JP5054318B2 - 変位センサ、形状測定装置 - Google Patents
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Description
形状測定装置10は、接触プローブ11と、この接触プローブ11を被測定物表面に沿って三次元的に移動させる駆動機構12と、を備えている。接触プローブ11は、図17に示されるように、先端に接触部14を有するスタイラス13と、スタイラス13の基端を支持するセンサ本体部15と、を備えている。センサ本体部15は、スタイラス13をxp、yp、zp方向の一定の範囲内で変位可能に支持するとともにスタイラス13の変位量を検出する。
このような複数の光源および複数の光センサを備えてスタイラス13の三次元的変位を検出するものとして、プローブの軸方向変位を三角測量法の変位センサにより測定するとともに、オートコリメータ光学系によって傾斜を測定するものがある(例えば、特許文献2参照)。
また、複数の光センサを備えるとなると設置スペースを大きくとるので、プローブの大型化に繋がり、さらにコスト増になるという問題があった。
さらに、光センサを一つにすることにより、部品点数を少なくできるので、変位センサを簡易な構成とし、変位センサを小型化することができる。
また、光源からの光を変調波とすることにより、変位センサに与えられる振動や電気的ノイズによって受光信号に外乱ノイズが重畳する場合でも、分離手段にて受光信号から各変調波の信号を分離させる段階で外乱ノイズの影響を排除することができる。特に、検出分解能を向上させると外乱ノイズの影響を受けやすくなる恐れがあるが、本発明によれば、外乱ノイズを排除することができるので、検出分解能を向上させ、かつ、精度を向上させることができる。
また、光センサは、複数の分割線によって複数の受光部に分割されて、かつ、前記受光部ごとの受光光量に応じた受光信号を出力する構成であるから、例えば、光センサを十字の分割線にて4つの受光部に分割し、この分割線をx軸とy軸に対応させると、4つの分割領域から出力される受光信号の変化に基づいて光の入射位置のシフト量を二次元直交座標系において簡単に求めることができる。
このように光センサ上での各変調波の入射位置のシフト量を二次元座標系で算出した結果を組み合わせて、測定子の変位量を算出することができる。
この点、本発明の支持手段は、構成が簡便であり、かつ、異方性なく測定子を変位可能に支持できる。
そして、このようなプレート状の支持手段で測定子の基端を支持すると、中心軸回りの測定子の回転や測定子の二次元的変位が規制され、測定子は、上下動と揺動のみが許容されることになる。したがって、測定子の自由度は3となるので(上下方向、x軸回りの回転、y軸回りの回転)、反射ミラーが平面ミラーであっても、3つの自由度をそれぞれ特定して測定子の三次元的変位を求めることができる。
(第1実施形態)
本発明の変位センサに係る第1実施形態としての接触プローブ100について説明する。
図1は、接触プローブ100の全体構成を示すために内部を透視した斜視図である。
図2は、接触プローブ100を垂直方向に切断した横断面図である。
なお、以下の説明のために図2の紙面上下方向にz軸をとり、紙面左右方向にx軸をとり、紙面垂直方向にy軸をとる。
なお、測定子200に変位がない基準状態においてスタイラス210の軸線に沿った方向を中心線方向Aと称する。
ハウジング部310の下端側には、開口を閉塞して内部への塵埃等の侵入を防止する可撓性のシート材312が配設されている。そして、このシート材312を挿通する状態で測定子200が配設されている。
ここで、図3は、支持プレート320の上面図である。
支持プレート320は、3本の切込み線321、321、321を有し、3本の切込み線321、321、321は支持プレート320の中心C1を点対称の中心として対称に設けられている。各切込み線321は、円弧部322と、直線部323と、を有し、略くの字状に曲がっている。3本の切込み線321、321、321が支持プレート320の中心C1を取り巻いて配置され、一の切込み線321の円弧部322の内側に他の切込み線321の直線部323が位置する(図3参照)。切込み線321の部分において支持プレート320が上下変位可能となり、測定子200がこの支持プレート320の中心に取り付けられることにより測定子200が揺動可能に支持される。
反射ミラー410、受光光学系430は、中心線Aに沿って配列されている。
2つの光源421A、421Bは、光センサ440を間にしてx方向に離間して配設されている。光源421A、421Bは、光を反射ミラー410に向けて発射し、かつ、測定子200の変位が無い基準状態において反射ミラー410で反射された光が光センサ440の中心に入射するように姿勢が調整される。
図2中では、光源421A、421Bは、反射ミラー410に対して入射角θで光を入射させる。
光源421A、421Bとしては、例えば、LEDを利用することができる。
また、2つの光源421A、421Bは、互いに異なる周波数で振幅変調された変調光を発射する。
図1および図2中において、例えば、−x側に配設された光源421Aから周波数faで振幅変調された変調光Saが発射され、+x側に配設された光源421Bから周波数fbで振幅変調された変調光Sbが発射される。(ただし、fa≠fb)
図4は、光センサ440を受光面側から見た図である。
光センサ440は、x軸とy軸とに沿った分割線445によって4分割されており、第1から第4受光部441〜444を備える。
ここで、(+y、−x)の位置に配置される受光部を第1受光部441とし、(+y、+x)の位置に配置される第2受光部442とし、(−y、+x)の位置に配置される受光部を第3受光部443とし、(−y、−x)の位置に配置される受光部を第4受光部444とする。
図5は、信号処理部500の構成を示す図である。
信号処理部500は、各受光部441〜444から出力される受光信号から変調光Sa、Sbの信号をそれぞれ分離して取り出すバンドパスフィルタ部510と、変調光であるSa、Sbから元の信号であるfa、fbを復元する復調回路部520と、復調回路部520で復調された信号に基づいて接触部220の変位を算出する演算処理部530と、を備えている。
同様に、4つのバンドパスフィルタ部510に応じて、復調回路部520は4つ設けられ、各復調回路部520は、変調光Saから元の信号faを復調する復調回路521Aと、変調光Sbから元の信号fbを復調する復調回路521Bと、を備えている。
復調回路としては、例えば、ピークホールド回路や平滑化回路などが例として挙げられる。
演算処理部530は、4つの信号組に基づいて接触部220の変位を算出する。すなわち、演算処理部530は、4つの信号組から光センサ440上における2つの光束のそれぞれのシフト量を求めたうえで、2つの光束の変位量から接触部220の変位量を算出する。
なお、演算処理部530における計算例は後述する。
また、演算処理部530により、各変調光が光センサに入射する入射位置のシフト量を算出するシフト量算出手段と、各変調光のシフト量に基づいて測定子の変位を算出する測定子変位算出部と、が構成されている。
まず、図6を参照して、測定子200が+z方向に変位する場合の動作について説明する。
接触部220に−z方向から+Z方向に向けて応力が作用すると、測定子200が+Z方向に押し上げられる。すると、支持プレート320の切込みにおいて支持プレート320が上下変位し、測定子200の+Z方向への変位を許容する。測定子200とともに支持プレート320の中心が+Z方向に変位することにより、反射ミラー410が+Z方向に変位する。
図8は、接触部220が+X方向に変位(揺動)した状態を示す図である。
接触部220に−X方向から+X方向に向けて応力が作用すると、測定子200が+X方向に揺動する。このとき、支持プレート320の切込みにおいて支持プレート320が+X方向では上方へ変位し、−X方向では下方に変位して支持プレート320が弾性変形することにより測定子200のX方向への変位が許容される。すると、支持プレート320の弾性変形に伴って反射ミラー410が傾斜して反射面411が−X方向側へ傾斜する。
図10は、接触部220が+Y方向に変位した状態を示す図である。
接触部220に−Y方向から+Y方向に向けて応力が作用すると、測定子200が+Y方向に揺動する。
このとき、支持プレート320の切込みにおいて支持プレート320が+Y方向では上方へ変位し、−Y方向では下方に変位して支持プレート320が弾性変形することにより測定子200の+Y方向への変位が許容される。すると、支持プレート320の弾性変形に伴って反射ミラー410が傾斜して反射面411が−Y方向側へ傾斜する。
接触部220が3次元的に変位した場合、測定子200の変位を許容するように支持プレート320が弾性変形し、支持プレート320の弾性変形にともなって反射ミラー410が上下動および傾斜する。すると、光源421A、Bから発射される光Sa、Sbが反射ミラー410にて反射され、光センサ440上における光Sa、Sbの入射点がそれぞれ変位する。
このとき、光Saの変位(ΔXa、ΔYa)、光Sbの変位(ΔXb、ΔYb)について次の式が成り立つ。
また、光源421A、421Bから反射ミラー410への光の入射角をθとする。
基準状態(接触部220の変位が無い状態)においてスタイラス210から反射ミラー上の光反射位置までの距離をLa、光センサ440から反射ミラー410までの垂直距離をLとする。
反射ミラー410のZ方向への変位をdzとする。
そして、反射ミラー410(あるいは接触部220)のx軸回りの回転角をθx、反射ミラー410(あるいは接触部220)のy軸回りの回転角をθyとする。
次に、本発明の第2実施形態について図12を参照して説明する。
第2実施形態の基本的構成は、第1実施形態に同様であるが、第2実施形態は、光源421A、421B、421Cが三つであり、かつ、反射ミラー460が三角錐である点に特徴を有する。
図12において、照射光学系は三つの光源421A、421B、421Cを備えている。
3つの光源421A、421B、421Cは、光センサ440の周囲において60°間隔で配設されている。また、各光源421A、421B、421Cは、中心軸Aに略平行に光を発射する。なお、各光源421A、421B、421Cからの光がそれぞれ異なる変調をうけた変調光である点は第1実施形態に同様である。
つまり、測定子200の6自由度の変位に応じて光センサ440への光の入射位置が変わる。
信号処理部500にて受光信号から各変調光の信号が分離され、各変調光のシフト量が算出される。そして、各変調波のシフト量を組み合わせるとともに接触部220の変位量(x、y、z、θx、θy、θr)に関する連立方程式を立てることにより、接触部220の三次元的変位量が求められる。
反射ミラー460が傾斜した反射面461A、461B、461Cを有する三角錐であるので、反射ミラー460の回転や二次元的変位によっても光の反射方向が変化する。したがって、測定子200の6自由度の変位をそれぞれ求めて、接触部220の三次元的変位を得ることができる。
次に、本発明の変形例1について図13を参照して説明する。
変形例1の基本的構成は第2実施形態に同様であるが、反射ミラー460と光センサ440との間に集光レンズ480を備える点に特徴を有する。そして、この集光レンズ480によって各光を光センサ440上で結像させ、光センサ440にスポット状に入射させることにより、光センサ440よる光入射位置の検出分解能を向上させることができる。
特に、指向性が弱いLED等を光源に用いた場合であっても、集光レンズ480で光を結像させるので、光センサ440による光入射位置の検出分解能を向上させることができる。
上記実施形態において、照明光学系420の光源421A、421Bは互いに異なる変調がなされた変調光Sa、Sbをそれぞれ発射するとして説明した。
そして、各光源421A、421Bからの変調光Sa、Sbが光センサ440で受光され、光センサ440から出力される受光信号から信号処理部500により各変調光Sa、Sbがそれぞれ分離して取り出される。
ここで、各光源421A、421Bから発射される光の変調パターンとしては、図14のように、共に正弦波状に振幅変調させつつ互いの位相を180度ずらすことが例として挙げられる。
そして、信号処理部500において、光センサからの受光信号を検出(ホールド)するにあたっては、一方の信号レベルが0になった際に他方の信号レベルを検出すればよい。
例えば、図14においては、T1、T2、T3・・・のタイミングで信号を検出することにより、変調光Sa、Sbをそれぞれ分離して検出することができる。
光源の数は2つや3つではなく、それ以上であってもよいことがもちろんである。
光源は、LEDでもよく、あるいはレーザー光源であってもよい。
光学素子は、反射ミラーである場合を例にして説明したが、光を屈折させるプリズムであってもよい。
Claims (6)
- 測定子と、
前記測定子を変位可能に支持するとともに前記測定子の変位量および変位方向を検出するセンサ本体部と、を備え、
センサ本体部は、
前記測定子を変位可能に支持する支持手段と、
二以上の光源と、
光を受光して光電変換により受光量に応じた受光信号を出力する光センサと、
前記各光源から発射された光の前記光センサへの入射位置を前記測定子の変位に応じてシフトさせる光シフト手段と、
前記受光信号に基づいて前記測定子の変位量および変位方向を算出する信号処理部と、を備え、
前記2以上の光源は、それぞれ異なる変調がなされた変調光を前記光シフト手段に向けて発射し、
前記光センサは、複数の分割線によって複数の受光部に分割されて、かつ、前記受光部ごとの受光光量に応じた受光信号を出力し、
前記信号処理部は、
前記光センサから出力される受光信号から各変調光の信号をそれぞれ分離する分離手段と、
前記分離手段にて分離された各変調光の信号に基づいて前記各変調光が前記光センサに入射する入射位置のシフト量を算出するシフト量算出手段と、
各変調光のシフト量に基づいて前記測定子の変位を算出する測定子変位算出部と、を備える
ことを特徴とする変位センサ。 - 請求項1に記載の変位センサにおいて、
前記光源からの光を変調する方式は、振幅変調、位相変調および周波数変調のいずれかである
ことを特徴とする変位センサ。 - 請求項1または請求項2に記載の変位センサにおいて、
前記光シフト手段は、
前記測定子の変位に応じて変位し前記光源からの光を反射または屈折させる光学素子である
ことを特徴とする変位センサ。 - 請求項3に記載の変位センサにおいて、
前記光学素子は、前記支持手段を介して前記測定子に付設され前記測定子とともに変位して位置および反射面角度を変化させる反射ミラーである
ことを特徴とする変位センサ。 - 請求項1から請求項4のいずれかに記載の変位センサにおいて、
前記支持手段は、弾性を有するプレートであってこのプレートの中心を点対称とした複数の切込み線を有し、前記測定子をこのプレートの中心にて支持する
ことを特徴とする変位センサ。 - 請求項1から請求項5のいずれかに記載の変位センサと、
前記変位センサを被測定物に対して相対移動させて前記変位センサを被測定物に当接させる駆動機構と、
前記駆動機構による前記変位センサと前記被測定物との相対変位量を検出する駆動センサと、
前記変位センサおよび前記駆動センサによる検出値に基づいて前記被測定物の形状を解析する解析手段と、を備える
ことを特徴とする形状測定装置。
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