その場合に、たとえば、イオン注入のドーズが5×1015/cm、注入エネルギーが5keVの条件を選択できる。
レジストを除去した後に活性化アニールを行い、図2(D)に示す工程でPウェル3に導入した不純物を活性化させる。活性化アニールは、たとえば、ピーク温度1050℃のスパイクアニールによって行う。このとき熱拡散によって分布が多少変化し、図3(A)に示すように、ゲートスタック7と側壁絶縁膜9をスペーサとして、その幅に応じた距離D1だけ離れ(図3(B)参照)、それぞれの接合深さがXj1の2つのソース・ドレイン領域10がPウェル3に形成される。
基板1を加熱した燐酸に浸漬し、側壁絶縁膜9とハードマスク6を構成するSiN膜をエッチングし除去する。ハードマスク6は、下層のSiO膜と上層のSiN膜とから構成されていたことから、このエッチング後のゲートスタック7において、図3(B)に示すようにハードマスク6の下層膜(SiO膜6b)がゲート電極5上に残される。また、エッチング後にゲート電極5の側面が露出する。
図2(B)および図2(C)と同様の手順で絶縁膜の堆積とエッチバックを行い、図3(C)に示すようにゲートスタック7の両側面に隔壁絶縁膜11を形成する。隔壁絶縁膜11は後述するシリサイド形成の前に追加する追加スペーサとなる側壁絶縁膜13(図4(C)参照)に比較してエッチング選択比が高い絶縁材料、たとえばSiNからなる。このときのエッチバックで異方性を高くすると、隔壁絶縁膜11の幅が、堆積直後のSiN膜厚によりほぼ決定される。このためゲート電極5と、つぎに形成するエクステンション部12との隔離幅の制御性が高くなり、結果として、前述したエクステンション部12のゲート電極5とのオーバーラップ幅を最適化しやすい。
この図3(C)に示す工程と、その前の図3(B)に示す工程が、図3(A)で形成したスペーサのエッジを幅方向に後退させるステップに該当する。
スペーサを後退させる方法は図示の方法に限らないが、上述のようにスペーサの側壁部分を一旦除去して新たな薄い膜を形成すると、後退幅の制御性がよく、また側壁部分の材質を変えることができる意味で好ましい。
基板1に形成されている半導体層や絶縁層の表面を洗浄した後、エクステンション部12を800℃以下の温度でエピタキシャル成長させる。エピタキシャル成長層の材料はSi単結晶、または、シリコンSiとゲルマニウムGe、炭素Cあるいはその両方との混晶である。
エピタキシャル成長層は、図3(D)に示すように、露出した半導体層、すなわちソース・ドレイン領域10が形成されているPウェル3から成長するが、SiO膜6bおよび隔壁絶縁膜11に保護されてゲート電極5からは成長しない。隔壁絶縁膜11は、このエピタキシャル成長層(エクステンション部12)とゲート電極5との隔壁として機能する。エピタキシャル成長は、絶縁膜と半導体層との境界部分では片側(半導体層側)でのみ成長することから、半導体層の結晶構造や条件にもよるが通常、その端部が、上方ほど隔壁絶縁膜11から離れる斜めの傾斜端面状になる。
エクステンション部12に対する不純物の導入は、エピタキシャル成長時に不純物含有ガスを供給することにより行い、不純物はたとえば、砒素Asあるいは燐Pである。
不純物の導入プロファイルは、ソース領域と基板(Pウェル)との間の空乏層と、ソース領域内の空間電荷の中性領域とが成す界面が、ゲート絶縁膜と基板との界面を基準として、そこから反転層(チャネル層)の厚さの2倍までの深さ範囲内に位置するように設定する。この設定は、本例のように熱拡散を極力抑制する製造方法によって実現できる。
基板1に、絶縁膜を堆積し、これをRIEでエッチバックすることによって、図4(A)に示すように、ゲートスタック7の両側に追加スペーサとしての側壁絶縁膜13を形成する。側壁絶縁膜13は、たとえば、TEOSを原料ガスとして用いる熱CVD法により形成するSiO膜であり、その膜厚は、ゲート側壁容量(ソースとゲート間またはドレインとゲート間の寄生容量)を考慮して、たとえば10〜60nmの間で任意に選択される。
基板1にレジスト(図示せず)を塗布し、レジストをエッチバックしてゲートスタック7の最上部のみを露出させた後、反応性イオンエッチングを行うことによって、図4(B)に示すように、ゲートスタック7の最上層に残されていたSiO膜6bを除去する。
図4(C)に示すように、エクステンション部12にシリサイド層14Aを、ゲート電極5にシリサイド層14Bを同時に形成する。シリサイド層14Aおよび14Bは、たとえばCoSiあるいはNiSiである。このシリサイド層の形成は、コバルトCoまたはニッケルNiの金属膜を形成し後に熱処理し、その半導体材料と接触する部分を合金化し、薬液処理により非合金化部分(絶縁材料と接触する部分)を除去することにより行う。このうちシリサイド層14Aは、ソース・ドレイン領域10と直接接触する。
図4(D)に示すように、接続層16をシリサイド層14A上に形成する。より詳細には、層間絶縁膜15を堆積し、その表面を化学的機械研磨(CMP)により平坦化し、リソグラフィによりシリサイド層14Aの上方で開口するパターンのレジスト(図示せず)を層間絶縁膜15上に形成する。このレジストをマスクとするRIEによりシリサイド層14Aに達する接続孔を形成し、レジストを除去した後、接続孔に金属を充填して平坦化すると、図示のように接続層16が形成される。
その後は、とくに図示しないが、接続層16上に配線を形成する。なお、ゲート電極5上のシリサイド層14Bに対する上層の配線との接続は、図示しない部分で同様に接続層を用いて達成される。
<構造例2>
以下、エクステンション部の斜めの傾斜端面にゲート電極を部分的に精度よく重ねているMISトランジスタの構造(構造例2)と、その形成方法とを述べる。
図5(A)〜図6(D)は、構造例2のMISトランジスタについて、その製造方法を説明するためのチャネル方向の断面図である。
まず、完成したMISトランジスタの基本構造を、図6(D)を参照して述べる。
構造例2が構造例1(図4(D)参照)と異なるのは、ゲート電極19がエクステンション部12の斜めの傾斜端面に対しゲート絶縁膜17を介して部分的にオーバーラップしていること、ゲート電極19の上部にシリサイド層が形成されていないこと、さらに、ゲート電極19の両側面に隔壁絶縁膜11(図4(D)参照)が形成されていないことである。他の構成は共通することから、ここでの記述を省略する。また、以下の記述において構造例1と同じ形状および材料の構成は同一符号を付して説明を簡潔にする。
このMISトランジスタの製造において、図4(A)に示す工程までは構造例1で記述した方法と同様である。
ここでは図4(B)に示すゲートスタック7の最上層のSiO膜6bを除去することなくシリサイド層の形成を行う。これにより、図5(A)に示すように、エクステンション部12に対してシリサイド層14Aが形成され、ゲート電極5に対してシリサイド層が形成されない。
層間絶縁膜15を堆積し、その表面部を、CMPによりSiO膜6bが露出するまでエッチングおよび研磨することによって平坦化する。図5(B)に、この平坦化後の素子断面を示す。層間絶縁膜15は、プラズマCVDにより形成するSiO膜である。
側壁絶縁膜13の表面に露出するSiO膜6bおよび、その下のゲート電極5をエッチングにより除去する。より詳細には、弗酸を含む溶液を用いたエッチングによりゲートスタック7のSiO膜6bを除去し、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)水溶液などのアルカリ溶液によるウエットエッチング、あるいは、シランCFと酸素Oの混合ガスを用いたケミカルドライエッチングによってゲート電極5を除去する。図5(C)に、このエッチングにより形成されたゲート開口部7aを示す。
続いて、ゲート開口部7a内のゲート絶縁膜4および隔壁絶縁膜(SiN膜)11を、弗酸を含む溶液などを用いてエッチングにより除去し、ゲート開口部7aの底面にPウェル3の表面を露出させる。図5(D)に、このエッチング後の素子断面を示す。このエッチングによって側壁絶縁膜13の一部もエッチングされ、ゲート開口部7aの底部にエクステンション部12の傾斜端面が露出する。
図6(A)に示すように、ゲート開口部7a内で露出したPウェル3およびエクステンション部12の傾斜端面にゲート絶縁膜17を形成する。ゲート絶縁膜17は、熱酸化によるSiO膜、これをプラズマ窒化して形成するSiON膜、あるいは、ALD(Atomic Layer Deposition)法により形成するHfO膜などである。
図6(B)に示すように、ゲート金属18を厚く形成し、ゲート開口部7aをゲート金属18により埋め込む。ゲート金属18の形成は、たとえば、Cuシード層のPVDと、それに続くCuの無電解めっきによって行うことができる。
余分なゲート金属18をCMP法により除去し、ゲート開口部7a内にのみゲート金属18を残す。これにより、図6(C)に示すように層間絶縁膜15および側壁絶縁膜13に埋め込まれたゲート電極19が形成される。
図4(D)に示す工程と同様な方法によって、図6(D)に示すようにシリサイド層14A上に接触し層間絶縁膜15内に埋め込まれた接続層16を形成する。
その後、必要ならば上層の配線(不図示)などの形成を行って、当該MISトランジスタを完成させる。
構造例2においても、構造例1と同様、不純物の導入プロファイルは、ソース領域と基板(Pウェル)との間の空乏層と、ソース領域内の空間電荷の中性領域とが成す界面が、ゲート絶縁膜と基板との界面を基準として、そこから反転層(チャネル層)の厚さの2倍までの深さ範囲内に位置するように設定されている。この設定は、本例のように熱拡散を極力抑制する製造方法によって実現できる。
構造例2のMISトランジスタにおいては、ゲート絶縁膜17を介してゲート電極19と重なるエクステンション部12の傾斜端部に、動作時に蓄積層が形成される。この蓄積層によって、チャネルとソース・ドレイン領域10とが低抵抗で接続され、さらなるオン電流の増加が実現される。
以上述べてきた構造例2のMISトランジスタの製造において、ソース・ドレイン領域10のイオン注入マスクとして機能するスペーサを除去して、新たにゲート絶縁膜17とゲート電極19とを埋め込みゲートプロセスにより形成する。
この埋め込みゲートプロセスの採用を前提とすると、構造例2のように上記スペーサをゲートスタック7、すなわち導電性のゲート電極5を含む積層体で形成する必要は必ずしもなく、その代わりに絶縁性スペーサを用いることができる。
なお、絶縁性スペーサを用いる場合でも、エクステンション部12の傾斜端面端部にゲート電極の一部を重ねるか否かは任意に選択できる。
つぎに、以上のエクステンション部12の熱拡散が防止できるプロセスにより得られる効果を記述する。
本発明者は、熱拡散による不純物の基板側への染み出しをどの程度まで抑制するかについて種々の検討を行い、その過程で、本発明におけるソース領域のチャネル側短部における深さ方向の指標を考案するに至った。
この指標の基本的コンセプトは、チャネル層と同程度の深さまでソース領域の空間電荷の中性領域(空乏化していない領域)をチャネル層の横方向に形成することである。通常は、深さ方向において、この理想状態を超えて不純物領域が分布しており、その結果として短チャネル効果が十分抑圧できない。
ただし、プロセス上の様々なばらつき、バイアス条件の違いにより、この理想状態を常に満足することは難しい。そこで本発明者は、そのワーストケースにおいてもソース領域とチャネル層との必要で十分に良好な接続を実現するには、ソース領域の接合深さの許容範囲はどの程度かについてシミュレーションにより求めた。
以下、このシミュレーションの結果を、図7(A)〜図15を用いて説明する。
図7(A)は、ゲート電極直下のチャネル形成領域(Pウェル)に形成される反転層(チャネル層)の電子濃度分布の計算結果である。なお、図7(B)に、参考のためソース側のデバイス構造を示す。
この図からわかるように、動作状態において、チャネル層内の電子は、ゲート絶縁膜17と基板(ここではチャネル形成領域)との界面から、基板深部側に約4nmの範囲に分布する。このチャネル層の深さはゲート長やデバイス構造、動作条件により変動し得るが、極微細ゲート(ゲート長:10〜40nm)における基板濃度(1018/cm前後)とゲート電圧(〜1V)においては、この計算結果から大きくずれることはない。
図8〜図15に、上記検討結果の一例を示す。
これらの図は、ゲート電極がエクステンション部の傾斜端面に重なる構造を有するMOSFETのキャリア分布等を計算した結果を示す。なお、図9〜図11および図13〜図15の各曲線に添える数値「10」〜「20」は不純物濃度のオーダを示すものであり、たとえば数値「19」は不純物濃度が1×1019/cmであることを示している。
これらの計算においては、基板濃度を2×1018/cm、ゲート電極長を20nmとし、エクステンション部とチャネルとの境界は、ゲート平坦部とゲート乗り上げ部の境界を通る垂直な平面上に設けた。エクステンション濃度は、図8〜図11の計算では2×1020/cm、図12〜図15の計算では2×1019/cmとした。これらの濃度条件は、通常のMOSFETのソース不純物濃度としては非常に高濃度であり、ワーストケースの例に当たる。
エクステンション濃度が2×1020/cmの条件においては、図10に示すように、接合深さXjがほぼゼロのとき、エクステンション部と基板間の空乏層の上端(中性領域との境界)がゲート絶縁膜と基板との境界面(深さの基準面)と同じ深さに位置する。また、エクステンション濃度が2×1019/cmの条件においては、接合深さXjが2nmのとき、空乏層の上端が深さの基準面と同じ深さに位置する(この場合の電子分布濃度は図示を省略)。
したがって、本発明の指標(0〜チャネル層最大幅の2倍)を接合深さXjに換算すると、接合深さXj=0〜4nm程度が接合深さの許される下限に相当する。
図8は、濃度が2×1020/cmのエクステンション部の接合深さに対するオン電流の変化を示すグラフである。
オン電流は、ドレイン電圧0.8Vを印加した状態でドレイン電流が40nA/μmとなるゲート電圧をしきい値電圧と定義し、このしきい値電圧に0.8Vを足した電圧をゲートに印加したときの電流をオン電流と定義した。
また、図9〜図11は、接合深さXjが、それぞれ、−4nm,0nm,8nmの3点における電子濃度分布を、ゼロバイアス状態とバイアス印加状態についてそれぞれ見積もった結果である。
図8において、オン電流は、接合深さXjが3nm前後で最大となり、負の領域と8nmを超える領域で急激に減少している。負の領域での減少は、図9から分かるように、ゲートのソース側コーナー部でのキャリアの希薄化によるものである。
一方、接合深さXjが8nmを越える領域では、図11から容易に推測できるように、ゼロバイアス状態でエクステンション部のキャリアが深さ0の基準面から下方に大きく染み出すことから、ソース・ドレイン間の電位障壁が下がる。したがって、この領域でのオン電流の減少(図8参照)は、ショートチャネル効果でサブスレッショルド傾斜が減少し、前述の定義によるしきい値電圧が負にシフトした結果、オーバードライブ電圧が減少したためである。
ただし、接合深さXjが0nm以上、8nm以下の範囲ではオン電流としては十分高い値を維持している。
図12(A)は、1桁濃度を下げた場合のエクステンション部の接合深さに対するオン電流の変化を示すグラフである。図9(B)は、エクステンション部の接合深さに対するDIBLの変化を示すグラフである。図13〜図15は、接合深さXjが、それぞれ、−4nm,0nm,8nmの3点における電子濃度分布を、ゼロバイアス状態とバイアス印加状態についてそれぞれ見積もった結果である。
図12(A)に示すように、この1桁濃度を下げた場合のオン電流は、接合深さXjが8〜10nm前後で最大となり、それより浅い領域では減少している。減少の理由は、図13から分かるように、ゲートのソース側コーナー部でのキャリアの希薄化によるものである。
エクステンション濃度が2×1019/cmの条件において、図12(A)に示すオン電流は、接合深さXjが8nmでも減少に転じてはいない。しかし、図12(B)に示すようにDIBLが増加していることから、ショートチャネル効果が顕在化していることがわかる。
高歩留まりで集積回路を製造するためには、DIBLの値(絶対値)が100mV以下であることが望ましいが、接合深さXjが約9nm未満ではではこれを超えていることから、MOSFETの製造で高い歩留まりを期待することはできない。
本発明の指標(0〜チャネル層最大幅の2倍)を接合深さXjに換算すると、接合深さXj=8〜10nm程度が接合深さの許される上限に相当する。
この上限は、主に、エクステンション濃度が相対的に低いときに必要なDIBLを満足するという理由に基づくものである。この上限と下限(Xj=2nm付近)との間のオン電流は、エクステンション濃度が相対的に高い場合でも十分な値を満足する。
一方、最初に記載した接合深さXjの下限は、主に、相対的に濃度が低い場合のオン電流値により決められる。図9(A)から分かるように、このときの下限2nm付近では乗り上げ長が変化しても概ね500μA/μmを満足していることが分かる。
このようにして本発明者の試算では、実効ゲート長10〜40nm前後で許容されるエクステンション部の接合深さ(空乏層と中性領域とが成す界面の深さ)の最適範囲が、0〜10nm程度と見積もられる。
このような浅い接合は、本実施の形態に記述した構造および製造方法によって容易に達成できる。
以上のように、本発明の構成要件にしたがって、基板とエクステンション部の空乏層の上端(中性領域下端)を、ゲート絶縁膜の直下の面を基準として、反転層の厚さの2倍程度内に位置させることによって、コーナー部の電界集中によるオン電流の減少が回避されると同時に、ショートチャネル効果によるロールオフの劣化(ここではDIBLの劣化として評価)も回避される。その結果、オン電流が高いMOSFETを高歩留まりで製造することが可能となる。
本発明は、MIS型電界効果トランジスタを有する半導体製品およびその製造に広く適用できる。
(A)〜(D)は、実施の形態における構造例1を示すMISトランジスタにおいて、その製造途中のチャネル方向の断面図であり、ハードマスク層の形成までを示すものである。 図1(D)に続く同断面図であり、ソース・ドレイン領域形成のためのイオン注入までを示すものである。 図2(D)に続く同断面図であり、エクステンション部の形成までを示すものである。 図3(D)に続く同断面図であり、接続層の形成までを示すものである。 (A)〜(D)は、構造例2を示すMISトランジスタにおいて、その製造途中のチャネル方向の断面図であり、ゲート開口部の形成までを示すものである。 図5(D)に続く同断面図であり、接続層の形成までを示すものである。 (A)は、ゲート電極直下のチャネル形成領域(Pウェル)に形成される反転層(チャネル層)の電子濃度分布の計算結果である。(B)は、ソース側のデバイス構造図である。 エクステンション濃度が比較的高い場合に、オン電流の接合深さ依存性を示すグラフである。 エクステンション濃度が比較的高い場合に、接合深さが−4nmにおける電子濃度分布の計算結果を示す図である。 エクステンション濃度が比較的高い場合に、接合深さが0nmにおける電子濃度分布の計算結果を示す図である。 エクステンション濃度が比較的高い場合に、接合深さが8nmにおける電子濃度分布の計算結果を示す図である。 (A)は、エクステンション濃度が比較的低い場合に、オン電流の接合深さ依存性を示すグラフ、(B)はDIBLの接合深さ依存性を示すグラフである。 エクステンション濃度が比較的低い場合に、接合深さが−4nmにおける電子濃度分布の計算結果を示す図である。 エクステンション濃度が比較的低い場合に、接合深さが0nmにおける電子濃度分布の計算結果を示す図である。 エクステンション濃度が比較的低い場合に、接合深さが8nmにおける電子濃度分布の計算結果を示す図である。 (A)は、従来のプレーナー型MOSFETの断面構造の模式図である。(B)は、「グルーブゲート」あるいは「リセスゲート」と呼ばれる構造の模式図である。(C)は、持ち上げエクステンション構造を示す模式図である。 (A)〜(C)は、それぞれ、接合深さXjを負とした場合の、不純物濃度分布、電子濃度分布(ゼロバイアス時)および電子濃度分布(動作時)を示す図である。 (A)〜(C)は、それぞれ、接合深さXjを負とした場合の、ドレイン電流経路に沿った電位分布、電界分布および移動度分布を示すグラフである。
符号の説明
1…基板、3…Pウェル、4…ゲート絶縁膜、5…ゲート電極、7…ゲートスタック、10…ソース・ドレイン領域、11…隔壁絶縁膜、12…エクステンション部、13…側壁絶縁膜、14A,14B…シリサイド層、17…ゲート絶縁膜、19…ゲート電極

Claims (5)

  1. ゲート絶縁膜を介してゲート電極と対向し、内部にチャネルとなる反転層が形成される半導体基板の領域であって、第1導電型不純物濃度が2×1018/cmのチャネル形成領域と、
    当該チャネル形成領域と逆の第2導電型を有し、前記チャネル形成領域に各々接し互いに離れて形成されているソース領域およびドレイン領域と、
    を有し、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域のそれぞれが、
    前記チャネル形成領域と前記ゲート絶縁膜との界面を深さの基準面としたときに、該基準面と同じ深さ位置から基板深部側に形成され、端部が前記ゲート電極から離れている第2導電型不純物領域であるキャリア供給部と、
    前記キャリア供給部上に接する部分から前記ゲート電極の側に延在し、当該延在部分の端部が前記チャネル形成領域に接し、第2導電型不純物濃度が、前記チャネル形成領域の前記第1導電型不純物濃度より1桁から2桁高いエクステンション部と、
    を有し、
    前記ソース領域と前記ドレイン領域の離間方向における前記ゲート電極の寸法であるゲート長が10nm以上で40nm以下であり、
    前記エクステンション部の前記延在部分は、
    前記基準面と同じ深さ位置より上方の部分が前記ゲート電極から離れるほど厚く形成され、
    該エクステンション部と前記チャネル形成領域との間に形成されている空乏層と、前記エクステンション部内の空間電荷の中性領域とが成す界面が、前記基準面と同じ深さ位置から基板深部側に8nmまでの深さ範囲内に位置し、
    前記ソース領域の側の前記エクステンション部の延在部分が電気的に接続される箇所の前記チャネルとなる反転層の深さが、前記基準面から基板深部側に4nm付近となるように当該反転層を形成して動作させる、
    絶縁ゲート電界効果トランジスタ。
  2. 前記エクステンション部が、前記チャネル形成領域の一部と前記キャリア供給部の上に形成されているエピタキシャル成長層からなる
    請求項1に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタ。
  3. 前記エクステンション部の前記延在部分は、前記基準面と同じ深さ位置から基板深部側の深さ方向とゲート電極側の横方向に不純物が熱拡散してできた熱拡散層を有し、
    前記エクステンション部の延在部分と前記ゲート電極との間に、該延在部とゲート電極の離間距離を膜厚とすることで、該膜厚によって前記熱拡散層の前記ゲート電極との重なり幅を規定する隔離絶縁膜が介在している
    請求項1または2に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタ。
  4. 前記エクステンション部の前記延在部分に、上方ほど前記ゲート電極からの距離が遠い傾斜端面を備え、
    当該傾斜端面に対して前記ゲート電極が前記ゲート絶縁膜を介して部分的に重なっている
    請求項1または2に記載の絶縁ゲート電界効果トランジスタ。
  5. ゲート絶縁膜を介してゲート電極と対向し、内部にチャネルとなる反転層が形成される半導体基板の領域であって、第1導電型不純物濃度が2×1018/cmの第1導電型のチャネル形成領域と、当該チャネル形成領域と逆の第2導電型を有し、前記チャネル形成領域に各々接し互いに離れて形成されているソース領域およびドレイン領域と、を有し、前記ソース領域と前記ドレイン領域のそれぞれが、前記チャネル形成領域と前記ゲート絶縁膜との界面を深さの基準面としたときに、該基準面と同じ深さ位置から基板深部側に形成され、端部が前記ゲート電極から離れている第2導電型不純物領域であるキャリア供給部と、前記キャリア供給部上に接する部分から前記ゲート電極の側に延在し、当該延在部分の端部が前記チャネル形成領域に接し、第2導電型不純物濃度が、前記チャネル形成領域の前記第1導電型不純物濃度より1桁から2桁高いエクステンション部と、を有し、前記ソース領域と前記ドレイン領域の離間方向における前記ゲート電極の寸法であるゲート長が10nm以上で40nm以下であり、前記エクステンション部の前記延在部分は、前記基準面と同じ深さ位置より上方の部分が前記ゲート電極から離れるほど厚く形成され、該エクステンション部と前記チャネル形成領域との間に形成されている空乏層と、前記エクステンション部内の空間電荷の中性領域とが成す界面が、前記基準面と同じ深さ位置から基板深部側に8nmまでの深さ範囲内に位置する絶縁ゲート電界効果トランジスタを動作させる際に、
    前記ソース領域の側の前記エクステンション部の延在部分が電気的に接続される箇所の前記チャネルとなる反転層の深さが、前記基準面から基板深部側に4nm付近となるように当該反転層を形成して動作させる
    絶縁ゲート電界効果トランジスタの動作方法。
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