JP5028784B2 - 無線lan電話システム、無線lan電話システム親機、無線lan電話システム子機、無線lan電話通信方法、無線lan電話通信プログラム、および、記録媒体 - Google Patents

無線lan電話システム、無線lan電話システム親機、無線lan電話システム子機、無線lan電話通信方法、無線lan電話通信プログラム、および、記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は無線LANを利用したコードレス電話システムに関するものであり、特に親機−子機間で音声を音声パケット化して送受信する無線LAN電話システムに関するものである。
近年、VoIP技術を利用したIP電話が普及している。IP電話では音声をパケット化して、インターネットや専用のネットワークを通して音声を送受信するため、通話コストが安く、また、大手プロバイダがさまざまな地域でサービスを提供しているため、最近では、企業だけでなく、多くの家庭でも利用されるようになった。さらに、最近では、IP電話機をコードレス化する動きも出てきた。例えば、親機でIP電話のプロトコルを終端し、親機から子機は従来のコードレス電話機の方式で音声を子機とやりとりする製品も発表されている。そして、さらに、IP電話のプロトコルを親機で終端するのではなく、子機で終端できるようにし、その子機をホットスポットなどのような公共の無線アクセスポイントに持ち出して、安価に通話できるような無線LANによるコードレス電話機も提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−247647号公報
このような構成のIP電話システムでは、音声パケットの遅延が通話の品質を大きく関わることが知られている。特に遅延量が大きい場合には、話者の声が相手に届く前に、相手が発話してしまうという現象が発生してしまう。一般的に、片道の遅延が150msを超えると、このような現象が発生し、会話がちぐはぐになったり、利用者が不快に感じたりする。
多くの場合、無線LANは、音声通話だけでなくデータ通信にも用いられる。そのため、データ通信中であっても通話が途切れたり、音声が必要以上に遅延したり、しないように配慮する必要がある。そこで、無線LANにおける音声データの送受信では、各端末の音声通話用通信帯域を確保するために、しばしば、TDM方式が用いられる。例えば、IEEE802.11eで提案されているHCCAなどがそのひとつである。この方式では、アクセスポイントに収容される端末毎にタイムスロットが割り当てられ、各端末は自分に割り当てられたタイムスロット内で音声データの送受信を行う。このように音声はTDMを利用して優先して送受信を行うことで、データ通信が行われても音が途切れたり、遅延が増大したりしないようにされている。
しかしながら、この方式では、予め決められたタイムスロットで送信を行うため、音声データが発生しても、次のタイムスロットが来るまでは送信待ちになる。しかも、このタイムスロットの間隔(以下、送信間隔と呼ぶ。通常、10.24msもしくは20.48msが用いられる。)と音声データの発生周期(以下、コーデック間隔と呼ぶ。通常、10ms、20ms、30msが用いられる)を完全に一致させることは技術的に難しいため、最も悪い条件では、音声データが発生してから送信間隔に等しい時間だけ、「送信待ち」となって音声データを遅延させてしまうこととなる。無線LAN電話では、コーデック間隔を小さくとり、送信間隔も同様に小さくとることで、遅延を許容範囲内に収めることができる。
以上のことから、無線LAN上で音声通信とデータ通信が同時に行われた場合でも、音声の遅延が許容範囲内に収まるように通信を行うためには、音声を10ms単位で音声パケット化した上で、無線LANのタイムスロット間隔を10.24msで通信することが望ましい。
ところが、一方で、音声パケットはデータ量がすくないため、パケットを無線フレーム化するときに、無駄なオーバーヘッドが発生してしまうことが知られている。例えば、コーデック間隔が10msの無線LANコードレス電話システムでは、8bit・8kHzサンプリング、無圧縮では1パケット当り80バイトとなり、IEEE802.11bで提案されているフレーム・フォーマットを採用すると、音声のデータはフレームの約25%を占めるに過ぎない。残りの約75%はプリアンブルや各レイヤのプロトコルのヘッダであり、データ量の小さな音声パケットを無線フレーム化して送信すると非常に無駄が多いことがわかる(図17参照)。このような状況下では、データ通信は音声データに圧迫され、トラフィックが著しく制限されてしまい、音声通話中はデータ通信に時間を要したり、また、アクセスポイント1つ当りの同時通話数が厳しく制限されたりする。
このようなことから、現在、無線LANを利用するコードレス電話システムにおいては、遅延を許容範囲内に押さえ、なおかつ、必要以上に通信帯域を消費しないものが強く要望されている。
本発明は上述のような従来の技術の問題点に鑑みてなされたものであって、無線フレーム化の際のオーバーヘッドを削減して音声の遅延を少なくすることができ、さらに1アクセスポイントあたりの同時通話数を大きくすることができ、さらには、通話中にデータ通信を行う場合に、データ通信が使用できる帯域幅を大きく取ることができる無線LAN電話システム、無線LAN電話システム親機、無線LAN電話システム子機、無線LAN電話通信方法、無線LAN電話通信プログラム、および、記録媒体を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の無線LAN電話通信方法は、送信側では、音声の遅延許容時間から、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延×2、コーデック待ち時間、送信待ち時間、及び、予め指定されたネットワークの遅延量を差し引いた値である送信待ち許容時間を計算して、該送信待ち許容時間の範囲内で複数の音声パケットを、LLC、IP、UDP、RTPの少なくとも1つの送信上位プロトコルヘッダを解析し、該解析結果に基づいて共通部分が省略された1つのフレームにまとめて送信するとともに、受信側では、1つのフレームにまとめられた複数の音声パケットを元通りに分割する。
また、本発明の無線LAN電話システム子機は、音声の遅延許容時間から、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延×2、コーデック待ち時間、送信待ち時間、および、予め指定されたネットワークの遅延量を差し引いた値である送信待ち許容時間を算出する送信待ち許容時間算出部と、送信待ち時間内に入力された音声パケットをひとつのフレームにまとめて送信データを生成するペイロード統合部と、音声パケットのLLC、IP、UDP、RTPの少なくとも1つの上位プロトコルヘッダを解析する上位プロトコル解析部と、受信データを元来ひとつの音声パケットであったか否か判断し、複数の音声パケットが統合されている場合に、前記受信データを複数の音声パケットに分解するペイロード分割部とを有し、前記上位プロトコル解析部は、音声パケットの上位プロトコルヘッダを解析し、前記ペイロード統合部は、前記上位プロトコル解析部による解析結果に基づいて、共通部分を省略した1つのフレームにまとめる。
また、本発明の無線LAN電話システム親機は、無線フレーム−有線フレーム間で乗せかえを行うためのヘッダの付替えを行う有線−無線ブリッジ部を有する。
本発明によれば、無線フレーム化の際のオーバーヘッドを削減して音声の遅延を少なくすることができ、さらに1アクセスポイントあたりの同時通話数を大きくすることができ、さらには、通話中にデータ通信を行う場合に、データ通信が使用できる帯域幅を大きく取ることができる。
本発明の第1の発明の無線LAN電話通信方法は、無線LANを利用した電話システムにおいて、送信側では、音声の遅延許容時間から、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延×2、コーデック待ち時間、送信待ち時間、及び、予め指定されたネットワークの遅延量を差し引いた値である送信待ち許容時間を計算して、この送信待ち許容時間の範囲内で複数の音声パケットを、LLC、IP、UDP、RTPの少なくとも1つの送信上位プロトコルヘッダを解析し、該解析結果に基づいて共通部分が省略された1つのフレームにまとめて送信するとともに、受信側では、1つのフレームにまとめられた複数の音声パケットを元通りに分割する。この構成により、無線フレーム化の際のオーバーヘッドが軽減され、かつ、音声の遅延が縮小されるという作用を有する。
本発明の第2の発明の無線LAN電話通信方法は、第1の発明の無線LAN電話通信方法において、送信側と受信側にて、通信を行う際に、QoSを確保しTDM方式で音声のやり取りを行う。この構成により、無線フレーム化の際のオーバーヘッドが軽減され、かつ、音声の遅延が縮小され、さらに、1アクセスポイントあたりの同時通話数が増大し、また、通話中にデータ通信を行う際にデータ通信が使用できる帯域幅が大きく取られるという作用を有する。
本発明の第の発明の無線LAN電話通信方法は、第1またはのいずれかの発明の無線LAN電話通信方法において、送信側では、無線通信のエラーレートが所定の閾値より以下の場合に、複数の音声パケットを1つにまとめて送信し、無線通信のエラーレートが所定の閾値を超える場合に、1つのフレームにまとめずに送信する。この構成により、エラーレートが高いときは無線フレームをひとつにまとめることがないため、無線フレームが長くならずに、短く分割されたままとなり、無線フレームの長さが短いためエラー発生率が下がり、エラー発生時に、短く分割された無線フレームの再送が行われるため、長い無線フレームを再送するより効率がよくなるという作用を有する。
本発明の第の発明の無線LAN電話通信プログラムは、第1から第のいずれかの発明の無線LAN電話通信方法の手順を記載している。この構成により、例えば、パソコン等の汎用のコンピュータにて、第1から第のいずれかの発明の無線LAN電話通信方法が実現されるという作用を有する。
本発明の第の発明の記憶媒体は、第の発明の無線LAN電話通信プログラムが記録されている。この構成により、パソコン等の汎用のコンピュータに、第の発明の無線LAN電話通信プログラムが移植可能となる作用を有する。
本発明の第の発明の無線LAN電話システム子機は、無線LANを利用して音声をパケット化して送受信する無線LAN電話システムの子機であって、音声の遅延許容時間、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延×2、コーデック待ち時間、送信待ち時間、および、予め指定されたネットワークの遅延量に基づいて、送信待ち許容時間を算出する送信待ち許容時間算出部と、送信待ち時間内に入力された音声パケットをひとつのフレームにまとめて送信データを生成するペイロード統合部と、音声パケットのLLC、IP、UDP、RTPの少なくとも1つの上位プロトコルヘッダを解析する上位プロトコル解析部と、受信データを元来ひとつの音声パケットであったか否か判断し、複数の音声パケットが統合されている場合に、受信データを複数の音声パケットに分解するペイロード分割部とを有し、前記上位プロトコル解析部は、音声パケットの上位プロトコルヘッダを解析し、前記ペイロード統合部は、前記上位プロトコル解析部による解析結果に基づいて、共通部分を省略した1つのフレームにまとめる。この構成により、親機との通信において、無線フレーム化の際のオーバーヘッドが軽減され、かつ、音声の遅延が縮小されるという作用を有する。
本発明の第の発明の無線LAN電話システム子機は、第の発明の無線LAN電話システム子機において、タイムスロットの管理を行うタイムスロット管理部をさらに有し、親機との無線通信をTDMで行う。この構成により、無線フレーム化の際のオーバーヘッドが軽減され、かつ、音声の遅延が縮小され、さらに、1アクセスポイントあたりの同時通話数が増大し、また、通話中にデータ通信を行う際にデータ通信が使用できる帯域幅が大きく取られるという作用を有する。
以下、本発明の実施の形態について、図1から図33を用いて説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システムの子機を示す機能ブロック図である。図1において、子機300は、101から120にて示す機能構成を有している。101は、発呼先の指定、着呼時に通話の指示および終話の指示をするための操作部である。102は、音声を入力するための音声入力部である。103は、音声を出力するための音声出力部である。104は、受信した無線フレームから取り出されたデータを蓄積する受信バッファである。105は、無線送信するデータを蓄積する無線送信用の送信バッファである。107は、送信バッファ105に蓄積したデータを無線フレーム化して送信、また、無線フレームを受信してフレームの内容を受信バッファ104に格納する無線通信部である。108は、時間の経過を測定するためのRTCである。109は、音声の遅延許容時間、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延、および、予め指定されたネットワークの遅延量を記憶するパラメータ記憶部である。
また、110は、音声入力部102から入力した音声をA/D変換し、所定のアルゴリズムを用いて音声パケットに変換(エンコード)する、また、音声データを所定のアルゴリズムを用いてデコードした上で、D/A変換し、音声出力部103に出力するコーデック部である。111は、コーデック部110がエンコードした音声パケットをエンコードが完了した時刻、すなわち、送信要求受付時刻とともにFIFO方式で記憶する送信パケットキューである。112は、送信待ち時間内に送信パケットキュー111に入力された音声パケットをひとつのフレームにまとめて前記送信バッファに書き込むペイロード統合部である。113は、無線フレームとして受け取ったデータを音声パケットに分解してFIFO方式で記憶する、受信パケットキューである。
また、114は、受信バッファ104に記憶された内容をもともとひとつの音声パケットであったかどうか判断し、複数の音声パケットが統合されている場合は、これを複数の音声パケットに分解し、受信パケットキュー113にFIFO方式で書き込む、ペイロード分割部である。115は、パラメータ記憶部109に記憶された音声の遅延許容時間、無線フレームのサービス周期、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延、および、予め指定されたネットワークの遅延量を参照し、RTC108の値を送信要求受付時刻と比較し、送信待ちの許容時間を算出する、送信待ち許容時間算出部である。116は、発呼、着呼、呼の接続・切断の制御、および、各呼の状態に応じたダイヤルトーン、ビジートーン、リンガー、リング・バック・トーンを音声出力部103に出力する呼制御部である。
さらに、117は、呼の設定や解除、通話時の音声パケットの送受信、を指定されたプロトコルに従って処理するプロトコル処理部である。118は、上位プロトコルを解析する、上位プロトコル解析部である。119は、無線通信におけるエラー率を算出し、予め指定されたエラー率よりも低いかどうかを判定する、エラー率判定部である。120は、親機から指定されたTDMのタイムスロットを管理するTS簡易(タイムスロット)管理部である。130は、全体を制御する制御部である。
また、図2は本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機の構成を示す装置ブロック図である。図2において、子機300は、以下の201から212にて示すハード構成を有している。201は、中央処理装置(以下、CPUと略す)、202は、ROM、203は、RAM、204は、RTC、205は、ベースバンド部、206は、RF、207は、A/D、208は、マイク、209は、D/A、210は、スピーカ、211は、キーボード、212は、コーデックである。
図1の機能構成との関係を述べる。101の操作部は、211のキーボードによって構成されている。102の音声入力部は、208のマイクによって構成されている。103の音声出力部は、210のスピーカによって構成されている。
また、104の受信バッファ、105の送信バッファ、109のパラメータ記憶部、111の送信パケットキュー、113の受信パケットキューは、203のRAMによって構成されている。107の無線通信部は、205のベースバンド部と206のRFによって構成されている。108のRTCは、204のRTCによって構成されている。110のコーデック部は、212のコーデック、207のA/D、209のD/Aによって構成されている。
また、112のペイロード統合部、114のペイロード分割部、115の送信待ち許容時間算出部、116の呼制御部、117のプロトコル処理部、118の上位プロトコル解析部、119のエラー率判定部、120のTS管理部、および、130の制御部は、201のCPUが202のROMの中に記憶しているプログラムを、202のROMの中に記憶しているデータを参照したり、203のRAMに記憶しているデータを参照したり、変更したりしながら実行することによって構成されている。
また、図3は本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム親機の構成を示す機能ブロック図である。図3において、親機400は、104から122にて示す機能構成を有している。104は、受信した無線フレームから取り出されたデータを蓄積する受信バッファである。105は、無線送信用のデータを蓄積する送信バッファである。106は、有線のネットワークと接続するためのLAN通信部である。107は、送信バッファ105に蓄積したデータを無線フレーム化して送信、また、無線フレームを受信してフレームの内容を受信バッファ104に格納する無線通信部である。108は、時間の経過を測定するためのRTCである。
また、111は、後述する有線−無線ブリッジ部121が、中継が必要と判断したLAN側からのフレームを無線フレーム化して送信するために、送信要求受付時刻とともにFIFO方式で記憶する送信パケットキューである。112は、送信待ち時間内に送信パケットキュー111に入力された音声パケットをひとつのフレームにまとめて前記送信バッファに書き込むペイロード統合部である。113は、無線フレームとして受け取ったデータを音声パケットに分解してFIFO方式で記憶する、受信パケットキューである。114は、受信バッファ104に記憶された内容をもともとひとつの音声パケットであったかどうか判断し、複数の音声パケットが統合されている場合は、これを複数の音声パケットに分解し、受信パケットキュー113にFIFO方式で書き込む、ペイロード分割部である。
さらに、118は、上位プロトコルを解析する、上位プロトコル解析部である。119は、無線通信におけるエラー率を算出し、予め指定されたエラー率よりも低いかどうかを判定する、エラー率判定部である。121は、有線と無線の間のフレームを必要があれば中継し、さもなければ破棄する、有線−無線ブリッジ部である。122は、子機ごとにTDMのタイムスロットを割り当てる、QoS管理部である。130は、全体を制御する制御部である。
また、図4は、本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム親機の構成を示す装置ブロック図である。図4において、親機400は、以下の201から213にて示すハード構成を有している。201は、CPU、202は、ROM、203は、RAM、205は、ベースバンド部、206は、RF、213は、ネットワークI/Fである。
図3の機能構成との関係を述べる。104の受信バッファ、105の送信バッファ、111の送信パケットキュー、113の受信パケットキューは、203のRAMによって構成されている。107の無線通信部は、205のベースバンド部と206のRFによって構成されている。108のRTCは、204のRTCによって構成されている。106のLAN通信部は、213のネットワークI/Fによって構成されている。
また、112のペイロード統合部、114のペイロード分割部、118の上位プロトコル解析部、119のエラー率判定部、121の有線−無線ブリッジ部、122のQoS管理部、および、130の制御部は、201のCPUが202のROMの中に記憶しているプログラムを、202のROMの中に記憶しているデータを参照したり、203のRAMに記憶しているデータを参照したり、変更したりしながら実行することによって構成されている。
次に、本実施の形態の無線LAN電話システムの全体構成について説明する。図5は本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システムの全体構成を示す図である。図に示すように子機A300は親機A400の管理下にあり、同様に、子機B300は親機B400の管理下にある。親機A400、親機B400はそれぞれインターネットに接続されている。親機A400、親機B400にはブリッジの機能が搭載されていて、子機からの無線フレームを、LAN通信部(有線)を使用してインターネット側にイーサネット(登録商標)フレームとして中継したり、インターネット側からのイーサネット(登録商標)フレームを子機に無線フレームとして中継したりする。
このように構成された無線LAN電話システムの親機と子機の動作を図6の本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システムの動作概要を示すシーケンスチャートに沿って説明する。以下に説明する動作は、近年VoIPでしばしば利用されているSIPというプロトコルを参考にしている。但し、説明を必要以上に複雑にしないため、多少、処理を簡略化して説明している。また、ここでは、親機、子機の連携に重点を置いて説明をすることにする。子機の「エンコード」「デコード」、親機の「ブリッジ処理」、親機−子機の「無線送信」「無線受信」は、後に詳細を説明する。なお、本説明では、子機300は最初、待ち受け状態にあるものとする。
[ステップE01]
まず、子機A300のユーザは、子機A300の操作部101を利用して発呼先を指定する。ここでは、ユーザが操作部101より、発呼先の番号として、050−1001−1234を入力し、発呼を指示したものとする。
[ステップM02]
制御部130は、操作部101より入力された発呼先番号を受け取り、呼制御部116に対して、指定された発呼先番号に呼を設定するよう要求する。呼制御部116は、「呼の接続要求」を子機B300に知らせるため、「INVITE」メッセージを作成して、プロトコル処理部117に子機B300まで送信するよう要求する。プロトコル処理部117は、無線通信部107を通して親機A400に「INVITE」を意味するデータを送信する(詳細は「子機送信処理」として後述する)。親機A400は受け取った無線フレームを有線のイーサネット(登録商標)フレームに変換してインターネットへ送信する(詳細は「親機ブリッジ処理」として後述する)。親機A400から送信されたイーサネット(登録商標)フレームはインターネット(図では省略している)を通って、親機B400に到着する。親機B400では、受け取ったイーサネット(登録商標)フレームを中継し、無線フレームに変換して、子機B300に送信する(詳細は「親機ブリッジ処理」として後述する)。子機B300では、親機B400が送信した無線フレームを受け取り、無線通信部107、プロトコル処理部117を経由して呼制御部116に「INVITE」メッセージが通知される(詳細は「子機受信処理」として後述する)。これにより子機B300は着呼したことになる。
[ステップE03]
子機B300では、呼制御部116がコーデック部110にリンガー(着信音)を流すよう要求する。これにより、コーデック部110は、音声出力部103に着信音として記憶している音声を出力する。
[ステップM04]
子機B300では、呼制御部116は「着呼を受け入れた」旨を子機A300に知らせるため、「RINGING」メッセージを作成し、プロトコル処理部117に子機A300まで送信するよう要求する。プロトコル処理部117は、無線通信部107を経由して、「RINGING」意味するデータを親機B400へ送信する。このデータは親機B400によって無線フレームからイーサネット(登録商標)フレームに変換され、インターネットを通り、親機A400に届く。さらに、親機A400は受け取ったイーサネット(登録商標)フレームを中継し、無線フレームとして子機A300に送信する。
[ステップE05]
子機A300では、無線通信部107、プロトコル処理部117を経由して、呼制御部116が「RINGING」メッセージを受け取り、発呼先が着呼を受け入れた旨を知る。呼制御部116は、コーデック部110にリング・バック・トーン(呼び出し音、以降RBTと略記する)を出力するよう要求する。これにより、コーデック部110は、音声出力部103にRBTを出力する。
[ステップE06]
子機B300において、ユーザがリンガーを聞いて着信していることに気がつくと、操作部101を操作して、通話を指示する。これにより、子機B300では、制御部130が操作部101から「通話を指示された」旨を受け取り、呼制御部116に「呼を接続する」よう要求する。
[ステップM07]
子機B300において、呼制御部116はQoSを確保するようTS管理部120に要求する。TS管理部120は、プロトコル処理部117、無線通信部107を経由して親機B400に「QoS要求」を送信する。これにより、親機B400では、QoS管理部122が、無線通信部107、プロトコル処理部117を経由して「QoS要求」を受け取り、子機B300に対してTDMのタイムスロット(具体的には、サービス開始時刻とサービス周期)を決定し、プロトコル処理部117、無線通信部107を経由して、子機B300に送信する。子機B300では、無線通信部107が「タイムスロットの指定」を受け取り、プロトコル処理部117を経由してこれをTS管理部120に通知する。これにより、TS管理部120はTDMサービス周期と開始時刻を記憶し、以降の通信を親機B400によって指定されたタイムスロットで行うようになる。TS管理部120はQoS確保完了を呼制御部116に通知する。
さらに、呼制御部116は、エンコードタスク(後述)とデコードタスク(後述)を起動する。以降、呼切断が指示されるまで、音声入力部102から受け取った音声をコーデック部110がエンコードし、結果を音声パケットとして子機A300へ送信するようプロトコル処理部117に要求する。すると音声パケットは前述と同様に、親機B400、親機A400を経由して子機A300に届く。また、子機B300において、コーデック部110が無線通信部107、プロトコル処理部117を経由して受け取った子機A300からの音声パケットは、デコードされ、結果が音声出力部103に出力されるようになる。
[ステップM08]
子機B300において、呼制御部116は、「着呼に対してユーザが応答した」旨を子機A300に知らせるため、「CONNECT−OK」メッセージ作成し、子機A300に送信するようプロトコル処理部117に要求する。プロトコル処理部117は、無線通信部107を経由して、「CONNECT−OK」を意味するデータを親機B400に送信する。これにより、親機B400では子機B300から受け取った無線フレームをイーサネット(登録商標)フレームに変換して中継し、イーサネット(登録商標)フレームはインターネットを通って親機A400に届く。親機A400では、届いたイーサネット(登録商標)フレームを無線フレームに変換して中継し、子機A300に送信する。子機A300では、無線通信部107、プロトコル処理部117を経由して、「CONNECT−OK」を呼制御部116が受け取り、コーデック部110にRBTを停止さるよう要求する。これにより、コーデック部はRBTを停止する。
[ステップM09]
子機A300において、M07と同様の処理を行う。詳細はすでに説明したので割愛する。
[ステップE10]
以降、全2重のQoSが保証された通信路が確保され、通話が可能となる。ここでは、インターネットの通信帯域は十分広く、遅延も数10ms程度であることを仮定している。つまり、子機A300と子機B300の間での通信のボトルネックは子機−親機間であると仮定している。
[ステップM11]
通話中、子機A300のユーザの音声は、子機A300の音声入力部102に入力され、前述のようにコーデック部110によってエンコードされ、音声パケットとしてプロトコル処理部117によって子機B300まで送信される。このとき、子機A300から親機A400の間においては、音声パケットは、TS管理部120によって管理されているサービス周期によって送信される。子機B300では、無線通信部107、プロトコル処理部117を経由してコーデック部110が音声パケットを受け取り、これをデコードし、結果を子機B300の音声出力部103に出力する。子機B300側でのユーザの音声が子機A300に届く処理は、前述の処理とちょうど対称の処理となるため、詳細は割愛する。
[ステップE12]
子機B300においてユーザが呼切断を操作部101から指示する。これにより、制御部130は操作部101から呼切断の指示を受け取って、呼制御部116に呼切断を要求する。呼制御部116はエンコードタスクとデコードタスクを停止する。これにより、コーデック部110はコーデックを停止する。以降、音声パケットを受け取っても破棄し、音声の入力に対してエンコードも行わない。
[ステップM13]
子機B300において、呼制御部116は、TS管理部120にQoSの解放を要求する。TS管理部120は、プロトコル処理部117、無線通信部107を経由して、親機B400に対して、QoSの開放を要求する。親機B400において、無線通信部107が「QoS開放」の要求を受け取り、QoS管理部122に通知する。QoS管理部122はこれまで子機B300に割り当てていたTDMのタイムスロットを開放し、他の子機から要求があれば割り当てられるように準備する。親機B400の無線通信部107はQoSの開放が終わると、子機B300にその旨を通知する無線フレームを送信する。子機B300では、この無線フレームを受け取ると、プロトコル処理部117を経由しTS管理部120に通知する。TS管理部120はQoSを解放し、呼制御部116にその旨を通知する。
[ステップM14]
子機B300において、呼制御部116は、「BYE」メッセージを作成し、プロトコル処理部117に子機A300まで送信するよう要求する。プロトコル処理部117は、無線通信部107を経由して、「BYE」を意味するデータを親機B400に送信する。これまでと同様に、「BYE」メッセージは、親機B400、インターネット、親機A400を経由して子機A300に到着する。
[ステップE15]
子機A300において、呼制御部116は、無線通信部107、プロトコル処理部117を経由して「BYE」のメッセージを受け取る。呼制御部116はエンコードタスクとデコードタスクを停止する。これにより、コーデック部110はコーデックを停止する。以降、音声パケットを受け取っても破棄し、音声の入力に対してもエンコードを行わない。
[ステップM16]
ステップM13同様、子機A300は親機A400にQoSの開放を要求する。詳細はすでに説明したので割愛する。
[ステップM17]
子機A300において、呼制御部116は「BYE−OK」メッセージを作成し、子機B300まで送信するようプロトコル処理部117に要求する。プロトコル処理部117は、無線通信部107を経由して、「BYE−OK」を意味するデータを親機A400に送信する。これまでと同様に、「BYE−OK」のメッセージは親機A400、インターネット、親機B400を経由して子機B300に届く。
[ステップE18]
子機Bにおいて、呼制御部116は、無線通信部107、プロトコル処理部117を経由して、「BYE−OK」メッセージを受け取る。以降、子機B300は「待ち受けモード」となる。
次に、本実施の形態の子機の動作の概要を説明する。図7は本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機のタスク構成を示す図を示している。本実施の形態では、子機300は、音声をエンコードするエンコードタスク、プロトコルに従ってデータの送受信を制御するプロトコル処理タスク、音声をデコードするデコードタスク、呼設定・接続・切断などを行う呼制御タスク、音声パケットを無線フレームとして送信する無線送信タスク、無線フレームを受信して音声パケットにする無線受信タスクが並行して動作しているものとする。エンコードタスク、デコードタスク、呼制御タスクはプロトコル処理タスクに対して送信要求、受信要求を行う。受信要求を行ったあと、プロトコル処理タスクは要求があったデータを受信すると、その旨を、受信要求を行ったタスクに通知する。なお、図中の矢印はデータの流れを示している。
次に、本実施の形態の親機の動作の概要を説明する。図8は本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム親機のタスク構成を示す図を示している。親機400では、子機と同様に無線送信タスク、無線受信タスクおよび、「無線受信タスクが受け取った無線フレームを吟味し、有線と無線の間でフレームを中継するかどうかを決定し、必要があれば、フレームの形式を変換した後、LAN通信部106を介してイーサネット(登録商標)フレームを送信する、また、LAN通信部106を通して受信したイーサネット(登録商標)フレームを吟味し、有線と無線の間でフレームを中継するかどうかを決定し、必要があれば、フレームの形式を変換した後、無線送信タスクに渡す」ブリッジタスクが並行して動作している。
以降、子機のそれぞれのタスクの動作についてフローチャートを使用して説明する。まず、エンコードタスクの処理について図9の本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機のエンコードタスクの動作を示すフローチャートに沿って説明する。エンコードタスクは呼制御タスクによって通話中に起動される。通話が終わると呼制御タスクによって停止させられる。以下の説明は通話中のエンコードタスクの動作である。
[ステップS01]
コーデック部110は音声入力部102から音声の受け取り、サンプリング(A/D変換)およびエンコードを行う。
[ステップS02]
コーデック部110はパラメータ記憶部109に記憶されたコーデック間隔を参照し、RTC108と比較しながらコーデック間隔で指定されている時間だけエンコードが行われたかどうかを判断する。指定された時間が経過していれば、ステップS03へ進む。さもなければ、ステップS01に戻る。
[ステップS03]
コーデック部110はサンプリングしたデータをプロトコル処理部117に渡し、送信を要求する。ステップS01に戻る。
次に、デコードタスクの処理について図10の本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機のデコードタスクの動作を示すフローチャートに沿って説明する。デコードタスクは、呼制御タスクによって通話中に起動される。通話が終わると呼制御タスクによって停止させられる。以下の説明は通話中のデコードタスクの動作である。
[ステップS101]
コーデック部110は、プロトコル処理部117から受信通知を受け取っているかどうかを確認する。受信通知を受け取っていれば、ステップS102へ進む。さもなければ、ステップS101に戻る。
[ステップS102]
コーデック部110は、プロトコル処理部117から受信データを受け取る。
[ステップS103]
コーデック部110は受け取ったデータをデコードし、結果をD/A変換し、その出力を音声出力部103に出力する。ステップS101に戻る。
次に、呼制御タスクの動作について図11の本発明に係る実施の形態1、2による無線LAN電話システム子機の呼制御タスクの動作を示すステートチャートに沿って説明する。
まず、子機A300の電源がONされて、子機A300のユーザが発呼、通話、切断を行う一連の処理について呼制御タスクの動作を子機A300の側から説明する。
[ステップE101]
子機300の電源ONが操作部101から指示されると、制御部130は呼制御タスク、プロトコル処理タスク、無線送信タスク、無線受信タスクを起動する。呼制御タスクは起動されると、待ち受け状態に遷移する。これにより、以降、発着呼が可能になる。
[ステップE102]
子機A300でユーザが操作部101を操作して子機B300に発呼を行う。子機A300の制御部130は、操作部101からの「発呼」の通知を受け、発呼先番号を受け取り、呼制御部116に相手先番号を指定して「呼接続」要求する。呼制御部116は、「INVITE」メッセージを子機B300まで送信するようプロトコル処理部117に要求する。子機B300は、「INVITE」メッセージを受け付けて、着呼中となり、「RINGING」メッセージを子機A300に送り返してくる。子機A300の呼制御部116はプロトコル処理部117経由で子機B300からの「RINGING」メッセージを受信し、発呼中状態に遷移する。呼制御部116はRBTを音声出力部103に出力し、ユーザに「呼び出し中」であることを知らせる。
[ステップE103]
子機B300では、リンガー(着信音)が鳴っており、ユーザは着信音に気づいて着信を受け入れる。これにより、子機B300では親機B400との間でQoSの確保が行われ、エンコードタスク、デコードタスクが起動された後、「CONNECT−OK」メッセージを子機A300に送信してくる。子機A300では、呼制御部116が、「CONNECT−OK」メッセージを、プロトコル処理部117を経由して受け取り、TS管理部120にQoSの確保を要求する。TS管理部120は親機A400にQoSの確保要求を行い、親機A400によってQoSの確保が行われた後、親機A400によって指定されたTS(タイムスロット)を受け取る。TS管理部120は呼制御部116にQoSの確保が完了したことを通知する。
これにより、呼制御部116は前述のエンコードタスクとデコードタスクを起動し、コーデック部110は、以降の音声入力部102からの音声をA/D変換およびエンコードし、音声パケットとしてプロトコル処理部117に渡す。また、コーデック部110はプロトコル処理部117が受け取った音声パケットをデコードおよびD/A変換し、音声出力部103に出力する。通話中に遷移する。
[ステップE109]
子機A300のユーザが通話を終えた場合、子機A300の操作部101を操作して、呼を切断する。制御部130は操作部101からの切断操作の通知を受け、呼制御部116に「呼切断」を要求する。呼制御部116はエンコードタスクとデコードタスクを停止させ、TS管理部120に「QoS解放」を要求する。TS管理部120は、プロトコル処理部117、無線処理部107を経由して、親機A400に「QoS解放」要求し、親機A400でQoSの解放が行われた後、親機A400が送信した「QoS解放完了」を無線処理部107、プロトコル処理部117を経由して受け取り、呼制御部116に通知する。これにより、呼制御部116は「BYE」メッセージを子機B300へ送るようプロトコル処理部117に要求する。プロトコル処理部117は無線処理部107を経由して「BYE」メッセージを意味するデータを親機A400に送信し、インターネット、親機B400、を経由して子機B300に到着する。子機B300は「BYE」メッセージを受け取ると、「BYE−OK」を子機A300に返送する。子機A300では、無線通信部107、プロトコル処理部117を経由して、呼制御部116が「BYE−OK」メッセージを受け取る。これにより、待ち受け状態に遷移する。
[ステップE107]
また、ユーザが発呼中に発呼を取りやめる場合は、操作部101から発呼取りやめの指示を行い、制御部130が操作部101から発呼取りやめの指示を受け取り、呼制御部116に発呼取りやめを要求する。呼制御部116はプロトコル処理部117に「CANCEL」のメッセージを子機B300へ送信するよう要求する。子機B300はリンガーを停止、「CANCEL−OK」メッセージを子機A300に送信する。子機A300では、子機B300からの「CANCEL−OK」をプロトコル処理部117が受け取り呼制御部116に通知すると、呼制御部116は待ち受け状態に遷移する。
次に、子機B300側からみた、呼制御タスクの動作について説明する。
[ステップE104]
プロトコル処理部117は、子機A300から「INVITE」メッセージを受け取り、呼制御部116に通知する。呼制御部116はプロトコル処理部117に「RINGING」メッセージを子機A300に返送するよう要求する。呼制御部116はリンガーを音声出力部103に出力し、ユーザに着信が発生していることを知らせる。呼制御部116は着呼中状態に遷移する。
[ステップE105]
ユーザは、リンガーによって着呼していることを知り、操作部101を操作して、着信に応答する。制御部130は操作部101から着信応答を受け取り、呼制御部116に応答を要求する。呼制御部116はTS管理部120に「QoS確保」を要求する。TS管理部120は親機B400に「QoS確保要求」を送信する。親機B400は、これを受け取って、QoSを確保し、「QoS確保完了」を子機B300に送信する。プロトコル処理部117は「QoS確保完了」を受け取り、TS管理部120にTS(タイムスロット)を通知する。TS管理部120はQoS確保完了を呼制御部116に通知する。
これにより、呼制御部116は「CONNECT−OK」メッセージを子機A300に送信するようプロトコル処理部117に要求する。プロトコル処理部117は「CONNECT−OK」メッセージを子機A300に送信する。さらに呼制御部116は、音声出力部103へのリンガーの出力を停止し、エンコードタスクとデコードタスクを起動して、以降の音声入力部102からの音声がA/D変換・エンコードされ、音声パケットとして子機A300へ送信されるようにし、また、子機A300からの音声パケットがデコード・D/A変換され、音声出力部103から出力されるようにする。
[ステップE109]
プロトコル処理部117は、子機A300から「BYE」メッセージを受信し、呼制御部116に通知する。呼制御部116は、TS管理部120に「QoS解放」を要求し、TS管理部120は親機B400に「QoS解放要求」を送信する。親機B400はこれ受け取って、QoSを解放し、「QoS解放完了」を子機B300に返送する。プロトコル処理部117はこれを受け取ってTS管理部120に通知する。TS管理部120は、QoSを解放し、呼制御部116にQoS解放完了を通知する。呼制御部116は、エンコードタスクとデコードタスクを停止し、待ち受け状態に遷移する。
また、子機A300のユーザが発呼中に発呼を取りやめた場合は、ステップE108に遷移する。
[ステップE108]
プロトコル処理部117は「CANCEL」メッセージを受信し、呼制御部116に通知する。呼制御部116はリンガーを停止し、子機A300に「CANCEL−OK」メッセージを送信するようプロトコル処理部117に要求し、待ち受け状態に遷移する。
次に、プロトコル処理タスクの動作について図12のフ本発明に係る実施の形態1、2による無線LAN電話システム子機のプロトコル処理タスクの動作を示すフローチャートに沿って説明する。
[ステップS201]
プロトコル処理部117は、エンコードタスク、デコードタスク、呼制御タスクから、送信要求があるかどうかを調べる。あれば、ステップS202へ、なければ、ステップS203へ進む。
[ステップS202]
プロトコル処理部117は、送信要求を受け付けて、各プロトコルにしたがってヘッダを付加し、送信パケットキュー111に入れる。送信パケットキュー111はあて先ごとに用意されている。ここであて先とは、IEEE802.11で規定されている送信先MACアドレスである。このとき、この送信要求を受け付けた時刻を、RTC108を参照して、送信要求と対応付けて書き込む。ステップS201に進む。
ここでは、音声パケットをエンコードタスクから受け取ったとして、説明する。プロトコル処理部117は、音声パケットにRTPヘッダ、UDPヘッダ、IPヘッダ、LLCヘッダを付加し、あて先のMACアドレスを決定する(通常、あて先はIPアドレスで与えられており、プロトコル処理部117はこれをMACアドレスに変換する。詳細は、TCP/IPの通信処理と同様なので割愛する。)。プロトコル処理部117は、MACアドレスごとに用意された送信パケットキュー111の中から音声パケットのあて先のMACアドレスを持った送信パケットキューを選択し、音声パケットを送信パケットキュー111に入れる。このとき、RTC108を参照し、送信要求受付時刻として、送信パケットキューに書き込む。ステップS201へ進む。
[ステップS203]
プロトコル処理部117は、受信パケットキュー113にデータが届いているかどうか確認する。届いていればステップS204へ、さもなければ、ステップS201へ進む。
[ステップS204]
プロトコル処理部117は、受信パケットキュー113から受信データを取り出す。
[ステップS205]
データのあて先を確認する。あて先がデコードタスクであれば、デコードタスクへ、呼制御タスクであれば、呼制御タスクへ通知する。ステップS201へ進む。
次に、子機300の無線送信タスクの動作を図13の本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機の無線送信タスクの動作を示すフローチャートに沿って説明する。送信パケットキュー111は、あて先のMACアドレスごとに存在し、無線送信タスクは、以下の処理を送信パケットキュー111ごとに行う。但し、以下の説明では、ひとつの送信パケットキュー111に注目してその動作を説明する。
[ステップS301]
制御部130は、RTC108とパラメータ記憶部109に設定された「次の送信時刻」とを比較し、現在の時刻が「次の送信時刻」に等しいか、過ぎていれば、ステップS302へ進む。さもなければ、ステップS301へ進む。ここでは、RTC108の値が12:33 22.013 994であり、「次の送信時刻」が12:33 22.013 994であったとする。
[ステップS302]
制御部130は、TS管理部120に「サービス周期」を問い合わせ、RTC108を参照して、次の送信時刻を計算し、「次の送信時刻」を更新する。ここでは、サービス周期は10.24msであり、RTC108の値が12:33 22.013 994であるため、したがって、次の送信時刻は12:33 22.024 234 となる。
[ステップS303]
制御部130は、送信パケットキュー111を参照して、キューが空かどうかを判断する。空ならば、ステップS301へ、さもなければステップS304へ進む。
[ステップS304]
制御部130は送信パケットキュー111の最初のエントリに注目する。
[ステップS305]
制御部130は、エラー率判定部119にエラー率が予め設定された閾値よりエラー率が低いかどうかを問い合わせる。エラー率判定部119は、制御部130に判定結果を渡す。受け取った判定結果から、エラー率が低い場合はステップS306へ、さもなければステップS315へ進む。ここでは、エラー率が低いものとして説明を続ける。
[ステップS306]
制御部130は、送信待ち許容時間算出部115に、送信待ち許容時間を算出するよう要求する。これにより、送信待ち許容時間算出部115はパラメータ記憶部109とRTC108とエントリと対応付けて記録された送信要求受付時刻とを参照し、遅延許容時間を算出する。まず、RTC108と送信要求受付時刻から送信待ち時間を求める。ここでは(数1)に示す以下の値であるとする。
Figure 0005028784
また(数2)がパラメータ記憶部109に予め、記憶されているものとする。
Figure 0005028784
なお、コーデック遅延とは、音声が入力されてからA/D変換されて、指定されたアルゴリズムによって(ここではμ則PCM 8kHz 8ビットサンプリングが指定されているものとする)エンコードされたデータが出てくるまでの時間であり、このデータをコーデック周期に相当する分だけ集めてはじめて音声フレームとすることができる。また、音声フレームをデコードしてD/A変換して、音声として出力されるまでの遅延時間も同じ値としている。コーデックのアルゴリズムによってはこの遅延時間は非対称となることもあるが、ここでは対称であるとして説明を続ける。さらに、コーデック待ち時間とは受信側でジッターバッファを設けて、デコード待ちの音声パケットを一時的に貯めておき、音声パケットの到着が変動しても、音声が途切れないようにするための、時間である。(数3)によって次式によって送信待ち許容時間を計算する。
Figure 0005028784
図14は上式を分かりやすく図示した、本発明に係る実施の形態1、2による無線LAN電話システムの音声の遅延量の内訳を示す図である。
上記より注目しているエントリの送信待ち許容時間は13msとなる。
[ステップS307]
制御部130は、次回の送信で間に合うかどうかを判断する。間に合うと判断した場合はステップS309へ、さもなければステップS308へ進む。ここで、現在の時刻が12:33 22.013 994である。この場合、送信待ち許容時間が13msであるため、最悪、12:33 22.026 994までに送信すればよいことがわかる。次の送信時刻は12:33 22.024 234なので、次の送信で間に合うと判断する。
[ステップS308]
制御部130は、今回の送信のタイミングで送信すべきデータがすでに送信バッファ105に存在しているかどうかを判断する。つまり、次の送信でも間に合うとステップS307で判断されても、すでに、送信バッファ105に送信すべきデータが存在していれば、まとめて送信するほうが、送信効率がよい。すなわち、存在している場合は、ステップS309へ、さもなければ、ステップS301へ進む。ここでは、送信バッファ105にデータが存在していなかったこととして説明を続ける。この場合、ステップS301に進む。
以降、時間が経過し、時刻が12:33 22.024 234になったとする。ここでは、ステップS301からステップS306を実行する。ここで図15に示すように送信パケットキュー111に2つの音声パケットがエンキューされているものとする。
送信待ち時間は、(数4)となる。
Figure 0005028784
したがって、送信待ち許容時間=3ms である。次回の送信時刻は12:33.22 034 474であるため、ステップS307では、エントリ1は次回の送信では間に合わない、と判断され、ステップS309へ進む。
[ステップS309]
制御部130は、送信パケットキュー111から注目中のエントリのデータを取り出す。
[ステップS310]
制御部130は、データをマージするようペイロード統合部112に指示する。詳細は後述する。送信バッファ105に送信すべきデータが書き込まれる。
[ステップS311]
制御部130は、送信パケットキュー111を参照して、まだ、エントリがあるかどうかを判断する。あれば、ステップS312へ、なければ、ステップS313へ進む。ここでは、図15に本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機の送信パケットキュー111の内容を示す図を示すようにエントリがもうひとつエンキューされているのでステップ12へ進む。
[ステップS312]
制御部130は、次のエントリに注目する。ステップS305へ進む。ここで、制御部130はエントリ2に注目し、さらに、ステップS307でエントリ2が次の送信で間に合うかどうかを判断する。ここでは間に合うと判断されるため、ステップS308へ進む。次にステップS308では、先ほどエントリ1が送信バッファ105に書き込まれているため、ステップS309へ進む。ステップS309では、送信パケットキュー111からデータを取り出し、ステップS310で、送信データをマージする。マージ処理の詳細は後述する。このようにして、1度に送れると判断できた音声パケットはひとつの無線フレームにまとめられる。次にステップS311で送信パケットキュー111のエントリがすべて評価されたことが判断され、ステップS313へ進む。
[ステップS313]
ここでは無線フレームはIEEE802.11iで規定された暗号化方式によって暗号化されるものとする。制御部130は、無線通信部107にCCMPヘッダとMICキーを付加するよう指示する。これにより、無線通信部107は、暗号化アルゴリズムにしたがってCCMPヘッダとMICキーを計算し、送信バッファ105のIEEE802.11iで規定されたペイロードの位置に追加する。
[ステップS314]
制御部130は、無線通信部107に送信バッファ105の内容を送信するよう指示する。これにより、無線通信部107は指示された内容を無線フレームとして空中に放出する。ステップS301へ進む。ここで、IEEE 802.11で規定されているプリアンブルやFCSは無線通信部107で付加されるものとする。
一方、ステップS305でエラー率が高いと判断された場合は、ステップS315に遷移する。
[ステップS315]
ステップS309と同様の処理を行う。
[ステップS316]
ステップS310と同様の処理を行う。
[ステップS317]
ステップS313と同様の処理を行う。
[ステップS318]
ステップS314と同様の処理を行う。
[ステップS319]
制御部130は、送信パケットキュー111を参照して、まだ、未評価のエントリがあるかどうかを判断する。あれば、ステップS312へ、なければ、ステップS301へ進む。この場合は、従来の無線LANと同様、音声パケットをそのままひとつの無線フレームとして送信する処理となる。
次に、マージ処理の詳細を図16の本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システムの送信マージ処理を示すフローチャートに沿って説明する。ここでは、制御部130によって送信パケットキュー111から取り出されたエントリの内容がペイロード統合部112に渡されているものとして説明する。
[ステップS401]
ペイロード統合部112は、送信バッファ105にデータが書き込まれているかどうかを判断する。書き込まれていればステップS407へ、さもなければ、ステップS402へ進む。
[ステップS402]
ペイロード統合部112は送信バッファ105にMACヘッダを書き込む。
[ステップS403]
ペイロード統合部112は上位プロトコル解析部118にエントリの内容を渡す。これにより、上位プロトコル解析部118は、パケット内の上位プロトコル(ここでは、LLC、IP、UDP、RTP)のプロトコルヘッダを認識し、各レイヤのヘッダを記憶する。
[ステップS404]
ペイロード統合部112は、受け取った音声パケットの合計バイト数を算出する。ここでは、LLCヘッダ(8バイト)+IPv6ヘッダ(40バイト)+UDPヘッダ(8バイト)+RTPヘッダ(12バイト)+音声(80バイト)=148バイトとなる。
[ステップS405]
ペイロード統合部112はステップS404で得られた合計バイト数をペイロードデリミタ1として送信バッファ105に書き込む。ここでは148を書き込む。
[ステップS406]
ペイロード統合部112は音声パケットとして受け取ったデータを送信バッファ105に書き込む。マージ処理を終了する。
[ステップS407]
ペイロード統合部112は上位プロトコル解析部118にエントリの内容を渡す。これにより、上位プロトコル解析部118は、パケット内の上位プロトコル(ここでは、LLC、IP、UDP、RTP)のプロトコルヘッダを認識し、ステップS403で記憶していた内容と比較する。上位プロトコル解析部118はヘッダを解析した結果をペイロード統合部112に渡す。ここでは、LLCヘッダ、IPヘッダ、UDPヘッダが冗長であることをペイロード統合部112に知らせる。
[ステップS408]
ペイロード統合部112は、冗長なヘッダを省略すると送信すべきデータの合計バイト数がいくらになるかを計算する。ここでは、冗長なヘッダがどれかを示すフラグ1バイトと省略できないRTPヘッダ12バイトと音声データ80バイトの合計93を算出する。
[ステップS409]
ペイロード統合部112は、ステップS408で算出した値をペイロードデリミタとして送信バッファ105に書き込む。ここでは93が書き込まれる。
[ステップS410]
次に、ペイロード統合部112は冗長なヘッダがどれかを示すフラグ1バイトを送信バッファ105に書き込む。ここではフラグは、OSIのレイヤモデルにしたがって、第2層、第3層、第4層、第5から7層をおのおの2ビットで表現しており、00は「もともと対応するヘッダがなかった」、01は「ヘッダがあったが冗長なので省略した」、10「省略できなかった」を表すものとする。ここでは、LLCヘッダ、IPヘッダ、UDPヘッダは省略可能で、RTPヘッダは省略できないため、フラグの値は01010110となる。
[ステップS411]
ペイロード統合部112は、省略できなかったヘッダと音声データを送信バッファ105に書き込む。マージ処理を終了する。
ここでは、続いてRTPヘッダ12バイトと音声データ80バイトを送信バッファ105に書き込む。図17はIEEE802.11による無線フレームのフォーマットを示す図を示している。また、図18は本発明に係る実施の形態1によって2つの音声パケットが1つの無線フレームにまとめられたときのフレーム・フォーマットを示す図を示している。まず、無線通信部107に内蔵された暗号化エンジンによってCCMPヘッダが書き込まれ、MICキーが付加された後、PLCPプリアンブル、PLCPヘッダおよびFCSを無線通信部107が無線フレームを生成するときに付加する。図17、図18の比較より、本来2つの音声パケットを2つの無線フレームで送信せずに、1つの無線フレームにまとめると、フレーム長は25%大きくなるだけなので、伝送効率が大幅に向上することが分かる。
次に、無線受信タスクの動作を図19の本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システムの受信タスクの動作を示すフローチャートに沿って説明する。ここで、自局宛の無線フレームは無線通信部107によって受信され、暗号が解除された状態で受信バッファ104にフレームの内容がデータとして書き込まれているものとする。すなわち、CCMPヘッダとMICキーは取り除かれているものとする。また、ここでは、自局宛の無線フレーム以外は無線通信部によって無視されているものとする。すなわち、受信バッファに書き込まれるデータは自局宛のものに限るものとする。
[ステップS501]
ペイロード分割部114は、受信バッファ104を参照してデータを受信しているかどうかを判断する。受信していれば、ステップS502へ、さもなければ、ステップS501へ進む。
[ステップS502]
ペイロード分割部114は、受信バッファ104からデータを取り出す。
[ステップS503]
ペイロード分割部114は、MACヘッダを取り出す。
[ステップS504]
ペイロード分割部114は、最初のペイロードに注目する。
[ステップS505]
ペイロード分割部114は、次の1バイトをデリミタと解釈し、値を読み出し、ペイロードが何バイトかを得て、そのバイト数分だけペイロードとして切り出す。
[ステップS506]
ペイロード分割部114は、ステップS505で得たペイロードを上位プロトコル解析部118に渡す。これにより、上位プロトコル解析部118は、第2層、第3層、第4層、第5から7層でのヘッダを解釈し、ペイロード分割部114に通知する。ここではLLCヘッダ、IPヘッダ、UDPヘッダ、RTPヘッダと解釈できたとする。上位プロトコル解析部118はそれぞれのレイヤごとにヘッダを記憶する。
[ステップS507]
ペイロード分割部114は、得られたペイロードを受信パケットキュー113に入れる。
[ステップS508]
ペイロード分割部114は、受信バッファ104を参照して、すべてのペイロードを切り出したかどうか判断する。すべてのペイロードの切り出しが終わっていれば、ステップS501へ、さもなければ、ステップS509へ進む。
[ステップS509]
ペイロード分割部114は、受信バッファ104を参照して、次のペイロードに注目する。
[ステップS510]
ペイロード分割部114は、受信バッファ104中の次の1バイトをデリミタと解釈し、値を読み出し、注目中のペイロードが何バイトかを得て、そのバイト数分だけペイロードとして切り出す。
[ステップS511]
ペイロード分割部114は、次の1バイトを省略フラグと解釈し、どのレイヤのヘッダが省略されているかを判断する。さらに、省略されているヘッダに対しては、ステップS506で記憶しているヘッダの内容からヘッダを復元するよう上位プロトコル解析部118に指示する。これにより、上位プロトコル解析部118は、ペイロードとステップS506で記憶した内容を比較し、各レイヤのヘッダを復元する。ここでは、IPヘッダとUDPヘッダにはチェックサムが含まれるため、ペイロードの内容からチェックサムを計算し、ヘッダとして復元する。以上で、ヘッダが省略される前の音声パケット全体が復元されたことになる。ステップS507へ進む。
ここでは、フラグの値が01010110であったとすると、フラグは、OSIのレイヤモデルにしたがって、第2層、第3層、第4層、第5から7層をおのおの2ビットで表現しており、00は「もともと対応するヘッダがなかった」、01は「ヘッダがあったが冗長なので省略した」、10「省略できなかった」を表すので、それぞれ、LLCヘッダは省略、IPヘッダ省略、UDPヘッダ省略、RTPヘッダ省略なし、と解釈できる。したがって、今注目しているフラグから後ろはRTPヘッダとして解釈し、省略されているヘッダに関してはステップS506で記憶した内容に基づき復元する。さらに、IPヘッダとUDPヘッダに関してチェックサムを再計算し、ヘッダを復元する。
以上の処理によって、もともと複数の音声パケットがひとつの無線フレームにまとめられていても、正しくもとの音声パケットに分割され、プロトコル処理部117に渡される。デコードタスクは、規定された遅延時間内にデコード処理を完了し、音声として再生する。
次に、親機400のタスクについて説明する。但し、無線受信タスクは子機300と同一なので説明を省略する。ブリッジタスクの処理について図20の本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム親機のブリッジタスクの動作を示すフローチャートに沿って説明する。
[ステップS601]
有線−無線ブリッジ部121は、受信パケットキュー113にエントリがあるかどうかを判断する。エントリがあればステップS602へ、さもなければ、ステップS605へ進む。
[ステップS602]
有線−無線ブリッジ部121は、受信パケットキュー113からエントリを取り出す。
[ステップS603]
有線−無線ブリッジ部121は、ステップS602で取り出したエントリの内容を参照して、LAN側(有線)に中継する必要があるかどうかを判断する。この判断においては第2層のあて先を利用する。本実施の形態では、第2層はIEEE802.11で規定されているMACアドレスによって判断する。この判断のためのアドレスの学習方法などは、本発明の主旨と関係ないので割愛する。中継が必要な場合はステップS604へ、さもなければ、ステップS601へ進む。
[ステップS604]
有線−無線ブリッジ部121は、IEEE802.11のMACヘッダ形式をIEEE802.3のMACヘッダの形式に変換し、LAN通信部106よりエントリの内容を送信する。ステップS601へ進む。
[ステップS605]
有線−無線ブリッジ部121はLAN通信部106に有線LANからデータを受信しているかどうかを問い合わせる。受信していれば、ステップS606へ、さもなければ、ステップS601へ進む。
[ステップS606]
有線−無線ブリッジ部121はLAN通信部106から受信データを受け取る。
[ステップS607]
有線−無線ブリッジ部121は、ステップS606で取り出した受信データを無線LAN側に中継する必要があるかどうかを判断する。中継するかどうかの判断の方法は従来のブリッジ処理と同様なので割愛する。中継する必要がある場合は、ステップS608へ、さもなければ、ステップS601へ進む。
[ステップS608]
有線−無線ブリッジ部121は、ステップS606で取り出した受信データをIEEE802.3のMACヘッダの形式からIEEE802.11のMACヘッダの形式に変換し、送信パケットキュー111に入れる。
次に、親機400の無線送信タスクについて図21の本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム親機のブリッジタスクの動作を示すフローチャートに沿って説明する。親機400の無線送信タスクは、子機300の無線送信タスクとほぼ同様であるが、親機400では、送信待ち許容時間を計算しない部分が子機300の無線送信タスクと異なっている。以下、子機300の無線送信タスクと異なる部分を説明する。親機400では同時に複数の子機300に対する処理を行っている。ここでは、子機A300に対する親機A400の処理に注目して説明する。
[ステップS701]
図13のステップS301と同様である。
[ステップS702]
制御部130は、QoS管理部122に子機A300に対する「サービス周期」を問い合わせ、RTC108を参照して、次の送信時刻を計算し、「次の送信時刻」を更新する。ここでは、サービス周期は10.24msであり、RTC108の値が12:33 22.013 994であるため、したがって、次の送信時刻は12:33 22.024 234 となる。
[ステップS703からS704]
図13のステップS303からS304と同様である。
[ステップS705]
制御部130は、エラー率判定部119にエラー率が予め設定された閾値よりエラー率が低いかどうかを問い合わせる。エラー率判定部119は、制御部130に判定結果を渡す。受け取った判定結果から、エラー率が低い場合はステップS709へ、さもなければステップS715へ進む。
[ステップS709からS719]
図13のステップS309からS319と同様である。
以上のように、親機400では、送信時刻までに送信パケットキュー111に届いたパケットを無条件にひとつの無線フレームにまとめている(子機では、次の送信時刻でも間に合うかどうかを判断し、なるべく、送信すべき音声パケットを貯めてからまとめて送信する処理になっている)。
図22は従来のTDM方式における音声のエンコードと無線フレームの送信のタイミングを示した図を示したものである。図で示したようにC0のタイミングで発生した音声パケットは、本来T0の間で送信されれば、遅延許容時間内に相手に届くが、従来の送信方法ではS0のタイミングで送信している。つまり、従来の送信方法では「いつまでに送信すれば遅延許容時間内に届くか」をまったく考慮せず、送信要求が発生した時点からもっとも早い送信タイミングで送信している。これに対して、図23は、本発明に係る実施の形態1による音声のエンコードと無線フレームの送信タイミングを示した図を示したものである。C1とC2で発生した音声パケットはS1のタイミングでまとめて送信される。このように、本発明による方法では、送信の許容タイミング内で複数の送信パケットをひとつのフレームにまとめて送信するため、通信帯域の消費量を少なくすることができる。図22、図23を比較すると、送信の許容タイミングがコーデックの周期以上あり、かつ、送信タイミングの周期とコーデックの周期がほぼ同一の場合(無線LAN電話システムでは、しばしば、このような状況でシステムが運用される)、本発明による送信方法が通信帯域を有効に利用できることがわかる。
これにより、ユーザは、音声通話時に不快な遅延を感じることなく、また、同時にデータ通信を行われていても、ストレス無く、データ通信を行うことができる。
以上のように本実施の形態の無線LAN電話システムの子機300は、発呼先の指定、着呼時に通話の指示および終話の指示をするための操作部101と、音声を入力するための音声入力部102と、音声を出力するための音声出力部103と、受信した無線フレームを蓄積する受信バッファ104と、送信用のデータを蓄積する送信バッファ105と、この送信バッファ105に蓄積したデータを無線フレーム化して送信、また、無線フレームを受信してフレームの内容を受信バッファ104に格納する無線通信部107と、時間の経過を測定するためのRTC108と、音声の遅延許容時間、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延、および、あらかじめ指定されたネットワークの遅延量を記憶するパラメータ記憶部109とを有している。
そして、無線LAN電話システムの子機300は、さらに、音声入力部102から入力した音声をA/D変換し、所定のアルゴリズムを用いて音声パケットに変換(エンコード)する、また、音声データを所定のアルゴリズムを用いてデコードした上で、D/A変換し、音声出力部103に出力するコーデック部110と、このコーデック部110が出力した音声パケットをFIFO方式で記憶する送信パケットキュー111と、送信待ち時間内に送信パケットキュー111に入力されたパケットをひとつのフレームにまとめて送信バッファ105に書き込むペイロード統合部112と、無線フレームとして受け取ったデータをパケットに分解してFIFO方式で記憶する、受信パケットキュー103と、受信バッファ105に記憶された内容から、元来ひとつの音声パケットであったかどうか判断し、複数の音声パケットが統合されている場合は、これを複数の音声パケットに分解し、受信パケットキュー113にFIFO方式で書き込む、ペイロード分割部114と、パラメータ記憶部109に記憶された音声の遅延許容時間、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延、および、あらかじめ指定されたネットワークの遅延量と、無線送信周期もしくは送信待ち時間の予測値とRTCの値を比較・参照し、送信待ちの許容時間を算出する、送信待ち許容時間算出部115と、発呼、着呼、呼の接続・切断の制御、および、呼の各状態に応じたシグナル(ダイヤルトーン、ビジートーン、リンガー、リング・バック・トーン)を前記音声出力部に出力する呼制御部116と、呼の設定や解除、通話時の音声パケットの送受信を処理するプロトコル処理部117と、装置の全体を制御する制御部130とを有している。
これにより、親機400との通信において、無線フレーム化の際のオーバーヘッドが軽減され、かつ、音声の遅延を縮小することができる。
また、本実施の形態の無線LAN電話システムの子機300は、タイムスロットの管理を行うTS管理部120をさらに有し、親機400との無線通信をTDMで行う。これにより、無線フレーム化の際のオーバーヘッドが軽減され、かつ、音声の遅延が縮小され、さらに、1アクセスポイントあたりの同時通話数が増大し、また、通話中にデータ通信を行う際にデータ通信が使用できる帯域幅を大きく取ることができる。
さらに、本実施の形態の無線LAN電話システムの親機400は、有線・無線ブリッジ部121を有している。親機400は、この有線−無線ブリッジ部121の機能を使って異なるフレーム間で中継を行う。つまり、子機300からの無線フレームを、LAN通信部(有線)を使用してインターネット側にイーサネット(登録商標)フレームとして中継したり、インターネット側からのイーサネット(登録商標)フレームを子機300に無線フレームとして中継したりする。例えば、IEEE802.11のMACヘッダ形式をIEEE802.3のMACヘッダの形式に変換し、LAN通信部106よりエントリの内容を送信したり、受信データをIEEE802.3のMACヘッダの形式からIEEE802.11のMACヘッダの形式に変換し、送信パケットキュー111に入れたりすることにより、有線と無線の間で通信するフレームを中継する。
(実施の形態2)
図24は本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム子機の構成を示す機能ブロック図である。図24において、子機310は、101から123にて示す機能構成を有している。なお、子機310のハード構成は、実施の形態1のもの(図2)と同様である。
図24において、101は、発呼先の指定、着呼時に通話の指示および終話の指示をするための操作部である。102は、音声を入力するための音声入力部である。103は、音声を出力するための音声出力部である。104は、受信した無線フレームから取り出されたデータを蓄積する受信バッファである。105は、無線送信用のデータを蓄積する送信バッファである。107は、送信バッファ105に蓄積したデータを無線フレーム化して送信、また、無線フレームを受信してフレームの内容を受信バッファ104に格納する無線通信部である。108は、時間の経過を測定するためのRTCである。109は、音声の遅延許容時間、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延、および、予め指定されたネットワークの遅延量を記憶するパラメータ記憶部である。
また、110は、音声入力部102から入力した音声をA/D変換し、所定のアルゴリズムを用いて音声パケットに変換(エンコード)する、また、音声データを所定のアルゴリズムを用いてデコードした上で、D/A変換し、音声出力部103に出力するコーデック部である。111は、コーデック部110がエンコードした音声パケットをエンコードが完了した時刻、すなわち、送信要求受付時刻とともにFIFO方式で記憶する送信パケットキューである。112は、送信待ち時間内に送信パケットキュー111に入力されたパケットをひとつのフレームにまとめて送信バッファに書き込むペイロード統合部である。113は、無線フレームとして受け取ったデータを音声パケットに分解してFIFO方式で記憶する、受信パケットキューである。
また、114は、受信バッファ104に記憶された内容をもともとひとつの音声パケットであったかどうか判断し、複数の音声パケットが統合されている場合は、これを複数の音声パケットに分解し、受信パケットキュー113にFIFO方式で書き込む、ペイロード分割部である。115は、パラメータ記憶部109に記憶された音声の遅延許容時間、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延、および、予め指定されたネットワークの遅延量を参照し、RTC108の値を送信要求受付時刻と比較し、送信待ちの許容時間を算出する、送信待ち許容時間算出部である。116は、発呼、着呼、呼の接続・切断の制御、および、各呼の状態に応じたダイヤルトーン、ビジートーン、リンガー、リング・バック・トーンを音声出力部103に出力する呼制御部である。117は、呼の設定や解除、通話時の音声パケットの送受信、を指定されたプロトコルに従って処理するプロトコル処理部である。123は、ネットワークの遅延を測定する、ネットワーク遅延測定部である。130は、全体を制御する制御部である。
図2のハード構成との関係を説明する。101の操作部は、211のキーボードによって構成されている。102の音声入力部は、208のマイクによって構成されている。103の音声出力部は、210のスピーカによって構成されている。104の受信バッファ、105の送信バッファ、109のパラメータ記憶部、111の送信パケットキュー、113の受信パケットキューは、203のRAMによって構成されている。107の無線通信部は、205のベースバンド部と206のRFによって構成されている。108のRTCは、204のRTCによって構成されている。
また、110のコーデック部は、212のコーデック、207のA/D、209のD/Aによって構成されている。112のペイロード統合部、114のペイロード分割部、115の送信待ち許容時間算出部、123のネットワーク遅延測定部、および、130の制御部は、201のCPUが202のROMの中に記憶しているプログラムを、202のROMの中に記憶しているデータを参照したり、203のRAMに記憶しているデータを参照したり、変更したりしながら実行することによって構成されている。
図25は本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム親機の構成を示す機能ブロック図である。図25において、親機410は、104から121にて示す機能構成を有している。なお、親機410のハード構成は、実施の形態1のもの(図4)と同様である。
図25において、104は、受信した無線フレームから取り出されたデータを蓄積する受信バッファである。105は、無線送信用のデータを蓄積する送信バッファである。106は、有線のネットワークと接続するためのLAN通信部である。107は、送信バッファ105に蓄積したデータを無線フレーム化して送信、また、無線フレームを受信してフレームの内容を受信バッファ104に格納する無線通信部である。108は、時間の経過を測定するためのRTCである。111は、後述する有線−無線ブリッジ部121が、中継が必要と判断したLAN側からのフレームを無線フレーム化して送信するために、送信要求受付時刻とともにFIFO方式で記憶する送信パケットキューである。112は、送信待ち時間内に送信パケットキュー111に入力された音声パケットをひとつのフレームにまとめて送信バッファに書き込むペイロード統合部である。113は、無線フレームとして受け取ったデータを音声パケットに分解してFIFO方式で記憶する、受信パケットキューである。114は、受信バッファ104に記憶された内容をもともとひとつの音声パケットであったかどうか判断し、複数の音声パケットが統合されている場合は、これを複数の音声パケットに分解し、受信パケットキュー113にFIFO方式で書き込む、ペイロード分割部である。121は、有線と無線の間のフレームを必要があれば中継し、さもなければ破棄する、有線−無線ブリッジ部、130は、全体を制御する制御部である。
図4のハード構成との関係を説明する。104の受信バッファ、105の送信バッファ、111の送信パケットキュー、113の受信パケットキューは、203のRAMによって構成されている。107の無線通信部は、205のベースバンド部と206のRFによって構成されている。108のRTCは、204のRTCによって構成されている。106のLAN通信部は、213のネットワークI/Fによって構成されている。
112のペイロード統合部、114のペイロード分割部、121の有線−無線ブリッジ部、および、130の制御部は、201のCPUが202のROMの中に記憶しているプログラムを、202のROMの中に記憶しているデータを参照したり、203のRAMに記憶しているデータを参照したり、変更したりしながら実行することによって構成されている。
本実施の形態の無線LAN電話システム全体の構成は実施の形態1と同様なので説明を省略する。図26の本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システムの動作概要を示すシーケンスチャートは、本実施の形態の親機410と子機310の動作概要を示している。なお、実施の形態1における図6とほぼ同様であるが、QoSの確保と解放の処理がない点が異なる。なお、本説明では、子機310は最初、待ち受け状態にあるものとする。
[ステップE201からE205]
実施の形態1における図6のステップE01からE05と同様である。
[ステップE206]
子機B300において、ユーザが着信音を聞いて着信していることに気がつくと、操作部101を操作して、通話を指示する。これにより、子機B300では、制御部130が操作部101から「通話を指示された」旨を受け取り、呼制御部116に「呼を接続する」よう要求する。そしてさらに、呼制御部116は、エンコードタスクとデコードタスクを起動する。以降、呼切断が指示されるまで、音声入力部102から受け取った音声をコーデック部110がエンコードし、結果を音声パケットとして子機A300へ送信するようプロトコル処理部117に要求する。すると音声パケットは前述と同様に、親機B400、親機A400を経由して子機A300に届く。また、子機B300において、コーデック部110が無線通信部107、プロトコル処理部117を経由して受け取った子機A300からの音声パケットは、デコードされ、結果が音声出力部103に出力されるようになる。ステップM208へ進む。
[ステップM208]
実施の形態1の図6のステップM08と同様である。ステップE210へ進む。
[ステップE210]
以降、全2重の通信路が確保され、通話が可能となる。ここでは、インターネットの通信帯域は十分広く、遅延も数10ms程度であることを仮定している。つまり、子機A300と子機B300の間での通信のボトルネックは子機−親機間であると仮定している。
[ステップM211]
通話中、子機A300のユーザの音声は子機A300の音声入力部102に入力され、前述のようにコーデック部110によってエンコードされ、音声パケットとしてプロトコル処理部117によって子機B300まで送信される。子機B300では、無線通信部107、プロトコル処理部117を経由してコーデック部110が音声パケットを受け取り、これをデコードし、結果を子機B300の音声出力部103に出力する。子機B300側でのユーザの音声が子機A300に届く処理は、前述の処理とちょうど対称の処理となるため、詳細は割愛する。
[ステップE212]
実施の形態1の図6のステップE12と同様である。ステップM214へ進む。
[ステップM214]
実施の形態1の図6のステップM14と同様である。
[ステップE215]
実施の形態1の図6のステップE15と同様である。ステップM217へ進む。
[ステップM217からE218]
実施の形態1の図6のステップM17からE18と同様である。
次に子機310の動作について説明する。図27は本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム子機のタスク構成を示す図を示している。実施の形態1のもの(図7)と比較して、測定タスクが追加されている。一方、親機410のタスク構成は実施の形態1のもの(図8)と同様である。まず、子機310のタスクについてその動作を説明する。なお、子機310のタスクのうち、エンコードタスク、デコードタスク、プロトコル処理タスクは、実施の形態1のものと同一なので説明を省略する。
図11のステートチャートに沿って本実施の形態における子機310の呼制御タスクについて説明する。まず、子機A300の電源がONされて、子機A300のユーザが発呼、通話、切断を行う一連の処理について呼制御タスクの動作を子機A300の側から説明する。
[ステップE101]
子機の電源ONが操作部101から指示されると、制御部130は呼制御タスク、プロトコル処理タスク、無線送信タスク、無線受信タスクを起動する。呼制御タスクは起動されると、待ち受け状態に遷移する。これにより、以降、発着呼が可能になる。
[ステップE102]
子機A300でユーザが操作部101を操作して子機B300に発呼を行う。子機A300の制御部130は操作部101からの「発呼」の通知を受け、発呼先番号を受け取り、呼制御部116に相手先番号を指定して「呼接続」要求する。呼制御部116は、「INVITE」メッセージを子機B300まで送信するようプロトコル処理部117に要求する。子機B300は、「INVITE」メッセージを受け付けて、着呼中となり、「RINGING」メッセージを子機A300に送り返してくる。子機A300の呼制御部116はプロトコル処理部117経由で子機B300からの「RINGING」メッセージを受信し、発呼中状態に遷移する。呼制御部116はRBTを音声出力部103に出力し、ユーザに「呼び出し中」であることを知らせる。
[ステップE103]
子機B300では、リンガー(着信音)が鳴っており、ユーザは着信音に気づいて着信を受け入れる。これにより、エンコードタスク、デコードタスクが起動された後、「CONNECT−OK」メッセージを子機A300に送信してくる。子機A300では、呼制御部116が、「CONNECT−OK」メッセージを、プロトコル処理部117を経由して受け取る。
これにより、呼制御部116は前述のエンコードタスクとデコードタスクを起動し、コーデック部110は、以降の音声入力部102からの音声をA/D変換およびエンコードし、音声パケットとしてプロトコル処理部117に渡す。また、コーデック部110はプロトコル処理部117が受け取った音声パケットをデコードおよびD/A変換し、音声出力部103に出力する。通話中に遷移する。
[ステップE109]
子機A300のユーザが通話を終えた場合、子機A300の操作部101を操作して、呼を切断する。制御部130は操作部101からの切断操作の通知を受け、呼制御部116に「呼切断」を要求する。呼制御部116はエンコードタスクとデコードタスクを停止さる。これにより、呼制御部116は「BYE」メッセージを子機B300へ送るようプロトコル処理部117に要求する。プロトコル処理部117は無線処理部107を経由して「BYE」メッセージを意味するデータを親機A400に送信し、インターネット、親機B400、を経由して子機B300に到着する。子機B300は「BYE」メッセージを受け取ると、「BYE−OK」を子機A300に返送する。子機A300では、無線通信部107、プロトコル処理部117を経由して、呼制御部116が「BYE−OK」メッセージを受け取る。これにより、待ち受け状態に遷移する。
[ステップE107]
また、ユーザが発呼中に発呼を取りやめる場合は、操作部101から発呼取りやめの指示を行い、制御部130が操作部101から発呼取りやめの指示を受け取り、呼制御部116に発呼取りやめを要求する。呼制御部116はプロトコル処理部117に「CANCEL」のメッセージを子機B300へ送信するよう要求する。子機B300はリンガーを停止、「CANCEL−OK」メッセージを子機A300に送信する。子機A300では、子機B300からの「CANCEL−OK」をプロトコル処理部117が受け取り呼制御部116に通知すると、呼制御部116は待ち受け状態に遷移する。
次に、子機B300側からみた、呼制御タスクの動作について説明する。
[ステップE104]
プロトコル処理部117は子機A300から「INVITE」メッセージを受け取り、呼制御部116に通知する。呼制御部116はプロトコル処理部117に「RINGING」メッセージを子機A300に返送するよう要求する。呼制御部116はリンガーを音声出力部103に出力し、ユーザに着信が発生していることを知らせる。呼制御部116は着呼中状態に遷移する。
[ステップE105]
ユーザはリンガーによって着呼していることを知り、操作部101を操作して、着信に応答する。制御部130は操作部101から着信応答を受け取り、呼制御部116に応答を要求する。
これにより、呼制御部116は「CONNECT−OK」メッセージを子機A300に送信するようプロトコル処理部117に要求する。プロトコル処理部117は「CONNECT−OK」メッセージを子機A300に送信する。さらに呼制御部116は、音声出力部103へのリンガーの出力を停止し、エンコードタスクとデコードタスクを起動して、以降の音声入力部102からの音声がA/D変換・エンコードされ、音声パケットとして子機A300へ送信されるようにし、また、子機A300からの音声パケットがデコード・D/A変換され、音声出力部103から出力されるようにする。
[ステップE109]
プロトコル処理部117は子機A300から「BYE」メッセージを受信し、呼制御部116に通知する。呼制御部116はエンコードタスクとデコードタスクを停止し、待ち受け状態に遷移する。また、子機A300のユーザが発呼中に発呼を取りやめた場合は、
[ステップE108]
プロトコル処理部117は「CANCEL」メッセージを受信し、呼制御部116に通知する。呼制御部116はリンガーを停止し、子機A300に「CANCEL−OK」メッセージを送信するようプロトコル処理部117に要求し、待ち受け状態に遷移する。
次に、図28の本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム機の測定タスクの動作を示すフローチャートに沿って測定タスクについて説明する。本実施の形態では、通話を行う子機310同士が予め別の方法でお互いのRTC108をあわせていることを前提にしている。お互いの時計を合わせる方法としてはGPSを用いる方法や、NTPと呼ばれるプロトコルを用いる方法が一般的であるが、ここでは詳細を記述しない。
[ステップS801]
ネットワーク遅延測定部123は、受信パケットキュー113を参照して、測定パケットが届いているかどうかを判断する。届いていればステップS802へ、さもなければ、S803へ進む。
[ステップS802]
ネットワーク遅延測定部123は、受信パケットキュー113から、パケットを取り出す。
[ステップS803]
ネットワーク遅延測定部123は、取り出したパケットの中身を参照して、そのパケットがいつ送信されたかを読み取り、RTC108を参照して、現在の時刻と比較する。その結果をネットワークの遅延量としてパラメータ記憶部109に書き込む。ステップS801へ進む。ここでは、パケットに書かれた時刻が12:33 12.654 223だったとする。RTC108が12:33 12.734 223を示しているとすると時間差は80msとなり、これをパラメータ記憶部109にネットワーク遅延量として書き込む。
[ステップS804]
ネットワーク遅延測定部123は、RTC108を参照して送信予定時刻になったかどうかを判断する。予定時刻になっていれば、次の送信予定時刻を設定して、ステップS804へ、さもなければ、ステップS801へ進む。ここでは、測定パケットの送信は5秒に一度とする。したがって、送信予定時刻は、5秒後となる。
[ステップS805]
ネットワーク遅延測定部123は、RTC108を参照して、現在の時刻を読み取り、これをパケットの内容として送信パケットキュー111に入れる。ステップS801へ進む。
このように、子機310がお互いに、測定パケットを交換することによって、ネットワークの遅延量を測定し、これを基に無線送信タスクで送信待ち許容時間を算出する。これにより、ネットワークのトラフィックに変動が起こってネットワーク遅延量が変化しても、この変化を打ち消すように送信待ち許容時間を算出することができるので、安定した通話を確保できる。
図29は本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム子機の無線送信タスクの動作を示すフローチャートである。実施の形態1のものと比較すると、エラー率によって複数の音声パケットをひとつのフレームにまとめるかどうかの判断を行わない。つまり、本実施の形態では、常に複数の音声パケットをひとつのフレームにまとめる処理を行う。
[ステップS901]
実施の形態1における図13のステップS301と同様である。
[ステップS902]
制御部130は、送信予定時刻を予想する。本実施の形態ではCSMA/CA方式で通信が行われているものとする。CSMA/CA方式では、送信の要求が発生した時点で、送信できるかどうかの判断を行い、送信を行うので、次に、確実に送信要求が発生する時刻を予想すればよい。したがって、次のコーデックが終了したとき、送信要求が発生する。さらに、CDMA/CA方式では、実際に送信要求が発生してから、バックオフアルゴリズムによって、ランダムな時間待ってから送信するため、平均的な待ち時間としてここでは、1msを採用する。RTC108より現在の時刻は12:33 22.013 994なので、制御部130は、パラメータ記憶部109を参照して、コーデック周期から次の送信時刻を10ms、平均的な送信待ち時間を1msとして、11ms後の12:33 32.024 994と予想する。
[ステップS903]
実施の形態1における図13のステップS303と同様である。
[ステップS904]
制御部130は、送信パケットキュー111の最初のエントリに注目する。ステップS906へ進む。
[ステップS906]
制御部130は、送信待ち許容時間算出部115に、注目しているエントリの送信要求受付時刻を渡して、送信待ち許容時間を算出するよう要求する。これにより、遅延許容時間算出部はパラメータ記憶部109とRTC108とエントリと対応付けて記録された送信要求受付時刻とを参照し、遅延許容時間を算出する。まず、RTC108と送信要求受付時刻から送信待ち時間を求める。ここでは(数5)に示す以下の値であるとする。
Figure 0005028784
また(数6)がパラメータ記憶部109に予め、記憶されているものとする。
Figure 0005028784
これらの値については実施の形態1で説明したものと同様なので説明を省略する。
以上の値によって(数7)によって送信待ち許容時間を計算する。
Figure 0005028784
図14は上式を分かりやすく図示したものである。上記より注目しているエントリの送信待ち許容時間は13msとなる。
[ステップS907]
制御部130は、次回の送信で間に合うかどうかを判断する。間に合うと判断した場合はステップS909へ、さもなければステップS908へ進む。ここで、現在の時刻が12:33 22.013 994である。この場合、送信待ち許容時間が13msであるため、最悪、12:33 22.026 994までに送信すればよいことがわかる。次の送信時刻は12:33 32.024 994なので、次の送信で間に合うと判断する。
[ステップS908]
制御部130は、今回の送信のタイミングで送信すべきデータがすでに送信バッファ105に存在しているかどうかを判断する。つまり、次の送信でも間に合うとステップS907で判断されても、すでに、送信バッファ105に送信すべきデータが存在していれば、まとめて送信するほうが、送信効率がよい。すなわち、存在している場合は、ステップS909へ、さもなければ、ステップS901へ進む。ここでは、送信バッファ105にデータが存在していなかったこととして説明を続ける。この場合、ステップS901に進む。以降、時間が経過し、時刻が12:33 32.024 994になったとする。このとき次回の送信時刻は12:33 32.035 994であるとする。ここでは、ステップS901からステップS904およびステップS906を実行する。ここで図15に示すように送信パケットキュー111に2つの音声パケットがエンキューされているものとする。ステップS907では、エントリ1は次回の送信では間に合わない、と判断されるため、ステップS909へ進む。
[ステップS909からS911]
実施の形態1における図13のステップS309からS311と同様である。
[ステップS912]
制御部130は、次のエントリに注目する。ステップS906へ進む。
[ステップS913からS914]
実施の形態1における図13のステップS313からS314と同様である。
上の例では、ステップS907、ステップS909、ステップS910、と実行され、ステップS911では、送信パケットキュー111にもうひとつエントリがあるのでステップS912へ進み、ステップS906、ステップS907へ進む。ステップS907では、エントリ2に関して、次の送信時刻でも間に合う、と判断され、ステップS908に進む。ステップS908では、すでに送信バッファ105にエントリ1に対応するデータが書き込まれているためステップS909へ進む。ステップS910でデータがマージされたあと、ステップS911で、未処理のエントリが無い、と判断されて、ステップS913、ステップS914と処理を進める。
次に、データのマージ処理について図30の本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システムの送信マージ処理を示すフローチャートに沿って説明する。実施の形態1のものと比較すると、上位プロトコル解析処理を行わないで、単純にペイロードをひとつのフレームにまとめている。
[ステップS1001]
ペイロード統合部112は、送信バッファ105にデータが書き込まれているかどうかを判断する。書き込まれていればステップS1004へ、さもなければ、ステップS1002へ進む。
[ステップS1002]
ペイロード統合部112は、送信バッファ105にMACヘッダを書き込む。ステップS1004へ進む。
[ステップS1004からS1006]
実施の形態1における図16のステップS404からS406と同様である。
以上のようにして、書き込まれた送信バッファ105の様子を、図31の本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システムによって複数の音声パケットがひとつの無線フレームにまとめられたときのフレーム・フォーマットを示す図に示す。
次に、無線受信タスクの動作について図32の本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システムの無線受信タスクの動作を示すフローチャートに沿って説明する。なお、本実施の形態では無線受信タスクは、子機310、親機410ともに同一の処理を行う。ここで、自局宛の無線フレームは無線通信部107によって受信され、受信バッファ104にフレームの内容をデータとして書き込んでいるものとする。
[ステップS1101からS1104]
実施の形態1における図19のステップS501からS504と同様である。
[ステップS1105]
ペイロード分割部114は先頭の1バイトをデリミタと解釈し、値を読み出し、ペイロードが何バイトかを得て、以降のペイロードを取り出す。ステップS1107へ進む。
[ステップS1107からS1110]
実施の形態1における図19のステップS507からS510と同様である。
以上の処理によって、もともと複数の音声パケットがひとつの無線フレームにまとめられていても、正しくもとの音声パケットに分割され、プロトコル処理部117に渡される。デコードタスクは、規定された遅延時間内にデコード処理を完了し、音声として再生する。
次に、親機410についてであるが、親機410のタスク構成は実施の形態1と同様であり、ブリッジタスクは、実施の形態1のものと同様である。無線受信タスクについては実施の形態2の子機と同様であるため、説明を省略し、ここでは親機410の無線送信タスクのみを説明する。本実施の形態における親機410の無線送信タスクについて図33の本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム親機の無線送信タスクの動作を示すフローチャートに沿って説明する。
[ステップS1201からS1203]
実施の形態1における図21のステップS701からS703と同様である。
[ステップS1204]
制御部130は、送信パケットキュー111の最初のエントリに注目する。ステップS1209へ進む。
[ステップS1209からS1211]
実施の形態1における図21のステップS709からS711と同様である。
[ステップS1212]
制御部130は、次のエントリに注目する。ステップS1209へ進む。
[ステップS1213からS1214]
実施の形態1における図21のステップS713からS714と同様である。
これまで説明してきたように、本実施の形態で示した子機310と親機410を組み合わせて利用すれば、無線の通信帯域を有効に利用でき、しかも、通話中の音声の遅延を実用的な範囲内に抑えることが可能になる。
以上のように本実施の形態の発明の無線LAN電話システムの子機310は、ネットワークの遅延量を測定するネットワーク遅延測定部123を有するので、親機410との通信において、ネットワークの遅延量が変動しても、音声の遅延が許容範囲内で一定となり、ネットワークの遅延が大きくなっても音声が途切れたり、遅延が大きくなって会話がちぐはぐになったりすることがない。
以上のように本発明にかかる無線LAN電話通信方法および無線LAN電話システムは、通信帯域を必要以上に消費せず、また、音声遅延の許容範囲内で、音声データの送受信ができるので、同時に多くの通話が発生しても話者に不快な遅延を感じさない通話環境を提供できる。これにより、親機一台あたりに収容できる子機の数を大幅に増加させることができる。また、同じ無線の通信帯域を利用してデータ通信を行っているユーザに対しても、音声通話がデータ通信の帯域を圧迫しないので、ストレスの少ない通信環境を提供できる。
本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機の構成を示す 機能ブロック図 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機の構成を示す 装置ブロック図 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム親機の構成を示す 機能ブロック図 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム親機の構成を示す 装置ブロック図 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システムの全体構成を示す 図 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システムの動作概要を示す シーケンスチャート 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機のタスク構成 を示す図 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム親機のタスク構成 を示す図 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機のエンコード タスクの動作を示すフローチャート 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機のデコード タスクの動作を示すフローチャート 本発明に係る実施の形態1、2による無線LAN電話システム子機の呼制 御タスクの動作を示すステートチャート 本発明に係る実施の形態1、2による無線LAN電話システム子機のプロ トコル処理タスクの動作を示すフローチャート 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機の無線送信 タスクの動作を示すフローチャート 本発明に係る実施の形態1、2による無線LAN電話システムの音声の遅 延量の内訳を示す図 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム子機の送信パケ ットキュー111の内容を示す図 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システムの送信マージ処 理を示すフローチャート IEEE802.11による無線フレームのフォーマットを示す図 本発明に係る実施の形態1によって2つの音声パケットが1つの無線フレ ームにまとめられたときのフレーム・フォーマットを示す図 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システムの受信タスクの 動作を示すフローチャート 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム親機のブリッジ タスクの動作を示すフローチャート 本発明に係る実施の形態1による無線LAN電話システム親機の無線送信 タスクの動作を示すフローチャート 従来のTDM方式における音声のエンコードと無線フレームの送信のタイ ミングを示した図 本発明に係る実施の形態1による音声のエンコードと無線フレームの送信 タイミングを示した図 本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム子機の構成を示 す機能ブロック図 本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム親機の構成を示 す機能ブロック図 本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システムの動作概要を示 すシーケンスチャート 本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム子機のタスク構 成を示す図 本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム機の測定タス クの動作を示すフローチャート 本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム子機の無線送信 タスクの動作を示すフローチャート 本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システムの送信マージ処 理を示すフローチャート 本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システムによって複数の 音声パケットがひとつの無線フレームにまとめられたときのフレーム・フォーマット を示す図 本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システムの無線受信タス クの動作を示すフローチャート 本発明に係る実施の形態2による無線LAN電話システム親機の無線送信 タスクの動作を示すフローチャート
符号の説明
101 操作部
102 音声入力部
103 音声出力部
104 受信バッファ
105 送信バッファ
106 LAN通信部
107 無線通信部
108 RTC
109 パラメータ記憶部
110 コーデック部
111 送信パケットキュー
112 ペイロード統合部
113 受信パケットキュー
114 ペイロード分割部
115 送信待ち許容時間算出部
116 呼制御部
117 プロトコル処理部
118 上位プロトコル解析部
119 エラー率判定部
120 TS管理部
121 有線−無線ブリッジ部
122 QoS管理部
123 ネットワーク遅延測定部
130 制御部
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 RTC
205 ベースバンド部
206 RF
207 A/D
208 マイク
209 D/A
210 スピーカ
211 キーボード
212 コーデック
213 ネットワークI/F

Claims (7)

  1. 無線LANを利用した電話システムにおいて、
    送信側では、音声の遅延許容時間から、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延×2、コーデック待ち時間、送信待ち時間、及び、予め指定されたネットワークの遅延量を差し引いた値である送信待ち許容時間を計算して、該送信待ち許容時間の範囲内で複数の音声パケットを、LLC、IP、UDP、RTPの少なくとも1つの送信上位プロトコルヘッダを解析し、該解析結果に基づいて共通部分が省略された1つのフレームにまとめて送信するとともに、
    受信側では、1つのフレームにまとめられた複数の音声パケットを元通りに分割することを特徴とする無線LAN電話通信方法。
  2. 請求項1に記載の無線LAN電話通信方法において、
    前記送信側と受信側にて、通信を行う際に、QoSを確保しTDM方式で音声のやり取りを行うことを特徴とする無線LAN電話通信方法。
  3. 請求項1または2のいずれか1項に記載の無線LAN電話通信方法において、
    前記送信側では無線通信のエラーレートが所定の閾値より以下の場合に、前記複数の音声パケットを1つにまとめて送信し、無線通信のエラーレートが所定の閾値を超える場合に、1つのフレームにまとめずに送信することを特徴とする無線LAN電話通信方法。
  4. 請求項1からのいずれか1項に記載の無線LAN電話通信方法の手順を記載したことを特徴とする無線LAN電話通信プログラム。
  5. 請求項に記載の無線LAN電話通信プログラムが記録されていることを特徴とする記録媒体。
  6. 無線LANを利用して音声をパケット化して送受信する無線LAN電話システムの子機であって、
    音声の遅延許容時間から、音声のコーデック周期、音声のコーデック遅延×2、コーデック待ち時間、送信待ち時間、および、予め指定されたネットワークの遅延量を差し引いた値である送信待ち許容時間を算出する送信待ち許容時間算出部と、
    送信待ち時間内に入力された音声パケットをひとつのフレームにまとめて送信データを生成するペイロード統合部と、
    音声パケットのLLC、IP、UDP、RTPの少なくとも1つの上位プロトコルヘッダを解析する上位プロトコル解析部と、
    受信データを元来ひとつの音声パケットであったか否か判断し、複数の音声パケットが統合されている場合に、前記受信データを複数の音声パケットに分解するペイロード分割部とを有し、
    前記上位プロトコル解析部は、音声パケットの上位プロトコルヘッダを解析し、前記ペイロード統合部は、前記上位プロトコル解析部による解析結果に基づいて、共通部分を省略した1つのフレームにまとめることを特徴とする無線LAN電話システム子機。
  7. 請求項に記載の無線LAN電話システム子機において、
    タイムスロットの管理を行うタイムスロット管理部をさらに有し、親機との無線通信をTDMで行うことを特徴とする無線LAN電話システム子機。
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