JP5029313B2 - ポリカプロアミド樹脂複合微粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリカプロアミド樹脂複合微粒子に関し、さらに詳しくは化粧品の原料として使用したときに接触感覚を向上させ、紫外線カットの性能を付与しうるポリカプロアミド樹脂複合微粒子に関する。
ポリアミド(ナイロン)樹脂から構成される微粒子は、皮膚との滑り性が良好であるため、以前より各種化粧品の原料として使用されており、その製造方法についても種々の検討がなされている。
例えば、特許文献1には、ラウリルラクタムを流動パラフィン中に加熱溶解し、アルカリ性触媒、助触媒などを加えて加熱攪拌することにより、重合させながらポリラウロラクタム(ナイロン12)の微粒子を得る方法が記載されている。しかし、この方法によって得られるナイロン12の微粒子は、表面が非常に平滑であって、吸油量が少ないため、化粧品の原料として十分な性能が得られない。また、この方法では、表面を多孔質にするといった表面形態の制御は不可能である。仮に重合反応の条件を調整してナイロン12の微粒子の表面を多孔質にしようとすると、粒径が大きくなったり、粒子同士が融着するなど均一な粒子径の微粒子が得られない。
また、特許文献2には、ラウリルラクタムをキシレン中で反応させることにより、ナイロン12の粉末を得る方法が記載されている。しかし、この方法によって得られる微粒子は、表面が平滑であって、表面を多孔質にするといった表面形態の制御は不可能である。仮に重合反応条件を調整して多孔質のナイロン微粒子を製造しようとすると、粒径が大きくなったり、粒子同士が融着するなど均一な微粒子が得られない。
これらの方法は重合反応と同時に粒子化する方法であるが、いったん重合したポリアミド樹脂を用いて微粒子を製造する方法も知られている。例えば、特許文献3には、合成線状ポリアミド樹脂を高温で溶剤に溶解した後、その溶液を冷却することによりポリアミド樹脂の微粒子を沈澱させる方法が記載されている。具体例としては、ポリヘキサメチレンアジパミド(ナイロン66)やポリヘキサメチレンセバカミド(ナイロン610)をグリコール系溶剤に溶解した後、冷却することによって微粒子を得る方法が記載されている。この方法によりポリカプロアミド(ナイロン6)の微粒子を得ることが示唆されているが、粒子径の揃った真球状の多孔質粒子が得られるとの記載はなく、粒子径や表面形態を制御することの可能性や条件についての記載は全く示されていない。
また、特許文献4には、非晶ナイロン樹脂をエチレングリコールとモルホリンまたはジメチルアセトアミドとの混合溶剤に溶解した後、冷却することにより非晶ナイロン樹脂の微粒子を製造する方法が記載されている。この方法で得られる粒子は、非晶ナイロンの微粒子であり、ナイロン6樹脂の微粒子の製造について、粒子径の揃った真球状の多孔質粒子が得られるとの記載はなく、粒子径や表面形態を制御することの可能性や条件についての記載は全く示されていない。
特許文献5には、表面が滑らかなナイロン12樹脂からなる微粒子を化粧品に使用することが記載されている。
さらに、微粒子の表面に別の微粒子を固着させて表面を改質する方法も知られている。例えば、特許文献6には、衝撃式打撃手段を用いて固体粒子の表面に他の固体粒子を固着し、該固体粒子を軟化・溶融させて固定化することで複合粒子を製造する方法が記載されている。具体的にはナイロン12粒子の表面にポリメチルメタクリレート粒子を固着した複合粒子が記載されているが、この方法では表面に固着した粒子がそのままの形で残っているため、得られた複合粒子の表面が滑らかではなく、凹凸の多いものしか得られない。従って他の粒子による改質効果が不十分である。
特許文献7には、衝撃式打撃手段を用いて固体粒子の表面に他の固体粒子を埋設または固着させることで複合粒子を製造する方法が記載されている。具体的にはナイロン12粒子の表面に二酸化チタン粒子を埋設した複合粒子が記載されているが、ナイロン12粒子の平滑な表面に二酸化チタン粒子を埋設するため、表面を二酸化チタンで被覆しようとすると多量の二酸化チタンが必要であり、しかもナイロン12粒子の表面を完全に二酸化チタンで改質することはできず、紫外線カットの性能を十分に付与させることができなかった。
また、特許文献8には、表面に凹凸や孔、溝を持つ固体粒子の凹部に他の固体粒子を埋め込み、衝撃式手段を用いて該固体粒子を軟化、溶融、変形させて他の固体粒子を包み込んだ状態とすることで複合粒子を製造する方法が記載されている。具体的にはナイロン6粒子の多孔質の表面にアセチレンブラックを包みこみ、更にその上をナイロン6で被覆した複合粒子が記載されている。しかし、いったん多孔質のナイロン6粒子の表面にアセチレンブラックを付着させた後、衝撃によって熱エネルギーを与えることで表面をナイロン6で被覆するため、得られた複合粒子の表面は平滑なナイロン6になっており、ナイロン6の多孔質な表面の利点が生かされていない。単に多孔質のナイロン6粒子の表面を平滑化しただけであり、わざわざ複合化する意味がほとんどない。
したがって、ポリアミド樹脂からなる微粒子の表面に他の微粒子を被覆した複合微粒子として、粒子径が揃い、かつ多孔質に形成され吸油量が大きい複合微粒子が得られていないため、化粧品の原料として使用したときに、必ずしも接触感覚が十分でないという問題があった。
特公昭45−29832号公報 特公昭48−2949号公報 米国特許第2639278号明細書 特開平5−32795号公報 特開平9−263523号公報 特開昭62−140636号公報 特開昭62−83029号公報 特開昭62−298443号公報
本発明の目的は、粒子径が揃い、かつ吸油量が多い複合微粒子であって、化粧品の原料として使用したときに接触感覚を向上させると共に、紫外線カットの性能を付与しうるポリカプロアミド樹脂複合微粒子を提供することにある。
上記目的を達成する本発明のポリカプロアミド樹脂複合微粒子は、ポリカプロアミド樹脂からなる相対粘度が1.70〜2.35、平均粒子径が5〜20μm、吸油量が100〜200mL/100gである微粒子の表面を、金属酸化物の微粒子で被覆した複合微粒子であって、該複合微粒子の平均粒子径が5〜20μm、吸油量が70〜200mL/100gであることを特徴とする。
本発明のポリカプロアミド樹脂複合微粒子は、粒子表面が多孔質であるポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面を、金属酸化物の微粒子で被覆して構成し、複合微粒子の平均粒子径を5〜20μmに揃え、吸油量も70〜200mL/100gと大きい。このため、このポリカプロアミド樹脂複合微粒子は、化粧品の原料として使用したときに、従来の化粧品用微粒子に比べ、皮膚との接触感覚を向上させることができると共に、被覆する微粒子により紫外線カットの性能を付与させることができる。
本発明のポリカプロアミド樹脂複合微粒子は、ポリカプロアミド樹脂からなる微粒子をベースとし、その表面に金属酸化物の微粒子(以下、「他の微粒子」と言うことがある。)を被覆した複合微粒子である。
ポリカプロアミド樹脂複合微粒子の平均粒子径は、化粧品の原材料として使用するときの皮膚との接触感覚の観点から5〜20μmの範囲にあり、好ましくは5〜17μmであり、より好ましくは5〜15μmの範囲にあるとよい。複合微粒子の平均粒子径が、この範囲内にあると化粧品の原料として使用したときに優れた接触感触が得られる。なお、本発明において、微粒子の平均粒子径とは、レーザー回折・散乱法による50%メジアン径のことを言う。
また、本発明のポリカプロアミド樹脂複合微粒子は、吸油量が70〜200mL/100gの範囲にあり、好ましくは70〜180mL/100gであり、より好ましくは75〜170mL/100gの範囲にあるとよい。複合微粒子の吸油量が、この範囲内にあることにより化粧品原料として用いたときに適当に化粧品に含まれる油性成分、場合によっては水性成分を吸収することができ、これによって皮膚感覚にすぐれた化粧品を得ることができる。
なお、本発明において、微粒子の吸油量とは、JIS K5101−13−1に準拠し、温度23℃、相対湿度50%の環境下、微粒子約1gを精秤したものを試料として、アマニ油を少しずつ滴下して練り合わせた後、パテ状の塊から最後の1滴で螺旋状に巻くことができるようになった状態の時を終点とし、下記の式(2)に基づいて計算される値のことを言う。
=100V/m (2)
ここで、Oは吸油量(mL/100g)、Vは滴下したアマニ油の容量(mL)、mは試料の質量(g)を表す。
本発明のポリカプロアミド樹脂複合粒子の特長は、ポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面を被覆する他の微粒子の特性によって変化するため多種多様である。他の微粒子としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化鉄、酸化銅、酸化ケイ素(シリカ)、酸化錫などの金属酸化物の微粒子にする。得られる複合粒子の表面性、機能性、複合化の容易さなどを勘案すると、他の微粒子は金属酸化物にする。また、金属酸化物のなかでも、酸化チタン、酸化亜鉛が好ましく、とりわけ酸化チタンが好ましい。
酸化チタンの粒子は、非常に微細であるために化粧品に配合しても化粧品の皮膚との接触感覚を改良することができなかったり、より大きな粒子にすると表面の平滑性が悪く、化粧品の皮膚との接触感覚が低下することがある。しかし、酸化チタンをポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面に被覆することにより、得られたポリカプロアミド樹脂複合微粒子は表面が滑らかであり、従来の酸化チタンでは発現しえなかった皮膚との接触感覚を発現することができる。また、酸化チタンの微粒子をポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面に被覆することにより紫外線カットの性能を付与させることができる。
酸化チタンの具体例としては、堺化学工業(株)のSTR−100C、テイカ株式会社(株)のMT−01、MT−05、MT−100TV、MT−100Z、MT−100ZR、MT150W、MT−100AQ、MT−100SA、MT−500H、MT−500T、MT−500B、MT−500SA、MT−02、MT−03、MT−04、MT−100SAS、MT−100SAK、SMT−100SAS、SMT−100SAM、MT−500SAS、MT−500SAK、SMT−500SAS、SMT−500SAM、MTY−02、MPY−100M、JR−800S、石原産業(株)のTTO−55(A)、TTO−55(B)、TTO−55(C)、TTO−55(D)、TTO−55(S)、TTO−55(N)、TTO−51(A)、TTO−51(C)、TTO−S−1、TTO−S−2、TTO−S−3、TTO−S−4、TTO−S−6、TTO−V−3、TTO−V−4、TTO−D−1、TTO−D−2、TTO−F−1、TTO−F−2、TTO−F−6、TTO−F−11などが挙げられる。
本発明において、他の微粒子の大きさは、特に制限されるものではないが、ポリカプロアミド樹脂の微粒子の多孔質表面を被覆する関係上、小さい方が好ましい。他の微粒子の大きさは、被覆されるポリカプロアミド樹脂の微粒子の大きさにも依存するが、通常は平均粒子径で3μm以下、好ましくは1μm以下、更に好ましくは0.01〜0.5μmであるとよい。
また、他の微粒子の形状は、特に制限されるものではなく、球状、四角錘状、直方体状、鱗片状、星型など、得られる複合粒子に期待する特性に応じて選択することができる。特に、複合粒子の表面の滑らかさを求められる場合には、他の微粒子の形状は球状または鱗片状が好ましい。
本発明において、他の微粒子の使用量には特に制限がなく、ポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面被覆量を多くしたい場合には多量に使用し、表面被覆量を少なくしたい場合には少量使用すればよい。一般にはポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面を他の微粒子で均一に被覆すればよいので、ポリカプロアミド樹脂の微粒子100重量部に対して好ましくは3〜80重量部、より好ましくは5〜60重量部、更に好ましくは10〜50重量部にするとよい。
また、他の微粒子を被覆することにより紫外線カットの性能を付与させるときは、他の微粒子をポリカプロアミド樹脂の微粒子100重量部に対して好ましくは5〜120重量部、より好ましくは10〜100重量部にするとよい。
本発明のポリカプロアミド樹脂複合微粒子のベースとなるポリカプロアミド樹脂の微粒子は、形状が真球状で、粒子径が揃い、粒子表面が多孔質の微粒子であることが好ましい。
本発明に使用するポリカプロアミド樹脂の微粒子の相対粘度は、1.70〜2.35であり、好ましくは1.80〜2.30であるとよい。相対粘度が1.70より低い場合、および2.35より高い場合には、ポリカプロアミド樹脂の微粒子の多孔質性や真球性、粒径の均一性が損なわれ、この微粒子を用いて複合微粒子を製造すると形状や粒径が均一の複合微粒子が得られないことがある。なお、ポリカプロアミド樹脂の微粒子の相対粘度とは、98%硫酸100mLにポリカプロアミド樹脂の微粒子1gを溶解した溶液を用い、25℃でウベローデ粘度計によって測定した値のことを言う。
また、本発明で使用するポリカプロアミド樹脂の微粒子の吸油量は、100〜200mL/100gの範囲にあり、好ましくは120〜180mL/100gの範囲にあるとよい。ポリカプロアミド樹脂の微粒子の吸油量がこの範囲からはずれると、複合化したときに他の微粒子による表面被覆性が悪くなり、化粧品原料として使用した時の感触が低減し、製品としての使用に耐えないことがある。ここでいう吸油量とは、ポリカプロアミド樹脂の微粒子を試料とし前述した方法により求められた値である。
本発明で使用するポリカプロアミド樹脂の微粒子の平均粒子径は、他の微粒子と複合化して化粧品材料として使用する時の皮膚との接触感覚の観点から5〜20μmの範囲にする。この範囲からはずれると化粧品原料として使用した時の感触が低下する。より好ましい平均粒子径は5〜17μmであり、更に好ましくは5〜15μmの範囲にするとよい。
本発明において、ポリカプロアミド樹脂の微粒子の原料として用いられるポリカプロアミド樹脂は、ε−カプララクタムを水存在下で加熱するか、アミノカプロン酸を重縮合することによって得られるポリアミド樹脂、すなわちナイロン6樹脂である。その構成単位は下記の化学式(I)で示される。
−(CHCONH− (I)
なお、ポリカプロアミド樹脂の微粒子の原料とするポリカプロアミド樹脂は、全構造単位に占めるモル%が5モル%以下であれば、上記化学式(I)以外のポリアミド単位を含んでもかまわない。具体例として、ウンデカラクタム、ドデカラクタムなどのε−カプロラクタム以外のラクタムから得られるポリアミド単位、2−アミノ酢酸、3−アミノプロピオン酸、4−アミノブタン酸、5−アミノペンタン酸、7−アミノヘプタン酸、8−アミノオクタン酸、9−アミノノナン酸、10−アミノデカン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸などのアミノ酸から得られるポリアミド単位、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、2−メチル−1,5−ジミノペンタン、3−メチル−1,5−ジミノペンタン、ヘキサメチレンジアミン、ヘプタメチレンジアミン、オクタメチレンジアミン、ノナメチレンジアミデカメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、o−キシリレンジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサン、1,3−ジアミノシクロヘキサン、1,4−ジアミノシクロヘキサンなどのジアミンとコハク酸、グルタール酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、1,7−ヘプタンジカルボン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸などのジカルボン酸から得られるポリアミド単位、あるいはこれらのポリアミド単位の任意の組み合わせが挙げられる。
本発明において、ポリカプロアミド樹脂の微粒子の原料として用いるポリカプロアミド樹脂の末端基濃度は、特に制限されるものではないが、末端アミノ基濃度[NH](mol/g)と末端カルボキシル基濃度[COOH](mol/g)との関係が、下記の式(1)を満足することが好ましい。
[NH]+2.0×10−5 < [COOH] (1)
末端基濃度の関係が、上記式(1)の範囲からはずれるとポリカプロアミド樹脂の微粒子の粒径が不均一になる傾向及び吸油量が低下する傾向を示し、複合微粒子にして化粧品原料として使用した時の感触が低下傾向を示す。また、ポリカプロアミド樹脂の末端基濃度の関係は、より好ましくは、下記の式(3)を満足するとよい。
[NH]+2.5×10−5 < [COOH] (3)
本発明において、末端アミノ基濃度[NH](mol/g)とは、ポリカプロアミド樹脂のサンプル約1gを精秤し、フェノール/エタノール混合溶媒(フェノール濃度83.5wt%)50mLに溶解し、該溶液に指示薬としてチモールブルーを添加し、0.02規定の塩酸で滴定して求めた値である。
また、末端カルボキシル基濃度[COOH](mol/g)とは、ポリカプロアミド樹脂のサンプル約0.5gを精秤し、ベンジルアルコール20mLに190℃で溶解し、該溶液に指示薬としてフェノールフタレインを添加して0.02規定の水酸化カリウムのメタノール溶液で滴定して求めた値である。
ポリカプロアミド樹脂の微粒子の原料として用いるポリカプロアミド樹脂の相対粘度は、特に制限されるものではないが、得られるポリカプロアミド樹脂の微粒子の相対粘度を勘案すれば、相対粘度2.1〜3.4が好ましく、より好ましくは2.2〜3.1、更に好ましくは2.35〜2.70にするとよい。ポリカプロアミド樹脂の相対粘度がこのような範囲外になると、得られる微粒子の多孔性や真球性、粒径の均一性が損なわれることがある。なお、ポリカプロアミド樹脂の相対粘度とは、98%硫酸100mLにポリカプロアミド樹脂1gを溶解した溶液を用い、25℃でウベローデ粘度計によって測定した値のことを言う。
本発明に使用するポリカプロアミド樹脂の微粒子の製造方法は、特に制限されるものではないが、ポリカプロアミド樹脂を多価アルコールまたは多価アルコールと水の混合液中で加熱溶解した後、冷却してポリカプロアミド樹脂の微粒子を製造することが好ましい。
具体的に、ポリカプロアミド樹脂を多価アルコールまたは多価アルコールと水との混合物中に浸漬し、80〜300℃程度で加熱、攪拌しながらポリカプロアミド樹脂を溶解する。溶解温度は好ましくは100〜280℃、更に好ましくは120〜250℃にするとよい。温度が低すぎると、ポリカプロアミド樹脂が十分に溶解しなかったり、溶解はしても析出時に粒径が不均一になったり、粒子同士が融着したような形態の粒子が生成する傾向を示す。また温度が高すぎるとポリカプロアミド樹脂が分解し、黄色く着色したり、粒径が不均一になったり、形状が歪んだりする傾向を示す。この際、ポリカプロアミド樹脂が酸化劣化しないように不活性ガス、例えば窒素、アルゴン、炭酸ガスなどの雰囲気下で行うことが好ましい。
また、多価アルコールまたは多価アルコールと水との混合物中に溶解した時のポリカプロアミド樹脂の濃度は5〜50重量%であることが好ましく、より好ましくは10〜40重量%、更に好ましくは10〜30重量%にするとよい。ポリカプロアミド樹脂の濃度が低すぎると粒子が細かくなり過ぎ、得られた微粒子が2次凝集する傾向を示す。また、濃度が高すぎると粒径が大きくなり過ぎたり、析出時に粒子同士が融着したような形状を示す傾向が出てくる。
ポリカプロアミド樹脂が溶解したら、室温下で自然放冷するか、容器全体を一定温度にコントロールされた場所で冷却するか、容器の周囲に水、あるいは空気や不活性ガスを当てるなどして冷却する。1分〜60分で冷却することにより、溶解していたポリカプロアミド樹脂が真球状の粒子として析出する。ゆっくり冷却すると粒径の大きな粒子が得られるが、粒子同士が融着したような形状の粒子を生成することがあるので注意が必要である。一方、急冷すると粒径の小さいな粒子が得られるが、やはり粒子同士が融着したような形状の粒子を生成することがあるので注意が必要である。
ポリカプロアミド樹脂溶液の冷却方法は、目的とする微粒子の粒径、使用する容器、ポリカプロアミド樹脂溶液の濃度などによって異なるので、適宜調整が必要である。例えば、平均粒子径が20μmを上回るポリカプロアミド樹脂の微粒子を製造する場合には、ポリカプロアミド樹脂溶液濃度を好ましくは5重量%以下とし、冷却速度を好ましくは0.1℃/分以下の条件で冷却するとよい。平均粒子径が5μmを下回るポリカプロアミド樹脂の微粒子を製造する場合には、ポリカプロアミド樹脂溶液濃度を好ましくは5〜10重量%とし、冷却速度を好ましくは100℃/分以上の条件で冷却するとよい。
また、本発明に使用するポリカプロアミド樹脂の微粒子の好ましい平均粒子径である5〜20μmの条件で析出させる場合は、ポリカプロアミド樹脂溶液濃度を好ましくは5〜30重量%とし、冷却速度を0.1℃/分〜100℃/分の条件で冷却するとよい。冷却により析出したポリカプロアミド樹脂の微粒子を遠心分離によりケークとして分離し、得られたケークを真空乾燥することにより、純粋なポリカプロアミド樹脂の微粒子を得ることができる。
ここで使用される多価アルコールとは、1分子中に2個以上のヒドロキシ基を有する化合物のことである。例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのジオ−ル類、1,2−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)シクロヘキサンなどの脂環式ジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンなどの芳香族系ジオール、ペンタエリスリトール、グリセリンなどのアルカンポリオール、蔗糖などの糖類、ソルビトール、マンニトールなどの糖アルコールに代表される糖誘導体、ペンタグリセリン、ヘキサグリセリン、デカグリセリンなどのポリグリセリンおよびジペンタエリスリトール、トリペンタエリスリトールなどのポリアルカンポリオールなどが挙げられ、これらの1種または2種以上の混合物として使用される。これらの中でも特にエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンが好ましく用いられる。
ポリカプロアミド樹脂を多価アルコールまたは多価アルコールと水との混合物に溶解する際に、溶解を促進するために少量のアルカリ化合物を添加してもよい。具体的には、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、炭酸水素塩、有機酸塩などが挙げられ、より具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸カリウム、酢酸リチウムなどが挙げられる。特に好ましいのは炭酸カルシウムである。アルカリ化合物の使用量は、溶解するポリカプロアミド樹脂に対して、好ましくは0.001〜10重量%、より好ましくは0.01〜5重量%、更に好ましくは0.1〜2重量%にするとよい。
また、上記のようなアルカリ化合物を使用した時には、ポリカプロアミド樹脂の微粒子を分離する前に中和しておくことが好ましく、酸性化合物を添加することにより中和できる。具体的な酸性化合物としては、鉱酸、有機酸などが挙げられ、より具体的には塩酸、硫酸、硝酸、亜硫酸、亜硝酸、次亜塩素酸、次亜臭素酸、燐酸、ポリ燐酸、亜燐酸、次亜燐酸、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸などが挙げられる。特に好ましいのは硫酸である。その使用量は、先に使用したアルカリ化合物を中和するのに必要な量である。
本発明のポリカプロアミド樹脂複合微粒子の製造方法は、相対粘度が1.70〜2.35、平均粒子径が5〜20μm、吸油量が100〜200mL/100gのポリカプロアミド樹脂の微粒子と他の微粒子とを粉砕機の中で攪拌して、ポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面に他の微粒子を被覆して、得られるポリカプロアミド樹脂複合微粒子の平均粒子径を5〜20μm、吸油量を70〜200mL/100gにするものである。
ポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面に他の微粒子を被覆する方法は、ポリカプロアミド樹脂の微粒子と他の微粒子を混合し、粉砕機の中で混合するものであるが、粉砕機の代わりに攪拌機を使用してもよい。攪拌機や粉砕機の種類には特に制限はないが、被覆効率の良さや分解洗浄性の面からハンマー式微粉砕機あるいはサンプルミルが好ましい。具体的には不二パウダル株式会社が製造する片持ち式アトマイザーが適しており、例えばKIIWG−1型,KIIWG−1F型、KIIG−1S型などが挙げられる。これらの微粉砕機にポリカプロアミド樹脂の微粒子と他の微粒子を適量仕込み、10秒から1時間、好ましくは15秒から30分、更に好ましくは20秒〜15分攪拌すればよい。
本発明のポリカプロアミド樹脂複合微粒子は、形状や粒径が揃っており、しかも吸油量が大きいため、化粧品のベース原料として有用である。同時に、ポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面に他の微粒子を被覆しているため、紫外線(特に、UV−A、UV-B)をカットする特性にも優れ、紫外線防止機能が必要な化粧品の原料としても有用である。
ポリカプロアミド樹脂複合微粒子を含む化粧品としては、例えば、ファンデーション、ほほ紅、アイシャドー、クレンジング剤、洗顔クリーム、日焼け止めクリーム、制汗剤、プレシェーブローション、アフターシェーブローション、おしろい、化粧水、パック、マッサージクリーム、乳液、モイスチャークリーム、美容液、口紅、アイライナー、ネイルエナメル、石鹸、入浴剤、シャンプー、リンス、ヘアートリートメント、サンオイル、脱色・脱毛クリーム、防虫ローション、防虫スプレー、ヘアリキッド、ポマード、ヘアカラー剤、オーデコロン、シャンプー、リンス、整髪剤、乳白液、ホワイトUVローションが好ましく挙げられるが、とりわけファンデーション、ほほ紅、アイシャドー、クレンジング剤、洗顔クリーム、日焼け止めクリーム、制汗剤、プレシェーブローション、乳白液、ホワイトUVローションが好ましい。
また、本発明のポリカプロアミド樹脂複合微粒子は、ベースとして使用するポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面特性をある程度保持していることから、吸油量が高く、表面積が大きい、水への分散性が高いといった特徴を有している。従って、本発明の複合微粒子をファンデーションなどの化粧品に使用した時には、うるおい感を保ちながらもさっぱりとした感触、清涼感に優れた感触、さらさら感、滑らかさ、フィット感(なじみ感)に優れた感触を与えるという利点がある。また、本発明の複合微粒子が有する吸水性や高い吸油性は、化粧崩れを防ぎ、化粧持ちがよい「ロングラステイング効果」や、滑り性や良分散性に基づく均一な仕上がり、ソフトフォーカス(皺をぼかしやすいこと)、ナチュラルな仕上がりなどの効果がある。さらにオイル類に分散する時の分散性にも優れるという利点もあり、これまでにない新感触の化粧品を創出する可能性を有している。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
以下の参考例、実施例、比較例で得られるポリカプロアミド樹脂、ポリカプロアミド樹脂の微粒子およびポリカプロアミド樹脂複合微粒子の特性評価は以下のようにして実施した。
相対粘度:98%硫酸100mLに1gのポリカプロアミド樹脂またはポリカプロアミド樹脂の微粒子を溶解した溶液を用い、25℃でウベローデ粘度計によって測定した。
走査型電子顕微鏡による形態観察:日本電子データム製JSM−6360LVを用いて観察した。
平均粒子径:マイクロトラック社9.0L(MT3000)を用い、分散媒としてエタノ−ルを使用して測定し、50%メジアン径(累積中位径)を平均粒子径(単位:μm)とした。
吸油量:JIS K5101−13−1に準拠し、前述した方法により吸油量(単位:mL/100g)を測定した。
水系溶剤への分散性:蒸留水90mL、エチレングリコール10mLの混合溶剤の中にポリカプロアミド樹脂の微粒子またはポリカプロアミド樹脂複合微粒子を1g添加し、攪拌棒を用いて良く攪拌した。攪拌することで粒子が溶剤中に均一に混ざる状態を○、溶剤と分離して浮いてしまう、あるいは沈降してしまう、あるいは塊状に固まってしまうといった状態を×とし、これらの中間状態を△とした。
摩擦係数(滑り性評価):カトーテック株式会社製KES−SE−STP摩擦感テスターを用いて、ポリカプロアミド樹脂の微粒子またはポリカプロアミド樹脂複合粒子の摩擦係数(単位:無次元)を測定した。測定条件としては、ポリカプロアミド樹脂の微粒子またはポリカプロアミド樹脂複合粒子を、試料台上で2cm×10cmとなる面積に平滑に塗布し、試料台の移動速度1mm/secに設定して評価した。摩擦係数の値が小さい方が、滑り性が優れている。
耐紫外線評価:ポリカプロアミド樹脂の微粒子またはポリカプロアミド樹脂複合粒子0.4gを、ワセリン0.6gに添加したのち、乳鉢と乳棒を用いて良く攪拌したものをサンプルとして、Labsphere社UV−1000Sを用いて、UV−AおよびUV−Bの耐性評価を行なった。UV−Bの耐性評価は、Sun Protection Factor (SPF、単位:無次元)を測定し、この数値が高いほどUV−Bの耐性が優れサンバーン防止効果が高いことを意味する。
UV−Aの耐性評価は、SPFとUVAレシオを測定し、これらの測定結果から、PAクラス(Protection Grade of UV-A )を求めた。UVAレシオ(単位:無次元)は、UV−AとUV−Bの吸収度の比を示し、その数値が高いほどUV−Aの耐性が優れることを表わす。PAクラスは、紫外線の中でもUV−Aをカットする指標であり、PA+(効果がある)、PA++(かなり効果がある)、PA+++(非常に優れた効果がある)の3段階に分類して表わす。
[ポリカプロアミド樹脂の製造]
[参考例1] ポリカプロアミド樹脂(A−1)の製造
容量30Lのステンレス製オートクレーブに、ε−カプロラクタム10kg、安息香酸43g、イオン交換水200gを仕込み、窒素置換の後、密閉して250℃で10時間加熱・撹拌することによりポリカプロアミド樹脂を調製した。得られたポリカプロアミド樹脂をオートクレーブの下部よりストランド状に引き取り、カッティングしてペレットとした。このペレットを沸騰水中で15時間抽出した後、80℃で24時間真空乾燥した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−1)の相対粘度ηrは2.31、末端アミノ基濃度[NH]は4.8×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は7.2×10−5mol/gであった。
[参考例2] ポリカプロアミド樹脂(A−2)の製造
安息香酸の代わりに、酢酸を21g使用した以外は、参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−2)の相対粘度ηrは2.35、末端アミノ基濃度[NH]は4.9×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は7.4×10−5mol/gであった。
[参考例3] ポリカプロアミド樹脂(A−3)の製造
重合時間を12時間とした以外は参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−3)の相対粘度ηrは2.48、末端アミノ基濃度[NH]は3.8×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は6.2×10−5mol/gであった。
[参考例4] ポリカプロアミド樹脂(A−4)の製造
重合時間を8.5時間とした以外は参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−4)の相対粘度ηrは2.15、末端アミノ基濃度[NH]は5.2×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は8.1×10−5mol/gであった。
[参考例5] ポリカプロアミド樹脂(A−5)の製造
安息香酸を使用せず、重合時間を8時間とした以外は、参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−5)の相対粘度ηrは2.35、末端アミノ基濃度[NH]は7.10×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は7.30×10−5mol/gであった。
[参考例6] ポリカプロアミド樹脂(A−6)の製造
安息香酸の代わりに、ヘキサメチレンジアミンを41g使用した以外は、参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−6)の相対粘度ηrは2.33、末端アミノ基濃度[NH]は7.1×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は4.7×10−5mol/gであった。
[参考例7] ポリカプロアミド樹脂(A−7)の製造
安息香酸を21gとし、重合時間を15時間にする以外は、参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−7)の相対粘度ηrは2.70、末端アミノ基濃度[NH]は3.9×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は5.4×10−5mol/gであった。
[参考例8] ポリカプロアミド樹脂(A−8)の製造
重合時間を8時間にする以外は、参考例1と同様にしてポリカプロアミド樹脂を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂(A−8)の相対粘度ηrは2.07、末端アミノ基濃度[NH]は6.5×10−5mol/g、末端カルボキシル基濃度[COOH]は8.7×10−5mol/gであった。
[参考例9] ポリラウロアミド樹脂の微粒子(A−9)の製造
無水ラウロラクタム190g、流動パラフィン1200mL、ステアリン酸カリウム3.8gを温度計、攪拌機、環流冷却器つきの4つ口フラスコに入れ、フラスコ内部を乾燥窒素で置換した後、160℃に加熱し、ラウロラクタムを流動パラフィンに溶解させた。当該溶液を160℃に保ちつつ、カプロラクタムカリウム塩7.6g、三塩化リン1.12gを添加し、2時間攪拌した。溶液を室温まで冷却後、当該溶液を濾過し、生成したポリラウロアミド樹脂の微粒子を単離した。当該粒子をn−ブタノールで洗浄後、更に水洗し、真空乾燥機で一晩真空乾燥し、150gのポリラウロアミド樹脂(N12)の微粒子が得られた。得られたポリラウロアミド樹脂の微粒子(A−9)の相対粘度は2.91、平均粒子径は15.1μm、吸油量は75.2mL/100gであった。
[ポリカプロアミド樹脂の微粒子の製造]
[参考例10] ポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−1)の製造
参考例1で製造したポリカプロアミド樹脂(A−1)100gに対し、525gのエチレングリコールを添加し、窒素雰囲気下、180℃で攪拌した。30分攪拌するとポリカプロアミド樹脂が溶解したので、当該溶液を166℃に保温したステンレスバットにあけ、その温度で30分間放置した。ポリカプロアミド樹脂の微粒子が沈澱したので、当該沈澱液を遠心分離機にかけ、エチレングリコールを除去し、ポリカプロアミド樹脂の微粒子のケークを得た。このケークを取り出し、バットの上に広げて真空乾燥機中、80℃で24時間乾燥した。
得られたポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−1)の走査型電子顕微鏡写真を図1および2に示す。この微粒子は、真球状であり、表面が多孔質であることがわかる。
得られたポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−1)の相対粘度は1.96、平均粒子径は12.8μm、吸油量は139.8mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
[参考例11] ポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−2)の製造
参考例2で製造したポリカプロアミド樹脂(A−2)を使用する以外は参考例10と同様にしてポリカプロアミド樹脂の微粒子を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−2)の相対粘度は1.99、平均粒子径は13.1μm、吸油量は139.4mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
[参考例12] ポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−3)の製造
参考例3で製造したポリカプロアミド樹脂(A−3)を使用する以外は参考例10と同様にしてポリカプロアミド樹脂の微粒子を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−3)の相対粘度は2.20、平均粒子径は14.3μm、吸油量は130.6mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
[参考例13] ポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−4)の製造
参考例4で製造したポリカプロアミド樹脂(A−4)を使用する以外は参考例10と同様にしてポリカプロアミド樹脂の微粒子を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−4)の相対粘度は1.76、平均粒子径は14.4μm、吸油量は128.9mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
[参考例14] ポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−5)の製造
参考例5で製造したポリカプロアミド樹脂(A−5)を使用する以外は参考例10と同様にしてポリカプロアミド樹脂の微粒子を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−5)の相対粘度は2.00、平均粒子径は14.1μm、吸油量は128.5mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
[参考例15] ポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−6)の製造
参考例6で製造したポリカプロアミド樹脂(A−6)を使用する以外は参考例10と同様にしてポリカプロアミド樹脂の微粒子を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−6)の相対粘度は1.97、平均粒子径は14.3μm、吸油量は128.7mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
[参考例16] ポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−7)の製造
参考例7で製造したポリカプロアミド樹脂(A−7)を使用する以外は参考例10と同様にしてポリカプロアミド樹脂の微粒子を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−7)の相対粘度は2.40、平均粒子径は15.5μm、吸油量は110.2mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は△であった。
[参考例17] ポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−8)の製造
参考例8で製造したポリカプロアミド樹脂(A−8)を使用する以外は参考例10と同様にしてポリカプロアミド樹脂の微粒子を製造した。得られたポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−8)の相対粘度は1.68、平均粒子径は15.6μm、吸油量は108.9mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は△であった。
[ポリカプロアミド樹脂複合微粒子の製造]
<実施例1> ポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−1)の製造
参考例10で製造したポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−1)100重量部に対して堺化学工業(株)の微粒酸化チタンSTR−100C 15重量部を加えてなる混合物30gを、富士パウダル株式会社製KIIW−1型片持ち式アトマイザーを用いて12,000rpmで40秒間攪拌した。
得られたポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−1)の走査型電子顕微鏡写真を図3および4に示す。複合微粒子(C−1)は、ポリカプロアミド樹脂の微粒子の多孔質表面が酸化チタンで被覆され、表面が滑らかになっていることがわかる。ポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−1)の平均粒子径は11.0μm、吸油量は85.6mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。複合微粒子(C−1)の平均粒子径の方がもとのポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−1)より小さくなっているが、恐らく酸化チタン微粒子がポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面を被覆する際に圧力がかかるために微粒子のサイズが小さくなったものと推察される。
<実施例2> ポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−2)の製造
参考例11で製造したポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−2)100重量部に対してテイカ(株)の微粒酸化チタン MT−05 15重量部を加えてなる混合物30gを、富士パウダル株式会社製KIIW−1型片持ち式アトマイザーを用いて12,000rpmで40秒間攪拌した。
得られたポリカプロアミド樹脂複合粒子(C−2)の平均粒子径は11.3μm、吸油量は85.3mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
<実施例3> ポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−3)の製造
参考例12で製造したポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−3)100重量部に対してテイカ(株)の微粒酸化チタン MT−500SA 15重量部を加えてなる混合物30gを、富士パウダル株式会社製KIIW−1型片持ち式アトマイザーを用いて12,000rpmで40秒間攪拌した。
得られたポリカプロアミド樹脂複合粒子(C−3)の平均粒子径は12.5μm、吸油量は79.5mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
<実施例4> ポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−4)の製造
参考例13で製造したポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−4)100重量部に対してテイカ(株)の微粒酸化チタン MT−100TV 15重量部を加えてなる混合物30gを、富士パウダル株式会社製KIIW−1型片持ち式アトマイザーを用いて12,000rpmで40秒間攪拌した。
得られたポリカプロアミド樹脂複合粒子(C−4)の平均粒子径は12.6μm、吸油量は78.1mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
<実施例5> ポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−5)の製造
参考例14で製造したポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−5)100重量部に対して石原産業(株)の微粒酸化チタン TTO−55−(A) 15重量部を加えてなる混合物30gを、富士パウダル株式会社製KIIW−1型片持ち式アトマイザーを用いて12,000rpmで40秒間攪拌した。
得られたポリカプロアミド樹脂複合粒子(C−5)の平均粒子径は12.3μm、吸油量は77.9mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった
<実施例6> ポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−6)の製造
参考例15で製造したポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−6)100重量部に対して堺化学工業(株)の微粒酸化チタンSTR−100C 15重量部を加えてなる混合物30gを、富士パウダル株式会社製KIIW−1型片持ち式アトマイザーを用いて12,000rpmで40秒間攪拌した。
得られたポリカプロアミド樹脂複合粒子(C−6)の平均粒子径は12.5μm、吸油量は78.0mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった
<実施例7> ポリカプロアミド樹脂複合粒子(C−7)の製造
参考例10で製造したポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−1)100重量部に対してテイカ(株)の微粒酸化チタン MTY−02 67重量部を加えてなる混合物30gを、富士パウダル株式会社製KIIW−1型片持ち式アトマイザーを用いて12,000rpmで40秒間攪拌した。
得られたポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−7)の平均粒子径は11.5μm、吸量は83.4mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
<実施例8> ポリカプロアミド樹脂複合粒子(C−8)の製造
参考例10で製造したポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−1)100重量部に対してテイカ(株)の微粒酸化チタン MTY−02 100重量部を加えてなる混合物30gを、富士パウダル株式会社製KIIW−1型片持ち式アトマイザーを用いて12,000rpmで40秒間攪拌した。
得られたポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−8)の平均粒子径は12.1μm、吸量は79.7mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は○であった。
上記の実施例2,3,7,8で得られたポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−2)、(C−3)、(C−7)、(C−8)と参考例10で得られたポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−1)について、摩擦係数(滑り性)と耐紫外線の評価を行った。結果を表1にまとめて示す。
<比較例1> ポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−9)の製造
参考例16で製造したポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−7)100重量部に対して石原産業(株)の微粒酸化チタン TTO−S−3 15重量部を加えてなる混合物30gを、富士パウダル株式会社製KIIW−1型片持ち式アトマイザーを用いて12,000rpmで40秒間攪拌した。
得られたポリカプロアミド樹脂複合粒子(C−9)の平均粒子径は14.0μm、吸油量は63.2mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は△であった。
<比較例2> ポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−10)の製造
参考例17で製造したポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−8)100重量部に対して石原産業(株)の微粒酸化チタン TTO−S−3 15重量部を加えてなる混合物30gを、富士パウダル株式会社製KIIW−1型片持ち式アトマイザーを用いて12,000rpmで40秒間攪拌した。
得られたポリカプロアミド樹脂複合粒子(C−10)の平均粒子径は14.1μm、吸油量は60.9mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は△であった。
<比較例3> ポリラウロアミド樹脂複合微粒子(C−11)の製造
参考例9で製造したポリラウロアミド樹脂(ナイロン12)の微粒子(A−9)100重量部に対して石原産業(株)の微粒酸化チタン TTO−S−3 15重量部を加えてなる混合物30gを、富士パウダル株式会社製KIIW−1型片持ち式アトマイザーを用いて12,000rpmで40秒間攪拌した。
得られたポリラウロアミド樹脂複合粒子(C−11)の平均粒子径は7.0μm、吸油量は65.5mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は×であった。
<比較例4> ポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−12)の製造
参考例10で製造したポリカプロアミド樹脂の微粒子(B−1)100重量部に対して堺化学工業(株)の微粒酸化チタンSTR−100C 15重量部を加えてなる混合物30gを、(株)奈良機械製作所のハイブリダイゼーションシステムNHS−0型(動力:2.2kW)に投入して複合微粒子を製造した。該システムは、高速回転するローター、ステーター、循環回路からなる装置であり、いったん機械的な混合操作による摩擦帯電現象によって基体粒子表面に被覆用粒子を付着させた後、ローターの中心部から装置内に導入され、ローター及び粒子同士の衝突による衝撃、圧縮、剪断を受け、気流と共に外周部へと移動し、循環経路を経て再びローターの中心部へと移送される。この繰り返しによるメカノケミカル作用によって粒子が堅固に複合化されるというものである。比較例4では周速:80m/秒、処理時間:180秒で複合微粒子の製造を行った。
得られたポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−12)の平均粒子径は13.0μm、吸油量は61.1mL/100gであった。また水系溶剤への分散性は×であった。
<実施例9〜14、比較例5〜9>
実施例1〜6、比較例1,2,4で得られたポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−1)〜(C−6)、(C−9)、(C−10)、(C−12)、比較例3で得られたポリラウロアミド樹脂複合微粒子(C−11)、および参考例9で得られたポリラウロアミド樹脂微粒子(A−9)を用い、以下のようにして試験用乳白液を製造した。
上記により得られた11種類の乳白液(実施例9〜14、比較例5〜9)の適量を手の甲に塗布し、その際の、うるおい感を保ちながらもさっぱりとした感触、清涼感に優れた感触、さらさら感、滑らかさ、フィット感(なじみ感)の各感触をモニター20人により評価した。各感触の評価は、良い:5点、やや良い:4点、ふつう:3点、やや悪い:2点、悪い:1点とし、20人の評価結果を平均した。結果を表1にまとめて示す。
[処方]
以下の原材料のうち、植物性乳化ワックス、ホホバオイル、キサンタンガム、シルクパウダーはナチュラルラボラトリーズ製のものを使用した。他の原材料は試薬として購入した。
植物性乳化ワックス(アラキデス−20とステアリルアルコール混合物):20g
ホホバオイル:20g
キサンタンガム:20g
蒸留水:400mL
実施例、比較例、参考例のポリカプロアミド樹脂複合微粒子:10g
シルクパウダー:10g
[製造方法]
ホホバオイルと乳化ワックスを攪拌しながら50〜60℃に加熱し、完全に溶解する(A液)。実施例、比較例、参考例のポリカプロアミド樹脂複合微粒子、蒸留水、シルクパウダーを攪拌しながら50〜60℃に加熱し、2分間攪拌する(B液)。A液にB液の半量を50〜60℃の温度で混合し、良く攪拌する。この混合物にキサンタンガムを少量ずつ攪拌しながら添加し、更にB液の残り半分を攪拌しながら追添加する。良く攪拌し、塊ができないように均一になるように攪拌した。
<実施例15〜20、比較例10〜14>
実施例1〜6、比較例1,2,4で得られたポリカプロアミド樹脂複合微粒子(C−1)〜(C−6)、(C−9)、(C−10)、(C−12)、比較例3で得られたポリラウロアミド樹脂複合微粒子(C−11)、参考例9で得られたポリラウロアミド樹脂微粒子(A−9)を用い、以下のようにして試験用ホワイトUVローションを製造した。
上記により得られた11種類のホワイトUVローション(実施例15〜20、比較例10〜14)の適量を手の甲に塗布し、その際の、うるおい感を保ちながらもさっぱりとした感触、清涼感に優れた感触、さらさら感、滑らかさ、フィット感(なじみ感)をの各感触をモニター20人により評価した。各感触の評価は、良い:5点、やや良い:4点、ふつう:3点、やや悪い:2点、悪い:1点とし、20人の評価結果を平均した。結果を表2にまとめて示す。
[処方]
以下の原材料のうち、植物性プラセンタ、微粒酸化チタン、タルクはナチュラルラボラトリーズから購入した。他の原材料は試薬として購入した。
植物性プラセンタ(ナチュラルラボラトリーズ製):14滴
微粒子酸化チタン(平均粒子径0.03μm):10g
実施例、比較例、参考例のポリカプロアミド樹脂複合微粒子:10g
タルク:2.5g
グリセリン:10mL
蒸留水:190mL
[製造方法]
実施例、比較例、参考例のポリカプロアミド樹脂複合微粒子、酸化チタン、タルクの混合物に蒸留水、プラセンタ、グリセリンを加えて良く攪拌した。放置すると2層に分離するので、使用前に容器を激しく震盪し、均一にして使用した。
実施例9〜20、比較例5〜14より、本発明のポリカプロアミド樹脂複合微粒子を使用した化粧品は皮膚に接触した時の感触に優れていることがわかる。
参考例10で得られたポリカプロアミド樹脂の微粒子の走査型電子顕微鏡写真図である。 図1の一部を拡大した走査型電子顕微鏡写真図である。 実施例1で得られたポリカプロアミド樹脂複合微粒子の走査型電子顕微鏡写真図である。 図3の一部を拡大した走査型電子顕微鏡写真図である。

Claims (9)

  1. ポリカプロアミド樹脂からなる相対粘度が1.70〜2.35、平均粒子径が5〜20μm、吸油量が100〜200mL/100gである微粒子の表面を、金属酸化物の微粒子で被覆した複合微粒子であって、該複合微粒子の平均粒子径が5〜20μm、吸油量が70〜200mL/100gであるポリカプロアミド樹脂複合微粒子。
  2. 前記ポリカプロアミド樹脂の微粒子が、末端アミノ基濃度[NH2](mol/g)と末端カルボキシル基濃度[COOH](mol/g)との関係が下記式(1)を満足するポリカプロアミド樹脂を、多価アルコールまたは多価アルコールと水の混合液中で加熱溶解した後、冷却して得られた微粒子である請求項に記載のポリカプロアミド樹脂複合微粒子。
    [NH2]+2.0×10-5 < [COOH] (1)
  3. 前記多価アルコールが、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンから選ばれる少なくとも1種である請求項に記載のポリカプロアミド樹脂複合微粒子。
  4. 前記金属酸化物が酸化チタンである請求項1ないし3のいずれかに記載のポリカプロアミド樹脂複合微粒子。
  5. 相対粘度が1.70〜2.35、平均粒子径が5〜20μm、吸油量が100〜200mL/100gであるポリカプロアミド樹脂の微粒子と金属酸化物の微粒子を粉砕機の中で攪拌して前記ポリカプロアミド樹脂の微粒子の表面に前記金属酸化物の微粒子を被覆して、平均粒子径が5〜20μmで、吸油量が70〜200mL/100gの複合微粒子を生成するポリカプロアミド樹脂複合微粒子の製造方法。
  6. 前記ポリカプロアミド樹脂の微粒子が、末端アミノ基濃度[NH2](mol/g)と末端カルボキシル基濃度[COOH](mol/g)との関係が下記式(1)を満足するポリカプロアミド樹脂を、多価アルコールまたは多価アルコールと水の混合液中で加熱溶解した後、冷却して得られた微粒子である請求項に記載のポリカプロアミド樹脂複合微粒子の製造方法。
    [NH2]+2.0×10-5 < [COOH] (1)
  7. 前記多価アルコールが、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,3−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼン、1,4−ジ(ヒドロキシメチル)ベンゼンから選ばれる少なくとも1種である請求項に記載のポリカプロアミド樹脂複合微粒子の製造方法。
  8. 請求項1ないしのいずれかに記載のポリカプロアミド樹脂複合微粒子を含む化粧品。
  9. ファンデーション、ほほ紅、アイシャドー、クレンジング剤、洗顔クリーム、日焼け止めクリーム、制汗剤またはプレシェーブローションである請求項に記載の化粧品。
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