JP5053828B2 - 継手構造 - Google Patents

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Description

本発明は、継手構造に関する。
従来から、地表近くの地盤強度が十分でない地盤上に建物や構造物を建設する場合には、建物や構造物の荷重を地中の深い支持層に伝えるため、杭基礎などの深い基礎が用いられている。この杭基礎で使用される杭には例えば鋼管杭などがあり、特に近年では、先端部に例えば螺旋状の翼部を取付けた鋼管杭を回転貫入させながら地中に埋設する工法が環境配慮の観点から注目を集めている。
ところで、地中の深い支持層にまで杭を埋設する場合には、運搬時の制約条件や打ち込みの都合から、作業現場において定尺の杭を接続しながら地中に埋設する必要がある。また上記ケース以外にも、作業現場の環境などに応じて、作業現場における杭の接続が必要とされる場合もある。さらに、構造物の柱・梁等についても、同様に作業現場における柱・梁等の接続が必要とされる場合もある。
そして、これら構造部材の接続方法には、現場溶接による接続方法と機械式継手による接続方法とがあるが、現場溶接による接続方法では、溶接作業に所定の技能資格を有する作業員を配置する必要があるため、コストが高くなってしまうとともに、品質管理試験を含め溶接作業にかなり長い時間を要するため、1日当たりの施工量が低下してしまうという問題がある。このため近年では、機械式継手による接続方法が広く採用されている。
この機械式継手として、例えば特許文献1には、下管の挿口に上管の受口を被せ、下管と上管とを通しボルトおよびナットで固定することで杭を接合する継手構造が提案されている。また、例えば特許文献2には、第1継手部と第2継手部とを締結部材で挟み込み、この締結部材をボルトおよびナットで固定することで杭を結合する継手構造が提案されている。
特開2003−64665号公報 特開2007−205134号公報
しかしながら、特許文献1に開示された継手構造では、通しボルトに第1のナットおよび第2のナットがねじ合わされているため、通しボルトが杭本体の外周面から大きく突出することになる。そのため、杭を地中に回転貫入する際に杭周面の地盤を乱すことになり、周面摩擦力が低下するという問題がある。さらに、杭周面の地盤の抵抗により、ナットの緩みや通しボルトの変形などが生じ、所要の継手強度が期待できなくなる恐れがある。
また特許文献2に開示された継手構造は、締結部材を緩く仮装着しておいた状態で、第1継手部と第2継手部とを突き合わせ、ボルトを締め付けることによって締結部材が第1突条と第2突条とを挟み込む構造となっている。このとき、ボルトの締め付け力のみで、テーパー形状に形成された締結部材の挟着凹部と、テーパー形状に形成された第1突条および第2突条とが、挟着面の略全体に亘って所要の結合力で当接可能にするために必要な部材の加工精度・取付精度が確保できるかという問題がある。さらに、ボルト長としては、突条の突出幅に相当する長さ分を長くする必要があり、その分だけ下側杭材の外周面から突出することになるので、杭を地中へ回転貫入する際にナットが緩み、所要の継手強度が期待できなくなる恐れがある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、杭などの構造部材の接続作業を安全かつ容易に行うことができるとともに、継手に作用する荷重を確実に伝達することができる十分な強度を有する継手構造を提供することにある。
(1)本発明は、第1の構造部材と第2の構造部材とを接続するための継手構造であって、
前記第1の構造部材の一端側に一端が固定される第1の接続部材と、
前記第2の構造部材の一端側に一端が固定されるとともに、他端の開口部から前記第1の接続部材が挿入される筒状の第2の接続部材と、
前記第1の接続部材の側面部外周面に形成されたキー嵌合凹部と、
前記第2の接続部材の側面部であって、前記キー嵌合凹部に対応する位置に形成されたキー嵌合孔と、
前記第1の接続部材が前記第2の接続部材へ挿入され、かつ前記キー嵌合凹部と前記キー嵌合孔とが合致した状態において、前記キー嵌合凹部と前記キー嵌合孔からなるキー嵌め込み部に嵌め込むことで、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材とを固定するキー部材とを備え、
前記第2の接続部材は、一端の開口部から前記第2の構造部材の一端が挿入された状態で前記第2の構造部材の一端側に一端が固定され、
前記第1の接続部材は、他端が前記第2の構造部材の一端と当接するまで、前記第2の接続部材へ挿入され、
前記第1の接続部材の他端と前記第2の構造部材の一端とが当接した状態では、前記キー嵌合凹部と前記キー嵌合孔との位置が軸方向において一致することを特徴とする。
本発明によれば、第1の接続部材が第2の接続部材へ挿入された状態で第1の接続部材と第2の接続部材とが固定されるため、二重管構造の継手となり、杭などの構造部材に対し十分な曲げ強度を保証することができる。また本発明によれば、キー嵌合凹部とキー嵌合孔からなるキー嵌め込み部にキー部材を嵌め込むことで、第1の接続部材と第2の接続部材とが固定されるため、キー部材が、構造部材の貫入時および引き抜き時に働くトルクに対し十分なねじり強度を保証することができるとともに、圧縮や引張りに対しても十分に抵抗することができる。さらに本発明によれば、キー嵌合凹部とキー嵌合孔からなるキー嵌め込み部にキー部材を嵌め込むという簡易な作業で、第1の接続部材と第2の接続部材とを固定できるため、杭などの構造部材の接続に要する施工時間を短縮することができる。
た本発明の継手構造では、前記第2の接続部材は、一端の開口部から前記第2の構造部材の一端が挿入された状態で前記第2の構造部材の一端側に一端が固定され、前記第1の接続部材は、他端が前記第2の構造部材の一端と当接するまで、前記第2の接続部材へ挿入され、前記第1の接続部材の他端と前記第2の構造部材の一端とが当接した状態では、前記キー嵌合凹部と前記キー嵌合孔との位置が軸方向において一致するようにしているため、キー部材に加え、第1の接続部材も圧縮に対して抵抗するため、継手全体の強度を向上させることができる。また、第1の接続部材の他端と第2の構造部材の一端とが当接した状態では、キー嵌合凹部とキー嵌合孔との位置が軸方向において一致するため、キー嵌合凹部とキー嵌合孔とを合致させる作業が容易となり、杭などの構造部材の接続に要する施工時間を更に短縮することができる。
)また本発明の継手構造では、前記第2の接続部材の側面部外周面に取り付けられる第3の接続部材を更に備え、前記キー部材は、ボルトの頭部が前記第3の接続部材に形成された第1のボルト貫通孔の内部に位置する状態で、前記キー部材に形成された第2のボルト貫通孔を介して、前記キー嵌合凹部の底部に形成されたネジ孔にボルトで固定され、前記第3の接続部材は、前記ボルトの頭部を前記第1のボルト貫通孔の内側に係止することで、前記第2の接続部材の側面部外周面に取り付けられるようにしてもよい。
このようにすると、キー嵌め込み部からのキー部材の脱落を防ぐことができる。特にボルトの頭部が第3の接続部材に形成された第1のボルト貫通孔の内部に位置する状態で、キー部材に形成された第2のボルト貫通孔を介して、キー嵌合凹部の底部に形成されたネジ孔にボルトで固定されるため、杭などの構造部材を地中に埋設する際に、ボルトの頭部に石などがぶつかり、ボルトが緩んでしまうという事態の発生も防止することができる。さらに、第3の接続部材によってボルトの頭部をガードすることができるため、キー部材に形成される第2のボルト貫通孔の径を小さくすることが可能となり、キー部材の寸法を小さくすることができる。このため、第1の接続部材に形成されるキー嵌合凹部や第2の接続部材に形成されるキー嵌合孔などの断面欠損を小さくすることができ、第1の接続部材や第2の接続部材の強度の低下を防止することができる。
以下、本発明の実施の形態(本実施形態)について説明する。なお、以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1.第1実施形態
1−1.継手の構成
図1は、本実施形態の継手10により第1の鋼管杭20(第1の構造部材の一例)と第2の鋼管杭30(第2の構造部材の一例)とを接続した状態を模式的に示す斜視図であり、図2は、図1のII−II断面の断面図であり、図3は、図2のIII−III断面の断面図である。但し、図1、図2では、第1の鋼管杭20の下端と第2の鋼管杭30の上端との図示を省略している。
本実施形態の継手10は鋼製の継手であり、図1〜図3に示すように、第1の接続部材40と、第2の接続部材50と、キー部材60と、第3の接続部材70と、ボルト80とから構成されている。
本実施形態の継手10は、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続するものであり、具体的には、地中に埋設された第1の鋼管杭20の上端に固定された第1の接続部材40と、第2の鋼管杭30の下端に固定された第2の接続部材50とを、キー部材60等を用いて固定することで、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続するものである。そして、接続された第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを更に地中に埋設し、上端に第1の接続部材40が固定された第2の鋼管杭30にも同様の作業を行う。この作業を繰り返し行うことによって長尺の鋼管杭を形成する。
以下では、図4〜図11を参照しながら、本実施形態の継手10の組み立て過程を説明するとともに、本実施形態の継手10を構成する各部材について詳細に説明する。
図4は、第1の接続部材40と第2の接続部材50との構造を模式的に示す斜視図であり、図5は、図4のV−V断面の断面図である。但し図4〜図5では、第1の鋼管杭20の下端と第2の鋼管杭30の上端との図示を省略している。
第1の接続部材40は、図4および図5に示すように、円筒形状に形成されている。また、第1の接続部材40の側面部43の外周面には、第1の接続部材40の径方向に互いに直交する2方向の各対向する所定位置にキー嵌合凹部41が形成されており、キー嵌合凹部41の底部には、側面部43の内周面に向けて貫通するネジ孔42が形成されている。
また、第1の接続部材40の下端は、溶接部48において第1の鋼管杭20の上端に溶接により固定されている。なお、第1の接続部材40と第1の鋼管杭20との溶接は、予め工場等において行われており、施工現場には、第1の接続部材40と第1の鋼管杭20とが溶接された状態で搬入される。
また、第1の接続部材40の外径は、第1の鋼管杭20や第2の鋼管杭30の外径と等しくなっており、第1の接続部材40の内径は、第1の鋼管杭20や第2の鋼管杭30の内径よりも小さくなっている。つまり、第1の接続部材40は、第1の鋼管杭20の部材厚(t1)や第2の鋼管杭30の部材厚(t2)に比べ、厚肉の部材厚(a)となっている(a>t1、a>t2、t1=t2)。なお、第1の鋼管杭20の部材厚(t1)を第2の鋼管杭30の部材厚(t2)よりも厚肉にしてもよいし(t1>t2)、第2の鋼管杭30の部材厚(t2)を第1の鋼管杭20の部材厚(t1)よりも厚肉にしてもよい(t1<t2)。
このように本実施形態では、第1の接続部材40の部材厚(a)を第1の鋼管杭20の部材厚(t1)や第2の鋼管杭30の部材厚(t2)よりも厚くしているので(詳細には、第1の接続部材40の断面欠損(キー嵌合凹部41)を除く部分の部材厚(a’)を第1の鋼管杭20の部材厚(t1)や第2の鋼管杭30の部材厚(t2)よりも大きくしているので(a’>t1、a’>t2))、第1の接続部材40を鋼管杭本体(例えば、継手10によって接続された第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30)の曲げ強度を上回る部材とすることができる。
第2の接続部材50は、図4および図5に示すように、第2の鋼管杭30や第1の接続部材40に比べ内径および外径が一回り大きい円筒形状に形成されている。具体的には、図5に示すように、第2の接続部材50の内径と、第2の鋼管杭30の外径や第1の接続部材40の外径とが内接するように形成されている。
また第2の接続部材50の側面部54には、第2の接続部材50の径方向に互いに直交する2方向の各対向する所定位置であって、キー嵌合凹部41に対応する各位置にキー嵌合孔53が形成されている。
また第2の接続部材50の上端は、第2の鋼管杭30の下端が第2の接続部材50の上端の開口部52から挿入された状態で、溶接部59において第2の鋼管杭30の下端側に溶接により固定されている。具体的には、図5に示すように、第1の接続部材40の上端から第1の接続部材40に形成されたキー嵌合凹部41までの距離(b)と、第2の鋼管杭30の下端から第2の接続部材50に形成されたキー嵌合孔53までの距離(c)とが等しくなる位置で(b=c)、第2の接続部材50は第2の鋼管杭30に溶接により固定される。なお、第2の接続部材50と第2の鋼管杭30との溶接は、予め工場等において行われており、施工現場には、第2の接続部材50と第2の鋼管杭30とが溶接された状態で搬入される。
また第2の接続部材50の下端の開口部51は、第1の接続部材40の上端の挿入を誘導するガイド部55を有している。ガイド部55の外径は、第2の接続部材50の外径と等しくなっているが、ガイド部55の内径は、下端に向かうにつれて第2の接続部材50の内径よりもゆるやかに大きくなるように(テーパー状に)形成されている。
このように本実施形態では、第2の接続部材50の下端のガイド部55の外径は、第2の接続部材50の外径と等しくなっているが、ガイド部55の内径は、下端に向かうにつれて第2の接続部材50の内径よりもゆるやかに大きくなるように形成されているため、第2の接続部材50の下端の開口部51への第1の接続部材40の挿入を容易に行うことができる。
図6は、第1の接続部材40と第2の接続部材50との接続構造およびキー部材60の構造を模式的に示す斜視図であり、図7は、図6のVII−VII断面の断面図である。但し図6〜図7では、第1の鋼管杭20の下端と第2の鋼管杭30の上端との図示を省略している。
図6および図7に示すように、第1の鋼管杭20は、第1の接続部材40の上端が第2の鋼管杭30の下端と当接するまで、第2の接続部材50内に挿入される。そして、前述したように本実施形態では、第1の接続部材40の上端から第1の接続部材40に形成されたキー嵌合凹部41までの距離(b)と、第2の鋼管杭30の下端から第2の接続部材50に形成されたキー嵌合孔53までの距離(c)とが等しくなる位置で(b=c)、第2の接続部材50は第2の鋼管杭30に溶接により固定されているため、第1の接続部材40の上端と第2の鋼管杭30の下端とが当接した状態では、キー嵌合凹部41とキー嵌合孔53との位置が継手10の軸方向において一致することになる。
なお施工現場では、第1の鋼管杭20は地中に埋設され、第2の鋼管杭30は杭打ち機等によって回転可能な状態で吊持されているため、第1の接続部材40の上端と第2の鋼管杭30の下端とが当接した状態において、第2の接続部材50が溶接固定された第2の鋼管杭30を回転させることで、キー嵌合凹部41とキー嵌合孔53とを合致させることができる。
このように本実施形態では、第1の接続部材40の上端と第2の鋼管杭30の下端とが当接するため、後述するキー部材60に加え、第1の接続部材40も圧縮に対して抵抗することになり、継手10の全体の強度を向上させることができる。また、第1の接続部材40の上端と第2の鋼管杭30の下端とが当接した状態では、キー嵌合凹部41とキー嵌合孔53との位置が継手10の軸方向において一致することになるため、キー嵌合凹部41とキー嵌合孔53とを合致させる作業が容易となり、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30との接続に要する施工時間を短縮することができる。
さらに、キー嵌合凹部41とキー嵌合孔53とが合致した状態において、キー嵌合凹部41とキー嵌合孔53とからなるキー嵌め込み部65に第2のボルト貫通孔61が形成されたキー部材60が嵌め込まれることによって、第1の接続部材40と第2の接続部材40とが固定される。なお、図6に示すように、キー嵌め込み部65(キー嵌合凹部41、キー嵌合孔53)の寸法(d)は、キー部材60を嵌め込むことができるように、キー部材60の寸法(e)よりも若干大きくなっている(d>e)。
なお本実施形態においては、キー部材60およびキー嵌合凹部41を正方形状に形成した例について説明したが、円形や長方形あるいは任意の形状に形成してもよい。但し、キー部材60およびキー嵌合凹部41の形状は同じ寸法として標準化しておくことが望ましい。
このように本実施形態では、第1の接続部材40が第2の接続部材50へ挿入された状態で第1の接続部材40と第2の接続部材50とが固定されるため、二重管構造の継手となり、第1の鋼管杭20および第2の鋼管杭30に対し十分な曲げ強度を保証することができる。また、キー嵌合凹部41とキー嵌合孔53からなるキー嵌め込み部65にキー部材60を嵌め込むことで、第1の接続部材40と第2の接続部材50とが固定されるため、キー部材60が、第1の鋼管杭20および第2の鋼管杭30の貫入時および引き抜き時に働くトルクに対し十分なねじり強度を保証することができるとともに、圧縮や引張りに対しても十分に抵抗することができる。さらに、キー嵌合凹部41とキー嵌合孔53からなるキー嵌め込み部65にキー部材60を嵌め込むという簡易な作業で、第1の接続部材40と第2の接続部材50とを固定できるため、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30との接続に要する施工時間を短縮することができる。
なお、キー部材60は、第1の接続部材40の断面欠損(キー嵌合凹部41)および第2の接続部材50の断面欠損(キー嵌合孔53)を補うとともに、第2の鋼管杭30を介して第2の接続部材50に作用する力を第1の接続部材40を介して第1の鋼管杭20に伝達する必要がある。従って、キー部材60には、外力が作用した際の変形が小さい部材、即ち、所定のかたさを有する部材(例えば、機械構造用炭素鋼や機械構造用合金鋼など)を使用することが望ましい。
図8は、第1の接続部材40と第2の接続部材50とキー部材60との接続構造および第3の接続部材70の構造を模式的に示す斜視図であり、図9は、図8のIX−IX断面の断面図である。但し図8〜図9では、第1の鋼管杭20の下端と第2の鋼管杭30の上端との図示を省略している。
第3の接続部材70は、図8および図9に示すように、第2の接続部材50に比べ径が一回り大きい円筒形状に形成されている。具体的には、図9に示すように、第3の接続部材70の内径と第2の接続部材50の外径とが内接するように形成されている。
また第3の接続部材70の側面部72には、第3の接続部材70の径方向に互いに直交する2方向の各対向する所定位置であって、キー嵌め込み部65に対応する各位置にボルトの頭部81よりも大径の第1のボルト貫通孔71が形成されている。
図10は、第1の接続部材40と第2の接続部材50とキー部材60と第3の接続部材70との接続構造およびボルト80の構造を模式的に示す斜視図であり、図11は、図10のXI−XI断面の断面図である。但し図10〜図11では、第1の鋼管杭20の下端と第2の鋼管杭30の上端との図示を省略している。
キー部材60は、図10および図11に示すように、ボルト80によって第1の接続部材40のキー嵌合凹部41の底部に形成されたネジ孔42にボルト80で固定される。
キー部材60は、具体的には図2および図3に示すように、ボルトの頭部81が第3の接続部材70に形成された第1のボルト貫通孔71の内部に位置する状態で、キー部材60に形成された第2のボルト貫通孔61を介して、キー嵌合凹部41の底部に形成されたネジ孔42にボルト80で固定される。
なお、第2のボルト貫通孔61は、ボルトの頭部81と係合するボルト係合部62を有しており、ボルト係合部62は、第2のボルト貫通孔61に比べ径が大きくなっている。つまり、キー部材60は、詳細には図2および図3に示すように、ボルトの頭部81が第3の接続部材70に形成された第1のボルト貫通孔71の内部に位置し、かつボルトの頭部81がボルト係合部62と係合した状態で、キー部材60に形成された第2のボルト貫通孔61を介して、キー嵌合凹部41の底部に形成されたネジ孔42にボルト80で固定される。
このように本実施形態では、キー部材60は、キー部材60に形成された第2のボルト貫通孔61を介して、キー嵌合凹部41の底部に形成されたネジ孔42にボルト80で固定されるため、キー嵌め込み部65からのキー部材60の脱落を防ぐことができる。特に本実施形態では、ボルトの頭部81が第3の接続部材70に形成された第1のボルト貫通孔71の内部に位置する状態で、キー部材60に形成された第2のボルト貫通孔61を介して、キー嵌合凹部41の底部に形成されたネジ孔42にボルト80で固定されるため、第1の鋼管杭20および第2の鋼管杭30を地中に埋設する際に、ボルトの頭部81に石などがぶつかり、ボルト80が緩んでしまうという事態の発生も防止することができる。さらに、第3の接続部材70によってボルトの頭部81をガードすることができるため、キー部材60に形成される第2のボルト貫通孔61の径をボルトの頭部81の外径よりも小さくすることが可能となり、キー部材60の寸法を小さくすることができる。このため、第1の接続部材20に形成されるキー嵌合凹部41や第2の接続部材30に形成されるキー嵌合孔53などの断面欠損を小さくすることができ、第1の接続部材20や第2の接続部材30の強度の低下を防止することができる。
第3の接続部材70は、図10および図11に示すように、ボルト80によって第2の接続部材50の側面部54の外周面に取り付けられる。
第3の接続部材70は、具体的には図2および図3に示すように、ボルトの頭部81を第1のボルト貫通孔71の内側に係止することで、第2の接続部材50の側面部54の外周面に取り付けられる。このため第3の接続部材70は、キー嵌め込み部65からのキー部材60の脱落を防止する機能を有する。
本実施形態の継手10は、以上のような構成にしたことにより、鋼管杭などの構造部材の接続作業を容易に行うことができるとともに、継手10に作用する荷重を十分に伝達することができ、かつ継手10に作用する荷重に対して十分な強度を有する。
なお本実施形態では、第1の構造部材、第2の構造部材として、鋼管杭を例にとり説明したが、これに限られず、例えば、既製コンクリート杭や構造物の柱・梁等についても適用することができる。
1−2.鋼管杭の埋設手法
次に、本実施形態の継手10により接続される第1の鋼管杭20および第2の鋼管杭30の埋設手法の一例を図12〜図13を参照しながら説明する。
まず、図12(A)に示すように、下端に切刃21及び螺旋翼22が取付けられ、上端に第1の接続部材40が溶接固定された第1の鋼管杭20を、杭打ち機90に装備されている回転駆動装置91に接続するとともに、振止装置92で埋設位置を制御し、第1の鋼管杭20を鉛直に設定する。
次に、図12(B)に示すように、回転駆動装置91によって第1の鋼管杭20を時計回りに回転させ、回転翼22の推進力で第1の鋼管杭20を地中に貫入する。そして第1の接続部材40の地表面からの高さが、所定の高さとなるまで第1の鋼管杭20を埋設する。「所定の高さ」とは、作業員による第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30との接続作業に適した高さであり、例えば、地表面からの高さが1メートル前後となる高さが該当する。なお、第1の鋼管杭20を反時計回りに回転させることで、第1の鋼管杭20を地中に貫入するようにしてもよい。
次に、第1の鋼管杭20と回転駆動装置91との接続を解除し、下端に第2の接続部材50が溶接固定され、上端に第1の接続部材40が溶接固定された第2の鋼管杭30を、杭打ち機90によってつり込む。そして、図13(A)に示すように、第2の鋼管杭30を回転駆動装置91に接続するとともに、第2の鋼管杭30の下端に溶接固定された第2の接続部材50と第1の鋼管杭20の上端に溶接固定された第1の接続部材40とをキー部材60等によって固定することで、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続する。
なお本実施形態では、第2の鋼管杭30の上端が回転駆動装置91に接続されているため、第1の鋼管杭20の上端に溶接固定された第1の接続部材40を第2の鋼管杭30の下端に溶接固定された第2の接続部材50の下端から挿入した後に、第2の鋼管杭30の上端から第3の接続部材70をスライドさせて第2の接続部材50の側面部54の外周面に取り付けることはできない。
従って本実施形態では、第2の鋼管杭30に第3の接続部材70を一時的に取り付けた状態で、第1の鋼管杭20の上端に溶接固定された第1の接続部材40を第2の鋼管杭30の下端に溶接固定された第2の接続部材50の下端から挿入し、挿入後に、第3の接続部材70をスライドさせて第2の接続部材50の側面部54の外周面に取り付ける手法を採用することが好ましい。
次に、図13(B)に示すように、回転駆動装置91によって第1の鋼管杭20および第2の鋼管杭30を時計回りに回転させ、回転翼22の推進力で第1の鋼管杭20および第2の鋼管杭30を地中に貫入する。そして第1の接続部材40の地表面からの高さが、所定の高さとなるまで第2の鋼管杭30を埋設する。なお、回転駆動装置91によって第2の鋼管杭30に伝達される時計回りの回転力(トルク)は、第2の接続部材50、キー部材60、第1の接続部材40を介して、第1の鋼管杭20に伝達される。そして、所定長の鋼管杭が打ち止め層に到達するまで、この手順を繰り返し行う。
なお、第1の鋼管杭20や第2の鋼管杭30を撤去する場合には、回転駆動装置91によって第1の鋼管杭20および第2の鋼管杭30を反時計回りに回転させることで、これらの鋼管杭を引き抜く。そして、時計回りの回転力(トルク)と同様に、回転駆動装置91によって第2の鋼管杭30に伝達される反時計回りの回転力(トルク)についても第2の接続部材50、キー部材60、第1の接続部材40を介して、第1の鋼管杭20に伝達される。
1−3.荷重の伝達および抵抗
続いて、継手10に作用する荷重の伝達、継手10に作用する荷重に対する抵抗について説明する。
まず、本実施形態の継手10では、第1の鋼管杭20や第2の鋼管杭30からなる鋼管杭本体を地中に貫入する際に第2の鋼管杭30に作用する圧縮力、時計回りの回転力(トルク)、鋼管杭本体を地中から引き抜く際に第2の鋼管杭30に作用する引張り力、反時計回りの回転力(トルク)、第2の鋼管杭30に作用する水平力などの荷重を、第2の接続部材50、キー部材60、第1の接続部材40を介して、第1の鋼管杭20に伝達する。具体的には、第2の鋼管杭30→第2の接続部材50→キー部材60→第1の接続部材40→第1の鋼管杭20の順序でこれらの荷重を伝達する。
そして、本実施形態の継手10では、第1の接続部材40の断面欠損(キー嵌合凹部41)および第2の接続部材50の断面欠損(キー嵌合孔53)を補うキー部材60を、機械構造用炭素鋼や機械構造用合金鋼などの外力に対する変形が小さい高張力の部材を用いて形成しているため、圧縮力、引張り力、トルクなどの荷重に対して十分な強度を有している。従って、これらの荷重を十分に伝達することができる。
また、本実施形態の継手10では、第1の接続部材40の部材厚を第1の鋼管杭20の部材厚や第2の鋼管杭30の部材厚よりも厚くするとともに、第1の接続部材40が第2の接続部材50へ挿入された状態で第1の接続部材40と第2の接続部材50とを固定する二重管構造としているため、第1の鋼管杭20や第2の鋼管杭30からなる鋼管杭本体に対し十分な曲げ強度、せん断強度を有している。
本実施形態の継手10は、以上のような構成にしたことにより、第2の鋼管杭30に作用する荷重を第1の鋼管杭20に十分に伝達することができるとともに、せん断力や曲げモーメント、トルク等の荷重に対しても十分な強度を有することがFEM解析によって確認されている。
2.第2実施形態
第1実施形態では、同径の鋼管杭を接続する継手の構成について説明したが、第2実施形態では、異径の鋼管杭を接続する継手の構成について説明する。なお、上述した第1実施形態と共通の構成については詳細な説明を省略し、主要な相違点を中心に説明する。
2−1.小径の第1の鋼管杭120を接続する継手の構成
図14は、本実施形態の継手100により、第2の鋼管杭30よりも小径の第1の鋼管杭120と第2の鋼管杭30とを接続した状態を示す縦断面図である。但し、図14では、第1の鋼管杭120の下端と第2の鋼管杭30の上端との図示を省略している。
なお、本実施形態の継手100は、鋼製の継手であり、図14に示すように、第1の接続部材140と、第2の接続部材50と、キー部材60と、第3の接続部材70と、ボルト80とから構成されているが、第1の接続部材140以外の部材の構成は第1実施形態と同一の構成であるため詳細な説明を省略し、第1の接続部材140の構成を中心に説明する。
第1の接続部材140は、図14に示すように、円筒形状に形成されており、上端部145と下端部146とが内面において段差を有している。具体的に説明すると、上端部145の外径と下端部146の外径とは等しくなっており、上端部145の内径は下端部146の内径よりも小さくなっている。但し、下端部146の内径の大きさは、第1の鋼管杭120の外形に応じて適宜設定することができるため、必ずしも上端部145の内径よりも小さくする必要はない。
また、第1の接続部材140の上端部145の側面部の外周面には、第1の接続部材140の径方向に互いに直交する2方向の各対向する所定位置にキー嵌合凹部141が形成されており、キー嵌合凹部141の底部には、側面部の内周面に向けて貫通するネジ孔142が形成されている。
また、第1の接続部材140の下端部146は、溶接部148において第1の鋼管杭120の上端側に溶接により固定されている。なお、第1の接続部材140と第1の鋼管杭120との溶接は、予め工場等において行われており、施工現場には、第1の接続部材140と第1の鋼管杭120とが溶接された状態で搬入される。
そして、第1の接続部材140が第2の接続部材50内に挿入された状態においては、第1の接続部材140の外径と第2の接続部材50の内径とが内接し、第1の接続部材140の内径と第1の鋼管杭120の外径とが内接することになる。つまり、第1の接続部材140の下端部146が、第2の接続部材50と第1の鋼管杭120との間に生じる隙間を埋めることになる。
このように本実施形態の継手100では、第1の鋼管杭120が小径であったとしても、第1の接続部材140の下端部146がその差分を吸収することができるため、第2の鋼管杭30よりも小径の第1の鋼管杭120と第2の鋼管杭30とを接続することができ、第1実施形態で説明した内容と同様の作用効果を奏することができる。
2−2.小径の第2の鋼管杭230を接続する継手の構成
図15は、本実施形態の継手200により、第1の鋼管杭20と第1の鋼管杭20よりも小径の第2の鋼管杭230とを接続した状態を示す縦断面図である。但し、図15では、第1の鋼管杭20の下端と第2の鋼管杭230の上端との図示を省略している。
なお、本実施形態の継手200は、鋼製の継手であり、図15に示すように、第1の接続部材40と、第2の接続部材250と、キー部材60と、第3の接続部材70と、ボルト80とから構成されているが、第2の接続部材250以外の部材の構成は第1実施形態と同一の構成であるため詳細な説明を省略し、第2の接続部材250の構成を中心に説明する。
第2の接続部材250は、図15に示すように、円筒形状に形成されており、上端部256と下端部257とが内面において段差を有している。具体的に説明すると、上端部256の外径と下端部257の外径とは等しくなっており、上端部256の内径は下端部257の内径よりも小さくなっている。但し、上端部256の内径の大きさは、第2の鋼管杭230の外形に応じて適宜設定することができる。
第2の接続部材250の下端部257は、図15に示すように、第1の鋼管杭20や第1の接続部材40に比べ径が一回り大きい円筒形状に形成されている。具体的には、第2の接続部材250の下端部257の内径と、第1の鋼管杭20の外径や第1の接続部材40の外径とが内接するように形成されている。
また第2の接続部材250の下端部257の側面部には、第2の接続部材250の径方向に互いに直交する2方向の各対向する所定位置であって、キー嵌合凹部41に対応する各位置にキー嵌合孔253が形成されている。
また第2の接続部材250の下端部257の開口部251は、第1の接続部材40の上端の挿入を誘導するガイド部255を有している。ガイド部255の外径は、第2の接続部材250の下端部257の外径と等しくなっているが、ガイド部255の内径は、下端に向かうにつれて第2の接続部材250の下端部257の内径よりもゆるやかに大きくなるように(テーパー状に)形成されている。
また第2の接続部材250の上端部256は、第2の鋼管杭230の下端が第2の接続部材250の上端の開口部252から挿入された状態で、溶接部259において第2の鋼管杭230の下端側に溶接により固定されている。具体的には、第1実施形態で説明したように、第1の接続部材40の上端から第1の接続部材40に形成されたキー嵌合凹部41までの距離と、第2の鋼管杭230の下端から第2の接続部材250に形成されたキー嵌合孔253までの距離とが等しくなる位置で、第2の接続部材250上端部256は第2の鋼管杭230に溶接により固定される。なお、第2の接続部材250と第2の鋼管杭230との溶接は、予め工場等において行われており、施工現場には、第2の接続部材250と第2の鋼管杭230とが溶接された状態で搬入される。
つまり、第2の接続部材250の上端部256の内径は、第2の鋼管杭230の外径と内接することになり、第2の接続部材250の上端部256が第2の接続部材250の下端部257と第2の鋼管杭230との間に生じる隙間を埋めることになる。
このように本実施形態の継手200では、第2の鋼管杭230が小径であったとしても、第2の接続部材250の上端部256がその差分を吸収することができるため、第1の鋼管杭20と第1の鋼管杭20よりも小径の第2の鋼管杭230とを接続することができ、第1実施形態で説明した内容と同様の作用効果を奏することができる。
3.変形例
本発明は、上述した本実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。なお、上記実施形態や、変形例として後述する各種の構成は、本発明を実現する構成として適宜組み合わせて採用したり、置き換えて採用することができる。
また上記実施形態で説明した構成は、一例を示したに過ぎず、上記実施形態の構成と同様の効果を奏する均等な手法を採用した場合においても本発明の範囲に含めることができる。
図16は、変形実施形態の継手300により、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続した状態を示す縦断面図である。但し、図16では、第1の鋼管杭20の下端と第2の鋼管杭30の上端との図示を省略している。
例えば上述した第1実施形態では、第1の鋼管杭20の上端に固定された第1の接続部材40と、第2の鋼管杭30の下端に固定された第2の接続部材50とを、キー部材60等を用いて固定することで、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続していたが、図16に示す継手300のように、第1の鋼管杭20の上端に固定された第2の接続部材50と、第2の鋼管杭30の下端に固定された第1の接続部材40とを、キー部材60等を用いて固定することで、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続するようにしてもよい。つまり、変形実施形態の継手300は、第1実施形態の継手10の上下を反対にしたものであり、このような使い方もできる。
図17は、変形実施形態の継手400により、第1の構造部材420と第2の構造部材430とを接続した状態を模式的に示す斜視図である。但し、図17では、第1の構造部材420の下端と第2の構造部材430の上端との図示を省略している。
例えば上述した第1実施形態では、円筒形状の第1の鋼管杭20および第2の鋼管杭3を接続するために、円筒形状に形成された継手10を用いていたが、図17に示すように、第1の構造部材420および第2の構造部材430として角型鋼管が用いられる場合には、第1の接続部材440(図示省略)、第2の接続部材450、第3の接続部材470を角筒状に形成した変形実施形態の継手400を用いることができる。
このような角型鋼管を使用する具体例としては、構造物の柱、梁などの構造部材があり、サイズの異なる構造部材であっても、第2実施形態のような継手構造を採用することによって、接続することが可能となる。
図18は、変形実施形態の継手500により、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続した状態を示す縦断面図である。但し、図18では、第1の鋼管杭20の下端と第2の鋼管杭30の上端との図示を省略している。
例えば上述した第1実施形態では、第3の接続部材70を第2の接続部材50の側面部54の外周面に取り付ける構成を採用していたが、図18に示す継手500のように、ボルトの頭部81がキー部材560に形成されたボルト貫通孔561の内部に位置する状態で、キー嵌合凹部41の底部に形成されたネジ孔42にボルト80で固定されるようにすれば、第1実施形態のように、第3の接続部材70を第2の接続部材50の側面部54の外周面に取り付ける構成を採用しなくても、杭などの構造部材を地中に埋設する際に、ボルトの頭部に石などがぶつかり、ボルトが緩んでしまうという事態の発生も防止することができる。
図19は、変形実施形態の継手600により、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続した状態を示す縦断面図である。但し、図19では、第1の鋼管杭20の下端と第2の鋼管杭30の上端との図示を省略している。
例えば上述した第1実施形態では、第1の接続部材40は、円筒形状に形成されていることを例にとり説明したが、図19に示す継手600のように、第1の接続部材640を円柱形状に形成するようにしてもよい。このようにすると、キー嵌合凹部641の底部に形成されたネジ孔642が貫通しなくなるため、継手600によって接続された第1の鋼管杭20および第2の鋼管杭30を地中に埋設する際に、継手600の外部から継手600の内部への地下水の流入を防止でき、第1の鋼管杭20、第2の鋼管杭30および継手600の内面の腐食を防止することができる。なお、第1の鋼管杭20の下端(先端)に閉塞盤を設けることで、第1の鋼管杭20の下端からの地下水の流入も防止することができる。
また、例えば上述した第1実施形態のように、第1の接続部材40が、円筒形状に形成されている場合であっても、キー嵌合凹部41の底部に形成されたネジ孔42をシリコンなどの接着剤によってシールしたり、キー嵌め込み部65にOリングを装着させてキー部材60を嵌め込むことによって、継手10の外部から継手10の内部への地下水の流入を防止でき、第1の鋼管杭20、第2の鋼管杭30および継手10の内面の腐食を防止することができる。
また、例えば上述した第1実施形態では、第1の接続部材40と第1の鋼管杭20とを溶接により固定していたが、第1の接続部材40と第1の鋼管杭20とを一体的に形成するようにしてもよい。第1の接続部材40と第1の鋼管杭20とを一体的に形成する方法としては、厚肉鋼管または無垢の鋼管を切削加工したり、金型により精密鋳造する方法がある。
このようにすると、第1の接続部材40を第1の鋼管杭20に溶接接合する場合の溶接ひずみを解消することができるので、第1の接続部材40への第2の接続部材50の挿入作業が容易となり、施工時間を短縮することができる。
また、例えば上述した第1実施形態では、第1の鋼管杭20の部材厚(t1)と第2の鋼管杭30の部材厚(t2)とを同一の部材厚としていたが(t1=t2)、第1の鋼管杭20の部材厚(t1)と第2の鋼管杭30の部材厚(t2)とは異なる部材厚であってもよい。
また、第1の接続部材40に形成されるキー嵌合凹部41および第2の接続部材50に形成されるキー嵌合孔53の数は、第1の接続部材40および第2の接続部材50の部材厚や、大きさ等に応じて適宜設定することができる。
継手10により第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続した状態を模式的に示す斜視図。 図1のII−II断面の断面図。 図2のIII−III断面の断面図。 第1の接続部材40と第2の接続部材50との構造を模式的に示す斜視図。 図4のV−V断面の断面図。 第1の接続部材40と第2の接続部材50との接続構造およびキー部材60の構造を模式的に示す斜視図。 図6のVII−VII断面の断面図。 第1の接続部材40と第2の接続部材50とキー部材60との接続構造および第3の接続部材70の構造を模式的に示す斜視図。 図8のIX−IX断面の断面図。 第1の接続部材40と第2の接続部材50とキー部材60と第3の接続部材70との接続構造およびボルト80の構造を模式的に示す斜視図。 図10のXI−XI断面の断面図。 第1の鋼管杭20および第3の鋼管杭30の埋設手法の説明図。 第1の鋼管杭20および第3の鋼管杭30の埋設手法の説明図。 継手100により、第2の鋼管杭30よりも小径の第1の鋼管杭120と第2の鋼管杭30とを接続した状態を示す縦断面図。 継手200により、第1の鋼管杭20と第1の鋼管杭20よりも小径の第2の鋼管杭230とを接続した状態を示す縦断面図。 継手300により、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続した状態を示す縦断面図。 継手400により、第1の鋼管杭420と第2の鋼管杭430とを接続した状態を模式的に示す斜視図。 継手500により、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続した状態を示す縦断面図。 継手600により、第1の鋼管杭20と第2の鋼管杭30とを接続した状態を示す縦断面図。
符号の説明
10、100、200、300、400、500、600 継手、
20、120、420 第1の鋼管杭、
21 切刃、
22 螺旋翼、
30、230、430 第2の鋼管杭、
40、140、640 第1の接続部材、
41、141、641 キー嵌合凹部、
42、142、642 ネジ孔、
43 側面部、
145 上端部、
146 下端部、
48、148、648 溶接部、
50、250、450 第2の接続部材、
51〜52、251〜252 開口部、
53、253 キー嵌合孔、
54 側面部、
55、255 ガイド部、
256 上端部、
257 下端部、
59、259 溶接部、
60、560 キー部材、
61、561 ボルト貫通孔(第2のボルト貫通孔)、
62、562 ボルト係合部、
65、565 キー嵌め込み部、
70、470 第3の接続部材、
71 第1のボルト貫通孔、
72 側面部、
80、480 ボルト、
81 ボルト頭部、
90 杭打ち機、
91 回転駆動装置、
92 振止装置

Claims (2)

  1. 第1の構造部材と第2の構造部材とを接続するための継手構造であって、
    前記第1の構造部材の一端側に一端が固定される第1の接続部材と、
    前記第2の構造部材の一端側に一端が固定されるとともに、他端の開口部から前記第1の接続部材が挿入される筒状の第2の接続部材と、
    前記第1の接続部材の側面部外周面に形成されたキー嵌合凹部と、
    前記第2の接続部材の側面部であって、前記キー嵌合凹部に対応する位置に形成されたキー嵌合孔と、
    前記第1の接続部材が前記第2の接続部材へ挿入され、かつ前記キー嵌合凹部と前記キー嵌合孔とが合致した状態において、前記キー嵌合凹部と前記キー嵌合孔からなるキー嵌め込み部に嵌め込むことで、前記第1の接続部材と前記第2の接続部材とを固定するキー部材とを備え、
    前記第2の接続部材は、一端の開口部から前記第2の構造部材の一端が挿入された状態で前記第2の構造部材の一端側に一端が固定され、
    前記第1の接続部材は、他端が前記第2の構造部材の一端と当接するまで、前記第2の接続部材へ挿入され、
    前記第1の接続部材の他端と前記第2の構造部材の一端とが当接した状態では、前記キー嵌合凹部と前記キー嵌合孔との位置が軸方向において一致することを特徴とする継手構造。
  2. 請求項1おいて、
    前記第2の接続部材の側面部外周面に取り付けられる第3の接続部材を更に備え、
    前記キー部材は、ボルトの頭部が前記第3の接続部材に形成された第1のボルト貫通孔の内部に位置する状態で、前記キー部材に形成された第2のボルト貫通孔を介して、前記キー嵌合凹部の底部に形成されたネジ孔にボルトで固定され、
    前記第3の接続部材は、前記ボルトの頭部を前記第1のボルト貫通孔の内側に係止することで、前記第2の接続部材の側面部外周面に取り付けられることを特徴とする継手構造。
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