JP5028765B2 - 音響機器用制振材料ならびにシートおよび音響機器用支持台 - Google Patents
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Description
西沢仁、高分子系制振材料の種類と設計技術、「防音・防振(制振)材料の適用と制振開発動向」講習会テキスト、株式会社テクノシステム、2001年 現場実務者と設計者のための実用騒音・振動ハンドブック、エヌ・ティー・エス、2001年
すなわち、本発明は、ジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂に導電性材料および/またはフィラーを分散させてなる音響機器用制振材料であって、該ポリエステル樹脂が下記式I:
0.5≦(A1+B1)/(A0+B0)≦1 (I)
(式中、A0は全ジカルボン酸成分構成単位数、B0は全ジオール成分構成単位数、A1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数、およびB1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数をあらわす)
を満足することを特徴とする音響機器用制振材料に関する。
本発明は更に、上記音響機器用制振材料を用いた音響機器部品に関する。
本発明は更に、上記音響機器用制振材料を用いた音響機器用支持台、音響機器用ハウジングに関する。
本発明は更に、上記音響機器用制振材料からなるシートに関する。
本発明は更に、上記シートを密着させた音響機器ならびに音響機器用支持台、上記シート上に音響機器を置く設置方法に関する。
本発明の音響機器用制振材料は、高分子材料としてジカルボン酸成分構成単位とジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂を用いており、下記式I:
0.5≦(A1+B1)/(A0+B0)≦1 (I)
(式中、A0はジカルボン酸成分構成単位数、B0はジオール成分構成単位数、A1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数、およびB1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数をあらわす)
を満足するポリエステル樹脂に導電性材料および/またはフィラーを分散させた時に、より高い制振性が得られる。ここで、“ジカルボン酸成分構成単位(ジオール成分構成単位)の主鎖中の炭素原子数”とは、一つのエステル結合(−C(=O)−O−)と次のエステル結合に挟まれたモノマー単位において、ポリエステル樹脂の主鎖に沿った最短経路上に存在する炭素原子の数である。
比、(A1+B1)/(A0+B0)は0.7〜1が好ましく、ジカルボン酸成分構成単位の主鎖中の炭素原子数およびジオール成分構成単位の主鎖中の炭素原子数は1、3、5、7、9が好ましい。
0.5≦A1/A0≦1 (II)
(式中、A0およびA1は上記と同じ)、かつ、
下記式III:
0.5≦B2/B0≦1 (III)
(式中、B0は上記と同じであり、B2は式(1):
(式中、nは3または5であり、複数個のRは同一であっても異なっていてもよく、それぞれ水素原子または炭素数1〜3のアルキル基をあらわす)で表されるジオールに由来する構成単位の数である)を満足し、さらに下記条件AおよびB:
(A)トリクロロエタン/フェノール=40/60(重量比)混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、
(B)示差走査熱量計で測定した降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下である
を満足すると、より高い制振性を得ることができるため好ましい。
0.7≦B2/B0≦1 (IV)
(式中、B0およびB2は上記と同じ)
を満足すると、より高い制振性を得ることができるため好ましい。
0.5≦A2/A0≦1 (V)
(式中、A0は上記と同じであり、A2はイソフタル酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、ウンデカン二酸、ブラシル酸、および1,3−シクロヘキサンジカルボン酸からなる群より選ばれたジカルボン酸に由来する構成単位数である)
を満足すると、より高い制振性を得ることができるため好ましい。
0.7≦A2/A0≦1 (V−3)
(式中、A0およびA2は上記と同じである)
を満足すると、より高い制振性を得ることができるため好ましい。
0.5≦A3/A0≦1 (V−2)
(式中、A0は上記と同じであり、A3はイソフタル酸に由来する構成単位数である)
を満足すると、より高い制振性を得ることができるため好ましい。
0.5≦B3/B0≦1 (VI)
(式中、B0は上記と同じであり、B3は1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコールからなる群より選ばれたジオールに由来する構成単位数である)
を満足すると、より高い制振性を得ることができるため好ましい。更にはB3が2−メチル1,3−プロパンジオールに由来する構成単位数であると特に好ましい。
0.7≦B3/B0≦1 (VII)
(式中、B0およびB3は上記と同じである)
を満足すると、より高い制振性を得ることができるため好ましい。
導電性材料は既知のものを用いることができる。例えば、無機系では銀、銅、銅合金、ニッケル、低融点合金などの金属粉末や金属繊維;貴金属を被覆した銅や銀の微粒子;酸化錫、酸化亜鉛、酸化インジウムなどの金属酸化物の微粒子やウイスカー;各種カーボンブラック、カーボンナノチューブなどの導電性カーボン粉末;PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、気相成長黒鉛などのカーボン繊維、有機系では低分子界面活性剤型帯電防止剤;高分子系帯電防止剤;ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマー;金属を被覆したポリマー微粒子などが例示できる。これらは単独であるいは2種以上を併せて使用することができる。
ポリエステル樹脂および音響機器用制振材料の評価は以下の方法によった。
(1)(A1+B1)/(A0+B0)、A1/A0、B2/B0、A2/A0、A3/A0、B3/B0
400MHz−1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
(2)ポリエステルの構成単位のモル比
400MHz−1H−NMRスペクトル測定結果の積分値の比から算出した。
(3)体積抵抗率
JIS K6911の方法によって測定した。
(4)固有粘度
ポリエステル樹脂の固有粘度([η])は、トリクロロエタン/フェノール=40/60(重量比)混合溶媒にポリエステル樹脂を溶解させ25℃に保持して、キャノンフェンスケ型粘度計を使用して測定した。
(5)降温時結晶化発熱ピークの熱量
ポリエステル樹脂の降温時結晶化発熱ピークの熱量(以下「ΔHc」という)は、島津製作所製DSC/TA−50WS型示差走査熱量計を使用して測定した。試料約10mgをアルミニウム製非密封容器に入れ、窒素ガス気流中(30ml/分)、昇温速度20℃/分で280℃まで昇温、280℃で1分間保持した後、10℃/分の降温速度で降温した際に現れる発熱ピークの面積から求めた。
(6)損失係数
ポリエステル樹脂に導電性材料および/またはフィラーなどを分散させた試料を熱プレスにより100℃で成形し、厚み約1mmのシートとした。得られたシートを10mm×150mmに切り出して試験片とし、厚さ1mmの基板(アルミニウム合金 5052材)上に熱プレスにより50℃で熱圧着あるいは二液硬化型エポキシ系接着剤(セメダイン株式会社製、商品名:セメダインSG−EPO、EP008)にて
接着させて非拘束型制振材を作製した。得られた非拘束型制振材を損失係数測定装置(株式会社小野測器製)を用いて、測定温度範囲が0〜80℃の条件で中央加振法により500Hz***振点での損失係数を測定した。上記の測定温度範囲において得られた損失係数の最大値を比較することで制振性を評価した。なお、損失係数が大きいほど制振性が高い。
(7)規格化損失弾性率
ポリエステル樹脂に導電性材料および/またはフィラーなどを分散させた試料を熱プレスにより100℃で成形し、厚み約3mmのシートとした。得られたシートを直径10mmの円柱状に切り出して試験片とした。得られた試験片を平行平板型レオメータ(Pear Physica製)を用いて、周波数3Hz、測定ひずみ範囲0.001〜0.1%の条件で損失弾性率を測定した。このとき試験片の滑りを防止するために、試験片の上下にシアノアクリレート系接着剤(コニシ株式会社製)を極薄く塗布して固定し、さらに試験片の垂直方向に3Nの圧縮力を負荷しながら測定した。測定された損失弾性率をひずみ0.1%における損失弾性率の値で規格化した値で微小な振動領域に対する制振性を評価した。ひずみと試験片サイズの積が振幅となるため、ひずみが小さいということは振幅が小さい、つまり微小な振動領域における制振性の評価となる。なお規格化損失弾性率が大きいほど制振性が高い。
(8)音響特性
ポリエステル樹脂に導電性材料および/またはフィラーなどを分散させた試料を熱プレスにより100℃で成形し、厚み約1mmもしくは2mmのシートとした。得られたシートを所定の大きさに切り出してオーディオスピーカー(JBL製)の筐体(ハウジング)に密着させた。オーディオアンプ(KRELL製)で増幅させたピンクノイズをスピーカーより発生させ、1/3オクターブリアルタイム解析システム(株式会社小野測器製)を用いて音圧レベルを測定した。測定した各周波数域の音圧レベルの変動係数を算出し音響特性を評価した。なお、変動係数が小さいほど音響特性が良い。また音楽を再生し音響機器用制振材料無しの場合と比較して、音質が改善されたかどうか(クリアになったかどうか)を制振材料の有無を知らせずに聞き比べを実施した。比較対象と比べ音質が改善されたと判断したときを「○」、比較対象と比べ音質の差が判断できなかったときを「×」として評価した。被験者数は5人とした。
攪拌翼、分縮器、全縮器、コールドトラップ、温度計、加熱装置および窒素ガス導入管を備えた内容積500ミリリットル(ml)の反応缶に、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)115.57g(0.7モル)、1,5−ペンタンジオール(和光純薬株式会社製)145.78g(1.4モル)、酢酸マンガン四水和物(和光純薬株式会社製)0.034g(全仕込み量に対するマンガンの濃度が29ppm)を加え、常圧、窒素雰囲気下で220℃迄昇温して3.5時間エステル化反応を行った。イソフタル酸の反応転化率を90モル%以上とした後、チタン(IV)テトラブトキシド,モノマー(和光純薬株式会社製)0.15g(初期縮合反応生成物の全質量に対するチタニアの濃度が89ppm)を加え、昇温と減圧を徐々に行い、1,5−ペンタンジオールを系外に抜き出しつつ、最終的に250〜260℃、0.4kPa以下で重縮合反応を行った。徐々に反応混合物の粘度と攪拌トルク値が上昇し、適度な粘度に到達した時点あるいは1,5−ペンタンジオールの留出が停止した時点で反応を終了した。得られたポリエステル樹脂(1)((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=1.0;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックインターナショナル株式会社製、商品名:ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた音響機器用制振材料の物性を表2に示す。
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてイソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)/コグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)混合物を使用した以外は実施例1と同様な方法で得たポリエステル樹脂(2)((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=0.8;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた音響機器用制振材料の物性を表2に示す。
ジオール成分構成単位の原料として1,5−ペンタンジオール(和光純薬株式会社製)/1,3−プロパンジオール(シェル・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)混合物を使用した以外は実施例1と同様な方法で得たポリエステル樹脂(3)((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=1.0;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた音響機器用制振材料の物性を表2に示す。
充填塔式精留塔、攪拌翼、分縮器、全縮器、コールドトラップ、温度計、加熱装置および窒素ガス導入管を備えた内容積30リットル(L)のポリエステル製造装置に、イソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)12375g(75モル)、1,3−プロパンジオール(シェル・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)11400g(150モル)、酢酸マンガン四水和物(和光純薬株式会社製)3.5g(全仕込み量に対するマンガンの濃度が33ppm)を加え、常圧、窒素雰囲気下で220℃迄昇温して3.5時間エステル化反応を行った。イソフタル酸の反応転化率を90モル%以上とした後、チタン(IV)テトラブトキシド,モノマー(和光純薬株式会社製)12.2g(初期縮合反応生成物の全質量に対するチタニアの濃度が79ppm)を加え、昇温と減圧を徐々に行い、1,3−プロパンジオールを系外に抜き出しつつ、最終的に250〜260℃、0.3kPa以下で重縮合反応を行った。徐々に反応混合物の粘度が上昇し、適度な溶融粘度に到達した時点で反応を終了した。得られたポリエステル樹脂(4)((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=1.0;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた音響機器用制振材料の物性を表2に示す。
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてイソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)/コグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)混合物を使用した以外は実施例4と同様な方法で得たポリエステル樹脂(5)((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=0.73;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0)80重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)20重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた音響機器用制振材料の物性を表2に示す。
ジオール成分構成単位の原料として1,3−プロパンジオール(シェル・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)/メタキシレングリコール混合物を使用した以外は実施例4と同様な方法で得たポリエステル樹脂(6)((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=1.0;(B2/B0)=0.8;(B3/B0)=0.8)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた音響機器用制振材料の物性を表2に示す。
ジオール成分構成単位の原料として1,3−プロパンジオール(シェル・ケミカルズ・ジャパン株式会社製)/ネオペンチルグリコール混合物を使用した以外は実施例4と同様な方法で得たポリエステル樹脂(7)((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=1.0;(B2/B0)=0.7;(B3/B0)=0.7)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた音響機器用制振材料の物性を表2に示す。
ジオール成分構成単位の原料として2−メチル−1,3−プロパンジオール(大連化学工業株式会社製)を使用した以外は実施例4と同様な方法で得たポリエステル樹脂(8)((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=1.0;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた音響機器用制振材料の物性を表2に示す。
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてイソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)/コグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)混合物、ジオール成分構成単位の原料として2−メチル−1,3−プロパンジオール(大連化学工業株式会社製)を使用した以外は実施例4と同様な方法で得たポリエステル樹脂(9)((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=0.8;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた音響機器用制振材料の物性を表2に示す。
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてイソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)/コグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)混合物、ジオール成分構成単位の原料として2−メチル−1,3−プロパンジオール(大連化学工業株式会社製)を使用した以外は実施例4と同様な方法で得たポリエステル樹脂(10)((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=0.67;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた音響機器用制振材料の物性を表2に示す。
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてイソフタル酸(エイ・ジイ・インターナショナル・ケミカル株式会社製)/コグニス社製EMEROX1144(ジカルボン酸99.97%、アゼライン酸93.3モル%)混合物、ジオール成分構成単位の原料として2−メチル−1,3−プロパンジオール(大連化学工業株式会社製)を使用した以外は実施例4と同様な方法で得たポリエステル樹脂(11)((A1+B1)/(A0+B0)=1.0;(A1/A0)=1.0;(A2/A0)=1.0;(A3/A0)=0.6.0;(B2/B0)=1.0;(B3/B0)=1.0)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた音響機器用制振材料の物性を表2に示す。
ポリエステル樹脂(5)に、導電性カーボン粉末を加えず制振材料とした。構成単位のモル比を表1および表3に、制振材料の物性を表2および表4に示す。
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてテレフタル酸(水島アロマ株式会社製)、ジオール成分構成単位の原料としてエチレングリコール(日曹丸善ケミカル社製、ファイバーグレード)を使用した以外は実施例4と同様な方法で得たポリエステル樹脂(12)((A1+B1)/(A0+B0)=0;(A1/A0)=0;(A2/A0)=0;(A3/A0)=0;(B2/B0)=0;(B3/B0)=0)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて250℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた制振材料の物性を表2に示す。
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてテレフタル酸、ジオール成分構成単位の原料としてエチレングリコール/シクロヘキサンジメタノール混合物からなるポリエステル樹脂(13)であるPETG(イーストマンケミカル社製、商品名:EASTER6763)((A1+B1)/(A0+B0)=0;(A1/A0)=0;(A2/A0)=0;(A3/A0)=0;(B2/B0)=0;(B3/B0)=0)90重量部と導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて250℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた制振材料の物性を表2に示す。
ジカルボン酸成分構成単位の原料としてテレフタル酸(水島アロマ株式会社製)/セバシン酸(豊国製油株式会社製)混合物、ジオール成分構成単位の原料としてエチレングリコール(日曹丸善ケミカル社製、ファイバーグレード)を使用した以外は実施例4と同様な方法で得たポリエステル樹脂(14)((A1+B1)/(A0+B0)=0;(A1/A0)=0;(A2/A0)=0;(A3/A0)=0;(B2/B0)=0;(B3/B0)=0)90重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)10重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表1に、得られた制振材料の物性を表2に示す。
AzA:アゼライン酸
TA:テレフタル酸
SA:セバシン酸
PDO:1,3−プロパンジオール
PeDO:1,5−ペンタンジオール
MPO:2−メチル−1,3−プロパンジオール
EG:エチレングリコール
CHDM:シクロヘキサンジメタノール
MXG:メタキシレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
ポリエステル樹脂(1)70重量部と、マイカ鱗片(山口雲母株式会社製、商品名:B−82)30重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた音響機器用制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(2)70重量部と、マイカ鱗片(B−82)30重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた音響機器用制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(3)70重量部と、マイカ鱗片(B−82)30重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた音響機器用制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(4)63重量部と、マイカ鱗片(B−82)37重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた音響機器用制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(5)40重量部と、マイカ鱗片(B−82)60重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた音響機器用制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(6)70重量部と、マイカ鱗片(B−82)30重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた音響機器用制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(7)70重量部と、マイカ鱗片(B−82)30重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた音響機器用制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(8)70重量部と、マイカ鱗片(B−82)30重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた音響機器用制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(9)70重量部と、マイカ鱗片(B−82)30重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた音響機器用制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(10)40重量部と、マイカ鱗片(B−82)60重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた音響機器用制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(11)70重量部と、マイカ鱗片(B−82)30重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた音響機器用制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(12)70重量部と、マイカ鱗片(B−82)30重量部を二軸混練機を用いて250℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(13)70重量部と、マイカ鱗片(B−82)30重量部を二軸混練機を用いて250℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた制振材料の物性を表4に示す。
ポリエステル樹脂(14)70重量部と、マイカ鱗片(B−82)30重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表3に、得られた制振材料の物性を表4に示す。
AzA:アゼライン酸
TA:テレフタル酸
SA:セバシン酸
PDO:1,3−プロパンジオール
PeDO:1,5−ペンタンジオール
MPO:2−メチル−1,3−プロパンジオール
EG:エチレングリコール
CHDM:シクロヘキサンジメタノール
MXG:メタキシレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
ポリエステル樹脂(1)54重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)6重量部、マイカ鱗片(B−82)40重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた音響機器用制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(2)54重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)6重量部、マイカ鱗片(B−82)40重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた音響機器用制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(3)54重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)6重量部、マイカ鱗片(B−82)40重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた音響機器用制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(4)63重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)7重量部、マイカ鱗片(B−82)30重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた音響機器用制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(5)36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4重量部、マイカ鱗片(B−82)60重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた音響機器用制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(6)36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4重量部、マイカ鱗片(B−82)60重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた音響機器用制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(7)36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4重量部、マイカ鱗片(B−82)60重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた音響機器用制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(8)36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4重量部、マイカ鱗片(B−82)60重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた音響機器用制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(9)36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4重量部、マイカ鱗片(B−82)60重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた音響機器用制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(10)36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4重量部、マイカ鱗片(B−82)60重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた音響機器用制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(11)36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4重量部、マイカ鱗片(B−82)60重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた音響機器用制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(12)36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4重量部、マイカ鱗片(B−82)60重量部を二軸混練機を用いて250℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(13)54重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)6重量部、マイカ鱗片(B−82)40重量部を二軸混練機を用いて250℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた制振材料の物性を表6に示す。
ポリエステル樹脂(14)=0)36重量部と、導電性カーボン粉末(ケッチェンブラックEC)4重量部、マイカ鱗片(B−82)60重量部を二軸混練機を用いて150℃で混練した。構成単位のモル比を表5に、得られた制振材料の物性を表6に示す。
厚さ1mmのブチルゴムシートを制振材料として用いた。制振材料の物性を表6に示す。
AzA:アゼライン酸
TA:テレフタル酸
SA:セバシン酸
PDO:1,3−プロパンジオール
PeDO:1,5−ペンタンジオール
MPO:2−メチル−1,3−プロパンジオール
EG:エチレングリコール
CHDM:シクロヘキサンジメタノール
MXG:メタキシレングリコール
NPG:ネオペンチルグリコール
実施例1と同様の音響機器用制振材料を厚さ3mmのシートに成形し規格化損失弾性率を測定した。結果を図1に示す。
実施例10と同様の音響機器用制振材料を厚さ3mmのシートに成形し規格化損失弾性率を測定した。結果を図1に示す。
比較例2と同様の制振材料を厚さ3mmのシートに成形し規格化損失弾性率を測定した。結果を図1に示す。
実施例12と同様の音響機器用制振材料を厚さ3mmのシートに成形し規格化損失弾性率を測定した。結果を図2に示す。
実施例21と同様の音響機器用制振材料を厚さ3mmのシートに成形し規格化損失弾性率を測定した。結果を図2に示す。
比較例5と同様の制振材料を厚さ3mmのシートに成形し規格化損失弾性率を測定した。結果を図2に示す。
実施例23と同様の音響機器用制振材料を厚さ3mmのシートに成形し規格化損失弾性率を測定した。結果を図3に示す。
実施例32と同様の音響機器用制振材料を厚さ3mmのシートに成形し規格化損失弾性率を測定した。結果を図3に示す。
比較例8と同様の制振材料を厚さ3mmのシートに成形し規格化損失弾性率を測定した。結果を図3に示す。
厚さ3mmのブチルゴムシートの規格化損失弾性率を測定した。結果を図3に示す。
実施例32と同様の音響機器用制振材料を厚さ1mmのシートに成形してスピーカースタンドの上に敷きその上にオーディオスピーカーを設置、音響特性の評価を行った。結果を表7に示す。
実施例32と同様の音響機器用制振材料を厚さ2mmのシートに成形してスピーカースタンドの上に敷き、さらに同シートを両面テープで側面に密着させたオーディオスピーカーを設置、音響特性の評価を行った。結果を表7に示す。
スピーカースタンドの上にオーディオスピーカーを設置、音響特性の評価を行った。結果を表7に示す。
厚さ2mmのブチルゴムシートをスピーカースタンドの上に敷き、さらに同シートを両面テープで側面に密着させたオーディオスピーカーを設置、音響特性の評価を行った。結果を表7に示す。
Claims (16)
- イソフタル酸およびアゼライン酸に由来するジカルボン酸成分構成単位と1,3−プロパンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、およびネオペンチルグリコールからなる群より選ばれた少なくとも1種のジオールに由来するジオール成分構成単位からなるポリエステル樹脂に導電性材料および/またはフィラーを分散させてなる音響機器用制振材料であって、該ポリエステル樹脂が下記式I:
0.5≦(A1+B1)/(A0+B0)≦1 (I)
(式中、A0は全ジカルボン酸成分構成単位数、B0は全ジオール成分構成単位数、A1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジカルボン酸成分構成単位数、およびB1は主鎖中の炭素原子数が奇数であるジオール成分構成単位数をあらわす)
を満足することを特徴とする音響機器用制振材料。 - ポリエステル樹脂が下記条件AおよびB:
(A)トリクロロエタン/フェノール=40/60(重量比)混合溶媒中、25℃で測定した固有粘度が0.2〜2.0dL/gであり、
(B)示差走査熱量計で測定した降温時結晶化発熱ピークの熱量が5J/g以下である
を満足する請求項1記載の音響機器用制振材料。 - 前記音響機器用制振材料が導電性材料を含み、導電性材料が炭素材料である請求項1記載の音響機器用制振材料。
- 前記音響機器用制振材料が導電性材料を含み、導電性材料が導電性カーボン粉末である請求項1記載の音響機器用制振材料。
- 前記音響機器用制振材料が導電性材料を含み、該音響機器用制振材料中の導電性材料の含有量が、0.01〜25質量%である請求項1記載の音響機器用制振材料。
- 前記音響機器用制振材料が導電性材料を含み、該音響機器用制振材料の体積抵抗率が10E+12Ω・cm以下である請求項1記載の音響機器用制振材料。
- フィラーが鱗片状の無機充填材である請求項1記載の音響機器用制振材料。
- フィラーがマイカ鱗片である請求項1に記載の音響機器用制振材料。
- フィラーの含有量が、10〜80質量%である請求項1記載の音響機器用制振材料。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の音響機器用制振材料を用いた音響機器部品。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の音響機器用制振材料を用いた音響機器用支持台。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の音響機器用制振材料を用いた音響機器用ハウジング。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の音響機器用制振材料からなるシート。
- 請求項13記載のシートを密着させた音響機器。
- 請求項13記載のシートを密着させた音響機器用支持台。
- 請求項13記載のシートの上に音響機器を置く設置方法。
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