以下、情報処理システム等の実施形態について図面を参照して説明する。なお、実施の形態において同じ符号を付した構成要素は同様の動作を行うので、再度の説明を省略する場合がある。
(実施の形態1)
本実施の形態において、講義内容が記載された用紙(以下、媒体とも言う。)と、電子ペンと、情報出力装置を具備し、用紙を電子ペンでなぞった場合に、なぞった図、文字などを出力する情報処理システムについて説明する。
また、用紙に記載されている教材の一部である教材要素を、電子ペンで指示した場合に、指示された教材要素に対応する教材要素情報を出力する情報処理システムについて説明する。
さらに、教材要素によって、電子ペンでのなぞりに対応して教材要素情報を出力したり、電子ペンでの指示に対応して教材要素情報を出力したりする情報処理システムについて説明する。
図1は、本実施の形態における情報処理システムの概念図である。情報処理システム1は、媒体11、電子ペン12、情報出力装置13を具備する。図2は、本実施の形態における情報処理システムのブロック図である。
媒体11は、講義の教材を構成する文字列や図形や表や絵などのうちの1以上の情報が記載されたものである。例えば、媒体11は、特殊ドットパターンが印刷されている。また、媒体11は、通常、紙で出来ているが、電子ペン12で文字等を記述でき、例えば、特殊ドットパターンが印刷されていれば、プラスチック等、その材質は何でも良い。教材要素とは、文字、文字列、図形、画像などである。「なぞる」とは、媒体11上に印刷されている教材要素の上に、電子ペン12を走らせる(電子ペン12で記載する)
ことである。「指示」とは、電子ペン12で、教材要素をチェックしたり、押下したり、点を付したり、する行為である。媒体11上に印刷されている教材要素は、実線でも、破線でも、薄いグレイの文字や図形等でも良い。また、媒体11には、教材要素以外の情報が印刷されていても良い。教材要素以外の情報とは、例えば、講義を助けるための情報であり、例えば、教える意義についての情報や、ポイントになる項目を示す情報などである。
電子ペン12は、記載情報取得部121、記載情報送信部122を具備する。電子ペン12は、例えば、非特許文献1の電子ペンである。講義の教材を構成する要素である教材要素が当該電子ペン12を用いてなぞられる。教材要素は、教材全体でも良い。教材要素は、文字列、文字、文字の一部、図、絵、絵の一部などでも良い。また、教材要素は、動画を構成する一部の静止画でも良い。また、媒体11に記載された講義の教材を構成する要素である教材要素が電子ペン12を用いて指示される。
情報出力装置13は、教材要素情報格納部131、記載情報受信部132、教材要素情報取得部133、出力部134を具備する。
教材要素情報取得部133は、教材要素種類判断手段1331、第一教材要素情報取得手段1332、第二教材要素情報取得手段1333を具備する。
出力部134は、第一出力手段1341、第二出力手段1342を具備する。
記載情報取得部121は、記載情報を取得する。記載情報とは、講義の教材を構成する要素である教材要素が当該電子ペン12を用いてなぞられたことにより得られる情報である。また、記載情報とは、媒体11に記載された講義の教材を構成する要素である教材要素が当該電子ペン12を用いて指示されたことにより得られる情報である。また、記載情報とは、通常、座標情報の集合である。ただし、記載情報とは、座標情報の集合を文字認識して得られた1以上の文字コード列であっても良い。その他、記載情報の構造は、問わない。記載情報取得部121は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。記載情報取得部121の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。また、記載情報取得部121は、例えば、以下の方法で記載情報を取得する。媒体11に図3に示す特殊ドットパターンが印刷されている場合に、記載情報取得部121は、特殊ドットパターンによる座標検出技術で実現され得る。具体的には、例えば、図3のような構成になる。図3の構成は、CCDカメラ301、パターン認識と解析を行うプロセッサ302で構成される。特殊ドットパターンは、0.3mmピッチのグリッドに沿ってドットを示し、そのドットの配置をRight/Left/Up/Downの4パターンで振り分けることでコード化を図る。そして、CCDカメラより、特殊ドットパターンを60フレーム/秒で撮影し、入力する。そして、撮影した画像情報を解析することにより、入力装置であるCCDカメラの移動(すなわち撮影されるドットパターンの変化)を検出することができる。CCDカメラの移動を検出することにより、静的物体中の相対的な座標情報を取得できる。なお、記載情報取得部121の別の手段として、以下のものが考えられる。媒体11の表面に、座標情報を示すバーコードが印刷されており、記載情報取得部121は、当該バーコードを読み込み、座標情報を得るバーコードリーダーで実現される。
記載情報送信部122は、記載情報取得部121が取得した記載情報を情報出力装置13に送信する。記載情報送信部122は、記載情報取得部121が記載情報を取得した後、直ちに記載情報を情報出力装置13に送信することは好適である。記載情報送信部122は、ユーザの指示により、記載情報を情報出力装置13に送信しても良い。記載情報送信部122は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。記載情報送信部122は、例えば、いわゆるブルートゥース(登録商標)の通信モジュールなどでも良い。
教材要素情報格納部131は、1以上の教材要素情報を格納している。教材要素情報は、電子化された情報である。教材要素情報は、媒体11に印刷されている教材要素に対応する情報である。教材要素情報は、テキスト、静止画、動画、音声等、そのデータタイプは問わない。教材要素情報は、媒体11上の教材要素と同じとは限らない。教材要素情報が動画で、教材要素が動画を代表する静止画でも良い。また、教材要素情報が音声で、教材要素が音声をシンボリックする文字列や絵などでも良い。
教材要素情報格納部131は、1以上の教材要素情報と教材要素区分情報を格納していることは好適である。教材要素区分情報は、教材要素情報の種類を区分するための情報であり、例えば、教材要素情報が第一の教材要素情報であるか第二の教材要素情報であるかを区別する情報である。第一の教材要素情報は、教材要素情報がなぞられるべき情報であることを示す。第二の教材要素情報は、教材要素情報が指示されるべき情報であることを示す。教材要素情報は、上述したように、文字列、図形、絵などであり、一教材要素情報のまとまりの粒度は問わない。通常、教材要素情報は、座標情報も有する。教材要素情報は、色情報や、線種、線の太さ、フォントなどの情報も有し得る。教材要素区分情報は、教材要素情報に対応して存在しても良いし、教材要素情報のタイプごと(文字列、図形など)に存在しても良い。教材要素情報格納部131は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
記載情報受信部132は、電子ペン12から、直接的または間接的に、記載情報を受信する。記載情報受信部132は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送を受信する手段で実現されても良い。
教材要素情報取得部133は、記載情報に対応する教材要素情報を、教材要素情報格納部131から取得する。「記載情報に対応する教材要素情報」とは、例えば、記載情報が示す座標情報に一致または近似する座標情報である。「記載情報に対応する教材要素情報」とは、例えば、記載情報が示す座標情報に一致または近似する座標情報を含む教材要素情報である。また、「記載情報に対応する教材要素情報」とは、例えば、記載情報が示す座標情報を含む教材要素情報である。
教材要素情報取得部133は、記載情報受信部132が記載情報を受信した後、直ちに、教材要素情報が有する座標情報であり、記載情報が示す座標情報に一致または近似する座標情報を、教材要素情報格納部131から取得することは好適である。かかる処理により、いわゆるなぞり書きに直ちに対応した文字や図形などが出力され得ることとなる。
また、教材要素情報取得部133は、指示された座標情報に対応する教材要素情報を取得しても良い。指示される領域である指示領域は、教材要素が記載されている領域ではない領域でも良い。
「記載情報に対応する教材要素情報」とは、チェックや、押下などの指示により、当該指示が示す座標情報を含む、または座標情報に近似する教材要素情報を取得する、ことでも良い。「近似する」とは、多少、ずれがあっても良いことを示す。また、教材要素情報取得部133は、直前に取得した点に連続する点を取得しにいく、ことは好適である。記載情報受信部132が受信した記載情報と、教材要素情報が有する座標情報とは、1対1対応であるとは限らない。
教材要素情報取得部133は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。教材要素情報取得部133の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
教材要素種類判断手段1331は、記載情報が示す座標情報から、当該記載情報に対応する教材要素情報が第一の教材要素情報であるか、第二の教材要素情報であるかを判断する。教材要素種類判断手段1331は、例えば、記載情報が示す座標情報をキーとして検索し、対応する教材要素情報を決定し、当該教材要素情報と対になる教材要素区分情報を取得する。また、教材要素種類判断手段1331は、例えば、記載情報が示す座標情報を文字認識し、文字列であると判断すれば、例えば、第一の教材要素情報と判断し、文字列以外(図形など)であると判断すれば、例えば、第二の教材要素情報と判断する。教材要素種類判断手段1331は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。教材要素種類判断手段1331の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
第一教材要素情報取得手段1332は、教材要素種類判断手段1331が記載情報に対応する教材要素情報が第一の教材要素情報であると判断した場合に、教材要素情報が有する座標情報であり、記載情報が示す座標情報に一致または近似する座標情報を、教材要素情報格納部131から取得する。第一教材要素情報取得手段1332は、なぞったことに対応して、なぞった文字列や図形などの電子データ(手書きではないデータ)を取得する。第一教材要素情報取得手段1332は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。第一教材要素情報取得手段1332の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
第二教材要素情報取得手段1333は、教材要素種類判断手段1331が記載情報に対応する教材要素情報が第二の教材要素情報であると判断した場合に、記載情報に対応する教材要素情報を取得する。第二教材要素情報取得手段1333は、指示されたことに対応して、指示された文字列や図形などの電子データを取得する。第二教材要素情報取得手段1333は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。第二教材要素情報取得手段1333の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
出力部134は、教材要素情報取得部133が取得した教材要素情報を出力する。出力部134は、教材要素情報取得部133が座標情報を取得した後、直ちに当該座標情報に対応する点または線を出力することは好適である。かかる処理により、なぞり書きの様子が出力される。ここで、出力とは、通常、ディスプレイへの表示や、プロジェクターを用いた投影である。また、出力とは、ディスプレイ等への表示だけではなく、プリンタへの印字、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念であると捕らえても良い。出力部134は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部134は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
第一出力手段1341は、第一教材要素情報取得手段1332が取得した座標情報に対応する点または線を出力する。
第二出力手段1342は、第二教材要素情報取得手段1333が取得した教材要素情報を出力する。
次に、情報処理システムの動作について説明する。まず、電子ペン12の動作について説明する。電子ペン12の記載情報取得部121は、電子ペン12が媒体11上を走査した映像を取得する。そして、記載情報取得部121は、取得した映像から記載情報(ここでは、記載情報は、媒体11上の座標情報である。)を構成し、記憶媒体上に一時格納する。そして、記載情報送信部122は、記載情報取得部121が構成した記載情報を、情報出力装置13に送信する。なお、記載情報送信部122は、ユーザの指示により記憶媒体上の記載情報を送信しても良いし、記憶媒体に記憶されると直ちに、記載情報を送信しても良い。また、ユーザの指示とは、媒体11上の、「送信ボタン」のチェックや、電子ペン12が有する所定のボタンの押下などである。
次に、情報出力装置13の動作について、図4のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS401)記載情報受信部132は、記載情報を受信したか否かを判断する。記載情報を受信すればステップS402に行き、記載情報を受信しなければステップS401に戻る。
(ステップS402)教材要素種類判断手段1331は、ステップS401で受信した記載情報から、当該記載情報に対応する教材要素情報が第一の教材要素情報であるか、第二の教材要素情報であるかを判断する。かかる処理を教材要素種類判断処理という。教材要素種類判断処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS403)教材要素種類判断手段1331が、記載情報に対応する教材要素情報が第一の教材要素情報であると判断すればステップS404に行き、第二の教材要素情報であると判断すればステップS406に行く。
(ステップS404)第一教材要素情報取得手段1332は、第一教材要素情報取得処理を行う。第一教材要素情報取得処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS405)第一出力手段1341は、ステップS404で取得した座標情報に対応する点または線を出力する。ステップS401に戻る。
(ステップS406)第二教材要素情報取得手段1333は、ステップS401で受信した記載情報に対応する教材要素情報を、教材要素情報格納部131から取得する。つまり、第二教材要素情報取得手段1333は、指示されたことに対応して、指示された文字列や図形などの電子データを、教材要素情報格納部131から取得する。
(ステップS407)第二出力手段1342は、ステップS406で取得した教材要素情報を出力する。ステップS401に戻る。
なお、図4のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
次に、ステップS402の教材要素種類判断処理について、図5のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS501)教材要素種類判断手段1331は、1以上の座標情報を有する記載情報から、一の座標情報を取得する。なお、記載情報に複数の座標情報が含まれる場合、教材要素種類判断手段1331は、どの座標情報を取得しても良いが、例えば、連続する複数の座標情報の真ん中の座標情報を取得することは好適である。
(ステップS502)教材要素種類判断手段1331は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS503)教材要素種類判断手段1331は、教材要素情報格納部131にi番目の教材要素情報が存在するか否かを判断する。i番目の教材要素情報が存在すればステップS504に行き、i番目の教材要素情報が存在しなければステップS511に行く。
(ステップS504)教材要素種類判断手段1331は、教材要素情報格納部131から、i番目の教材要素情報を読み込む。
(ステップS505)教材要素種類判断手段1331は、ステップS504で読み込んだi番目の教材要素情報を構成する座標情報群の中に、ステップS501で取得した座標情報が含まれるか否かを判断する。座標情報が含まれればステップS506に行き、座標情報が含まれなければステップS507に行く。
(ステップS506)教材要素種類判断手段1331は、i番目の教材要素情報に対応する教材要素区分情報を取得する。上位処理にリターンする。
(ステップS507)教材要素種類判断手段1331は、i番目の教材要素情報に含まれる座標情報であって、一の座標情報に最も近い(距離が短い)座標情報を取得する。
(ステップS508)教材要素種類判断手段1331は、一の座標情報(x1,y1)と、ステップS507で取得した座標情報(x2,y2)の距離を算出する。2点(x1,y1)と(x2,y2)の距離を算出する処理は公知技術である。
(ステップS509)教材要素種類判断手段1331は、カウンタiまたはi番目の教材要素情報と、ステップS508で算出した距離を対にして、一時格納する。
(ステップS510)教材要素種類判断手段1331は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS503に戻る。
(ステップS511)教材要素種類判断手段1331は、ステップS509で格納した距離のうち、最小の距離に対応するi、またはi番目の教材要素情報を選択する。
(ステップS512)教材要素種類判断手段1331は、最小の距離が所定値以下であるか否かを判断する。所定値以下であればステップS506に行き、所定値以下でなければステップS513に行く。
(ステップS513)教材要素種類判断手段1331は、エラーを出力する。処理を終了する。なお、ここで、エラーを出力せずに、何もしなくても良い(NOPでも良い)。
なお、図5のフローチャートにおいて、ステップS512の「所定値」は、いくらでも良い。また、「所定値以下」は「所定値より小さい」という判断条件でも良い。
次に、ステップS504の第一教材要素情報取得処理について、図6のフローチャートを用いて説明する。
(ステップS601)第一教材要素情報取得手段1332は、カウンタiに1を代入する。
(ステップS602)第一教材要素情報取得手段1332は、i番目の座標情報が存在するか否かを判断する。i番目の座標情報が存在すればステップS603に行き、i番目の座標情報が存在しなければ上位処理にリターンする。
(ステップS603)第一教材要素情報取得手段1332は、第一教材要素情報の中の座標情報中の、i番目の座標情報に最も距離が近い座標情報を取得する。なお、この距離は「0」でも良い。距離が「0」とは、i番目の座標情報が第一教材要素情報に含まれることを意味している。
(ステップS604)第一教材要素情報取得手段1332は、第一教材要素情報の最初の座標情報から、または直前に取得した座標情報の次の座標情報から、ステップS603で取得した座標情報までの1以上の座標情報を、第一教材要素情報を構成する座標情報群から取得する。そして、取得した1以上の座標情報をメモリ上に追記する。
(ステップS605)第一教材要素情報取得手段1332は、カウンタiを1、インクリメントする。ステップS602に戻る。
なお、図6のフローチャートにおいて、カウンタiをインクリメントしていったが、第一教材要素情報取得手段1332は、ステップS603で、最後の座標情報に最も距離が近い座標情報を取得し、ステップS604で、第一教材要素情報の最初の座標情報から、取得した座標情報までの1以上の座標情報を、第一教材要素情報を構成する座標情報群から取得するようにしても良い。かかる場合、ループの処理は発生しない。
以下、本実施の形態における情報処理システムの具体的な動作について説明する。情報処理システムの概念図は図1である。
図7は、媒体11の例である。図7は、理科の講義で利用される先生用の用紙である。
また、情報出力装置13の教材要素情報格納部131は、図8に示す教材要素情報管理表を保持している。教材要素情報管理表は、教材要素情報を管理している表である。図8の教材要素情報管理表は、図7の媒体11を構成する教材要素を電子化した情報である。教材要素情報管理表は、「ID」「座標情報群」「データ」「教材要素区分情報」の属性を有するレコードを1以上格納している。「ID」は、レコードを識別する情報であり、表におけるレコード管理のために存在する。「座標情報群」は、教材要素情報を構成する1以上の座標情報(X,Y)である。座標情報(X,Y)は、媒体11上の位置を示す情報である。「データ」は、座標情報群から構成され得るデータであり、出力されるデータである。「教材要素区分情報」は、教材要素情報の種類を区分するための情報であり、「0」はなぞられるべき第一の教材要素情報、「1」は指示されるべき第二の教材要素情報である。
かかる状況において、先生は、生徒に対して理科の授業を行なう、とする。また、先生は、電子ペン12を持っており、当該電子ペン12を使って、図6の媒体11上の図や文字列をなぞったり、指示したり(チェックしたり、点を付したり)しながら、理科の授業を進めていく、とする。
今、先生は、理科の授業の最初に「今日は、被子植物の花の作り、について勉強しましょう。」と言いながら、電子ペン12を用いて、媒体11の「被子植物の花の作り」のいずれかの領域を指示(チェックなど)する。すると、電子ペン12の記載情報取得部121は、チェックされた軌跡を示す座標情報群「(x1,y1)(x2,y2)・・・(xa,ya)・・・(xn,yn)」を得て、電子ペン12のメモリ上に配置する。そして、例えば、先生の指示(媒体11の送信領域のチェックや、電子ペン12内の送信ボタンの押下など)により、記載情報送信部122は、メモリ上の座標情報群「(x1,y1)(x2,y2)・・・(xa,ya)・・・(xn,yn)」を、情報出力装置13に送信する。ここで、座標情報群「(x1,y1)(x2,y2)・・・(xa,ya)・・・(xn,yn)」が記載情報である。なお、先生の指示なしに、記載情報送信部122は、メモリ上の座標情報群「(x1,y1)(x2,y2)・・・(xa,ya)・・・(xn,yn)」を、次々に、情報出力装置13に送信しても良い。
次に、情報出力装置13の記載情報受信部132は、座標情報群「(x1,y1)(x2,y2)・・・(xa,ya)・・・(xn,yn)」を受信する。
次に、教材要素種類判断手段1331は、座標情報群「(x1,y1)(x2,y2)・・・(xa,ya)・・・(xn,yn)」の中の真ん中の座標情報「(xa,ya)」を取得する。そして、教材要素種類判断手段1331は、図8の教材要素情報管理表から、1番目の教材要素情報「(10,10)(10,11)・・・・・」を読み込む。次に、教材要素種類判断手段1331は、読み込んだ1番目の教材要素情報を構成する座標情報群「(10,10)(10,11)・・・・・」の中に、取得した座標情報「(xa,ya)」が含まれるか否かを判断する。ここで、「(xa,ya)」は、座標情報群「(10,10)(10,11)・・・・・」の中に含まれる、とする。
そして、教材要素種類判断手段1331は、1番目の教材要素情報に対応する教材要素区分情報「1」を取得する。なお、教材要素区分情報「1」は、当該教材要素情報が第二の教材要素情報であることを示す。
次に、第二教材要素情報取得手段1333は、受信した記載情報に対応する1番目の教材要素情報「(10,10)(10,11)・・・・」を、図8の教材要素情報管理表から取得する。なお、ここで、第二教材要素情報取得手段1333は、データ「被子植物の花のつくり」を取得しても良い。
次に、第二出力手段1342は、取得した教材要素情報を出力する。つまり、第二出力手段1342は、通常、「(10,10)(10,11)・・・・」から文字列「被子植物の花のつくり」を構成し、「(10,10)(10,11)・・・・」が示す位置に文字列「被子植物の花のつくり」を出力する。出力されている態様は、図9である。図9において、「被子植物の花のつくり」が電子ペン12から情報出力装置13に送信され、プロジェクターにより、出力されている。そして、多数の生徒が授業を受けている。
次に、先生は、「被子植物とは」と言いながら、電子ペン12で図7の媒体11の「被子植物」と「・・・」を指示する。そして、情報出力装置13は、同様に「被子植物・・・」を出力する。
そして、次に、先生は、図7の媒体11上の文字列「胚珠が子房に・・・・」を、電子ペン12でなぞっていく。そして、電子ペン12の記載情報取得部121は、なぞられた軌跡を示す座標情報群を得て、電子ペン12のメモリ上に配置する。そして、記載情報送信部122は、メモリ上の座標情報群を、次々に、情報出力装置13に送信する。
次に、情報出力装置13の記載情報受信部132は、文字列「胚珠が子房に・・・・」に対応する座標情報群「(xa,ya)・・・・(xb,yb)・・・・(xc,yc)」を受信する。
次に、教材要素種類判断手段1331は、座標情報群「(xa,ya)・・・・(xb,yb)・・・・(xc,yc)」の中の真ん中の座標情報「(xb,yb)」を取得する。そして、教材要素種類判断手段1331は、図8の教材要素情報管理表から、1番目の教材要素情報「(10,10)(10,11)・・・・・」から読み込んで、各教材要素情報に対して、座標情報「(xb,yb)」に一致する座標情報を含むか否かをチェックする。そして、一致する座標情報を含まない場合、座標情報「(xb,yb)」に最も近い座標情報「(xb1,yb1)」を取得し、点「(xb,yb)」と点「(xb1,yb1)」の距離d1を算出する。そして、「1,d1」を格納する。
そして、教材要素種類判断手段1331は、図8の教材要素情報管理表の「ID=4」の教材要素情報「(60,30)(60,31)・・・・」の中に、座標情報「(xb,yb)」が存在することを検知する。
そして、教材要素種類判断手段1331は、4番目の教材要素情報に対応する教材要素区分情報「0」を取得する。なお、教材要素区分情報「0」は、当該教材要素情報が第一の教材要素情報であることを示す。
次に、第一教材要素情報取得手段1332は、取得した座標情報「(xa,ya)・・・・(xb,yb)・・・・(xc,yc)」のうちの「(xa,ya)」に最も距離が近い座標情報を、図8の教材要素情報管理表の「ID=4」の座標情報群「(60,30)(60,31)・・・」から取得する。ここで、第一教材要素情報取得手段1332は、「(60,31)」を取得した、とする。そして、第一教材要素情報取得手段1332は、座標情報群「(60,30)(60,31)・・・」の最初の座標情報「(60,30)」から、取得した座標情報「(60,31)」までの2つの座標情報「(60,30)(60,31)」を、図8の教材要素情報管理表の「ID=4」の座標情報群から取得し、メモリ上に追記する。
そして、取得した座標情報「(xa,ya)・・・・(xb,yb)・・・・(xc,yc)」の各点に対応する教材要素情報中の座標情報を取得する処理を、点(xc,yc)まで続ける。そして、第一教材要素情報取得手段1332は、座標情報「(60,30)(60,31)・・・(88,37)」を得たとする。なお、「(88,37)」は、ひらがな「が」を構成する「か」の最終画の「チョン」である。
次に、第一出力手段1341は、取得した座標情報「(60,30)(60,31)・・・(88,37)」に対応する点または線を出力する。つまり、第一出力手段1341は、取得した座標情報「(60,30)(60,31)・・・(88,37)」から「胚珠か」を構成し、出力する。かかる出力態様を、図10に示す。ここでの「か」は「が」が完成する手前の段階である。
そして、先生は、授業を進めながら、おしべやめしべや柱頭の絵などを、媒体11を電子ペン12でなぞることにより記載していく。そして、媒体11に印刷されている文字列や絵などをすべて、電子ペン12でなぞったり、指示したりすることにより、なぞった文字列や絵、指示した文字列や絵などがディスプレイに表示される。
以上、本実施の形態によれば、先生の力量を問わず、質の高い授業を行うことができる。また、効率的に授業を進めることができる。なお、ここで言う授業とは、学校での授業に限らず、学校内外の講義や、指導なども含む広い概念である。また、授業は、遠隔授業でも構わない。
また、本実施の形態によれば、電子ペン12で媒体11上の教材要素を指示するだけで、対応する教材要素情報が出力される。したがって、先生は、授業中、面倒な文字列や絵などを記載する必要がなく、授業の進行が効率的になる。
また、本実施の形態によれば、媒体は、先生自身のサブノート的教材であるため、授業を繰り返すうちに先生自身の力量が上がる。
また、本実施の形態によれば、電子ペン12で媒体11上の教材要素をなぞることにより、なぞるスピードで、なぞった文字列や絵などが出力される。したがって、生徒は、先生の発言と合致するタイミングで先生が記載した内容を見ることができる。つまり、黒板に先生が板書している状況を作ることができる。また、先生が文字や絵などをなぞる時間で、考えることができる、その一方、考える必要がない教材要素は、先生がチェックするだけで、その教材要素を出力できる。したがって、めりはりのある授業を行うことができる。
また、本実施の形態によれば、教材要素情報は、なぞられるべき第一の教材要素情報の「0」、指示されるべき第二の教材要素情報の「1」の2種類であったが、他の種類があっても良いし、3種類以上に区分できても良い。他の種類とは、例えば、なぞられた際に、手書きのものをそのまま出力する態様の種類である。かかる場合、なぞられた際に格納されている教材要素を出力する教材要素、なぞられた際になぞられたとおりの手書きで出力する教材要素、指示された際に格納されている教材要素を出力する教材要素の3種類が存在する。
さらに、本実施の形態によれば、特に、記載が困難な絵や、文字列などは、電子ペン12でなぞるだけで、用意された美しい絵や文字列などが表示される。したがって、先生の絵が分かりにくい、字が読みにくいということがなくなり、先生の力量を問わない、質の高い授業ができる。
なお、本実施の形態によれば、教材要素情報格納部131には、媒体11を電子ペン12でなぞることによって出力される第一の教材要素情報と、媒体11を電子ペン12で指示することによって出力される第二の教材要素情報とが混在していた。しかし、教材要素情報格納部131に存在する教材要素情報は、すべて第一の教材要素情報でも良いし、すべて第二の教材要素情報でも良い。すべての教材要素情報がどちらか一方の教材要素情報であれば、教材要素種類判断手段1331は不要である。また、教材要素情報格納部131に存在する教材要素情報が、すべて第一の教材要素情報である場合、情報出力装置は、媒体に記載されている教材要素に対応する情報である教材要素情報を、1以上格納している教材要素情報格納部と、なぞられたことにより得られる情報である記載情報を受信する記載情報受信部と、前記記載情報に対応する教材要素情報を、前記教材要素情報格納部から取得する教材要素情報取得部と、前記教材要素情報取得部が取得した教材要素情報を出力する出力部を具備する情報出力装置、である。また、教材要素情報格納部131に存在する教材要素情報が、すべて第二の教材要素情報である場合、情報出力装置は、媒体に記載されている教材要素に対応する情報である教材要素情報を格納している教材要素情報格納部と、指示されたことにより得られる情報である記載情報を受信する記載情報受信部と、前記記載情報に対応する教材要素情報を取得する教材要素情報取得部と、前記教材要素情報取得部が取得した教材要素情報を出力する出力部を具備する情報出力装置、である。
また、本実施の形態によれば、記載情報は、主として、座標情報の集合として説明したが、文字認識され、コードに変換された情報等でも良い。
また、本実施の形態によれば、主として、先生の指示により、記載情報を送信するように説明したが、電子ペン12が記載情報を取得すると直ちに送信し、次々と、情報出力装置13はなぞられた箇所に対応する点や線や文字などを出力することは好適である。このようにすることで、先生の動作に追従した出力ができ、先生の発言と、出力されている内容の整合性が取りやすい。
さらに、本実施の形態における処理は、ソフトウェアで実現しても良い。そして、このソフトウェアをソフトウェアダウンロード等により配布しても良い。また、このソフトウェアをCD−ROMなどの記録媒体に記録して流布しても良い。なお、このことは、本明細書における他の実施の形態においても該当する。なお、本実施の形態における情報出力装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、電子ペンから記載情報を受信する記載情報受信部と、前記電子ペンで媒体をなぞられたことにより得られる記載情報に対応する教材要素情報を、媒体に記載されている教材要素に対応する情報である教材要素情報を1以上格納している記憶媒体から取得する教材要素情報取得部と、前記教材要素情報取得部が取得した教材要素情報を出力する出力部として機能させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、前記記載情報は、座標情報の集合であって、前記教材要素情報は、座標情報を含み、前記教材要素情報取得部は、前記記載情報が示す座標情報に一致または近似する座標情報を含む教材要素情報を、前記記憶媒体から取得するように機能させるプログラムであることは好適である。
また、上記プログラムにおいて、前記記載情報送信部は、前記記載情報取得部が記載情報を取得した後、直ちに記載情報を前記情報出力装置に送信し、前記教材要素情報取得部は、前記記載情報受信部が記載情報を受信した後、直ちに、前記教材要素情報が有する座標情報であり、前記記載情報が示す座標情報に一致または近似する座標情報を、前記教材要素情報格納部から取得し、前記出力部は、前記教材要素情報取得部が座標情報を取得した後、直ちに当該座標情報に対応する点または線を出力するように機能させるプログラムであることは好適である。
また、本実施の形態における情報出力装置を実現するソフトウェアは、コンピュータを、電子ペンから記載情報を受信する記載情報受信部と、前記電子ペンで指示されたことにより得られる情報である記載情報に対応する教材要素情報を、媒体に記載されている教材要素に対応する情報である教材要素情報を1以上格納している記憶媒体から取得する教材要素情報取得部と、前記教材要素情報取得部が取得した教材要素情報を出力する出力部として機能させるためのプログラム、である。
また、本実施の形態における情報出力装置を実現するソフトウェアは、コンピュータを、電子ペンから記載情報を受信する記載情報受信部と、前記電子ペンで媒体に記載された前記講義の教材を構成する要素である教材要素が当該電子ペンを用いてなぞられたことにより得られる情報、または指示されたことにより得られる情報である記載情報に対応する教材要素情報を、媒体に記載されている教材要素に対応する情報である教材要素情報を1以上格納しており、かつ、前記1以上の教材要素情報がなぞられるべき第一の教材要素情報であるか、指示されるべき第二の教材要素情報であるかを区別する教材要素区分情報を格納している記憶媒体から取得する教材要素情報取得部と、前記教材要素情報取得部が取得した教材要素情報を出力する出力部として機能させるためのプログラム、である。
(実施の形態2)
本実施の形態において、電子ペンで媒体に記載された文字列や図形などをなぞった場合、なぞった文字列などの出力される方法は、ユーザによって異なる情報処理システムについて説明する。本情報処理システムは、例えば、先生が漢字の授業を行っている場合、先生がなぞった漢字は、美しくて、用意された電子データが出力され、生徒がなぞった漢字は、なぞったまま出力される、などの処理を行う。また、本情報処理システムは、例えば、先生は指示だけで、指示した文字列等が出力されるが、生徒は、なぞらないと文字列等が出力されない、などの処理を行う。
図1は、本実施の形態における情報処理システムの概念図である。図11は、本実施の形態における情報処理システムのブロック図である。
情報処理システム2は、媒体11、電子ペン22、情報出力装置23を具備する。
電子ペン22は、電子ペン識別子格納部221、記載情報取得部121、記載情報送信部222を具備する。
情報出力装置23は、教材要素情報格納部131、記載情報受信部132、教材要素情報取得部133、判断部231、出力部234を具備する。
出力部234は、第一出力手段2341、第二出力手段2342、第三出力手段2343を具備する。
電子ペン識別子格納部221は、電子ペン22を識別する電子ペン識別子を格納している。電子ペン識別子は、数字列、アルファベット列、その混合など、何でも良い。電子ペン識別子格納部221は、不揮発性の記録媒体が好適であるが、揮発性の記録媒体でも実現可能である。
記載情報送信部222は、記載情報取得部121が取得した記載情報と、電子ペン識別子格納部221の電子ペン識別子を、情報出力装置23に送信する。記載情報送信部222は、通常、無線または有線の通信手段で実現されるが、放送手段で実現されても良い。
判断部231は、記載情報受信部132が受信した電子ペン識別子が、教材要素情報格納部131に格納されている教材要素情報を出力する第一タイプであるか、なぞったとおりに出力する第二タイプであるかを判断する。判断部231は、例えば、電子ペン識別子とタイプの組を1以上格納している。そして、判断部231は、記載情報受信部132が受信した電子ペン識別子と対になるタイプを取得し、当該タイプが第一タイプであるか、第二タイプであるかを判断する。また、判断部231は、例えば、電子ペン識別子を1以上格納しており、記載情報受信部132が受信した電子ペン識別子が格納されているか否かを判断し、受信した電子ペン識別子が格納されている場合、第一タイプであると判断しても良い。また、その逆に、判断部231は、受信した電子ペン識別子が格納されている場合、第二タイプであると判断しても良い。また、第一タイプとは、例えば、先生の電子ペンのタイプである。第二タイプとは、例えば、生徒の電子ペンのタイプである。判断部231は、通常、MPUやメモリ等から実現され得る。判断部231の処理手順は、通常、ソフトウェアで実現され、当該ソフトウェアはROM等の記録媒体に記録されている。但し、ハードウェア(専用回路)で実現しても良い。
出力部234は、電子ペン識別子が第一タイプであると判断部231が判断した場合は、教材要素情報取得部133が取得した教材要素情報を出力し、電子ペン識別子が第二タイプであると判断した場合は、記載情報受信部132が取得した記載情報をそのまま(手書きのまま)出力する。ここで、出力とは、主として、ディスプレイへの表示、プロジェクターを用いた投影であるが、音出力、外部の装置への送信、記録媒体への蓄積、他の処理装置や他のプログラム等への処理結果の引渡し等を含む概念である。出力部234は、ディスプレイ等の出力デバイスを含むと考えても含まないと考えても良い。出力部234は、出力デバイスのドライバーソフトまたは、出力デバイスのドライバーソフトと出力デバイス等で実現され得る。
第一出力手段2341は、電子ペン識別子が第一タイプであると判断部231が判断した場合に、第一教材要素情報取得手段1332が取得した座標情報に対応する点または線を出力する。第一出力手段2341は、電子ペン12で媒体11をなぞられた場合に、なぞられた教材要素に対応する教材要素情報を出力する。
第二出力手段2342は、電子ペン識別子が第一タイプであると判断部231が判断した場合に、第二教材要素情報取得手段1333が取得した教材要素情報を出力する。第二出力手段2342は、電子ペン12で媒体11を指示された場合に、指示された教材要素に対応する教材要素情報を出力する。
第三出力手段2343は、電子ペン識別子が第二タイプであると判断部231が判断した場合に、記載情報受信部132が取得した記載情報を出力する。第三出力手段2343は、手書きのまま出力する。
次に、情報処理システムの動作について説明する。まず、電子ペン22の動作について説明する。電子ペン22の記載情報取得部121は、電子ペン12が媒体11上を走査した映像を取得する。そして、記載情報取得部121は、取得した映像から記載情報を構成し、記憶媒体上に一時格納する。そして、記載情報送信部222は、電子ペン識別子格納部221から電子ペン識別子を読み出す。次に、記載情報送信部222は、記載情報取得部121が構成した記載情報と、読み出した電子ペン識別子を、情報出力装置23に送信する。なお、記載情報送信部222は、ユーザの指示により記憶媒体上の記載情報等を送信しても良いし、記憶媒体に記載情報が記憶されると直ちに、記載情報等を送信しても良い。また、ユーザの指示とは、媒体11上の、「送信ボタン」のチェックや、電子ペン22が有する所定のボタンの押下などである。
次に、情報出力装置23の動作について、図12のフローチャートを用いて説明する。図12のフローチャートにおいて、図4のフローチャートと同じステップについて、説明を省略する。
(ステップS1201)記載情報受信部132は、記載情報と電子ペン識別子を受信したか否かを判断する。記載情報等を受信すればステップS1202に行き、記載情報等を受信しなければステップS1201に戻る。なお、記載情報の受信と電子ペン識別子の受信は、同時でなくても良い。
(ステップS1202)判断部231は、ステップS1201で受信した電子ペン識別子を取得する。
(ステップS1203)判断部231は、ステップS1202で取得した電子ペン識別子からタイプを決定し、タイプを示す情報をメモリ上に配置する。ここでは、タイプは、第一タイプか、第二タイプかをとり得る。また、タイプは、電子ペン22のタイプであるが、間接的に、電子ペン22のユーザのタイプであるとも言える。
(ステップS1204)出力部234は、ステップS1203で決定されたタイプが第一タイプであるか否かを判断する。第一タイプであればステップS402に行き、第一タイプでなければステップS1205に行く。
(ステップS1205)第三出力手段2343は、ステップS1201で受信した記載情報から、座標情報群を取得する。
(ステップS1206)第三出力手段2343は、ステップS1205で取得した座標情報群を出力する。この座標情報群の出力は、記載情報の出力である、と言える。この座標情報群は、電子ペン22を用いて手書きされた際の、電子ペン22の軌跡を示す情報である。ステップS1201に戻る。
なお、図12のフローチャートにおいて、教材要素情報を第一教材要素情報と、第二教材要素情報に分けているが、分けなくても良い。かかる場合、例えば、先生が媒体11上をなぞった文字列や図形に対応する教材要素情報が、きれいに出力される。また、例えば、先生が媒体11上を指示した文字列や図形に対応する教材要素情報が、きれいに出力される。
また、図12のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
以下、本実施の形態における情報処理システムの具体的な動作について説明する。情報処理システムの概念図は図13である。本情報処理システムを用いて、生徒は、漢字を書く練習をする、とする。また、本情報処理システムにおいて、媒体11には、9つの漢字が、なぞり書きしやすいように灰色で印刷されている。
また、今、教材要素情報格納部131は、図14に示す教材要素情報管理表を保持している。図14に示す教材要素情報管理表は、図8の教材要素情報管理表と同様の構造である。ただし、図14の教材要素情報管理表の教材要素区分情報は、すべて「0」であるので、ここでは、教材要素区分情報は必要ない。
また、先生の電子ペン22の電子ペン識別子は「12345」であり、生徒の電子ペン22の電子ペン識別子は「98765」である、とする。そして、判断部231は、先生の電子ペン22の電子ペン識別子「12345」を格納している。
かかる状況において、先生が漢字の記載の見本を見せようと、先生の媒体11の漢字「赤」を電子ペン22でなぞった、とする。
すると、電子ペン22の記載情報取得部121は、漢字「赤」を電子ペン22で記載した際の軌跡を示す座標情報群「(x1,y1)(x2,y2)・・・(xn,yn)」を得て、電子ペン22のメモリ上に配置する。
次に、電子ペン22の記載情報送信部222は、電子ペン識別子格納部221から電子ペン識別子「12345」を読み出す。次に、記載情報送信部222は、記載情報取得部121が構成した記載情報「(x1,y1)(x2,y2)・・・(xn,yn)」と、読み出した電子ペン識別子「12345」を、情報出力装置23に送信する。
次に、情報出力装置23の記載情報受信部132は、記載情報と電子ペン識別子を受信する。そして、判断部231は、受信した電子ペン識別子「12345」を取得する。そして、判断部231は、取得した電子ペン識別子「12345」が、予め保持している電子ペン識別子(先生の電子ペン識別子)であると判断し、タイプを「第一タイプ」と決定し、「第一タイプ」をメモリ上に配置する。
次に、教材要素種類判断手段1331は、座標情報群「(x1,y1)(x2,y2)・・・(xn,yn)」の中の真ん中の座標情報「(xa,ya)」を取得する。そして、教材要素種類判断手段1331は、図14の教材要素情報管理表から、1番目の教材要素情報「(30,45)(31,45)(32,45)・・・・・」を読み込む。次に、教材要素種類判断手段1331は、読み込んだ1番目の教材要素情報を構成する座標情報群「(30,45)(31,45)(32,45)・・・・・」の中に、取得した座標情報「(xa,ya)」が含まれるか否かを判断する。ここで、「(xa,ya)」は、座標情報群「(30,45)(31,45)(32,45)・・・・・」の中に含まれる、とする。
そして、教材要素種類判断手段1331は、1番目の教材要素情報に対応する教材要素区分情報「0」を取得する。なお、教材要素区分情報「0」は、当該教材要素情報が第一の教材要素情報であることを示す。
次に、第一教材要素情報取得手段1332は、取得した座標情報「(x1,y1)(x2,y2)・・・(xn,yn)」のうちの「(x1,y1)」に最も距離が近い座標情報を、図14の教材要素情報管理表の「ID=1」の座標情報群「(30,45)(31,45)(32,45)・・・・・」から取得する。ここで、第一教材要素情報取得手段1332は、「(32,45)」を取得した、とする。そして、第一教材要素情報取得手段1332は、座標情報群「(30,45)(31,45)(32,45)・・・・・」の最初の座標情報「(30,45)」から、取得した座標情報「(32,45)」までの3つの座標情報「(30,45)(31,45)(32,45)」を、図14の教材要素情報管理表の「ID=1」の座標情報群から取得し、メモリ上に追記する。
そして、取得した座標情報「(x1,y1)(x2,y2)・・・(xn,yn)」の各点に対応する教材要素情報中の座標情報を取得する処理を、点(xn,yn)まで続ける。そして、第一教材要素情報取得手段1332は、座標情報「(30,45)(31,45)(32,45)・・(52,45)」を得たとする。なお、「(52,45)」は、漢字「赤」の1画目の「ー」である。
次に、第一出力手段1341は、取得した座標情報「(30,45)(31,45)(32,45)・・(52,45)」に対応する点または線を出力する。つまり、第一出力手段1341は、取得した座標情報「(30,45)(31,45)(32,45)・・(52,45)」から漢字「赤」の1画目の「ー」を構成し、出力する。かかる出力態様を、図15に示す。なお、図15において、「漢字の練習をしましょう」という文字列は、最初から出力されている、とする。
続いて、先生が電子ペン22を用いて、漢字「赤」を完成させる、とする。すると、上記と同様の処理を行い、図14の教材要素情報管理表の「ID=1」の座標情報群により構成される美しい漢字「赤」が出力される(図16参照)。
次に、生徒が電子ペン22で、先生の字を真似るように、漢字「赤」を、生徒が保持している媒体11をなぞるように記載した、とする。
すると、生徒の電子ペン22の記載情報取得部121は、漢字「赤」を電子ペン22で記載した際の軌跡を示す座標情報群「(X1,Y1)(X2,Y2)・・・(Xn,Yn)」を得て、電子ペン22のメモリ上に配置する。
次に、電子ペン22の記載情報送信部222は、電子ペン識別子格納部221から電子ペン識別子「98765」を読み出す。次に、記載情報送信部222は、記載情報取得部121が構成した記載情報「(X1,Y1)(X2,Y2)・・・(Xn,Yn)」と、読み出した電子ペン識別子「98765」を、情報出力装置23に送信する。
次に、情報出力装置23の記載情報受信部132は、記載情報と電子ペン識別子を受信する。そして、判断部231は、受信した電子ペン識別子「98765」を取得する。そして、判断部231は、取得した電子ペン識別子「98765」が、予め保持している電子ペン識別子(先生の電子ペン識別子)の中には存在しないと判断し、タイプを「第二タイプ」と決定し、「第二タイプ」をメモリ上に配置する。
次に、第三出力手段2343は、受信した座標情報群「(X1,Y1)(X2,Y2)・・・(Xn,Yn)」を取得する。そして、第三出力手段2343は、取得した座標情報群「(X1,Y1)(X2,Y2)・・・(Xn,Yn)」を、そのまま出力する。その結果、生徒が記載した手書きの漢字が、そのまま出力される(図17参照)。
以上、本実施の形態によれば、電子ペン識別子によって、電子ペンで記載した文字や図形等の出力方法を変更することができる。したがって、例えば、先生が記載した文字は、予め格納されている美しいフォントの文字で出力され、生徒が記載した文字は、手書きで記載した通りに出力されるなどの工夫が可能となる。かかる処理により、先生の力量を問わない、効果的な授業、指導が可能となる。なお、授業は、遠隔授業でも構わない。また、本実施の形態によれば、媒体は、先生自身のサブノート的教材であるため、授業を繰り返すうちに先生自身の力量が上がる。
なお、本実施の形態によれば、媒体11に記載されている教材は、漢字の教材に限らないことは言うまでもない。
さらに、本実施の形態における情報出力装置を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、記載情報と電子ペン識別子を受信する記載情報受信部と、前記記載情報に対応する教材要素情報を、媒体に記載されている教材要素に対応する情報である教材要素情報を、1以上格納している記憶媒体から、取得する教材要素情報取得部と、前記記載情報受信部が受信した前記電子ペン識別子が、前記記憶媒体に格納されている教材要素情報を出力する第一タイプであるか、なぞったとおりに出力する第二タイプであるかを判断する判断部と、前記判断部が、前記電子ペン識別子が第一タイプであると判断した場合は、前記教材要素情報取得部が取得した教材要素情報を出力し、前記電子ペン識別子が第二タイプであると判断した場合は、前記記載情報受信部が取得した前記記載情報を出力する出力部として機能させるためのプログラム、である。
また、上記プログラムにおいて、記憶媒体に、媒体に記載されている教材要素に対応する情報である教材要素情報を1以上格納しており、かつ、前記1以上の教材要素情報がなぞられるべき第一の教材要素情報であるか、指示されるべき第二の教材要素情報であるかを区別する教材要素区分情報を格納しており、前記教材要素情報取得部は、前記記載情報が示す座標情報から、当該記載情報に対応する教材要素情報が第一の教材要素情報であるか、第二の教材要素情報であるかを判断する教材要素種類判断手段と、前記教材要素種類判断手段が記載情報に対応する教材要素情報が第一の教材要素情報であると判断した場合に、教材要素情報が有する座標情報であり、前記記載情報が示す座標情報に一致または近似する座標情報を、前記教材要素情報格納部から取得する第一教材要素情報取得手段と、前記教材要素種類判断手段が記載情報に対応する教材要素情報が第二の教材要素情報であると判断した場合に、前記記載情報に対応する教材要素情報を取得する第二教材要素情報取得手段を具備し、前記出力部は、前記判断部が、前記電子ペン識別子が第一タイプであると判断した場合に、前記第一教材要素情報取得手段が取得した座標情報に対応する点または線を出力する第一出力手段と、前記判断部が、前記電子ペン識別子が第一タイプであると判断した場合に、前記第二教材要素情報取得手段が取得した教材要素情報を出力する第二出力手段と、前記判断部が、前記電子ペン識別子が第二タイプであると判断した場合に、前記記載情報受信部が取得した前記記載情報を出力する第三出力手段を具備するものとして機能させるためのプログラム、である。
また、実施の形態1、2における媒体11には、図18に示すように、教材要素情報格納部131に格納されている教材要素情報に対応する教材要素だけではなく、先生の授業を助けるための情報、生徒の理解を助けるための情報なども印刷されていても良いことは言うまでもない。
また、図19は、本明細書で述べたプログラムを実行して、上述した種々の実施の形態の情報出力装置等を実現するコンピュータの外観を示す。上述の実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムで実現され得る。図19は、このコンピュータシステム340の概観図であり、図20は、コンピュータシステム340のブロック図である。
図19において、コンピュータシステム340は、FD(Flexible Disk)ドライブ、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブを含むコンピュータ341と、キーボード342と、マウス343と、モニタ344とを含む。
図20において、コンピュータ341は、FDドライブ3411、CD−ROMドライブ3412に加えて、CPU(Central Processing Unit)3413と、CPU3413、CD−ROMドライブ3412及びFDドライブ3411に接続されたバス3414と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM(Read−Only Memory)3415と、CPU3413に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶するとともに一時記憶空間を提供するためのRAM(Random Access Memory)3416と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するためのハードディスク3417とを含む。ここでは、図示しないが、コンピュータ341は、さらに、LANへの接続を提供するネットワークカードを含んでも良い。
コンピュータシステム340に、上述した実施の形態の情報出力装置等の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM3501、またはFD3502に記憶されて、CD−ROMドライブ3412またはFDドライブ3411に挿入され、さらにハードディスク3417に転送されても良い。これに代えて、プログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ341に送信され、ハードディスク3417に記憶されても良い。プログラムは実行の際にRAM3416にロードされる。プログラムは、CD−ROM3501、FD3502またはネットワークから直接、ロードされても良い。
プログラムは、コンピュータ341に、上述した実施の形態の情報出力装置等の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティープログラム等は、必ずしも含まなくても良い。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいれば良い。コンピュータシステム340がどのように動作するかは周知であり、詳細な説明は省略する。
また、上記各実施の形態において、各処理(各機能)は、単一の装置(システム)によって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置によって分散処理されることによって実現されてもよい。
なお、上記プログラムにおいて、情報を送信するステップや、情報を受信するステップなどでは、ハードウェアによって行われる処理、例えば、送信ステップにおけるモデムやインターフェースカードなどで行われる処理(ハードウェアでしか行われない処理)は含まれない。
また、上記プログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
また、上記各実施の形態において、一の装置に存在する2以上の通信手段(送信部など)は、物理的に一の媒体で実現されても良いことは言うまでもない。
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。