JP5049111B2 - 建築材 - Google Patents

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Description

本発明は、窯業系サイディング材等の基材に塗装が施され、外装材等として用いられる建築材に関する。
外壁材などとして使用される窯業系サイディング材等の基材の表面には、その化粧のために着色塗装が施されている。この着色塗装は通常、顔料等を配合した有機塗料を塗布成膜して着色塗膜を形成することによって行われるが、この着色塗膜は有機系であるために、紫外線の作用で劣化し、色褪せが発生し易い。
そこで、この着色塗膜を保護するためにクリアの上塗りとして、シリコーン系の無機クリア塗膜を形成することが行われている。この無機クリア塗膜は無機系であるため、紫外線に対して劣化が小さく、また紫外線を透過させ難いため、着色塗膜を紫外線から保護することができるものである。特に、紫外線吸収剤を配合して無機クリア塗膜を紫外線カット性にすることによって、着色塗膜をより有効に保護することができる(例えば特許文献1参照)。
また、近年、光触媒を含有するシリコーン系の光触媒含有無機クリア塗膜を、無機クリア塗膜の上に形成することが行われている。光触媒は紫外線の照射を受けて光触媒機能を発現し、建築材の表面に付着した汚れを分解すると共に、この建築材の表面に親水性を付与して前記分解した汚れを雨水等で洗い流すことができ、セルフクリーニング効果を発現することができる(例えば特許文献2等参照)。
特許第2574061号公報 特許第2776259号公報
上記のように基材の表面に着色塗膜、無機クリア塗膜、光触媒含有無機クリア塗膜を形成した建築材がセルフクリーニング効果が発現するためには、光触媒含有無機クリア塗膜中の光触媒が紫外線の照射を受けて充分に光触媒機能を発現する必要がある。このため、建築材を設置した後、ある程度の期間太陽光の照射を受けた後になって、はじめて建築材にセルフクリーニングの効果が発現する。
しかし、上記の光触媒含有無機クリア塗膜中の光触媒が活性化する前に建築材の表面に汚れが付着し、更に降雨により雨滴が付着すると、建築材に雨筋汚れが生じることになり、セルフクリーニング効果による防汚性を発揮し得ないという問題がある。
本発明は上記の点に鑑みて為されたものであり、基材の表面に着色塗膜、無機クリア塗膜、光触媒含有無機クリア塗膜を形成した建築材において、光触媒含有無機クリア塗膜中の光触媒を短期間で活性化させることができ、セルフクリーニング効果を発現するために要する期間を短縮することができる建築材を提供することを目的とする。
本発明に係る建築材Aでは、基材1の表面に着色塗膜2、光輝材含有クリア塗膜3、無機クリア塗膜4、光触媒含有無機クリア塗膜5が、順次形成されたものであり、前記光輝材含有クリア塗膜3が、前記着色塗膜2の表面の一部又は全部に光輝材を含有するアクリル系又はアクリルシリコン系水性樹脂エマルション塗料を塗布成膜して形成され、且つ前記光輝材を1.4〜12.5質量%の範囲で含有することを特徴とする。
このため、塗膜が光を受けた場合に、光触媒含有無機クリア塗膜5中の光触媒が活性化し、建築材Aの表面に付着した汚れを分解すると共に、この建築材Aの表面に親水性を付与して前記分解した汚れを雨水等で洗い流すことができ、セルフクリーニング効果を発現することができる。このとき、光触媒含有無機クリア塗膜5を透過した光が光輝材含有クリア塗膜3中の光輝材で反射して光触媒含有無機クリア塗膜5に再度到達することで、光触媒への光の照射効率が向上し、前記セルフクリーニング効果が発現するまでに要する時間を短縮することができる。更に、前記光触媒含有無機クリア塗膜5によって建築材Aの意匠性を向上することができる。
また前記光輝材含有クリア塗膜3が、着色顔料を0.2〜12質量%の範囲で含有することを特徴とする。
このため、着色塗膜2と光輝材含有クリア塗膜3との界面が紫外線により劣化することを抑制して塗膜の剥離を防止すると共に、光輝材含有クリア塗膜3に付与された色によって建築材Aの意匠性を向上することができる。
前記建築材Aにおいて、記基材1が表面に凹凸を有し、記光輝材含有クリア塗膜3が前記基材1の凸部に設けられていることが好ましい
このため、目立たない目地部分等の凹部には光輝材を含有する光輝材含有クリア塗膜3を設けないようにして高価な光輝材の使用を削減しつつ、外部から目立つ凸部に光輝材を含有する光輝材含有クリア塗膜3を設けるようにして、このような目立つ部分における防汚性を効果的に発現させることができる。
本発明によれば、光輝材含有クリア塗膜を設けることで、建築板に光を照射して光触媒含有無機クリア塗膜による防汚性を発現させるにあたり、この防汚性を発現させるために要する時間を短縮することができると共に、併せてこの建築板の意匠性を向上することができるものである。
以下、本発明の実施をするための最良の形態について説明する。
基材1としては適宜のものを用いることができるが、例えば主原料としてセメント質原料及び繊維質原料を用いて板状に成形し、養生・硬化させて得られる窯業系サイディング材を用いることができる。
基材1として窯業系サイディング材を用いる場合、その作製には、セメントと補強繊維を主成分とするセメント系成形材料を成形した湿潤シート(グリーンシート)を用いることができる。この湿潤シートは、セメント系の水性スラリーをセメント系成形材料として用いて、長網式、丸網式の各種の抄造法により抄造したり、押出成形したりするなどして得られるものである。セメント系成形材料としては、例えば水硬性のセメント成分が30〜95質量%、シリカ、珪石粉、フライアッシュ等の充填材が2〜60質量%、パルプ等の補強繊維が3〜10質量%を占める固形分からなるものとし、この固形分100質量部に対し、水20〜2000質量部程度の割合としたスラリーを用いることができる。なお、セメント成分は、普通ポルトランドセメントをはじめ、高炉セメント等の、適宜に組成調整されたものを用いることができる。補強繊維のパルプは、針葉樹パルプ、広葉樹パルプ、あるいはその混合物等を用いることができる。この湿潤シートを養生硬化することにより、基材1を得ることができる。
上記基材1の養生硬化は適宜の手法で行うことができるが、オートクレーブ養生をすることが望ましく、その際の温度としては140℃以上とすることが好適である。また、実際的には、養生は、オートクレーブ養生と、これに先行しての促進前養生、つまり加温のために水蒸気が投入される前養生との二段階での養生であることが望ましい。これによって、基材1の強度が向上し、組織と性能の均一化が図られることになる。
この養生時には、養生前の湿潤シートの表面にシーラーを塗布することが望ましい。このシーラーを塗布することにより、養生時にエフロレッセンスが発生することを防止することができ、更にシーラーの塗膜が耐透水性を発揮することで、建築材Aの耐透水性を向上することができる。
シーラーは特に制限されないが、例えばアクリル系、酢酸ビニル系、エポキシ系、塩化ゴム系、ウレタン系、シリコン系、フッ素系等の水性樹脂エマルションを用いることができる。
また、このようなシーラー中には、重質炭酸カルシウム、沈降性炭酸カルシウム、カオリン、ベントナイト、セリサイト、ドロマイト、タルク、クレー、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、珪藻土等の無機粒子を混合することができる。
そして、このようなシーラーを湿潤シートの表面に塗布し、加熱成膜することでシーラーの塗膜を形成することができる。
このようなシーラーの塗装は、養生前に行うものであるが、上記のように促進前養生を行う場合には促進前養生後にシーラーを塗布し、次いでオートクレーブ養生を行うことが好ましく、これにより建築材Aの耐凍害性や寸法安定性を向上することができる。
このような養生硬化により得られた基材1(無機質基材)には、必要に応じて乾燥処理や切削加工が施される。
この基材1としては、表面が平坦なもののほか、目地模様等を形成することで凹凸に形成されたものを用いることができる。
この基材1には着色塗膜2を形成する。着色塗膜2は基材1の養生硬化後に形成することができるが、養生硬化前に形成しても良い。
着色塗膜2は、適宜の着色塗料を塗布成膜して形成される。着色塗料としては、例えばアクリル系、アクリルシリコン系、アクリルウレタン系等の適宜の水性のクリア塗料に顔料を含有させたエナメル塗料を用いることができる。また着色塗料に含有される顔料としては適宜の無機顔料や有機顔料を用いることができるが、例えば酸化チタン、硫化亜鉛、亜鉛華、鉛白、リトポン、カーボンブラック、油煙、紺青、フタロシアニンブルー、群青、カーミンFB、黄鉛、亜鉛黄、ハンザイエロー、オーカー、ベンガラ、不活性含有アゾ染料等が挙げられる。このような着色塗料を例えば80〜150℃で焼き付け乾燥等することにより成膜し、着色塗膜2を形成することができる。着色塗膜2の厚みや塗膜量は適宜設定されるが、例えば膜厚が20〜60μmの範囲であることが好ましい。
この着色塗膜2の表面に、光輝材含有クリア塗膜3を形成する。この光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料としては、光輝材を含有するアクリル系又はアクリルシリコン系水性樹脂エマルション塗料が用いられる。光輝材としてはマイカ等を挙げることができる。この塗料中における光輝材の配合量は、光輝材含有クリア塗膜3における光輝材の含有量が、1.4〜12.5質量%の範囲となるように調整される。このような範囲で光輝材による光触媒の活性化効果を得ることができ、且つ建築材Aの意匠性を向上することができる。このとき光輝材の前記含有量が1.4質量%に満たないと塗膜の光輝感が乏しくなると共に光触媒の活性化効果を得ることができなくなるおそれがあり、また前記含有量が12.5質量%を超えると塗膜の光輝感が過剰となって優れた意匠性を発揮することができなくなるおそれがある。
また、この光輝材の平均粒径は10〜60μmの範囲であることが好ましい。この範囲において、光輝材による光触媒の活性化効果を更に向上すると共に光輝材により建築材Aに優れた意匠性を付与することができる。
また、光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料中には顔料を含有させることが好ましい。顔料としては適宜の無機顔料や有機顔料を用いることができるが、例えば酸化チタン、硫化亜鉛、亜鉛華、鉛白、リトポン、カーボンブラック、油煙、紺青、フタロシアニンブルー、群青、カーミンFB、黄鉛、亜鉛黄、ハンザイエロー、オーカー、ベンガラ、不活性含有アゾ染料等が挙げられる。このようにして光輝材含有クリア塗膜3に顔料を含有させると、紫外線をカットする効果が得られ、光輝材含有クリア塗膜3と着色塗膜2との界面における紫外線の劣化を抑制し、塗膜間の剥離を防止することができる。このとき、塗料中の顔料の含有量は、光輝材含有クリア塗膜3中に顔料が0.2〜12質量%含有されるように調整することが好ましい。この場合、前記剥離防止の効果を充分に得ることができる。一方、この含有量が0.2質量%に満たないと前記剥離防止の効果を充分に得ることができなくなるおそれがあり、また12質量%を超えると光輝材が顔料の色によって隠蔽されてしまって意匠性が乏しくなるおそれがある。
光輝材含有クリア塗膜3を形成するための塗料の塗布は、スポンジ或いはゴムロールによる塗装、フレキソ印刷、スプレー塗装等の適宜の手法で行うことができる。このうちフレキソ印刷は、水性塗料の均一な印刷塗布や、多品種少量生産に適しているものである。また、この場合、基材1上の着色塗膜2とフレキソ版との間でクリア塗料に適度な圧力をかけることができ、このクリア塗料中の鱗片状の光輝材が基材1表面と平行に配置されやすくなって、光輝材から光触媒含有無機クリア塗膜5への光の反射効率が向上することとなる。
このようにして塗料を塗装した後、例えば80〜150℃で焼き付け乾燥等することにより成膜し、光輝材含有クリア塗膜3を形成することができる。光輝材含有クリア塗膜3の厚みや塗膜量は適宜設定されるが、例えば膜厚が3〜25μmの範囲であることが好ましい。
このように光輝材含有クリア塗膜3を形成するにあたって、この光輝材含有クリア塗膜3は、基材1上の着色塗膜2の表面の全部に設けることができるが、この表面に分散させて設けるなどして、着色塗膜2の表面の一部に設けても良い。この場合、光輝材含有クリア塗膜3を不規則に分散させて焼き物の焼きムラを表現することができ、焼き物の風合いを有する窯変調の外観を現出させることができる。このとき、光輝材含有クリア塗膜3の総面積が例えば着色塗膜2の表面の面積に対して30〜70%の範囲となるようにすることが好ましい。このときフレキソ印刷にて第一のクリア塗料を塗装する場合には、フレキソ版として窯変調模様を刻設したものを用いることで、光輝材含有クリア塗膜3による窯変調模様を容易に形成することができる。
また、基材1として目地模様等の凹凸模様が形成されたものを用いる場合には、この基材1の凸部の表面の一部又は全部に光輝材含有クリア塗膜3を形成するようにし、凹部には光輝材含有クリア塗膜3を形成しないようにすることができる。この場合、目立たない目地部分等の凹部には光輝材を含有する光輝材含有クリア塗膜3を設けないようにして高価な光輝材の使用を削減しつつ、外部から目立つ凸部に光輝材を含有する光輝材含有クリア塗膜3を設けるようにして、このような目立つ部分における防汚性を効果的に発現させることができる。
光輝材含有クリア塗膜3を形成した後、着色塗膜2及び光輝材含有クリア塗膜3が形成された基材1の全面に、光触媒を含有しない無機クリア塗膜4を形成する。この無機クリア塗膜4は、無機質塗料を塗布成膜することで形成することができ、これにより建築材Aの耐候性を向上することができる。
無機質塗料としては適宜のものを用いることができるが、例えばオルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液に、ポリオルガノシロキサンや、アルキルチタン酸塩等の縮合反応触媒を加え、或いは更にシリカを加えたケイ素アルコキシド系塗料等を用いることができる。
具体的には、例えば下記式〔1〕で表される加水分解性オルガノシランを有機溶媒または水に分散されたコロイダルシリカ中で、X1モルに対し水0.001〜0.5モルを使用する条件下で部分加水分解してなる、オルガノシランのシリカ分散オリゴマー溶液(A成分)と、下記式〔2〕で表され、この式〔2〕中のRにフェニル基を全R基に対して1〜30モル%含有するポリオルガノシロキサン(B成分)と、このA成分とB成分との縮合反応を促進する触媒とを必須成分とし、A成分においてシリカを固形分として5〜95重量%含有し、加水分解性オルガノシランの少なくとも50モル%がn=1のオルガノシランで、A成分1〜99重量部に対してB成分99〜1重量部が配合されている無機質塗料を用いることができる。
SiX4−n…〔1〕
(式中、Rは同一または異種の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ハロゲン置換炭化水素基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基およびγ−メルカプトプロピル基からなる群より選ばれる、炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、nは0〜3の整数、Xはアルコキシ基、アセトキシ基、オキシム基、エノキシ基、アミノ基、アミノキシ基およびアミド基からなる群より選ばれる加水分解性基を示す。)
Si(OH)(4−a−b)/2…〔2〕
(式中、Rは同一または異種の、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、ハロゲン置換炭化水素基、γ−メタクリロキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基およびγ−メルカプトプロピル基からなる群より選ばれる、炭素数1〜8の1価炭化水素基を示し、aおよびbはそれぞれ0.2≦a≦2、0.0001≦b≦3、a+b<4の関係を満たす数である。)
このような無機質塗料を静電塗装等して塗布した後、例えば60〜120℃で焼き付け乾燥等することにより成膜することにより、光触媒を含有しない無機クリア塗膜4を形成することができる。この光触媒を含有しない無機クリア塗膜4の厚みは特に制限されないが、1〜10μmの範囲であることが好ましい。
この光触媒を含有しない無機クリア塗膜4の表面に、光触媒含有無機クリア塗膜5を形成する。光触媒含有無機クリア塗膜5を形成するための塗料としては、例えば上記光触媒を含有しない無機クリア塗膜4を形成するために用いられる無機質塗料に、酸化チタン等の光触媒を加えたもの等を挙げることができる。光触媒として、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化タングステン、酸化クロム、酸化モリブデン、酸化ルテニウム、酸化ゲルマニウム、酸化鉛、酸化カドミウム、酸化銅、酸化バナジウム、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化ロジウム、酸化レニウム等を挙げることができ、これらは一種単独で用い、或いは二種以上を併用することができる。この光触媒は、この光触媒の光触媒機能の発現によって光触媒含有無機クリア塗膜5に充分な汚れの分解性と親水性とを付与することができる程度に、適宜の量を配合するものであるが、好ましくは光触媒含有無機クリア塗膜5中の光触媒の含有量が20〜70質量%の範囲となるように配合する。このような塗料をスプレー塗装等して塗布した後、例えば60〜120℃で焼き付け乾燥等することにより成膜して、光触媒含有無機クリア塗膜5を形成することができる。この光触媒含有無機クリア塗膜5の厚みは特に制限されないが、0.2〜1.0μmの範囲であることが好ましい。
以下、実施例により本発明を更に詳述する。
参考例1)
基材1として455mm×3030mmの平面視寸法を有すると共に表面にタイル目地状の凹凸形状が形成された窯業系サイディング材を用いた。
着色塗料として関西ペイント株式会社製のアクリルエマルション塗料「IM7000」に顔料(酸化チタン、オーカー、ベンガラ及びカーボンブラックの混合顔料)をPWC(顔料重量濃度)40%となるように配合したものを用い、これを上記基材1の一面の全面に塗布し、100℃、2分間の条件で加熱成膜し、膜厚30μmの着色塗膜2を形成した。
また、関西ペイント株式会社製のアクリルエマルション塗料「IM7000」に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ(メルク社製)を配合し、樹脂固形分35質量%に調製した。この塗料をフレキソ印刷により上記着色塗膜2上に塗布し、100℃、1分間の条件で加熱成膜して、凸部の表面の35%の領域に、光輝材を1.4質量%含有する光輝材含有クリア塗膜3を分散させて形成した。このとき、フレキソ版としてはシリコンゴム製ロールに窯変調模様が刻設されたものを用い、アニロックスロールとしてはスクリーン線数55線/インチ、凸面積36%、深さ125μmのものを用いた。
次に、ケイ素アルコキシド系の無機質塗料を静電塗装し、110℃、3分間の条件で加熱成膜して、厚み6μmの光触媒を含有しない無機クリア塗膜4を形成した。
次に、ケイ素アルコキシド系塗料に酸化チタンを10質量%の割合で配合した無機質塗料をスプレー塗布し、110℃、1分間の条件で加熱成膜して、厚み0.5μmの光触媒含有無機クリア塗膜5を形成して、建築材Aを得た。
参考例2)
参考例1において、光輝材含有クリア塗膜3を形成するにあたり、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ(メルク社製)を配合し、樹脂固形分35質量%に調製した塗料を用い、光輝材を12.5質量%含有する光輝材含有クリア塗膜3を形成した。それ以外は参考例1と同様にして、建築材Aを得た。
(実施例3)
参考例1において、光輝材含有クリア塗膜3を形成するにあたり、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ(メルク社製)と着色顔料であるカーボンブラックとを配合し、樹脂固形分35質量%に調製した塗料を用い、光輝材を1.4質量%、着色顔料を0.2質量%含有する光輝材含有クリア塗膜3を形成した。それ以外は参考例1と同様にして、建築材Aを得た。
参考例4)
参考例1において、光輝材含有クリア塗膜3を形成するにあたり、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ(メルク社製)と着色顔料であるカーボンブラックを配合し、樹脂固形分35質量%に調製した塗料を用い、光輝材を1.4質量%、着色顔料を14.5質量%含有する光輝材含有クリア塗膜3を形成した。それ以外は参考例1と同様にして、建築材Aを得た。
(実施例5)
参考例1において、光輝材含有クリア塗膜3を形成するにあたり、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ(メルク社製)と着色顔料であるカーボンブラックを配合し、樹脂固形分35質量%に調製した塗料を用い、光輝材を12.5質量%、着色顔料を12質量%含有する光輝材含有クリア塗膜3を形成した。それ以外は参考例1と同様にして、建築材Aを得た。
(実施例6)
参考例1において、光輝材含有クリア塗膜3を形成するにあたり、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ(メルク社製)と、着色顔料であるカーボンブラックを配合し、樹脂固形分35質量%に調製した塗料を用い、光輝材を7.9質量%、着色顔料を0.6質量%含有する光輝材含有クリア塗膜3を形成した。それ以外は参考例1と同様にして、建築材Aを得た。
(比較例1)
参考例1おける光輝材含有クリア塗膜3に代えて、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ(メルク社製)を配合し、樹脂固形分35質量%に調製した塗料を用い、光輝材を1.1質量%含有する塗膜を形成した。それ以外は参考例1と同様にして、建築材Aを得た。
(比較例2)
参考例1における光輝材含有クリア塗膜3に代えて、アクリルエマルション樹脂に、光輝材である粒径10〜60μmの範囲のパールマイカ(メルク社製)を配合し、樹脂固形分35質量%に調製した塗料を用い、光輝材を14.5質量%含有する塗膜を形成した。それ以外は参考例1と同様にして、建築材Aを得た。
(比較例3)
参考例1における光輝材含有クリア塗膜3に代えて、アクリルエマルション樹脂に、光輝材及び着色顔料を配合せず、樹脂固形分35質量%に調製した塗料を用い、光輝材及び着色顔料を含有しない塗膜を形成した。それ以外は参考例1と同様にして、建築材Aを得た。
(比較例4)
参考例1における光輝材含有クリア塗膜3に代えて、アクリルエマルション樹脂に、光輝材を配合せず、着色顔料であるカーボンブラックを配合し、樹脂固形分35質量%に調製した塗料を用い、光輝材を含有しないと共に着色顔料を12質量%含有する塗膜を形成した。それ以外は参考例1と同様にして、建築材Aを得た。
(親水化時間評価)
各実施例及び比較例で得られた建築材Aに対し、その表面にサンシャインウエザーメータ(スガ試験機株式会社製、オープンフレームカーボンアークランプ)を用いて塗膜に連続光を照射し、この建築材Aの表面の水の接触角が10℃以下になるまでに要する時間を測定した。
(耐候性試験)
各実施例及び比較例で得られた建築材Aの塗膜に対し、メタルハライドランプ式促進耐候性試験機を用い、6時間照射した後、暗黒状態に2時間放置することを繰り返し行う促進耐候性試験(S−UV試験)を2000時間行った後、JIS K5600で規定されるクロスカット(2mm幅、25マス)によるセロハン粘着テープを用いた剥離試験をおこなった。そして、剥離率が0%のものを○、剥離率が1〜5%のものを△、剥離率が5%を超えるものを×と評価した。
(意匠性)
各実施例及び比較例で得られた建築材Aの塗膜の外観を目視で観察し、その美観を評価した。
その結果、参考例1,2、実施例3,5,6では光輝材含有クリア塗膜3に光輝材が程よく分散し、更に実施例3,5,6では顔料により着色された光輝材含有クリア塗膜3の色と、この光輝材含有クリア塗膜3を透過してみられる着色塗膜2の色とが、バランス良く発現することで、優れた美観が得られたため、これらの評価を○とした。また参考例4では光輝材含有クリア塗膜3に光輝材が程よく分散することで良好な美観が得られるが、光輝材含有クリア塗膜3の着色が濃いことから光輝性がやや弱められ、また下地の着色塗膜2の透過色と比べて光輝材含有クリア塗膜3の色が強く発現したため、△と評価した。一方、比較例1では光輝材含有クリア塗膜3の光輝性が乏しく、比較例2では光輝材含有クリア塗膜3の光輝性が過剰で、しかも光輝材により隠蔽されて有機塗膜2の色の透過が不充分であり、また、比較例3,4では光輝性がみられないため、これらを×と評価した。
Figure 0005049111
上記の通り、参考例1,2、実施例3、参考例4、実施例5,6では、比較例1〜4と対比すると、親水化時間が短く、光触媒含有無機クリア塗膜が速やかに光触媒活性を発揮することができると共に、意匠性にも優れ、且つ耐候性も良好なものであった。
本発明の実施の形態の一例を示す概略の断面図である。
符号の説明
1 基材
2 着色塗膜
3 光輝材含有クリア塗膜
4 無機クリア塗膜
5 光触媒含有無機クリア塗膜

Claims (2)

  1. 基材の表面に着色塗膜、光輝材含有クリア塗膜、無機クリア塗膜、光触媒含有無機クリア塗膜が、順次形成され、
    前記光輝材含有クリア塗膜が、前記着色塗膜の表面の一部又は全部に光輝材を含有するアクリル系又はアクリルシリコン系水性樹脂エマルション塗料を塗布成膜して形成され、且つ前記光輝材を1.4〜12.5質量%の範囲で含有し、着色顔料を0.2〜12質量%の範囲で含有するものであることを特徴とする建築材。
  2. 記基材が表面に凹凸を有し、記光輝材含有クリア塗膜が前記基材の凸部に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の建築材。
JP2007320030A 2007-12-11 2007-12-11 建築材 Active JP5049111B2 (ja)

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