JP5028668B2 - アルカリ電池用正極活物質およびアルカリ電池 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は,アルカリ電池用の正極活物質およびそれを用いたアルカリ電池に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より,時計,計測機器,カメラ等に装着されるアルカリ電池(通称ボタン電池)として酸化銀電池が普及している。酸化銀電池は,正極活物質として酸化銀(Ag2O),負極活物質として亜鉛末,電解液としてアルカリ溶液例えばKOHやNaOHの水溶液を用いて構成されるものが一般である。銀は高価な材料であるが,酸化銀は小型でも高容量が要求される場合の不可欠な正極活物質とされており,このためにボタン電池の殆んどは酸化銀電池で構成されていると言っても過言ではない。なお,正極活物質は正極作用物質または陽極作用物質と呼ばれることもあり,同様に負極活物質は負極作用物質または陰極作用物質と呼ばれることもある。
【0003】
通常,酸化銀電池単価に占める正極活物質(Ag2O)の割合は非常に高い。また,Ag2Oは導電性が低く,電池の内部抵抗が高くなって電池の放電容量が低くなるという問題もある。このため,Ag2OにMnO2を混合して正極活物質とする場合や,特開昭60-105170 号公報, 特開昭57-849号公報, 特開平10-188975 号公報のように他のAg系化合物例えばAgNiO2を配合して導電性を改良する案等が提案されている。
【0004】
同様に,特開昭52-142241 号公報には酸化銀を主体とする陽極に酸化ビスマス (Bi2O3)を添加するとガス発生が抑制でき且つ放電末期の予知ができると教示している。また米国特許第 5,389,469号明細書, その分割出願である米国特許第5,589,109 号明細書および米国特許第6,001,508 号明細書には,AgOのコアの周囲にAg2Oの中間層を介して銀とビスマスの外皮 (AgBiO2またはAgBiO3からなる外皮) をもつAgO系の正極活物質を開示しており,このものは,AgO粉とビスマス化合物 (硫化ビスマスなど) とをアルカリ溶液中で還元反応させることによって得られると記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
酸化銀電池のコスト高を抑制するには,銀以外の安価な物質を正極活物質に共存させてAg使用量を相対的に低くすることが有利であり, このために, 前記のような各種の提案がなされてきた。しかし,該物質としてMnO2を共存させる例では,MnO2は真比重が小さく,また放電電位の平坦性が悪いという性質があるから,電池容量としてはそれほど期待できず放電が進むと放電電位の低下が著しいという問題が付随する。Ni等との化合物を形成する場合には, これを全て正極活物質とする訳ではなく, 放電後に水酸化物を形成して体積膨張を起こすことから,せいぜい数割の添加しか許容できない。したがって,それほどコスト抑制効果は期待できない。
【0006】
特開昭52-142241 号公報のように酸化ビスマスを添加する例では,酸化銀との酸化還元電位の差を利用して放電末期に2段の電位を得ることにより,この2段電位発生を検知して電池の消耗時を予知するものであるから,その使用量も自ずと限界があり,正極全量に対して高々3〜12重量%である。同様に米国特許第 5,389,469号明細書(ほか2件も同様)のように,酸化銀粒子の表面に亜酸化銀とビスマス系化合物の被膜を形成するものでも,Agの含有量として少なくとも78wt%を必要としており,Ag使用量の低減の意味からは充分ではなく,またコア部が不安定な過酸化銀(AgO)であるために,長期的な信頼性に不安があると共に放電態様も多段階になりやすい。長期的な信頼性は開回路電圧で評価することができ,活物質の開回路電圧が高すぎると電解液の分解によるガス発生やセパレータの酸化といった長期的な信頼性に問題が生ずるようになるので,正極の開回路電圧は低い方がよいことになる。
【0007】
したがって,本発明の課題は前記のような問題を解決して,Agの使用量を低減しても放電特性が悪くならず,しかも開回路電圧が低くて長期的な信頼性が得られるような安価且つ新規な電池用正極活物質を得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記の課題を解決するため,本発明者らはAg−Bi−O系の化合物に着目して種々の試験研究を続けてきたが,湿式法によって銀塩とビスマス塩の中和澱物を得たうえ,これを適正に酸化処理すると正極活物質に適した化合物が得られることを知見した。このものは,粒子内に化合物結晶を有し且つ粒子内全域にBiが分散している粒子からなる新規物質であると考えられ,その正極活物質としての放電特性その他については,先の特願2000−275124号の明細書および図面に記載した。
【0009】
本発明者らは,前記の銀塩とビスマス塩に対してさらにNi,Co,Mnなどの遷移金属の塩を加えて中和殿物を得たうえ,これを適正に酸化処理した場合にも正極活物質に適した新たな化合物が得られることを見い出した。したがって本発明は,前記課題を解決できる正極活物質として,Ag,Bi,M(Mは遷移金属の少なくとも1種の金属,好ましくはMn,NiまたはCoの少なくとも1種の金属を表す)およびO(酸素)からなる粒子であって,Ag,Bi,MおよびOからなる化合物の結晶を粒子内に有し且つ粒子内全域にBiが分散している粒子からなる電池用正極活物質を提供するものである。
【0010】
より具体的には,銀,ビスマスおよびM’(M’はマンガン,ニッケルまたはコバルトの少なくとも一種の金属を表す)の無機酸塩を水酸化アルカリと水媒体中で反応させて得たAg−Bi−M’含有中和殿物を酸化剤で酸化してなるAg−Bi−M’含有酸化生成物からなるアルカリ電池用の正極活物質:更には,銀,ビスマスおよびM’(M’はマンガン,ニッケルまたはコバルトの少なくとも一種の金属を表す)の無機酸塩と水酸化アルカリとを水媒体中で且つ酸化剤の存在下で反応させて得たAg−Bi−M’含有酸化生成物からなるアルカリ電池用の正極活物質:を提供する。この正極活物質すなわち該酸化生成物は,銀,ビスマス,M’および酸素からなる化合物の結晶を有する粒子であって,粒子表面から中心まで全体にわたってビスマスが存在している粒子からなる。この粒子は,Ag/(Bi+M’)のモル比が1〜7で,Bi/M’のモル比が0.1〜100の範囲にあり,酸素含有量が5重量%以上の組成を有し,好ましくは粒径が0.1〜10μmである。また,この正極活物質はAg含有量が75重量%以下,好ましくは70重量%以下であり,銀の化合物Ag2OおよびAgOを含まないか,含んだとしても不純物程度(1重量%以下,好ましくは0.5重量%以下)しか含まない。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明に従うアルカリ電池用正極活物質は,基本的にはAg,Bi,MおよびOの4元素からなる粒子であり,この粒子内に化合物結晶を有しており且つ粒子内全域にBiが分散しているという特徴がある。Mは遷移金属の少なくとも1種であることができるが,マンガン,ニッケルまたはコバルトの少なくとも一種であるのが好ましい。Mがマンガン,ニッケルまたはコバルトの少なくとも一種である場合をM’と表示する。
【0012】
粒子内の化合物結晶は,代表的にはAg−Bi−M−O系の化合物であり,好ましくはAg2OまたはAgOの化合物の結晶を粒子内に有せず,有するとしても,不純物程度にしか有しないという特徴がある。
【0013】
また,この粒子粉末は,Ag/(Bi+M)のモル比が1以上7以下,好ましくは2以上5以下で且つ酸素含有量が5重量%以上の組成を有している。Ag含有量は80重量%以下,好ましくは75重量%以下,さらに好ましくは70重量%以下,場合によっては60重量%以下であることもできる。Bi/Mのモル比については,0.1以上100未満の範囲であればよいが,好ましくは1以上10以下である。好ましい組成範囲は,Ag:45〜75%,Bi:10〜40%,M:0.5〜10%,O(酸素):5〜15%,残部:不可避的不純物である。粒子の粒径は0.1〜15μm,好ましくは0.2〜10μmである。平均粒径は0.1〜10μmの範囲にある。
【0014】
このような粒子からなる粉体を正極活物質の主材として使用した場合,従来の酸化銀電池の場合に比べて銀量が低量であるにも拘わらず同等の放電特性を得ることができる。加えてこの粉体の導電率は酸化銀に比べると3桁ほど高いので,酸化銀電池では黒鉛等の導電材の配合を必要としたが,このような導電材が不要となる点でも有利である。
【0015】
したがって,本発明に従う正極活物質は,前掲の米国特許第 5,389,469号明細書(ほか2件も同様)の粒子と比べた場合にも,粒子内部まで,すなわち粒子内全域にBiが分散している点,AgOやAg2Oの結晶が実質的に存在しない点,更にはAg量が少ない点などで相違しており,このため,各種粉体特性,放電特性,導電特性等についても従来品のものにはない新規な性質を示すと共に,銀量が少ないので安価である。
【0016】
本発明の正極活物質は,次のような工程を順に経る製法によって得ることができる。ただし,中和工程と酸化工程は同時に実施してもよい。
(1) 「銀の無機酸塩,ビスマスの無機酸塩およびMの無機酸塩」と「水酸化アルカリ」を水中で反応させて中和殿物を得る工程(中和工程と言う),
(2) 得られた中和殿物の懸濁液に酸化剤を添加して該澱物を酸化する工程(酸化工程という),
(3) その酸化殿物の懸濁液を固液分離して固体の酸化殿物を回収する工程,
(4) 回収した酸化殿物を水洗乾燥する工程,
(5) 得られた乾燥ケーキを解砕して粉体にする工程。
以下に各工程をMがM’である場合を例として詳しく説明する。
【0017】
〔中和工程〕
中和工程では,Agの無機酸塩と水酸化アルカリとを水中で反応させて殿物を得る中和反応を,「Biの無機酸塩とMの無機酸塩」との共存下で行わせることによって,殿物中に目標量の「Bi+M’」を含有させる。この処理は,Ag,BiおよびMの無機酸塩と,水酸化アルカリとの反応により,Ag,BiおよびM’の酸化物と水が生成する反応(すなわち中和反応)を行わせるものであり,この中和反応では出発物質の金属イオンの価数変化を起こさない。換言すれば,本発明が採用する中和反応は,還元条件下や酸化条件下での反応ではなく,したがって, 金属イオンの価数変化を伴う反応は含まない。
【0018】
中和反応に用いる水酸化アルカリとしては,水酸化ナトリウム(NaOH)や水酸化カリウム (KOH)を使用することができる。「Ag,BiおよびM’の無機酸の塩」としては,これら各金属の硝酸塩,硫酸塩,塩酸塩またはリン酸塩等が使用可能であるが,各金属の硝酸塩または硫酸塩が好ましく,代表的には各金属の硝酸塩を使用することができる。例えば, 硝酸銀(AgNO3)に対して,所望モル数の硝酸ビスマス[Bi(NO3)3]と, さらに必要量の硝酸マンガン [Mn(NO3)2], 硝酸ニッケル [Ni(NO3)2・6H2O] または硝酸コバルト [Co(NO3)2・6H2O] を組み合わせて水酸化アルカリと水中で反応させる。
【0019】
以下,説明の便宜上,「Ag,BiおよびM’の無機酸塩」がこれらの金属の「硝酸塩」である場合を例として説明するが,これらの無機酸の塩は前記のとおり硝酸の塩に限られるものではない。
【0020】
中和処理は,水酸化アルカリを溶解した水溶液に「Ag,Bi,M’の硝酸塩の粉体」を添加する方法, アルカリ水溶液と「Ag,Bi,M’の硝酸塩を溶解した水溶液」を混合する方法, 「Ag,Bi,M’の硝酸塩を溶解した水溶液」に固体の水酸化アルカリを添加する方法のいずれの方法でもよいが,アルカリ水溶液と「Ag,Bi,M’の硝酸塩の水溶液」を混合する方法が好ましい。
【0021】
この中和処理にあたってはアルカリ度は高い方がよく,例えば「Ag+Bi+M’」に対して, モル比で10倍程度のアルカリが存在した方が反応が進み易い。反応温度は特に限定されないが室温から110℃迄が好ましい。攪拌については,中和反応が均一に進行する程度の攪拌強度が必要である。
【0022】
中和処理に使用する金属塩中のAg/(Bi+M’)のモル比を変えることによって,最終化合物中のAg/(Bi+M’)の原子比,ひいては粒子中のAg/(Bi+M’)の原子比を調節することができる。本発明者らの経験によると金属塩中のAg/(Bi+M’)のモル比を1以上7以下,好ましくは,2以上5以下の範囲で調節するのがよい。このモル比が小さくなるほど得られる正極活物質の放電容量の低下が大きくなり,逆にこの比があまり大きくなるとAg量が多くなって,その分,Ag量低減という本発明の目的が達成できなくなる。
【0023】
〔酸化工程〕
酸化工程では通常の酸化剤,例えばKMnO4(過マンガン酸カリ), NaOCl(次亜塩素酸ナトリウム), H2O2(過酸化水素), K2S2O8(ペルオクソ2硫酸カリウム),Na2S2O8(ペルオクソ2硫酸ナトリウム),オゾン等を用いて中和殿物を酸化処理するものであり,中和殿物中の銀, ビスマスさらにはM’の価数を上げる (酸化する) ことを内容とする処理である。この工程は中和殿物の生成と同時に行うこともできるが,好ましくは,中和工程と酸化工程は分離して行う。そして中和工程と酸化工程の間に殿物を含む液を昇温する工程を挿入するのが好ましい。
【0024】
酸化処理中は液温を50℃以上,好ましくは70℃以上として攪拌下に酸化剤を添加するのがよい。しかし,あまり温度が高すぎると酸化剤の分解が進むので110℃以下が好ましい。前述のように,この酸化処理は中和殿物中の金属成分の価数を上げる処理,例えばAg+1をAg+2に,Bi+3をBi+3.5やBi+5に,M'+2をM'+3, M'+3やM'+4等に酸化する処理であり,この価数変化が充分に行える量の酸化剤を添加することが必要である。具体的には,この価数変化に対して当量以上,好ましくは2倍当量程度の酸化剤を添加するのがよい。
【0025】
酸化量は,中和処理に用いる原料硝酸塩の金属元素の価数のほか,Ag,Bi,M’の相対割合によっても変化し,これに伴って酸化処理後の生成物中のAg−Bi−M’−Oの組成比も変化することになるが,完全酸化を行うことによって,全体としてAg−Bi−M’−O系の結晶性の化合物からなる微細な粒子の集合体が生成することになる。後記の実施例に示すように,本発明者らの調査によれば,この結晶性微粒子内はもとより,微粒子の集合体(Ag−Bi−M’含有酸化生成物)にはAg2O等の低価数の化合物はもとより,AgO,独立したBiの酸化物,独立したM’の酸化物等が存在する機会も殆んどなくなり,正極活物質に適したAg−Bi−M’−O系の結晶性の化合物が得られる。
【0026】
別法として,このような酸化は中和殿物の生成と同時に行うこともできる。この場合には,前記の中和処理を前記の酸化剤の存在下で行えばよく,アルカリ水溶液に対して,Ag,Bi,M’の無機酸塩と酸化剤を同時に添加する方法や,アルカリ水溶液に酸化剤を予め投入しておき,この液にAg,Bi,M’の無機酸塩を添加する方法を採用すればよい。例えば後記の実施例に示すように,中和工程と酸化工程を同時に行っても,両者を分離して行った場合と実質的に同じ本発明に従うAg−Bi−M’含有酸化生成物(酸化殿物)を得ることができる。
【0027】
〔固液分離・乾燥・解砕工程〕
次いで,酸化殿物の固液分離を処理を行い,水洗し乾燥して黒色のケーキを得る。固液分離を行う前に,酸化殿物を熟成する工程を挿入するのがよい。この熟成工程は,酸化処理後の液をその温度で20〜120分程度保持する処理であり,この熟成処理を行うことによって,酸化殿物の均質化を図ることができる。より具体的には,粒子間で組成のばらつきが少なくなり且つ安定したAg−Bi−M’−O系化合物の粒子からなる殿物を得ることができる。濾別水洗した殿物の乾燥は50〜200℃の温度で行うのがよい。200℃を超える温度では生成した化合物が分解するおそれがある。得られた乾燥ケーキは,解砕機で解砕することによって,Ag−Bi−M’含有酸化生成物からなるアルカリ電池用の正極活物質として使用可能な粉体を得ることができる。
【0028】
このような製法で得られるAg−Bi−M’−O系化合物からなる粉末は後記の実施例に示すように,そのX線パターン(銅ターゲット使用,波長=1.5405オングストローム) の主ピーク群はX線回折データベース(ICDD)のどの化合物のものとも一致しない。また,この粉末のX線回折では,AgOまたはAg2Oの主ピーク群は現れない。したがって,この粉末中にはAgOまたはAg2Oとしての化合物は存在しないと言える。存在したとしてもそれは不純物としてのものであり,この不純物量はAgOとAg2Oの両者の合計量として高々1重量%以下,好ましくは0.5重量%以下,さらに好ましくはX線回折での検量限界以下の量である。したがって,本発明によれば,これまで知られていない結晶構造と組成をもつAg−Bi−M’−O系化合物を提供するものであり,前記の製法におけるこの物質の生成反応も新規な反応であると考えられる。
【0029】
本発明者らは,本発明に従う化合物を得る反応について,下記のような反応式に基づくものであろうと考えている。ただし,中和反応に使用するAg, Bi, M’の無機酸塩が, 硝酸銀 (AgNO3),硝酸ビスマス[Bi(NO3)3]および硝酸ニッケル[Ni(NO3)2]であり,水酸化アルカリが水酸化ナトリウム(NaOH)であり,酸化剤はペルオクソ2硫酸ナトリウム(Na2S2O8) であるとする。
【0030】
中和反応( 1≦X≦7, 0.1≦Y≦0.99..)
xAgNO3+yBi(NO3)3 +(1-y)Ni(NO3)2+(x+y+2)NaOH
→ AgxBiyNi(1-y)O(x+y+2)/2+(x+y+2)NaNO3+(x+y+2)/2H2O
【0031】
酸化反応〔 Ag(1)→Ag(1.25), Bi(3)→Bi(3.5) および Ni(2)→Ni(3) の酸化反応〕
AgxBiyNi(1-y)O(x+y+2)/2+(0.25x-0.5y+1)/2Na2S2O8
+(0.25x-0.5y+1)NaOH → AgxBiyNi(1-y)O(1.25x+0.5y+3)/2
+(0.25x-0.5y+1)Na2SO4+(0.25x-0.5y+1)/2H2O
【0032】
以下に本発明者らの行った代表的な試験結果を実施例としてあげ,本発明の正極活物質をさらに説明する。
【0033】
【実施例】
〔実施例1〕
前述した中和工程において,Ag/(Bi+Ni)のモル比が3,Bi/Niのモル比が1となるように硝酸銀 (AgNO3),硝酸ビスマス[Bi(NO3)3]および硝酸ニッケル[ Ni(NO3)2・6 H2O ] を秤量して溶解した水溶液を,液温が50℃で(Ag+Bi+Ni)に対してモル比で10倍の水酸化ナトリウムを溶解した水溶液(1.5リットル)に攪拌下で加えて中和殿物を得た。この中和殿物の懸濁液を90℃に昇温し,酸化剤としてペルオクソ2硫酸カリウム(K2S2O8)を,(Ag+Bi+Ni)に対してモル比で2倍量で,該懸濁液に添加して酸化処理した。酸化処理終了後,90℃の温度に30分間保持する熟成を行ったあと,殿物を濾別し,水洗し100℃で乾燥し,その乾燥品を解砕機で解粉して粉体を得た。
【0034】
得られた粉体の組成分析を行った結果,
Ag=63.5重量%,
Bi=18.5重量%,
Ni=6.2 重量%,
O =11.1重量%,
Total =99.3重量%であった。
【0035】
また,この粉体の比表面積を測定したところBET法測定値で18.8m2/g ,圧縮密度を測定したところ6.30g/cm3であった。また,この粉体のSEM像から観測された一次粒子の粒径は0.1〜10μmの範囲内に分布していた。
【0036】
さらに,この粉体を粉末X線回折に供したところ,図1の図形No.Aが得られた。図1にはAgOおよびAg2OのX線回折図形も併記したが,AgOおよびAg2OのピークとNo.Aの粉体のピークとは相違していることがわかる。また図1においてAg:Bi=3:1として示したX線回折図形は,先の特願2000−275124号の実施例においてAg/Biのモル比が3となるようにして製造したAg−Bi−O系粉体のものである。
【0037】
また,正極活物質として酸化銀 (Ag2O) 粉末を測定する場合と同じ方法で,この粉体の導電率を測定したところ,8.2 ×100 S/cmであった。ちなみに酸化銀粉体の導電率は 4.8×10-5 S/cm 程度である。さらにこの粉体を正極活物質とした場合の開回路電圧を, ほぼ同様の圧縮密度 (6.6 g/cm3) をもつ正極物質として製品化されている酸化銀 (Ag2O) の粉末と同じ条件で調べた。すなわち,開回路電圧は電池作成後25℃で1時間放置後の電圧を測定した。その結果,開回路電圧=1.735 V であり,Ag2Oのものでは 1.647 Vであった。なお, 特願2000−275124号のAg/Bi=3の粉体では 1.758 Vであった。
【0038】
このように,本例で得られた粉体は,銀含有量が63.5重量%と低いにも拘わらず,正極活物質として良好な開回路電圧特性を示している。したがって,酸化銀に充分に代替できる安価な正極活物質が得られたことがわかる。しかも,この粉体の圧縮密度は6.30g/cm3と高いので単位体積中に装填できる活物質の量も充分に確保でき,電池の体積エネルギー密度上昇にとっても有利である。X線回折結果ではこの粉体のピーク群はX線データベース(ICDD)のどの化合物のものとも一致しないので,新しい化合物結晶からなるものであると考えられる。すなわち,この正極活物質は,Ag,Bi,NiおよびOの4元素の組合せからなる化合物の結晶を粒子内に有している新規物質であると見てよい。
【0039】
〔実施例2〕
Ag:Bi:Niのモル比が表1に表示の値となるように,中和工程で使用した硝酸銀,硝酸ビスマスおよび硝酸ニッケルの配合割合を変えた以外は実施例1を繰り返し,それぞれのAg−Bi−Ni−O系の粉体を得た。各粉体を化学分析してその組成を調べた。その結果を表1に示した。表3中のNo.3の粉体は前記実施例1で得られたものである。
また,中和工程において硝酸ニッケルに代えて硝酸コバルトを使用し,Ag:Bi:Coのモル比が表1に表示の値となるように,硝酸銀,硝酸ビスマスおよび硝酸コバルトの配合割合を変えた以外は実施例1を繰り返し,それぞれのAg−Bi−Co−O系の粉体を得た。化学分析して得たそれらの組成も表1に併記した。
【0040】
【表1】
【0041】
〔実施例3〕
Ag:Bi:Niのモル比が表2に表示の値となるように,中和工程で使用した硝酸銀,硝酸ビスマスおよび硝酸ニッケルの配合割合を変えた以外は実施例1を繰り返し,それぞれのAg−Bi−Ni−O系の粉体を得た。各粉体の圧縮密度を測定した結果を表2に示した。表2では,各粉末を得るのに配合したAg/(Bi+Ni)比とBi/Niの影響も知るために,両者の比で整理して圧縮密度の値(g/cm3)を表中に記した。
【0042】
比較のために先の特願2000−275124号に記載したAg−Bi−O系の粉体(Ni無添加のもの)の圧縮密度も表2に併記した。
【0043】
【表2】
【0044】
表2から,M添加によって圧縮密度が高くなる傾向があることがわかる。
【0045】
〔実施例4〕
Ag:Bi:Niのモル比が表3に表示の値となるように,中和工程で使用した硝酸銀,硝酸ビスマスおよび硝酸ニッケルの配合割合を変えた以外は実施例1を繰り返し,それぞれのAg−Bi−Ni−O系の粉体を得た。各粉体の比表面積をBET法で測定し,その値(m2/g )を,前記の表2と同様の表示法に従って,表3に示した。また,比較のためにAg−Bi−O系の粉体(Ni無添加のもの)の比表面積も表3に併記した。
【0046】
【表3】
【0047】
表3の結果から,Mを添加すると比表面積が高くなる傾向が見られる。
【0048】
〔実施例5〕
Ag:Bi:Niのモル比が表4に表示の値となるように,中和工程で使用した硝酸銀,硝酸ビスマスおよび硝酸ニッケルの配合割合を変えた以外は実施例1を繰り返し,それぞれのAg−Bi−Ni−O系の粉体を得た。各粉体を正極活物質とした場合の開回路電圧を, 正極活物質として製品化されている酸化銀(Ag2O)の粉末と同じ条件( Ag2Oでは開回路電圧=1.647 V )で測定し,前記の表2〜3と同様の表示法に従って,表4に示した。比較のためにAg−Bi−O系の粉体(Ni無添加のもの)の開回路電圧も表4に併記した。
【0049】
【表4】
【0050】
表4の結果から,本発明に従うAg−Bi−Ni−O系の粉体は正極活物質として使用した場合に,Ni無添加のAg−Bi−O系の粉体を用いた場合よりも低い開回路電圧が得られることがわかる。
【0051】
〔実施例6〕
中和工程において硝酸ニッケルに代えて硝酸コバルトを使用し,Ag:Bi:Coのモル比が表5に表示の値となるように,硝酸銀,硝酸ビスマスおよび硝酸コバルトの配合割合を変えた以外は実施例1を繰り返し,それぞれのAg−Bi−Co−O系の粉体を得た。各粉体を正極活物質とした場合の放電特性 (開回路電圧) を, 実施例5と同様に測定し,その結果を表5に示した。
また,硝酸ニッケルに代えて硝酸マンガンを使用した以外は実施例1を繰り返して得た粉末についても,同様に開回路電圧を測定した。その結果を表5に併記した。
【0052】
【表5】
【0053】
表5から,遷移金属元素MとしてNiに代えてCoまたはMnを用いても,Niを用いた場合と同様の開回路電圧を示すAg−Bi−Co−O系またはAg−Bi−Mn−O系の正極活物質が得られることがわかる。
【0054】
また,表5のうち,Ag/(Bi+Co)=3/1で且つBi/Co= 0.95/0.05の粉体と,Ag/(Bi+Mn)=3/1で且つBi/Mn= 0.9/0.1の粉体についてX線回折に供したところ,図1の図形No.BとNo.CのX線チャートが得られた。これらには,No.Aの粉体と同様に,Ag2O,AgOおよびBi2O3 の化合物のピークは存在しない。すなわち,この粉体もAg,Bi,MおよびOの4元素の組合せからなる化合物の結晶を粒子内に有する新規物質であると見てよい。
【0055】
表6には,前例粉体数種についての導電率を,Ag2Oのものと対比して示した。表6の結果から,本発明に従う粉体はAg2Oよりも3桁もしくは5桁ほど導電率が高いことがわかる。
【0056】
【表6】
【0057】
〔実施例7〕
中和工程において,Ag/(Bi+Ni)のモル比が表7および表8に表示の値となるように,硝酸銀 (AgNO3),硝酸ビスマス[Bi(NO3)3]および硝酸ニッケル[ Ni(NO3)2・6 H2O ] を秤量して 0.8リットルの水に溶解した。他方, NaOHをモル濃度で1mol/リットルに調整した液温50℃のアルカリ水溶液(1.6 リットル) を準備し,このアルカリ水溶液に対し, 前記の塩類を溶解した水溶液と48%NaOH水溶液を同時に添加して中和殿物を得た。そのさい,48%NaOH水溶液の添加量については, 槽内に存在した当初のNaOH総量から,前記塩類の添加によって増加したNO3 -イオンを中和するに要するNaOH量を差引いた場合にも,常に1mol/リットルのNaOH濃度が槽内で維持されるように, 調整した。得られた中和殿物の懸濁液を90℃に昇温し,酸化剤としてペルオクソ2硫酸ナトリウム(Na2S2O8)を,(Ag+Bi+Ni)に対してモル比で1倍量で,該懸濁液に添加して酸化処理した。酸化処理終了後,90℃の温度に30分間保持する熟成を行ったあと,殿物を濾別し,水洗し100℃で乾燥し,その乾燥品を解砕機で解粉して粉体を得た。各粉体を正極活物質とした場合の開回路電圧を, 実施例2と同じ条件で測定し,得られた各粉体の測定値を表7中に記入した。また,各粉体の放電容量( at 1.4 V)の測定値を表8中に記入した。
【0058】
また,本例で得られた粉体のうち,代表例として,Ag/(Bi+Ni)=3/1で且つBi/Ni= 0.7/0.3 の粉体 (すなわち, Ag:Bi:Ni=3:0.7:0.3 の粉体) と,Ag:Bi:Ni=4:0.7:0.3 の粉体の放電曲線を図2に示した。図2には比較のためにAgOの放電曲線も併せて示した。
表7および8の結果および図2から,本発明に従うAg−Bi−Ni−O系の粉体は正極活物質として使用した場合に,好ましい開回路電圧および放電容量を示すことがわかる。
【0059】
【表7】
【0060】
【表8】
【0061】
さらに,本例で得られた粉体のうち,代表的例としてAg:Bi:Ni=3:0.5:0.5 の粉体, Ag:Bi:Ni=5:0.7:0.3 の粉体,Ag:Bi:Ni=4:0.7:0.3 の粉体,およびAg:Bi:Ni=3:0.7:0.3 の粉体のX線回折結果を図3に示した。図3には比較のためにAgO粉体およびAg2O粉体のX線回折結果も併記した。図3の結果から,これら本例の粉体は,AgOやAg2Oとは異なる結晶構造をもつ化合物であること,そして,BiとNiの配合量によって僅かに変位が見られるものの,主要なピークが共通する類似の結晶構造を有していることがわかる。これら主要な3本のピークの面間隔は 3.02 ±0.05,2.55±0.05 および 2.33 ±0.05 (オングストローム) であった。このようなピークをもつAg−Bi−Ni−O系の化合物はこれまで知られていない。図4には,図1のNo.Bの粉体(Ag:Bi:Co=3:0.5:0.5 の粉体)のX線回折結果を拡大し, 且つピークに指数(格子面間隔:単位オングストローム)を記載したものを示したが,図4と図3を対比すると明らかなように,MがNiまたはCoでも,主要なピークは共通しており,両者は同じ類型の結晶構造を有することがわかる。
【0062】
次に,本例で得られた粉体のうち代表例としてAg:Bi:Ni=3:0.7:0.3 の粉体から微量の粒子 (平均粒径 0.6μm) をサンプリングし,ESCAによって粒子中のBi濃度分布の分析を試みた。測定装置はアルバックファイ株式会社製5800であり,X線源はAl陽極線源 (300 V), 粒子表面からの深さエッチング速度は 0.32 nm/minである。測定結果を図5に示した。図5の横軸は sputter time, 縦軸はBiの原子濃度( %) である。エッチングを約 800分行った (sputter timeが約800 mim)が,これはエッチング速度から換算すると約 0.25 μm深さまで, すなわち,粒径 0.6μmの粒子のほぼ中心にまでエッチングしたことになる。図5の結果は,粒子中のBi濃度は,粒子表面から sputter
time 800 分まで殆んど変化せず,ほぼ一定の値を維持している。
【0063】
〔実施例8〕
本例は,中和と酸化を同時に行って得た本発明の正極活物質の例を示すものである。
【0064】
Ag/(Bi+Ni)のモル比が表9および表10に示した値となるように,それぞれ、硝酸銀 (AgNO3),硝酸ビスマス[Bi(NO3)3]および硝酸ニッケル[ Ni(NO3)2・6 H2O ] を秤量して、0.8 リットルの水溶液とした。ただし,表9と表10においてBi/Ni=1.0/0と記したのは,硝酸ニッケルを加えないで硝酸Agと硝酸ビスマスだけを表示の割合で溶解したことを示す。
【0065】
他方,ペルオクソ二硫化カリウム(k2S2O8)を前記の硝酸塩に対してモル比で1倍量秤量し,1.4 リットルの水溶液とした。
【0066】
硝酸塩の合計量に対しモル比で5倍量のNaOHを溶解した溶液1.6リットルを準備し,このNaOH溶液に対して,液温を104℃に維持しながら,前記の塩類の水溶液とペルオクソ二硫化カリウムの水溶液を30分間かけて同時に添加した。
【0067】
添加後終了後,104℃の温度に30分間保持する熟成を行ったあと、液から殿物を濾別し、水洗し、100℃で乾燥し、その乾燥品を解砕機で解粉した。
【0068】
得られた各粉体を正極活物質とした場合の開回路電圧と放電容量(at 1.4V)を実施例1と同じ条件で測定し,それらの結果を表9および表10に示した。
【0069】
また,本例で得られた各粉体(合計4種)のそれぞれのX線回折結果を図6に示した。図6の結果から,本例で得られたAg:Bi:Ni=5: 0.7:0.3の粉体, =3: 0.7: 0.3の粉体, および=3: 0.5: 0.5の粉体はいずれも図3のものに似たX線パターンを有しており,中和と酸化を同時に行っても分離して行った場合と同様の結晶構造をもつ粉体が得られることがわかる。
【0070】
【表9】
【0071】
【表10】
【0072】
さらに本例で得られたAg:Bi:Ni=5: 0.7: 0.3の粉体, =3: 0.7: 0.3の粉体, および=3: 0.5: 0.5の粉体の放電曲線を図7に示した。表9および表10と図7から,本例で得られたAg−Bi−M−O系の粉体は正極活物質として使用した場合に、好ましい電池特性を持つことがわかる。
【発明の効果】
以上説明したように,本発明によれば,アルカリ電池の正極活物質として,従来の代表的なAg2O粉末よりAg量が低くても同等の放電特性を示すAg−Bi−M(M’)−O系の新規な正極活物質が提供され,しかも,この正極活物質は導電率が酸化銀に比べると非常に良好である。したがって,本発明の正極活物質は安価でありながら高導電率で放電特性に優れ長期的な信頼性に優れるから,正極活物質, 負極物質および電解質からなる高性能で且つ安価な電池を構成する上で貢献するところが極めて大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う正極活物質のX線回折チャート(ターゲット:Cu,以下同じ)を他の粉体のものと対比して示したものである。
【図2】本発明に従う正極活物質の放電曲線をAgOと比較して示したものである。
【図3】本発明に従う他の正極活物質のX線回折チャートを他の粉体のものと対比して示したものである。
【図4】図1のNo.Bの正極活物質についてのX線回折チャートを拡大しピークの指数を記載したものである。
【図5】本発明に従う正極活物質の粒子中のBi濃度分布をESCAで測定した結果を示す図である。
【図6】本発明に従う他の正極活物質のX線回折チャートである。
【図7】本発明に従う正極活物質の放電曲線の例を示したものである。
Claims (4)
- 銀,ビスマスおよびM’(M’はマンガン,ニッケルまたはコバルトの少なくとも一種の金属を表す)の無機酸塩と水酸化アルカリとを水媒体中で且つ酸化剤の存在下で反応させて得たAg−Bi−M’含有酸化生成物からなるアルカリ電池用の正極活物質であって,該酸化生成物は銀,ビスマス,M’および酸素からなる化合物の結晶を有する粒子からなり、その粒子は粒子表面から中心まで全体にわたってビスマスが存在しているものであるアルカリ電池用の正極活物質。
- 該酸化生成物は銀含有量が75重量%以下であり且つ該化合物の結晶はAg,Bi,M’およびOからなる請求項1に記載の正極活物質。
- 負極活物質,正極活物質および電解質からなるアルカリ電池において,前記の正極活物質が, 銀,ビスマスおよびM’(M’はマンガン,ニッケルまたはコバルトの少なくとも一種の金属を表す)の無機酸塩を水酸化アルカリと水媒体中で反応させて得たAg−Bi−M’含有中和殿物を酸化剤で酸化してなるAg−Bi−M’含有酸化生成物からなるアルカリ電池であって,該酸化生成物は銀,ビスマス,M’および酸素からなる化合物の結晶を有する粒子からなり,その粒子は粒子表面から中心まで全体にわたってビスマスが存在しているものであるアルカリ電池。
- 負極活物質,正極活物質および電解質からなるアルカリ電池において,前記の正極活物質が, 銀,ビスマスおよびM’(M’はマンガン,ニッケルまたはコバルトの少なくとも一種の金属を表す)の無機酸塩と水酸化アルカリとを水媒体中で且つ酸化剤の存在下で反応させて得たAg−Bi−M’含有酸化生成物からなるアルカリ電池であって,該酸化生成物は銀,ビスマス,M’および酸素からなる化合物の結晶を有する粒子からなり,その粒子は粒子表面から中心まで全体にわたってビスマスが存在しているものであるアルカリ電池。
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