JP5053520B2 - エアバッグ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、自動車の乗員の下肢部に対向して展開するエアバッグに関する。
従来、自動車の座席に着座した乗員の膝部などに対向してエアバッグを展開する膝保護用エアバッグ装置であるいわゆるニーエアバッグ装置が知られている。このニーエアバッグ装置は、例えば、インストルメントパネルの、運転席前方のステアリングホイールの下方、あるいは、助手席前方のグローブボックスの下方などに配置され、制御装置が車両の前方衝突などの衝撃を検出した際に、折り畳んで収納したエアバッグをインストルメントパネルと乗員の膝部との間に展開し、乗員の膝部などを拘束して保護するようになっている(例えば、特許文献1参照。)。そして、このエアバッグは、1枚の織布を折り返し、周縁部を縫合して袋状とするとともに、エアバッグの内側に複数枚の帯状のテザーを縫着し、エアバッグが展開した際の厚さ寸法を規制している。
特開2003−205816号公報 (第4−5頁、図5−図6)
上記従来の構成では、テザーにより展開時の厚さ寸法は規制されるものの、エアバッグの内側は一個の気室となるため、展開したエアバッグに膝部が強い力で当接すると、膝部が底付き、すなわちインストルメントパネルに当接する可能性がある。そこで、エアバッグの体積を大きくすることが考えられるが、エアバッグの取付位置やエアバッグの展開時における座席や内装部材などのレイアウトにより、エアバッグの大型化は制約を受ける場合があるとともに、エアバッグが大型化すると、エアバッグにガスを供給するインフレータの出力を大きくする必要があり、装置が大型化するとともに製造コストが上昇する問題を有している。
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、乗員を効果的に保護できるエアバッグを提供することを目的とする。
請求項1記載のエアバッグは、前部基布部及び後部基布部を備え袋状の外殻を構成し内部を気室とするエアバッグ本体部を有し、ガスを供給され取付面部と着席した乗員の下肢部との間に展開するエアバッグであって、乗員の膝部に対向して展開し乗員の膝部を拘束する上部保護部と、この上部保護部の下側に位置して展開し乗員の足首側を拘束する下部保護部と、これら上部保護部と下部保護部との間に位置して乗員のすね部に対向しこれら上部保護部及び下部保護部よりも展開時の体積が小さい中間保護部と、前記気室の幅方向の全長を区画する長さ寸法を有する帯状の基布で構成され、長手方向に沿った両側縁が前記前部基布部及び前記後部基布部に略気密に縫い合わせて接合されるとともに長手方向の両端部が前記エアバッグ本体部の両側部略気密に縫い合わせて接合され、前記中間保護部と前記上部保護部との間及び前記中間保護部と前記下部保護部との間を前記エアバッグの全幅にわたり区画する第1の隔壁及び第2の隔壁である隔壁部と、これら第1の隔壁及び第2の隔壁に設けられ、前記ガスが挿通可能な孔状の通気部とを備え、供給されるガスは、前記下部保護部から前記中間保護部を介して前記上部保護部に供給され、前記保護部は前記通気部のみで連通され、かつ前記第1の隔壁の通気部と前記第2の隔壁の通気部とはガスの流通方向に対して位置がずれるように配置され、ガスが供給され下側から上側に前記下部保護部、前記中間保護部、前記上部保護部の順で順次展開するものである。
そして、この構成では、エアバッグが展開した状態で、上部保護部により着席した乗員の膝部を拘束し、乗員の移動を抑制するとともに、下部保護部により、乗員が上部保護部の下側に潜り込むように移動することが防止される。上部保護部には、慣性による乗員の荷重の多くが加わるが、エアバッグの内側は隔壁部により全幅にわたって区画され、通気部のみで連通するため、各保護部が順次確実に展開するとともに、保護部同士の間でのガスの流通が規制されるため、上部保護部の過度に早い収縮が抑制され、乗員が安定して支持される。このため、エアバッグの体積を必要以上に大きくする必要がなく、製造コストが低減される。そして、エアバッグは、上部保護部と下部保護部との間に位置しこれら上部保護部及び下部保護部よりも展開時の体積が小さい中間保護部と、前記中間保護部と前記上部保護部との間及び前記中間保護部と前記下部保護部との間を区画する隔壁部とを備えており、上部保護部及び下部保護部よりも展開時の体積が小さい中間保護部を設けたため、乗員のすね部に対する圧迫が容易に抑制される。さらに、供給されるガスは、下部保護部から中間保護部を介して上部保護部に供給されるため、上部保護部に対して大きな体積が必要となる下部保護部を迅速に展開させることが可能になる。また、上部保護部をガスを供給する部材側に連結する必要がなく、乗員の動きに追随して上部保護部を移動可能とすることが可能になる。さらに、第1の隔壁の流通部と、第2の隔壁の流通部とは、直線上に連通しないため、エアバッグの展開時には、供給されたガスが下側から上側に各保護部を充満させつつ供給され、エアバッグを安定して展開させることができる。
そして、このエアバッグと、このエアバッグにガスを供給するインフレータとを具備し、取付面部は、車体のインストルメントパネルを構成すると、車体のインストルメントパネルと着座した乗員との間の小さい空間に展開して着座した乗員を効果的に保護できるエアバッグ装置が提供される。
本発明によれば、エアバッグが展開した状態で、上部保護部により着席した乗員の膝部を拘束し、乗員の移動を抑制できるとともに、下部保護部により、乗員が上部保護部の下側に潜り込むように移動することを防止できる。エアバッグの内側は隔壁部により全幅にわたって区画され、通気部のみで連通するため、各保護部を順次確実に展開できるとともに、上部保護部の過度に早い収縮が抑制され、乗員を安定して支持できる。このため、エアバッグの体積を必要以上に大きくする必要がなく、製造コストを低減できる。そして、エアバッグは、上部保護部と下部保護部との間に位置しこれら上部保護部及び下部保護部よりも展開時の体積が小さい中間保護部と、前記中間保護部と前記上部保護部との間及び前記中間保護部と前記下部保護部との間を区画する隔壁部とを備えており、上部保護部及び下部保護部よりも展開時の体積が小さい中間保護部を設けたため、乗員のすね部に対する圧迫が容易に抑制できる。さらに、供給されるガスは、下部保護部から中間保護部を介して上部保護部に供給されるため、上部保護部に対して大きな体積が必要となる下部保護部を迅速に展開できる。また、上部保護部をガスを供給する部材側に連結する必要がなく、乗員の動きに追随して上部保護部を移動可能にできる。さらに、第1の隔壁の流通部と、第2の隔壁の流通部とは、直線上に連通しないため、エアバッグの展開時には、供給されたガスが下側から上側に各保護部を充満させつつ供給され、エアバッグを安定して展開させることができる。
以下、本発明のエアバッグの一実施の形態を図面を参照して説明する。
図1ないし図3において、1はエアバッグで、このエアバッグ1を備えたエアバッグ装置2は、図1に示すように、被取付部材としての車両である自動車の車体の車室4に面した取付面部としてのパネル5に配置されている。そして、このエアバッグ装置2は、ニーエアバッグ装置とも呼ばれるもので、前面衝突などの衝撃を受けた際に、図1にダミーで示す乗員Aの足元すなわち下肢部A1に対向して展開し、乗員Aの下肢部A1を拘束して乗員Aを保護するようになっている。なお、以下、前後方向などの方向は、車体の直進方向を基準とし、すなわち、反乗員方向としての前方F、この前方Fの反対側であり乗員方向である後方B、上方U、下方D、及び、幅方向Wとして説明する。
そして、この車体は、車室4内に乗員Aが着座可能な両側一対の座席6を備えているとともに、これら座席6の前方Fには、フロントガラスとインストルメントパネル12とが配置されている。さらに、このインストルメントパネル12の下方Dの下部あるいは中段部には、インストルメントパネル12を構成するダッシュパネルなどとも呼ばれるパネル5が配置され、このパネル5に、各座席6に対向して、エアバッグ装置2が取り付けられている。また、図示しない一方の座席は、運転席であり、インストルメントパネル12とパネル5との間には、ステアリングホイールが配置されている。また他方の座席6は、助手席であり、インストルメントパネル12とパネル5との間には、グローブボックスなどが配置されている。なお、上記のエアバッグ装置2の他に、この車室4には、ステアリングホイール、インストルメントパネル12、座席6の側部、ルーフサイドレールなどに、図示しないエアバッグ装置が備えられている。
そして、エアバッグ装置2は、取付手段であるケース体21と、このケース体21に取り付けられるインフレータ22、リテーナ24、エアバッグ1、及びカバー体26などを備えている。そして、ケース体21は、ハウジングなどとも呼ばれるもので、後面を開口部とした略箱状をなす本体部を備えている。また、この本体部には、車体に固定されるブラケットが取り付けられているとともに、上下の面には、複数の取付片部が設けられている。また、インフレータは、略円柱状をなし、一端部近傍にガス噴射部が設けられているとともに、他端部に接続部が設けられている。そして、このインフレータ22は、接続部に接続されるハーネスを介して制御装置に接続され、このハーネスを介して制御装置から供給される起動信号に基づき、ガス噴射部からガスを噴射する。また、リテーナ24は、略円筒状をなすリテーナ本体と、このリテーナ本体に溶接などして固定された一対の取付ボルトとを備えており、これら取付ボルトに螺合するナットにより、リテーナ24がケース体21に取り付けられている。また、リテーナ本体には、ガスが通過するガス通孔が形成されている。さらに、カバー体26は、リッドなどとも呼ばれるもので、例えば合成樹脂にて一体に形成され、表板部と、この表板部の裏面側すなわち前面側から前側に突設された取付板部とを備えている。そして、表板部には、他の部分より脆弱な破断部であるテアラインが例えば略H字状などに形成されている。また、取付板部は角筒状をなすとともに、上下の面には、取付片部に対応して、角孔状の取付受部が複数形成されている。そこで、取付板部をケース体21の本体部の外側に嵌合し、取付片部を取付受部に係合した状態で、表板部が開口部を覆うようにして、ケース体21にカバー体26が取り付けられている。
また、エアバッグ1は、1枚の基布を縫い合わせあるいは複数枚の基布を縫い合わせて袋状に形成され、所定の形状に折り畳まれてケース体21に収納されている。そして、本実施の形態では、エアバッグ1は、袋状の外殻を構成するエアバッグ本体部30と、このエアバッグ本体部30の内側に配置される隔壁部としての第1の隔壁31及び第2の隔壁32と、エアバッグ本体部30の内側に配置される補強布34とを互いに縫い合わせて構成されている。
そして、エアバッグ本体部30は、図2及び図3に示すように、所定の形状に切断した1枚の基布を幅方向Wに沿った折り線36で折り返して前部基布部30a及び後部基布部30bを構成し、これら基布部30a,30bの両側部を側部縫合線37,37で縫い合わせ、上端部となる折り線36と反対側の下端部に開口部38を設け、図3に示すように開口部38近傍を折り返した状態で、内部を気室39とした袋状に構成されている。また、このエアバッグ本体部30は、図2に示すように平面上に広げた状態で、折り線36の近傍に最も幅寸法の大きい部分があり、開口部38に向かって幅寸法が小さくなるように構成されている。
また、第1の隔壁31及び第2の隔壁32は、それぞれ帯状の基布で構成され、第1の隔壁31の折り線36側に第2の隔壁32が配置され、エアバッグ本体部30の内部の気室39を、下部保護部(下側チャンバー)41、中間保護部(中間チャンバー)42、及び上部保護部(上側チャンバー)43の3個の気室に区画するように配置されている。すなわち、第1の隔壁31及び第2の隔壁32は、エアバッグ本体部30少なくとも気室39の幅方向Wの全長を区画する長さ寸法を有し、長手方向に沿った両側縁をそれぞれ縫合線44でエアバッグ本体部30の前後の基布部30a,30bに略気密に縫い合わせて接合されているとともに、長手方向の両端部は側部縫合線37で略気密に縫い合わせて接合されている。また、各隔壁31,32には、それぞれ所定の間隔で、ガスが流通可能な通気部としての流通部45が形成されている。そして、各流通部45は、例えば所定の直径寸法の円孔状で、第1の隔壁31の各流通部45と、第2の隔壁32の各流通部45とは、直線上に連通せず、上下方向すなわち保護部41,42,43の並び方向すなわちガスの流通方向に対して、位置がずれるように互い違いに配置されている。
すなわち、これら隔壁31,32により区画形成された3個の保護部41,42,43については、下部保護部41の上側に中間保護部42が配置され、この中間保護部42の上側に上部保護部43が配置されるとともに、互いに隣接する保護部41,42,43、すなわち、下部保護部41と中間保護部42、及び、中間保護部42と上部保護部43とは、各隔壁31,32で左右方向すなわち幅方向Wの全幅にわたって区画され、流通部45のみで連通するように構成されている。また、展開した状態で、中間保護部42の体積は、他の下部保護部41及び上部保護部43の体積よりも小さくなるように設定されている。また、下部保護部41は、インフレータ22が配置されるガス導入部が設定されている。
さらに、補強布34は、防炎布などとも呼ばれるもので、ガス導入部などについて、エアバッグ本体部30を構成する基布に重ねて縫合されている。また、このガス導入部には、エアバッグ本体部30を構成する基布と防炎布とを貫通して、円孔状の取付孔47a,47bが複数形成されている。そして、上側すなわち開口部38から離間した側の取付孔47aは、前側の基布部30aのみに形成され、下側すなわち開口部38側の取付孔47bは、前後の基布部30a,30bを貫通して形成されている。
次に、このエアバッグ装置2の組み立て工程を説明する。
まず、エアバッグ1、インフレータ22、及びリテーナ24などを組み合わせて、組立体を構成する。この工程は、まず、インフレータ22を取り付けたリテーナ24を、開口部38からエアバッグ1の内側に挿入し、リテーナ24の取付ボルトを取付孔47aから引き出す。そして、エアバッグ1の下端部を折り返しながら、リテーナ24の取付ボルトを取付孔47bから引き出す。次いで、図3に実線で示すようにエアバッグ1を平面状に広げるように形を整えた状態から、ロール状あるいは蛇腹状などに折り、所定の形状に折り畳む。そして、必要に応じてエアバッグ1に図示しないラッピングを被せ、エアバッグ1を所定の形状に折り畳んだ状態で保持し組立体を構成する。
次いで、この組立体を開口部を介してケース体21に挿入し、ケース体21に形成された図示しない取付孔にリテーナ24の取付ボルトを貫通させ、ケース体21の外側から取付ボルトに図示しないナットを螺合して、組立体すなわちエアバッグ1、インフレータ22、及びリテーナ24などをケース体21に固定する。次いで、表板部が開口部すなわちエアバッグ1を覆うようにして、ケース体21にカバー体26を取り付けることにより、エアバッグ装置2が構成される。
そして、ケース体21に設けたブラケットを車体側の部品に連結し、カバー体26の表板部がパネル5と面一になるようにエアバッグ装置2を車体に取り付けるとともに、インフレータ22に接続したハーネスを制御手段に電気的に連結し、エアバッグ装置2が車体に設置される。
次に、このエアバッグ装置2の動作を説明する。
制御装置が自動車の正面衝突などの衝撃を検出すると、この制御装置はハーネスを通じて起動信号である電力を供給し、インフレータ22を作動させる。そして、インフレータ22からエアバッグ1内にガスが供給されると、エアバッグ1は、ケース体21の内側で膨張し、まず、ラッピングを破断し、ついで、カバー体26をテアラインで破断して、エアバッグ1を突出させる。そして、エアバッグ1は、まず、ガスが最初に導入される下部保護部41が膨張展開する。この下部保護部41は、パネル5下方の比較的広い空間に展開し、乗員Aの足首側を拘束し、乗員Aの下方への滑り込みを防止する。次いで、第1の隔壁31の流通部45を介してガスを供給し、中間保護部42を展開させる。次いで、この中間保護部42から、第2の隔壁32の流通部45を介してガスを供給し、上部保護部43を展開させる。そして、この上部保護部43は、慣性で前方Fに移動してくる乗員Aの膝部A2に対向して膨張展開し、乗員Aの膝部A2を拘束して保護するとともに、結果的に乗員Aの腰部の移動を抑制して、乗員Aの車体に対する相対的な移動を効果的に抑制し、パネル5や車室4に進入してくる床面などに直接当接することなどを抑制して保護する。そして、エアバッグ1は、最終的に、図1、あるいは図3に2点鎖線で示す形状に膨張展開する。
このように、本実施の形態によれば、乗員Aの膝部A2を保護可能なエアバッグ装置2について、エアバッグ1の単に幅方向Wの一部のみを縫い合わせるのではなく、エアバッグ1の内側を幅方向Wの全幅にわたる各隔壁31,32により下部保護部41、中間保護部42、及び上部保護部43の3個の保護部41,42,43に区画したため、各隔壁31,32に設けた流通部45のみを介して、インフレータ22から供給したガスが下部保護部41、中間保護部42、上部保護部43の順に充填され、各保護部41,42,43を順次確実に展開させることができる。
そして、下部保護部41は、このエアバッグ装置2が展開して保護する領域のうち、周辺の内装部材とのレイアウトの関係で広い空間に展開するものであるが、エアバッグ1の下側に位置して水平状に設けた下部保護部41にインフレータ22からガスを直接的に供給し、この下部保護部41を第1に展開させることにより、広い空間に迅速確実にエアバッグ1を展開させ、乗員Aの下方への滑り込み、いわゆるサブマリン現象を確実に防止することができる。
また、上部保護部43は、このエアバッグ装置2が展開して保護する領域のうち、周辺の空間が小さい空間に展開するものであるとともに、慣性により乗員Aの体重の多くが膝部からエアバッグ1に加わる場合がある。この点、上部保護部43は、第2の隔壁32により他の保護部41,42と区画され、流通部45のみを介して中間保護部42に連通するため、上部保護部43は力が加わった際にも急速に縮小することが抑制され、乗員Aの特に腰部の前方への移動を規制し、いわゆる底付することなく乗員Aを安定して支持して保護できる。そこで、エアバッグ1の体積を必要以上に大きくする必要がないとともに、インフレータ22の出力も大きくする必要がなく、製造コストを低減できるとともに、エアバッグ装置2を小型化することができる。
さらに、下部保護部41と上部保護部43との間に中間保護部42を設けたため、下部保護部41と上部保護部43とについて好ましい展開挙動を容易に実現できる。すなわち、下部保護部41と上部保護部43とはそれぞれ保護対象が異なり、下部保護部41は広い空間の全体という定位置で展開することが求められ、リテーナ24などにより強固に固定される一方、上部保護部43は、限られた空間に膨張展開して乗員Aの体重を支えるため、若干移動可能とする構成が望ましい。そこで、上部保護部43は、固定された下部保護部41に対して、中間保護部42を介して接続したため、乗員Aから加わる力に応じて上部保護部43がフレキシブルに可撓して移動し、乗員Aを効果的に保護できる。
また、中間保護部42は、膨張時の体積を下部保護部41及び上部保護部43よりも小さく設定したため、上部保護部43が撓んで移動しやすくなるとともに、乗員Aのすね部A3に対する圧力を容易に軽減できる。
また、図2に示すように、第1の隔壁31の各流通部45と、第2の隔壁32の各流通部45とは、直線上に連通せず、いわばガスの流路が互いに違いになるように構成されているため、エアバッグ1の展開時には、インフレータ22から供給されたガスが下側から上側に各保護部41,42,43を充満させつつ供給され、エアバッグを安定して展開させることができる。
また、これら流通部45の形状、大きさなどを調整することにより、エアバッグ1の展開特性を容易に調整することができる。
なお、上記の実施の形態では、2個の隔壁31,32により3個の気室である保護部41,42,43を構成したが、この構成に限られず、3個以上の隔壁を設け、4個以上の複数の保護部を設けることもできる。
本発明は、車両に備えられるエアバッグ及びエアバッグ装置の他、車両以外の移動体に備えることもできる。
本発明のエアバッグ装置の一実施の形態を示すエアバッグの展開時の説明図である。 同上エアバッグを平面上に広げた状態の説明図である。 同上エアバッグ装置の図2のI−I断面相当位置の説明図である。
1 エアバッ
5 取付面部としてのパネ
30 エアバッグ本体部
30a 前部基布部
30b 後部基布部
31 隔壁部としての第1の隔壁
32 隔壁部としての第2の隔壁
39 気室
41 下部保護部
42 中間保護部
43 上部保護部
45 通気部としての流通部
A 乗員
A1 下肢部
A2 膝部

Claims (1)

  1. 前部基布部及び後部基布部を備え袋状の外殻を構成し内部を気室とするエアバッグ本体部を有し、ガスを供給され取付面部と着席した乗員の下肢部との間に展開するエアバッグであって、
    乗員の膝部に対向して展開し乗員の膝部を拘束する上部保護部と、
    この上部保護部の下側に位置して展開し乗員の足首側を拘束する下部保護部と、
    これら上部保護部と下部保護部との間に位置して乗員のすね部に対向しこれら上部保護部及び下部保護部よりも展開時の体積が小さい中間保護部と、
    前記気室の幅方向の全長を区画する長さ寸法を有する帯状の基布で構成され、長手方向に沿った両側縁が前記前部基布部及び前記後部基布部に略気密に縫い合わせて接合されるとともに長手方向の両端部が前記エアバッグ本体部の両側部略気密に縫い合わせて接合され、前記中間保護部と前記上部保護部との間及び前記中間保護部と前記下部保護部との間を前記エアバッグの全幅にわたり区画する第1の隔壁及び第2の隔壁である隔壁部と、
    これら第1の隔壁及び第2の隔壁に設けられ、前記ガスが挿通可能な孔状の通気部とを備え、
    供給されるガスは、前記下部保護部から前記中間保護部を介して前記上部保護部に供給され、
    前記保護部は前記通気部のみで連通され、かつ前記第1の隔壁の通気部と前記第2の隔壁の通気部とはガスの流通方向に対して位置がずれるように配置され
    ガスが供給され下側から上側に前記下部保護部、前記中間保護部、前記上部保護部の順で順次展開する
    ことを特徴とするエアバッグ。
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