JP5048915B2 - 整長cDNA由来両鎖cRNAサブトラクション方法 - Google Patents
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(1)PCRを行うとき、比較的長めのcDNAが増幅されずに欠落してしまう恐れがある。
(2)効果的なサブトラクションを行うため、一般にテスターに比べ大過剰のドライバーが用いられる一方で、ハイブリッド形成後のドライバーの除去が完全でないと、テスターに混入しサブトラクションが無効となり、相反する両条件を満たすことが難しい。
、増幅cDNAを用いて再びサブトラクションハイブリダイゼーションを行うことにより、より精度のよいサブトラクション方法とすることが可能であることも見い出した。
[RNAサンプル液の採取]
出生直後のマウス大脳皮質に由来する初代培養細胞に対して、細胞を回収する24時間前および6時間前に2回リポ多糖(LPS)10μg/mlおよびインターフェロンγ(IFNγ)500ユニット/mlを投与した。回収細胞から酸−グアニジンチオシアネート−フェノール−クロロホルム抽出法(AGPC法)により全RNAを抽出した。対照として、LPSおよびIFNγ未処理の細胞からも同様に全RNAを抽出し、それぞれ0.5μgの全RNAを含む10μlの水溶液を出発材料とした。
[オリゴdT磁気ビーズへのポリA+RNAの吸収(図1;ステップ1)]
上記RNA0.5μgを含む水溶液10μlを65℃にて5分間保温後氷上で急冷し、25μgのオリゴdT磁気ビーズ(Dynal社製Dynabeads Oligo(dT)25)を懸濁した10μlの2×結合緩衝液(1×結合緩衝液の組成:10mMトリス塩酸(pH7.5)、0.5M塩化ナトリウム、1mM EDTA)に加え、室温で5分間インキュベートし、ポリA+RNAをオリゴdTにアニールさせた。ポリA+RNA吸着オリゴdT磁気ビーズを磁石(Dynal社製MPC-E/E1)による吸引と分散をくり返すことにより、50μlの0.3×結合緩衝液にて2回洗滌した。
[磁気ビーズ上での2重鎖cDNAの合成(図1;ステップ2)]
上記ポリA+RNA吸着オリゴdT磁気ビーズを20mMトリス塩酸(pH8.4)、50mM塩化カリウム、2.5mM塩化マグネシウム、10mM DTT、1mM dNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、0.1mg/ml BSA、M−MLV逆転写酵素(INVITROGEN社製SuperScriptII)200ユニット(1μl)を含む20μlを反応混合液に懸濁し、42℃にて50分間(10分ごとに攪拌しビーズを浮遊させながら)インキュベートして、アンチセンス鎖cDNAを合成した。0.5M EDTA(pH8.0)0.8μlを加えて反応を停止し、mRNA/cDNAビーズを10mMトリス塩酸(pH8.0)/1mM EDTA(以下TE溶液という)50μlにて3回洗滌した。続いて、同ビーズを19mMトリス塩酸(pH8.3)、91mM塩化カリウム、4.6mM塩化マグネシウム、10mM硫酸アンモニウム、3.8mM DTT、0.15mM NAD、1mM dNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、大腸菌DNAポリメラーゼI(INVITROGEN社製)5ユニット、大腸菌DNAリガーゼ(INVITROGEN社製)5ユニット、大腸菌RNaseH(INVITROGEN社製)1ユニットを含む20μlの反応混合液に懸濁し、16℃にて1時間インキュベートして、センス鎖cDNAを合成し、磁気ビーズ固定2重鎖cDNAを得、TE溶液50μlにて2回洗滌した。
[2重鎖cDNAの3'末端からの平均1000bpへの整長(図1;追加ステップ)] 上記磁気ビーズ固定2重鎖cDNAを、6μlの10×制限酵素緩衝液(1×制限酵素緩衝液の組成:20mMトリス酢酸(pH7.9)、10mM酢酸マグネシウム、50mM酢酸カリウム、1mM DTT)、滅菌水52.5μlで58.5μlに懸濁し、19.5μlに3等分した(チューブNo.1−3)。チューブに3種の制限酵素0.5μlを別個に加えた(No.1:BanI、No.2:EcoO109I、No.3:HincII)。20μlの反応液を37℃にて1時間インキュベートし、3'末端長1000bp整長2重鎖cDNAビーズを得た。0.5M EDTA(pH8.0)0.8μlを加えた後、65℃にて20分間インキュベートして反応を停止し、1本にまとめて、TE50μlにて3回洗滌した。
[5'末端の平滑化]
上記整長2重鎖cDNAを50mMトリス塩酸、15mM硫酸アンモニウム、7mM塩化マグネシウム、0.1mM EDTA、10mM 2−メルカプトエタノール、0.02mg/ml BSA、0.1mM dNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、滅菌水、T4 DNAポリメラーゼ0.5ユニットを含む20μlの反応混合液で懸濁し、16℃10分間インキュベートし5'末端を平滑化した。0.5M EDTA(pH8.0)0.8μlを加えて反応を停止し、整長2重鎖cDNAビーズをTE50μlで2回洗滌した。
[cDNA5'末端へのプロモーター配列の付加とセンス鎖cDNAの分取(図1;ステップ3および4)]
配列番号1で表される52merの塩基配列からなるupper strandと、配列番号2で表される50merの塩基配列からなるlower strandのオリゴヌクレオチドを、DNAシンセサイザーを用いて常法により合成した。lower strandの5'末端はT4ポリヌクレオチドキナーゼ(NEB社製)を用いてリン酸化した。両鎖を常法によりアニールし、2重鎖とし、図3に示したMSMAP−5'−T7リンカーを得た。上記の2重鎖cDNAビーズを50mMトリス塩酸(pH7.6)、10mM塩化マグネシウム、1mM DTT、1mM ATP、5%ポリエチレングリコール8000、MSMAP−5'−T7リンカー1μg、T4 DNAリガーゼ(INVITROGEN社製)1ユニットを含む20μlの反応混合液に懸濁し(最後に酵素液1μlを加えて反応開始)、4℃にて1晩インキュベートし、MSMAP−5'−T7リンカーを2重鎖cDNA5'末端に連結した(図1;ステップ3)。0.5M EDTA(pH8.0)0.8μlを加えて反応を停止し、リンカー連結2重鎖cDNAビーズをTE溶液50μlにて3回洗滌した。続いて、同ビーズをTE溶液20μlに懸濁し、95℃にて5分間インキュベートして、熱融解によりセンス鎖cDNAを解離させた。アンチセンス鎖cDNAビーズを磁石に吸引し、センス鎖cDNAを含む上清を分取した(図1;ステップ4)。
[cDNA3'末端へのプロモーター配列の付加とアンチセンス鎖cDNAの再合成(図1ステップ5)]
センス鎖cDNA溶液4μlに、配列番号3で表される68merの塩基配列(図3)からなる、SP6プロモーター配列を付加したオリゴ(dT)プライマーMSMAP−3'−SP6プライマー50ngを加え、合計5μlとした。90℃にて3分間加熱した後、氷上にて急冷し、これに各終濃度20mMトリス塩酸(pH8.4)、50mM塩化カリウム、2.5mM塩化マグネシウム、10mM DTT、1mM dNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、0.1mg/ml BSAを加え、42℃にて5分間インキュベートした後、さらにM−MLV逆転写酵素(INVITROGEN社製SuperScriptII)200ユニット(1μl)を加え20μlの反応混合液とした。42℃にて1時間インキュベートして、アンチセンス鎖cDNAを合成し、2重鎖cDNAとした。
[cDNA混成物の増幅(図1;ステップ6)]
2段階のPCRにより、cDNA混成物の増幅を行った。プライマーとしては、2重鎖cDNAのリンカー部分の既知配列、すなわち配列番号4で表された20merの塩基配列からなる5'PCRプライマー(図3)と配列番号5で表される20merの塩基配列からなる3'PCRプライマー(図3)を用いた。第一段階のPCRは、20mMトリス塩酸(pH8.2)、10mM塩化カリウム、6mM硫酸アンモニウム、2mM塩化マグネシウム、0.1%Triton X−100、0.2mM dNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、10μg/ml BSA、上記2重鎖cDNA溶液4μl、5'PCRプライマー0.1nmol、3'PCRプライマー0.1nmol、熱耐性DNAポリメラーゼ(Stratagene社製PfuTurbo DNAポリメラーゼ)3ユニットを含む50μlの反応混合液中で行った。なお、PCRの条件は、94℃にて1分間熱変性、64℃にて2分間アニーリング、72℃にて4分間伸長反応させるというサイクルを20回繰り返すという条件で行った。第二段階のPCRは、第一段階のPCR産物混合液4μlずつを4本のチューブに分注し、各チューブの他の組成は第一段階と同様50μlの反応混合液中で行った。なお、PCRの条件は、上記第一段階と同様の条件で9サイクル行った。4本の産物混合物を1本に集め、TE飽和フェノール200μlによる抽出2回、TE飽和フェノール/クロロホルム(50:50)200μlによる抽出2回、クロロホルム200μlによる抽出2回の後、残された約200μlの産物混合液に、キャリアーとしてグリコーゲン(Roche Diagnostics社製)20μg(1μl)を加え、さらに3M酢酸ナトリウム1/10容(20μl)、イソプロパノール7/10容(154μl)を加え、室温にて10分保管後、遠心により産物を回収した。沈殿を70%エタノール1mlにて洗滌した後、風乾しTE溶液20μlに溶解した。
[ドライバーcRNAの合成(図2;ステップ7)]
無刺激の対照細胞に由来する上記増幅cDNA混成物を鋳型として、センス鎖およびアンチセンス鎖cRNAをそれぞれT7およびSP6 RNAポリメラーゼを用いて以下のように特異的に合成した。40mMトリス塩酸(pH8.0)、6mM塩化マグネシウム、10mM DTT、2mMスペルミジン、1mM ATP、1mM CTP、1mM GTP、0.9mM UTP、0.1mMビオチン標識UTP、RNaseインヒビター(TOYOBO社製)20ユニット、増幅cDNA混成物0.3μg、T7 RNAポリメラーゼ(Roche Diagnostics社製)またはSP6 RNAポリメラーゼ(Roche Diagnostics社製)40ユニットを含む20μlの反応混合液を37℃にて2時間インキュベートして、ビオチン標識cRNAを合成した。続いて、RNase活性を含まないDNaseI(5ユニット/μlTAKARA社製)1μlを加え、さらに37℃にて15分間インキュベートすることにより鋳型cDNAを分解し、最後に0.5M EDTA(pH8.0)0.8μlを加えて反応を停止した。続いて5M酢酸アンモニウム2/3容(15.2μl)、エタノール2容(76μl)を加え、氷上に10分間保管後、遠心により産物を回収した。回収した産物(沈殿物)を70%エタノール0.1mlにて洗滌した後、風乾し、滅菌水20μlに溶解した。
[サブトラクションハイブリダイゼーション(図2;ステップ8および9)]
ドライバーである上記ビオチン標識cRNA5μg(センス鎖およびアンチセンス鎖それぞれ2.5μg)に、テスターであるLPS−IFNγで刺激した細胞由来の増幅cDNA0.5μg、共通した末端配列でのハイブリダイゼーションを避けるために競合させるものとして、配列番号1で表される52merの塩基配列からなるupper strand2μg、配列番号3で表される68merの塩基配列からなる、SP6プロモーター配列を付加したオリゴ(dT)プライマーMSMAP−3'−SP6プライマー2μgを混合し、30μlの溶液とした。3M酢酸ナトリウム1/10容(3μl)、エタノール2倍容(66μl)を加え、氷上に10分間保管後、遠心にて核酸を回収した。回収した沈殿物を70%エタノール0.1mlにて洗滌した後、風乾し、50mM Hepes(pH8.3)、0.5M塩化ナトリウム、0.02mM EDTA、30%ホルムアミドを含む5μlの反応混合液に溶解した。98℃にて1分30秒加熱し、テスター2重鎖cDNAを解離させた後、68℃にて21時間インキュベートした。
[磁気ビーズによるドライバーの除去(図2;ステップ10)]
ストレプトアビジン磁気ビーズ(Dynal社製 Dynabeads M-280 Streptavidin)1mgを2×洗滌緩衝液(1×洗滌緩衝液の組成:10mMトリス塩酸(pH8.0)、1mM EDTA、2M塩化ナトリウム)50μl、滅菌水45μlにて懸濁し、上記混合液5μlを加えた。室温にて10分、ビオチンとストレプトアビジンを結合させた後、55℃にて3分間保持して非特異的結合を除き、ストレプトアビジン磁気ビーズを磁石で吸引保持してドライバーを除去し、テスターを含む上清を採取した。ビオチン化cRNAを完全に除くため、ストレプトアビジン磁気ビーズによる除去をもう一度繰り返した後、TEにて全量500μlとし、キャリアーとしてグリコーゲン(Roche Diagnostics社製)20μg(1μl)を加えエタノール1mlを加えた。氷上10分保管後、遠心により産物を回収した。沈殿を70%エタノール1mlにて洗滌した後、風乾し、TE溶液10μlに溶解した。0.2M水酸化ナトリウム、100mM塩化ナトリウムを含む溶液10μlを加え、37℃にて30分インキュベートし、除去しきれなかったドライバーcRNAをアルカリ分解した。TE180μlにて中和後、3M酢酸ナトリウム1/10容(20μl)、イソプロパノール7/10容(154μl)を加え、室温にて10分保管後、遠心により産物を回収した。沈殿を70%エタノール1mlにて洗滌し、風乾後、TE溶液20μlに溶解してサブトラクション1回済みテスター溶液を得た。
[サブトラクション産物の増幅(図2;ステップ11)]
プライマーとしては、2重鎖cDNAのリンカー部分の既知配列、すなわち配列番号4で表された20merの塩基配列からなる5'PCRプライマー(図3)と配列番号5で表される20merの塩基配列からなる3'PCRプライマー(図3)を用いた。20mMトリス塩酸(pH8.2)、10mM塩化カリウム、6mM硫酸アンモニウム、2mM塩化マグネシウム、0.1%Triton X−100、0.2mM dNTP(dATP、dCTP、dGTP、dTTP)、10μg/ml BSA、上記2重鎖cDNA溶液1μl、5'PCRプライマー0.1nmol、3'PCRプライマー0.1nmol、熱耐性DNAポリメラーゼ(Stratagene社製PfuTurbo DNAポリメラーゼ)3ユニットを含む50μlの反応混合液中で行った。なお、PCRの条件は、94℃にて1分間熱変性、64℃にて2分間アニーリング、72℃にて4分間伸長反応させるというサイクルを13回繰り返すという条件で行った。8本の産物混合液を1本に集め、TE飽和フェノール400μlによる抽出2回、TE飽和フェノール/クロロホルム(50:50)400μlによる抽出2回、クロロホルム400μlによる抽出2回の後、残された約400μlの産物混合液に、キャリアーとしてグリコーゲン(Roche Diagnostics社製)20μg(1μl)を加え、さらに3M酢酸ナトリウム1/10容(40μl)、イソプロパノール7/10容(308μl)を加え、室温にて10分保管後、遠心により産物を回収した。沈殿を70%エタノール1mlにて洗滌した後、風乾し、TE溶液10μlに溶解した。以上により通常約2μgのサブトラクション(一次)産物の増幅cDNAが得られた(第1ラウンド終了cDNA混成物)。
[サザンハイブリダイゼーション解析によるサブトラクション効果の検定(図4)]
サブトラクションにより特定のcDNAが濃縮されたか否かを確かめるために、各段階の全cDNA混成物のサザンハイブリダイゼーション解析を行なった。図4左側に、PCRにて増幅した全cDNA 0.2μgを1%アガロースにて電気泳動後、エチジウムブロマイドにて蛍光染色した結果を示す。LPS−IFNγで未処理(−)あるいは処理(+)の培養細胞に由来する全cDNAおよび第1ラウンド、第2ラウンドのサブトラクション終了後の全cDNAがスメア状に検出された。図4中央に、ナイロンメンブレンにブロット後、DIG標識したinterferon γ-inducible 47kDa protein (Ifi47) cRNAをプローブに用いてサザン解析を行なった結果を示す。未処理(−)に比べLPS−IFNγ処理(+)で誘導されたIfi47 mRNAに由来するcDNAは、第1ラウンドおよび第2ラウンドのサブトラクションにより濃縮されたことが明らかである。これに対し、図4右側に示すように、LPS−IFNγ処理(+)によっても著変を示さないglyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase(GAPDH) mRNAに由来するcDNAは、サブトラクションの第1ラウンドにより大部分が除去され、第2ラウンドによりほぼ完全に消失した。従って、2ラウンドのサブトラクションにより、テスター中に高レベルに存在するcDNAが特異的に濃縮される一方で、テスター、ドライバー中に同レベルに存在するcDNAは効率的に除去されることが示された。
[サブトラクション産物の増幅cDNAよりのライブラリーの作製]
増幅cDNA混成物は、その両端に構築された特殊な配列を利用して、pUC18/19、pGEM-3Zf(+)/(−)等のプラスミドベクターに一方向性に、かつ1コピーのみ挿入することが可能である。cDNA混成物の5'末端の配列
5'−CCGGA・・・・・・−3'
3'−GGCCT・・・・・・−5'
に対して、dATPとdTTPのみが存在し、dCTPとdGTPが存在しない反応液中で、T4 DNAポリメラーゼを作用させると、その3'→5'エキソヌクレアーゼ活性により、
5'−CCGGA・・・・・・−3'
3'− T・・・・・・−5'
の5'突出末端を形成できる。この末端は、pUC18/19、pGEM-3Zf(+/−)等のポリリンカー部位をAvaIにて消化した際形成される5'突出末端と相補的である。同様にして、cDNA混成物の3'末端の配列
5'−CGA・・・・・・−3'
3'−GCT・・・・・・−5'
に対して、
5'−CGA・・・・・・−3'
3'− T・・・・・・−5'
の5'突出末端を形成できる。この末端は、pUC18/19、pGEM-3Zf(+)/(−)等のポリリンカー部位をAccIにて消化した際形成される5'突出末端と相補的である。この特質を利用して、各cDNAを一方向性にプラスミドのAvaI−AccI部位に挿入できる。また、各cDNAの両端はリン酸化されていないため、cDNA同士の連結がおこらず、1コピーのみ挿入される。
[サブトラクション産物のcDNAライブラリーの構築とDNAマイクロアレイ解析によるサブトラクション効果の検定(図5)]
以下に、前記サブトラクション産物の増幅cDNA混成物をpUC19に挿入し、cDNAライブラリーを構築した実験例を示す。
Claims (15)
- 以下の1)〜10)の工程を含むことを特徴とするサブトラクション方法。
1)目的とする試料(テスター)及び対照とする試料(ドライバー)中のmRNAとを、それぞれオリゴ(dT)を結合させた担体に吸着させる工程;
2)担体上でアンチセンス鎖cDNA及びセンス鎖cDNAをそれぞれ合成する工程;
3)得られた2重鎖cDNAを、使用制限酵素数に分割し、各分画を個別に制限酵素により切断した後、各分画を混合することによりそれぞれ整長する工程;
4)整長された2重鎖cDNAの少なくともセンス鎖の5'末端に第1のプロモーター配列を有するリンカーをそれぞれ付加する工程;
5)2重鎖cDNAを解離させ、担体に結合したアンチセンス鎖cDNAを担体と共にそれぞれ除去する工程;
6)解離したセンス鎖cDNAを鋳型として、第2のプロモーター配列を有するリンカーを付加したオリゴ(dT)プライマーを用いて、2重鎖cDNAをそれぞれ合成する工程;
7)2重鎖cDNA両端のリンカー部分の配列をプライマーとしてPCRを行い、cDNA混成物をそれぞれ増幅する工程;
8)増幅されたドライバーの2重鎖cDNA混成物を用いて、前記第1のプロモーター配列及び第2のプロモーター配列を利用して、インビトロ転写系によりドライバーのセンス鎖cRNA及びアンチセンス鎖cRNAの両鎖cRNAを合成する工程;
9)増幅されたテスターの2重鎖cDNA混成物を解離させ、前記ドライバーのセンス鎖cRNA及びアンチセンス鎖cRNAの両鎖cRNAと、サブトラクションハイブリダイゼーションを行う工程;
10)ドライバーのセンス鎖cRNA及びアンチセンス鎖cRNAの両鎖cRNAとハイブリダイズしなかったテスター由来のサブトラクション一次産物である2重鎖cDNAを増幅する工程; - サブトラクション一次産物である増幅2重鎖cDNAを解離させ、ドライバーのセンス鎖cRNA及びアンチセンス鎖cRNAの両鎖cRNAと、再度サブトラクションハイブリダイゼーションを行い、ドライバーのセンス鎖cRNA及びアンチセンス鎖cRNAの両鎖cRNAとハイブリダイズしなかったテスター由来のサブトラクション二次産物である2重鎖cDNAを増幅することを特徴とする請求項1記載のサブトラクション方法。
- 担体が磁気ビーズであることを特徴とする請求項1又は2記載のサブトラクション方法。
- 制限酵素として、BanI、EcoO109I及びHincIIの少なくとも1種類を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれか記載のサブトラクション方法。
- 得られた2重鎖cDNAを3分割し、その各分画を個別にBanI、EcoO109I及びHincIIにより切断した後、3分画を混合することにより整長することを特徴とする請求項4記載のサブトラクション方法。
- 2000bp以下、平均1000bpに整長することを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載のサブトラクション方法。
- 整長した後に、5'末端を平滑末端とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか記載のサブトラクション方法。
- 第1のプロモーター配列を有するリンカーとして、その5'末端が非対合末端、3'末端が平滑末端であるリンカーを使用することを特徴とする請求項1〜7のいずれか記載のサブトラクション方法。
- 第1のプロモーター配列を有するリンカー及び/又は第2のプロモーター配列を有するリンカーとして、該プロモーター配列の5'側及び/又は3'側に制限酵素認識配列を有するリンカーを使用することを特徴とする請求項1〜8のいずれか記載のサブトラクション方法。
- 第1のプロモーター配列と第2のプロモーター配列が異なることを特徴とする請求項1〜9のいずれか記載のサブトラクション方法。
- 第1のプロモーター及び/又は第2のプロモーターが、該プロモーターを特異的に転写することができるRNAポリメラーゼが作用するプロモーターであることを特徴とする請求項1〜10のいずれか記載のサブトラクション方法。
- プロモーターを特異的に転写することができるRNAポリメラーゼが作用するプロモーターが、T7プロモーター、SP6プロモーター、T3プロモーターから選ばれることを特徴とする請求項11記載のサブトラクション方法。
- 第1のプロモーター配列を有するリンカーが、配列番号1及び2で表される塩基配列からなることを特徴とする請求項1〜12のいずれか記載のサブトラクション方法。
- 第2のプロモーター配列を有するリンカーを付加したオリゴ(dT)プライマーが、配列番号3で表される塩基配列からなることを特徴とする請求項1〜13のいずれか記載のサブトラクション方法。
- ドライバーのセンス鎖cRNA及びアンチセンス鎖cRNAの両鎖cRNAをビオチン標識cRNAとして合成し、ストレプトアビジン磁気ビーズを用いて、ドライバーのセンス鎖cRNA及びアンチセンス鎖cRNAの両鎖cRNAとハイブリダイズしなかったテスター由来のサブトラクション産物を分離することを特徴とする請求項1〜14のいずれか記載のサブトラクション方法。
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