JP5044647B2 - 花粉吸着材及びマスク - Google Patents

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Description

本発明は花粉及び花粉アレルゲンを吸着し、かつ風邪にも有効な抗菌性をも具備した花粉吸着材及びマスクに関する。
風邪と花粉症は季節的には冬から春にかけて流行するため、殺菌効果を有する花粉症用マスクは潜在的なニーズを持ち、ウイルス等の殺菌効果を併せ持つ花粉吸着材は有用である。これまで花粉症用マスクに関して様々な技術開発がなされている(例えば、特許文献1)が、花粉症の原因物質である花粉アレルゲンを効果的に吸着保持することを目的とした花粉吸着材は少なかった。花粉アレルゲンは、花粉の中に存在しており、花粉が割れた際に放出されるデンプン粒に存在するタンパク質(アレルゲンタンパク質)と、花粉の外壁に付着した1〜2μmの微粒子とを含む。この微粒子はオービクルと呼ばれ、塩基性タンパク質より構成されるものであり、喘息の原因と言われる物質でもある。
例えば、インフルエンザウイルスのサイズは百数十nmと小さいため、篩(ふるい)効果によってウイルスを除去するためには、開口部の小さい(目の細かい)材料を用いる必要がある。しかし、そのような材料では通気抵抗が著しく大きくなり、息苦しさを伴う。そのため、風邪用マスクにおいては、篩効果よりは、咽喉の保湿性を維持することで風邪を予防するようにしたものが多い。
一方、マスクという形態ではないが、ウイルスを殺菌する殺菌効果を付与したフィルタ素材が開発されている(例えば、特許文献2、特許文献3)。
特許文献1には、正電荷を有する重合体側鎖が導入されてなる花粉吸着材及び花粉症用マスクが記載されている。特に、放射線を利用して、繊維材料に正電荷を有するモノマー及び正電荷を有しない親水性のモノマーの両方をグラフト重合したものが好適である。このような花粉症用マスクは、静電気を付与したエレクトレット化材料や薬剤を含浸した不織布材料とは異なり、長期使用や洗濯後も効果が維持できるという特長及び咽喉の保湿効果を有する。また、この花粉吸着材は、花粉粒子の除去と一部のタンパク吸着保持に有効である。また、正電荷を持つ官能基として第四級アンモニウム基を導入することにより、抗菌効果をも発揮させる態様が記載されている。しかしながら、塩基性タンパク質により構成された(すなわち正電荷を持つ)オービクルに対しては、正電荷を持つ官能基では原理的に吸着効果が望めない。
特許文献2には、マスク材料ではなく強塩基性アニオン交換樹脂にヨウ素を担持させてなる抗菌性フィルタが記載されている。このタイプのヨウ素担持材料は、ヨウ素と微生物との直接接触によりヨウ素の殺菌作用が効くので過剰なヨウ素の周辺への拡散を抑えることができる。しかし、ヨウ素が担持されている材料表面が他の微生物や塵埃によって覆われてしまうと、もはやヨウ素と微生物との直接接触が妨げられるようになり、ヨウ素の殺菌作用が及ばず、却って生物の温床になる場合が多い。
特許文献3には、有機高分子材料にN−アルキル−N−ビニルアルキルアミドから誘導される単位を含む重合体側鎖を導入し、三ヨウ化物イオンを担持させてなる強い殺菌能力をもつ有機高分子殺菌材料が記載されている。重合体側鎖上のN−アルキル−N−ビニルアルキルアミドから誘導される単位、すなわちアルキルアミド基と三ヨウ化物イオンの相互作用が弱いので、徐々にヨウ素が放出(徐放)される。使用条件にも左右されるが、放出されたヨウ素が周辺に拡散して金属表面を腐食するので、ヨウ素担持量や保持性及び殺菌材料の使用条件に十分な注意が必要である。
特開2004-204401号公報 特開平11-276823号公報 国際公開WO00/064264号
本発明の課題は、花粉及び花粉アレルゲンを吸着し、かつ風邪にも有効な抗菌性を発揮する花粉吸着材及びマスクを提供することである。
花粉を吸着する花粉症用マスクとしては、マスク構成材料に正電荷を持たせることで花粉を吸着させることが可能である(特許文献1)が、同時に花粉症の原因となるアレルゲンであるオービクルをも効果的に吸着させることは不可能であった。実際には、花粉内部に存在するタンパク質の捕捉についても考慮する必要がある。
さらに風邪予防にも効果を持たせるには、正電荷を付与する第四級アンモニウム基を構成するアルキル基の炭素数を調整することによって材料自体の抗菌性を持たせることができる(特許文献2)が、材料表面が他の微生物や塵埃によって覆われるとその抗菌性は失われ、吸着した花粉が材料表面を覆った場合であっても同様に抗菌性が失われてしまう。
有機高分子材料上のアルキルアミド基にヨウ素(三ヨウ化物イオン)を担持させると、ヨウ素の徐放によって周囲雰囲気中でも殺菌効果を発揮できる(特許文献3)が、徐放のコントロール及び放出されたヨウ素についても考慮すべき課題を有し、花粉の吸着には直接的な作用がない。
上記のような既存技術は花粉吸着と殺菌(抗菌)について個別の効果を求めた材料であるから、両者の効果を発揮させるためには、それぞれの材料を組み合わせて使用することで足りるようにも思える。しかしながら、実際にはそれぞれの効果が十分に発揮されず、却ってそれぞれの材料を製造するための工程及びコストが増加し、さらにはそれぞれの材料を重ね合わせて使用すると十分な通気性を確保することが困難であるという新たな課題が判明した。
発明者らはこれらの状況に鑑み、鋭意研究を重ねて、単一材料上に、官能基と強塩基性基とを担持させ、さらに三ヨウ化物イオンを担持させることによって、官能基による正電荷によって負に帯電している花粉を吸着除去し、強塩基性基に担持されているヨウ素による抗菌作用と、アルキルアミド基と三ヨウ化物イオンによるヨウ素の徐放による殺菌作用と、を兼備させ得ることを見出した。このような材料を用いることにより、材料表面に接触した細菌等に対する殺菌効果(デマンド型殺菌)と、材料表面に堆積した塵埃や花粉によって離間した細菌等に対する殺菌効果(徐放型殺菌)とを併せ持ち、花粉粒子の吸着だけでなく、さらに花粉粒子から放出されるアレルゲンタンパク質吸着をも効果的に吸着することができるという相乗効果があることがわかった。いずれも微小な構造上の特徴による効果であるため、単純にマクロ的に組み合わせることによって、それぞれの機能をもつ材料を配置した場合、例えばそれらを層状に重ねて使用する場合や、それぞれを細片状に一材料に分散させて製造して使用する場合には得られない効果である。
具体的には、本発明によれば、繊維又は繊維の集合体からなる高分子材料の主鎖上に、アニオン交換基を有するモノマーユニット及びアルキルアミド基を有するモノマーユニットの放射線グラフト重合により形成されるグラフト側鎖を有し、さらに該グラフト側鎖に三ヨウ化物イオンが担持されてなる花粉吸着材が提供される。
本発明の花粉吸着材は、高分子材料の主鎖上にグラフト側鎖としてアニオン交換基を導入して正に帯電させることで、負に帯電した花粉を効果的に静電吸着することができる。また、アルキルアミド基をグラフト側鎖に導入することで、花粉が分解したときに放出されるアレルゲンタンパク質をも吸着させることができる。さらに、アニオン交換基は親水基であるため、繊維全体として親水性が上昇し保湿性も高まる。さらに、三ヨウ化物イオンが担持されているので、微生物やウイルスも殺菌でき、さらに表面に花粉や塵埃が堆積した場合にもアルキルアミド基から徐放されるヨウ素により殺菌能力を維持することができる。
本発明の花粉吸着材において、グラフト側鎖を成長させる主鎖となる高分子材料は、繊維又は繊維の集合体からなる。具体的にはポリオレフィン系の材料であることが好ましく、ポリエチレン、ポリプロピレン共重合体等のポリオレフィン系の材料が好ましい。特に放射線照射による劣化が少ないポリエチレンが好ましく、結晶部が多い高密度ポリエチレンがさらに好ましい。また、主鎖となる高分子材料はこれらの材料に限定されず、他の合成高分子材料やセルロース系繊維等の天然高分子材料であってもよい。繊維の形態としては、単繊維であっても複合繊維であってもよい。これらの繊維の集合体を好適に用いることができ、織布、不織布のいずれも用いることができる。
本発明の花粉吸着材に導入されるアニオン交換基は、第四級アンモニウム基であることが好ましい。第四級アンモニウム基を導入した場合には、導入量にもよるが、花粉吸着材のゼータ電位が+15〜50mVと大きいので、弱塩基性アニオン交換基を有するモノマーを使用する場合と比べて、隣接するグラフト側鎖間の反発が強くなり、花粉のアレルゲンタンパク質の吸着に都合がよい。特に、第四級アンモニウム基を有するモノマーとアルキルアミド基を有するモノマーとを所定の混合比で共グラフト重合を行うと、グラフト側鎖の基部には非イオン性親水基であるアルキルアミド基が多くなり、グラフト側鎖の末端には第四級アンモニウム基が多くなる傾斜構造が形成される。グラフト重合物の構造モデルとして、中央に主鎖があり、その主鎖の周囲を無数のグラフト側鎖が枝状にとりまくモデルを考えた場合、ゼータ電位が高い官能基(第四級アンモニウム基)がグラフト側鎖の外側に多いため、隣接するグラフト側鎖同士の静電的な反発によりグラフト側鎖全体が大きく広がり、グラフト側鎖間に空間が生じると考えられる。その結果、花粉から放出されたアレルゲンタンパク質は、グラフト側鎖の内側で効果的に吸着される。内側には非イオン性親水基であるアルキルアミド基が多いこともアレルゲンタンパク質の吸着に都合がよい。また、第四級アンモニウム基はヨウ素を吸着するので、アルキルアミド基から放出されるヨウ素が周辺へ拡散するのを抑える効果を奏する点でも有利である。
負に帯電する花粉を吸着することができるアニオン交換基としては、低級のアミノ基(第二級アミノ基、第三級アミノ基)も用いることができる。低級のアミノ基を有するモノマーとしては、ジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、ジエチルアミノエチルメタクリレート(DEAEMA)、ジメチルアミノプロピルアクリルアミド(DMAPAA)等を用いることができる。第四級アンモニウム基を有するモノマーとしては、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC)を好ましく用いることができる。また、ジメチルアミノプロピルアクリルアミドやジメチルアミノメタアクリルアミドなどのアミド系モノマーを第四級アンモニウム化したモノマーも好適に利用できる。メタクリル酸グリシジルをトリメチルアミン塩酸塩や硫酸塩で第四級アンモニウム化したモノマーなども利用できる。
本発明の花粉吸着材に導入されるアルキルアミド基は、ピロリドン基又はその誘導体であることが好ましい。アルキルアミド基を有するモノマーとしては、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、N−ビニルピロリドン又はそれらの誘導体の中から選択して利用することができるが、この範囲に限定されるわけではない。この中でもN−ビニルピロリドン又はその誘導体を含むモノマーが好ましい。アルキルアミド基は、三ヨウ化物イオンを弱い相互作用で吸着し、担持量にもよるが微量を徐放することができる。徐放されたヨウ素は、近傍に存在する微生物、ウィルス等を殺菌し、マスク材料を衛生的な状態に維持できるという利点がある。また、アレルゲンタンパク質の吸着にも有効に働く。
本発明の花粉吸着材には、グラフト側鎖にさらに三ヨウ化物イオンが担持されている。すなわち、両方のモノマーユニットに三ヨウ化物イオン(ヨウ素)が担持され、アニオン交換基と比較的強固に結合した三ヨウ化物イオンとアルキルアミド基に弱く結合した三ヨウ化物イオンからヨウ素が放出され、両方のヨウ素によって効果的に殺菌できる。三ヨウ化物イオンの担持量は、抗菌性が発揮できる量でよく、多量に担持する必要はない。通常、担持量として5〜200μg/cm2あればよい。すなわち、5μg/cm2未満では抗菌性はあまり期待できず、一方、200μg/cm2を越える場合にはヨウ素の徐放量が多くなり、放出されたヨウ素による影響(着色、金属類の腐食等)が現れるおそれがある。
本発明の花粉吸着材は、放射線グラフト重合法を用いて製造することができる。放射線グラフト重合法は既存の高分子基材にその形状を保持したまま、グラフト側鎖を導入できるので好ましい。特に、放射線照射によってラジカルを基材の表面ばかりでなく内部にまで生成できるので、多量のグラフト側鎖を導入できる。さらにそのグラフト側鎖にはイオン交換基等の官能基を多量に付与することができる。高分子基材とグラフト側鎖は共有結合で強固に結合しているため、物理的、化学的に安定である。放射線の線源としては、ガンマ線、電子線、紫外線、ベータ線、アルファ線などが利用できるが、ガンマ線や電子線が工業的に有利である。
放射線グラフト重合の方法としては、高分子基材とモノマーの共存下に放射線を照射する同時照射、あらかじめ高分子基材に放射線を照射した後、モノマーを接触させる前照射グラフト重合法があり、いずれの方法も利用できるが、基材と結合しない重合物の生成量が小さい前照射グラフト重合法が好ましい。また、モノマーと基材との接触方法により、モノマー溶液に基材を浸漬させたまま重合を行う液相グラフト重合法、モノマーの蒸気に基材を接触させて重合を行う気相グラフト重合法、基材をモノマー溶液に浸漬した後モノマー溶液から取り出して気相中で反応を行わせる含浸気相グラフト重合法などを挙げることができるが、いずれの方法も本発明において用いることができる。
本発明の花粉吸着材の製造には、アニオン交換基を有するモノマーとアルキルアミド基を有するモノマーという2種類のモノマーを用いるため、共グラフト重合法と逐次グラフト重合法を用いることができる。共グラフト重合法は、両方のモノマーを混合したモノマー液を調製し、それを用いてグラフト重合させる方法である。逐次グラフト重合法は、いずれか一方のモノマーのみを含むモノマー液を各々調製し、一方ずつグラフト重合させる方法である。前者によると、共重合したグラフト側鎖が高分子基材上に付与され、一方、後者によると、片方のモノマーユニットからなる重合体であるグラフト側鎖が高分子基材上に付与される構造になる。また、後者の場合、一方のグラフト側鎖上に他方のグラフト側鎖が付与される構造になる部分も同時に生じる。本発明の花粉吸着材においては、ヨウ素の吸着・徐放という相反する作用を発揮させるため、共グラフト重合法を用いることが好ましい。また、共グラフト重合法では、放射線照射とグラフト重合の2工程で共重合したグラフト側鎖を高分子基材上に付与することができるので製造工程が簡略化できるという利点もある。
本発明の花粉吸着材の製造においては、主鎖上にアニオン交換基を直接グラフト重合させる方法だけでなく、アニオン交換基を導入することのできるモノマーをグラフト重合させて、グラフト重合後にアニオン交換基を導入してもよい。アニオン交換基を導入することのできるモノマーとしては、スチレン、クロロメチルスチレン、ビニルピリジン、メタクリル酸グリシジル等があり、例えば、クロロメチルスチレンをグラフト重合した後に、基材をトリメチルアミン水溶液に浸漬して第四級アンモニウム化を行うことによって、強塩基性アニオン交換基である第四級アンモニウム基を基材に導入することができる。
次に、三ヨウ化物イオンの担持は、アニオン交換基を有するモノマーユニット及びアルキルアミド基を有するモノマーユニットを含むグラフト重合材料に、三ヨウ化物イオンを含む液、例えばヨウ素ヨウ化カリウム溶液を接触させることにより行うことができる。三ヨウ化物イオンをグラフト重合材料に担持させる準備工程として、アニオン交換基を塩型からOH型に変換するためにグラフト重合材料をアルカリ性水溶液に浸漬後、イオン交換水等の純水ですすいでもよい。この担持方法によって、アニオン交換基とアルキルアミド基の両方に三ヨウ化物イオンを担持することができ、さらにアニオン交換基がOH型(再生型)になるため、徐放する要素をより効果的に吸着保持できる。しかし、三ヨウ化物イオンを飽和になるまで担持する必要はなく、使用条件や用途等より当業者が決定することができる。すなわち、抗菌機能、花粉除去機能などどの機能を優先するかは適宜選択することができる。
また、本発明の花粉吸着材は、前記繊維又は繊維の集合体からなる高分子材料の主鎖に結合する前記グラフト側鎖の基部から前記グラフト側鎖の自由端である末端部に向かうにつれて、相対的にアニオン交換基を有するモノマーユニットが多くなる傾斜構造を有することが好ましい。このような傾斜組成構造の共グラフト側鎖は、そのグラフト側鎖の基部に花粉のアレルゲンタンパク質を効果的に吸着できるので好ましい。
このような傾斜構造を有するグラフト側鎖は、アニオン交換基を有するモノマーとアルキルアミド基を有するモノマーとを所定の混合比で共グラフト重合(グラフト側鎖部分が共重合となる重合方法)を行うことにより得ることができる。グラフト重合速度がモノマーの種類によって異なるため、グラフト重合の開始地点である主鎖と結合する基部に近い部分には重合速度の速いモノマー単位が多く含まれ、一方、グラフト重合の終了地点であるグラフト側鎖の自由端である末端に近い部分には重合速度の遅いモノマー単位が多く含まれることになり、異なるモノマーユニットから成長したグラフト側鎖が存在するという傾斜構造が得られる。
本発明の花粉吸着材においては、アルキルアミド基を有するモノマーに対するアニオン交換基を有するモノマーの比(モル分率)を好ましくは0.05〜5:1(アニオン交換基を有するモノマー:アルキルアミド基を有するモノマー)の範囲で調製した混合モノマー液を共グラフト重合することにより得た傾斜構造が好ましい。モル分率の値がこの範囲にある場合、グラフト側鎖同士の正電荷による反発によって、グラフト側鎖群全体が拡張するように作用する。このとき、グラフト側鎖間にアレルゲンタンパク質が容易に入り込むことのできる空間ができる。この空間の周囲には、グラフト側鎖のアルキルアミド基が多く存在するので、表面が親水性であるアレルゲンタンパク質は、この空間内に効果的に吸着される。しかしながら、この値が小さくなると、例えば0.05未満の場合、正の電荷が小さくなるため、花粉の吸着効果が低下するとともに、グラフト側鎖同士の正の電荷による反発が弱くなるので、グラフト側鎖が収縮し、アレルゲンタンパク質の吸着効果も低下する。一方、この値が大きくなると、例えば5以上になると、正の電荷が大きく花粉の吸着力は大きくなるが、担持させた三ヨウ化物イオンのほとんどがアニオン交換基に強固に吸着するので、相対的にアルキルアミド基に吸着する三ヨウ化物イオンが減少するだけでなく、アルキルアミド基から放出されるヨウ素もアニオン交換基にトラップされるようになり、ヨウ素徐放量が極端に小さくなる。また、アレルゲンタンパク質の吸着効果も小さくなる。
また、本発明によれば、上記花粉吸着材の上流及び/又は下流に、メルトブロー不織布を具備する花粉吸着用フィルタも提供される。メルトブロー不織布はエレクトレット(電石)不織布であることが好ましい。メルトブロー不織布は、構成する繊維径を小さくすることができ、通気抵抗の小さい不織布でも花粉等の粒子阻止効果が高く、花粉症マスク素材としてよく利用されている。メルトブロー不織布を本発明の花粉吸着材と併用することで、さらに効果的な花粉症及び風邪向けマスク素材としてのフィルタを構成することができる。さらにメルトブロー不織布にエレクトレット化処理を施し、帯電させたものはさらに効率的に花粉等の粒子阻止が可能であり、本発明の花粉吸着用フィルタに好適である。
メルトブロー不織布を併用する場合には、上流からメルトブロー不織布、本発明の花粉吸着材の順に重ねて使用することによって、本発明の花粉吸着材の効果を長期間維持することが可能となる。また、各材料の間に別の材料が装填されていても良い。例えば、活性炭を含む素材を最下流に配置することも可能である。それぞれ、どの機能を優先するかどうかは使用環境や用途によって適宜製造に反映させることができる。
さらに、本発明によれば、上記花粉吸着材の上流及び/又は下流に、カチオン交換基を有する繊維又は不織布を具備する花粉吸着用フィルタも提供される。カチオン交換基を有する繊維又は不織布は、カチオン交換基を有するモノマーユニットの放射線グラフト重合により形成されるグラフト側鎖を有することが好ましい。カチオン交換基としては、負の電荷がより大きいスルホン酸基が好ましい。スルホン酸基を有するモノマーとしては、スチレンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタリルスルホン酸及びこれらの塩等を挙げることができる。有機高分子基材にスルホン酸基を有するグラフト側鎖を導入するには、スルホン酸基を有するモノマーをグラフト重合させる方法と、グラフト重合させたグラフト側鎖にスルホン酸基を導入することのできるモノマーをグラフト重合させ、次の工程でグラフト側鎖をスルホン化してスルホン酸基を導入する方法とがあり、いずれの方法を用いても良い。グラフト重合後にスルホン酸基を導入することができるモノマーとしては、メタクリル酸グリシジル、スチレン、アクリロニトリル、アクロレイン、クロロメチルスチレン等を挙げることができる。例えば、高分子基材にスチレンをグラフト重合した後に、硫酸やクロロスルホン酸を反応させてスルホン化することによって、強酸性カチオン交換基であるスルホン酸基をグラフト重合体側鎖上に導入することができる。カチオン交換基としてスルホン酸基を有する不織布は、第四級アンモニウム基を有するモノマーユニットから遊離してアミン臭が発生してもこれを効果的に除去できるので好ましい。ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライドのグラフト重合物は第四級アンモニウム基が塩型であるため、比較的安定であるが、突発的な使用状況においてはアミン臭発生が問題になる場合がある。この対策としても有効である。
カチオン交換基を有する繊維又は不織布は負に帯電するので、正に帯電している塩基性のオービクルを静電的に吸着しやすい。花粉粒子に吸着している微粒子であるオービクルは、マスクの取り扱い時に受ける機械的衝撃、摩擦等、及び高湿度下や水分との接触による花粉破壊によって容易に剥離する。カチオン交換基を有する繊維又は不織布を、アニオン交換基を有する本発明の花粉吸着材とは別々に製造し、それぞれ繊維状のものを混合して不織布とするか、あるいはそれぞれ不織布状のものを重ね合わせて複合化することで、本発明の花粉吸着材の機能を損なうことなく、オービクルの吸着除去機能を付加することができる。また、開口径の大きい不織布を利用でき、息苦しさを感じさせずにオービクルの吸入を極力抑えることができるので花粉症用マスクとしての使用に適している。マスクとするためには、少なくとも装着時に息苦しさを感じないようすることが重要である。プリーツ加工などろ過面積を増加する方法も考慮し、目付け10〜50g/m2の不織布が適当である。この目付けより大きいとマスク装着時の通気抵抗が大きくなり、息苦しさを感じさせる。この目付け以下の場合は、通気抵抗は小さくなるが、花粉や塵埃などのろ過機能が小さくなりマスクの機能を果たすことができない。
したがって、本発明によれば、上記花粉吸着材から構成されるフィルタを具備するマスク及び花粉吸着用フィルタを具備するマスクも提供される。
本発明の花粉吸着材は、花粉だけでなく、花粉粒子内部に存在するアレルゲンタンパク質をも効果的に吸着し、かつ抗菌性を保持することができる。本発明の花粉吸着材においては、材料に接触した微生物及びウイルス等だけでなく、徐放するヨウ素によって材料近傍の雰囲気にも殺菌効果を作用させることができる。本発明の花粉吸着材を具備するマスクは、花粉症用と風邪用の両者の効果を発揮することができる。
本発明の花粉吸着材をマスクとして使用した場合、呼気は湿度が高いので、グラフト側鎖は水分を吸着し、花粉の割れを促進する。このとき、花粉が割れることによってアレルゲンタンパク質が放出されるが、アルキルアミド基の作用によってアレルゲンタンパク質を効果的に吸着するので有効である。
また、本発明の花粉吸着材を、カチオン交換基としてスルホン酸基を有する不織布と併用した場合には、アンモニアやニコチン、タールなどタバコの悪臭成分に対しても有効であるため、タバコ臭対策としても機能しうる複合マスクとしての機能も有する。本発明の花粉吸着材は、マスク、空気清浄機、掃除機、エアコン等のフィルタ用途として利用できるだけでなく、室内においてはカーテン、じゅうたん、マットなど繊維製品に適用し、花粉、塵埃、ダニなどのアレルゲン吸着用材料として利用できる。さらに拡張した用途として、台所、風呂場及びトイレの衛生対策、脱臭剤としても各種使用方法が考えられる。本発明の花粉吸着材の主たる構成要素である基材上の官能基は、放射線グラフト重合によって導入されている。すなわち、放射線グラフト重合によるアニオン交換基、アルキルアミド基及びカチオン交換基は基材と共有結合を介して強固に結合しているため、化学的に安定である。そのため、洗浄や再生操作によって、性能を回復することができ、繰り返し使用が可能である。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
図1は、花粉吸着実験で用いた花粉吸着除去試験装置の概略説明図である。 図2は、脱臭性能評価実験で用いた脱臭試験用評価装置の概略説明図である。 図3は、微粒子除去性能評価実験で用いた微粒子除去性能評価試験装置の概略説明図である。 図4は、抗菌性評価実験で用いた流通試験装置の概略説明図である。
[花粉吸着材の製造]
(1)三ヨウ化物イオン担持花粉吸着材1
直径15μmでポリエチレン鞘/ポリプロピレン芯の複合繊維より構成された目付け25g/m2、厚み0.15mmの熱融着不織布(日本バイリーン製)を20cm角(1.03g)に切り取り、電子線150kGyを窒素雰囲気で照射した。次に、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC、セイミケミカル社製)5g(=0.024mmol)、N-ビニルピロリドン5g(0.045mmol)に水を加えて50gとしたモノマー混合溶液を調製した。モノマー混合溶液100mLに、先の照射済み不織布を数分間含浸させた後、取り出した。この不織布を内容積約500mLのガラス製反応容器に入れ、窒素雰囲気、50℃にて5時間反応させた。反応容器から取り出した不織布を純水1Lで5回洗浄した後、真空乾燥を行った。重量増加率から算出したグラフト率は76%であった。この不織布5cm角を切り取り、水酸化ナトリウム5%水溶液、100mLに30分間浸漬して再生させた。洗浄後、塩化ナトリウム1%水溶液、100mLに15分間浸漬してイオン交換反応を行わせた。この液を滴定することにより、中性塩分解容量0.97meq/gの強塩基性アニオン交換不織布が得られたことがわかった。ゼータ電位は+55mVであった。
三ヨウ化物イオンの担持
市販の試薬0.5mol/Lのヨウ素溶液を100倍希釈した。この希釈ヨウ素液4mLと水46mLを加え、全量50mLとした液に、上記で作製した強塩基性アニオン交換不織布を10分間浸漬させた。不織布は白色から褐色に変化し、ヨウ素が担持できたことを確認した。その後、水1Lを用いて3回洗浄し、乾燥した。この不織布の有効ヨウ素担持量は43μg/cm2であった。
(2)三ヨウ化物イオン担持花粉吸着材2
上記(1)と同様の不織布基材に、同様の放射線照射を行った後、VBTACに代えてジメチルアミノプロピルアクリルアミドの4級化物モノマー(DMAPAA−Q、(株)KOHJIN製)とN-ビニルピロリドンを用いてグラフト重合を行った。グラフト率は61%であり、中性塩分解容量0.81meq/g、ゼータ電位+48mV、有効ヨウ素担持量が39μg/cm2の強塩基性アニオン交換不織布が得られた。
(3)強酸性カチオン交換不織布の製造
上記(1)で使用した不織布と同じ不織布を利用して、同様の放射線照射を行った後、メタクリル酸グリシジル100%液に浸漬し、取り出して、(1)と同様の容器に装填し、50℃で3時間反応させた。アセトン洗浄後、真空乾燥を行い、グラフト率を測定したところ、グラフト率113%であることがわかった。次に、亜硫酸ナトリウム8%、亜硫酸水素ナトリウム4%、イソプロピルアルコール5%、水83%の溶液に浸漬し、80℃で12時間反応を行いスルホン化させた。水洗浄、5%塩酸による再生を30分間行った。中性塩分解容量が2.34meq/gの強酸性カチオン交換不織布が得られた。
(4)傾斜構造の確認
上記(1)で使用した不織布と同じ不織布を10cm角(約0.5g)に切り出して、電子線150kGyを窒素雰囲気で照射した。次に、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC、セイミケミカル社製)5g(=0.024mol)、N-ビニルピロリドン(NVP)5g(0.045mol)に水を加え50gとしたモノマー混合溶液を調製した。このモノマー混合溶液500mLに、先の照射済み不織布5枚を数分間含浸させた後、取り出した。この不織布5枚をそれぞれ内容積500mLのガラス製グラフト反応容器5個に1枚ずつ入れ、窒素雰囲気、50℃で反応させた。反応時間15分、30分、60分、120分、240分経過後にそれぞれグラフト重合された不織布を1枚ずつ取り出し、反応後の不織布を純水で十分洗浄した後、真空乾燥を行った。重量増加率からグラフト率を算出したところ、順に29.8%、60.4%、83.2%、102.9%及び136.1%であった。これら不織布を水酸化ナトリウム5%水溶液100mLに30分間浸漬して再生させた。洗浄後、塩化ナトリウム1%水溶液、100mLに15分間浸漬してイオン交換反応を行わせた。この液を滴定することにより、中性塩分解容量を求めた。さらに、中性塩分解容量からVBTACのグラフト率を算出した。また、全体のグラフト率を100としてVBTAC及びNVPの存在比率を算出した。結果を表1に示す。
Figure 0005044647
グラフト重合初期には主としてNVPがグラフト重合し、反応時間が長くなるにつれてVBTACのグラフト重合が増加していることがわかる。グラフト側鎖は、高分子材料の主鎖に結合するグラフト側鎖の基部から自由端である末端部に向かって成長するから、グラフト側鎖の基部にNVP(アルキルアミド基)が多く導入され、末端部にVBTAC(アニオン交換基)が多く導入される傾斜構造が形成されているといえる。
(5)傾斜構造(アニオン交換基とアルキルアミド基とのモル分率)
上記(1)で使用した不織布と同じ不織布を10cm角(約0.5g)に切り出して、電子線150kGyを窒素雰囲気で照射した。次に、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロライド(VBTAC、セイミケミカル社製)とN-ビニルピロリドン(NVP)とのモノマー混合溶液を約1g含浸させた後、取り出した。モノマー混合溶液中のVBTACとNVPとのモル分率は表2に示すように変動させた。ガラス製グラフト重合容器内窒素雰囲気下50℃で4時間反応させた後、不織布を取り出して、反応後の不織布を純水で十分洗浄した後、真空乾燥を行った。
Figure 0005044647
VBTAC/NVPモル分率が小さくなるほど中性塩分解容量が小さく、ゼータ電位も小さくなる。また、VBTAC/NVPモル分率が0.05〜5の間で、中性塩分解容量0.1〜1meq/g、ゼータ電位25〜60mVのグラフト重合不織布が得られた。モル分率が0.05より小さい場合中性塩分解容量が小さく、ゼータ電位も小さかった。モル分率が5を超えると、グラフト率が小さくなる(モノマー消費率も小さくなる)ばかりでなく、VBTACの大半がグラフトに利用されなかった(モノマーの利用効率が悪かった)。
微粒子、細菌類は負に帯電している場合が多いので、ゼータ電位が正の大きな値ほど静電吸着力が強い。また、互いに隣接するグラフト鎖の反発力が強いので、グラフト鎖間に微小なタンパクを吸着保持できる。しかしながら、モル分率が5以上の場合には、グラフト率が小さくなると同時にモノマーの利用効率も小さくなるため、経済性に問題が生じる。
[花粉吸着実験1]
上記(1)で作製した花粉吸着材(三ヨウ化物イオン担持花粉吸着材1及び2)を評価用フィルタとして図1に示す花粉吸着除去試験装置を使用して花粉吸着除去試験を行った。熟成した杉の雄花からスギ花粉を採取した花粉を用いた。メルトブロー不織布として、平均繊維径4.0μm、目付け40g/m2、厚み0.1mmの非エレクトレット不織布を用いた。真空ポンプを稼動させ、空気の吸引量を15L/分(フィルタ装着部の径25mmφに対し、LV0.5m/秒)に調整した。次に採取した花粉試料約10mg(花粉個数として51400個相当)を約1分間かけ少量ずつ花粉投入口から投入した。
花粉はフィルタ評価試験装置の内壁、配管等に付着しやすいので、評価用フィルタを装着せずに花粉を投入し、下流の排気処理用フィルタ(孔径0.45μm、47mmφ、ミリポア社製)に捕捉させ、このフィルタ上に捕捉された花粉数を計測して、5回の平均値21300個を入口実効花粉数とした。
花粉数の計測は、排気処理用フィルタを取り出し、花粉染色のためカルベラ液(グリセリン5mL、エチルアルコール10mL、純水15mL、塩基性フクシン飽和水溶液2〜3滴の混合液)を用いて染色した後、実体顕微鏡で観察し、排気処理用フィルタ上の花粉数を計測した。
次に、評価用フィルタを装着して花粉を投入し、下流の排気処理用フィルタに捕捉させた花粉数を計測した評価用フィルタ入口の実効花粉数と、評価用フィルタ上に捕捉した花粉数とから除去率を計算すると花粉吸着材1及び2ともに平均99.4%であった。
比較例1
本発明の花粉吸着材に代えて、未処理の原反不織布を使用して花粉除去試験を行ったところ、花粉除去率は93.2%と低い値であった。
比較例2
上記(1)花粉吸着材製造例で使用した三ヨウ化物イオン担持前の不織布で花粉除去試験を行ったところ、花粉除去率は99.4%と高い値を維持していた。このことから、三ヨウ化物イオンの担持に関わらず、アニオン交換基とアルキルアミド基を有するグラフト側鎖による花粉吸着性能が維持・発揮されることがわかる。
[花粉吸着実験2]
図1の評価装置において、評価用フィルタ装着部に本発明の花粉吸着材を取り付け、花粉吸着材の下流側に上記(3)で製造した強酸性カチオン交換不織布を取り付けて、花粉吸着実験1と同様の実験を行った。花粉除去率は99.6%であった。
さらに、排気処理用フィルタ部に装着した孔径0.45μmのフィルタ(ミリポア社製)を取り外し、純水100mL、次に生理食塩水100mLで洗浄した。その液を孔径0.2μmのニュークリポアフィルタでろ過し、ろ紙上に捕捉された粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で2000倍に拡大して観察した。花粉由来のオービクルと呼ばれる1μm前後の粒子が視野に数個観察された。
比較例3
強酸性カチオン交換不織布に代え、原反不織布を取り付けて、実施例2と同様の実験を行った。花粉除去率は99.5%であったが、SEM観察による1μm前後の粒子が視野に50個以上観察された。
以上より、本発明の花粉吸着材には優れた花粉除去効果があり、本発明の花粉吸着材と強酸性カチオン交換不織布との併用により、花粉のオービクル除去にも効果があることが確認できた。
[抗菌性試験]
上記(1)で製造した花粉吸着材1の抗菌性をJIS L1902 「繊維製品の抗菌性試験方法」に記載の菌液吸収法と菌転写法に準拠して調べた結果を表3に示す。
Figure 0005044647
Figure 0005044647
表3より、本発明の花粉吸着材1では、黄色ぶどう球菌をはじめ5種類の微生物に対し、菌減少値で4以上(菌数で4桁以上)ときわめて高い抗菌性が認められた。
Figure 0005044647
5種類の微生物に対し、静菌活性値は4以上の減少(生菌数で4桁以上の減少)を示し、高い抗菌性が認められた。また、花粉吸着材2についても花粉吸着材1と同様に、5種類の微生物に対し、静菌活性値は4以上の減少(生菌数で4桁以上の減少)を示し、高い抗菌性が認められた。
比較例4
上記(1)花粉吸着材製造例で使用した原反不織布及び三ヨウ化物イオン担持前の不織布(アニオン交換基とアルキルアミド基をグラフト重合させたもの)を使用して、実施例3と同様の抗菌性試験を行った。いずれの不織布も生菌数の増加が2桁以上(菌数108以上)と著しく、抗菌性は認められなかった。
[脱臭性能]
図2に示す50mmφのフィルタ装着部を有する脱臭試験用評価装置に本発明の花粉吸着剤1、花粉吸着材1及び強酸性カチオン交換不織布を装着して、脱臭試験を行った。被験ガスはアンモニア(塩基性ガス)及び酢酸(酸性ガス)として、ガス発生用のパーミエータを用いて行った。タバコ煙については、実際にタバコを燃焼させ、二次側(出口)で臭いをかぐ官能試験で評価した。
ガス濃度の分析は、フィルタ装着部の前後に取り付けたサンプリング口より北川式ガス検知管(光明理化学工業社製)の先端を挿入して吸引し、検知管の着色程度により判定した。
Figure 0005044647
Figure 0005044647
以上の結果より、本発明の花粉吸着材は塩基性ガス及び酸性ガスの高い除去効果を有することが確認できた。また、タバコ臭の脱臭にも効果があることがわかった。タバコ煙の試験後にフィルタを取り出すと、強酸性カチオン交換不織布が茶褐色に変色しており、ニコチン、タール分の吸着が確認できた。
また、本発明の花粉吸着材1を市販のマスクの内側に装着し、その上から直接口と接触しないようガード用の不織布を重ね、マスクを試作した。6時間装着した後、取り外し、翌日再使用したところ、口臭は感じられなかった。比較実験として、三ヨウ化物イオン担持前の不織布(アニオン交換基とアルキルアミド基をグラフト重合させたもの)を取り付けたところ、口臭が残存するため、再使用できなかった。花粉吸着材2についても同様の結果を得た。
以上から、本発明の花粉吸着材は、殺菌効果のみならず脱臭効果にも優れていることが確認できた。
[微粒子除去性能]
メルトブロー不織布を利用する実施例
図3に示す微粒子除去性能評価試験装置を用い、微粒子の除去性能試験を行った。装置は通常の化学実験室の実験台に設置し、室内に浮遊する微粒子を評価装置に導入した。流速はLV0.5m/秒に調整した。評価装置のフィルタ面積は9cm2(直径34mmφ)、評価用フィルタは、上流側から順にメルトブロー不織布、花粉吸着材、カチオン交換不織布となるように挟み込んだ。比較実験として、花粉吸着材に代えて原反不織布を用いた場合も同様に測定した。
Figure 0005044647
原反不織布のみの場合には微粒子の除去性能が低く、特に1μm未満の微粒子に対してはメルトブロー不織布を用いてもあまり改善が見られない。一方、本発明の花粉吸着材の場合には、単独でも良好な微粒子除去性能を示すが、メルトブロー不織布との組み合わせによって、さらに改善されることがわかる。このことから、本発明の花粉吸着材とメルトブロー不織布を併用することで、細菌類や塵埃など微粒子除去性能も格段に良くなることが確認できる。
[抗菌性評価]
フィルタ流通試験法での評価
図4に示す花粉除去性能評価装置において、排気処理用フィルタ部のミリポアフィルタの上流側に花粉吸着材を装着した後、評価用フィルタ装着部に何もフィルタを装着せず、花粉を約10mg投入し、花粉吸着材に捕捉させた。この花粉吸着材を図4に示す流通試験装置に装着し、一次側に大腸菌、MRSAの所定濃度溶液をネブライザで噴霧しながら10L/分の流量で室内空気を1ヶ月にわたり流通させた。花粉吸着材を取り出し、生理食塩水20mLを加えキャップをしたバイアル瓶で振とうした。この液1mLを採取し、寒天培地を用いたコロニー計数法により菌濃度を測定した。結果を表8に示す
Figure 0005044647
花粉吸着材には花粉のほか室内空気中に含まれる雑菌が付着したにもかかわらず、生菌は観察されず、良好に殺菌されていることがわかる。
[ヨウ素の徐放性評価]
花粉吸着材1及び2を温度25℃に制御され、遮光された恒温室に静置し、120日経過後の長期保存性を調べたところ表9の通りであり、低下率が小さかった。
Figure 0005044647
[花粉アレルゲンタンパク質吸着性能]
花粉吸着材1(0.6m×20m)を切断し、一般住宅の4畳半の洋室(ベッド、じゅうたんあり)のカーテンに10m、床(じゅうたん上)に10mを貼り付け、2月末から3月にかけて、花粉アレルゲン吸着性能を調べた。
室内の空気をエアーサンプラーで吸引した(10L/分で5時間)。045μmのフィルタに捕捉されたアレルゲン(タンパク質)を抽出し、抽出液を酵素免疫測定法(ELISA法)にて簡易測定した。花粉吸着材1を使用しなかった場合には抽出液は濃い黄色を呈していたが、花粉吸着材1を使用した場合には、黄色の着色が認められなかった。
本発明の花粉吸着材1によるスギ花粉の花粉症原因物質(スギ花粉アレルゲンCryj1)吸着効果が確認された。

Claims (13)

  1. 繊維又は繊維の集合体からなる高分子材料の主鎖上に、アニオン交換基を有するモノマーユニット及びアルキルアミド基を有するモノマーユニットの放射線グラフト重合により形成されるグラフト側鎖を有し、さらに該グラフト側鎖に三ヨウ化物イオンが担持されてなる花粉吸着材。
  2. 前記グラフト側鎖は、アニオン交換基を有するモノマーユニット及びアルキルアミド基を有するモノマーユニットを含む共グラフト重合物である、請求項1に記載の花粉吸着材。
  3. 前記繊維又は繊維の集合体からなる高分子材料の主鎖に結合する前記グラフト側鎖の基部から前記グラフト側鎖の自由端である末端部に向かうにつれて、相対的にアニオン交換基を有するモノマーユニットが多くなる傾斜構造を有する、請求項1又は2に記載の花粉吸着材。
  4. アルキルアミド基を有するモノマーに対するアニオン交換基を有するモノマーの比(モル分率)が0.05〜5:1(アニオン交換基を有するモノマー:アルキルアミド基を有するモノマー)の範囲である、請求項1〜3のいずれかに記載の花粉吸着材。
  5. 前記アニオン交換基は、第四級アンモニウム基である、請求項1〜4のいずれかに記載の花粉吸着材。
  6. 前記アルキルアミド基は、ピロリドン基又はその誘導体である、請求項1〜のいずれかに記載の花粉吸着材。
  7. 前記繊維又は繊維の集合体からなる高分子材料は、ポリオレフィン系の材料である、請求項1〜のいずれかに記載の花粉吸着材。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の花粉吸着材の上流及び/又は下流に、メルトブロー不織布を具備する花粉吸着用フィルタ。
  9. 前記メルトブロー不織布はエレクトレット(電石)不織布である、請求項に記載の花粉吸着用フィルタ。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の花粉吸着材の上流及び/又は下流に、カチオン交換基を有する繊維又は不織布を具備する花粉吸着用フィルタ。
  11. 前記カチオン交換基を有する繊維又は不織布は、カチオン交換基を有するモノマーユニットの放射線グラフト重合により形成されるグラフト側鎖を有する、請求項10に記載の花粉吸着用フィルタ。
  12. 請求項1〜のいずれかに記載の花粉吸着材から構成されるフィルタを具備するマスク。
  13. 請求項8〜11のいずれかに記載の花粉吸着用フィルタを具備するマスク。
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