JP5053415B2 - 発光装置、照明装置および車両用前照灯 - Google Patents

発光装置、照明装置および車両用前照灯 Download PDF

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Description

本発明は、高輝度光源として機能する発光装置、当該発光装置を備えた照明装置および車両用前照灯に関するものである。
近年、励起光源として発光ダイオード(LED;Light Emitting Diode)や半導体レーザ(LD;Laser Diode)等の半導体発光素子を用い、これらの励起光源から生じた励起光を、蛍光体を含む発光部に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いる発光装置の研究が盛んになってきている。
このような発光装置に関する技術の例として特許文献1および2に開示された灯具がある。これらの灯具では、高輝度光源を実現するために、励起光源として半導体レーザを用いている。半導体レーザから発振されるレーザ光は、コヒーレントな光であるため、指向性が強く、当該レーザ光を励起光として無駄なく集光し、利用することができる。このような半導体レーザを励起光源として用いた発光装置(LD発光装置と称する)を車両用ヘッドランプに好適に適用することができる。
一方、インコヒーレントな白色LED(Light Emitting Diode)を用いて車両用ヘッドランプを実現する技術の例としては、非特許文献1に開示された車両用ヘッドランプがある。
なお、この非特許文献1には、車両用ヘッドランプの発光部から発生する光の配光パターン(配光分布)を、鉛直方向に狭く、水平方向に広くすることが記載されている。
特開2005−150041号公報(2005年6月9日公開) 特開2003−295319号公報(2003年10月15日公開)
佐々木 勝、「白色LEDの自動車照明への応用」、応用物理学会誌、2005年、第74巻、第11号、p.1463―1466
ところが、蛍光体を含む微小な発光部をハイパワーの励起光で励起すると(すなわち高いパワー密度で発光部を励起すると)、発光部が激しく劣化するという問題が生ずることを発明者は見出した。
発光部を劣化させる原因の1つとして、励起光が照射される当該発光部における照射領域とその近傍の領域(昇温領域と称する)とでの温度上昇が挙げられる。この場合、半導体レーザから高出力の励起光(レーザ光)が発光部に照射されると、当該発光部の昇温領域だけが局所的に極めて高温になるため、当該昇温領域が急速に劣化してしまうという問題が生じる。なお、シミュレーションにおいては、この領域に対して放熱処理が行われない場合、昇温領域の温度が、励起光の照射直後から摂氏500度を超えてしまうという結果が出ている。
従って、蛍光体を含む微小な発光部をハイパワーの励起光で励起する構成において、発光部の劣化を防ぎ、明るく長寿命な光源を実現するためには、上記照射領域とその近傍の領域とを含む昇温領域の温度上昇を抑制することが望まれる。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、その目的は、励起光が照射される発光部における昇温領域の温度上昇を抑制することで、長寿命な光源を実現することができる発光装置、当該発光装置を備えた照明装置および車両用前照灯を提供することにある。
本発明に係る発光装置は、上記の問題点を解決するために、励起光を出射する励起光源と、上記励起光源が出射した励起光を受け取る入射端部と当該入射端部から入射した励起光を出射する出射端部とを有する導光部と、上記出射端部から出射された励起光を受けて発光する発光部と、上記励起光が照射される上記発光部における照射領域とその近傍の領域とを含む昇温領域を冷却する冷却部と、を備えることを特徴としている。
上記構成によれば、励起光源が出射した励起光は、導光部の入射端部に入り、導光部の出射端部から出射される。この励起光が発光部に照射されると当該発光部が発光する。出射端部からの励起光が発光部に照射されると、その照射領域とその近傍の領域とを含む領域が昇温される(すなわちこの領域が昇温領域となる)が、冷却部によりこの昇温領域が冷却される。
従って、発光装置は、冷却部を備えているので、励起光が照射される発光部における照射領域とその近傍の領域とを含む昇温領域の温度上昇を抑制することで、長寿命な光源を実現することができる。すなわち、発光装置は、高い信頼性を有する高輝度光源を実現することができる。
さらに、本発明に係る発光装置は、上記冷却部は、上記昇温領域に送風するための風を発生させる送風部と、上記送風部が発生させた風が送入される送入部と、当該送入部から送入された風が送出される送出部とを有する導風部と、を備え、上記送出部は、上記昇温領域の近傍に位置することが好ましい。
上記構成によれば、送風部が発生させた風は、導風部の送入部に入り、昇温領域の近傍に位置する導風部の送出部から送出される。これにより、発光装置は、送風部が発生させた風を昇温領域まで到達させることができるので、当該風によって当該昇温領域を冷却することができる。
さらに、本発明に係る発光装置は、上記発光部は、上記送出部において支持されていることが好ましい。
上記構成によれば、発光装置は、発光部が送出部において支持されるので、導風部を、送風部が発生させた風を昇温領域まで運ぶだけでなく、発光部の支持部材として有効利用することができる。
さらに、本発明に係る発光装置は、上記導光部の出射端部は、上記導風部の内部に挿入されていることが好ましい。
上記構成によれば、導光部の出射端部が導風部の内部に挿入されているため、導光部および導風部を別体に設ける構成に比べ、省スペース化を図ることができる。
また、上記構成によれば、送風部が発生させた風を送出する送出部と、励起光源が出射した励起光を出射する出射端部とを一体に設けた構成である。従って、例えば導風部の長さ、送出部と発光部(励起光が照射される面)との距離、当該発光部(昇温領域)に対する風の入射角度を考慮した導風部の向きなどを考慮した設計を、導光部と導風部とが別体に設けられる場合に比べ簡易に行うことが可能となる。
さらに、本発明に係る発光装置は、上記導風部は、可撓性を有していることが好ましい。
上記構成によれば、導風部は可撓性を有するので、送入部と送出部との位置関係を容易に変更することができ、送風部と発光部との位置関係を容易に変更することができる。したがって、発光装置の設計自由度を高めることができる。
さらに、本発明に係る照明装置は、上記発光装置と、上記発光部から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成する反射鏡とを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、発光部から出射した光は、反射鏡によって反射され、所定の立体角内を進む光線束が形成される。それゆえ、車両用ヘッドランプやサーチライトに適した照明装置を実現できる。
さらに、本発明に係る照明装置は、上記発光装置と、上記発光部から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成する反射鏡と、を備え、上記反射鏡は、上記光線束の進む方向が開口した開口部を有する曲面形状となっており、上記発光装置は、上記反射鏡と、当該反射鏡の開口部を覆う、上記光線束が透過する透明部材とで囲まれた空間に配置されており、上記反射鏡には、上記空間内に滞留した風を放出するための孔部が、少なくとも1つ形成されていることが好ましい。
上記構成によれば、照明装置は、光線束の進む方向が開口した開口部を有する曲面形状の反射鏡と、当該反射鏡を覆う透明部材とで囲まれた空間に配置されている。このため、送風部で発生させた風が導風部の送出部から昇温領域へと送出される場合、その風は、当該昇温領域で温められて上記空間内に滞留することとなり、結果として冷却効果が薄れてしまう可能性がある。
従って、照明装置は、上記空間内に滞留した風を放出するための孔部が、反射鏡に少なくとも1つ形成されていることにより、昇温領域により温められた風を、当該孔部から逃がすことができるので、上記空間内での当該風の滞留を防ぐことができる。これにより、照明装置は、昇温領域における冷却効果を損なう可能性を低減させることができる。
本発明に係る車両用前照灯は、上記発光装置と、上記発光部から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成する反射鏡とを備えることを特徴としている。
上記構成によれば、発光部から出射した光は、反射鏡によって反射され、所定の立体角内を進む光線束が形成される。それゆえ、小型で高輝度かつ長寿命の車両用前照灯を実現できる。
本発明に係る発光装置は、励起光を出射する励起光源と、上記励起光源が出射した励起光を受け取る入射端部と当該入射端部から入射した励起光を出射する出射端部とを有する導光部と、上記出射端部から出射された励起光を受けて発光する発光部と、上記励起光が照射される上記発光部における照射領域とその近傍の領域とを含む昇温領域を冷却する冷却部と、を備える構成である。
それゆえ、本発明に係る発光装置は、励起光が照射される発光部における照射領域の温度上昇を抑制することで、長寿命な光源を実現することができるという効果を奏する。
本発明の一実施形態に係るヘッドランプの構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドランプの出射端部と発光部との位置関係を示す図である。 一定強度の励起光を照射した発光部に用いられる各蛍光体の発光強度に関する温度特性を示す図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドランプの別構成を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係るヘッドランプのさらに別構成を示す断面図である。 (a)は半導体レーザの回路図を模式的に示す図であり、(b)は半導体レーザの基本構造を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係るレーザダウンライトが備える発光ユニットおよび従来のLEDダウンライトの外観を示す概略図である。 上記レーザダウンライトが設置された天井の断面図である。 上記レーザダウンライトの断面図である。 上記レーザダウンライトの設置方法の変更例を示す断面図である。 上記LEDダウンライトが設置された天井の断面図である。 上記レーザダウンライトおよび上記LEDダウンライトのスペックを比較するための図である。
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図6に基づいて説明すれば、以下のとおりである。ここでは、本発明の照明装置の一例として、自動車用のヘッドランプ(車両用前照灯)1を例に挙げて説明する。ただし、本発明の照明装置は、自動車以外の車両・移動物体(例えば、人間・船舶・航空機・潜水艇・ロケットなど)のヘッドランプとして実現されてもよいし、その他の照明装置として実現されてもよい。その他の照明装置として、例えば、サーチライト、プロジェクター、家庭用照明器具を挙げることができる。
ヘッドランプ1は、走行用前照灯(ハイビーム)の配光特性基準を満たしていてもよいし、すれ違い用前照灯(ロービーム)の配光特性基準を満たしていてもよい。
また、以下では、図1に示す光ファイバー5が複数の束(すなわち複数の出射端部5aを備えた構成)であるものとして説明しているが、これに限らず、光ファイバー5が1つのみ(すなわち出射端部5aが1つのみ)からなっていてもよい。
(ヘッドランプ1の構成)
まず、図1を参照しながら、ヘッドランプ1の構成について説明する。図1は、ヘッドランプ1の構成を示す断面図である。同図に示すように、ヘッドランプ1は、半導体レーザアレイ(励起光源)2、非球面レンズ4、光ファイバー(導光部)5、フェルール6、発光部7、反射鏡8、透明板(透明部材)9、ハウジング10、エクステンション11およびレンズ12を備えている。
半導体レーザアレイ2は、励起光を出射する励起光源として機能し、複数の半導体レーザ(半導体レーザ素子)3を基板上に備えるものである。半導体レーザ(励起光源)3のそれぞれからレーザ光が発振される。励起光源として複数の半導体レーザ3を用いる必要は必ずしもなく、半導体レーザ3を1つのみ用いてもよい。しかし、高出力のレーザ光を得るためには、複数の半導体レーザ3を用いることが好ましい。
半導体レーザ3は、1チップに1つの発光点を有するものであり、例えば、405nm(青紫色)のレーザ光を発振し、出力1.0W、動作電圧5V、電流0.6Aのものであり、直径5.6mmのパッケージに封入されているものである。半導体レーザ3が発振するレーザ光は、405nmに限定されず、380nm以上470nm以下の波長範囲にピーク波長を有するレーザ光であればよい。なお、380nmより小さい波長のレーザ光を発振する良質な短波長用の半導体レーザを作製することが可能であれば、本実施の形態の半導体レーザ3として、380nmより小さい波長のレーザ光を発振するように設計された半導体レーザを用いることも可能である。
非球面レンズ4は、半導体レーザ3から発振されたレーザ光(励起光)を、光ファイバー5の一方の端部である入射端部5bに入射させるためのレンズである。例えば、非球面レンズ4として、アルプス電気製のFLKN1 405を用いることができる。上述の機能を有するレンズであれば、非球面レンズ4の形状および材質は特に限定されないが、405nm近傍の透過率が高く、かつ耐熱性のよい材料であることが好ましい。
光ファイバー5は、半導体レーザ3が発振したレーザ光を発光部7へと導く導光部材であり、複数の光ファイバーの束である。この光ファイバー5は、上記レーザ光を受け取る複数の入射端部5bと、入射端部5bから入射したレーザ光を出射する複数の出射端部5aとを有している。複数の出射端部5aは、発光部7のレーザ光照射面(受光面)7a(図2参照)における互いに異なる領域に対してレーザ光を出射する。より詳細には、複数の出射端部5aから出射されるレーザ光がそれぞれ有する光強度分布における最も光強度の大きい部分が、発光部7の互いに異なる部分に対して照射される。
ここで、1つの出射端部5aから出射されたレーザ光は、所定の角度で広がりつつレーザ光照射面7aに到達する。また、複数の出射端部5aからレーザ光が出射されると、レーザ光照射面7aには複数の照射領域が形成される。そのため、複数の光ファイバー5の出射端部5aが、レーザ光照射面7aに対して平行な平面において並んで配置されていたとしても、これら出射端部5aからのレーザ光によって形成される照射領域が、互いに重なることがある。
このような場合でも、出射端部5aから出射されるレーザ光の光強度分布における最も光強度が大きいところ(各レーザ光がレーザ光照射面7aに形成する照射領域の中央部分(最大光強度部分))が、発光部7のレーザ光照射面7aの互いに異なる部分に対して出射されれば、レーザ光照射面7aに対してレーザ光を2次元平面的に分散して照射することができる。
すなわち、複数の出射端部5aのうちの1つから出射されたレーザ光が発光部7に照射されることによって形成される投影像において最も光強度が大きい部分である最大光強度部分の位置が、他の出射端部5aに由来する投影像の最大光強度部分の位置と異なっていればよい。それゆえ、照射領域を互いに完全に分離する必要は必ずしもない。
なお、出射端部5aは、レーザ光照射面7aに接触していてもよいし、僅かに間隔をおいて配置されてもよい。特に、出射端部5aがレーザ光照射面7aと間隔をおいて配置される場合、その間隔は、出射端部5aから出射され円錐状に拡がるレーザ光が、レーザ光照射面7aに全て照射されるように定められることが好ましい。例えばレーザ光照射面7aが楕円である筒状の場合には、円錐状に拡がるレーザ光が、その短軸を超えない距離となるように、出射端部5aと発光部7との位置関係を定めることが好ましい。
光ファイバー5は、中芯のコアを、当該コアよりも屈折率の低いクラッドで覆った2層構造をしている。コアは、レーザ光の吸収損失がほとんどない石英ガラス(酸化ケイ素)を主成分とするものであり、クラッドは、コアよりも屈折率の低い石英ガラスまたは合成樹脂材料を主成分とするものである。例えば、光ファイバー5は、コアの径が200μm、クラッドの径が240μm、開口数NAが0.22の石英製のものであるが、光ファイバー5の構造、太さおよび材質は上述のものに限定されず、光ファイバー5の長軸方向に対して垂直な断面は矩形であってもよい。
また、光ファイバー5は、可撓性を有しているため、出射端部5aのレーザ光照射面7aに対する配置を容易に変えることができる。それゆえ、レーザ光照射面7aの形状に沿って出射端部5aを配置することができ、レーザ光をレーザ光照射面7aの全面にわたってマイルドに照射することができる。
また、光ファイバー5は、可撓性を有しているため、半導体レーザ3と発光部7との相対位置関係を容易に変更できる。また、光ファイバー5の長さを調整することにより、半導体レーザ3を発光部7から離れた位置に設置することができる。
それゆえ、半導体レーザ3を、冷却しやすい位置または交換しやすい位置に設置できるなど、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。すなわち、入射端部5bと出射端部5aとの位置関係を容易に変更することができ、半導体レーザ3と発光部7との位置関係を容易に変更することができるので、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。
なお、導光部材として光ファイバー以外の部材、または光ファイバーと他の部材とを組み合わせたものを用いてもよい。この導光部材は、半導体レーザ3が発振したレーザ光を受け取る少なくとも1つの入射端部と当該入射端部から入射したレーザ光を出射する複数の出射端部とを有するものであればよい。例えば、少なくとも1つの入射端部を有する入射部、および複数の出射端部を有する出射部を光ファイバーとは別の部材として形成し、これら入射部および出射部を光ファイバーの両端部に接続してもよい。
次に、図2を参照しながら、出射端部5aと発光部7との位置関係について説明する。図2は、出射端部5aと発光部7との位置関係を示す図である。同図に示すように、フェルール6は、光ファイバー5の複数の出射端部5aを発光部7のレーザ光照射面7aに対して所定のパターンで保持する。このフェルール6は、出射端部5aを挿入するための孔が所定のパターンで形成されているものでもよいし、上部と下部とに分離できるものであり、上部および下部の接合面にそれぞれ形成された溝によって出射端部5aを挟み込むものでもよい。
このフェルール6は、反射鏡8から延出する棒状または筒状の部材などによって反射鏡8に対して固定されていればよい。フェルール6の材質は、特に限定されず、例えばステンレススチールである。また、1つの発光部7に対して、複数のフェルール6を配置してもよい。なお、図1では、便宜上、出射端部5aを3つ示しているが、出射端部5aの数は3つに限定されない。
発光部7は、出射端部5aから出射されたレーザ光を受けて発光するものであり、レーザ光を受けて発光する蛍光体を含んでいる。具体的には、発光部7は、蛍光体保持物質としてのシリコーン樹脂の内部に蛍光体が分散されているものである。シリコーン樹脂と蛍光体との割合は、10:1程度である。また、発光部7は、蛍光体を押し固めたものであってもよい。蛍光体保持物質は、シリコーン樹脂に限定されず、無機ガラス材料をはじめとするガラス材料であってもよいし、有機・無機ハイブリッド材料であっても良い。
上記蛍光体は、酸窒化物系のものであり、青色、緑色および赤色の蛍光体がシリコーン樹脂に分散されている。半導体レーザ3は、405nm(青紫色)のレーザ光を発振するため、発光部7に当該レーザ光が照射されると白色光が発生する。それゆえ、発光部7は、波長変換材料であるといえる。
なお、半導体レーザ3は、450nm(青色)のレーザ光(または、440nm以上490nm以下の波長範囲にピーク波長を有する、いわゆる「青色」近傍のレーザ光)を発振するものでもよく、この場合には、上記蛍光体は、黄色の蛍光体、または緑色の蛍光体と赤色の蛍光体との混合物である。黄色の蛍光体とは、560nm以上590nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。緑色の蛍光体とは、510nm以上560nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。赤色の蛍光体とは、600nm以上680nm以下の波長範囲にピーク波長を有する光を発する蛍光体である。
上記蛍光体は、サイアロン蛍光体と通称されるものが好ましい。サイアロンとは、窒化ケイ素のシリコン原子の一部がアルミニウム原子に、窒素原子の一部が酸素原子に置換された物質である。サイアロン蛍光体は、窒化ケイ素(Si)にアルミナ(Al)、シリカ(SiO)および希土類元素などを固溶させて作ることができる。
蛍光体の別の好適な例としては、III−V族化合物半導体のナノメータサイズの粒子を用いた半導体ナノ粒子蛍光体を例示することができる。
半導体ナノ粒子蛍光体の特徴の一つは、同一の化合物半導体(例えばインジュウムリン:InP)を用いても、その粒子径をナノメータサイズに変更することにより、量子サイズ効果によって発光色を変化させることができる点である。例えば、InPでは、粒子サイズが3〜4nm程度のときに赤色に発光する(ここで、粒子サイズは透過型電子顕微鏡(TEM)にて評価した)。
また、この半導体ナノ粒子蛍光体は、半導体ベースであるので蛍光寿命が短く、励起光のパワーを素早く蛍光として放射できるのでハイパワーの励起光に対して耐性が強いという特徴もある。これは、この半導体ナノ粒子蛍光体の発光寿命が10ナノ秒程度と、希土類を発光中心とする通常の蛍光体材料に比べて5桁も小さいためである。
さらに、上述したように、発光寿命が短いため、レーザ光の吸収と蛍光体の発光を素早く繰り返すことができる。その結果、強いレーザ光に対して高効率を保つことができ、蛍光体からの発熱を低減させることができる。
よって、発光部7が熱により劣化(変色や変形)するのをより抑制することができる。これにより、光の出力が高い発光素子を光源として用いる場合に、発光装置(基本構造のついては後述)の寿命が短くなるのをより抑制することができる。
発光部7の形状および大きさは、例えば、3mm×1mm×1mmの直方体である。この場合、半導体レーザ3からのレーザ光を受けるレーザ光照射面7aの面積は、3mmである。日本国内で法的に規定されている車両用ヘッドランプの配光パターン(配光分布)は、鉛直方向に狭く、水平方向に広いため、発光部7の形状を、水平方向に対して横長(断面略長方形形状)にすることにより、上記配光パターンを実現しやすくなる。発光部7は、直方体でなくてもよく、レーザ光照射面7aが楕円(長軸が例えば0.1mmから3mm)である筒状であってもよい。また、レーザ光照射面7aは、平面である必要は必ずしもなく、曲面であってもよい。ただし、レーザ光の反射を制御するためには、レーザ光照射面7aは、レーザ光の光軸に対して垂直な平面であることが好ましい。
また、発光部7は、図1に示すように、透明板9の内側(出射端部5aが位置する側)の面において、出射端部5aと対向する位置に固定されている。発光部7の位置の固定方法は、この方法に限定されず、反射鏡8から延出する棒状または筒状の部材によって発光部7の位置を固定してもよい。
反射鏡8は、発光部7から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成するものである。すなわち、反射鏡8は、発光部7からの光を反射することにより、ヘッドランプ1の前方へ進む光線束を形成する。この反射鏡8は、例えば、金属薄膜がその表面に形成された曲面形状(カップ形状)の部材である。
透明板9は、反射鏡8の開口部を覆う透明な樹脂板であり、発光部7を保持している。この透明板9を、半導体レーザ3からのレーザ光を遮断するとともに、発光部7においてレーザ光を変換することにより生成された白色光(インコヒーレントな光)を透過する材質で形成することが好ましく、樹脂板以外に無機ガラス板等も使用できる。発光部7によってコヒーレントなレーザ光は、そのほとんどがインコヒーレントな白色光に変換される。しかし、何らかの原因でレーザ光の一部が変換されない場合も考えられる。このような場合でも、透明板9によってレーザ光を遮断することにより、レーザ光が外部に漏れることを防止できる。なお、このような効果を期待せず、かつ透明板9以外の部材によって発光部7を保持する場合には、透明板9を省略することが可能である。
ハウジング10は、ヘッドランプ1の本体を形成しており、反射鏡8等を収納している。光ファイバー5は、このハウジング10を貫いており、半導体レーザアレイ2は、ハウジング10の外部に設置される。半導体レーザアレイ2は、レーザ光の発振時に発熱するが、ハウジング10の外部に設置することにより半導体レーザアレイ2を効率良く冷却することが可能となる。また、半導体レーザ3は、故障する可能性があるため、交換しやすい位置に設置することが好ましい。これらの点を考慮しなければ、半導体レーザアレイ2をハウジング10の内部に収納してもよい。
エクステンション11は、反射鏡8の前方の側部に設けられており、ヘッドランプ1の内部構造を隠して見栄えを良くするとともに、反射鏡8と車体との一体感を高めている。このエクステンション11も反射鏡8と同様に金属薄膜がその表面に形成された部材である。
レンズ12は、ハウジング10の開口部に設けられている。発光部7が発生し、反射鏡8によって反射された光は、レンズ12を通ってヘッドランプ1の前方へ出射される。
さらに、ヘッドランプ1は、冷却器(冷却部、送風部)20、ノズル(冷却部、導風部)21およびノズル23を備えるとともに、反射鏡8の一部には孔部22が形成されている。上述した半導体レーザアレイ2、光ファイバー5、フェルール6および発光部7に、冷却器20およびノズル21を加えた構成によって発光装置の基本構造が形成されている。また、冷却器20およびノズル21によって冷却部の基本構造が形成されている。
冷却器20は、ハウジング10に収納された、レーザ光が照射される発光部7における照射領域(レーザ光出射面6aに対向するレーザ光照射面7aにおける領域)とその近傍の領域とを含む昇温領域を冷却するものである。冷却器20は、例えば、昇温領域に送風するための風を発生させることにより当該昇温領域を冷却するものであり、一般的な扇風機の構造を有する送風器が挙げられる。この場合、冷却器20は、シャフトと、シャフトに固着された羽根車と、シャフトを回転させるための磁石と、シャフトを駆動するための駆動回路と、を備えており、例えば特開2009−19573号公報に挙げられるような扇風機の構造となっている。なお、シャフト、磁石および駆動回路が、一般的なモーターとしての機能を実現している。
また、冷却器20の別の構成としては、昇温領域を冷却するための冷風を作り出す場合には、例えば一般的なエアーコンディショナーの構造を有する送風器が挙げられる。エアーコンディショナーは、冷媒としての液体(例えばフロンガス)が蒸発するときに気化熱を発生させることを利用して、冷風を発生させるものである。この場合、冷却器20は、例えば蒸発器、送風用ファン、配管、圧縮器、凝縮器、冷却用ファンおよび電磁弁を備えている。
蒸発器は、凝縮器から配管を介して送られるフロンガスを蒸発させるものであり、例えばAlからなるフィンを備えており、フロンガスが蒸発するときに発生する気化熱によって冷やされる。送風用ファンは、例えば上記の扇風機と同様の構造となっており、シャフトに固着された羽根車を回転させることによって発生させた風を蒸発器に送る。これにより、冷却器20は、気化熱によって冷やされた蒸発器周辺の空気を冷風としてノズル21に送ることができる。
配管は、蒸発器と、凝縮器または圧縮器とを結ぶフロンガスが通る管であり、上述のように凝縮器から蒸発器へフロンガスを通すとともに、蒸発器が蒸発させ、気体となったフロンガスを圧縮器へ通すものである。
凝縮器は、圧縮器によって気体であるフロンガスが圧縮され、このとき高温になったフロンガスが送られてくる筐体であり、例えばAlからなるフィンを備えている。高温になったフロンガスは、凝縮器において冷却用ファンにより冷却されると、当該凝縮器から、フロンガスの圧力を調整する電磁弁に送られることにより液体となる。そして、電磁弁により液体となったフロンガスは、配管を通して蒸発器に送られる。
なお、高温のフロンガスが冷却用ファンにより冷却されるため、凝縮器からは温風が放出される。このため、凝縮器の温風が放出される放出領域に、温風をヘッドランプ1の外部に放出するためのノズル(図示せず)が設けられていてもよい。また、凝縮器(またはその放出領域)がヘッドランプ1の外部となるように、冷却器20がヘッドランプ1に設けられる構成であってもよい。
ノズル21は、昇温領域を冷却するものであり、冷却器20が発生させた風(冷風)を当該昇温領域まで送るための管である。ノズル21は、反射鏡8が形成した光線束を透過可能なように、例えば透明性の高い石英を用いて作られた筒状の管である。また、ノズル21は、例えば直径(内径)2mm(0.5〜4mm程度であればよい)である。なお、ノズル21の材質が金属である場合には、昇温領域にて温められた風(空気)を冷却器20側に放熱させることも可能である。
また、ノズル21は、冷却器20が発生させた風を受け取る送入部21bと、送入部21bから送入した風を送出する送出部21aとを有している。図2に示すように、送出部21aは、フェルール6のレーザ光出射面6aと対向するレーザ光照射面7aの昇温領域に、冷却器20からの風が到達するような位置および向き(ノズル21の長軸方向の延長上に昇温領域が存在するような向き)に設置されている。
言い換えれば、ノズル21は、冷却器20が発生させた風が送入される送入部21bと、送入部21bから送入された風が送出される送出部21aとを有するものであり、送出部21aが昇温領域の近傍に位置するように設置されているものである。これにより、ヘッドランプ1は、冷却器20が発生させた風を昇温領域まで到達させることができるので、当該風によって当該昇温領域を冷却することができる。
なお、図2では、ノズル21は、直線形状(棒状)となっているが、これに限らず、光ファイバー5と同様、その形状を変形することが可能な(湾曲可能な)可撓性を有する管であってもよい。
ノズル21が可撓性を有している場合、冷却器20と発光部7との相対位置関係を容易に変更できる。また、ノズル21の長さを調整することにより、冷却器20を発光部7から離れた位置に設置することができる。この場合、図2に示すような、冷却器20がハウジング10に収納される構成に限らず、光ファイバー5と同様、ノズル21がハウジング10を貫くことにより、冷却器20がハウジング10の外部に設置することも可能となる。
それゆえ、冷却器20が故障した場合に修理または交換しやすい位置に設置することができ、ヘッドランプ1の設計自由度を高めることができる。
孔部22は、昇温領域に到達した風(すなわち昇温領域において温められた風(空気))が、反射鏡8および透明板9で囲まれた空間内に滞留するのを防ぐ(すなわち、当該風を当該空間内から逃がす)ために、反射鏡8の一部に少なくとも1つ形成されている。孔部22の大きさは、例えば直径3mm(1〜5mm程度であればよい)であればよい。
言い換えれば、発光部7が、光線束の進む方向が開口した開口部を有する曲面形状である反射鏡8と、反射鏡8の開口部を覆う、光線束が透過する透明板9とで囲まれた空間に配置されており、反射鏡8には、当該空間内に滞留した風を放出するための孔部22が、少なくとも1つ形成されているといえる。これにより、昇温領域により温められた風を、孔部22から逃がすことができるので、上記空間内での当該風の滞留を防ぐことができる。このため、ヘッドランプ1は、昇温領域における冷却効果を損なう可能性を低減させることができる。
また、孔部22が形成される位置は、反射鏡8のどの位置でもよいが、例えば送出部21aから送出された風が、レーザ光照射面7aの昇温領域に到達した後に、反射鏡8に到達する位置に設けられていることが好ましい。例えばその位置としては、ノズル21が反射鏡8を貫通している位置および向きと、光ファイバー5の長軸に関して対称となる位置および向きが挙げられる。
ノズル23は、孔部22から入り込む風を、上記空間の外部に放出するために孔部22に挿入された管であり、例えばテフロン(登録商標)樹脂やシリコーン樹脂を用いて作られた、直径3mm(1〜5mm程度であればよい)の筒状の管である。また、ノズル23の内径は、2mm(0.5〜4mm程度であればよい)である。
なお、ノズル23の孔部22に挿入された端部と逆の送出端部(すなわち、ノズル23に送入された風が放出される方の端部)には、ノズル23に送入された風を吸引するための空気吸引器が設けられていてもよい。
また、ノズル23の送出端部は、レンズ12の表面(透明板9と対向する面(ヘッドランプ1の内部側の面)であっても、その面と逆の面であってもよい)に風を送出できるような位置に設けられていてもよい。また、ノズル23の送出端部に空気吸引器が設けられた構成の場合には、当該空気吸引器にノズル23とは異なる別のノズルが設けられており、当該ノズルの送出端部が、レンズ12の表面に風を送出できるような位置に設けられていてもよい。この場合、ヘッドランプ1は、昇温領域にて温められた風を、上記空間の外部に放出することができるとともに、レンズ12の表面の凍結を防止することができる。
以上のように、本実施形態に係るヘッドランプ1は、レーザ光を出射する半導体レーザ3と、半導体レーザ3が出射したレーザ光を受け取る入射端部5bと入射端部5bから入射したレーザ光を出射する出射端部5aとを有する光ファイバー5と、出射端部5aから出射されたレーザ光を受けて発光する発光部7と、レーザ光が照射される発光部7における照射領域とその近傍の領域とを含む昇温領域を冷却する冷却器20およびノズル21と、を備えた構成である。
ここで、発光部をハイパワーのレーザ光を用い、かつ高いパワー密度で励起すると、発光部が激しく劣化することを本発明の発明者は見出した。励起光としてLEDからの出射光を用いてもハイパワーであれば同様の問題が生じると考えられる。発光部の劣化は、発光部に含まれる蛍光体そのものの劣化とともに、蛍光体を取り囲む物質(例えば、シリコーン樹脂)の劣化によって主に引き起こされる。上述のサイアロン蛍光体は、レーザ光が照射されると60〜80%の効率で光を発生させるが、残りは熱となって放出される。この熱によって蛍光体を取り囲む物質が劣化すると考えられる。
上記問題を考慮して、ヘッドランプ1は、上記構成を備えることにより、昇温領域の温度上昇を抑制することで、長寿命な光源を実現することができる。すなわち、ヘッドランプ1は、高い信頼性を有する高輝度光源を実現することができる。
(発光部の発光強度について)
次に、発光部の発光強度について図3を用いて説明する。図3は、一定強度の励起光を照射した発光部に用いられる各蛍光体の発光強度に関する温度特性を示す図である。図3では、(a)は化学式Ca0.98Eu0.02AlSiNのサイアロン蛍光体A、(b)は化学式Ca0.95Eu0.05AlSiNのサイアロン蛍光体B、(c)はアルミン酸イットリウム(YAl12:YAG)に付活剤としてセリウムCe3+を導入したYAG:Ce3+蛍光体(化成オプトニクス製、製品番号P46−Y3)を示している。また、図3では、縦軸が「規格化された発光強度(Normalized Intensity(a.u.))」、横軸が「摂氏温度(Temperature(℃))」を示している。
同図の(c)ように、YAG:Ce3+蛍光体を用いた場合、約150度に達したときの発光部の発光強度は、室温(摂氏30度)時の発光強度の約60%となっている。一方、同図の(a)ように、サイアロン蛍光体AおよびBを用いた場合、約150度に達したときの発光部の発光強度は、それぞれ室温(摂氏30度)時の発光強度の約90%および約83%となっている。つまり、発光部に用いられる蛍光体としては、励起光の照射による温度上昇に対する発光強度の低下が少ないサイアロン蛍光体が好ましいといえる。
しかし、同図のように、発光部にサイアロン蛍光体を用いた場合であっても、温度上昇に伴い発光強度(発光効率)が低下する。特に、本実施形態で励起光として用いられるレーザ光の強度(単位:ワット)並びにパワー密度(単位:ワット/mm)は高いので、サイアロン蛍光体を用いた発光部7の温度上昇が著しいといえる。つまり、発光部7であっても、著しい温度上昇に伴い発光効率が低下し、ひいては発光部7の劣化を引き起こすものと考えられる。
そこで、本実施形態に係るヘッドランプ1は、冷却器20およびノズル21を用いて発光部7の昇温領域を冷却して、発光部7の温度上昇を抑制することにより、サイアロン蛍光体の発光効率の低下(ひいては発光部7の劣化)を防いでいる。
(ヘッドランプ1の別構成)
次に、図4を参照しながら、ヘッドランプ1の別構成について説明する。図4は、ヘッドランプ1の別構成を示す断面図である。なお、図1に示すヘッドランプ1と同様の構成については、上述したのでその説明を省略する。
図4に示すヘッドランプ1は、反射鏡8の中心部を貫いて延びる筒状部材の先端に発光部7を固定されている。この筒状部材は、冷却器20からの風を昇温領域に運ぶ機能を有するノズル21であり、送出部21aにおいて発光部7を支持する構成となっている。
また、図示のように、ノズル21の内部に光ファイバー5の出射端部5aを通す(光ファイバー5とノズル21とを同軸に設ける)ことができる。この場合、半導体レーザ3から延びる光ファイバー5をノズル21の内部に通すための孔部が設けられている。
言い換えれば、図4に示すヘッドランプ1は、ノズル21が、光ファイバー5の出射端部5aを少なくとも含む構成であるといえる。これにより、光ファイバー5およびノズル21を別体に設ける構成に比べ、省スペース化を図ることができるとともに、例えばノズル21の長さ、送出部21aとレーザ光照射面7aとの距離、ノズル21の向きなどを考慮した設計を簡素に行うことが可能となる。
なお、レーザ光照射面7aに到達した、昇温領域にて温められた風(空気)を、ノズル21の内部から逃がすために、ノズル21のレーザ光照射面7aの近傍に、少なくとも1つの孔部24が形成されていてもよい。孔部24の大きさは、例えば直径2mm(1〜3mm程度であればよい)の円形や、1mm×3mmの矩形であり、昇温領域にて温められた風を効率よくその外部に逃がすことができ、かつ、発光部7の支持に耐え得る強度を確保できる程度であればよい。
また、孔部22は、孔部24から放出された、昇温領域にて温められた風を、反射鏡8および透明板9で囲まれた空間内に滞留するのを防ぐのに適切な位置に形成されていればよく、この場合、例えば孔部22の中心と孔部24の中心との間に直線を結ぶことが可能な位置に設けられていればよい。
さらに、図5を参照しながら、ノズル21が、送出部21aにおいて発光部7を支持する別構成について説明する。図5は、ヘッドランプ1のさらに別構成を示す断面図である。
同図に示すように、ノズル21(送出部21a)の先端部には、発光部7を固着することにより支持するための、支持部材としての突出部25が形成されている。突出部25は、発光部7を固着可能な程度の大きさおよび形状であればよく、例えば1枚の扇状の板状部材であっても、複数の棒状部材であってもよい。さらに、突出部25は、ノズル21から突出するように成形されたものであっても、ノズル21とは別体としてノズル21に付設されたものであってもよい。
以上のように、図4および図5に示すヘッドランプ1では、発光部7が送出部21aにおいて支持されている構成である。これにより、ヘッドランプ1は、ノズル21を、冷却器20が発生させた風を昇温領域まで運ぶだけでなく、発光部7の支持部材として有効利用することができる。すなわち、ヘッドランプ1は、昇温領域を冷却するために設けられたノズル21を有効利用することができる。
(冷却器20の別構成)
上記では、冷却器20は、昇温領域に風を吹き付ける構成として説明したが、これに限らず、例えば昇温領域付近の空気をノズル21を通して吸引する空気吸引器であってもよい。この場合、孔部22およびノズル23を設ける必要はない。なお、空気吸引器のとしての冷却器20は、空気の吸引に適した例えばシロッコファンを有する構成である。
また、昇温領域付近の空気を少なくとも冷却器20の外部に放出するために、冷却器20には、ノズル21とは異なる別のノズルが設けられ、当該ノズルの送出端部が、レンズ12の表面に風を送出できるような位置に設けられていてもよい。これにより、ヘッドランプ1は、昇温領域にて温められた空気を、反射鏡8と透明板9とで囲まれた空間の外部に放出することができるとともに、レンズ12の表面の凍結を防止することができる。
この構成であっても、ヘッドランプ1は、昇温領域の温度上昇を抑制することで、長寿命な光源を実現することができる。すなわち、ヘッドランプ1は、高い信頼性を有する高輝度光源を実現することができる。
なお、冷却器20は、自動車の特定の部材を冷却するための冷却装置と共有した構成であってもよい。
また、冷却器20は、半導体レーザ3からレーザ光が出射されているときのみ稼動する(例えば風を発生させる)構成であってもよい。さらに、冷却器20は、発光部7に照射されるレーザ光の強さ、または、昇温領域の温度が一定値以上になったときのみ稼動する構成であってもよい。また、ヘッドランプ1は、自動車の走行により発生する風を発光部7まで導くように設計された場合には、自動車の速度に応じて冷却器20の稼動/非稼動の制御を行ってもよい。
(半導体レーザ3の構造)
次に半導体レーザ3の基本構造について説明する。図6(a)は、半導体レーザ3の回路図を模式的に示したものであり、図6(b)は、半導体レーザ3の基本構造を示す斜視図である。同図に示すように、半導体レーザ3は、カソード電極19、基板18、クラッド層113、活性層111、クラッド層112、アノード電極17がこの順に積層された構成である。
基板18は、半導体基板であり、本願のように蛍光体を励起する為の青色〜紫外の励起光を得る為にはGaN、サファイア、SiCを用いることが好ましい。一般的には、半導体レーザ用の基板の他の例として、Si、GeおよびSiC等のIV属半導体、GaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSbおよびAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体、ZnO、Al、SiO、TiO、CrOおよびCeO等の酸化物絶縁体、並びに、SiNなどの窒化物絶縁体のいずれかの材料が用いられる。
アノード電極17は、クラッド層112を介して活性層111に電流を注入するためのものである。
カソード電極19は、基板18の下部から、クラッド層113を介して活性層111に電流を注入するためのものである。なお、電流の注入は、アノード電極17・カソード電極19に順方向バイアスをかけて行う。
活性層111は、クラッド層113及びクラッド層112で挟まれた構造になっている。
また、活性層111およびクラッド層の材料としては、青色〜紫外の励起光を得る為にはAlInGaNから成る混晶半導体が用いられる。一般に半導体レーザの活性層・クラッド層としては、Al、Ga、In、As、P、N、Sbを主たる組成とする混晶半導体が用いられ、そのような構成としても良い。また、Zn、Mg、S、Se、TeおよびZnO等のII−VI属化合物半導体によって構成されていてもよい。
また、活性層111は、注入された電流により発光が生じる領域であり、クラッド層112及びクラッド層113との屈折率差により、発光した光が活性層111内に閉じ込められる。
さらに、活性層111には、誘導放出によって増幅される光を閉じ込めるために互いに対向して設けられる表側へき開面114・裏側へき開面115が形成されており、この表側へき開面114・裏側へき開面115が鏡の役割を果す。
ただし、完全に光を反射する鏡とは異なり、誘導放出によって増幅される光の一部は、活性層111の表側へき開面114・裏側へき開面115(本実施の形態では、便宜上表側へき開面114とする)から出射され、励起光L0となる。なお、活性層111は、多層量子井戸構造を形成していてもよい。
なお、表側へき開面114と対向する裏側へき開面115には、レーザ発振のための反射膜(図示せず)が形成されており、表側へき開面114と裏側へき開面115との反射率に差を設けることで、低反射率端面である、例えば、表側へき開面114より励起光L0の大部分を発光点103から照射されるようにすることができる。
クラッド層113・クラッド層112は、n型およびp型それぞれのGaAs、GaP、InP、AlAs、GaN、InN、InSb、GaSb、及びAlNに代表されるIII−V属化合物半導体、並びに、ZnTe、ZeSe、ZnSおよびZnO等のII−VI属化合物半導体のいずれの半導体によって構成されていてもよく、順方向バイアスをアノード電極17及びカソード電極19に印加することで活性層111に電流を注入できるようになっている。
クラッド層113・クラッド層112および活性層111などの各半導体層との膜形成については、MOCVD(有機金属化学気相成長)法やMBE(分子線エピタキシー)法、CVD(化学気相成長)法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。各金属層の膜形成については、真空蒸着法やメッキ法、レーザアブレーション法、スパッタ法などの一般的な成膜手法を用いて構成できる。
(発光部7の発光原理)
次に、半導体レーザ3から発振されたレーザ光による蛍光体の発光原理について説明する。
まず、半導体レーザ3から発振されたレーザ光が発光部7に含まれる蛍光体に照射されることにより、蛍光体内に存在する電子が低エネルギー状態から高エネルギー状態(励起状態)に励起される。
その後、この励起状態は不安定であるため、蛍光体内の電子のエネルギー状態は、一定時間後にもとの低エネルギー状態(基底準位のエネルギー状態または励起準位と基底準位との間の準安定準位のエネルギー状態)に遷移する。
このように、高エネルギー状態に励起された電子が、低エネルギー状態に遷移することによって蛍光体が発光する。
白色光は、等色の原理を満たす3つの色の混色、または補色の関係を満たす2つの色の混色で構成でき、この原理に基づき、半導体レーザから発振されたレーザ光の色と蛍光体が発する光の色とを、上述のように組み合わせることにより白色光を発生させることができる。
上述の半導体レーザ3を10個設け、各半導体レーザ3から405nmのレーザ光を受けた場合、発光部7から1500ルーメンの光束が放射される。この場合の輝度は80カンデラ/mmである。
〔実施の形態2〕
本発明の他の実施形態について図7〜図12に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、実施の形態1と同様の部材に関しては、同じ符号を付し、その説明を省略する。
ここでは、本発明の照明装置の一例としてのレーザダウンライト200について説明する。レーザダウンライト200は、家屋、乗物などの構造物の天井に設置される照明装置であり、半導体レーザ3から出射したレーザ光を発光部7に照射することによって発生する蛍光を照明光として用いるものである。
なお、レーザダウンライト200と同様の構成を有する照明装置を、構造物の側壁または床に設置してもよく、上記照明装置の設置場所は特に限定されない。
図7は、発光ユニット210および従来のLEDダウンライト300の外観を示す概略図である。図8は、レーザダウンライト200が設置された天井の断面図である。図9は、レーザダウンライト200の断面図である。図7〜図9に示すように、レーザダウンライト200は、天板400に埋設され、照明光を出射する発光ユニット210と、光ファイバー5を介して発光ユニット210へレーザ光を供給するLD光源ユニット220と、ノズル21を介して発光ユニット210へ発光部7を冷却するための風を供給する冷却器20とを含んでいる。LD光源ユニット220および冷却器20は、天井には設置されておらず、ユーザが容易に触れることができる位置(例えば、家屋の側壁)に設置されている。このようにLD光源ユニット220および冷却器20の位置を自由に決定できるのは、LD光源ユニット220と発光ユニット210とが光ファイバー5およびノズル21によってそれぞれ接続されているからである。この光ファイバー5は、天板400と断熱材401との間の隙間に配置されている。
(発光ユニット210の構成)
発光ユニット210は、図9に示すように、筐体211、光ファイバー5、発光部7および透光板213を備えている。
筐体211には、凹部212が形成されており、この凹部212の底面に発光部7が配置されている。凹部212の表面には、金属薄膜が形成されており、凹部212は反射鏡として機能する。
また、筐体211には、光ファイバー5およびノズル21を通すための通路214が形成されており、この通路214を通って光ファイバー5およびノズル21がそれぞれ発光部7まで延びている。光ファイバー5の出射端部5aおよびノズル21の送出部21aと、発光部7との位置関係は上述したものと同様である。
透光板213は、凹部212の開口部をふさぐように配置された透明または半透明の板である。この透光板213は、透明板9と同様の機能を有するものであり、発光部7の蛍光は、透光板213を透して照明光として出射される。透光板213は、筐体211に対して取外し可能であってもよく、省略されてもよい。
図7では、発光ユニット210は、円形の外縁を有しているが、発光ユニット210の形状(より厳密には、筐体211の形状)は特に限定されない。
なお、ダウンライトでは、ヘッドランプの場合とは異なり、理想的な点光源は要求されず、発光点が1つというレベルで十分である。それゆえ、発光部7の形状、大きさおよび配置に関する制約は、ヘッドランプの場合よりも少ない。
(LD光源ユニット220の構成)
LD光源ユニット220は、半導体レーザ3、非球面レンズ4および光ファイバー5を備えている。
光ファイバー5の一方の端部である入射端部5bは、LD光源ユニット220に接続されており、半導体レーザ3から発振されたレーザ光は、非球面レンズ4を介して光ファイバー5の入射端部5bに入射される。
図9に示すLD光源ユニット220の内部には、半導体レーザ3および非球面レンズ4が一対のみ示されているが、発光ユニット210が複数存在する場合には、発光ユニット210からそれぞれ延びる光ファイバー5の束を1つのLD光源ユニット220に導いてもよい。この場合、1つのLD光源ユニット220に複数の半導体レーザ3と非球面レンズ4との対(または、複数の半導体レーザ3と1つのロッド状レンズ(不図示)との対)が収納されることになり、LD光源ユニット220は集中電源ボックスとして機能する。
(レーザダウンライト200の設置方法の変更例)
図10は、レーザダウンライト200の設置方法の変更例を示す断面図である。同図に示すように、レーザダウンライト200の設置方法の変形例として、天板400には光ファイバー5およびノズル21を通す小さな穴402だけを開け、薄型・軽量の特長を活かしてレーザダウンライト本体(発光ユニット210)を天板400に貼り付けるということもできる。この場合、レーザダウンライト200の設置に係る制約が小さくなり、また工事費用が大幅に削減できるというメリットがある。
(レーザダウンライト200と従来のLEDダウンライト300との比較)
従来のLEDダウンライト300は、図7に示すように、複数の透光板301を備えており、各透光板301からそれぞれ照明光が出射される。すなわち、LEDダウンライト300において発光点は複数存在している。LEDダウンライト300において発光点が複数存在しているのは、個々の発光点から出射される光の光束が比較的小さいため、複数の発光点を設けなければ照明光として十分な光束の光が得られないためである。
これに対して、レーザダウンライト200は、高光束の照明装置であるため、発光点は1つでもよい。それゆえ、照明光による陰影がきれいに出るという効果が得られる。また、発光部7の蛍光体を高演色蛍光体(例えば、数種類の酸窒化物蛍光体の組み合わせ)にすることにより、照明光の演色性を高めることができる。
図11は、LEDダウンライト300が設置された天井の断面図である。同図に示すように、LEDダウンライト300では、LEDチップ、電源および冷却ユニットを収納した筐体302が天板400に埋設されている。筐体302は比較的大きなものであり、筐体302が配置されている部分の断熱材401には、筐体302の形状に沿った凹部が形成される。筐体302から電源ライン303が延びており、この電源ライン303はコンセント(不図示)につながっている。
このような構成では、次のような問題が生じる。まず、天板400と断熱材401との間に発熱源である光源(LEDチップ)および電源が存在しているため、LEDダウンライト300を使用することにより天井の温度が上がり、部屋の冷房効率が低下するという問題が生じる。
また、LEDダウンライト300では、光源ごとに電源が必要であり、トータルのコストが増大するという問題が生じる。
また、筐体302は比較的大きなものであるため、天板400と断熱材401との間の隙間にLEDダウンライト300を配置することが困難な場合が多いという問題が生じる。
これに対して、レーザダウンライト200では、発光ユニット210には、大きな発熱源は含まれていないため、部屋の冷房効率を低下させることはない。その結果、部屋の冷房コストの増大を避けることができる。
また、発光ユニット210ごとに電源を設ける必要がないため、レーザダウンライト200を小型および薄型にすることができる。その結果、レーザダウンライト200を設置するためのスペースの制約が小さくなり、既存の住宅への設置が容易になる。
また、レーザダウンライト200は、小型および薄型であるため、上述したように、発光ユニット210を天板400の表面に設置することができ、LEDダウンライト300よりも設置に係る制約を小さくすることができるとともに工事費用を大幅に削減できる。
図12は、レーザダウンライト200およびLEDダウンライト300のスペックを比較するための図である。同図に示すように、レーザダウンライト200は、その一例では、LEDダウンライト300に比べて体積は94%減少し、質量は86%減少する。
また、LD光源ユニット220をユーザの手が容易に届く所に設置できるため、半導体レーザ3が故障した場合でも、手軽に半導体レーザ3を交換できる。同様に、冷却器20もユーザの手が容易に届く所に設置できるため、冷却器20内部の冷却機構が故障した場合でも、手軽に修理を行うことができる。また、複数の発光ユニット210から延びる光ファイバー5を1つのLD光源ユニット220に導くことにより、複数の半導体レーザ3を一括管理できる。そのため、複数の半導体レーザ3を交換する場合でも、その交換が容易にできる。
なお、LEDダウンライト300において、高演色蛍光体を用いたタイプの場合、消費電力10Wで約500lmの光束が出射できるが、同じ明るさの光をレーザダウンライト200で実現するためには、3.3Wの光出力が必要である。この光出力は、LD効率が35%であれば、消費電力10Wに相当し、LEDダウンライト300の消費電力も10Wであるため、消費電力では、両者の間に顕著な差は見られない。それゆえ、レーザダウンライト200では、LEDダウンライト300と同じ消費電力で、上述の種々のメリットが得られることになる。
以上のように、レーザダウンライト200は、レーザ光を出射する半導体レーザ3を少なくとも1つ備えるLD光源ユニット220と、発光部7および反射鏡としての凹部212を備える少なくとも1つの発光ユニット210と、発光ユニット210のそれぞれへ上記レーザ光を導く光ファイバー5と、発光ユニット210の発光部7のそれぞれを冷却するための冷却器20とを含んでいる。また、レーザダウンライト200は、冷却器20が風を発生させるものであり、冷却器20が発生させた風を各発光部7へ送風するためのノズル21を含んでいる構成であってもよい。
それゆえ、レーザダウンライト200において、レーザ光が照射される発光部7における照射領域の温度上昇を抑制できる。その結果、長寿命のレーザダウンライト200を実現できる。
(本発明の別の表現)
なお、本発明は、以下のように表現してもよい。
本発明に係る発光装置(高輝度光源)は、高出力の発振が可能な半導体レーザからなる励起光源と、前記励起光源からの励起光により発光する発光部を有しており、前記発光部において前記励起光が照射される領域に気体(ガス)が吹き付けられる機構を有する構成である。
さらに、本発明に係る発光装置は、励起光源としては、半導体レーザだけでなく、高出力発光ダイオードでもよい。
さらに、本発明に係る発光装置は、一つの励起光源に対して一つのレーザ光出射端を持つような半導体レーザだけでなく、一つの励起光源に対して複数のレーザ光出射端を持つ半導体レーザであってもよい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
例えば、励起光源として高出力のLEDを用いてもよい。この場合には、450nmの波長の光(青色)を出射するLEDと、黄色の蛍光体、または緑色および赤色の蛍光体とを組み合わせることにより白色光を出射する発光装置を実現できる。
また、励起光源として、半導体レーザ以外の固体レーザ、例えば高出力の発振が可能な発光ダイオードを用いてもよい。ただし、半導体レーザを用いる方が、励起光源を小型化できるため好ましい。
本発明は、高輝度で長寿命な発光装置、特に車両用等のヘッドランプに適用することができる。
1 ヘッドランプ(発光装置、照明装置、車両用前照灯)
2 半導体レーザアレイ(励起光源)
3 半導体レーザ(励起光源)
5 光ファイバー(導光部)
5a 出射端部
5b 入射端部
7 発光部
8 反射鏡
9 透明板(透明部材)
20 冷却器(冷却部、送風部)
21 ノズル(冷却部、導風部)
21a 送出部
21b 送入部
22 孔部
200 レーザダウンライト(照明装置)

Claims (8)

  1. 励起光を出射する励起光源と、
    上記励起光源が出射した励起光を受け取る入射端部と当該入射端部から入射した励起光を出射する出射端部とを有する導光部と、
    上記出射端部から出射された励起光を受けて発光する発光部と、
    上記励起光が照射される上記発光部の照射面における昇温領域を冷却する冷却部と、を備え
    上記励起光は、上記発光部に照射されることで当該発光部の発光強度を低下させるパワー密度を有することを特徴とする発光装置。
  2. 上記冷却部は、
    上記昇温領域に送風するための風を発生させる送風部と、
    上記送風部が発生させた風が送入される送入部と、当該送入部から送入された風が送出される送出部とを有する導風部と、を備え、
    上記送出部は、上記昇温領域の近傍に位置することを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
  3. 上記発光部は、上記送出部において支持されていることを特徴とする請求項2に記載の発光装置。
  4. 上記導光部の出射端部は、上記導風部の内部に挿入されていることを特徴とする請求項2または3に記載の発光装置。
  5. 上記導風部は、可撓性を有していることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の発光装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光装置と、
    上記発光部から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成する反射鏡と、を備えることを特徴とする照明装置。
  7. 請求項2〜4のいずれか1項に記載の発光装置と、
    上記発光部から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成する反射鏡と、を備え、
    上記反射鏡は、上記光線束の進む方向が開口した開口部を有する曲面形状となっており、
    上記発光装置は、上記反射鏡と、当該反射鏡の開口部を覆う、上記光線束が透過する透明部材とで囲まれた空間に配置されており、
    上記反射鏡には、上記空間内に滞留した風を放出するための孔部が、少なくとも1つ形成されていることを特徴とする照明装置。
  8. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の発光装置と、
    上記発光部から出射した光を反射することにより、所定の立体角内を進む光線束を形成する反射鏡と、を備えることを特徴とする車両用前照灯。
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