JP5054053B2 - 地盤改良方法 - Google Patents

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Description

本発明は、初期材齢で所定の固化強度が得られ、その後の長期材齢での強度増進が小さい再掘削用固化材を使用することにより、再掘削が容易であり、且つ、改良地盤からの六価クロムの溶出量を少なくすることができる地盤改良方法に関する。
従来、軟弱地盤の土質改良に、セメント系固化材が多用されている。そのうち、路床への管埋設工事などのセメント系固化材による地盤改良の一部では、埋設物の補修などの目的で施工後に改良地盤を再掘削する場合がある。この改良工事では、初期に所定の固化強度を確保する必要がある。例えば、一般的に路床や仮設改良で必要な固化強度は、材齢7日で一軸圧縮強さが300〜500kN/m程度である。また、改良地盤の掘削にはバックホウを用いることが主流であり、一般に掘削可能な地盤強度は一軸圧縮強さで500〜1000kN/mとされている。しかし、セメント系固化材を使用した場合、対象地盤が砂質土あるいはシルト質土などでは、少量の固化材添加で初期の固化強度が1000kN/m以上となることがある。さらに、対象地盤が粘性土の場合、長期的にポゾラン反応が起こり、改良地盤の強度が経時的に増進して1000kN/m以上となり、バックホウによる再掘削が困難となるケースがある。このような場合、ブレーカー等の特殊な掘削機が必要となる。固化強度を適切に制御するために、固化材添加量を少なくする方法もあるが、砂質土やシルト質土のような元々少量の固化材添加で強度発現性の良い地盤では、固化材添加量を減らすと、土と固化材との混合精度の面から固化強度が不均一な改良地盤となる問題がある。このため、セメント系固化材を用いた地盤改良では、現場での混合の均一性を確保するために、最低固化材添加量は対象地盤1m当たり50kg以上と規定されている(非特許文献1)。また、対象地盤が粘性土の場合、固化材添加量を低減すると初期に必要な固化強度を得ることが困難となる。このようなことから、改良地盤の再掘削を前提とするセメント系固化材が求められている。
例えば、特許文献1には、セメント系材料に速硬性混和材、長期強度抑制材、流動化材を含有する組成物は、初期の強度発現性が良く、それ以降の材齢における強度増進が小さいことが開示されている。また、特許文献2には、普通ポルトランドセメント、フライアッシュ、石灰石粉との混合物を、対象土1m当たり140〜200kg添加することにより、一軸圧縮強さで300〜1000kN/mの適切な強度が得られ、且つ、均一な強度の地盤に改良できることが開示されている。さらに、特許文献3では、セメント系材料の速硬性土質改良材に炭酸カルシウム、フライアッシュ及び高炉スラグ粉などの混和材を含有させることで、長期強度を適切に抑制できることが開示されている。しかしながら、これらの特許文献では、長期材齢が28日程度であり、それ以降の強度増進の抑制効果は具体的に示されていない。また、これらの固化材は、一般的な地盤改良における最低固化材添加量である対象土1m当たり50kg以上で所要強度を得るために、フライアッシュ、石灰石粉、高炉スラグ等を増量材として用いている。しかし、高炉スラグは、セメントと併用して添加すると、スラグの潜在水硬性により長期強度が増進する場合がある。また、一般的に固化材の初期や長期の強度発現性は、対象土の種類によって異なり、全ての対象土に対して再掘削が可能な強度に抑えることは困難である。対象土の含水比が高く、初期強度を得るための固化材添加量が増加すると、長期強度も増進する傾向にあるからである。
一方、特許文献4では、ポルトランドセメントと半水せっこうとを組合わせた固化材が開示されている。半水せっこうの特徴である速やかな水和の進行を利用することにより、長期材齢においても再掘削が容易な地盤を造成しやすい。また、固化材量が多くなっても初期と長期の強度はほとんど変わらないため、改良地盤の強度を制御しやすいのが特徴である。しかし、せっこう系固化材は、所要強度を得るための固化材所要量がセメント系固化材に比較して多く、粘性土のような含水比が高い土で添加量が特に多く必要となるため、処理コストが高くなるという問題がある。
また、上記のいずれの固化材においても改良地盤の強度は、再掘削を行うことを目的とすることから、一般の改良地盤に比較して小さい。その場合、セメント水和物が十分に生成せず、六価クロムが溶出しやすい傾向にあり、環境への影響も懸念される。セメント系固化材を用いた固化処理土からの六価クロムの溶出抑制方法については、多くの検討がなされており、例えば、特許文献5ではセメントに各種還元剤を添加することで固化処理土からの六価クロムの溶出を低減する方法が開示されている。
特開平10−158049号公報 特開平2−34546号公報 特開平11−35939号公報 特開平8−109377号公報 特開2000−86322号公報
セメント協会:セメント系固化材による地盤改良マニュアル第3版、p48、2005.
かかる状況に鑑み、本発明は、固化材使用初期に所定の固化強度が確保でき、一方長期材齢においては固化強度が増進しない再掘削用固化材を使用する地盤改良方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、早強ポルトランドセメントを10〜40質量%、増量材、例えば炭酸カルシウム、せっこう、石灰石、石炭灰及びフライアッシュから選ばれる1種以上を60〜90質量%、及び還元剤、例えば亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、亜硫酸カルシウム、硫化カルシウム及び硫化ナトリウムから選ばれる1種以上を0.2〜2.0質量%からなる再掘削用固化材を、ポゾラン活性度が5〜40%の対象土1mに50〜200kg添加・混合することにより、初期に所定の強度が得られ、その後の強度増進が小さく、且つ、改良地盤からの六価クロムの溶出も抑制できる地盤改良方法を見出し、本発明を完成した。
本発明の地盤改良方法により、初期材齢で所定の固化強度が得られ、その後の長期材齢での強度増進が小さく、また、改良地盤からの六価クロムの溶出も溶出量基準以下であり、再掘削が容易で、且つ、環境への影響も小さい地盤が得られる。
以下、本発明に関わる地盤改良方法の好適な実施形態について説明する。
本発明の地盤改良方法の再掘削用固化材で用いるポルトランドセメントは、固化処理地盤に強度を付与する効果がある。ポルトランドセメントは、JIS R 5210:2003「ポルトランドセメント」に規定されている普通、中庸熱、早強、低熱及び耐硫酸塩ポルトランドセメント等の種類が挙げられるが、これらのポルトランドセメントのうち、初期強度が大きく、長期強度の増進が比較的小さいという本発明の課題に対応するには、早強ポルトランドセメントの使用が必須である。早強ポルトランドセメントは、初期の強度発現性が良く、初期に所定強度を得るためのセメント量を少量にすることができるため、ポゾラン反応の進行による長期強度の増進を抑えるのに有利である。また、固化処理土からの六価クロムの溶出量は、セメント中のクロム含有量に起因することから、この点でもセメント量が少ないことは有利である。
早強ポルトランドセメントは、10〜40質量%、好ましくは15〜38質量%、特に好ましくは17〜35質量%で使用する。10質量%より少ないと、所定の強度を得るための固化材添加量が大幅に増大し、40質量%より多いと、固化材添加量が、一般的な施工における最低固化材添加量である対象土1m当たり50kgの量を下回るおそれがあるので、好ましくない。
本発明の地盤改良方法の再掘削用固化材で用いる増量材は、炭酸カルシウム、せっこう、石灰石、石炭灰、フライアッシュ等の無機粉末を1種又は2種類以上を混合して使用することができる。
これらの無機粉末のうち、炭酸カルシウムは、ブレーン比表面積が4000cm/g程度の道路用、ブレーン比表面積が7000cm/g程度の排煙脱硫用、ブレーン比表面積が12000cm/g以上で食品添加・化学工業用などの種類が挙げられる。各種炭酸カルシウムのブレーン比表面積の違いによる固化特性への影響は小さいが、コストやハンドリング性の点から、道路用炭酸カルシウムの使用が好適である。炭酸カルシウムは、増量材としての機能のほか、ポルトランドセメントの初期強度の増加効果があるので好ましい。
せっこうとしては、無水せっこう、半水せっこう、2水せっこう等の種類が挙げられるが、本発明では、無水せっこうが好適である。無水せっこうは、ポルトランドセメントの水和物であるエトリンガイトを初期材齢で多く生成するため、含水比の高い土に対しても固化材添加量が少量でよく有利である。
本発明では、無水せっこうをポルトランドセメントと反応する量以上に添加することにより、反応にあずからない部分が増量材として機能させることを意図している。一般に、せっこうを多量に添加すると処理地盤が膨張すると考えられているので、せっこうを増量材として使用した例はない。本発明者らは、処理地盤の膨張はエトリンガイトの生成量に依存するため、せっこうを多量に添加しても、全てが反応してエトリンガイトになるわけではなく、膨張の問題は生じないことを知見した。さらに、せっこうを増量材として用いることは、固化材製造設備の点からも有利である。
石灰石は、各種の粒度調整品が入手可能であるが、そのうち、5mmアンダー品を使用することができる。また、本発明では、石灰石の粒度調製後に発生する通常使用できないとされる石灰石も使用することができる。
これらの増量材は、60〜90質量%、好ましくは62〜80質量%、特に好ましくは65〜70質量%で使用する。60質量%より少ないと、固化材添加量が、一般的な施工における最低固化材添加量である対象土1m当たり50kgの量を下回るおそれがある。また、90質量%より多いと初期で所定強度を得るための固化材添加量が大幅に増大し、好ましくない。
本発明の地盤改良方法の再掘削用固化材で使用する還元剤は、固化処理土からの六価クロムの溶出抑制剤として使用する。既述のとおり、セメント系固化材による固化処理土は、土質性状にもよるが、六価クロムが溶出する場合がある。また、六価クロムは、固化強度が低いほど溶出しやすいことが知られている。本地盤改良方法による固化処理地盤は、一般的な改良地盤に比較して固化強度が低く、六価クロムの溶出のおそれがあるため、その対策として還元剤を使用する。還元剤の使用量は、0.2〜2.0質量%、好ましくは0.3〜1.5質量%、特に好ましくは0.4〜1.0質量%である。
還元剤としては、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、亜硫酸カルシウム、硫化カルシウム、硫化ナトリウム等のうち、1種又は2種以上を使用することができる。このうち、効果、コスト及びハンドリング性の点から、亜硫酸ナトリウムが好ましい。
本発明の固化材は、早強ポルトランドセメントを水硬性材料として使用するが、前述のように、セメントの水和による遊離した水酸化カルシウムにより、土とのポゾラン反応が進行し長期強度が増進する。また、セメント量が多くなるほど遊離水酸化カルシウム量は増加し、ポゾラン反応を促進させる。しかし、土の含水比が高いほど初期に所定強度を得るための固化材添加量が増加し、結果としてポゾラン反応が進行する。このため、本発明の固化材は、全ての土に対して所望の強度特性を得るものではない。そこで、土のポゾラン活性度を指標とした固化材の最適な範囲を規定した点が本発明の第二の特徴である。
ここで、土のポゾラン活性度とは、「近年におけるフライアッシュのポゾラン活性とその迅速定量方法について」:高倉、生野、白方;第43回セメント技術大会講演集、pp212〜217、1989に記載されたフライアッシュのポゾラン活性度の測定方法を土に適用して測定した値である。測定方法は、具体的には以下のとおりである。
対象土を110℃で24時間炉乾燥後に粉砕し、この粉砕した対象土を0.2g、生石灰0.2g及び純水20mlを圧力容器に入れ、充分に振とうした後、120℃に加熱されている乾燥機中で4.5時間放置する。これを室温に冷却した後に内容物を0.2Nの塩酸120mlで圧力容器内を洗浄しながら取出し、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、このろ液中のSi、Al及びFeを原子吸光法により定量し、乾燥土当たりの質量%を求め、これらの合計値(SiO質量%+Al質量%+Fe質量%)を土のポゾラン活性度とする。
本発明では、固化材を、ポゾラン活性度が5〜40%、好ましくは6〜30%、特に好ましくは7〜25%、更に好ましくは7〜10%である対象土1m当たり50〜200kgの範囲で使用する。土のポゾラン活性度が5%未満の場合、初期材齢で所定強度を得るための固化材添加量が、一般の施工における最低固化材添加量の対象土1m当たり50kg以下となり改良地盤が不均一となる可能性がある。また、土のポゾラン活性度が40%を超えると、初期材齢で所定の強度を得るために200kg以上の固化材の添加が必要となり、長期材齢における土と固化材とのポゾラン反応により、長期材齢強度が増進し、再掘削が困難となるおそれがある。
また、本発明では、土のポゾラン活性度が土の自然含水比と相関があることを見出し、土の自然含水比を指標とした固化材の使用範囲を規定した。すなわち、本発明の固化材は、土の自然含水比10〜80%、好ましくは13〜70%、特に好ましくは15〜50%である対象土1m当たり50〜200kg、好ましくは50〜160kg、特に好ましくは50〜80kgの範囲で使用する。土の自然含水比が10%未満の場合、初期材齢で所定強度を得るための固化材添加量が、一般の施工における最低固化材添加量の対象土1m当たり50kg以下となり改良地盤が不均一となる可能性がある。また、土の自然含水比が80%を超えると、初期材齢で所定の強度を得るために200kg以上の固化材の添加が必要となり、長期材齢における土と固化材とのポゾラン反応により、長期材齢強度が増進し、再掘削が困難となるおそれがある。
ここで、土の自然含水比とは、土が自然状態で保持している含水量であり、JIS A 1203:1999「土の含水比試験方法」で測定する。
また、本発明の対象土は、シルト、砂質土及び粘性土から選ばれる1種以上であり、特定の湿潤密度、粒度を有するものが好ましい。
対象土の湿潤密度は1.5〜2.5g/cm、好ましくは1.6〜2.3g/cm、より好ましくは1.6〜2.1g/cmである。ここで湿潤密度とは、土の単位体積当たりの質量であり、JIS A 1225:2000「土の湿潤密度試験方法」で測定する。
対象土の粒度は、礫分、砂分及び細粒分を含む。礫分は、0〜30質量%、好ましくは0.5〜25質量%、より好ましくは0.7〜25質量%である。
砂分は、15〜50質量%、好ましくは15〜45質量%、より好ましくは18〜45質量%である。
細粒分は、20〜85質量%、好ましくは30〜85質量%、より好ましくは35〜82質量%である。
ここで、対象土の粒度は土粒子径の分布状態を質量百分率で表したものであり、JIS A 1204:2000「土の粒度試験方法」で測定する。
上記のような対象土の湿潤密度、粒度の範囲であれば、材齢初期に適度な強度が得られ、その後の強度増進が小さく、再掘削可能である。
本発明の固化材組成物は、長期材齢におけるセメントの水和反応を抑えるため、水和促進剤を混合することができる。水和促進剤としては、例えば、炭酸ナトリウム、硫酸カリウムなどのセメントの一般的な促進剤を使用することができる。
これらの材料は何れも粉末状であることと、固化材がそれら材料の混合物であることから、その調製に当たっては特別な機器、手段を必要とせず、ミキサー等公知の粉体混合用の機器を使った、公知の粉体混合方法が適用できる。
以下では、具体例を示し、本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(1)固化材材料
宇部三菱セメント(株)製の早強ポルトランドセメント、和光純薬(株)製の亜流酸ナトリウム(試薬1級)、宇部マテリアルズ(株)製の道路用炭酸カルシウム又はセントラル硝子(株)製のフッ酸無水せっこうを混合して固化材を調製した。また、宇部三菱セメント(株)製の一般軟弱土用固化材ユースタビラー10(US10)を使用した。
(2)対象土
対象土の性状を表1に示す。
Figure 0005054053
(3)土のポゾラン活性度試験
対象土を110℃で24時間炉乾燥後に粉砕し、この粉砕した対象土を0.2g、生石灰0.2g及び純水20mlを圧力容器に入れ、充分に振とうした後、120℃に加熱されている乾燥機中で4.5時間放置した。これを室温に冷却した後に内容物を0.2Nの塩酸120mlで圧力容器内を洗浄しながら取出し、0.45μmのメンブレンフィルターでろ過し、このろ液中のSi、Al及びFeを原子吸光法により定量し、乾燥土当たりの質量%を求めた。これらの合計値(SiO質量%+Al質量%+Fe質量%)を土のポゾラン活性度とした。
(4)固化試験
表1に示した対象土に、(1)で混合した固化材を添加し、ホバートミキサーで3分間混合した後、砂質土及びシルトではJCAS L−01:2006「セメント系固化材による改良体の強さ試験方法」、また、粘性土(1)及び粘性土(2)では、JGS 0821−2000「安定処理土の締固めをしない供試体作製方法」に準拠してφ5×10cmの円柱供試体を作製した。この供試体をポリラップで密封し、室温20℃、湿度90%で養生し、所定材齢で一軸圧縮強さをJIS A1216「土の一軸圧縮試験方法」に準拠して測定した。ここで、固化処理土の目標強度は、材齢7日では、一般的な路床や仮設改良に必要とされる一軸圧縮強さ300kN/m以上、材齢28〜365日までの長期材齢では、材齢7日強度の1〜1.5倍とした。
通常、固化材配合設計は、室内で土と固化材とを混合して固化処理土を作製して、強度を測定し、所要強度を得るための固化材添加量を決定する。しかし、実際の施工とは混合精度が異なるため、現場/室内強度比0.5を採用して設計することが多い。すなわち、設計強度が300kN/mであれば、600kN/mの強度が得られるような固化材添加量を設定する。その場合、改良地盤は平均的には300kN/mの強度を有する。本発明における長期材齢強度の目標値は、強度が高くなる部分を想定したため、材齢7日の1〜1.5倍とした。
(5)固化処理土からの六価クロム溶出試験
(4)と同様に固化処理土を作製して密封養生した後、材齢7日で環境庁告示46号(平成3年8月23日)に則って溶出試験を行い,六価クロムの定量は振とう後のろ液をジフェニルカルバジド吸光光度法により行った。六価クロム溶出量の目標値は、土壌汚染対策法に定める溶出量基準である0.05mg/L以下とした。
結果を表2に示す。
Figure 0005054053
実施例1、2、4、5及び8に示すように、ポゾラン活性度が5〜40%の範囲内にある砂質土、シルト及び粘性土(1)に早強ポルトランドセメント、炭酸カルシウム及び亜硫酸ナトリウムを本発明の範囲で配合した固化材を土1m当たり50〜200kgで添加した場合、材齢7日で一軸圧縮強さ300kN/mを得ることができ、その後、材齢28〜365日の固化強度は、材齢7日の1.5倍以下であり、且つ、材齢7日における固化処理土からの六価クロムの溶出量は、環境基準値の0.05mg/L以下であった。
また、シルトや粘性土(1)を対象として増量材に無水せっこうを使用した場合(実施例7)は、炭酸カルシウムを増量材として使用した場合(実施例4)と比較して、同一固化材添加量で材齢7日の固化強度が高くなり、長期材齢では、材齢7日に対する強度比は1.5倍以下であることから、固化材添加量の低減が可能であることがわかる。
本発明の範囲を逸脱する固化処理方法及び一般軟弱土用固化材を使用した場合(比較例2,3及び6)、砂質土やシルトでは、材齢7日で300kN/mを得るための固化材添加量が(社)セメント協会推奨(非特許文献1)の最低固化材添加量である土1m当たり50kgに満たなかった。
また、1m当たり50kgの一般軟弱土用固化材を添加すると(比較例4)、材齢7日の一軸圧縮強さが1000kN/m以上となり、この時点で再掘削が困難な強度となった。
さらに、粘性土(1)では、材齢7日で300kN/mを得るための固化材添加量が土1m当たり50kg以上となり(実施例8、9、10及び比較例7)、材齢182日で材齢7日の1.5倍以上の強度となった(比較例7)。
また、亜硫酸ナトリウムの添加量が0.1質量%と少ない固化処理方法では(比較例5)、六価クロムの溶出量が環境基準値である0.05mg/Lを超えた。
ポゾラン活性度が50.77%と高い粘性土(2)の場合(比較例8)、材齢365日で材齢7日の1.5倍以上の強度となった。
表3に、亜硫酸ナトリウムを0〜2.6質量%の範囲で含有する固化材を使用して、処理土の一軸圧縮強さを測定した結果を示す。
Figure 0005054053
本発明の範囲外の還元剤を含有する固化材(比較例9、10)に比較して、本発明の範囲の還元剤を含有する固化材(実施例11、12)は、材齢1日及び7日の処理土の一軸圧縮強さが特に優れることが判明した。即ち、本発明の固化材中の還元剤は、六価クロムの溶出抑制剤の機能だけでなく、固化処理土の硬化促進剤としても機能することが分かった。

Claims (7)

  1. 早強ポルトランドセメント10〜40質量%、増量材60〜90質量%及び還元剤0.2〜2.0質量%を含む再掘削用固化材を、ポゾラン活性度が5〜40%の対象土1m当たり50〜200kg添加し混合する、ことを特徴とする地盤改良方法。
  2. 増量材が、炭酸カルシウム、せっこう、石灰石、石炭灰及びフライアッシュから選ばれる1種以上である、請求項1記載の地盤改良方法。
  3. 還元剤が、亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、硫酸第一鉄、亜硫酸カルシウム、硫化カルシウム及び硫化ナトリウムから選ばれる1種以上である、請求項1又は2記載の地盤改良方法。
  4. 対象土が、シルト、砂質土及び粘性土から選ばれる1種以上である、請求項1〜3の何れか1項記載の地盤改良方法。
  5. 対象土の自然含水比が10〜80%である、請求項1〜4の何れか1項記載の地盤改良方法。
  6. 対象土の湿潤密度が1.5〜2.5g/cmである、請求項1〜5の何れか1項記載の地盤改良方法。
  7. 対象土の粒度が、礫分を0〜30質量%、砂分を15〜50質量%及び細粒分を20〜85質量%含む、請求項1〜6の何れか1項記載の地盤改良方法。
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