JP5034888B2 - 同期電動機のV/f制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、同期電動機のV/f制御装置に係り、特に、電動機の無効電力制御に関する。
永久磁石同期電動機は、通常、回転子の磁極位置情報を位置センサで検出する必要があるが、使用環境によっては位置センサの取り付けが困難、あるいは低コスト化や位置センサ故障回避のために、位置センサがなくても駆動できるセンサレス制御法が数多く提案されている。
V/f制御法は、電動機の一次電圧を回転数に合わせて一定に制御する手法であり、基本的に位置センサや電流センサを用いないオープンループ構成となる。しかし、V/f制御法を同期電動機の駆動装置に適用した場合は、磁極位置を検出していないために負荷の急変などによって不安定な制御状態を招き、場合によっては脱調する可能性が高い。
図5は、一般的な電圧形PWMインバータによる同期電動機の駆動装置である。この装置をV/f制御法で制御する場合に脱調なく安定化を図るために、同期電動機1の2相の電流を交流電流センサ2で検出し、このモータ電流に含まれる脈動成分をコントローラ3で抽出することでPWMインバータ4の制御位相を補正する。5はPWMインバータ4の直流電圧源、6は平滑コンデンサである。
このV/f制御における安定化手法として、モータ電流検出値をインバータ電圧基準のγδ座標(インバータの電圧ベクトル方向をδ軸として、δ軸より90度遅れた位相をγ軸とするインバータの直交座標)に変換し、γ軸電流の脈動成分を周波数指令値にフィードバックして安定化する手法がある(例えば、非特許文献1参照)。この手法では電流をフィードバックすることで負荷変動にも対応できる。
図6の(a)は、非特許文献1等で提案される同期電動機のV/f安定化制御の構成図である。V/f制御装置になるコントローラ3は、基本的にはf/V変換器31では周波数指令値ω*から所望の電圧振幅値になる電圧指令V*を求める。このf/V変換は、駆動する同期電動機の定格速度と定格電圧の比率を用いる。積分器32は周波数指令値ω*の積分によってインバータ電圧指令値の位相θを求める。これら電圧指令V*(vδ*)と位相θおよびγ軸成分の電圧指令vγ*から座標変換器33がPWMインバータ4の3相電圧指令値に変換する。PWMインバータ4は、各種PWM手法、例えば一般的な三角波比較PWM方式などによってインバータをPWM制御する。
V/f安定化制御手段として、座標変換器34は電流センサ2で検出するモータ電流iu,iwを、PWMインバータの一次電圧の位相情報θを基に座標変換してγ、δ軸の電流iγ,iδに変換し、安定化処理部35は座標変換器34からのδ軸電流iδを用いて補正周波数Δωを求め、補正周波数Δωで周波数指令値ω*をω1*に補正する。安定化処理部35は、例えば、図6の(b)に示す構成とし、ハイパスフィルタ35Aで直流に近い成分をカットして脈動成分(補正周波数Δω)のみを抽出し、安定化ゲイン設定器35Bで補正ゲインKiを決定する。
上記の同期電動機のV/f安定化手法を低慣性のPMモータに適用した場合、フィードバックループに積分器が入るため、負荷変動や速度変動に対し、オーバーシュートや振動成分が残り、静定にも時間がかかる。この現象を改善する他のV/f安定化制御方法として、q軸トルク電流の脈動成分をインバータd軸電圧に直接フィードバックして(比例項)、応答の速い安定化制御を実現する方法も提案されている(例えば、非特許文献2参照)。
なお、モータ電流を検出するセンサを不要にする手法として、インバータの直流電流をシャント抵抗等で検出し、この直流電流からモータ電流を演算する手法もある(例えば、非特許文献3参照)。
伊東、豊崎、大沢「永久磁石同期電動機のV/f制御の高性能化」、電学論D,122巻3号、2002年 山本、小野「低慣性PMモータに適応するV/f制御方式」、電気学会産業応用部門大会、1−56、2005年 福本、渡邉、濱根、林「三相PWインバータの直流電流検出による交流電流演算の一手法」、電学論D,127巻2号、2007年
永久磁石同期電動機のV/f制御装置において、前記の非特許文献1や2の手法では、モータ電流(少なくとも2相分)を検出して脈動成分を抽出し、その脈動を打ち消す方向に周波数指令値や電圧指令値を調整するフィードバック制御を行っている。このV/f制御には交流電流センサが必要となるが、実用上はモータの過電流保護などの安全装置にもつ交流電流センサを利用することができる。しかし、低コストおよび小型化重視の用途では交流電流センサがコスト高の要因となるし、実装スペースの問題も発生する。
この点、非特許文献3の手法は、インバータの直流電流を1つのシャント抵抗で検出し、この直流電流から3相のモータ電流を再現することができ、3相電流を再現した後は非特許文献1あるいは2の手法を用いて、図6のようなブロック構成にしたV/f安定化制御が考えられる。また、交流電流センサが不要となるため、低コスト化が実現できる。さらに、シャント抵抗器の両端電圧を直流電流情報として過電流保護を行っている場合にはシャント抵抗の追加が不要となる。
ここで、PWMインバータの直流電流は図7のようにPWMパルスを含んだ波形となる。この瞬時のパルス電流値は、交流電流のいずれの相の情報を持っているので、PWMインバータの通電パターンから把握できる。そこで、非特許文献3ではパルス電流値を入手できるタイミングでA/D変換して、その瞬時電流値を基にモータの交流電流値を推定・再現している。このため、PWMインバータの直流電流からモータの交流3相電流を再現するには、高速のA/D変換器および複雑なソフトウェア演算処理が必要となる。
特に、PWM制御のキャリア周波数を高くする用途、あるいは高速回転駆動を必要とする用途では、A/D変換処理も高速に行う必要があり、コストアップの要因となるし、モータ電流の再現が困難となることが予測される。
これら課題を解決するものとして、インバータ直流母線のパルス状の電流からPWMキャリア成分を除去するローパスフィルタ等を用いて平均化処理し、この直流平均電流に含まれる脈動成分(周波数変動分)を抑制するように周波数指令値を補正、またはインバータの直流平均電流に直流電圧検出値を乗じて直流平均電力を求め、この直流平均電力に含まれる脈動成分(周波数変動分)を抑制するように周波数指令値を補正するV/f制御装置を本願出願人は既に提案している。この提案では、安定化ゲイン設定器35Bの出力を周波数指令値ω*が高くなるほど低くした補正値Δωを求めること、または直流平均電流または直流平均電力の検出値を周波数指令値ω*で除算してトルク推定値を求め、このトルク推定値から直流に近い成分をカットした脈動成分を抽出して周波数指令値ω*を補正することも提案している。
上記の直流平均電力による安定化制御のブロック構成図を図8の(a)に示す。図6における交流電流センサ2に代えて、直流母線の電流をシャント抵抗器7で検出し、シャント抵抗器7で検出するインバータ直流母線電流に比例した電圧vshからフィルタ平均処理部(ローパスフィルタ)36で平均化処理した平均化電流idcを求める。この平均化電流idcは図9に示すように有効電流分になる。PWMインバータ4の直流電圧Vdcを電圧検出器8で検出する。3相電圧指令値生成部37は、電圧指令Vmと位相θからPWMインバータ4の3相電圧指令V*を生成する。この演算式は下記のようになる。PWMインバータのスイッチングパターン生成方法は任意であるが、例えばキャリア比較方式によって電圧指令値とキャリア波をコンパレートしてPWM信号を生成し、PWMインバータおよび電動機を駆動する。
Figure 0005034888
安定化処理部35は、図8の(b)に示すように、直流電圧Vdcと平均化電流idcを乗算器35Cで乗じて直流平均電力を求め、この直流平均電力を割り算器35Dで周波数指令値ω*で除算し、トルク推定値(T^=P/ω*)を求め、これをハイパスフィルタ35Aの入力とする。この安定化処理により、直流電流・直流電圧検出値および周波数指令値からトルク推定値を演算して、そのトルク脈動成分を抑制するように周波数指令値を補正するので、高負荷時や高速回転時においても常にトルク変動に基づいて安定化制御を行うことができ、同期電動機のトルク変動に応じて全速度/全負荷領域でより安定なV/f制御を実現できる。
ここで、電動機を高効率に制御するためには、電動機を力率1に制御することが好ましい。例えば電動機の回転に同期した回転座標(d軸を永久磁石磁束方向とした直交2軸dq座標を定義する)において、突極性のない永久磁石同期電動機を用いた場合、d軸電流を零とすることが好ましい。つまり、電動機における無効電流を零にして高効率化を図る。しかしながら、永久磁石同期電動機におけるV/f制御は、磁極位置検出を行わないオープンループ制御が基本となる。そのため、d軸電流を任意に高速制御することが難しい。
非特許文献1では、制御器における推定dq軸(γδ座標)の電圧指令値Vγ、Vδ、および、γδ回転座標系の位相を用いて電動機の交流電流を座標変換したIγ、Iδを用いて、電動機の無効電力を零とするような高効率制御を間接的に実現している。
この手法は、交流電流センサにより、3相電流情報を直接入手することを必要とする。これに代えて、非特許文献3のように、交流電流センサレスで直流母線電流から3相交流電流を再現する手法を非特許文献1に適用すると無効電力制御を行うことができる。しかしながら、前述したとおり、非特許文献3の手法は、超高速駆動やPWM周波数が高い場合に実現困難となる。
この課題を解消するため、図8に示す構成とする場合、3相交流電流の再現は不可能となり、電流の位相情報を入手することが困難となり、非特許文献1のような無効電力制御ができない。また、電動機の銘板あるいは設計値で与えられる定格電圧と定格周波数の比率からV/f変換比を決定していたため、この変換比がそのまま電動機の力率に影響するが、固定の変換比であると負荷変化時(例えば低負荷時)に無効電力を発生し、定常的にその状態の運転が続くと効率の低下を招くおそれがあった。
本発明の目的は、交流電流センサを不要にしたV/f制御装置において、負荷変化にも電動機無効電力を零に制御できる同期電動機のV/f制御装置を提供することにある。
本発明は、前記の課題を解決するため、同期電動機の回転速度および電動機負荷に相当するインバータ直流電力の状態に応じて常に電動機の無効電力が0になるよう電圧指令瞬時値Vmを制御するようにしたもので、以下の構成を特徴とする。
(1)同期電動機を電圧型インバータで駆動し、インバータの直流母線電流をローパスフィルタで平均化処理して、この直流平均電流に含まれる脈動成分を抑制するようにインバータの周波数指令値ω*を補正する安定化処理手段を備えた同期電動機のV/f制御装置において、
前記安定化処理手段で補正した周波数指令値と、前記直流平均電流と、インバータの直流電圧と、同期電動機定数をパラメータとして、同期電動機の力率が1になるようインバータの電圧指令瞬時値Vmを制御するf/V変換器を備えたことを特徴とする。
(2)同期電動機を電圧型インバータで駆動し、インバータの直流母線電流をローパスフィルタで平均化処理して、この直流平均電流とインバータの直流電圧および周波数指令値からトルク脈動を検出して、そのトルク脈動成分を抑制するように周波数指令値ω*を補正する安定化処理手段を備えた同期電動機のV/f制御装置において、
前記安定化処理手段で補正した周波数指令値と、前記直流平均電流と、インバータの直流電圧と、同期電動機定数をパラメータとして、同期電動機の力率が1になるようインバータの電圧指令瞬時値Vmを制御するf/V変換器を備えたことを特徴とする。
(3)前記f/V変換器は、
Figure 0005034888
φ0:1相あたりの永久磁石による電機子鎖交磁束の最大値、ω:電気角周波数、L:同期電動機の巻線インダクタンス値、Vdc:インバータの直流電圧、Idc:インバータの直流平均電流
から前記電圧指令瞬時値Vmを求めることを特徴とする。
(4)前記f/V変換器は、
Figure 0005034888
φ0:1相あたりの永久磁石による電機子鎖交磁束の最大値、ω:電気角周波数、r:同期電動機の巻線抵抗、L:同期電動機の巻線インダクタンス値、Vdc:インバータの直流電圧、Idc:インバータの直流平均電流
から前記電圧指令瞬時値Vmを求めることを特徴とする。
(5)前記f/V変換器は、
Figure 0005034888
φ0’:1相あたりの永久磁石による電機子鎖交磁束を温度補正した磁束の最大値、ω:電気角周波数、r’:同期電動機の巻線抵抗を温度補正した抵抗、L:同期電動機の巻線インダクタンス値、Vdc:インバータの直流電圧、Idc:インバータの直流平均電流
から前記電圧指令瞬時値Vmを求めることを特徴とする。
(6)前記安定化処理手段は、周波数指令値ω*が高くなるほど前記補正値Δωを低くするゲインKiにしたことを特徴とする。
(7)前記安定化処理手段は、前記トルク脈動推定値から直流に近い成分をカットした脈動成分を抽出して周波数指令値ω*の補正値を得ることを特徴とする。
以上のとおり、本発明によれば、同期電動機の回転速度および電動機負荷に相当するインバータ直流電力の状態に応じて常に電動機の無効電力が0になるよう電圧指令瞬時値Vmを制御するようにしたため、交流電流センサを不要にしたV/f制御装置において、負荷変化にも電動機無効電力を零に制御できる効果がある。
(実施形態1)
図1は、本実施形態を示す同期電動機のV/f制御装置のブロック構成図である。同図が図8と異なる部分は、f/V変換器31に代えてf/V変換器38とした点にある。
f/V変換器38は、フィードバック補償した周波数指令値ω1*のほか、フィルタ平均処理部36で求める直流平均電流idcと、直流電圧Vdcと、電動機定数をパラメータとして電圧指令瞬時値Vmを求めることで、電動機無効電力を0(零)に制御する。このf/V変換を以下に説明する。
電動機の1相あたりの等価回路は、図2の(a)に示すとおりである。同図中、端子電圧実効値:V0、無負荷誘起電圧実効値:E、巻線抵抗:r、漏れインダクタンス:l、有効インダクタンスLa、電機子電流実効値:I0。
ここでは、直交2軸回転座標上で突極性のない永久磁石同期電動機を考え、1相のインダクタンス値をまとめて以下の式(1)に示すLとする。
Figure 0005034888
また、誘起電圧実効値Eは、以下の式で表すことができる。
Figure 0005034888
ただし、φ0は1相あたりの永久磁石による電機子鎖交磁束の最大値、ωは電気角周波数である。
ここで、巻線抵抗rが十分に小さいと仮定する。また、電動機の3相電流/電圧は平衡であるとする。電動機の力率を1にするには、誘起電圧Eの位相と電機子電流I0の位相を一致させればよい。図2の(b)は、位相が一致した場合の電流・電圧の関係をベクトル図で示したものである。この関係から、図8のf/V変換器31では電圧指令値(瞬時値)Vmを、以下の式で求めることができる。
Figure 0005034888
ここで、誘起電圧Eと電機子電流I0の位相が一致した場合の有効電力の関係から、以下の式が成り立つ。
Figure 0005034888
dc:直流電圧、Idc:直流平均電流
したがって、電機子電流実効値I0は、(2)式と(4)式から、以下となる。
Figure 0005034888
(2)式と(5)式を(3)式に代入し、Vmを求めると、以下となる。
Figure 0005034888
この(6)式を見ると、平方根の中が速度起電力の項と直流電流(直流電力)の項で構成されている。つまり、(6)式に従って電圧指令瞬時値Vmを求めることで、回転速度(電気角周波数ω)と負荷に応じて電動機の無効電力を0とすることができる。
本実施形態では、図1中のf/V変換器38が(6)式に従ってf/V変換を行うことで、交流電流センサを不要にしたV/f安定化制御としながら、回転周波数だけでなく負荷状態にも対応したf/V変換を行って無効電力を0にすることができるので、高効率に制御することが可能となる。
(実施形態2)
実施形態1では、巻線抵抗rが十分に小さいと仮定して、その電圧降下の影響を無視していた。しかしながら、小型・低慣性な電動機になると、インダクタンス値Lも小さくなる場合が多く、r≒0に近似すると高負荷時の電圧降下の影響を無視できないことがある。
そこで、本実施形態では巻線抵抗rの影響も考慮したf/V変換を可能とする。原理的には実施形態1と同様であり、電流・電圧の位相関係を図3にベクトル図で示す。この関係から、電圧指令値(瞬時値)Vmは、以下の式で求めることができる。
Figure 0005034888
(2)式と(5)式を(7)式に代入すると、(8)式となる。
Figure 0005034888
したがって、図1におけるf/V変換器38の変換式を(8)式に置き換えれば、巻線抵抗rの電圧降下の影響も考慮した無効電力0の制御ができる。
本実施形態によれば、巻線抵抗rの電圧降下の影響も考慮することができるので、高精度に無効電力を零にする高効率な制御ができる。
(実施形態3)
実施形態1または実施形態2では、電動機のパラメータを用いて間接的に無効電力を零としている。電動機のパラメータの内、特に巻線抵抗rや永久磁石による鎖交磁束の最大値φ0は、温度に依存して変動する。したがって、動作温度領域の広い用途に使用する場合は、パラメータが変動して前述の高効率f/V変換に誤差を生じる。
そこで、本実施形態では、電動機の巻線等に設置した温度センサ、あるいは推定した温度情報等、何らかの手段で入手した温度情報を用いてパラメータの補正を行う。温度検出手段や温度情報の入手方法は限定しない。図4は、その構成図の一例である。
図4が図1と異なる部分は、温度検出器39によって電動機1の動作温度を検出し、その温度情報を用いて温度係数器40では予め設定される巻線抵抗rおよび鎖交磁束の最大値φ0のパラメータを補正し、この補正後のパラメータr0’、φ0’をf/V変換器38での電動機定数として与える。
例えば、実施形態2の(8)式は、補正後のr’、φ0’を用いて以下の(9)式とする。
Figure 0005034888
本実施形態によれば、電動機パラメータの温度変化を考慮したf/V変換式で、高効率な制御を行うことができる。
(変形例)
以上までの実施形態では、インバータの直流平均電流と直流電圧検出値および周波数指令値からトルク脈動を検出して、そのトルク脈動成分を抑制するように周波数指令値を補正する同期電動機のV/f制御装置の場合を示すが、インバータの直流母線電流を平均化処理し、この直流平均電流に含まれる脈動成分(周波数変動分)を抑制するように周波数指令値を補正するV/f制御装置に適用して同等の作用効果を奏する。
同様に、安定化ゲイン設定器35Bの出力を周波数指令値ω*が高くなるほど低くした補正値Δωを求めるV/f制御装置に適用して同等の作用効果を奏する。
また、以上までの実施形態では、f/V変換器38は、(6)、(8)、(9)式の演算で電圧指令瞬時値Vmを求める場合を示すが、これら演算式に代えたテーブルデータを使って電圧指令瞬時値Vmを求めることができる。
実施形態1を示す同期電動機のV/f制御装置のブロック構成図。 電動機の1相あたりの等価回路と、電流・電圧のベクトル図。 実施形態2における巻線抵抗を含む電流・電圧のベクトル図。 実施形態3を示す同期電動機のV/f制御装置のブロック構成図。 電圧形PWMインバータによる同期電動機の駆動装置。 同期電動機のV/f安定化制御の従来構成図。 PWMインバータの直流電流波形。 直流平均電力による安定化制御のブロック構成図。 フィルタ平均処理の電流波形図。
符号の説明
1 同期電動機
2 交流電流センサ
3 コントローラ
4 PWMインバータ
5 直流電圧源
6 平滑コンデンサ
7 シャント抵抗器
31、38 f/V変換器
32 積分器
35 安定化処理部
36 フィルタ平均処理部
37 3相電圧指令値生成部

Claims (7)

  1. 同期電動機を電圧型インバータで駆動し、インバータの直流母線電流をローパスフィルタで平均化処理して、この直流平均電流に含まれる脈動成分を抑制するようにインバータの周波数指令値ω*を補正する安定化処理手段を備えた同期電動機のV/f制御装置において、
    前記安定化処理手段で補正した周波数指令値と、前記直流平均電流と、インバータの直流電圧と、同期電動機定数をパラメータとして、同期電動機の力率が1になるようインバータの電圧指令瞬時値Vmを制御するf/V変換器を備えたことを特徴とする同期電動機のV/f制御装置。
  2. 同期電動機を電圧型インバータで駆動し、インバータの直流母線電流をローパスフィルタで平均化処理して、この直流平均電流とインバータの直流電圧および周波数指令値からトルク脈動を検出して、そのトルク脈動成分を抑制するように周波数指令値ω*を補正する安定化処理手段を備えた同期電動機のV/f制御装置において、
    前記安定化処理手段で補正した周波数指令値と、前記直流平均電流と、インバータの直流電圧と、同期電動機定数をパラメータとして、同期電動機の力率が1になるようインバータの電圧指令瞬時値Vmを制御するf/V変換器を備えたことを特徴とする同期電動機のV/f制御装置。
  3. 前記f/V変換器は、
    Figure 0005034888
    φ0:1相あたりの永久磁石による電機子鎖交磁束の最大値、ω:電気角周波数、L:同期電動機の巻線インダクタンス値、Vdc:インバータの直流電圧、Idc:インバータの直流平均電流
    から前記電圧指令瞬時値Vmを求めることを特徴とする請求項1または2に記載の同期電動機のV/f制御装置。
  4. 前記f/V変換器は、
    Figure 0005034888
    φ0:1相あたりの永久磁石による電機子鎖交磁束の最大値、ω:電気角周波数、r:同期電動機の巻線抵抗、L:同期電動機の巻線インダクタンス値、Vdc:インバータの直流電圧、Idc:インバータの直流平均電流
    から前記電圧指令瞬時値Vmを求めることを特徴とする請求項1または2に記載の同期電動機のV/f制御装置。
  5. 前記f/V変換器は、
    Figure 0005034888
    φ0’:1相あたりの永久磁石による電機子鎖交磁束を温度補正した磁束の最大値、ω:電気角周波数、r’:同期電動機の巻線抵抗を温度補正した抵抗、L:同期電動機の巻線インダクタンス値、Vdc:インバータの直流電圧、Idc:インバータの直流平均電流
    から前記電圧指令瞬時値Vmを求めることを特徴とする請求項1または2に記載の同期電動機のV/f制御装置。
  6. 前記安定化処理手段は、周波数指令値ω*が高くなるほど前記補正値Δωを低くするゲインKiにしたことを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の同期電動機のV/f制御装置。
  7. 前記安定化処理手段は、前記トルク脈動推定値から直流に近い成分をカットした脈動成分を抽出して周波数指令値ω*の補正値を得ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の同期電動機のV/f制御装置。
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