JP5047737B2 - ねじ打ち込み機 - Google Patents

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Description

この発明は、圧縮空気を動力源とするいわゆるエアツールであって、先端にねじをセットしたドライバビットを回転させつつ軸方向に前進させてこのねじをねじ打ち込み材に打ち込む(締め込む)ねじ打ち込み機に関する。
例えば、下地としての木板に上材としての石膏ボードをねじ止めする場合に、多数のねじを連続して締め付けることができるねじ打ち込み機が用いられる。このねじ打ち込み機は、圧縮空気を動力源とするピストンの推力(打ち込み力)とエアモータの回転力(ねじ締め力)によりドライバビットを回転させつつ軸方向に移動させる構成としたもので、係る構成によればドライバビットの移動過程において、多数本のねじを並列に連結したねじ連結帯のねじ頭部にドライバビットの先端を嵌合させて当該ねじをねじ連結帯から離脱させ、そのままこのねじを回転させつつ上材を貫通して下地に打ち込む(締め込む)ことにより上材を下地にねじ止めすることができる。
このねじ打ち込み機に関する技術として従来例えば下記の特許文献に開示された技術が公知になっている。特許文献1には、ドライバビットを軸方向に移動させるピストンを主ピストンと副ピストンに二分割して、打ち込み当初は大きな推力で確実に打ち込み、その後は弱い推力で押し付けつつ回転させて高いねじ耐性を確実に確保する技術が開示されており、この場合ピストンの移動に伴ってエアモータ及びその出力を減速させるための減速機構が一体で打ち込み方向にストロークする構成となっていた。
エアモータと減速機構がピストンと一体で打ち込み方向に移動する構成の場合は、移動する部材の重量が大きくなる結果、打ち込み時の反動が大きくなって打ち込み動作が不安定になるおそれがある。
これに対して、特許文献2には、エアモータ及び減速機構は打ち込み方向に移動せず、ピストン及びドライバビットだけを打ち込み方向に移動させる構成として打ち込み時の反動を小さくするとともに、エアモータの回転出力を減速機構を介して増幅してドライバビットに伝達することにより、エアモータのコンパクト化を図り、ひいては打ち込み機の小型軽量化を図る技術が開示されている。
特許第3793272号公報 特開平11−300639号公報
このように従来よりねじ打ち込み機について様々な改良が施されているが、こられ従来のねじ打ち込み機にもさらに改良を加える必要があり、例えば打ち込み時の反動をより一層低減して当該ねじ打ち込み機の操作性を高める必要があった。
上記したように、エアモータの回転出力を遊星歯車列により減速してねじ締め用のドライバビットに伝達する形態を備えたねじ打ち機では、遊星歯車列のキャリアに設けた小判形の二面幅孔部にドライバビットの二面幅軸部を軸方向移動可能な状態で回転方向について係合させることによりエアモータの回転動力をドライバビットに伝達する構成が採用されている。本発明は、このようなドライバビットに対する動力伝達機構を備えたねじ締め機について、ねじ打ち込み時の反動をより一層低減することを目的とする。
上記の課題は、以下の各発明によって解決される。
第1の発明は、ねじ打ち込み用のドライバビットをねじ締め方向に回転させるエアモータと、ドライバビットをねじ打ち込み方向に移動させるピストンと、これらを収容する本体ハウジングを備えたねじ打ち込み機であって、エアモータとドライバビットとの間の回転動力伝達経路中に減速機構として歯車列を備え、歯車列の回転動力伝達孔部にドライバビットの回転動力伝達軸部が挿通されて当該ドライバビットが歯車列に対して軸方向移動可能かつ軸回りの回転について一体化されており、ドライバビットの回転動力伝達軸部が、回転動力伝達孔部に対して回転方向に少なくとも3点で当接した状態で回転動力の伝達を行う横断面形状を有する構成としたねじ打ち込み機である。
第1の発明によれば、ピストンが移動することによりドライバビットが打ち込み方向に移動してねじが打ち込まれる。また、エアモータが起動することによりドライバビットがねじ締め方向に回転してねじが締め込まれる。エアモータの回転動力は、歯車列の回転動力伝達孔部に対するドライバビットの回転動力伝達軸部がねじ締め方向に一体化(係合)することにより、当該エアモータの回転動力がドライバビットに伝達される。
係る構成を備えたねじ打ち込み機において、第1の発明によれば、ドライバビットの回転動力伝達軸部が回転動力伝達孔部に対して少なくとも3点で当接した3点当たり状態で回転動力の伝達が行われることから、従来の一般的な二面幅部による2点当たり状態の回転動力伝達構造に比して、回転動力伝達孔部に対する回転動力伝達軸部の軸方向の摺動抵抗が大きくなる。この軸方向の摺動抵抗の増大により、ねじ打ち込み時の打ち込み方向(ドライバビットの軸方向)の反動(回転動力伝達軸部の回転動力伝達孔に対するドライバビット軸線方向の相対移動)が低減される。
第2の発明は、第1の発明において、ドライバビットの回転動力伝達軸部の横断面が、当該ドライバビットの回転中心軸に対して非点対称形状を有する構成としたねじ打ち込み機である。
第2の発明によれば、ドライバビットの回転動力伝達軸部の横断面形状が当該ドライバビットの回転中心軸に対して非点対称形状(点対称でない形状、以下同じ)に形成されることにより、回転動力伝達軸部が回転動力伝達孔部に対して少なくとも3点当たり状態で回転方向に係合される状態となる。このため、従来の点対称形状の横断面を有する二面幅軸部が2点当たり状態で回転動力の伝達がなされる構成に比して、第2の発明によれば、歯車列の回転動力伝達孔部に対するドライバビットの回転動力伝達軸部の軸方向の摺動抵抗が増大し、その分だけねじ打ち込み時の打ち込み方向の反動が低減される。これは、出願人が行った試作品での試験によって体感的かつ客観的に確認することができた。
第2の発明に係る回転動力伝達軸部の横断面形状について非点対象形状を採用することにより、結果としてねじ打ち込み時の反動を体感的に低減することができ、そのメカニズムとして、回転動力伝達軸部の回転動力伝達孔部に対するドライバビット軸線方向(打ち込み方向)の摺動抵抗が増大し、その増大分のエネルギーが消費されることにより使用者が手に受ける反動が低減されることが考えられる。
ここで、例えば、ドライバビットの回転動力伝達軸部を相互に平行な二つの平坦面で形成される二面幅軸部とし、これに対応して回転動力伝達孔部を相互に平行な二つの平坦面で形成されるいわゆる小判孔形の二面幅孔部とし、両者のねじ締め方向の係合状態によりエアモータの回転動力をドライバビットに伝達する構成とする場合に、例えば二面幅軸部の二つの平坦面の当該ドライバビットの回転中心軸からの間隔を相互に異なる間隔とすることにより、当該二面幅軸部の横断面形状を非点対称形状とすることができる。ドライバビットの二面幅軸部の横断面形状を非点対称形状とすると、二面幅孔部に対して当該二面幅軸部を回転方向に3点当たり状態とすることができる。
このように、回転動力伝達孔部に対して回転動力伝達軸部の少なくとも3点当たり状態を実現するために、二面幅軸部の横断面形状を非点対称形状とすることがその製作コストの点で最も有利である。この点、回転動力伝達軸部の横断面形状を、例えば三角形、四角形等の点対称形状とすることによっても回転動力伝達孔部に対して少なくとも3点当たり状態を実現することができるが、これらの場合には製作コストが高騰する。
第3の発明は、第2の発明において、回転動力伝達孔部を相互に平行な二つの平坦面で形成される二面幅孔部とし、回転動力伝達軸部を相互に平行な二つの平坦面で形成される二面幅軸部として、二面幅孔部に対して二面幅軸部が軸方向移動可能かつ回転について一体化されており、二面幅軸部の二つの平坦面がドライバビットの回転中心軸に対して相互に異なる間隔で設けられて、当該二面幅軸部の横断面形状が回転中心軸に対して非点対称形状を有する構成としたねじ打ち込み機である。
第3の発明によれば、回転動力伝達軸部としての二面幅軸部によって歯車列からドライバビットに回転動力が伝達される。二面幅軸部の相互に平行な二つの平坦面が回転中心軸に対して異なる間隔で設けられることにより当該二面幅軸部の横断面形状が非点対称形状に設定されている。こうして二面幅軸部の横断面形状が回転中心軸を中心にして非点対称に設けられることによりその挿通孔に対して回転方向に少なくとも3点当たり状態で回転動力の伝達がなされ、その結果二面幅軸部の挿通孔に対するドライバビット軸線方向の摺動抵抗が増大してねじ締め込み時の反動が低減される。
第4の発明は、第3の発明において、二面幅軸部の二つの平坦面の回転中心軸からの間隔について、一方の平坦面が他方の平坦面の65パーセントから75パーセントに設定されたねじ打ち込み機である。
第4の発明によれば、二面幅軸部の一方の平坦面について二面幅孔部の平坦面との間の間隔をわずかに大きくすることにより両者間の少なくとも3点当たり状態を実現することができ、当該回転動力伝達軸部(二面幅軸部)の加工性を損なうことなく上記の作用効果を得ることができる。
第5の発明は、第2の発明において、回転動力伝達孔部を相互に平行な二つの平坦面で形成される二面幅部とし、回転動力伝達軸部を二つの平坦面で形成される二面幅軸部とし、二面幅孔部に対して二面幅軸部が軸方向移動可能かつ軸回りの回転について一体化されており、二面幅軸部の二つの平坦面が相互に角度を有して設けられて、当該二面幅軸部の横断面形状が回転中心軸に対して非点対称形状を有する構成としたねじ打ち込み機である。
第5の発明によれば、回転動力伝達軸部としての二面幅軸部によって歯車列からドライバビットに回転動力が伝達される。二面幅軸部の二つの平坦面が相互に角度を有する状態(相互に平行でない状態)に設けられることにより、当該二面幅軸部の横断面形状が非点対称形状に設定されている。こうして二面幅軸部の横断面形状が回転中心軸を中心にして非点対称形状に設けられることにより二面幅孔部に対して二面幅軸部の少なくとも3点当たり状態を実現することができ、その結果両者間の打ち込み方向の摺動抵抗が増大してねじ締め込み時の反動が低減される。
第6の発明は、ねじ打ち込み用のドライバビットをねじ締め方向に回転させるエアモータと、ドライバビットをねじ打ち込み方向に移動させるピストンと、これらを収容する本体ハウジングを備えたねじ打ち込み機であって、エアモータとドライバビットとの間の回転動力伝達経路中に減速機構として歯車列を備え、この歯車列に設けた二面幅孔部にドライバビットの二面幅軸部が挿通されて当該ドライバビットが歯車列に対して軸方向移動可能かつ軸回りの回転について一体化されており、ドライバビットの二面幅軸部若しくは歯車列の二面幅孔部の一方若しくは双方の横断面形状について非点対称形状として、相互に少なくとも3点で当接した状態で回転動力の伝達を行う構成としたねじ打ち込み機である。
第6の発明によれば、二面幅孔部に対して二面幅軸部が軸方向移動可能かつ軸回りの回転について一体化されることにより、ピストンのねじ打ち込み方向の押し付け力及びエアモータの回転動力がドライバビットに伝達される。係る構成において、二面幅孔部の横断面形状と二面幅軸部の横断面形状の一方若しくは双方について、非点対称形状とすることにより、両者間の回転方向について少なくとの3点で当接させて軸線方向の摺動抵抗を増大させ、これによりねじ打ち込み時の反動を低減することができる。
次に、本発明の実施形態を図1〜図22に基づいて説明する。図1及び図2は、本実施形態に係るねじ打ち込み機1の非作動状態(初期状態)を示している。このねじ打ち込み機1は、概ね円柱体形状を有する本体部2と、本体部2の長手方向ほぼ中央から側方へ突き出す状態に設けられたハンドル部3を備えている。ハンドル部3の基部付近には、トリガバルブ4が配置されている。このトリガバルブ4は、使用者が指先で引き操作するトリガ5により開閉操作される。トリガバルブ4自体は従来公知のものと同様で本実施形態において特に変更を要しないので、その構成及び動作についての詳細な説明は省略する。
使用者がトリガ5を引き操作すると本体部2の先端(図1において下端)から1本のねじSがねじ打ち込み材Wに打ち込まれる。ねじ打ち込み材Wは、上材W1と下地W2の二層構造を有するもので、上材W1は例えば石膏ボードで、下地W2は木板若しくは鋼板である。
ハンドル部3の先端には、当該ねじ打ち込み機1の動力源となる圧縮空気を供給するためのエアホース6が接続されている。このエアホース6からハンドル部3の内部の蓄圧室7に圧縮空気が供給される。また、このハンドル部3の内部には、排気管8がその長手方向に沿って取り付けられている。この排気管8の一端側(排気口8a)はハンドル部3の先端部で開口されている。排気管8の他端側は、本体部2内に設けた排気室8bに連通されている。
本体部2の下部とハンドル部3の先端部との間には、多数本のねじS〜Sを並列に保持したねじ連結帯(図示省略)を収容するマガジン11と、マガジン11から引き出したねじ連結帯を本体部2側へピッチ送りするためのねじ連結帯送り機構12が装備されている。
本体部2は、図1において上側から順に打撃機構部20とエアモータ50と減速機構部70を備えている。図示するようにハンドル部3に対して上側に打撃機構部20が配置され、下側にエアモータ50と減速機構部70が配置されている。
打撃機構部20は、シリンダ21とその内部に収容されたピストン22を備えている。ピストン22は、シリンダ21内を図示上下に往復動可能に収容されている。以下、シリンダ21内部の空気室であってピストン22により気密に区画される上側の室をシリンダ上室24と言い、下側の室をシリンダ下室25と言う。
シリンダ22は、保持スリーブ27の内側に移動不能に保持されている。保持スリーブ27は、本体部2の本体ハウジング2aに対して固定されている。
ピストン22の下面中心には、ドライバビット23の上端部がその軸回りに回転可能かつ軸方向へは移動不能に結合されている。ドライバビット23は、ピストン22の下面中心から下方(ねじ打ち込み方向)に向けて長く延びて本体部2の先端部付近に至っている。
保持スリーブ27の上部外周側には、円筒形状をなすヘッドバルブ30が配置されている。このヘッドバルブ30及びその周辺の詳細が図3に示されている。図3は、図1及び図2に示す初期状態からトリガ5を引き操作し始めてヘッドバルブ30が開き始め、これによりエアモータ50が回転し始め、またダンパー26が上動した状態を示している。これらの初期位置からの動作については後述する。
このヘッドバルブ30とヘッドハウジング2bとの間には圧縮ばね31〜31が介装されている。この圧縮ばね31〜31によってヘッドバルブ30は常時下向き(閉じ側)に付勢されている。また、このヘッドバルブ30の上面側(ヘッドバルブ上室30a)には、トリガバルブ4を経て蓄圧室7の圧縮空気が作用する状態と、大気開放されて圧縮空気が作用しない状態とに切り換えられる。このヘッドバルブ上室30aの空気圧作用状態の切り換えがトリガ5の操作及びトリガバルブ4の動作によりなされる。
一方、ヘッドバルブ30の下部には、それぞれ肉厚を薄くする方向に傾斜した外周側の受圧面30eと内周側の受圧面30fがそれぞれ全周にわたって設けられている。外周側の受圧面30eの下方に区画されたヘッドバルブ下室30dには、常時蓄圧室7の圧縮空気が流入している。このため、受圧面30eには常時圧縮空気の空気圧が作用している。受圧面30eに作用する圧縮空気圧は、ヘッドバルブ30を上方へ移動させる方向に作用する。
トリガ5の引き操作によりトリガバルブ4がオン作動すると、ヘッドバルブ上室30aの圧縮空気が排気されて大気開放される。圧縮ばね31〜31の付勢力は、ヘッドバルブ30の受圧面30eに作用する圧縮空気の圧力よりも小さくなるように設定されている。このため、トリガバルブ4がオン作動すると、ヘッドバルブ30がその受圧面30eに作用する圧縮空気圧により圧縮ばね31〜31に抗して上動する。
ヘッドバルブ30が上動すると、その下端とバルブ台座部35の上面との間が開かれ始めた初期の段階(半開きの状態)で内周側の通気室30bが外周側のヘッドバルブ下室30dに連通され、その結果通気室30b内に圧縮空気が流入する。通気室30bは、通気室32を経てエアモータ50に連通されている。このため、ヘッドバルブ30が開き始めた初期の段階で、先ずエアモータ50が回転し始める。エアモータ50の詳細については後述する。
通気室30b内に流入した圧縮空気は、ヘッドバルブ30の内周側の受圧面30fに作用するため、その後ヘッドバルブ30は一気に上動して全開される。ヘッドバルブ30が全開した状態が図7に示されている。ヘッドバルブ30が全開すると、保持スリーブ27の上部外周に装着したシールリング27aとの間に通気路が開かれて、ヘッドバルブ30の内周側の通気室30cが通気室30bに連通され、従ってこの通気室30cに圧縮空気が流入する。通気室30c内に流入した圧縮空気は、シリンダ21の上部に装着した流量切り換えバルブ40を経てシリンダ上室24内に流入する。こうしてシリンダ上室24内に圧縮空気が流入されるとピストン22が下動する。ピストン22が下動すると、ドライバビット23が一体でその軸方向に沿って下動する。
ドライバビット23が下動すると、その先端がマガジン11から供給されたねじ連結帯の1本のねじSの頭部に係合され、そのままこのねじSをねじ連結帯から外した後、ねじ打ち込み材Wに打ち込まれる。ドライバビット23の打ち込み力(ピストン22の推力)は、以下説明する流量切り換えバルブ40によりシリンダ上室24への吸気流量を切り換えることにより大小二段階に切り換えることができる。
この流量切り換えバルブ40の詳細は図10〜16にも示されている。この流量切り換えバルブ40は、シリンダ21の上端部を気密に塞ぐ状態に固定した概ね円板形のバルブ台座部41と、バルブ本体42と、両者の相対位置を変更する切り換えレバー43を備えている。
バルブ台座部41は、すり鉢形に開いたシリンダ21の上端部に嵌め込まれ、かつ当該シリンダ21の上端部とヘッドハウジング2bとの間に気密に挟み込まれた状態で軸方向移動不能かつ軸回りに回転不能な状態に固定されている。このバルブ台座部41は、適度な弾性を有しており、ピストン22の上動端(上死点)を規制するとともに、その上動時の衝撃を吸収するダンパー(クッション体)としての機能をも有している。このバルブ台座部41には、その板厚方向に貫通する基準通気孔41a〜41aが設けられている。本実施形態では、3つの基準通気孔41a〜41aが周方向三等分位置(120°間隔)に配置されている。図12及び図15に示すように各基準通気孔41aは扇形に開口されており、その開口面積は比較的大きくなっている。
バルブ本体42は、バルブ台座部41の上面に対向するほぼ円板形状を有するもので、その上面中心には支軸部42cが一体に設けられている。この支軸部42cを介してバルブ本体42は、その軸心回りに回転可能かつ軸線方向に一定の範囲で平行移動可能な状態でヘッドハウジング2bに支持されている。支軸部42cは、ヘッドハウジング2bを貫通して、当該ヘッドハウジング2bの外面に設けた凹部2c内に突き出されている。この突き出し部分に切り換えレバー43が取り付けられている。切り換えレバー43は、支軸部42cの先端にビス45で固定されている。バルブ本体42の支軸部42c回りの位置は、この切り換えレバー43の回動操作によって外部から簡単に切り換えることができる。図10及び図13に示すように、ヘッドハウジング2bの凹部2cは、平面的に見て約60°に開く扇形に形成されている。切り換えレバー43は、この凹部2b内からほぼはみ出さない状態に収容されている。このため、切り換えレバー43は約60°の範囲で傾動操作される。切り換えレバー43を約60°だけ傾動操作することによりバルブ本体42が約60°の範囲で回転操作される。
バルブ本体42には、三つの大通気孔42a〜42aと三つの小通気孔42b〜42bがそれぞれ板厚方向に貫通して設けられている。三つの大通気孔42a〜42aは、支軸部42cを中心とする周方向三等分位置に配置されている。本実施形態では各大通気孔42aは、上記バルブ台座部41側の基準通気孔41aと同じ大きさの扇形に形成されている。三つの小通気孔42b〜42bも、支軸部42cを中心とする周方向三等分位置に配置されている。各小通気孔42bは、周方向に隣接する2つの大通気孔42a,42a間の中央に配置されている。従って、三つの大通気孔42a〜42aと三つの小通気孔42b〜42bがほぼ同一円周上に60°間隔で交互に配置されている。このため、切り換えレバー43を約60°の範囲で傾動操作すると、バルブ台座部41の三つの基準通気孔41a〜41aのそれぞれに対して、大通気孔42aが位置合わせされた状態(図12に示す状態)と、小通気孔42bが位置合わせされた状態(図15に示す状態)とに切り換えられる。
バルブ台座部41の基準通気孔41a〜41aに対して大通気孔42a〜42aが位置合わせされた状態と、小通気孔42b〜42bが位置合わせされた状態とでは、ヘッドバルブ30の内周側の通気室30cと、シリンダ上室24との間の流路面積が大きく異なる。前者の場合よりも後者の場合の方が、流路面積は小さくなる。前者の場合は三つの大通気孔42a〜42aの合計面積(本実施形態の場合、三つの基準通気孔41a〜41aの合計面積にほぼ等しい)が流路面積となり、後者の場合は三つの小通気孔42b〜42bの合計面積が流路面積となる。
このため、前者の場合には、シリンダ上室24に流入する単位時間当たりの圧縮空気の流入量が大きくなってピストン22の推力が大きくなり、従ってねじSの打ち込み力が大きくなる。後述するようにこの場合は、下地W2が鋼板である場合(鋼板モード)に適している。
これに対して、後者の場合には、流路面積が絞られてシリンダ上室24への単位時間当たりの圧縮空気の流入量が小さくなり、その結果ピストン22の推力が前者の場合よりも小さくなるため、ねじSの打ち込み力が小さくなる。この場合は、下地W2が木板である場合(木板モード)に適している。
このように、本実施形態のねじ打ち込み機1は、ねじSの打ち込み力を調整するための流量切り換えバルブ40を備えている。この流量切り換えバルブ40によれば、シリンダ上室24への圧縮空気の流入量を二段階で切り換えることができ、これによりいわゆる鋼板打ちの場合と木板打ちの場合のいずれにも最適な打ち込み力で打ち込み作業を行うことができるようになっている。図10は、切り換えレバー43を鋼板打ちに適した鋼板モードに切り換えた状態を示し、図11は、切り換えレバー43を木板打ちに適した木板モードに切り換えた状態を示している。
凹部2cの底部には、切り換えレバー43を鋼板モード位置と木板モード位置にそれぞれ保持するための、位置保持凸部2d,2eが設けられている。一方、バルブ本体42はヘッドハウジング2bとの間に介装した圧縮ばね44によりバルブ台座部41に押し付けられる方向(図において下向き)に付勢されている。このため、バルブ本体42の支軸部42cに一体に取り付けたレバー43は、この圧縮ばね44の付勢力によって凹部2cの位置保持凸部2d,2eに押し付けられる方向に付勢された状態となっている。この圧縮ばね44の付勢力によってレバー43の位置保持凸部2d,2eに対する弾性係合状態が保持されて適度な移動抵抗が与えられる。この移動抵抗が与えられることにより、切り換えレバー43がそれぞれの位置に弾性的に保持されてその不用意な移動が防止されるようになっている。
次に、バルブ本体42は、上記圧縮ばね44によって、バルブ台座部41に押し付けられる方向に付勢されている。上記鋼板モードの場合には、バルブ台座部41の三つの基準通気孔41a〜41aに対してそれぞれほぼ同じ開口面積の大通気孔42a〜42aが位置合わせされているため、ピストン22の上動時におけるシリンダ上室24内の圧縮空気圧はバルブ本体42にはほとんど作用しない。このため、鋼板モードにおけるピストン上動時にはバルブ本体42はバルブ台座部41の上面に押し付けられた状態に維持され、従ってシリンダ上室24内への圧縮空気の流入及びシリンダ上室24内からの排気がいずれも三つの基準通気孔41a〜41aの合計面積を流路面積としてなされる。
これに対して、図13〜図16に示す木板モードの場合には、バルブ台座部41の三つの基準通気孔41a〜41aに対してそれぞれこれよりも十分に小さな開口面積の小通気孔42b〜42bが位置合わせされている。このため、図14に示すように各基準通気孔41aにおいて、バルブ本体42の下面がシリンダ上室24内に露出された状態となっている。この露出された部分が、ピストン上動時におけるシリンダ上室24内の圧縮空気圧を受ける受圧面42dとして作用することから、シリンダ上室24内の圧縮空気圧がバルブ本体42に作用する。この場合、シリンダ上室24内の圧縮空気圧は、バルブ本体42を圧縮ばね44に抗して上動させる方向に作用する。圧縮ばね44の付勢力は、ピストン22が上動する際におけるシリンダ上室24内の圧縮空気圧によって当該バルブ本体42が上動し得るよう適切に設定されている。
図16に示すようにバルブ本体42が圧縮ばね44に抗して上動すると、当該バルブ本体42がバルブ台座部41の上面から離間して両者間に隙間42eが発生する。この隙間42eを経てピストン上室24がバルブ本体42の三つの小通気孔42b〜42bに加えて三つの大通気孔42a〜42aとも連通される。
このように図10〜図12に示す鋼板モードの場合には、バルブ台座部41の基準通気孔41a〜41aのそれぞれに対してバルブ本体42の大通気孔42aが位置合わせされているため、ピストン下動時におけるシリンダ上室24への単位時間当たりの吸気流量が多くなって大きな打ち込み力が得られるとともに、ピストン上動時におけるシリンダ上室24からの単位時間当たりの排気量が十分な量だけ確保され、これにより高い排気効率を確保してピストン22のスムーズな上動動作を得ることができる。
これに対して、図13〜図16に示す木板モードの場合には、ピストン下動時におけるシリンダ上室24への単位時間当たりの吸気流量が絞られて木板打ちに適した弱い打ち込み力を得ることができる一方、ピストン上動時にはバルブ本体42が圧縮ばね44に抗して移動することにより、流路面積が自動的に広げられて高い排気効率が確保され、従ってこの場合にもピストン22のスムーズな上動動作が確保されるようになっている。
排気は、流量切り換えバルブ40を経てヘッドバルブ30の内周側の通気室30cに戻される。この場合、ヘッドバルブ30は下動して保持スリーブ27に対して閉じているため、通気室30cは通気室30b及びヘッドバルブ下室30dから気密に遮断された状態となっている。このため、排気は、ヘッドバルブ30に設けた排気孔30g〜30gを経て当該ヘッドバルブ30の外周側の排気室30hに排気される。排気室30hは、図示省略した排気路を経て排気室8bに連通され、従ってハンドル部3内の排気管8に連通されている。排気管8に流入した排気(圧縮空気)は、排気口8aを経て大気に排気される。
また、シリンダ21の上部側の周面には複数の排気孔21a〜21aが設けられている。この排気孔21a〜21aは外周側に装着したシールリング28によって一方向(吸気側)にのみ気密に塞がれている(逆止弁)。このため、ピストン上動時におけるシリンダ上室24の排気は、上記流量切り換えバルブ40の他、この排気孔21a〜21aによってもなされる。排気孔21a〜21aから排気された圧縮空気は、流量切り換えバルブ40を経た排気と同じく通気室30c内に流入し、その後排気孔30g〜30gを経て排気室30hに排気される。
ピストン下動時におけるシリンダ下室25の排気は、シリンダ21の下部側の周面に設けた複数の戻し孔21b〜21bを経てなされる。この戻し孔21b〜21bは、シリンダ21と保持スリーブ27との間で気密に区画された戻し空気室29に開口されている。後述するようにこの戻し空気室29には、ピストン22が下死点に至ってダンパー26が開かれた段階で戻し孔21b〜21bを経て通気室33から圧縮空気が流入する。この戻し空気室29内に流入した圧縮空気は、ピストン22の上動時に再び戻し孔21bを経てシリンダ下室25内に戻されて、ピストン22を上動させるための作動源として利用される。
次に、ピストン22の下動端位置(下死点)は、ダンパー26により規制される。このダンパー26及びその周辺の構成の詳細が図4及び図9に示されている。このダンパー26はシリンダ21の下端部を気密に塞ぐ弾性体で、本実施形態では一定の範囲でピストン移動方向(図4において上下方向)に変位可能に支持されている。このダンパー26の中心には挿通孔26aが貫通して設けられている。この挿通孔26a内にドライバビット23がその軸方向に移動可能かつ軸回りに回転可能な状態で挿通されている。
このダンパー26は、概ね円錐台形状の本体部26bと、本体部26bの下面中心から下方に延びる支軸部26cを備えている。本体部26bの上部は、その周面が上側に至るほど小径となる向きに傾斜する円錐台形状に形成されている。この本体部26bの周面がシリンダ21の下側開口部に形成した傾斜面21cに押圧されることにより、シリンダ下室25が後述する通気室33から気密にシールされる。
このダンパー26の支軸部26cは、本体ハウジング2aに固定した第1枠体61の挿通孔61aを経て、その下側において同じく本体ハウジング2aに固定した第2枠体60の支持孔60aに軸方向移動可能な状態で挿入支持されている。この第2枠体60には、軸受け53を介して後述するエアモータ50の上側の回転軸部51が回転可能に支持されている。
このダンパー26は、図9に示すようにピストン22が下動端位置に至った際の衝撃を吸収しつつ、当該ピストン22の推力により下側に変位する。本実施形態では、この下側に変位した位置がダンパー26の初期位置とされている。後述するようにピストン22が下死点に至ってダンパー26が下側に変位することによりシリンダ下室25が通気室33に連通され、これによりシリンダ下室25に通気室33から圧縮空気が供給され、これが戻し孔21bを経て戻し空気室29内に流入する。
本体部26bの下面であって支軸部26cの周囲には、断面半円形状の凸部26dが全周にわたって設けられている。この凸部26dの下方には、上記第1枠体61の上面が位置している。トリガ5の引き操作により図4に示すように当該ダンパー26が上側に変位することにより、その凸部26dが第1枠体61の上面から離間した状態となる。この状態では、凸部26dの外周側の通気室33と、挿通孔61a内が連通された状態となる。後述するように通気室33は通気室32を経てヘッドバルブ内周側の通気室30bに連通されている。このため、ヘッドバルブ30が開かれると開き始めた初期の段階で、通気室33に圧縮空気が供給されることから、ダンパー26が初期位置から上動した状態では、蓄圧室7からエアモータ50へ圧縮空気が供給され、これによりエアモータ50が回転し始める。
これに対して、図9に示すようにダンパー26が下側に変位すると、凸部26dが第1枠体61の上面に押し付けられた状態となる。この状態では、上記したように通気室33とシリンダ下室25が連通された状態となる一方、通気室33が挿通孔61a、通気室34、モータ通気口52に対して気密にシールされた状態となる。後述するようにこのシール状態では蓄圧室7からエアモータ50への圧縮空気の供給が遮断された状態となってエアモータ50が停止した状態となる。
次に、エアモータ50は、トリガ5の引き操作によりヘッドバルブ30が開かれると、その開き始めの初期段階で回転し始める。ヘッドバルブ30の下部内周側の通気室30bは、通気室32,33,34を経てエアモータ50の吸気口52に連通される。このため、図3に示すようにヘッドバルブ30がバルブ台座部35に対して閉じられた状態では、通気室30bが蓄圧室7から遮断されているためモータ吸気口52への圧縮空気の供給がなされず、従ってエアモータ50は停止した状態となる。
トリガ5の引き操作によりヘッドバルブ上室30aが大気開放されてヘッドバルブ30が開き始めると、ヘッドバルブ30の外周側のヘッドバルブ下室30dが内周側の通気室30bに連通され、これにより通気室30bに圧縮空気が供給される。通気室30bへの圧縮空気の供給は、ヘッドバルブ30が上動してシールリング27aとヘッドバルブ30の内周面との間に隙間が発生し、これにより当該通気室30bがヘッドバルブ内周側の通気室30cに連通される前の段階、すなわち通気室30cに圧縮空気が供給されてピストン22が下動し始める前(開き始めの初期段階)から開始される。上記したように通気室30bは、通気室32を経て通気室33に連通されているため、通気室30bに圧縮空気が流入するとこれが通気室33に流入する。通気室33に流入した圧縮空気は、下側へ変位したダンパー26を上動させる作用をする。すなわち、初期状態において、下側に位置するダンパー26の本体部26bの下面であって凸部26dの外周側に通気室33の圧縮空気が上側へ変位させる方向に作用するため、この段階で当該ダンパー26がその初期位置から上動する。ダンパー26が上動すると、シリンダ下室25と通気室33との間が気密に遮断されるとともに、通気室33が通気室34に連通される。このため、通気室30bに流入した圧縮空気が通気室34及びモータ吸気口52を経てエアモータ50に供給され、これによりエアモータ50が回転し始める。すなわち、ヘッドバルブ30が開き始めた直後から先ずエアモータ50が回転し始める。
エアモータ50の回転軸部51には、断面円形のビット挿通孔51aがその全長にわたって貫通する状態に設けられている。ドライバビット23はこのビット挿通孔51aに軸回りに相対回転可能かつ軸方向に相対移動可能な状態で挿通されている。
なお、エアモータ50自体は、従来公知のいわゆるベーンモータであるので、その構成等については詳細な説明を省略する。
エアモータ50の下側の回転軸部53は、本体ハウジング2aの先端部に取り付けた第3枠体63に軸受け54を介して回転可能に支持されている。この第3枠体63と前記第2枠体60との間にエアモータ50が構成されている。
エアモータ50の下側の回転軸部55は、減速機構部70に結合されている。本実施形態ではこの減速機構部70に遊星歯車列が用いられている。回転軸部55に太陽ギヤ71が取り付けられている。この太陽ギヤ71には2つの遊星ギヤ72,72が噛み合わされている。2つの遊星ギヤ72,72は、本体ハウジング2aに固定したインターナルギヤ75に噛み合わされている。この2つの遊星ギヤ72,72は、キャリア73に支持されている。キャリア73は軸受け74を介して本体ハウジング2aの先端に回転可能に支持されている。
キャリア73の中心には、ドライバビット23を挿通するための二面幅孔部73aがその中心軸線に沿って貫通する状態に形成されている。この二面幅孔部73aにドライバビット23が軸方向相対移動可能で、軸回りの回転については一体化された状態で挿通されて、当該ドライバビット23がピストン22と一体で軸方向(ねじ締め込み方向)に移動しつつ、エアモータ50によりねじ締め方向に回転可能に設けられている。
キャリア73の二面幅孔部73aは、特許請求の範囲に記載した回転動力伝達孔部の一実施形態に相当するもので、相互に平行な二つの平坦面73b,73bにより形成される断面小判形を有している(いわゆる小判孔)。これに対してドライバビット23の軸方向下側ほぼ半分の範囲には、上記二面幅孔部73aの断面小判形に対応して相互に平行な二つの平坦面23a,23bからなる二面幅軸部23fが軸方向に沿った長い範囲に設けられている。両平坦面23a,23bからなる二面幅軸部23fが、特許請求の範囲に記載した回転動力伝達軸部の一実施形態に相当する。当該ドライバビット23がその軸方向に移動する全範囲において二面幅孔部73a内に常時二面幅軸部23fの両平坦面23a,23bが位置するように当該二面幅軸部23fの両平坦面23a,23bが軸線方向に長い範囲で設けられている。このようにキャリア73の二面幅孔部73aに常時二面幅軸部23fの平坦面23a,23bが位置していることにより、キャリヤ73に対してドライバビット23がその回転軸線J73回りの回転について一体化され、これによりキャリヤ73を経て出力されるエアモータ50の回転トルク(回転動力)がドライバビット23に伝達される。
このように、エアモータ50の回転出力(回転動力)が減速機構部70により減速されてドライバビット23に伝達されるのであり、エアモータ50及び減速機構部70が本体部2の先端部であってねじSの打ち込み部位に最も近い部位において回転トルクがドライバビット23に伝達されることから、当該ドライバビット23の捩りを極力発生することなく回転トルク(ねじ締めトルク)を効率よくねじSに付加することができる。
ここで、本実施形態は、キャリア73の二面幅孔部73aに対するドライバビット23の二面幅軸部23fの係合状態に特徴を有している。図17に示すようにキャリア73の中心には小判型の二面幅孔部73aが形成されている。前記したようにこの二面幅孔部73aには相互に平行な二つの平坦面73b,73bが設けられている。両平坦面73b,73bは、二面幅孔部73aの中心軸であって当該キャリア73の回転中心軸J73に対して相互に同じ間隔K73をおいて平行に設けられている。両平坦面73b,73bの端部間の円周面73c,73cは、当該挿通孔73の回転中心軸J73を中心とする同一円周上に沿って同じ曲率で設けられている。
本実施形態の場合、二面幅孔部73aは、直径D73=5.1mmの円形孔を基本として、両平坦面73b,73b間の間隔が4.1mm(=2×K73)に設定され、両平坦面73b,73bの回転中心軸J73からの間隔K73,K73は、相互に同じでK73=2.05mmに設定されている。
これに対して、ドライバビット23の二面幅軸部23fの両平坦面23a,23bは、当該ドライバビット23の回転中心軸J23に対して相互に異なる間隔K23a,K23bで設けられている。間隔K23bは、間隔K23aよりも十分に小さい寸法に設定されている(K23b<K23a)。本実施形態では、このドライバビット23は直径D23=5.0mmの丸棒を素材として製作されており、その回転中心軸J23に対して両平坦面23a,23bは、それぞれK23a=2.0mm、K23b=1.5mmの間隔をおいて設けられている。このことから、ドライバビット23の二面幅軸部23fにおける横断面に関する重心(図心G)は、図示するように回転中心軸J23から平坦面23a側にずれている。このため、図17に示す無負荷状態(回転動力を伝達しない状態)では、ドライバビット23の平坦面23aと二面幅孔部73aの平坦面73bとの間の間隔は、0.05mmに設定されている。これに対して、ドライバビット23の平坦面23bと二面幅孔部73aの平坦面73bとの間の間隔は、0.55mmに設定されている。
ドライバビット23の両平坦面23a,23bの端部間の円周面23c,23cは、当該ドライバビット23の回転中心軸J23を中心とする直径D23=5.0mmの同一円周上に沿って同じ曲率で設けられている。このため、ドライバビット23の二面幅軸部23fにおける両円周面23c,23cと、二面幅孔部73aにおける両円周面73c,73cとの間の間隔(隙間)は、0.05mmに設定されている。
このように、本実施形態では、ドライバビット23の二面幅軸部23fにおける両平坦面23a,23bが回転軸線J23に対して点対称の関係に設けられていない。本実施形態に係る非点対称形の二面幅軸部23fによれば、回転動力伝達状態において二面幅軸部23fが二面幅孔部73aに対して回転方向3箇所で係合した状態(3点A,B,C当たり状態)となる。この点、両平坦面が点対称の関係に設けられている通常の点対称形の二面幅軸部23gの場合には2点当たり状態となる。
図19には、ドライバビット23の二面幅軸部23gについて、点対称の関係に設けられた平坦面23a,23aを備えた一般的な回転動力伝達軸部P0(点対称型の二面幅軸部)が示されている。図19に示す回転動力伝達軸部P0は、二面幅軸部23gの二つの平坦面23a,23aがその回転中心軸J23に対して点対称の位置(回転中心軸J23から同じ間隔)に設けられている点でのみ図17に示す本実施形態に係る回転動力伝達軸部P1(非点対称型の二面幅軸部23f)と異なっており、その他については同様に構成されている。同様の構成及び部材については、本実施形態と同位の符号を用いる。なお、図18及び図20において、白抜きの矢印は、ねじ締め込み時のキャリア73及びドライバビット23の回転方向を示している。
この点対称型の二面幅軸部23gの場合、ドライバビット23の両平坦面23a,23a間の間隔は4.0mmであり、従って各平坦面23aと二面幅孔部73aの平坦面73bとの間隔K23aは、双方とも0.05mmとなる。また、この場合、二面幅軸部23gの横断面に関する重心(図心G)は、回転軸線J23に一致している。図20に示すようにこの点対称形の二面幅軸部23gの場合、回転動力の伝達状態において、ドライバビット23の二面幅軸部23gは、キャリア73の二面幅孔部73aに対してD,Eの2カ所で当接して回転方向に係合する2点当たり状態となる。
本実施形態の場合、キャリア73の二面幅孔部73aに対してドライバビット23の二面幅軸部23f(回転動力伝達軸部P1)が回転方向について3カ所で係合(3点A,B,Cで当接)した3点当たり状態となる。このため、二面幅軸部23fの二面幅孔部73aに対する打ち込み方向(ドライバビット軸線方向)の摺動抵抗が、図19に示す2点当たり状態に比して大きくなり、その結果作業者の手に伝わる反動が低減されると考えられる。
上記例示したように直径5mmのドライバビット23の二面幅軸部23fにおける一方の平坦面23bの間隔K23bを1.3mm〜1.5mmの範囲で他方の平坦面23aの間隔K23a(=2.0mm)よりも小さく設定することにより、当該ドライバビット23の二面幅孔部73aに対する噛み込み(こじり、食い付き)を回避しつつ、最も顕著な反動低減効果を得ることができる。
間隔が短い方の平坦面23bの間隔K23bを1.3mmよりも小さくすると(例えば、1.2mmに設定すると)、キャリア73からの回転動力の負荷により二面幅孔部73aに対して噛み込みやすくなる。これに対して、間隔K23bを1.5mmよりも大きくすると、ドライバビット23の二面幅軸部の二面幅孔部に対する回転方向のクリアランスθが徐々に小さくなって2点当たり状態となる結果、十分な反動低減効果を得ることができない。
また、短い方の間隔K23bを1.3mm〜1.5mmの範囲に設定すると、図18に示すように回転動力伝達時に、ドライバビット23の二面幅軸部23fが二面幅孔部73aの内周面に対して3カ所A,B,Cで当接され、この3点当接状態で二面幅孔部73aに対して回転方向に係合された状態となる。これに対して、図20に示す点対称形の二面幅軸部23gでは、二面幅孔部73aの内周面に対して2カ所D,Eで当接され、この2点当接状態で二面幅孔部73aに対して回転方向に係合された状態となる。
このことから、ドライバビット23の回転中心軸J23からの間隔について、二面幅軸部23fの一方の平坦面23bを他方の平坦面23aの約65パーセント〜75パーセント程度に設定することにより上記と同等の反動低減効果を得ることができるものと思われる。
次に、本体部2の下端には、円筒形の打ち込み筒部13が設けられている。この打ち込み筒部13の内周側をドライバビット23が回転しながら往復動する。この打ち込み筒部13の長手方向中途位置には、前記ねじ連結帯送り機構12が接続されている。このねじ連結帯送り機構12によりねじ連結帯が1ピッチづつ送られて打ち込み筒部13内にねじSが本体部2側の打ち込み動作に連動して1本ずつ供給される。
打ち込み筒部13の先端部には、ねじ打ち込み材Wの傷つきを防止するため弾性シート14aを取り付けたブラケット14が取り付けられている。このブラケット14を介して打ち込み筒部13がねじ打ち込み材Wに突き当てられ、この状態でねじSのねじ打ち込み材Wへの打ち込み(締め付け)がなされる。
以上のように構成した本実施形態のねじ打ち込み機1によれば、蓄圧室7に圧縮空気を供給した状態でトリガ5を引き操作すると、ヘッドバルブ上室30aが大気開放されてヘッドバルブ30が上動する。ヘッドバルブ30が上動すると、その開き始めの初期段階で先ず通気室30bに圧縮空気が供給され、これが通気室32を経て通気室33に流入する。通気室33に圧縮空気が供給されると、その圧力によりダンパー26が初期位置から上動し、これによりシリンダ下室25が閉じられるとともに、通気室33が通気室34に連通された状態となる。こうして、蓄圧室7が通気室30b,32,33,34に連通されることによりエアモータ50に圧縮空気が供給され、これによりエアモータ50が回転し始める。エアモータ50が回転することによりその回転動力が減速機構部70の二面幅孔部73a(回転動力伝達孔)と、ドライバビット23の二面幅軸部23f(回転動力伝達軸部P1)との間の係合により当該ドライバビット23に伝達されて当該ドライバビット23がねじ締め方向に回転する。
また、ヘッドバルブ30が十分に開かれると、通気室30bを経て通気室30cに圧縮空気が供給され、これが流量切り換えバルブ40を経てシリンダ上室24内に供給され、これによりピストン22が下動する。ピストン22が下動すればドライバビット23が一体で下動する。従って、ドライバビット23は、エアモータ50によりねじ締め方向に回転しつつピストン22によりねじ打ち込み方向に下動し、これにより打ち込み筒部13内に供給された1本のねじSがドライバビット23によりねじ打ち込み材Wに打ち込まれながら締め付けられる。
ピストン22が下動する過程では、シリンダ下室25の圧縮空気の一部がドライバビット23の周囲であってダンパー26の挿通孔26a等を経て大気開放され、残余の部分が戻し孔21b〜21bを経て戻し空気室29内に流入して蓄圧されることによりピストン22がスムーズに下動する。ピストン22がスムーズに下動することによりねじSがドライバビット23によってねじ打ち込み材Wに打ち込まれる。
図9に示すようにピストン22がダンパー26に当接して下動端(下死点)に至ると、ねじSの打ち込み(締め込み)が完了する。図示するようにピストン22が下動端に至ってダンパー26に弾性的に当接することによってその衝撃が吸収される。また、ピストン22が当接すること(ピストン22の推力)によってダンパー26が下側に変位する。
ダンパー26が下側に変位すると、その本体部26bがシリンダ21の下側開口部から外れ、その結果ダンパー26と傾斜面21cとの間の全周にわたって隙間26eが発生し、この隙間26eを経てシリンダ下室25が通気室33に連通された状態となる。トリガ5を引き操作したままの状態では、通気室33には圧縮空気が供給された状態に維持されるため、この隙間26e、シリンダ下室25、戻し孔21bを経て戻し空気室29内には通気室33からピストン戻し用の十分な圧縮空気が供給される。
また、ピストン22の推力によってダンパー26が下側の初期位置に変位すると、その本体部26bの凸部26dが第1枠体61の上面に押し付けられて通気室33と通気室34との間の連通状態が遮断されるため、モータ吸気口52への圧縮空気の供給が遮断され、従ってエアモータ50の回転が自動的に停止される。このため、トリガ5を引き操作した状態のままであっても、ピストン22の下動端への到達タイミングとエアモータ50の停止タイミングが同期される(ほぼ同時に行われる)ことからねじSのねじ打ち込み材Wへの締め過ぎが防止される。
その後、使用者がトリガ5の引き操作を止めると、トリガバルブ4を経てヘッドバルブ上室30aに圧縮空気が供給され、従ってヘッドバルブ30が下動する。ヘッドバルブ30が下動して、その下端部がバルブ台座部35に気密に当接した状態となると、シールリング27aにより通気室30cが通気室30bから遮断され、また通気室30bがヘッドバルブ下室30dから遮断された状態となる。このため、シリンダ上室24への圧縮空気の供給が遮断される。シリンダ上室24への圧縮空気の供給が遮断されると、当該シリンダ上室24内の圧縮空気は、流量切り換えバルブ40、排気孔21a〜21a、ヘッドバルブ30の排気孔30g〜30g、排気室30h及び排気管8を経て大気開放され得る状態(ピストン22に対して下動方向の推力を発生させない状態)となる。
こうしてヘッドバルブ30が閉じられてシリンダ上室24への圧縮空気の供給が遮断される一方、当該シリンダ上室24が大気開放可能な状態となると、戻し空気室29内に蓄圧された圧縮空気によりピストン22が上死点まで戻される。
また、ヘッドバルブ30が閉じられた状態では、通気室33への圧縮空気の供給が遮断されていることから、ダンパー26は下側へ変位した状態(ダンパー26の初期位置)に維持される。
以上説明したように本実施形態のねじ打ち込み機1によれば、エアモータ50がシリンダ21よりも打ち込み方向先端側となる位置に配置されている。これによれば、ねじ打ち込み部により近い部位においてエアモータの回転出力がドライバビットに伝達(トルク伝達)されるため、ドライバビットの捩り変形に寄与するその実質的な長さが短くなり、従って当該捩り変形を抑制して効率のよい回転動力の伝達を行うことができるようになる。また、エアモータ50は本体ハウジング2aに固定(打ち込み方向へは移動不能に固定)されているため、これがピストン22と一体で移動する場合に比して打ち込み時の反動を抑制することができる。
しかも、本実施形態の場合、エアモータ50の回転出力を減速するための減速機構部70が当該エアモータ50よりも先端側であってねじの打ち込み部位(ドライバビット23の先端部)に最も近い部位に配置されている。また、減速機構部70は、本体ハウジング2aの先端側の位置においてねじ打ち込み方向に移動不能に固定されている。減速機構部70の回転出力は、断面小判形の二面幅孔部73aにドライバビット23の回転動力伝達軸部P1(二面幅軸部23fの平坦面23a,23b)が常時挿通された状態に維持され、これによりドライバビット23がその軸回りの回転について一体化されていることにより、当該ドライバビット23に伝達される(回転動力伝達部)。
このため、ドライバビット23に対してねじ締めトルクを伝達する部位(回転動力伝達部)である減速機構部70とドライバビット23の先端部との間の距離は常時従来よりも短い状態に維持されることから、減速機構部70を経て出力されるエアモータ50の回転出力を当該ドライバビット23の捩り変形をほとんど発生することなく効率よくねじに伝達することができる。
また、減速機構部70、エアモータ50及びシリンダ21が本体ハウジング2aに対して打ち込み方向に移動不能に固定されているため、当該方向に移動する主要部材がピストン22とドライバビット23だけとなり、これによりねじ打ち込み時における本体部2の上方への反動を最小限に抑制することができ、ひいては確実なねじ打ち込みを行うことができるようになる。
さらに、エアモータ50がハンドル部3内の排気管8に比較的近い部位に配置されることから、当該エアモータ50からの排気経路を短くかつ単純化しやすくなり、これにより当該エアモータ50の応答性を高めることができる。
また、本体ハウジング2aの打ち込み方向ほぼ中央付近に設けたハンドル部3に対して打ち込み方向先端側にエアモータ50と減速機構部70が配置されていることから、当該ねじ打ち込み機1の重心をハンドル部3よりも打ち込み方向先端側に設定しやすくなる。ねじ打ち込み機1の重心をハンドル部3よりも先端側に設定することにより、使用者がハンドル部3を把持した場合に、当該ねじ打ち込み機1の打ち込み方向先端側(打ち込み筒部13)側を下向きにして楽な姿勢で把持しやくなることから、その操作性及び使い勝手を高めることができる。
以上説明した実施形態には種々変更を加えることができる。例えば、ドライバビット23の回転動力伝達軸部P1について、相互に平行な二つの平坦面23a,23bを例示したが、図21に示すように相互に角度を有する(平行でない)二つの平坦面23a,23dを有する二面幅軸部23h(回転動力伝達軸部P2)としてもよい。この場合も、二面幅軸部23hの横断面形状が回転中心軸J23について非点対称となり、かつその重心Gが当該ドライバビット23の回転中心軸J23に対して偏心した構成となっている。係る構成が特許請求の範囲の請求項5に記載した発明の実施形態に相当する。係る構成によっても、当該二面幅軸部23hの二面幅孔部73aに対する回転方向の係合箇所を3カ所に設定することができ、また横断面の重心が回転中心軸J23に対して偏心していることから、前記と同様ねじ打ち込み時の反動を低減することができる。
また、図22に示すように二面幅軸部23iの二つの平坦面23b,23eが相互に平行ではあるが、回転中心軸J23との間の間隔が異なる結果非点対称形状となる構成によっても同様の作用効果を得ることができる。係る構成において、平坦面23eは、回転中心軸J23との間の間隔が図中2点鎖線で示す平坦面23bよりも大きく、前記平坦面23aよりも小さくなっている。この場合にも、二面幅軸部23iの横断面の重心Gは回転中心軸J23に対して偏心した状態となる。
以上のことから、前記例示した回転動力伝達軸部P1と同等の反動低減効果を得るために必要な横断面形状に関する構成として以下の条件が考えられる。
(条件1)キャリアの二面幅孔部(回転動力伝達孔部)に対して、ドライバビットの二面幅軸部(回転動力伝達軸部)を挿通して回転について相互に一体化する構成において、ドライバビットの二面幅軸部の横断面が当該ドライバビットの回転中心について非点対称形状を有する構成であること。
(条件2)ドライバビットの二面幅軸部の横断面に関する重心(図心G)が、当該ドライバビットの回転中心軸J23に対して偏心している構成であること。
(条件3)ドライバビットの二面幅軸部の平坦面とキャリアの二面幅孔部の平坦面間の隙間が、両者の円周面間の隙間よりも大きくなっている構成であること。
(条件4)条件1とは逆に、キャリアの二面幅孔部について、回転中心軸J73からの間隔が一方の平坦面と他方の平坦面で異なることにより当該二面幅孔部を非点対称とする構成であること。
(条件5)ドライバビットの回転動力伝達軸部の横断面形状が非点対称形状であるか否かに関係なく、回転動力伝達孔部に対して回転方向に少なくとも3カ所で当接することにより、ドライバビット軸線方向の摺動抵抗が一般的な二面幅部による2点当たり状態よりも大きくなること。
上記のいずれかの条件を満たす構成を採用することにより、通常の点対称形の回転動力伝達軸部P0(二面幅軸部23g)を採用した場合に比して、ねじ打ち込み時の反動をより低減することができるものと考えられる。
また、減速機構部70として遊星歯車列を例示したがエアモータ50の回転出力を減速する機構であれば、例えば平歯車の歯車列あるいはウォームギヤとウォームホイールからなる減速機構を減速機構部として用いることができる。
また、減速機構部70からドライバビット23への回転動力の伝達を、小判形の二面幅孔部73aに対してドライバビット23の二面幅部23a,23bを挿通させて行う構成を例示したが、これに限らず、減速機構部側の挿通孔形状とこれに対応するドライバビットの断面形状は任意であり、円形以外であれば楕円形、六角形、四角形等でもよく、あるいはスプラインやセレーション構造等であって軸方向の相対移動を許容し、回転について一体化するための種々形態を用いることができる。
さらに、少なくとも減速機構部70が本体部2(本体ハウジング2a)の先端部に固定されていれば、エアモータがピストンと一体で往復動する構成あるいはエアモータがシリンダよりも後部側に配置された構成であっても、従来に比して打ち込み時の反動を抑制しつつドライバビット23の捩り変形を抑制して効率のよい回転動力の伝達を行うことができる。
本実施形態に係るねじ打ち込み機の全体の縦断面図である。本図は、その初期状態を示している。 本実施形態に係る打ち込み機の本体部の縦断面図である。本図は、本体部の初期状態を示している。 図2の一部拡大図であってヘッドバルブ及びシリンダ上部周辺の縦断面図である。本図は、図2と同じく本体部の初期状態におけるヘッドバルブの全閉状態を示している。 シリンダ下部及びダンパー周辺の縦断面図である。本図は、ダンパーが下側の初期位置から上動してエアモータが回転し始めた段階を示している。 本実施形態に係るねじ打ち込み機の本体部の縦断面図である。本図は、ヘッドバルブの半開状態であってエアモータが回転し始めた段階を示している。この段階では、ピストンが未だ上死点に位置している。 本実施形態に係るねじ打ち込み機の本体部の縦断面図である。本図は、ヘッドバルブの全開状態であって、エアモータが回転し、またピストンが下動し始めた段階を示している。 図6の一部拡大図であって、全開したヘッドバルブ及びシリンダ上部周辺の縦断面図である。本図では、ヘッドバルブが全開して下動し始めたピストンが示されている。 本実施形態に係るねじ打ち込み機の本体部の縦断面図である。本図は、ピストンが下死点に至り、その結果エアモータが停止してねじの打ち込みが完了した段階を示している。 図8の一部拡大図であって、下死点に至ったピストン及びダンパー周辺の拡大図である。本図では、ダンパーがピストンに押されて下動した結果、エアモータ用の通気路が閉じられた状態を示している。 本体部を図1における矢印(10)方向から見た後面図である。本図では、レバーが鋼板打ち用の鋼板モード位置に切り換えられた状態を示している。 図10の(11)-(11)線断面矢視図である。本図は、ヘッドバルブ周辺の内部構造を縦断面で示している。 図11の(12)-(12)線断面矢視図である。本図では、切り換えバルブのバルブ台座部及びヘッドバルブが横断面で示されている。 本体部の後面図である。本図では、レバーが木板打ち用の木板モード位置に切り換えられた状態を示している。 図13の(14)-(14)線断面矢視図である。本図では、切り換えバルブのバルブ台座部及びヘッドバルブが横断面で示されている。 図14の(15)-(15)線断面矢視図である。本図では、切り換えバルブのバルブ台座部及びヘッドバルブが横断面で示されている。 本体部の上部であって流量切り換えバルブ周辺の縦断面図である。本図は、ピストン上動時における流量切り換えバルブを示しており、バルブ台座部に対してバルブ本体が圧縮ばねに抗して上動し、その結果バルブ台座部とバルブ本体との間に発生する隙間を経て排気がなされる状態を示している。 図8の(17)-(17)線断面矢視図であって、本実施形態に係る回転動力伝達軸部の横断面図である。 同じく本実施形態に係る回転動力伝達軸部の横断面図である。本図は、エアモータが起動してキャリアからドライバビットに回転動力が伝達されている状態であって、ドライバビットの回転状態を示している。 一般的な点対称形の二面幅軸部を有する回転動力伝達軸部の横断面図である。 一般的な点対称形の二面幅軸部の回転動力伝達状態における横断面図である。 別形態の回転動力伝達軸部の横断面図である。本図は、非点対称形の横断面形状であって、相互に角度を有する二つの平坦面で形成された二面幅軸部を示している。 さらに別形態の回転動力伝達軸部の横断面図である。本図は、非点対称形の横断面形状であって回転中心からの間隔が相互に異なる二つの平坦面で形成された二面幅軸部を示している。
符号の説明
1…ねじ打ち込み機
2…本体部
S…ねじ
W…ねじ打ち込み材
12…ねじ連結帯送り機構
13…打ち込み筒部
20…打撃機構部
21…シリンダ
22…ピストン
23…ドライバビット
23a,23b…平坦面(二面幅軸部)、23c…円周面
23d,23e…平坦面
23f…二面幅軸部(非点対称形)、23g…二面幅軸部(点対称形)
23h…二面幅軸部(非点対称形)、23i…二面幅軸部(非点対称形)
26…ダンパー(下死点側)
29…戻し空気室
30…ヘッドバルブ
32…通気室
33…通気室
34…通気室
35…バルブ台座部
40…流量切り換えバルブ
43…切り換えレバー
50…エアモータ
51…回転軸部、51a…ビット挿通孔
55…回転軸部
60…第2枠体
61…第1枠体
63…第3枠体
70…減速機構部(遊星歯車列)
71…太陽ギヤ
72…遊星ギヤ
73…キャリア、73a…二面幅孔部、73b…平坦面、73c…円周面
75…インターナルギヤ
J23…ドライバビットの回転中心軸
J73…キャリアの回転中心軸
G…ドライバビットの回転動力伝達軸部の横断面に関する重心(図心)
K23a,K23b…二面幅軸部の平坦面の回転中心軸との間の間隔
K73…二面幅孔部の平坦面の回転中心軸との間の間隔
P0〜P3…回転動力伝達軸部

Claims (5)

  1. ねじ打ち込み用のドライバビットをねじ締め方向に回転させるエアモータと、前記ドライバビットをねじ打ち込み方向に移動させるピストンと、これらを収容する本体ハウジングを備えたねじ打ち込み機であって、
    前記エアモータと前記ドライバビットとの間の回転動力伝達経路中に減速機構として歯車列を備え、該歯車列の回転動力伝達孔部に前記ドライバビットの回転動力伝達軸部が挿通されて当該ドライバビットが前記歯車列に対して軸方向移動可能かつ軸回りの回転について一体化されており、
    前記ドライバビットの回転動力伝達軸部の横断面が、当該ドライバビットの回転中心軸に対して非点対称形状を有しており、前記回転動力伝達孔部に対して回転方向に少なくとも3点で当接した状態で回転動力の伝達を行う構成としたねじ打ち込み機。
  2. 請求項記載のねじ打ち込み機であって、
    前記回転動力伝達孔部を相互に平行な二つの平坦面で形成される二面幅孔部とし、前記回転動力伝達軸部を相互に平行な二つの平坦面で形成される二面幅軸部として、前記二面幅孔部に対して前記二面幅軸部が軸方向移動可能かつ回転について一体化されており、前記二面幅軸部の二つの平坦面が前記ドライバビットの回転中心軸に対して相互に異なる間隔で設けられて、当該二面幅軸部の横断面形状が前記回転中心軸に対して非点対称形状を有する構成としたねじ打ち込み機。
  3. 請求項記載のねじ打ち込み機であって、
    前記二面幅軸部の二つの平坦面の前記回転中心軸からの間隔について、一方の平坦面が他方の平坦面の65パーセントから75パーセントに設定されたねじ打ち込み機。
  4. 請求項記載のねじ打ち込み機であって、
    前記回転動力伝達孔部を相互に平行な二つの平坦面で形成される二面幅部とし、前記回転動力伝達軸部を二つの平坦面で形成される二面幅軸部とし、前記二面幅孔部に対して前記二面幅軸部が軸方向移動可能かつ軸回りの回転について一体化されており、前記二面幅軸部の二つの平坦面が相互に角度を有して設けられて、当該二面幅軸部の横断面形状が前記回転中心軸に対して非点対称形状を有する構成としたねじ打ち込み機。
  5. ねじ打ち込み用のドライバビットをねじ締め方向に回転させるエアモータと、前記ドライバビットをねじ打ち込み方向に移動させるピストンと、これらを収容する本体ハウジングを備えたねじ打ち込み機であって、
    前記エアモータと前記ドライバビットとの間の回転動力伝達経路中に減速機構として歯車列を備え、該歯車列に設けた二面幅孔部に前記ドライバビットの二面幅軸部が挿通されて当該ドライバビットが前記歯車列に対して軸方向移動可能かつ軸回りの回転について一体化されており、
    前記ドライバビットの二面幅軸部若しくは前記歯車列の二面幅孔部の一方若しくは双方の横断面形状について非点対称形状として、相互に少なくとも3点で当接した状態で回転動力の伝達を行う構成としたねじ打ち込み機。
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