JP5028044B2 - 半導体薄膜の製造方法 - Google Patents

半導体薄膜の製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP5028044B2
JP5028044B2 JP2006203478A JP2006203478A JP5028044B2 JP 5028044 B2 JP5028044 B2 JP 5028044B2 JP 2006203478 A JP2006203478 A JP 2006203478A JP 2006203478 A JP2006203478 A JP 2006203478A JP 5028044 B2 JP5028044 B2 JP 5028044B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
substrate
electrode
thin film
semiconductor thin
plasma
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006203478A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008034469A (ja
Inventor
栄史 栗部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kaneka Corp
Original Assignee
Kaneka Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kaneka Corp filed Critical Kaneka Corp
Priority to JP2006203478A priority Critical patent/JP5028044B2/ja
Publication of JP2008034469A publication Critical patent/JP2008034469A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5028044B2 publication Critical patent/JP5028044B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

本発明は半導体薄膜の製造方法に関し、さらに詳細には、大面積の基板表面に均一な半導体薄膜を成膜するために好ましく用いられるプラズマCVD方法を用いた半導体薄膜の製造方法に関する。
液晶表示パネルの透明基板上に形成されるTFT(薄膜トランジスタ)アレイ、薄膜太陽電池、複写機の感光ドラム上の感光層などにおける種々の半導体薄膜の形成のために、プラズマCVD方法による薄膜の成膜技術が利用されている。近年、液晶表示パネルにおいては画面の大型化が望まれており、薄膜太陽電池においても大きな発電能力と生産効率の向上のために大面積化が求められている。そのため、大面積の半導体薄膜を形成することができるプラズマCVD方法やプラズマCVD装置が求められている。
図15は従来のプラズマCVD装置の構成を模式的に表す縦断面図である。図15のプラズマCVD装置(半導体薄膜製造装置)61は大面積の半導体薄膜の製造に対応可能な縦型プラズマCVD装置であり、基本的に、真空チャンバー(成膜室)62内に電極65及び温調パネル(ヒータ)66が備えられたものである。そして、使用時において、半導体薄膜を成膜すべき基板(基体)80が装着された支持部材68を真空チャンバー62の上部から挿入し、電極65と基板80とが対向する位置に支持部材68を配置する。
真空チャンバー62はステンレススチールやアルミニウム合金等からなる直方体状の箱である。真空チャンバー62には、図示しない排気真空ポンプ、配管、及び圧力調整弁等が接続され、真空チャンバー62内を所定の圧力に減圧することが可能である。一方、電極65はカソード電極として機能するものであり、図示しない高周波電力供給装置が接続されている。電極65には、半導体薄膜を成膜するための原料ガスを供給するためのガス供給装置および配管(図示せず)が接続され、電極65の電極面に開口形成されたガス流出孔から原料ガスが排出される。
図16は基板80と支持部材68の要部の拡大断面図である。支持部材68は中央に開口76を有する矩形枠状をなし、開口76の端部には段部78が形成されている。基板80の装着時において、段部78に基板80の一方の面(成膜面)の周辺部が係合し、さらに、基板80の他方の面(裏面)には背板81が配置される。背板81は、支持部材68の背面取付面開口部92の周辺部に設けられたクランプ79によって支持部材68に着脱可能に固定されている。それによって、基板80は支持部材68に対して位置決めされ、かつ支持部材68の開口76から基板80の一部が露出した状態で保持および固定される。基板80の露出面82は、支持部材68の面状部85によって包囲されている。面状部85は基板80の露出面82とともに放電面を形成している。一般に、面状部85は平坦で1つの平面からなる。
上記のように基板80が支持部材68に装着された状態において、基板80と支持部材68とが一体となって基板支持電極91を構成し、電極65に対向するように配置される。
図17に示すように、支持部材68に段部78を設けずに基板80と背板81を保持および固定することもできる。図17の基板80は、支持部材68の開口76を裏面から覆うように配置され、さらに基板80の裏面から背板81が配置され、背面取付面開口部92の周辺部に設けられた複数のクリップ77によって支持部材68に固定されている。
支持部材68は、例えばSUS304やSUS430等のステンレススチールやアルミニウム合金等、場合によってはアルミニウム合金表面に別途コーティングされた耐熱性および剛性を有する材質によって形成されている。一方、背板81は耐熱性と熱伝導の優れたカーボン等によって形成されている。また真空チャンバー62内の温調パネル66により、基板80は背板81を経由して一定温度に調整される。
基板80の露出面82に薄膜を成膜する手順は以下のとおりである。まず、図15に示すように、基板80の露出面82が電極65に対向する位置に、基板支持電極91(基板80が装着された支持部材68)を配置する。このとき、電極65と基板支持電極91との間にプラズマ発生空間が形成される。次に、原料ガスを電極65表面のガス流出孔(図示せず)からプラズマ発生空間に供給すると共に、真空チャンバー62内がある一定圧力になるよう原料ガスの排気を実施する。次に、電極65に高周波電力を印加し、電極65と基板支持電極91との間(プラズマ発生空間)にプラズマを発生させ、基板80の露出面82に半導体薄膜を成膜する。
なお、図15に示すプラズマCVD装置では、基板80の露出面82が外側を向いて設置されるが、図18に示すような露出面82が内側を向いて設置される「1電極両面放電タイプ」のプラズマCVD装置もある。本プラズマCVD装置の場合には、基板80が装着された支持部材68は真空チャンバー62の上部からではなく正面から水平方向に挿入されるのが通常である。
一般に、プラズマCVD方法及びプラズマCVD装置においては、成膜領域(プラズマ発生空間の一部であって、基板露出面を覆う領域)に生成するプラズマの均一性が、基板上に成膜される半導体薄膜の膜厚の均一性および均質性に大きな影響を与える。そのため、成膜領域におけるプラズマをより均一化するための工夫が行われている。例えば、特許文献1に記載の発明では、水平型CVD装置において、カソード電極に給電される高周波電力の周波数がVHF帯にある場合に、大面積平行平板型成膜装置において周辺部でのプラズマ電界強度が減少するために、基板支持電極(アノード電極)と対向するカソード電極の周辺部電極間距離を周辺部で局所的に狭くすることで、周辺部のプラズマ電界強度を強め、成膜領域におけるプラズマの均一化を図っている。
一方、プラズマの均一性を大きく支配するのは電極間距離であり、特に大面積基板への成膜を行う際には、大型化された各電極間の平行度が重要となる。更に、生産性の向上を目的として成膜速度を向上させるために、電極に投入する高周波電力の投入パワーを大きくする、投入する電力の周波数を大きくする(高高周波数化)、またはチャンバー内の圧力を大きくし基板支持電極とカソード電極との間の電極間距離を小さくする、といったことが行なわれている。ところが、これらの場合には更に高精度な電極間の平行度が要求される。
特許文献2に記載の発明では、大面積の平行平板型高周波プラズマCVD装置において、基板の成膜面とカソード電極面との平行度を測定するための基準面を設定し、基板電極(成膜面)とカソード電極との電極間距離が12mm以下の所定値で、基板電極とカソード電極の平行度を1mm以内に調整し、基板に成膜される半導体薄膜の膜厚分布のばらつきを所定範囲内に収めている。
特開平9−312268号公報 特開2002−270527号公報
前述のように、大面積化および成膜速度の向上のために、大面積のカソード電極および基板を用い、電極間距離をできるだけ小さくし、高パワー・高周波数の電力を投入し、半導体薄膜の成膜が行われている。その際に問題となるのが、成膜領域におけるプラズマの安定・均一化である。すなわち、成膜時において基板上のプラズマが不均一であると、基板上の半導体薄膜の膜厚や膜質の分布が不均一となり、その局所的なバラツキにより、半導体薄膜全体の性能を低下させる大きな原因となる。そして、基板面積が大きくなるに従い、また成膜速度の向上を実現するための高周波電力のパワー増大や高高周波数化につれて、プラズマの均一性を保つことはより難しくなる。その際、重要となるのが、カソード電極の電極面の平面度、基板支持電極の平面度、及び、これらの電極間の平行度である。
しかしながら、1m□程度やそれ以上の大面積基板に半導体薄膜を成膜するときは、カソード電極と基板支持電極のサイズがいずれも1m□を越えることとなり、これらの平面度を保つこと、並びに、カソード電極と基板支持電極の平行度を保つことは、機械加工精度上、組み立て精度上あるいは真空時や加熱時の変形等により困難である。また、同じ1mmの電極平面度の悪化や電極間の平行度の悪化であっても、電極間距離が20mmから10mmに小さくなった場合には、そのバラツキの割合としては5%から10%と、その影響が大きくなる。その結果、電極間距離がより小さい場合には、成膜された半導体薄膜の膜厚・膜質のバラツキが大きくなり、半導体薄膜全体の性能は格段に低下する。
図15に示す従来のプラズマCVD装置においては、電極65の平面度、基板支持電極91の平面度、及び、電極65と基板支持電極91との間(電極間)の平行度が理想的に保たれている場合には、図19(a)に示すように、プラズマ発生空間内の成膜領域にプラズマ95がうまく閉じ込められ、基板の周辺部までに均一な半導体薄膜が成膜される。しかしながら、電極間の平行度が保たれていない場合には、成膜領域におけるプラズマの均一性が低下し、基板の成膜面に成膜される半導体薄膜の均一性および均質性が低下する。
例えば、圧力領域や高周波電力の大きさによりその挙動は逆にもなり得るが、電極間距離が小さい場合には、成膜領域に閉じ込められるべきプラズマ95が支持部材68の面状部85付近にまで広がってしまう。プラズマ95の広がり具合はその電極間距離に依存し、その度合いが小さければ図19(b)の様な状態、大きければ図19(c)の様な状態となる。プラズマの広がりが小さい図19(b)の場合は、成膜領域におけるプラズマ95の均一性低下が許容範囲に収まることもあるが、図19(c)の様にプラズマ95の広がりが大きい場合には、支持部材68の面状部85でのプラズマ95に全体のプラズマエネルギーを消耗され、その結果、基板80の露出面82上のプラズマ強度が弱くなり、露出面82上に成膜される半導体薄膜の膜質が変化してしまうことがある。
また同じく、圧力領域や高周波電力の大きさによりその挙動は逆にもなり得るが、電極間距離が大きくなった場合には、図19(d)のように生成したプラズマ95が収縮し、基板80の露出面82上にプラズマ95が広がりきれず、露出面82の周辺部で半導体薄膜の膜厚が薄くなったりし、膜質が変化してしまう。
特許文献2に記載のように、電極間距離の調整を緻密に実施することで、電極間の平行度はある程度改善される。しかしながら、基板支持電極およびカソード電極の製作精度や組立精度、更には真空や熱による変形により、それらの平面度を安定して確保することは難しい。
さらに、特許文献1に記載のように、水平型CVD装置においても電極外縁部で電界強度が減少し、半導体薄膜の膜厚が薄くなる問題に対しては、カソード電極を外縁部にかけて除々に厚くなるテーパ状として電極間距離を小さくして、外縁部での電界分布の改善を実施している。しかしながら、電極間の平行度がよくない場合には、外縁部の電界強度が強くなり過ぎ、プラズマが不均一となり、半導体薄膜への悪影響が懸念される。また、カソード電極をテーパ状とするとカソード電極が汚れやすくなり、メンテナンス性が極度に落ちる。さらに、カソード電極の電極面に設けられたガス流出孔の付近をテーパ状とすると、ガス流出孔の長さが変化し、各ガス流出孔の圧力損失に差が生じることで、ガス供給量の不均一性が発生し、半導体薄膜の膜厚および膜質の均一性が損なわれるおそれがある。
本発明の目的は、プラズマを安定・均一化でき、大面積で均一な半導体薄膜を成膜することができるプラズマCVD方法を用いた半導体薄膜の製造方法を提供することにある。
上記した課題を解決するための請求項1に記載の発明は、 半導体薄膜を成膜すべき基体を支持部材に装着して該基体の一部又は全部を該支持部材から露出させ、電極を備えた成膜室内において基体露出面が電極面に対向するように前記支持部材を配置して、基体が装着された支持部材と電極との間にプラズマ発生空間を形成させ、前記電極に高周波電力を供給して放電を発生させ、基体露出面に半導体薄膜を成膜するプラズマCVD工程を含む半導体薄膜の製造方法であって、前記プラズマ発生空間にプラズマを遮蔽する壁を設けるものであり、前記支持部材は、基体露出面の外縁に位置し且つ前記電極面に対向する面状部を有し、前記面状部に前記壁を設け、前記面状部と前記基体露出面とは段部を形成しており、電極面と面状部との距離は電極面と基体露出面との距離よりも小さく、前記段部の高さが0.5mm以上かつ4.0mm以下であり、前記段部は、面状部から基体露出面に向かって高さが小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする半導体薄膜の製造方法ある。
本発明の半導体薄膜の製造方法は、プラズマCVD工程により半導体薄膜を成膜するものである。すなわち、本発明の半導体薄膜の製造方法は、支持部材に装着された基体に薄膜を成膜するものであり、基体が装着された支持部材と電極との間のプラズマ発生空間にプラズマを遮蔽する壁を設ける。本発明の半導体薄膜の製造方法では、プラズマ発生空間にプラズマを遮蔽する壁を設けるので、基体露出面を覆う領域(成膜領域)に生じたプラズマが成膜領域からプラズマ発生空間外に向かって広がろうとしても、壁に衝突し、プラズマが成膜領域に閉じ込められる。そのため、成膜領域においてプラズマがより均一化される。その結果、基体露出面に成膜される半導体薄膜の膜厚がより均一化され、膜質もより均質化されたものとなる。
また、本発明のプラズマCVD方法では、壁によりプラズマを成膜領域に閉じ込める構成を採用したので、電極の電極面の平面度、基板支持電極の平面度、電極間の平行度、といった他の要素の影響を吸収することができ、安定的に成膜領域のプラズマを均一化することができる。
また本発明の半導体薄膜の製造方法では、用いる支持部材の形状に特徴がある。すなわち、従来のプラズマCVD方法を用いる半導体薄膜の製造方法では、用いる支持部材の面状部は平坦で1つの平面からなるが、本発明の半導体薄膜の製造方法では、用いる支持部材の面状部にプラズマを遮蔽する壁を設ける。本発明の半導体薄膜の製造方法では、基体の支持部材として面状部に壁を設けたものを使用するので、成膜領域に生じたプラズマが、基体露出面から支持部材の面状部外に向かって広がろうとしても、面状部に設けられた壁に衝突し、プラズマが成膜領域に閉じ込められる。そのため、成膜領域においてプラズマがより均一化される。その結果、基体露出面に成膜される半導体薄膜の膜厚がより均一化され、膜質もより均質化されたものとなる。
また本発明の半導体薄膜の製造方法では、前記面状部と前記基体露出面とは段部を形成しており、電極面と面状部との距離は電極面と基体露出面との距離よりも小さく、前記段部の高さが0.5mm以上かつ4.0mm以下である。かかる構成により、基体露出面から支持部材の面状部へのプラズマの変動が小さくなり、プラズマがより均一化される。
また本発明の半導体薄膜の製造方法では、前記段部は、面状部から基体露出面に向かって高さが小さくなるテーパ状に形成されている。かかる構成により、基体露出面から基体側電極対向面へのプラズマの変動が極めて小さくなり、プラズマがより均一化される。
請求項に記載の発明は、半導体薄膜を成膜すべき基体を支持部材に装着して該基体の一部又は全部を該支持部材から露出させ、電極を備えた成膜室内において基体露出面が電極面に対向するように前記支持部材を配置して、基体が装着された支持部材と電極との間にプラズマ発生空間を形成させ、前記電極に高周波電力を供給して放電を発生させ、基体露出面に半導体薄膜を成膜するプラズマCVD工程を含む半導体薄膜の製造方法であって、前記プラズマ発生空間にプラズマを遮蔽する壁を設けるものであり、前記支持部材は、基体露出面の外縁に位置し且つ前記電極面に対向する面状部を有し、前記面状部に前記壁を設け、前記面状部は、基体露出面に隣接する基体側電極対向面と、該基体側電極対向面の基体露出面側とは反対側に隣接する端部側電極対向面とを有し、該基体側電極対向面と該端部側電極対向面とは、端部側電極対向面と電極面との距離が基体側電極対向面と電極面との距離よりも小さくなる段差を形成しており、前記壁は当該段差により形成されており、前記基体側電極対向面と前記基体露出面とは段部を形成しており、電極面と基体側電極対向面との距離は電極面と基体露出面との距離よりも小さく、前記段部の高さが0.5mm以上かつ4.0mm以下であり、前記段部は、基体側電極対向面から基体露出面に向かって高さが小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする半導体薄膜の製造方法である。
本発明の半導体薄膜の製造方法では、用いる支持部材の面状部に段差が設けられており、当該段差がプラズマを遮蔽する壁として機能する。すなわち、当該段差において、端部側電極対向面と電極面との距離は、基体側電極対向面と電極面との距離よりも小さい。換言すれば、当該段差は電極に向かって凸形状となるもので、かつ端部側電極対向面が基体側電極対向面に対して電極側に突出している。本発明の半導体薄膜の製造方法では、段差によりプラズマを遮蔽する壁が形成されているので、成膜領域に生じたプラズマが、基体露出面から支持部材の面状部に向かって広がろうとしても、面状部に設けられた段差(壁)に当たり、プラズマが成膜領域に閉じ込められる。そのため、成膜領域においてプラズマがより均一化される。その結果、基体露出面に成膜される半導体薄膜の膜厚がより均一化され、膜質もより均質化されたものとなる。
また本発明の半導体薄膜の製造方法では、前記基体側電極対向面と前記基体露出面とは段部を形成しており、電極面と基体側電極対向面との距離は電極面と基体露出面との距離よりも小さく、前記段部の高さが0.5mm以上かつ4.0mm以下である。かかる構成により、基体露出面から支持部材の基体側電極対向面へのプラズマの変動が小さくなり、プラズマがより均一化される。
また本発明の半導体薄膜の製造方法では、前記段部は、基体側電極対向面から基体露出面に向かって高さが小さくなるテーパ状に形成されている。かかる構成により、基体露出面から基体側電極対向面へのプラズマの変動が極めて小さくなり、プラズマがより均一化される。
請求項に記載の発明は、前記段差の高さは、前記電極面と前記基体露出面との距離の1/20以上かつ1/3以下であることを特徴とする請求項に記載の半導体薄膜の製造方法である。
本発明の半導体薄膜の製造方法では、段差の高さが所定の範囲に限定されている。かかる構成により、端部側電極対向面と電極面との距離をプラズマの発生に悪影響を及ぼさない程度に保ちながら、成膜領域に生じたプラズマが確実に閉じ込められる。
前記支持部材は開口を有する枠体からなり、前記基体の一部又は全部を該開口から露出させる構成が推奨される(請求項)。また、前記基体は板体であり、基体露出面は該板体の一方の面の一部又は全部である構成も推奨される(請求項)。
前記支持部材に複数の基体を並べて装着し、各々の基体の一部又は全部を支持部材から露出させ、複数の基体に対して半導体薄膜を成膜する構成が採用できる(請求項)。
関連の発明は、上記した半導体薄膜の製造方法を行うための半導体薄膜製造装置であって、電極を備えた成膜室を有し、基体が保持された前記支持部材が前記成膜室に対して出し入れ可能であり、該支持部材が成膜室内で電極に対向して配置されることを特徴とする半導体薄膜製造装置である。
この発明は半導体薄膜製造装置にかかるものである。この半導体薄膜製造装置は本発明の半導体薄膜の製造方法を行うためのものであり、電極を備えた成膜室を有し、基体が保持された支持部材が成膜室に対して出し入れ可能であり、該支持部材が成膜室内で電極に対向して配置される。この半導体薄膜製造装置によれば、成膜領域に生じたプラズマがより均一化される。その結果、基体露出面に成膜される半導体薄膜の膜厚がより均一化され、膜質もより均質化されたものとなる。
複数の支持部材が配置可能である構成、前記成膜室が複数の電極を備える構成、及び、前記成膜室を複数備えた構成が採用できる。
本発明の半導体薄膜の製造方法によれば、成膜領域においてプラズマがより均一化される。その結果、基体露出面に成膜される薄膜の膜厚がより均一化され、膜質もより均質化されたものとなる。
図1は本発明の第一実施形態のプラズマCVD装置が備える成膜室の斜視図である。図2は図1のA−A断面図である。図3は図1の成膜室に収納される基体キャリアの斜視図である。図4は図3の基体キャリアの分解斜視図である。図5は成膜室内における基体キャリアと電極との位置関係を示す一部破断斜視図である。図6は基体キャリアの内側の状態を示す一部破断斜視図である。図7は図6のB−B断面斜視図である。図8は成膜領域におけるプラズマの状態を模式的に表す断面図である。図9(a)はプラズマが収縮した場合のプラズマの状態を模式的に示す断面図、図9(b)はプラズマが外周面上にはみ出た場合のプラズマの状態を模式的に示す断面図である。図10は参考例のプラズマCVD装置の要部を示す断面図である。図11は参考例のプラズマCVD装置の要部を示す断面図である。図12は第実施形態のプラズマCVD装置の要部を示す断面図である。図13は第一実施形態における枠体の一例を示す断面図である。図14は本発明の第実施形態における基体キャリアの斜視図である。
図1に示すプラズマCVD装置(半導体薄膜製造装置)1は、基板(基体)の成膜面が内側を向いて設置される「1電極両面放電タイプ」のものである。図1に示すように、本実施形態(第一実施形態)のプラズマCVD装置1は成膜室2を中心として構成されるものであり、成膜室2において所望の基体に半導体薄膜を成膜する。成膜室2は直方体状の箱体であり、その正面には成膜室出入口3が設けられている。成膜室出入口3には気密性を備えたシャッターが設けられており、シャッターを開閉することで成膜室2内に基体を出し入れすることができる。成膜室2には、排気真空ポンプ、配管、及び圧力調整弁等(いずれも図示せず)が接続されており、成膜室2の内部は所定の圧力に減圧可能である。
図2に示すように、成膜室2はその内部に電極5とヒータ6a,6bを備える。
電極5は細長い直方体状であり、成膜室2の天面から垂下され、成膜室2の略中央に縦置きされている。電極5と成膜室2の底面との間、および電極5とヒータ6a,6bとの間にはいずれも隙間がある。電極5の表面(電極面)にはガス流入孔(図示せず)が設けられており、該ガス流入孔には原料ガス供給装置(図示せず)が接続されている。さらに、電極5には高周波電量供給装置(図示せず)が接続されている。電極5はカソード電極として機能する。
ヒータ6a,6bは細長い直方体状であり、成膜室2の内壁に取り付けられている。すなわち、ヒータ6a,6bは電極5を挟んで平行に位置している。
本実施形態における成膜室2、電極5、及びヒータ6a,6bは、それぞれ、図15,19に示した従来のプラズマCVD装置における真空チャンバー62、電極65、及び温調パネル66と基本的に同じものである。
電極5とヒータ6aとの隙間、および電極5とヒータ6bとの隙間には、基体キャリア7の一部が挿入されている。ここで、基体キャリア7の構成について説明する。なお図2においては、基体キャリア7の詳細な形状は省略して示している。図3に示すように、基体キャリア7は細長い台車に2枚の枠体(支持部材)8を対向して立設したような形状を有する。すなわち、基体キャリア7は、直方体状のキャリアベース10を有し、その両側に合計4個の車輪11が設けられている。また、キャリアベース10の底面には、ラック12が取り付けられている。
キャリアベース10の上面側の長辺部には、2枚の枠体(支持部材)8が平行に対向して設けられている。枠体8どうしの間は空隙15となっている。すなわち、キャリアベース10と2枚の枠体8によって上向きの「コ」の字形状をなしている。
図3,4に示すように、枠体8には正方形の開口16が設けられている。そして、開口16の周囲にはクリップ17が多数設けられている。すなわち、基体キャリア7には合計2個の開口16が設けられている。
基体キャリア7の枠体8には、図3,4に示すようにガラス基板(基体)20と背板21とが取り付けられており、これらをクリップ17が押さえている。すなわち、基体キャリア7には計2枚のガラス基板(基体)20が装着されている。そして、枠体8に装着されたガラス基板(基体)20はその一部を開口16から露出しており、かつ当該露出面(基体露出面)22は対向する枠体8の内側を向いている。なお、図3ではガラス基板20を省略している。
本実施形態のプラズマCVD装置1の成膜室2における、基体キャリア7と電極5との位置関係は、図5に示すものとなる。すなわち、電極5の両面を2枚の枠体8が挟んで位置し、枠体8に装着されたガラス基板20の露出面(基体露出面)22がそれぞれ電極5に対向する。電極5とガラス基板20の露出面22とは、互いに平行に位置している。さらに、基体キャリア7の2個の枠体8の外側にヒータ6a,6bが位置する(図2)。
本実施形態のプラズマCVD装置(半導体薄膜製造装置)1では、ガラス基板(基体)20が装着される枠体(支持部材)8の形状に特徴がある。図6,7に示すように、枠体8にはガラス基板20が装着されており、ガラス基板20の一部が開口16から露出し、露出面22を形成している。そして、枠体8は露出面22の周囲に面状部25を有する。従来のプラズマCVD装置では枠体8の面状部25が一平面からなり且つ平坦である。しかし、本実施形態のプラズマCVD装置1では、面状部25が内周面(基体側電極対向面)26と外周面(端部側電極対向面)27とで構成されており、さらに、内周面26と外周面27とが段差(壁)28を形成している。そして、外周面27が内周面26に対して内側(電極5側)に突出している。
またさらに、内周部26と露出面22との間には段部30が設けられており、内周面26が露出面22に対して内側(電極5側)に突出している。さらに、段部30は内周部26から露出面22に向かってその高さが小さくなるテーパ状に形成されている。
なお、図7では背板21を省略している。
次に、本実施形態のプラズマCVD装置(半導体薄膜製造装置)を使用したプラズマCVD方法による半導体薄膜の製造方法について、プラズマCVD装置の作用とともに説明する。
本実施形態のプラズマCVD装置1によりガラス基板(基体)20に薄膜を成膜する場合には、まず、基体キャリア7を成膜室2から取り出しておき、ガラス基板(基体)20を背板21と共に装着する。一方、成膜室2の成膜室出入口30に設けられたシャッターを閉め、成膜室2内の空気を排気し、減圧する。さらに、ヒータ6a,6bを運転し、所定温度に昇温しておく。次に、ガラス基板20が装着された基体キャリア7を成膜室出入口30から挿入し、図2,5に示すような位置関係となるように固定する。このとき、成膜室2内の減圧が解除されないように、密閉系を保ったままで基体キャリア7を挿入する。例えば、成膜室出入口30と密閉状態で接合できる移動用チャンバーに基体キャリア7をセットしておき、移動用チャンバーを成膜室出入口30と接合し、シャッターを開け、基体キャリア7を成膜室出入口30から挿入することができる。この際、移動用チャンバーにヒータを設けておき、移動用チャンバー内で基体キャリア7に装着されたガラス基板20を予め加熱しておいてもよい。
次に、電極5に設けられたガス流入孔から原料ガスを供給すると共に、電極5に高周波電力を供給する。そして、電極5と基体キャリア7の枠体8との間(プラズマ発生空間)にグロー放電を発生させて原料ガスのプラズマを発生させ、ガラス基板20の露出面22に半導体薄膜を成膜する。なおこの際、ガラス基板20と枠体8とが一体となって1つの電極(基板支持電極31)を構成する。換言すれば、ガラス基板20が装着された枠体8が基板支持電極31である。そして、電極5と基板支持電極31との間がプラズマ発生空間となり、プラズマ発生空間のうちガラス基板20の露出面22を覆う領域が成膜領域となる。基板支持電極31はアノード電極として機能する。
図8は成膜領域におけるプラズマの状態を模式的に表す断面図である。図8に示すように、本実施形態においては、内周面26と外周面27とにより形成されている段差(壁)28によって成膜領域に発生したプラズマ35の不必要な広がりが阻害され、成膜領域にプラズマ35が閉じ込められる形となる。すなわち、段差28がプラズマ35を遮蔽する壁として機能する。その結果、成膜領域においてプラズマ35が均一化し、ガラス基板20の露出面22に成膜される半導体薄膜は、その膜厚と膜質が均一なものとなる。
ここで、電極5と基体支持電極31との距離(電極間距離)がより大きくなった場合について考察する。圧力領域や高周波電力の大きさによりその挙動は逆にもなり得るが、電極間距離が大きくなると、プラズマが収縮した状態となりやすい。しかし、本実施形態ではその収縮は面状部25の内周面26上で起こるのみであり、プラズマ35の状態は図9(a)に示すようなものとなり、ガラス基板20の露出面22上ではプラズマの均一性が保たれる。すなわち、本実施形態においては、成膜領域のプラズマ35が図19(d)に示すような状態とはならない。
一方、電極間距離がより小さくなった場合について考察する。圧力領域や高周波電力の大きさによりその挙動は逆にもなり得るが、電極間距離が小さくなるとプラズマの広がりが大きくなる。しかし、本実施形態では段差(壁)28があるので、図8に示すように、プラズマ35が外周面27上にはみ出ることなく成膜領域に閉じ込められる。また、プラズマの広がりが極めて大きい場合には、発生したプラズマ35が面状部25の内周面26上を超えて外周面27上にはみ出ることもある。しかし、この場合でも段差(壁)28があるのではみ出るプラズマ35の量は少なく、プラズマ35の状態は図9(b)に示すようなものとなり、結果的にガラス基板20の露出面22上ではプラズマ35の均一性が保たれる。つまり、本実施形態においては、成膜領域のプラズマ35が図19(c)に示すような状態とはならない。
このように、本実施形態のプラズマCVD装置1によれば、成膜領域におけるプラズマの均一性が電極間距離により大きな影響を受けることはない。
なお、段差28の高さとしては、電極間距離、電極5に投入される電力のパワー及び周波数、成膜室2内の圧力等によって適当な高さを選択すればよいが、例えば、電極5と露出面22との間の距離の1/20以上かつ1/3以下の範囲とすることができる。すなわち、電極間に発生したプラズマを効率よく閉じ込めるためには、段差28の高さはできるだけ大きい方がよいが、外周面27が電極5に近づきすぎると、外周面27と電極5との間に異常放電が起こり、プラズマの発生に大きな支障が出る。一方、段差の高さが低すぎると、成膜領域にプラズマを効率よく閉じ込められない。そこで、段差28の高さを電極5と露出面22との間の距離の1/20以上かつ1/3以下の範囲にすることで、外周面27と電極5との間に異常放電が起こらず且つ電極間に発生したプラズマが成膜領域に効率よく閉じ込められる。
また本実施形態では、内周部26と露出面22との間には段部30が設けられており、内周面26が露出面22に対して内側(電極5側)に突出している。さらに、段部30は、その高さが内周部26から露出面22に向かって小さくなるテーパ状に形成されている。これにより、露出面22から内周面26に至る過程でプラズマの変動がより小さく抑えられる。
段部30の高さはできるだけ小さい方が好ましいが、例えば、0.5mm以上かつ4.0mm以下の範囲とすればよい。すなわち、0.5mm未満とすることは、枠体8の機械加工精度、加工の難易度、及び枠体8のガラス基板20を保持する際の強度等の面で困難である。一方、4.0mmを越えると面状部25上のプラズマの状態に影響を与え、成膜領域におけるプラズマの均一性に悪影響が出るおそれがある。
なお、本発明のプラズマCVD方法およびプラズマCVD装置においては、より高いプラズマの閉じ込め効果が得られるのは電極間距離が20mm以下の場合であるが、これに限定されるものではない。なお、電極間距離を6mm以下とすると、一般に段差の形成が難しくなるので、現実的な電極間距離は6mm〜20mmであり、この場合には、例えば、生産性を考慮した200mW/cm2以上の投入パワーにて、成膜時のガス圧の範囲を100Pa〜2000Paとすると、成膜領域に発生するプラズマは均一なものとなる。
上記した第一実施形態のプラズマCVD装置1では、枠体(支持部材)8に設けられた段部30がテーパ状に形成されていたが、段部30がテーパ状に形成されていない例を示す。図10は参考例のプラズマCVD装置の要部を示す断面図である。図10のプラズマCVD装置(半導体薄膜製造装置)においては、枠体(支持部材)42の段部43はテーパ状に形成されていないが、段差28によるプラズマの閉じ込め効果により成膜領域のプラズマは十分均一なものとなる。段部43の高さは、例えば、第一実施形態と同様に0.5mm以上かつ4.0mm以下の範囲とすればよい。
上記した実施形態では枠体の面状部に段差を設けることで、成膜領域にプラズマを閉じ込めたが、段差以外の手段で成膜領域にプラズマを閉じ込めることもできる。図11は参考例のプラズマCVD装置の要部を示す断面図である。図11のプラズマCVD装置(半導体薄膜製造装置)では、枠体46の面状部47が従来のプラズマCVD装置と同様に平坦かつ一平面からなる。そして、プラズマ発生空間に枠体46とは別の部材からなる壁48を設けることにより、成膜領域にプラズマを閉じ込めている。なお、壁48を構成する部材は、例えば成膜室の内壁に設けられており、当該部材が面状部47の一部を覆うことにより、壁48が形成されている。
壁48を枠体の面状部に直接設けることもできる。図12は第実施形態のプラズマCVD装置の要部を示す断面図である。図12のプラズマCVD装置(半導体薄膜製造装置)では、枠体(支持部材)52の面状部53に壁54を設け、成膜領域にプラズマを閉じ込めている。
なお、図8〜12ではいずれもクリップ17と背板21を省略している。
上記した実施形態のうち、枠体の面状部に段差または壁を設ける場合には、面状部を削り出すことで段差または壁を形成してもよいし、平坦な面状部に段差または壁に相当するする部材を貼り付けて形成させてもよい。図13は第一実施形態における枠体の一例を示す断面図である。図13の枠体8は、外周面27を構成する第一の部材55と、内周面26を構成する第二の部材56とを組み合わせることにより形成されている。そして、段差28は、第一の部材55と第二の部材56とにより形成されている。テーパ状の段部30は第二の部材56の一部からなる。
上記したいずれの実施形態においても、段差28と壁48,54についてはガラス基板20の露出面22の四辺全てに設けてもよいし、一部の辺に設けてもよい。
本実施形態ではガラス基板20の成膜面が内側を向いて設置される「1電極両面放電タイプ」の例を示したが、図15に示すようなガラス基板の成膜面(露出面)が外側を向いて配置されるタイプのプラズマCVD装置にも本実施形態の構成が全く同様に適用できる。図14は本発明の第実施形態における基体キャリアの斜視図である。図14に示す実施形態では、成膜室内において基体キャリア57の枠体8がヒータ6を挟むような位置関係になる。
すなわち、本実施形態における基体キャリア57は、成膜室の上部から出し入れするものであり、下向きの「コ」の字形状をなす。そして、基体キャリア57は2枚の枠体8を有し、枠体8は面状部25が外側を向くように互いに平行に設けられている。すなわち、第一実施形態の基体キャリア7と本実施形態の基体キャリア57とでは、枠体8の取り付け方向が逆である。そして、成膜室内における基体キャリア57とヒータ6との位置関係は、図14に示すようになる。すなわち、2枚の枠体8が1個のヒータ6を挟むように位置することとなり、ガラス基板(基体)20の露出面22が電極(図示せず)に対向する。本実施形態のプラズマCVD装置の作用は、第一実施形態のプラズマCVD装置1の作用と基本的に同じである。
上記した実施形態では、いずれもガラス基板(基体)と電極を垂直方向に配置して対向させているが、垂直方向以外の方向にこれらを配置してもよい。例えば、ガラス基板(基体)と電極を水平方向に配置して対向させてもよい。この場合、電極面を下面、基体露出面を上面としてもよいし、基体露出面を下面、電極面を上面としてもよい。すなわち、本発明の半導体薄膜の製造方法および半導体薄膜製造装置は、基体と電極の配置方向に関わらず、その作用効果を発揮する。
上記した実施形態では、基体キャリアに設けられた枠体1枚につきガラス基板(基体)が1枚装着されていたが、複数のガラス基板が装着される実施形態も可能である。また、上記した実施形態では、成膜室内に設置される基体キャリアの数が1個であったが、複数の基体キャリアが設置できる実施形態も可能である。さらに、上記した実施形態のプラズマCVD装置は1個の成膜室を有するものであったが、複数の成膜室を有する実施形態も可能である。
また、上記した実施形態では電極5をカソード電極、基板支持電極31をアノード電極としたが、逆でも全く同一の効果が得られる。すなわち、段差28や壁48,54が設けられている限り、成膜領域におけるプラズマは均一なものとなる。
また、上記した実施形態では電極5が平行平板電極であったが、電極5はラダー電極であってもよい。
本発明の半導体薄膜の製造方法は、例えば、薄膜太陽電池の製造に使用することができる。すなわち、本発明の半導体薄膜の製造方法によってシリコン系光電変換層を形成させることにより、シリコン系光電変換層を有する薄膜太陽電池を製造することができる。
以下に実施例をもって本発明を具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
図1〜9に示した第一実施形態のプラズマCVD装置を用い、種々の条件で、ガラス基板に半導体薄膜の成膜を行った。すなわち、縦950mm、横980mmのガラス基板20を基体キャリア57の枠体8に装着し、基体支持電極31とした。この基体支持電極31を成膜室に導入し、基体支持電極31を電極5に対向させて配置した。電極間距離(電極5の表面とガラス基板20の露出面22との距離)は9mmとした。なお、電極5と基板支持電極31については、それらの平面度がいずれも0.3mm以内となるように製作および組立てを行った。成膜条件として、電極5と基板支持電極31との平行度を3種類、段差28(枠体8の内周面26と外周面27とで形成される)の高さを5種類に振り、計15種類の条件で成膜を行った。ここで、電極5と基板支持電極31との平行度は、電極間距離の−5%〜+5%、同−10%〜+10%、同−15%〜+15%の3種類とした。また段差28の高さは、段差28の高さの電極間距離に対する比をkとして、k=0(電極間距離の0倍。段差なし。)、k=1/20(電極間距離の1/20倍)、k=1/10(電極間距離の1/10倍)、k=1/5(電極間距離の1/5倍)、及び、k=1/3(電極間距離の1/3倍)の5種類とした。なお、段部30の高さは2mmの固定値とし、かつテーパ状に形成した。これらの条件で半導体薄膜の成膜を行い、成膜された半導体薄膜の膜厚分布(%)を測定した。
結果を第1表に示す。すなわち、電極間の平行度が−5%〜+5%のとき、段差28を設けない場合(k=0)には膜厚分布が「±19%」であったが、段差28を設けた場合(k=1/20、1/10、1/5、1/3)はいずれも膜厚分布が「±10%以下」と良好であった。
また、電極間の平行度を−10%〜+10%とやや悪化させたとき、段差28を設けない場合(k=0)には膜厚分布が「±38%」と急激に悪化した。しかし、段差28を設けた場合でk=1/5とk=1/3のときはいずれも膜厚分布が「±10%以下」と良好な値を保っていた。また、k=1/20とk=1/10のときは、膜厚分布はやや悪化したが、段差28を設けない場合(k=0)に比べてその悪化度は小さかった。
また、電極間の平行度を−15%〜+15%とさらに悪化させたとき、段差28を設けない場合(k=0)には膜厚分布が「±50%以上」とさらに悪化した。しかし、段差28を設けた場合でk=1/3のときは膜厚分布が「±10%以下」と良好な値を保っていた。また、k=1/20、k=1/10、及びk=1/5のときはいずれも膜厚分布がやや悪化したが、段差28を設けない場合(k=0)に比べてその悪化度は小さかった。
以上より、基体キャリア7の枠体8に段差28を設けることにより、ガラス基板20の露出面22に成膜される半導体薄膜の膜厚を均一化することができた。これは、段差28によって発生したプラズマが閉じ込められ、成膜領域においてプラズマが均一化されたことによると考えられた。
Figure 0005028044
本発明の第一実施形態のプラズマCVD装置が備える成膜室の斜視図である。 図1のA−A断面図である。 図1の成膜室に収納される基体キャリアの斜視図である。 図3の基体キャリアの分解斜視図である。 成膜室内における基体キャリアと電極との位置関係を示す一部破断斜視図である。 基体キャリアの内側の状態を示す一部破断斜視図である。 図6のB−B断面斜視図である。 成膜領域におけるプラズマの状態を模式的に表す断面図である。 (a)はプラズマが収縮した場合のプラズマの状態を模式的に示す断面図、(b)はプラズマが外周面上にはみ出た場合のプラズマの状態を模式的に示す断面図である。 参考例のプラズマCVD装置の要部を示す断面図である。 参考例のプラズマCVD装置の要部を示す断面図である。 実施形態のプラズマCVD装置の要部を示す断面図である。 第一実施形態における枠体の一例を示す断面図である。 本発明の第実施形態における基体キャリアの斜視図である。 従来のプラズマCVD装置の構成を模式的に表す縦断面図である。 従来のプラズマCVD装置における基板と支持部材の要部の拡大断面図である。 従来の別のプラズマCVD装置における基板と支持部材の要部の拡大断面図である。 1電極両面放電タイプのプラズマCVD装置の構成を模式的に表す縦断面図である。 従来のプラズマCVD装置におけるプラズマの状態を模式的に示す断面図であり、(a)は理想的な状態、(b)はプラズマの広がり具合が小さい場合の状態、(c)はプラズマの広がり具合が大きい場合の状態、(d)はプラズマが収縮した場合の状態を示す。
1 プラズマCVD装置(半導体薄膜製造装置)
2 製膜室
5 電極
8 枠体(支持部材)
16 開口
20 ガラス基板(基体)
22 露出面(基体露出面)
25 面状部
26 内周面(基体側電極対向面)
27 外周面(端部側電極対向面)
28 段差(壁)
30 段部
42 枠体(支持部材)
46 枠体(支持部材)
47 面状部
52 枠体(支持部材)
53 面状部
54 壁

Claims (6)

  1. 半導体薄膜を成膜すべき基体を支持部材に装着して該基体の一部又は全部を該支持部材から露出させ、電極を備えた成膜室内において基体露出面が電極面に対向するように前記支持部材を配置して、基体が装着された支持部材と電極との間にプラズマ発生空間を形成させ、前記電極に高周波電力を供給して放電を発生させ、基体露出面に半導体薄膜を成膜するプラズマCVD工程を含む半導体薄膜の製造方法であって、前記プラズマ発生空間にプラズマを遮蔽する壁を設けるものであり、前記支持部材は、基体露出面の外縁に位置し且つ前記電極面に対向する面状部を有し、前記面状部に前記壁を設け、前記面状部と前記基体露出面とは段部を形成しており、電極面と面状部との距離は電極面と基体露出面との距離よりも小さく、前記段部の高さが0.5mm以上かつ4.0mm以下であり、前記段部は、面状部から基体露出面に向かって高さが小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする半導体薄膜の製造方法。
  2. 半導体薄膜を成膜すべき基体を支持部材に装着して該基体の一部又は全部を該支持部材から露出させ、電極を備えた成膜室内において基体露出面が電極面に対向するように前記支持部材を配置して、基体が装着された支持部材と電極との間にプラズマ発生空間を形成させ、前記電極に高周波電力を供給して放電を発生させ、基体露出面に半導体薄膜を成膜するプラズマCVD工程を含む半導体薄膜の製造方法であって、前記プラズマ発生空間にプラズマを遮蔽する壁を設けるものであり、前記支持部材は、基体露出面の外縁に位置し且つ前記電極面に対向する面状部を有し、前記面状部に前記壁を設け、前記面状部は、基体露出面に隣接する基体側電極対向面と、該基体側電極対向面の基体露出面側とは反対側に隣接する端部側電極対向面とを有し、該基体側電極対向面と該端部側電極対向面とは、端部側電極対向面と電極面との距離が基体側電極対向面と電極面との距離よりも小さくなる段差を形成しており、前記壁は当該段差により形成されており、前記基体側電極対向面と前記基体露出面とは段部を形成しており、電極面と基体側電極対向面との距離は電極面と基体露出面との距離よりも小さく、前記段部の高さが0.5mm以上かつ4.0mm以下であり、前記段部は、基体側電極対向面から基体露出面に向かって高さが小さくなるテーパ状に形成されていることを特徴とする半導体薄膜の製造方法。
  3. 前記段差の高さは、前記電極面と前記基体露出面との距離の1/20以上かつ1/3以下であることを特徴とする請求項に記載の半導体薄膜の製造方法。
  4. 前記支持部材は開口を有する枠体からなり、前記基体の一部又は全部を該開口から露出させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体薄膜の製造方法。
  5. 前記基体は板体であり、基体露出面は該板体の一方の面の一部又は全部であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の半導体薄膜の製造方法。
  6. 前記支持部材に複数の基体を並べて装着し、各々の基体の一部又は全部を支持部材から露出させ、複数の基体に対して半導体薄膜を成膜することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体薄膜の製造方法。
JP2006203478A 2006-07-26 2006-07-26 半導体薄膜の製造方法 Expired - Fee Related JP5028044B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006203478A JP5028044B2 (ja) 2006-07-26 2006-07-26 半導体薄膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006203478A JP5028044B2 (ja) 2006-07-26 2006-07-26 半導体薄膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008034469A JP2008034469A (ja) 2008-02-14
JP5028044B2 true JP5028044B2 (ja) 2012-09-19

Family

ID=39123609

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006203478A Expired - Fee Related JP5028044B2 (ja) 2006-07-26 2006-07-26 半導体薄膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5028044B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009148087A1 (ja) * 2008-06-06 2009-12-10 株式会社アルバック 薄膜太陽電池製造装置
KR101215089B1 (ko) * 2008-06-06 2012-12-24 가부시키가이샤 아루박 박막 태양전지 제조 장치
CN111690911B (zh) * 2020-06-30 2023-07-25 通威太阳能(金堂)有限公司 承载装置

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05160039A (ja) * 1991-12-02 1993-06-25 Canon Inc 半導体膜形成装置
JPH06120153A (ja) * 1992-10-06 1994-04-28 Canon Inc 成膜装置
JP3723003B2 (ja) * 1998-12-18 2005-12-07 三菱重工業株式会社 真空処理システム
JP2001127048A (ja) * 1999-10-29 2001-05-11 Nihon Ceratec Co Ltd 半導体ウェハ処理用部材
JP4676074B2 (ja) * 2001-02-15 2011-04-27 東京エレクトロン株式会社 フォーカスリング及びプラズマ処理装置
JP3820197B2 (ja) * 2002-08-23 2006-09-13 三菱重工業株式会社 真空処理装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008034469A (ja) 2008-02-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
TWI425109B (zh) 化學氣相沉積裝置
JP3179605U (ja) 基板支持体の加熱及び冷却
JP4646609B2 (ja) プラズマcvd装置
JP5878813B2 (ja) バッチ式処理装置
TWI405261B (zh) 乾蝕刻設備
US20060054090A1 (en) PECVD susceptor support construction
TW200908361A (en) An apparatus for depositing a uniform silicon film and methods for manufacturing the same
JP5517392B2 (ja) 基板支持アセンブリ、プロセスチャンバ及びプロセスチャンバ内の基板の温度を維持するための方法
JP5028044B2 (ja) 半導体薄膜の製造方法
US20130040414A1 (en) Method for manufacturing a thin-film solar cell
KR20130102577A (ko) 기판 가열 장치
US20130004681A1 (en) Mini blocker plate with standoff spacers
KR101046910B1 (ko) 진공처리장치
JP5748858B2 (ja) プラズマ成膜装置およびプラズマ成膜方法
TWI455653B (zh) 用於處理基板之電漿反應器
CN110241382A (zh) 框架一体型掩模的制造方法
JP2013187318A (ja) インライン型プラズマcvd装置
JP2007327097A (ja) プラズマ処理装置
KR101464662B1 (ko) 개선된 보트, 및 이를 구비한 기판 열처리 챔버 및 기판 열처리 장치
KR20200044747A (ko) 마스크의 제조 방법 및 프레임 일체형 마스크의 제조 방법
KR20100094696A (ko) 보트
KR101800915B1 (ko) 평면 디스플레이용 화학 기상 증착 장치
KR20200004115A (ko) 프레임 일체형 마스크의 제조 방법
JPH01232717A (ja) 非晶質シリコン太陽電池の薄膜製造装置
KR101986530B1 (ko) 프레임 일체형 마스크의 제조 방법

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090525

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110608

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110616

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110729

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120321

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120604

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120625

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5028044

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150629

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees