JP5034694B2 - 音像定位処理装置 - Google Patents

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本発明は、音像定位処理装置に関し、特に定位感を明瞭化し、定位位置の誤認識発生を抑制できる音像定位処理装置に関する。
任意の位置に音像を定位させるための処理として、頭部伝達関数(HRTF:Head Related Transfer Function)を音源信号に畳み込む処理(音像定位処理)が知られている(例えば特許文献1参照。)。頭部伝達関数は、音源位置から耳に至るまでの音の伝達特性を表す関数であり、音源位置によって異なるものである。
ヘッドフォンを用いる場合について説明すると、ある位置Aに音像を定位させたい場合、位置Aを音源位置とする頭部伝達関数を音源信号に畳み込めば、位置Aに音像を定位させることができる。
図4は、音像定位処理を行うための具体的な回路構成の例を示す図である。同図に示す音像定位フィルタは、頭部伝達関数を音源信号に畳み込む処理を行うフィルタである。音像定位処理を行う場合、入力される2チャンネルの音源信号に対してこの音像定位フィルタを左チャンネル用及び右チャンネル用それぞれに設置し、左チャンネル用に設置した音像定位フィルタでは、位置Aから左の耳までの頭部伝達関数を畳み込む。また、右チャンネル用に設置した音像定位フィルタでは、位置Aから右の耳までの頭部伝達関数を畳み込む。音像定位処理は、以上のようにして行われる。
ところで、頭部伝達関数は、受聴者の頭部形状、音源の種類、再生環境などによって本来異なるものであるが、一般的な環境では、これらに応じて頭部伝達関数を変えられない場合が多い。結果として、側方や後方の定位感が不明瞭となったり、定位位置の誤認識が発生することがある。これは、従来から認識されている音像定位処理の課題である。
特許文献2及び3には、それぞれ上記課題を解決するための技術が開示されている。特許文献2の技術では、左右のチャンネル間に時間遅延差と強度差を導入している。時間遅延差と強度差の値は、定位させたい位置によって決定される。特許文献3の技術では、音像定位処理された主音に、斜め方向からの間接音(反射音または残響音)を付加して再生している。この間接音は、主音の定位位置によって異なるものである。
特開2000−236598号公報 特表2001−511995号公報 特開平7−212897号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の技術には、時間遅延差や強度差をつけるための演算が必要であるため演算量が増し、メモリ使用量も増加するという問題がある。また、上記特許文献3に記載の技術にも、間接音を生成するための演算が必要であるため演算量が増し、メモリ使用量も増加するという問題がある。
従って、本発明の目的の一つは、演算量やメモリ使用量の増大を抑えつつ、側方や後方の定位感を明瞭化し、定位位置の誤認識発生を抑制できる音像定位処理装置を提供することにある。
上記課題を解決するための本発明にかかる音像定位処理装置は、複数チャンネルの音源信号に対して音源定位処理を行う音像定位処理装置であって、前記複数チャンネルの音源信号の入力を受け付け、各チャンネルごとに、該音源信号を所定の音像定位位置に定位させるための音像定位処理を施して音像定位信号を出力する音像定位手段と、前記音像定位手段から出力される音像定位信号のうち前記音像定位位置側の少なくとも1つのチャンネルの音像定位信号に、前記音源信号を加算して出力する加算手段と、を含むことを特徴とする。
これによれば、音像定位処理を施す前の音源信号を音像定位位置側のチャンネル出力信号に加算しているので、音像定位位置側のチャンネル出力信号が安定し、側方や後方の定位感が明瞭化される。また、定位位置の前後の誤認識発生も抑制できる。さらに、加算するだけでこれらの効果が得られ、演算量やメモリ使用量の増大が抑えられている。
記音像定位処理装置において、前記加算手段は、前記音像定位位置が受聴者の後方である場合に、前記加算を行う。
また、上記音像定位処理装置において、前記音像定位手段は、前記加算手段により前記音源信号が加算されるチャンネルに、最小位相化された音像定位フィルタを含んで構成されるとともに、前記加算手段により前記音源信号が加算されないチャンネルに、遅延器と、最小位相化された音像定位フィルタと、を含んで構成される、こととしてもよい。
これによれば、チャンネルの出力信号の位相と、加算される音源信号の位相と、を概ね揃えることができる。また、遅延器を設けたことにより、最小位相化されたフィルタを用いる場合であっても両耳間の位相差を保持できる。
また、本発明の一側面にかかる音像定位処理装置は、左チャンネルと右チャンネルとを備える音像定位処理装置であって、音源信号の入力を受け付け、該音源信号を所定の音像定位位置に定位させるための音像定位処理を施し、左チャンネル用の信号を出力する左チャンネル用音像定位手段と、前記左チャンネル用音像定位手段の出力信号に前記音源信号を加算して出力する左チャンネル用加算手段と、前記音源信号の入力を受け付け、該音源信号を前記音像定位位置に定位させるための音像定位処理を施し、右チャンネル用の信号を出力する右チャンネル用音像定位手段と、前記右チャンネル音像定位手段の出力信号に前記音源信号を加算して出力する右チャンネル用加算手段と、前記音像定位位置が受聴者の左耳側である場合に前記左チャンネル用加算手段に前記音源信号を出力し、前記音像定位位置が受聴者の右耳側である場合に前記右チャンネル用加算手段に前記音源信号を出力する制御手段と、を含むことを特徴とする。
これによれば、各チャンネル用加算手段への選択的な音源信号の出力を、音像定位位置と受聴者の位置関係に応じて行うことができる。
また、上記音像定位処理装置において、前記制御手段は、前記音像定位位置と受聴者間の距離の入力を受け付け、受け付けた距離に応じて、前記左チャンネル用加算手段又は前記右チャンネル用加算手段に出力する前記音源信号を増幅するための増幅手段のゲインを制御する、こととしてもよい。
これによれば、増幅手段のゲイン制御を、音像定位位置と受聴者間の距離に応じて行うことができる。
本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態にかかる音像定位処理装置1aのシステム構成を示す図である。同図に示すように、音像定位処理装置1aは左(L)チャンネルと右(R)チャンネルの音源信号を処理するための構成を備えており、左チャンネルの音源信号処理用に音像定位フィルタ10L、加算部20、及びヘッドフォン用スピーカー30Lを備え、右チャンネルの音源信号処理用に遅延器5、音像定位フィルタ10R、及びヘッドフォン用スピーカー30Rを備えている。
遅延器5、音像定位フィルタ10L、及び10Rは、音源装置(不図示)から各チャンネルの音源信号の入力を受け付け、各チャンネルごとに、該音源信号を所定の音像定位位置に定位させるための音像定位処理を施して音像定位信号を出力する音像定位手段として機能する。なお、本実施形態では、上記音像定位位置が受聴者頭部の左耳側(受聴者が前を向いている場合には受聴者の左側に同じ。)に固定されている。
具体的には、左チャンネルにおいては、音像定位フィルタ10Lは、音源装置から音源信号を受け付け、上記音像定位位置から左耳までの頭部伝達関数を畳み込む。右チャンネルにおいては、まず遅延器5が、音源装置から音源信号を受け付け、音像定位位置によって決まる量の遅延を与えて、音像定位フィルタ10Rに出力する。音像定位フィルタ10Rは、遅延器5から入力された音源信号に上記音像定位位置から右耳までの頭部伝達関数を畳み込む。
ここで、頭部伝達関数及び音像定位処理について詳しく説明しておく。受聴者頭部を中心とする半径rの球面上の位置(r,θ,φ)から左耳までの頭部伝達関数hrθφL(t)は、位置(r,θ,φ)からインパルス音を放出し、左耳の中に設置されたマイクロフォンで集音したインパルス応答である。右耳までの頭部伝達関数hrθφR(t)についても同様である。
音像定位フィルタ10L及び10Rは、音源信号g(t)の入力を受け付けると、式(1)により畳み込み積分WrθφL(t)及びWrθφR(t)をそれぞれ算出し、それぞれ信号WrθφL(t)及びWrθφR(t)を出力する(音像定位処理)。
Figure 0005034694
ここで、hrθφLm(t)及びhrθφRm(t)は、それぞれhrθφL(t)及びhrθφR(t)を最小位相化したものである。すなわち、音像定位フィルタ10L及び10Rは、最小位相化された頭部伝達関数を用いて上記式(1)の計算を行っている。このように最小位相化された頭部伝達関数を用いる音像定位フィルタ10L及び10Rを、最小位相化されたフィルタという。なお、音像定位フィルタ10L及び10Rは、デジタルフィルタ処理により、それぞれWrθφL(t)及びWrθφR(t)を出力してもよい。
最小位相化は、音像定位フィルタ10L及び10Rの出力信号の遅延を最小とするための処理である。本実施の形態では特に、音像定位フィルタ10Lの最小位相化によって、音像定位フィルタ10Lからの出力信号の位相と、該出力信号に加算される音源信号の位相と、のずれが小さくなっており、それによって加算部20における加算時にそれぞれの信号が打ち消しあってしまうおそれが少なくなっている。
ところで、頭部伝達関数が最小位相化されていることにより左右の出力信号間での位相ずれも最小化されることになるが、音像定位位置によっては、左右の出力信号間での位相差が必要になることがある。このため、最小位相化されたフィルタを用いる場合、音像定位位置によっては、音像定位位置側の出力信号の位相を、音像定位位置側でない側の出力信号の位相に比べて進ませることが必要になる。遅延器5は、音像定位位置側でない側(ここでは右チャンネル)の音源信号を音像定位位置に応じた遅延量(以下、最小位相化に基づく遅延量という。)だけ遅延させることにより、このような位相ずれを実現する。
なお、最小位相化に基づく遅延量の具体的な値は次の通りである。すなわち、左耳までの頭部伝達関数hrθφL(t)の持つ遅延時間と、右耳までの頭部伝達関数hrθφR(t)の持つ遅延時間と、の差が、最小位相化に基づく遅延量となる。より具体的には、各頭部伝達関数に基づいて求められる音像定位位置から各耳へのインパルス応答のピーク位置の左右差が、最小位相化に基づく遅延量となる。
さて、加算部20は、音像定位フィルタ10Lの出力信号(左チャンネル出力信号)及び音像定位フィルタ10Rの出力信号(右チャンネル出力信号)のうち、上記音像定位位置側のチャンネル出力信号に、音源定位フィルタを介さずに音源信号を加算して信号を出力する加算手段として機能する。本実施形態では音像定位位置が受聴者頭部の左耳側にあるため、加算部20は左チャンネルに備えられており、音像定位フィルタ10Lの出力信号WrθφL(t)に音源信号g(t)(音像定位フィルタ10Lを通過する前の音源信号)を加算し、信号WrθφL(t)+g(t)を出力する。
ヘッドフォン用スピーカー30Lは、加算部20から出力される信号WrθφL(t)+g(t)を音波に変換して出力する。また、ヘッドフォン用スピーカー30Rは、音像定位フィルタ10Rから出力される信号WrθφR(t)を音波に変換して出力する。
以上説明したように、音像定位処理装置1aは、左チャンネル出力信号又は右チャンネル出力信号のうち、音像定位位置側のチャンネル出力信号に、音像定位処理を施す前の音源信号を加算している。ここで、音像定位処理を施す前の音源信号は耳のすぐ脇に定位する性質があるため、上記のようにすることにより音像定位位置側のチャンネル出力信号が安定し、側方や後方の定位感が明瞭化される。また、定位位置の前後の誤認識発生も抑制できる。さらに、加算するだけでこれらの効果が得られるため、演算量やメモリ使用量の増大が抑えられている。
なお、本実施形態では、音像定位位置が受聴者頭部の左耳側に固定されている例について説明したが、音像定位位置を受聴者頭部の左耳側又は右耳側の任意の位置とすることができるよう、遅延器5及び加算部20を左右チャンネルにそれぞれ設置し、音源信号の入力先加算部20を音源定位位置に応じて適宜切り替えるとともに、音源信号を入力する加算部20の側(音像定位位置側)のチャンネルの遅延器5の遅延量を0、その反対側のチャンネルの遅延器5の遅延量を左右の頭部伝達関数に応じて決まる両耳間遅延量、としてもよい。
[第2実施形態]
図2は、本発明の第2実施形態にかかる音像定位処理装置1bのシステム構成を示す図である。なお、同図においては、音像定位処理装置1aと同一の構成要素については、図1と同一の符号を付している。
図2に示すように、音像定位処理装置1bは左チャンネルと右チャンネルとを備えており、左チャンネルの音源信号処理用に遅延器5L、音像定位フィルタ10L(左チャンネル用音像定位手段)、加算部20L(左チャンネル用加算手段)、スピーカー31L、及び増幅部40Lを備え、右チャンネルの音源信号処理用に遅延器5R、音像定位フィルタ10R(右チャンネル用音像定位手段)、加算部20R(右チャンネル用加算手段)、スピーカー31R、及び増幅部40Rを備えている。また、音像定位処理装置1bはさらに、クロストークキャンセラ50及び制御部60も備えている。
なお、音像定位処理装置1aと音像定位処理装置1bとは、音像定位処理装置1aがヘッドフォン用スピーカー30L及び30Rを用いているのに対し、音像定位処理装置1bが例えばリビングルーム等に設置される一般のスピーカー31L及び31Rを用いている、という点で異なっている。この相違により、音像定位処理装置1bでは、チャンネル間干渉を打ち消す必要がある。クロストークキャンセラ50はこのために設けられているもので、左チャンネルと右チャンネルの間でのチャンネル間干渉を打ち消すための処理を行っている。
さて、音像定位処理装置1aと音像定位処理装置1bとは、音像定位処理装置1aでは音像定位位置が受聴者頭部の左耳側に固定されていたが、音像定位処理装置1bでは音像定位位置を左耳側・右耳側のいずれにも切り替えることができるという点でも異なっている。以下、この相違点を中心に、音像定位処理装置1bについて詳細に説明する。
制御部60は、まず、音像定位位置を決定する。この決定は、ユーザ入力に基づいて行うことが好適である。ここで、増幅部40L及び40Rは、いずれもゲイン可変な増幅手段である。制御部60は、この増幅部40L及び40Rとともに、決定した音像定位位置が受聴者の左耳側である場合に加算部20Lに音源信号を出力し、決定した音像定位位置が受聴者の右耳側である場合に加算部20Rに音源信号を出力する制御手段として機能する。
具体的な例を挙げて説明する。決定した音像定位位置が受聴者の左耳側である場合、制御部60は、増幅部40Lのゲインを1とし、増幅部40Rのゲインを0とする。これにより、加算部20Lの出力信号は音像定位フィルタ10Lの出力信号と音源信号とが加算されたものとなり、加算部20Rの出力信号は音像定位フィルタ10Rの出力信号そのものとなる。この結果は、第1実施形態で説明した音像定位処理装置1aの処理結果と同じものである。
一方、決定した音像定位位置が受聴者の右耳側である場合、制御部60は、増幅部40Lのゲインを0とし、増幅部40Rのゲインを1とする。これにより、加算部20Lの出力信号は音像定位フィルタ10Lの出力信号そのものとなり、加算部20Rの出力信号は音像定位フィルタ10Rの出力信号と音源信号とが加算されたものとなる。この結果は、第1実施形態で説明した音像定位処理装置1aにおいて、加算部20を右チャンネル側に移したと仮定した場合の処理結果と同じものである。
制御部60は、以上のようにして音源信号の加算部20L又は加算部20Rへの出力を行うが、さらに、音像定位位置と受聴者間の距離に応じて、加算部20L又は加算部20Rに出力する音源信号を増幅するための増幅手段(増幅部40L又は40Rのうち、上述の処理によってゲインを0としていない方。)のゲインを制御する処理も行う。具体的には、制御部60は、上記増幅手段のゲインを、上記距離が長いほど0に近くなるよう0〜1の間で制御する。
なお、制御部60は、音像定位位置と受聴者間の距離の入力を受け付け、受け付けた距離に応じて、上記ゲイン制御を行う。この入力は、ユーザによる入力とすることが好適である。
また、制御部60は、決定した音像定位位置に基づいて決まる頭部伝達関数hrθφL(t)の持つ遅延時間と、同じく頭部伝達関数hrθφR(t)の持つ遅延時間と、の差を算出し、最小位相化に基づく遅延量とする。そして、算出した遅延量を、遅延器5L及び5Rのうち音像定位位置側ではない方の遅延器に設定するとともに、音像定位位置側の遅延器に遅延量0を設定する。遅延器5L及び5Rは、入力された音源信号を設定された遅延量だけ遅延させ、対応する音源定位フィルタに出力する。
以上説明したように、音像定位処理装置1bによれば、各加算部20への選択的な音源信号の出力を、音像定位位置と受聴者の位置関係に応じて行うことができる。また、増幅部40L又は40Rのゲイン制御を、音像定位位置と受聴者間の距離に応じて行うことができる。
ここで、音像定位処理装置1bを用いて実験を行った際に得られた効果について説明する。図3は、この実験の概略を説明するための図である。同図に示すように、この実験は、受聴者の耳を含む水平面上における受聴者正面からの角度θ=120°,135°,150°の3点(すなわち、受聴者の斜め後方)をそれぞれ上記音像定位位置としてスピーカから音声出力し、8名の受聴者が実際に聴いて確認するという方法により行ったものである。実験の結果、受聴者8名中8名とも、上記3点いずれについても、音像定位位置側のチャンネル出力信号が安定し、側方や後方の定位感が明瞭化され、さらに、定位位置の左右の誤認識発生が抑制されるという効果が得られた、と答えた。この実験の結果から、少なくとも120°≦θ≦150°の範囲において、音像定位処理装置1aの効果が得られることが明らかである。
以上本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるものではなく、本発明は、その要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施され得ることは勿論である。
例えば、上記各実施の形態では、左チャンネルと右チャンネルを1つずつ備える例について説明したが、本発明は、左チャンネルと右チャンネルを複数ずつ備える場合にも適用可能である。例えば5.1chサラウンドでは、左前方チャンネル及び左後方チャンネルが左チャンネルに相当し、右前方チャンネル及び右後方チャンネルが右チャンネルに相当する。この場合、音像定位位置側のチャンネル出力信号が複数あることになるが、そのうち音像定位位置側の出力信号全部に音源信号を加算して出力することとしてもよいし、一部のみ(例えば左後方チャンネルのみ)に音源信号を加算して出力することとしてもよい。
また、上記各実施の形態では、各チャンネルの出力信号をスピーカーから出力し、直接受聴者が聴くことができるよう構成した例について説明したが、各チャンネルの出力信号を記録メディアに記録し、後に再生装置によって再生される際、記録メディアから読み出される各チャンネルの出力信号をスピーカーから出力することとしてもよい。
本発明の第1実施形態にかかる音像定位処理装置のシステム構成を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる音像定位処理装置のシステム構成を示す図である。 本発明の第2実施形態にかかる音像定位処理装置を用いて実験を行った際に得られた効果について説明するための説明図である。 本発明の背景技術にかかる音像定位処理を行うための具体的な回路構成の例を示す図である。
符号の説明
1a,1b 音像定位処理装置、5,5L,5R 遅延器、10,10L,10R 音像定位フィルタ、20,20L,20R 加算部、30L,30R ヘッドフォン用スピーカー、31L,31R スピーカー、40L,40R 増幅部、50 クロストークキャンセラ、60 制御部。

Claims (4)

  1. 複数チャンネルの音源信号に対して音像定位処理を行う音像定位処理装置であって、
    前記複数チャンネルの音源信号の入力を受け付け、各チャンネルごとに、該音源信号を所定の音像定位位置に定位させるための音像定位処理を施して音像定位信号を出力する音像定位手段と、
    前記音像定位位置が受聴者の後方である場合、前記音像定位手段から出力される音像定位信号のうち前記音像定位位置側の少なくとも1つのチャンネルの音像定位信号に、前記音源信号を加算して出力する加算手段と、
    を含むことを特徴とする音像定位処理装置。
  2. 請求項1に記載の音像定位処理装置において、
    前記音像定位手段は、前記加算手段により前記音源信号が加算されるチャンネルに、最小位相化された音像定位フィルタを含んで構成されるとともに、前記加算手段により前記音源信号が加算されないチャンネルに、遅延器と、最小位相化された音像定位フィルタと、を含んで構成される、
    ことを特徴とする音像定位処理装置。
  3. 左チャンネルと右チャンネルとを備える音像定位処理装置であって、
    音源信号の入力を受け付け、該音源信号を所定の音像定位位置に定位させるための音像定位処理を施し、左チャンネル用の信号を出力する左チャンネル用音像定位手段と、
    前記左チャンネル用音像定位手段の出力信号に前記音源信号を加算して出力する左チャンネル用加算手段と、
    前記音源信号の入力を受け付け、該音源信号を前記音像定位位置に定位させるための音像定位処理を施し、右チャンネル用の信号を出力する右チャンネル用音像定位手段と、
    前記右チャンネル用音像定位手段の出力信号に前記音源信号を加算して出力する右チャンネル用加算手段と、
    前記音像定位位置が受聴者の左耳側である場合に前記左チャンネル用加算手段に前記音源信号を出力し、前記音像定位位置が受聴者の右耳側である場合に前記右チャンネル用加算手段に前記音源信号を出力する制御手段と、
    を含むことを特徴とする音像定位処理装置。
  4. 請求項に記載の音像定位処理装置において、
    前記制御手段は、前記音像定位位置と受聴者間の距離の入力を受け付け、受け付けた距離に応じて、前記左チャンネル用加算手段又は前記右チャンネル用加算手段に出力する前記音源信号を増幅するための増幅手段のゲインを制御する、
    ことを特徴とする音像定位処理装置。
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