JP5042646B2 - 車両のロールオーバ抑制制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ロールオーバの予兆を検出したときは、操舵トルクをアシストするアシストアクチュエータの駆動により発生するアシスト量を減少させてロールオーバを回避する車両のロールオーバ抑制制御装置に関する。
一般に、走行中の車両が急旋回し、或いはコーナにオーバスピードで進入すると車両に大きな横加速度(遠心力)が作用するため、車両は旋回方向外側へ傾斜する。その際、横加速度が過大で、車両の傾斜姿勢を復帰させることが困難になるとロールオーバ(横転)に至る。
そのため、従来から旋回時のロールオーバを回避する技術が種々提案されている。例えば、特許文献1(特開2005−104340号公報)には、車両に装備されている制動システムを利用してロールオーバを回避する技術が開示されている。
すなわち、同文献では、(1)旋回時の車速、横加速度、及びロールレートが基準値以上の場合、ロールレートに応じた制動力を旋回外輪へ付与する制御を行ってロールオーバを回避する(ロールレート制御)。
(2)旋回時の車速、及び横加速度が他の基準値以上の場合は、横加速度に応じた制動力を旋回外輪に付与する制御を行ってロールオーバを回避する(横加速度制御)。
(3)ロールレート制御と横加速度制御との双方が作動した場合は、ロールレート制御と横加速度制御とで算出した各制御量を重み付け加算した制御量を求め、当該制御量でロールオーバを回避する制御を行う。
特開2005−104340号公報
しかし、上述した公報に開示されている技術では、制動システムを装備していない車両に適用することは出来ない。
又、旋回時において旋回外輪に制動力を付与すると、旋回外輪のタイヤグリップ力が低下して車両挙動が不安定になり易い問題がある。
ところで、ロールオーバは、操舵の切り始めと切り返しにおいて急激な操舵を行うことに起因して引き起こされることが知られている。かかる急激な操舵に際し、旋回内輪の車輪浮きが発生する程の大きな操舵が行われた場合、制御開始遅れによりロールオーバを回避できない状態となる可能性がある。
例えば、フィッシュフックターンのようなステアリング操作を行った場合、転舵方向が連続的に大きく切換えられるため、車体に揺り返しが発生し、その共振現象により、横加速度が検出される前に旋回内輪に浮きが発生し易くなる。その結果、タイヤのグリップ力が低下し、ロールオーバを充分に回避することができなくなる不都合がある。
本発明は、上記事情に鑑み、制動システムを装備していない車両に対しても適用でき、旋回時のタイヤグリップ力を確保し車両挙動を安定させた状態でロールオーバを充分に抑制制御することができるばかりでなく、急激な操舵が行われた際の制御開始遅れを防止することのできる車両のロールオーバ抑制制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため本発明による第1の車両のロールオーバ抑制制御装置は、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクをアシストするアシストアクチュエータと車体のロールレートを検出するロールレート検出手段と、前記操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも該操舵トルク検出手段で検出した前記操舵トルクに基づき基本アシスト量を演算すると共に、該基本アシスト量を補正して前記アシストアクチュエータを駆動させる目標アシスト量を設定する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ロールレートに基づいて車体のロール角加速度を演算するロール角加速度演算手段と、前記ロール角加速度に基づいて車体のロール状態が急速に変化する急ロール状態か緩速で変化する緩ロール状態かを判定するロール状態判定手段と、前記ロールレートとロールレートしきい値とを比較してロールオーバの予兆有りか否かを判定するロールレート判定手段と、前記ロール状態判定手段で急ロール状態と判定され、且つ前記ロールレート判定手段でロールオーバの予兆有りと判定された場合、前記ロールレートに基づいて前記目標アシスト量を減少させる方向へ補正する補正アシスト量を演算する急ロール時補正アシスト量演算手段と、前記基本アシスト量を前記急ロール時補正アシスト量演算手段で演算した前記補正アシスト量で補正して前記目標アシスト量を演算する急ロール時目標アシスト量演算手段と、前記ロール状態判定手段で緩ロール状態と判定され、且つ前記ロールレート判定手段でロールオーバの予兆有りと判定された場合、前記ロールレートに基づいて、前記補正アシスト量と前記ロールレートが増加するに従い増加する1以下の補正ゲインとを演算する緩ロール時補正値演算手段と、前記基本アシスト量を、前記緩ロール時補正値演算手段で演算した前記補正アシスト量に前記補正ゲインを乗算した値で補正して前記目標アシスト量を演算する緩ロール時目標アシスト量演算手段とを備えていることを特徴とする。
第2の車両のロールオーバ抑制制御装置は、ステアリングホイールに加えられる操舵トルクをアシストするアシストアクチュエータと車体のロールレートを検出するロールレート検出手段と、前記操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車体の横加速度を検出する横加速度検出手段と、少なくとも該操舵トルク検出手段で検出した前記操舵トルクに基づき基本アシスト量を演算すると共に、該基本アシスト量を補正して前記アシストアクチュエータを駆動させる目標アシスト量を設定する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記ロールレートに基づいて車体のロール角加速度を演算するロール角加速度演算手段と、前記ロール角加速度に基づいて車体のロール状態が急速に変化する急ロール状態か緩速で変化する緩ロール状態かを判定するロール状態判定手段と、前記ロールレートとロールレートしきい値とを比較してロールオーバの予兆有りか否かを判定するロールレート判定手段と、前記ロール状態判定手段で急ロール状態と判定され、且つ前記ロールレート判定手段でロールオーバの予兆有りと判定された場合、前記横加速度と横加速度しきい値とを比較して更にロールオーバの予兆有りか否かを判定する横加速度判定手段と、前記横加速度判定手段でロールオーバの予兆有りと判定された場合、前記ロールレートに基づいて前記目標アシスト量を減少させる方向へ補正する補正アシスト量を演算する急ロール時補正アシスト量演算手段と、前記基本アシスト量を前記急ロール時補正アシスト量演算手段で演算した前記補正アシスト量で補正して前記目標アシスト量を演算する急ロール時目標アシスト量演算手段と、前記ロール状態判定手段で緩ロール状態と判定され、且つ前記ロールレート判定手段でロールオーバの予兆有りと判定された場合、前記ロールレートに基づいて、前記補正アシスト量と前記ロールレートが増加するに従い増加する1以下の補正ゲインとを演算する緩ロール時補正値演算手段と、前記基本アシスト量を、前記緩ロール時補正値演算手段で演算した前記補正アシスト量に前記補正ゲインを乗算した値で補正して前記目標アシスト量を演算する緩ロール時目標アシスト量演算手段とを備えていることを特徴とする。
本発明によれば、車体のロール状態が急ロール状態と判定された状態で、ロールオーバの予兆が検出されたときは、操舵トルクをアシストする目標アシスト量を減少させるようにしたので、制動システムを装備していない車両に対しても適用することができ、優れた経済性を得ることができるばかりでなく、既存のシステムにも取り入れることができるので、高い汎用性を得ることができる。
又、車輪を制動することでロールオーバを回避する従来の技術に比し、旋回時のタイヤグリップ力を確保することができ、車両挙動を安定させた状態でロールオーバを充分に抑制制御することができる。更に、急ロールを検出した後は目標アシスト量が大きく減少されるため、急激な操舵が行われた際の制御開始遅れを防止することができる。
以下、図面に基づいて本発明の一実施形態を説明する。図1にロールオーバ抑制制御装置を備えた車両の概略図を示す。
同図の符号1は電動パワーステアリング装置で、この電動パワーステアリング装置1のステアリング軸2が、図示しない車体フレームにステアリングコラム3を介して回動自在に支持されており、その一端が運転席側へ延出され、他端がエンジンルーム側へ延出されている。ステアリング軸2の運転席側端部にステアリングホイール4が固設され、又、エンジンルーム側へ延出する端部にピニオン軸5が連設されている。
エンジンルームには、車幅方向へ延出するステアリングギヤボックス6が配設されており、このステアリングギヤボックス6にラック軸8が往復移動自在に挿通支持されている。このラック軸8に形成されたラック(図示せず)に、ピニオン軸5に形成されたピニオンが噛合されて、ラックアンドピニオン式のステアリングギヤ機構が形成されている。又、ラック軸8の左右両端はステアリングギヤボックス6の端部から各々突出されており、その端部に、タイロッド9を介してフロントナックル10が連設されている。このフロントナックル10は、操舵輪としての左右輪11L,11Rを回動自在に支持すると共に、キングピン(図示せず)を介して車体フレームに転舵自在に支持されている。従って、ステアリングホイール4を操作し、ステアリング軸2、ピニオン軸5を回転させると、このピニオン軸5の回転によりラック軸8が左右方向へ移動し、その移動によりフロントナックル10がキングピン(図示せず)を中心に回動して、左右輪11L,11Rが左右方向へ転舵される。
又、ピニオン軸5にアシスト伝達機構12を介して、アシストアクチュエータとしての電動モータ13が連設されており、この電動モータ13にてステアリングホイール4に加えられる操舵トルクがアシストされる。更に、ステアリング軸2に操舵トルク検出手段としての操舵トルクセンサ14が連設されており、この操舵トルクセンサ14にてステアリングホイール4に加えられる操舵トルクが検出される。
一方、符号21は電動モータ13の駆動制御を行う、制御手段としてのモータ制御ユニットである。このモータ制御ユニット21の入力側に、ステアリングホイール4に加えられた操舵トルクTqを検出する操舵トルクセンサ14、車速Vspを検出する車速センサ15、車体の横加速度Gy[m/s2]を検出する横加速度検出手段としての横加速度センサ16、車体に作用するロールレートφvを検出する、ロールレート検出手段としてのロールレートセンサ17が接続されている。尚、本実施形態では、急激な切り返しを行わない、通常走行における左旋回時に発生する横加速度Gy、及びロールレートφvを正値(+)、右旋回時に発生する横加速度Gy、及びロールレートφvを負値(−)として現す。
図2に示すように、このモータ制御ユニット21は、操舵トルクをアシストする機能として、モータ制御部22とモータ駆動信号生成回路23とモータ駆動回路24と電流検出部25とを備えている。
モータ制御部22はマイクロコンピュータを主体に構成されており、周知のCPU、ROM、RAM、及びEEPROM等の不揮発性記憶手段を有している。このモータ制御部22は、ROMに記憶されている制御プログラムに従い、ロールオーバ発生の予兆、すなわち、ロールオーバに至るきっかけの挙動を検知し、ロールレートφvに応じた補正アシスト量τasistを算出し、この補正アシスト量τasistで、操舵トルクセンサ14で検出した操舵トルクTqに基づいて設定した基本アシスト量(トルク)τを補正して、目標アシスト量(トルク)τaを算出する。
そして、この目標アシスト量τaに対応する、電動モータ13に供給する電流(アシスト量)の目標値である目標アシスト電流Pを設定し、この目標アシスト電流Pと、電流検出部25で検出したモータ電流Isとの差分ΔPを算出し、この差分ΔPに基づき、この差分ΔPが0に収束するような制御信号(フィードバック制御信号)Dを、周知の比例積分制御演算等により生成する。
モータ駆動信号生成回路23は、フィードバック制御信号Dに対応するモータ駆動信号を生成する。尚、このモータ駆動信号としては、例えば制御信号Dに応じたデューティ比のパルス幅変調信号(PWM信号)がある。
モータ駆動回路24は、このモータ駆動信号に応じた電圧を電動モータ13へ出力する。電流検出部25は電動モータ13に供給される電流(モータ電流)Isを検出し、モータ制御部22へ出力する。
上述したモータ制御部22での処理は、具体的には、図3〜図6に示すルーチンに従って行われる。図示しないイグニッションスイッチをONすると、図3に示すロール角速度フラグ設定ルーチンが、設定演算周期(本実施形態では、1[msec])毎に実行される。
このルーチンでは、先ず、ステップS1で車速センサ15で検出した車速Vspを読込み、ステップS2で車速Vspと設定車速Vaとを比較する。この設定車速Vaは、走行時において急激な操作を行ってもロールオーバの可能性の無い車速であり、本実施形態では30〜40[Km/h]に設定されている。
そして、車速Vspが設定車速Va以下のときは(Vsp≦Va)、ロールオーバの可能性がないと判定し、ステップS3へ分岐し、急ロール判定フラグFlag1とロールオーバフラグFlag2との双方をクリアした後(Flag1←0,Flag2←0)、ステップS4へ進む。
ステップS4では、操舵トルクセンサ14で検出した操舵トルクTqと車速センサ15で検出した車速Vspとに基づき、基本アシスト量マップを補間計算付きで参照して、基本アシスト量(トルク)τを設定する。尚、基本アシスト量マップの特性については後述する。
その後、ステップS5へ進み、基本アシスト量τで目標アシスト量τaを設定して(τa←τ)、ルーチンを抜ける。
一方、ステップS2で、Vsp>Vaの車速Vspが設定車速Vaを越えていると判定したときは、無理な操舵が行われた場合、ロールオーバの可能性があるため、ステップS6へ進み、ロールレートセンサ17で検出したロールレートφvを読込む。その後、ステップS7で、ロールレートφvを時間微分してロール角加速度φa[rad/sec2]を算出する。尚、このステップS7での処理がロール角加速度演算手段に相当している。
次いで、ステップS8で、ロール角加速度φaと角加度速判定しきい値α[rad/sec2]とを比較して、車体のロール状態を調べる。尚、この角加度速判定しきい値αは、車両の重心や車体の共振周波数等に応じて車種毎に設定される。例えば車体重心の高い車両は、車体重心の低い車両に比し、ロールオーバが発生し易いため低い値に設定される。尚、本実施形態では、角加度速判定しきい値αを、1.1G(G:重力加速度)程度に設定している。
そして、φa>αの車体のロール状態が急速に変化する急ロール状態と判定したときは、ステップS9へ進み、急ロール判定フラグFlag1をセットしてルーチンを抜ける(Flag←1)。一方、φa≦αの車体のロール状態が緩速で変化する緩ロール状態のときは、ステップS10へ進み、急ロール判定フラグFlag1をクリアしてルーチンを抜ける(Flag←0)。尚、ステップS8での処理がロール状態判定手段に相当している。
この急ロール判定フラグFlag1の値は、図4に示す急ロールアシスト補正量設定ルーチン、及び図5に示す緩ロールアシスト補正量設定ルーチンで読込まれる。
先ず、図4に示す緩ロールアシスト補正量設定ルーチンについて説明する。このルーチンは、上述したロール角速度フラグ設定ルーチンの演算周期(1[msec])よりもやや長い演算周期(本実施形態では、5[msec])毎に実行される。
ステップS11で、急ロール判定フラグFlag1の値を参照し、Flag=1の急ロールのときはステップS12へ進み、Flag=0の緩ロールのときは、そのままルーチンを抜ける。
Flag=1の急ロールと判定されてステップS12へ進むと、急ロール制御タイマカウンタのカウント値t1をインクリメントし(t1←t1+1)、ステップS13で、カウント値t1と有効判定時間T1(本実施形態では、1[sec]に相当する値)とを比較し、有効判定時間T1以内のときは(T1>t1)、ステップS14へ進み、有効判定時間T1を経過したときは(T1≦t1)、ステップS15へ分岐する。そして、ステップS15において急ロール判定フラグFlag1をクリアした後(Flag1←0)、ルーチンを抜ける。従って、ステップS14以下は、有効判定時間T1内での処理となる。
そして、ステップS14へ進むと、ロールレートセンサ17で検出したロールレートφvを読込み、ステップS16でロールレートφvとロールレートしきい値βとに基づいて、車体のロール方向と旋回方向とが一致しているか否かを判定すると共に、ロールオーバの予兆を判定する。このロールレートしきい値βは、旋回走行時において、これを越えた場合、その後、所定時間経過後にロールオーバの可能性が高くなるという値であり、予め実験などに基づいて求められている。尚、本実施形態による車両のロール方向は、左旋回時のロール方向を正の値(+)としており、ロールレートしきい値βは正の値に設定されている。
そして、ロールレートφvとロールレートしきい値βとを乗算した値が正の値を示すか、負の値を示すか判定すると共に、ロールレートφvの絶対値とロールレートしきい値βとを比較する。その結果、φv・β≦0、或いは|φv|≦βのときは、ロールオーバの予兆なしと判定して、ステップS17へ進み、後述するロールオーバフラグFlag2をクリアして(Flag2←0)、ステップS12へ戻る。又、φv・β>0、且つ|φv|>βのときは、ロールオーバの予兆有りと判定してステップS18へ進む。
ロールレートφvとロールレートしきい値βとを乗算すると、車両の旋回方向とロール方向とが一致しているか否かを判別することができる。すなわち、φv・β>0の場合は、車両の旋回方向とロール方向とが一致していることを示している。又、φv・β≦0は、旋回走行中の車両の車体が旋回内輪側へロールしている状態を示しているため、旋回走行時に発生する横加速度とロール加速度とが打ち消し合う関係となる。一方、ロールレートφvの絶対値がロールレートしきい値βを越えている場合は、ロールオーバの予兆(ロールオーバに至るきっかけの挙動)を示していることになる。
従って、ロールレートφvとロールレートしきい値βとの乗算値、及びロールレートφvの絶対値とロールレートしきい値βとの比較結果を調べることで、ロールオーバの予兆を検出することができる。尚、このステップS16での処理が、ロールオーバの予兆が検出されたか否かを判定するロールレート判定手段に相当する。
そして、φv・β>0、且つ|φv|>βのロールオーバの予兆有りと判定して、ステップS18へ進むと、ロールオーバフラグFlag2をセットし(Flag2←1)、ステップS19で、ロールオーバ予兆タイマカウンタのカウント値t2をインクリメントし(t2←t2+1)、ステップS20で、カウント値t2と保持時間T2とを比較する。
ところで、旋回中の車両がロールオーバを示す予兆の段階では、先ず、ロールレートφvが大きく変化し、次いで、横加速度Gyがゆっくりと増加される。保持時間T2は、ロール角加速度φaが検出されるまでの待機時間であり、本実施形態では、T2=0.01[sec]に設定されている。
そして、保持時間T2に達していないときは(T2>t2)、ステップS17を経てステップS12へ戻る。一方、保持時間T2に達したときは(T2≦t2)、ステップS21へ進み、横加速度センサ16で検出した横加速度Gyを読込み、ステップS22で、横加速度Gyの絶対値|Gy|と、予め設定した横加速度判定しきい値ξとを比較する。この横加速度判定しきい値ξは、横加速度Gyが当該横加速度判定しきい値ξを越えるとロールオーバとなる可能性が高くなることを示す値であり、予め実験などに基づいて求められている。尚、本実施形態では、ξ=5〜10[m/S2]程度に設定されている。又、このステップS22での処理が横加速度判定手段に相当する。
そして、|Gy|≦ξのときは、ロールオーバの発生する可能性が無いため、ステップS17を経てステップS12へ戻る。又、|Gy|>ξのとき、すなわち、|φv|>βが維持された状態で|Gy|>ξとなったときはロールオーバの発生する可能性があるため、ステップS23へ進み、ロールレートφvに基づき、補正アシスト量(トルク)τasistを、補正アシスト量設定テーブルを補間計算付きで参照して補正アシスト量τasistを設定し、ステップS24へ進む。尚、ステップS23での処理が急ロール時補正アシスト量演算手段に相当する。
図7に補正アシスト量設定テーブルに格納されている補正アシスト量τasistの特性を示す。同図に示すように、補正アシスト量τasistは、負の値(右旋回)と正の値(左旋回)とで、接片を0とする点対称な非線形特性を有しており、補正アシスト量τasistは、旋回走行において、ロールレートφvが増加するに従い次第に増加する。この場合、この補正アシスト量τasistが後述する基本アシスト量τよりも大きくなると(|τasist|>|τ|)、ステアリングホイール4の操舵方向とは逆向きのアシスト量が付与される逆アシスト状態となる。尚、この補正アシスト量設定テーブルに格納されている補正アシスト量τasistの特性は車種毎に相違している。すなわち、例えばワンボックス車のような高重心車では、スポーツカーのような低重心車に比しロールオーバが発生し易いので、ロールレートφvに対する変化量が大きくなるように設定されている。
そして、ステップS24では、操舵トルクセンサ14で検出した操舵トルクTqと車速センサ15で検出した車速Vspとに基づき、基本アシスト量マップを参照して基本アシスト量(トルク)τを設定する。
図9に示すように、基本アシスト量マップは、車速Vspが小さいほど、又、操舵トルクTqが大きいほど基本アシスト量τが大きくなるような特性に設定されていると共に、操舵トルクTqが0を示す近傍には、基本アシスト量τを0とする不感帯が設定されている。従って、この基本アシスト量マップは、操舵トルクTqが大きくなるに従い、換言すればステアリングホイール4が重くなるに従い、操舵アシスト力が増加され操舵が容易になる。尚、この基本アシスト量τは、操舵トルクTqと車速Vspとをパラメータとして、計算式により求めるようにしても良い。
そして、ステップS25で、目標アシスト量τaと補正アシスト量τasist(補正ゲイン)とに基づき、下式から目標アシスト量(トルク)τaを算出して、ルーチンを抜ける。このステップS25での処理が急ロール時目標アシスト量演算手段に相当する。
τa←τ−τasist
尚、後述する図5に示す緩ロールアシスト補正量設定ルーチンでは、この補正アシスト量τasistをロールレートφvに基づいて設定した補正ゲインAで乗算し、その値を基本アシスト量τから減算している。従って、この緩ロールアシスト補正量設定ルーチンで設定されている目標アシスト量τaは、ロールレートφvが小さい程、急ロールアシスト補正量設定ルーチンで設定される目標アシスト量τaよりも大きな値となる。又、目標アシスト量τaは、図6に示す目標アシスト電流設定ルーチンで読込まれる。この目標アシスト電流設定ルーチンについては後述する。
このように、本実施形態では、急ロール判定フラグFlag1がセットされたとき(Flag1=1)から、有効判定時間T1(本実施形態では1[sec])が経過するまでの間において、φv>βの状態が保持時間T2(本実施形態では0.01[sec])の間継続され、且つ、横加速度Gyが横加速度判定しきい値ξを越えた場合、目標アシスト量τaを制限するようにしたので、急激な操舵時における制御開始遅れを防止することができる。
又、このときの目標アシスト量τaを、ロールレートφvに基づいて設定した補正アシスト量τasistで制限することで、ロールレートφvに応じた反力をステアリングホイール4に付与することとなり、しかも、補正アシスト量τasistが基本アシスト量τを越えたときは、操舵方向とは逆向きのアシスト量(逆アシストトルク)が付与されるため、旋回方向への操舵が積極的に制限されて、ロールオーバを確実に回避させることが出来る。
この場合、ステップS20での処理を、時間による監視に代えて、ロールレートφvを時間積分した値(積分値)を監視し、この積分値が所定値に達する毎に横加速度Gyが横加速度判定しきい値ξを越えたか否かを調べるようにすることで、急激なロールレートの変化に対して有効に対応することができる。
次に、図5に示す緩ロールアシスト補正量設定ルーチンの処理について説明する。尚、このルーチンは、上述した急ロールアシスト補正量設定ルーチンのステップS14以下の処理と共通している部分が多いため、共通の処理が実行される部分については説明を簡略する。
このルーチンは、上述したロール角速度フラグ設定ルーチンの演算周期(1[msec])よりもやや長い演算周期(本実施形態では、5[msec])毎に実行される。先ず、ステップS31で、急ロール判定フラグFlag1の値を参照し、Flag=0の緩ロールのときはステップS32へ進み、Flag=0の緩ロールのときは、そのままルーチンを抜ける。
ステップS32へ進むと、ロールレートセンサ17で検出したロールレートφvを読込み、ステップS33でロールレートφvと、上述したロールレートしきい値βとに基づいて、車体のロール方向と旋回方向とが一致しているか否かを判定すると共に、ロールオーバの可能性を判定する。
そして、φv・β>0、且つ|φv|>βのときは、ロールオーバの予兆が有るため、ステップS34へ進む。又、φv・β≦0、或いは|φv|≦βのときは、ロールオーバの予兆が検出されないため、ステップS35へ進み、ロールオーバフラグFlag2をクリアして(Flag2←0)、ルーチンを抜ける。
ロールオーバの予兆有りと判定されて、ステップS34へ進むと、ロールオーバフラグFlag2をセットし(Flag2←1)、ステップS36で、ロールオーバ予兆タイマカウンタのカウント値t2をインクリメントし(t2←t2+1)、ステップS37で、カウント値t2と保持時間T2とを比較する。上述したように、旋回中の車両がロールオーバを示す予兆の段階では、先ず、ロールレートφvが大きく変化し、次いで、横加速度Gyがゆっくりと増加される。保持時間T2は、ロール角加速度φaが検出されるまでの待機時間(本実施形態では、T2=0.01[sec])である。
そして、保持時間T2に達していないときは(T2>t2)、そのままルーチンを抜ける。一方、保持時間T2に達したときは(T2≦t2)、ステップS38へ進み、横加速度センサ16で検出した横加速度Gyを読込み、ステップS39で、横加速度Gyの絶対値|Gy|と、予め設定した横加速度判定しきい値ξとを比較する。この横加速度判定しきい値ξは、横加速度Gyが当該横加速度判定しきい値ξを越えるとロールオーバとなる可能性が高くなることを示す値(本実施形態では5〜10[m/S2]程度)に設定されている。
そして、|Gy|≦ξのときは、ロールオーバの発生する可能性が無いため、そのままルーチンを抜ける。又、|Gy|>ξのとき、すなわち、|φv|>βが維持された状態で|Gy|>ξとなったときはロールオーバの発生する可能性があるため、ステップS40へ進み、ロールレートφvに基づき、補正アシスト量(トルク)τasistを、図7に示す補正アシスト量設定テーブルを補間計算付きで参照して設定する。更に、補正ゲインAを、図8に示す補正ゲインテーブルを補間計算付きで参照して設定する。尚、図7に示す補正アシスト量設定テーブルに格納されている補正アシスト量τasistの特性については既述したので説明を省略する。このステップS40での処理が緩ロール時補正値演算手段に相当する。
図8に示す補正ゲインテーブルに格納されている補正ゲインAは、ロールレートφvが0のとき接片が0である逆三角形の線形特性を有している。従って、旋回操作中のロールレートφvが増加するに従い、補正ゲインAは増加する。尚、この補正ゲインAの最大値は1(すなわち、100[%])である。
その後、ステップS41へ進むと、操舵トルクセンサ14で検出した操舵トルクTqと車速Vspとに基づき、既述した図9に示す基本アシスト量マップを補間計算付きで参照して、基本アシスト量(トルク)τを設定する。尚、この基本アシスト量τは、操舵トルクTqと車速Vspとをパラメータとして計算式から求めるようにしても良い。
その後、ステップS42で、基本アシスト量τと補正ゲインAと補正アシスト量τasistとに基づき、目標アシスト量τaを算出して、ルーチンを抜ける。尚、このステップS42での処理が緩ロール時目標アシスト量演算手段に相当する。
τa←τ−A・τasist
このように、緩ロールアシスト補正量設定ルーチンでは、補正アシスト量τasistに補正ゲインAを乗算しているので、算出される目標アシスト量τaは、急ロールアシスト補正量設定ルーチンで求めた目標アシスト量τaよりも大きな値となり、その分、ステアリング操作時に運転者が受ける反力が小さくなる。換言すれば、通常のアシスト量よりも重くなる程度となり、これにより運転者にロールオーバの予兆を知らせることができる。
図3のロール角速度フラグ設定ルーチン、或いは図4の急ロールアシスト補正量設定ルーチン、或いは図5の緩ロールアシスト補正量設定ルーチンで設定された目標アシスト量τaは、図6に示す目標アシスト電流設定ルーチンで読込まれる。
このルーチンでは、先ず、ステップS51で、目標アシスト量τaを読込み、続くステップS52で、目標アシスト量τaに対応する目標アシスト電流Pを設定し、ルーチンを抜ける。
モータ制御部22では、目標アシスト電流Pと電流検出部25で検出した、電動モータ13に供給されるモータ電流Isとの差分ΔP(ΔP←P−Is)を算出し、この差分ΔPが0に収束するような制御信号(フィードバック制御信号)Dを比例積分制御等により生成し、モータ駆動信号生成回路23へ出力する。モータ駆動信号生成回路23は、モータ制御部22から出力される制御信号Dに応じたモータ駆動信号(例えばPWM信号)を生成し、モータ駆動回路24へ出力する。
モータ駆動回路24は、モータ駆動信号生成回路23で生成したモータ駆動信号に応じた電圧によって流れる電流に応じた大きさ、及び方向の電圧を電動モータ13へ供給する。すると、この電動モータ13の駆動力がピニオン軸5にアシスト伝達機構12を介して伝達される。
車速Vspが設定車速Va以下のときは、基本アシスト量τで目標アシスト量τaが設定されるため、電動モータ13は目標アシスト電流Pに応じた駆動力で駆動される。そのため、この電動モータ13にてステアリングホイール4に加えられる操舵トルクがアシストされ、操舵時における運転者の負荷が軽減される。
一方、例えば走行中の車両が、オーバスピード状態で急旋回(いわゆるJターン)し、或いはフィッシュフックターンのようにステアリングを急激に切り返した結果、ロール角加速度φaが角加度速判定しきい値αを越えると(φa>α)、その瞬間から、有効判定時間T1(本実施形態では1[sec])の間、車両の挙動が監視される。そして、ロールレートφvの絶対値|φv|が、ロールレートしきい値βを保持時間T2(本実施形態では0.01[SEC])の間継続した状態で、横加速度Gyが横加速度判定しきい値ξを越えたとき、ロールレートφvに基づき補正アシスト量τasistを設定する。
目標アシスト量τaは、基本アシスト量τから補正アシスト量τasistを減算した値で設定されるため(τa←τ−τasist)、ロールレートφvの増加(左旋回ではプラス方向、右旋回ではマイナス方向)に伴い、ステアリングホイール4に印加されるアシスト量が非線形特性で減少される。その結果、ロール角加速度φaが角加度速判定しきい値αを越えたときは、ステアリングホイール4に対して、いち早く反力が付与されて、ロールオーバを有効に回避することが出来る。この場合、補正アシスト量τasistが基本アシスト量τを越えると、目標アシスト量τaが操舵方向とは逆向きとなり、ステアリングホイール4に逆アシストトルクが付与され、旋回方向への操舵が積極的に制限されるためロールオーバを、より確実に回避させることが出来る。
又、ロール角加速度φaが角加速度判定しきい値α以下のときは(φa≦α)、補正アシスト量τasistに補正ゲインAを乗算した値で基本アシスト量τを減算して、目標アシスト量τaを算出しているので(τa←τ−A・τasist)、この目標アシスト量τaは、上述した急ロールアシスト補正量設定ルーチンで設定した目標アシスト量τaよりも大きな値となり、その分、ステアリング操作時に運転者が受ける反力が小さく、運転者にロールオーバの予兆を知らせることができる。
このように、本実施形態では、ロールオーバの予兆を検出したときは、電動モータ13の駆動により発生するアシスト量を制限し、相対的に操舵反力を大きくすることで、ロールオーバを抑制するようにしたので、制動システムを装備しておらず、制動システムによりロールオーバを回避することが出来ない車両であっても、電動パワーステアリング装置1が搭載されている車両であれば、本実施形態を適用することで容易にロールオーバを回避することが出来る。
又、その際、ロール角加速度φaが角加速度判定しきい値αを越えている場合は、角加速度判定しきい値αを越えていない場合に比し、目標アシスト量τaが小さく、或いは逆アシストトルクとして設定される。その結果、ステアリングホイール4に付与される反力が大きくなるので、ロールオーバを有効に回避することが出来る。一方、ロール角加速度φaが角加速度判定しきい値αを下回っている場合は、補正アシスト量τasistに補正ゲインAを乗算した値で、基本アシスト量τを減少させているので、ステアリングホイール4に付与される反力が緩やかとなり、運転者にロールオーバの予兆が有ることを注意させることができる。
又、ロールオーバを電動パワーステアリング装置1による操舵にて回避するようにしたので、運転者へロールオーバの予兆を速やかに伝達させることができるばかりでなく、制動システムにより旋回時の旋回外輪に制動力を付与してロールオーバを回避する場合に比し、旋回外輪のタイヤグリップ力を確保することができるので、車両挙動を安定させた状態でロールオーバを回避することが出来る。
更に、急ロールアシスト補正量設定ルーチンでは、ロール角加速度φaが角加度速判定角加速度判定しきい値αを越えたときから有効判定時間T1の間だけ、目標アシスト量τaを減少させる制御を行っているので、必要以上に継続して強い反力を付与することが無い。
又、補正アシスト量τasistを設定するに際しては、ロール角加速度φaの大きさと保持時間T2と横加速度Gyと各値を監視しているので、ロールオーバ予兆の誤検出することが無く、ロールオーバの抑制を高精度に制御することができる。
尚、本発明は、上述した実施形態に限るものではなく、例えば本発明によるシステムを制動システムを搭載する車両に適用することも可能で、制動システム搭載車に本システムを採用することで、制動システムによるロールオーバの回避動作に先駆けて、操舵によりロールオーバを回避させることができる。その結果、異なるシステムの制御によりロールオーバを段階的に回避させることが可能となる。アシストアクチュエータは電動モータ13に限らず油圧モータであっても良い。
ロールオーバ抑制制御装置を備えた車両の概略図 モータ制御ユニットの回路ブロック図 ロール角速度フラグ設定ルーチンを示すフローチャート 急ロールアシスト補正量設定ルーチンを示すフローチャート 緩ロールアシスト補正量設定ルーチン示すフローチャート 目標アシスト電流設定ルーチンを示すフローチャート 補正アシスト量設定テーブルの特性を示す説明図 補正ゲインテーブルの特性を示す説明図 基本アシスト量マップの特性を示す説明図
符号の説明
1…電動パワーステアリング装置、
4…ステアリングホイール、
13…電動モータ、
14…操舵トルクセンサ、
15…車速センサ、
16…横加速度センサ、
17…ロールレートセンサ、
21…モータ制御ユニット、
22…モータ制御部、
25…電流検出部、
α…角加度速判定しきい値、
β…ロールレートしきい値、
ξ…横加速度判定しきい値、
τ…基本アシスト量、
τa…目標アシスト量、
τasist…補正アシスト量、
φa…ロール角加速度、
φv…ロールレート、
A…補正ゲイン、
Flag1…急ロール判定フラグ、
Flag2…ロールオーバフラグ、
Gy…横加速度、
T1…有効判定時間、
T2…保持時間、
Tq…操舵トルク、
Vsp…車速、

Claims (3)

  1. ステアリングホイールに加えられる操舵トルクをアシストするアシストアクチュエータと車体のロールレートを検出するロールレート検出手段と、前記操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、少なくとも該操舵トルク検出手段で検出した前記操舵トルクに基づき基本アシスト量を演算すると共に、該基本アシスト量を補正して前記アシストアクチュエータを駆動させる目標アシスト量を設定する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記ロールレートに基づいて車体のロール角加速度を演算するロール角加速度演算手段と、
    前記ロール角加速度に基づいて車体のロール状態が急速に変化する急ロール状態か緩速で変化する緩ロール状態かを判定するロール状態判定手段と、
    前記ロールレートとロールレートしきい値とを比較してロールオーバの予兆有りか否かを判定するロールレート判定手段と、
    前記ロール状態判定手段で急ロール状態と判定され、且つ前記ロールレート判定手段でロールオーバの予兆有りと判定された場合、前記ロールレートに基づいて前記目標アシスト量を減少させる方向へ補正する補正アシスト量を演算する急ロール時補正アシスト量演算手段と、
    前記基本アシスト量を前記急ロール時補正アシスト量演算手段で演算した前記補正アシスト量で補正して前記目標アシスト量を演算する急ロール時目標アシスト量演算手段と、
    前記ロール状態判定手段で緩ロール状態と判定され、且つ前記ロールレート判定手段でロールオーバの予兆有りと判定された場合、前記ロールレートに基づいて、前記補正アシスト量と前記ロールレートが増加するに従い増加する1以下の補正ゲインとを演算する緩ロール時補正値演算手段と、
    前記基本アシスト量を、前記緩ロール時補正値演算手段で演算した前記補正アシスト量に前記補正ゲインを乗算した値で補正して前記目標アシスト量を演算する緩ロール時目標アシスト量演算手段と
    を備えていることを特徴とする車両のロールオーバ抑制制御装置。
  2. ステアリングホイールに加えられる操舵トルクをアシストするアシストアクチュエータと車体のロールレートを検出するロールレート検出手段と、前記操舵トルクを検出する操舵トルク検出手段と、車体の横加速度を検出する横加速度検出手段と、少なくとも該操舵トルク検出手段で検出した前記操舵トルクに基づき基本アシスト量を演算すると共に、該基本アシスト量を補正して前記アシストアクチュエータを駆動させる目標アシスト量を設定する制御手段とを備え、
    前記制御手段は、
    前記ロールレートに基づいて車体のロール角加速度を演算するロール角加速度演算手段と、
    前記ロール角加速度に基づいて車体のロール状態が急速に変化する急ロール状態か緩速で変化する緩ロール状態かを判定するロール状態判定手段と、
    前記ロールレートとロールレートしきい値とを比較してロールオーバの予兆有りか否かを判定するロールレート判定手段と、
    前記ロール状態判定手段で急ロール状態と判定され、且つ前記ロールレート判定手段でロールオーバの予兆有りと判定された場合、前記横加速度と横加速度しきい値とを比較して更にロールオーバの予兆有りか否かを判定する横加速度判定手段と、
    前記横加速度判定手段でロールオーバの予兆有りと判定された場合、前記ロールレートに基づいて前記目標アシスト量を減少させる方向へ補正する補正アシスト量を演算する急ロール時補正アシスト量演算手段と、
    前記基本アシスト量を前記急ロール時補正アシスト量演算手段で演算した前記補正アシスト量で補正して前記目標アシスト量を演算する急ロール時目標アシスト量演算手段と、
    前記ロール状態判定手段で緩ロール状態と判定され、且つ前記ロールレート判定手段でロールオーバの予兆有りと判定された場合、前記ロールレートに基づいて、前記補正アシスト量と前記ロールレートが増加するに従い増加する1以下の補正ゲインとを演算する緩ロール時補正値演算手段と、
    前記基本アシスト量を、前記緩ロール時補正値演算手段で演算した前記補正アシスト量に前記補正ゲインを乗算した値で補正して前記目標アシスト量を演算する緩ロール時目標アシスト量演算手段と
    を備えていることを特徴とする車両のロールオーバ抑制制御装置。
  3. 前記横加速度判定手段は、前記ロール状態判定手段で急ロール状態と判定され、且つ前記ロールレート判定手段でロールオーバの予兆有りと判定された場合、該ロールオーバの予兆有りと判定された状態が設定保持時間だけ継続されているときは、前記横加速度と横加速度しきい値とを比較して更にロールオーバの予兆有りか否かを判定する
    ことを特徴とする請求項2記載の車両のロールオーバ抑制制御装置。
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