本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰返さない。
[実施の形態1]
図1は、この発明の実施の形態1による薄膜製造装置の構成を示す概略図である。図1を参照して、実施の形態1による薄膜製造装置100は、反応容器10と、サセプター20と、光源30と、ハーフミラー40と、検出器50と、制御装置60と、ガス供給源71〜74と、マスフローコントローラ(MFC:Mass Flow Controller)81〜84と、バルブ91〜94とを備える。
反応容器10は、ガス供給口11と、排気口12と、光学ポート13とを有する。反応容器10は、横型の反応炉からなる。そして、ガス供給口11は、反応容器10の一方端側(紙面上左側)に配置され、排気口12は、反応容器10の他方端側(紙面上右側)に配置され、光学ポート13は、反応容器10の上部に配置される。
サセプター20は、断面形状が直角三角形からなり、反応容器10内に配置される。より具体的には、サセプター20は、光源30から出射された光がサセプター20の斜面20Aに配置された基板90に照射されるように配置される。
光源30は、反応容器10の外側に設けられる。ハーフミラー40は、光源30と光学ポート13との間に設けられる。検出器50は、反応容器10の外側に設けられる。MFC81〜84は、それぞれ、ガス供給源71〜74に対応して設けられる。バルブ91〜94は、それぞれ、MFC81〜84に対応して設けられる。
ガス供給口11は、MFC81〜84の少なくとも1つから供給された原料を反応容器10内に供給する。排気口12は、反応容器10内のガスを反応容器10外へ排気する。光学ポート13は、光源30からの光を基板90へ透過させるとともに、基板90から反射された反射光をハーフミラー40へ透過させる。
サセプター20は、基板90を支持する。光源30は、制御装置60から半導体層の結晶成長の開始を知らせる信号STを受けると、所定の波長を有する光を出射する。ハーフミラー40は、光源30からの光を基板90へ透過するとともに、基板90で反射された反射光を光学ポート13を介して受け、その受けた反射光を検出器50へ導く。
検出器50は、反応容器10内で結晶成長させる半導体層の組成、反応容器10内の温度、反応容器10内の圧力、および半導体層の目標膜厚からなるパラメータを制御装置60から予め受け取って保持している。
また、検出器50は、光源30から所定の波長を有する光が基板90に照射され、基板90で反射されたときの反射光の強度変化と基板90上に結晶成長された半導体層の膜厚との関係(=ファブリペロ振動)を予め計算して保持している。
さらに、検出器50は、原料ガスの反応容器10内への供給が停止された後に反応容器10内で実際に結晶成長される過剰膜厚Δdを保持している。
さらに、検出器50は、制御装置60から信号STを受けると、ハーフミラー40から受けた反射光の強度変化に基づいて、後述する方法によって、基板90に結晶成長された半導体層の膜厚を検出する。そして、検出器50は、反応容器10内で結晶成長される半導体層の目標膜厚から過剰膜厚Δdを減算して制御上の目標膜厚を演算し、検出した半導体層の膜厚が制御上の目標膜厚に到達すると、原料ガスを停止するための停止信号STPを生成して制御装置60へ出力する。
制御装置60は、上述したパラメータを保持しており、その保持したパラメータを検出器50へ転送する。
また、制御装置60は、反応容器10内で半導体層の結晶成長を開始するときMFC81〜84およびバルブ91〜94を制御する。より具体的には、制御装置60は、信号FL1〜FL4を生成してそれぞれMFC81〜84へ出力し、MFC81〜84によって流す原料ガスの流量を制御する。また、制御装置60は、信号SE1〜SE4を生成してそれぞれバルブ91〜94へ出力し、バルブ91〜94を開閉する。この場合、制御装置60は、バルブ91を開けるためのH(論理ハイ)レベルの信号SE1を生成してバルブ91へ出力し、バルブ91を閉じるためのL(論理ロー)レベルの信号SE1を生成してバルブ91へ出力する。制御装置60は、バルブ92〜94を開閉するとき、同様にしてHレベルまたはLレベルの信号SE2〜SE4を生成してそれぞれバルブ92〜94へ出力する。そして、制御装置60は、検出器50から停止信号STPを受けると、Lレベルの信号SE1〜SE4を生成してそれぞれバルブ91〜94へ出力する。
さらに、制御装置60は、反応容器10内で半導体層の結晶成長を開始するとき、信号STを生成して光源30および検出器50へ出力する。
なお、図1においては、図示されていないが、制御装置60は、基板90の温度および反応容器10内の圧力を制御可能になっている。
ガス供給源71は、窒素ガス等のキャリアガスを保持する。ガス供給源72は、トリメチルアルミニウム(TMA)を保持する。ガス供給源73は、トリメチルガリウム(TMG)を保持する。ガス供給源73は、アルシン(AsH3)を保持する。
MFC81は、制御装置60からの信号FL1によって指定された流量を有するキャリアガスをバルブ91を介してガス供給口11へ供給する。MFC82は、制御装置60からの信号FL2によって指定された流量を有するトリメチルアルミニウム(TMA)をバルブ92を介してガス供給口11へ供給する。MFC83は、制御装置60からの信号FL3によって指定された流量を有するトリメチルガリウム(TMG)をバルブ93を介してガス供給口11へ供給する。MFC84は、制御装置60からの信号FL4によって指定された流量を有するアルシン(AsH3)をバルブ94を介してガス供給口11へ供給する。
バルブ91〜94は、それぞれ、制御装置60からのHレベルの信号SE1〜SE4に応じて開き、制御装置60からのLレベルの信号SE1〜SE4に応じて閉じる。
図2は、信号および半導体層の膜厚のタイミングチャートである。図2を参照して、AlAsを目標膜厚だけ結晶成長するときの過剰膜厚Δdについて説明する。タイミングt1でトリガー信号TG1が生成されると、バルブ91,92,94が開かれ、キャリアガス、トリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)が反応容器10内へ供給される。
そして、AlAsの結晶成長がタイミング2で開始され、タイミングt2以降、AlAsの膜厚が結晶成長したい膜厚になるタイミングt3になると、タイミングt3で原料ガスを停止するためのトリガー信号TG2が生成され、バルブ91,92,94が閉じられる。その後、キャリアガス、トリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)の反応容器10内への供給は、タイミングt4で停止される。
そうすると、バルブ91,92,94が閉じられたタイミングt3から、時間Δtが経過するタイミングt4までの間、AlAsが実際に結晶成長する。この時間Δtの間に結晶成長するAlAsの膜厚が過剰膜厚Δdである。そして、この過剰膜厚Δdは、予め実測され、検出器50に保持される。
図3は、ファブリペロ振動の概念図である。図3において、縦軸は、反射光の反射率を表し、横軸は、半導体層の膜厚を表す。図3を参照して、基板90からの反射光の反射率は、基板90上に結晶成長された半導体層の膜厚に対して周期的に変化する。検出器50は、半導体層の膜厚に対して周期的に変化する反射率Rを予め計算して保持している。
検出器50は、ハーフミラー40から反射光を受けると、その受けた反射光の強度を検出する。そして、検出器50は、この反射光の強度の検出を所定のサンプリングタイミングで行ない、反射光の強度の変化を検出する。
そうすると、検出器50は、その検出した反射光の強度の変化と図3に示す周期的に変化する反射率R(=予め計算された反射率)とを比較し、反応容器10内で結晶成長された半導体層の膜厚を検出する。
そして、検出器50は、上述した方法によって検出した半導体層の膜厚が本来の目標膜厚よりも過剰膜厚Δdだけ薄い制御上の目標膜厚に達すると、停止信号STPを生成して制御装置60へ出力する。
図4は、制御上の目標膜厚を決定する方法を説明するための概念図である。図4において、縦軸は、反射光の反射率を表し、横軸は、半導体層の膜厚を表す。また、図4において、白丸は、実測値であり、実線は、計算値である。
図4を参照して、実測値は、所定のサンプリングタイミングで検出される。実測値dn−1は、サンプリングタイミングtn−1で検出され、実測値dnは、サンプリングタイミングtnで検出され、実測値dn+1は、サンプリングタイミングtn+1で検出される。
そして、制御上の目標膜厚が実測値dnと実測値dn+1との間に存在する場合、検出器50は、半導体層の成長速度DをD=(dn−dn−1)/(tn−tn−1)によって演算し、その演算した成長速度Dを用いて、t=tn+(制御上の目標膜厚−dn)/Dを演算することにより、検出した半導体層の膜厚が制御上の目標膜厚に達するタイミングtを検出する。
図5は、図1に示す薄膜製造装置100における薄膜の製造方法を説明するためのフローチャートである。なお、図5においては、目標膜厚が100nmであり、過剰膜厚ΔdAlAsが0.5nmであるAlAsの製造方法を説明する。
図5を参照して、一連の動作が開始されると、AlAsの成長条件(AlAsの組成、目標膜厚、反応容器10内の圧力および反応容器10内の温度等)が作成され、その作成された成長条件および過剰膜厚Δd(=ΔdAlAs)が制御装置60へ入力される(ステップS1)。
その後、制御装置60は、成長条件および過剰膜厚Δdを検出器50へ転送する(ステップS2)。これによって、検出器50は、目標膜厚が100nmであり、過剰膜厚ΔdAlAsが0.5nmであるAlAsを反応容器10内で結晶成長させることを認識し、予め保持しているAlAsの反射率の強度変化とAlAsの膜厚との関係を抽出する。そして、薄膜製造装置100において、成長の準備が完了する(ステップS3)。
成長の準備が完了すると、制御装置60は、Hレベルの信号SE1,SE2,SE4を生成し、その生成した信号SE1,SE2,SE4をそれぞれバルブ91,92,94へ出力する。また、制御装置60は、所定の流量を有するキャリアガスを流すための信号FL1、所定の流量を有するトリメチルアルミニウム(TMA)を流すための信号FL2、および所定の流量を有するアルシン(AsH3)を流すための信号FL4を生成し、その生成した信号FL1,FL2,FL4をそれぞれMFC81,82,84へ出力する。
そして、バルブ91,92,94は、それぞれ、Hレベルの信号SE1,SE2,SE4に応じて開く。また、MFC81は、信号FL1に応じて所定の流量を有するキャリアガスをガス供給口11へ供給し、MFC82は、信号FL2に応じて所定の流量を有するトリメチルアルミニウム(TMA)をガス供給口11へ供給し、MFC84は、信号FL4に応じて所定の流量を有するアルシン(AsH3)をガス供給口11へ供給する。
ガス供給口11から反応容器10内に供給されたトリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)は、所定の温度に昇温された基板90の表面で熱分解され、AlAsが基板90上で成長し始める。これによって、反応容器10内でAlAsの結晶成長が開始される。さらに、制御装置60は、信号SE1,SE2,SE4,FL1,FL2,FL4の出力に伴って信号STを生成して光源30および検出器50へ出力する(ステップS4)。
光源30は、制御装置60からの信号STに応じて所定の波長を有する光を生成して出射する。そして、ハーフミラー40は、光源30からの光をそのまま透過し、光学ポート13を介して基板90に照射するとともに、基板90からの反射光を検出して検出器50へ導く。
検出器50は、ハーフミラー40から反射光を受けると、その受けた反射光の強度を検出し、その検出した反射光の強度に基づいて、上述した方法によって、AlAsの膜厚を検出する(ステップS5)。
また、検出器50は、制御装置60から受けたAlAsの目標膜厚(=100nm)および過剰膜厚ΔdAlAs(=0.5nm)に基づいて、制御上の目標膜厚(=100−0.5=99.5nm)を演算する。
そして、検出器50は、反射光の強度変化に基づいて検出したAlAsの膜厚が制御上の目標膜厚(=99.5nm)に到達すると、停止信号STPを生成して制御装置60へ出力する(ステップS6)。
そうすると、制御装置60は、検出器50からの停止信号STPに応じて、Lレベルの信号SE1,SE2,SE4を生成してそれぞれバルブ91,92,94へ出力し、バルブ91,92,94は、それぞれ、Lレベルの信号SE1,SE2,SE4に応じて閉じる。これによって、キャリアガス、トリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)の反応容器10への供給が停止される(ステップS7)。キャリアガス、トリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)の反応容器10への供給が停止れた後、反応容器10内では、過剰膜厚ΔdAlAs(=0.5nm)を有するAlAsが結晶成長し、目標膜厚(=100nm)を有するAlAsが製造される。これによって、一連の動作は終了する。
上記においては、単層のAlAsを目標膜厚(=100nm)まで結晶成長させる場合について説明したが、実施の形態1においては、これに限らず、薄膜製造装置100は、2層の半導体層を積層させる場合についても適用される。
面発光レーザ素子においては、屈折率が異なる2つの半導体層を交互に積層した分布ブラッグ反射器が用いられるが、薄膜製造装置100は、この分布ブラッグ反射器を製造する場合にも用いられる。
分布ブラッグ反射器は、たとえば、AlAs/GaAsを一対として35周期の[AlAs/GaAs]からなる。この場合、AlAsの目標膜厚は、111nmであり、GaAsの目標膜厚は、95nmである。また、AlAsは、2.909の屈折率を有し、GaAsは、3.414の屈折率を有する。
薄膜製造装置100を用いて35周期の[AlAs/GaAs]を形成する場合、1層のAlAsを形成し、次に、1層のGaAsを形成する。これを35回繰り返すことによって35周期の[AlAs/GaAs]を形成する。
この場合、制御装置60は、AlAsの成長条件(AlAsの組成、目標膜厚、反応容器10内の圧力および反応容器10内の温度等)および過剰膜厚Δd(=ΔdAlAs)と、GaAsの成長条件(GaAsの組成、目標膜厚、反応容器10内の圧力および反応容器10内の温度等)および過剰膜厚Δd(=ΔdGaAs)と、目標周期数(=35周期)とを検出器50へ転送する。
また、検出器50は、1層のAlAsの形成が終了すると停止信号STP1(停止信号STPの一種)を生成して制御装置60へ出力し、1層のGaAsの形成が終了すると停止信号STP2(停止信号STPの一種)を生成して制御装置60へ出力し、周期数が目標周期数に到達すると、停止信号STP3(停止信号STPの一種)を生成して制御装置60へ出力する。
図6は、図1に示す薄膜製造装置100における分布ブラッグ反射器の製造方法を説明するためのフローチャートである。
図6を参照して、一連の動作が開始されると、AlAsの成長条件(AlAsの組成、目標膜厚、反応容器10内の圧力および反応容器10内の温度等)およびGaAsの成長条件(GaAsの組成、目標膜厚、反応容器10内の圧力および反応容器10内の温度等)が作成され、その作成された成長条件、過剰膜厚Δd(=ΔdAlAs),Δd(=ΔdGaAs)および目標周期数(=35周期)が制御装置60へ入力される(ステップS11)。
その後、制御装置60は、AlAsの成長条件、GaAsの成長条件、過剰膜厚Δd(=ΔdAlAs),Δd(=ΔdGaAs)および目標周期数を検出器50へ転送する(ステップS12)。これによって、検出器50は、目標膜厚(=111nm)および過剰膜厚ΔdAlAsを有するAlAsと、目標膜厚(=95nm)および過剰膜厚ΔdGaAsを有するGaAsとを一対として35周期の[AlAs/GaAs]を反応容器10内で結晶成長させることを認識し、予め保持している35周期の[AlAs/GaAs]の反射率の強度変化と35周期の[AlAs/GaAs]の膜厚との関係を抽出する。そして、薄膜製造装置100において、成長の準備が完了する(ステップS13)。
成長の準備が完了すると、制御装置60は、Hレベルの信号SE1,SE2,SE4を生成し、その生成した信号SE1,SE2,SE4をそれぞれバルブ91,92,94へ出力する。また、制御装置60は、所定の流量を有するキャリアガスを流すための信号FL1、所定の流量を有するトリメチルアルミニウム(TMA)を流すための信号FL2、および所定の流量を有するアルシン(AsH3)を流すための信号FL4を生成し、その生成した信号FL1,FL2,FL4をそれぞれMFC81,82,84へ出力する。
そして、バルブ91,92,94は、それぞれ、Hレベルの信号SE1,SE2,SE4に応じて開く。また、MFC81は、信号FL1に応じて所定の流量を有するキャリアガスをガス供給口11へ供給し、MFC82は、信号FL2に応じて所定の流量を有するトリメチルアルミニウム(TMA)をガス供給口11へ供給し、MFC84は、信号FL4に応じて所定の流量を有するアルシン(AsH3)をガス供給口11へ供給する。
ガス供給口11から反応容器10内に供給されたトリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)は、所定の温度に昇温された基板90の表面で熱分解され、AlAsが基板90上で成長し始める。これによって、反応容器10内でAlAsの結晶成長が開始される。さらに、制御装置60は、信号SE1,SE2,SE4,FL1,FL2,FL4の出力に伴って信号ST1(信号STの一種)を生成して光源30および検出器50へ出力する(ステップS14)。
光源30は、制御装置60からの信号ST1に応じて所定の波長を有する光を生成して出射する。そして、ハーフミラー40は、光源30からの光をそのまま透過し、光学ポート13を介して基板90に照射するとともに、基板90からの反射光を検出して検出器50へ導く。
検出器50は、ハーフミラー40から反射光を受けると、その受けた反射光の強度を検出し、その検出した反射光の強度に基づいて、上述した方法によって、AlAsの膜厚を検出する(ステップS15)。
また、検出器50は、制御装置60から受けたAlAsの目標膜厚(=111nm)および過剰膜厚ΔdAlAsに基づいて、制御上の目標膜厚(=111nm−ΔdAlAs)を演算する。
そして、検出器50は、反射光の強度変化に基づいて検出したAlAsの膜厚が制御上の目標膜厚(=111nm−ΔdAlAs)に到達すると、停止信号STP1を生成して制御装置60へ出力する(ステップS16)。
そうすると、制御装置60は、検出器50からの停止信号STP1に応じて、Lレベルの信号SE1,SE2,SE4を生成してそれぞれバルブ91,92,94へ出力し、バルブ91,92,94は、それぞれ、Lレベルの信号SE1,SE2,SE4に応じて閉じる。これによって、キャリアガス、トリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)の反応容器10への供給が停止される(ステップS17)。キャリアガス、トリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)の反応容器10への供給が停止れた後、反応容器10内では、過剰膜厚ΔdAlAsを有するAlAsが結晶成長し、目標膜厚(=111nm)を有する1層のAlAsが製造される。
その後、制御装置60は、Hレベルの信号SE1,SE3,SE4を生成し、その生成したHレベルの信号SE1,SE3,SE4をそれぞれバルブ91,93,94へ出力する。また、制御装置60は、所定の流量を有するキャリアガスを流すための信号FL1、所定の流量を有するトリメチルガリウム(TMG)を流すための信号FL3、および所定の流量を有するアルシン(AsH3)を流すための信号FL4を生成し、その生成した信号FL1,FL3,FL4をそれぞれMFC81,83,84へ出力する。
そして、バルブ91,93,94は、それぞれ、Hレベルの信号SE1,SE3,SE4に応じて開く。また、MFC81は、信号FL1に応じて所定の流量を有するキャリアガスをガス供給口11へ供給し、MFC83は、信号FL3に応じて所定の流量を有するトリメチルガリウム(TMG)をガス供給口11へ供給し、MFC84は、信号FL4に応じて所定の流量を有するアルシン(AsH3)をガス供給口11へ供給する。
ガス供給口11から反応容器10内に供給されたトリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)は、所定の温度に昇温された基板90の表面で熱分解され、GaAsが基板90上で成長し始める。これによって、反応容器10内でGaAsの結晶成長が開始される。さらに、制御装置60は、信号SE1,SE3,SE4,FL1,FL3,FL4の出力に伴って信号ST2(信号STの一種)を生成して光源30および検出器50へ出力する(ステップS18)。
光源30は、制御装置60からの信号ST2に応じて所定の波長を有する光を生成して出射する。そして、ハーフミラー40は、光源30からの光をそのまま透過し、光学ポート13を介して基板90に照射するとともに、基板90からの反射光を検出して検出器50へ導く。
検出器50は、ハーフミラー40から反射光を受けると、その受けた反射光の強度を検出し、その検出した反射光の強度に基づいて、上述した方法によって、GaAsの膜厚を検出する(ステップS19)。
また、検出器50は、制御装置60から受けたGaAsの目標膜厚(=95nm)および過剰膜厚ΔdGaAs)に基づいて、制御上の目標膜厚(=95nm−ΔdGaAs)を演算する。
そして、検出器50は、反射光の強度変化に基づいて検出したGaAsの膜厚が制御上の目標膜厚(=95nm−ΔdAlAs)に到達すると、停止信号STP2を生成して制御装置60へ出力する(ステップS20)。
そうすると、制御装置60は、検出器50からの停止信号STP2に応じて、Lレベルの信号SE1,SE3,SE4を生成してそれぞれバルブ91,93,94へ出力し、バルブ91,93,94は、それぞれ、Lレベルの信号SE1,SE3,SE4に応じて閉じる。これによって、キャリアガス、トリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)の反応容器10への供給が停止される(ステップS21)。キャリアガス、トリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)の反応容器10への供給が停止れた後、反応容器10内では、過剰膜厚ΔdGaAsを有するGaAsが結晶成長し、目標膜厚(=95nm)を有する1層のGaAsが製造される。
その後、検出器50は、周期数が目標周期数(=35周期)に到達したか否かを判定する(ステップS22)。そして、周期数が目標周期数に到達していないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS14へ戻り、ステップS22において、周期数が目標周期数に到達したと判定されるまで、上述したステップS14〜S22が繰り返し実行される。
そして、ステップS22において、周期数が目標周期数に到達したと判定されると、検出器50は、全ての原料ガスを停止するための停止信号STP3(停止信号STPの一種)を生成して制御装置60へ出力する(ステップS23)。
制御装置60は、検出器50からの停止信号STP3に応じて、Lレベルの信号SE1〜SE4を生成してそれぞれバルブ91〜94へ出力する。そして、バルブ91〜94は、それぞれ、Lレベルの信号SE1〜SE4に応じて閉じる。これによって、全ての原料ガスが停止される(ステップS24)。そして、一連の動作は終了する。
このように、薄膜製造装置100は、2つの半導体層を交互に積層して分布ブラッグ反射器を製造する場合にも、分布ブラッグ反射器を構成するAlAsおよびGaAsの膜厚を目標膜厚に設定して分布ブラッグ反射器を製造できる。
1層のAlAsを形成する場合の過剰膜厚ΔdAlAsが0.5nmであっても、分布ブラッグ反射器を形成する場合、35周期の[AlAs/GaAs]を積層するので、分布ブラッグ反射器の全体では大きな誤差になり、1300nm帯の面発光レーザ素子の発振波長では、その誤差が約6.5nmとなってしまう。
このように、面発光レーザ素子においては、このようなわずかな膜厚の誤差が無視できなくない特性の差となって現れ易い。
上述した実施の形態1のように、目標膜厚から過剰膜厚Δdを差し引いた膜厚を制御上の目標膜厚とし、反応容器10内で結晶成長された半導体層の実測膜厚が制御上の目標膜厚に到達すると、原料ガスを停止するようにして各半導体層を結晶成長することによって、誤差の少ない分布ブラッグ反射器等の積層構造を製造できる。
なお、実施の形態1においては、薄膜製造装置100は、3種以上の半導体を積層してもよい。
また、上記においては、化合物半導体層の結晶成長について説明したが、この発明においては、これに限らず、薄膜製造装置100は、シリコン(Si)およびゲルマニウム(Ge)等の単一の元素からなる結晶半導体の製造にも適用され得る。
さらに、上記においては、MOCVD法による半導体層の結晶成長について説明したが、この発明においては、薄膜製造装置100は、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法および蒸着法等の成膜方法にも適用され得る。
さらに、成長する膜も、半導体に限らず、たとえば、誘電体等の膜であってもよい。
[実施の形態2]
図7は、実施の形態2による薄膜製造装置の構成を示す概略図である。図7を参照して、実施の形態2による薄膜製造装置100Aは、図1に示す薄膜製造装置100の検出器50および制御装置60をそれぞれ検出器50Aおよび制御装置60Aに代えたものであり、その他は、薄膜製造装置100と同じである。
検出器50Aは、上述した方法によって、反応容器10内で結晶成長された半導体層の膜厚を検出すると、その検出した膜厚を制御装置60Aへ出力する。また、検出器50Aは、過剰膜厚Δdを補正した補正過剰膜厚Δd_hを制御装置60Aから受けると、その受けた補正過剰膜厚Δd_hに基づいて制御上の目標膜厚を演算し、上述した方法によって検出した半導体層の膜厚が制御上の目標膜厚(補正過剰膜厚Δd_hを用いて演算された制御上の目標膜厚)に到達すると、停止信号STPを生成して制御装置60Aへ出力する。検出器50Aは、その他、検出器50と同じ機能を果たす。
制御装置60Aは、検出器50Aから半導体層の膜厚を受けると、その受けた膜厚に基づいて、半導体層の過剰膜厚Δdを補正し、その補正後の補正過剰膜厚Δd_hを検出器50Aへ出力する。制御装置60Aは、その他、制御装置60と同じ機能を果たす。
このように、実施の形態2による薄膜製造装置100Aは、実際に結晶成長した半導体層の膜厚を用いて過剰膜厚Δdを補正し、その補正した補正過剰膜厚Δd_hを用いて制御上の目標膜厚を決定する構成を有する。
このような構成を採用することにしたのは、次の理由による。一般に、薄膜の成長方法においては、成長条件は、同一でも、毎回の成長速度が完全に一致するとは限らないため、予め測定した過剰膜厚Δdが誤差を含む場合がある。そのため、膜厚制御のための補正用のパラメータである過剰膜厚Δdを結晶成長中に補正することにしたものである。
以下、35周期の[AlAs/GaAs]を結晶成長させる場合を例として過剰膜厚Δdを補正しながら目標膜厚を有する半導体層を結晶成長する場合について説明する。この場合、AlAsの目標膜厚は、111nmであり、GaAsの目標膜厚は、95nmである。
図8は、図7に示す薄膜製造装置100Aにおける分布ブラッグ反射器の製造方法を説明するためのフローチャートである。一連の動作が開始されると、AlAsの成長条件(AlAsの組成、目標膜厚、反応容器10内の圧力および反応容器10内の温度等)およびGaAsの成長条件(GaAsの組成、目標膜厚、反応容器10内の圧力および反応容器10内の温度等)が作成され、その作成された成長条件、過剰膜厚Δd(=ΔdAlAs),Δd(=ΔdGaAs)および目標周期数(=35周期)が制御装置60Aへ入力される(ステップS31)。
その後、制御装置60Aは、AlAsの成長条件、GaAsの成長条件、過剰膜厚Δd(=ΔdAlAs),Δd(=ΔdGaAs)および目標周期数を検出器50Aへ転送する(ステップS32)。これによって、検出器50Aは、目標膜厚(=111nm)および過剰膜厚ΔdAlAsを有するAlAsと、目標膜厚(=95nm)および過剰膜厚ΔdGaAsを有するGaAsとを一対として35周期の[AlAs/GaAs]を反応容器10内で結晶成長させることを認識し、予め保持している35周期の[AlAs/GaAs]の反射率の強度変化と35周期の[AlAs/GaAs]の膜厚との関係を抽出する。そして、薄膜製造装置100Aにおいて、成長の準備が完了する(ステップS33)。
成長の準備が完了すると、制御装置60Aは、Hレベルの信号SE1,SE2,SE4を生成し、その生成した信号SE1,SE2,SE4をそれぞれバルブ91,92,94へ出力する。また、制御装置60Aは、所定の流量を有するキャリアガスを流すための信号FL1、所定の流量を有するトリメチルアルミニウム(TMA)を流すための信号FL2、および所定の流量を有するアルシン(AsH3)を流すための信号FL4を生成し、その生成した信号FL1,FL2,FL4をそれぞれMFC81,82,84へ出力する。
そして、バルブ91,92,94は、それぞれ、Hレベルの信号SE1,SE2,SE4に応じて開く。また、MFC81は、信号FL1に応じて所定の流量を有するキャリアガスをガス供給口11へ供給し、MFC82は、信号FL2に応じて所定の流量を有するトリメチルアルミニウム(TMA)をガス供給口11へ供給し、MFC84は、信号FL4に応じて所定の流量を有するアルシン(AsH3)をガス供給口11へ供給する。
ガス供給口11から反応容器10内に供給されたトリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)は、所定の温度に昇温された基板90の表面で熱分解され、AlAsが基板90上で成長し始める。これによって、反応容器10内でAlAsの結晶成長が開始される。さらに、制御装置60Aは、信号SE1,SE2,SE4,FL1,FL2,FL4の出力に伴って信号ST1(信号STの一種)を生成して光源30および検出器50Aへ出力する(ステップS34)。
光源30は、制御装置60Aからの信号ST1に応じて所定の波長を有する光を生成して出射する。そして、ハーフミラー40は、光源30からの光をそのまま透過し、光学ポート13を介して基板90に照射するとともに、基板90からの反射光を検出して検出器50Aへ導く。
検出器50Aは、ハーフミラー40から反射光を受けると、その受けた反射光の強度を検出し、その検出した反射光の強度に基づいて、上述した方法によって、AlAsの膜厚を検出する(ステップS35)。
また、検出器50Aは、制御装置60Aから受けたAlAsの目標膜厚(=111nm)および過剰膜厚ΔdAlAsに基づいて、制御上の目標膜厚(=111nm−ΔdAlAs)を演算する。この場合に用いられる過剰膜厚ΔdAlAsは、予め実測された膜厚である。
そして、検出器50Aは、反射光の強度変化に基づいて検出したAlAsの膜厚が制御上の目標膜厚(=111nm−ΔdAlAs)に到達すると、停止信号STP1を生成して制御装置60Aへ出力する(ステップS36)。
そうすると、制御装置60Aは、検出器50Aからの停止信号STP1に応じて、Lレベルの信号SE1,SE2,SE4を生成してそれぞれバルブ91,92,94へ出力し、バルブ91,92,94は、それぞれ、Lレベルの信号SE1,SE2,SE4に応じて閉じる。これによって、キャリアガス、トリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)の反応容器10への供給が停止される(ステップS37)。
その後、検出器50Aは、上述した方法によって、AlAsの膜厚d1を検出し、その検出した膜厚d1を保持する。
そして、検出器50Aは、結晶成長を中断するか否かを判定する(ステップS38)。ステップS38において、結晶成長を中断しないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS34へ戻り、上述したステップS34〜ステップS38が繰り返し実行される。
そして、AlAsの結晶成長が終了した後に、ステップS34〜ステップS38が実行される場合、ステップS34〜ステップS36において、GaAsの結晶成長が行なわれ、GaAsの結晶成長が終了した後に、ステップS34〜ステップS38が実行される場合、ステップS34〜ステップS36において、AlAsの結晶成長が行なわれる。
AlAsの結晶成長が終了した後に、ステップS34〜ステップS38が実行される場合の詳細な動作について説明する。
ステップS38の“NO”の後、制御装置60Aは、Hレベルの信号SE1,SE3,SE4を生成し、その生成したHレベルの信号SE1,SE3,SE4をそれぞれバルブ91,93,94へ出力する。また、制御装置60Aは、所定の流量を有するキャリアガスを流すための信号FL1、所定の流量を有するトリメチルガリウム(TMG)を流すための信号FL3、および所定の流量を有するアルシン(AsH3)を流すための信号FL4を生成し、その生成した信号FL1,FL3,FL4をそれぞれMFC81,83,84へ出力する。
そして、バルブ91,93,94は、それぞれ、Hレベルの信号SE1,SE3,SE4に応じて開く。また、MFC81は、信号FL1に応じて所定の流量を有するキャリアガスをガス供給口11へ供給し、MFC83は、信号FL3に応じて所定の流量を有するトリメチルガリウム(TMG)をガス供給口11へ供給し、MFC84は、信号FL4に応じて所定の流量を有するアルシン(AsH3)をガス供給口11へ供給する。
ガス供給口11から反応容器10内に供給されたトリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)は、所定の温度に昇温された基板90の表面で熱分解され、GaAsが基板90上で成長し始める。これによって、反応容器10内でGaAsの結晶成長が開始される。さらに、制御装置60Aは、信号SE1,SE3,SE4,FL1,FL3,FL4の出力に伴って信号ST2(信号STの一種)を生成して光源30および検出器50Aへ出力する(ステップS34)。
光源30は、制御装置60Aからの信号ST2に応じて所定の波長を有する光を生成して出射する。そして、ハーフミラー40は、光源30からの光をそのまま透過し、光学ポート13を介して基板90に照射するとともに、基板90からの反射光を検出して検出器50Aへ導く。
検出器50Aは、ハーフミラー40から反射光を受けると、その受けた反射光の強度を検出し、その検出した反射光の強度に基づいて、上述した方法によって、GaAsの膜厚を検出する(ステップS35)。
また、検出器50Aは、制御装置60Aから受けたGaAsの目標膜厚(=95nm)および過剰膜厚ΔdGaAsに基づいて、制御上の目標膜厚(=95nm−ΔdGaAs)を演算する。この場合に用いられる過剰膜厚ΔdGaAsも、予め実測された膜厚である。
そして、検出器50Aは、反射光の強度変化に基づいて検出したGaAsの膜厚が制御上の目標膜厚(=95nm−ΔdAlAs)に到達すると、停止信号STP2を生成して制御装置60Aへ出力する(ステップS36)。
そうすると、制御装置60Aは、検出器50Aからの停止信号STP2に応じて、Lレベルの信号SE1,SE3,SE4を生成してそれぞれバルブ91,93,94へ出力し、バルブ91,93,94は、それぞれ、Lレベルの信号SE1,SE3,SE4に応じて閉じる。これによって、キャリアガス、トリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)の反応容器10への供給が停止される(ステップS37)。
その後、検出器50Aは、上述した方法によって、GaAsの膜厚d2を検出し、その検出した膜厚d2を保持する。
一方、ステップS38において、結晶成長を中断すると判定された場合、制御装置60Aは、Lレベルの信号SE1〜SE4を生成してそれぞれバルブ91〜94へ出力し、全ての原料ガスを停止する。そして、検出器50Aは、前回の結晶成長の中断から今回の結晶成長の中断までの間に成長した各層(AlAs層およびGaAs層の各々)の膜厚、組成および成長温度を解析する。そして、検出器50Aは、その解析した各層(AlAs層およびGaAs層の各々)の膜厚、組成および成長温度からなるデータを制御装置60Aへ転送する(ステップS39)。なお、検出器50Aは、1層のAlAsの結晶成長が終了する毎にAlAsの膜厚d1を検出して保持し、1層のGaAsの結晶成長が終了する毎にGaAsの膜厚d2を検出して保持しているので、前回の結晶成長の中断から今回の結晶成長の中断までの間に成長した各層(AlAs層およびGaAs層の各々)の膜厚を容易に解析できる。
その後、制御装置60Aは、検出器50Aから受けたデータ(=各層(AlAs層およびGaAs層の各々)の膜厚、組成および成長温度)に基づいて、各層の膜厚の目標膜厚からのずれ量を計算する(ステップS40)。より具体的には、検出器50Aは、1層のAlAsの結晶成長後に実測したAlAsの膜厚d1が111.5nmであるとき、AlAsの膜厚の目標膜厚からのずれ量を111−111.5=−0.5nmと計算する。また、検出器50Aは、1層のGaAsの結晶成長後に実測したGaAsの膜厚d2が95.6nmであるとき、GaAsの膜厚の目標膜厚からのずれ量を95−95.6=−0.6nmと計算する。
そして、制御装置60Aは、膜厚のずれ量を計算すると、過剰膜厚Δdの補正を行なうか否かを判定する(ステップS41)。この場合、制御装置60Aは、各層の膜厚が目標膜厚からずれている場合、過剰膜厚Δdの補正を行なうと判定し、各層の膜厚が目標膜厚に略一致している場合、過剰膜厚Δdの補正を行なわないと判定する。
ステップS41において、過剰膜厚Δdの補正を行なわないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS34へ戻る。
一方、ステップS41において、過剰膜厚Δdの補正を行なうと判定されたとき、制御装置60Aは、制御上の目標膜厚を再度計算する。より具体的には、制御装置60Aは、AlAsの膜厚の目標膜厚からのずれ量が−0.5nmであったので、現在の制御上の目標膜厚(=111−ΔdAlAs)にずれ量(=−0.5nm)を加算して、新しい制御上の目標膜厚(=111−ΔdAlAs−0.5nm)を計算する。また、制御装置60Aは、GaAsの膜厚の目標膜厚からのずれ量が−0.6nmであったので、現在の制御上の目標膜厚(=95−ΔdGaAs)にずれ量(=−0.6nm)を加算して、新しい制御上の目標膜厚(=95−ΔdGaAs−0.6nm)を計算する。
なお、新しい制御上の目標膜厚(=111−ΔdAlAs−0.5nm)を計算することは、AlAsの過剰膜厚ΔdAlAsをΔdAlAsからΔdAlAs+0.5nmに補正することに相当し、新しい制御上の目標膜厚(=95−ΔdGaAs−0.6nm)を計算することは、GaAsの過剰膜厚ΔdGaAsをΔdGaAsからΔdGaAs+0.6nmに補正することに相当する。
そして、制御装置60Aは、新しい制御上の目標膜厚を計算すると、その計算した制御上の目標膜厚を検出器50Aへ転送する(ステップS42)。
その後、検出器50Aは、新しい制御上の目標膜厚を制御装置60Aから受けると、周期数が目標周期数(=35周期)に到達したか否かを判定する(ステップS43)。そして、周期数が目標周期数に到達していないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS34へ戻り、ステップS43において、周期数が目標周期数に到達したと判定されるまで、上述したステップS34〜S43が繰り返し実行される。
そして、ステップS43において、周期数が目標周期数に到達したと判定されると、検出器50Aは、全ての原料ガスを停止するための停止信号STP3(停止信号STPの一種)を生成して制御装置60Aへ出力し、制御装置60Aは、検出器50Aからの停止信号STP3に応じて、Lレベルの信号SE1〜SE4を生成してそれぞれバルブ91〜94へ出力する。そして、バルブ91〜94は、それぞれ、Lレベルの信号SE1〜SE4に応じて閉じる。これによって、全ての原料ガスが停止される(ステップS44)。そして、一連の動作は終了する。
なお、一連の動作がステップS42を経由してステップS34へ戻った場合、ステップS34〜ステップS37においては、補正後の制御上の目標膜厚(=補正後の過剰膜厚)を用いて、AlAsまたはGaAsが目標膜厚を有するようにAlAsまたはGaAsの結晶成長が行なわれる。
また、ステップS38において、結晶成長を中断するとの判定は、任意のタイミングで行なわれる。たとえば、結晶成長を中断するとの判定は、1層のAlAsまたは1層のGaAsの結晶成長が終了したとき、またはAlAs/GaAsの対が数周期積層されたときである。
1層のAlAsまたは1層のGaAsの結晶成長が終了したときに結晶成長が中断された場合、制御上の目標膜厚の補正(過剰膜厚Δdの補正)は、1層のAlAsまたは1層のGaAsの結晶成長が終了するごとに行なわれることになる。
また、AlAs/GaAsの対が数周期積層されたときに結晶成長が中断された場合、制御上の目標膜厚の補正(過剰膜厚Δdの補正)は、数周期の[AlAs/GaAs]が積層されるごとに行なわれることになる。この場合、各層の膜厚の目標膜厚からのずれ量は、数層分の膜厚の平均値を計算し、その計算した平均値と目標膜厚とを用いて求めるようにしてもよい。
上述したように、実施の形態2においては、実測した半導体層の膜厚に基づいて過剰膜厚を補正し、その補正後の補正過剰膜厚を用いて各層が目標膜厚を有するように結晶成長を行なうので、目標膜厚からのすれ量をさらに小さくして半導体層を結晶成長できる。
なお、上記においては、2層の半導体層を結晶成長させる場合について説明したが、実施の形態2においては、これに限らず、この発明は、1層の半導体層および3層の半導体層を結晶成長させる場合にも適用される。
その他は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態3]
図9は、実施の形態3による薄膜製造装置の構成を示す概略図である。図9を参照して、実施の形態3による薄膜製造装置100Bは、図7に示す薄膜製造装置100Aの制御装置60Aを制御装置60Bに代えたものであり、その他は、薄膜製造装置100Aと同じである。
制御装置60Bは、検出器50Aが検出した半導体層の膜厚を用いて、反応容器10内で結晶成長された半導体層の反射帯域を演算する。そして、制御装置60Bは、その演算した反射帯域の中心値が本来の目標値になるように制御上の目標膜厚の補正(=過剰膜厚Δdの補正)を行なう。制御装置60Bは、その他、制御装置60Aと同じ機能を果たす。
このように、実施の形態3による薄膜製造装置100Bは、実際に結晶成長した半導体層の反射帯域の中心値が本来の目標値になるように過剰膜厚Δdを補正し、その補正した補正過剰膜厚Δd_hを用いて制御上の目標膜厚を決定する構成を有する。
このような構成を採用することにしたのは、次の理由による。分布ブラッグ反射器を構成するAlAs/GaAsの一層当たりの膜厚は、数十nm程度と薄いため、検出器50AによってリアルタイムにAlAsまたはGaAsの膜厚を検出しようとした場合、サンプリング回数が少なくなりやすく、膜厚を正確に検出することが困難である場合もある。そのため、実測した膜厚に基づいて過剰膜厚Δdを補正しながらAlAsまたはGaAsを結晶成長したとしても、各層の成長後の膜厚が目標膜厚に完全に一致しない可能性がある。そこで、実際に結晶成長した半導体層の反射帯域の中心値が本来の目標値になるように過剰膜厚Δdを補正し、その補正した補正過剰膜厚Δd_hを用いて制御上の目標膜厚を決定する構成を採用することにしたものである。
以下、35周期の[AlAs/GaAs]を結晶成長させる場合を例として過剰膜厚Δdを補正しながら目標膜厚を有する半導体層を結晶成長する場合について説明する。この場合、AlAsの目標膜厚は、111.7nmであり、GaAsの目標膜厚は、95.2nmである。そして、この35周期の[AlAs/GaAs]の反射帯域の中心波長は、1300nmである。
図10は、反射率スペクトルを示す図である。図10において、縦軸は、反射率を表し、横軸は、波長を表す。また、曲線k1は、反射帯域の中心波長が1290nmである場合の反射率スペクトルを示し、曲線k2は、反射帯域の中心波長が1300nmである場合の反射率スペクトルを示す。
制御装置60Bは、たとえば、15周期の[AlAs/GaAs]が反応容器10内で結晶成長されたときのAlAs(またはGaAs)の膜厚に基づいて、反射率スペクトルを計算する。その結果、計算した反射率スペクトルが曲線k1で示される反射率スペクトルになったとする。
反射帯域の中心波長は、反射率が最も高いときの波長であり、[AlAs/GaAs]の積層構造からなる分布ブラッグ反射器において、反射率が最も高くなるときの1層当たりのAlAsまたはGaAsの膜厚dは、λMAX=4ndとなる。なお、nは、AlAsまたはGaAsの屈折率である。
制御装置60Bは、計算した反射率スペクトルにおいて、反射率が最も高くなるときの波長が本来の波長(=1300nm)からずれている場合、λMAX=4ndを用いて、反射率が最も高くなるときの波長が本来の波長(=1300nm)になるときのAlAsまたはGaAsの膜厚dを計算する。
そして、制御装置60Bは、その計算した膜厚dを有するAlAsまたはGaAsが結晶成長されるように過剰膜厚Δdを補正する。すなわち、制御装置60Bは、35周期の[AlAs/GaAs]の反射帯域の中心波長が本来の中心波長(=1300nm)になるように過剰膜厚Δdを補正する。
図11は、図9に示す薄膜製造装置100Bにおける分布ブラッグ反射器の製造方法を説明するためのフローチャートである。図11に示すフローチャートは、図8に示すフローチャートのステップS41とステップS42との間にステップS41A,S42Aを挿入したものであり、その他は、図8に示すフローチャートと同じである。
なお、図11に示すフローチャートが実行される場合、15周期の[AlAs/GaAs]が積層されると、ステップS38において結晶成長を中止すると判定される。
図11を参照して、ステップS41において、過剰膜厚Δdの補正を行なうと判定されたとき、制御装置60Bは、分布ブラッグ反射器(DBR)の反射率を補償するための残りの分布ブラッグ反射器(DBR)を形成するためのAlAsおよびGaAsの膜厚を計算する(ステップS41A)。
すなわち、ステップS38においては、15周期の[AlAs/GaAs]が積層されたときに結晶成長が中断されているので、制御装置60Bは、残りの20周期分の[AlAs/GaAs]を積層するときのAlAsおよびGaAsの膜厚を計算する。
15周期の[AlAs/GaAs]が積層されたときのAlAsの15周期分の平均膜厚は、110.8nmであり、GaAsの15周期分の平均膜厚は、94.4nmであったとする。
制御装置60Bは、ステップS39において検出器50Aから受けたデータ(各層(AlAs層およびGaAs層の各々)の膜厚、組成および成長温度)に含まれるAlAsおよびGaAsの15周期分の膜厚を検出して、AlAsの15周期分の平均膜厚(=110.8nm)と、GaAsの15周期分の平均膜厚(=94.4nm)とを演算する。
そして、制御装置60Bは、その演算したAlAsの平均膜厚(=110.8nm)と、GaAsの平均膜厚(=94.4nm)とを用いて反射率スペクトル(図10の曲線k1参照)を計算し、分布ブラッグ反射器(DBR)の反射帯域の中心波長が1290nmであることを検出する。
この1290nmの中心波長は、本来の中心波長である1300nmとずれているので、制御装置60Bは、残りの20周期分の[AlAs/GaAs]を積層し、35周期の[AlAs/GaAs]を形成した場合の分布ブラッグ反射器(DBR)の反射帯域の中心波長が1300nmになるようにAlAsおよびGaAsの各層の膜厚を計算する。
より具体的には、既に結晶成長した15周期の膜厚に対して残り20周期のAlAsおよびGaAsの膜厚(光学長)をパラメータにして35周期の[AlAs/GaAs]を結晶成長したときの反射率スペクトルを計算する。材料、組成および膜厚が決まれば、この反射率スペクトルを一意に計算可能である。そして、計算した反射率スペクトルに基づいて中心波長を求め、その求めた中心波長が1300nmからずれていれば、そのずれ方向に応じて、AlAsおよびGaAsの膜厚(光学長)をそれぞれがある特定波長において同じλ/4の光学長を保つように、少しづつずらせ、中心波長が1300nmになるようにAlAsおよびGaAsの膜厚を決定する。つまり、中心波長が1300nmよりも短い波長にずれていれば、AlAsおよびGaAsの膜厚を厚くしていき、中心波長が1300nmよりも長い波長にずれていれば、AlAsおよびGaAsの膜厚を薄くしていき、中心波長が1300nmになるようにAlAsおよびGaAsの膜厚を決定する。
このような方法によって求めたAlAsの膜厚x1(=残りの20周期分の[AlAs/GaAs]を積層するときのAlAsの膜厚)は、112.3nmであり、GaAsの膜厚x2(=残りの20周期分の[AlAs/GaAs]を積層するときのGaAsの膜厚)は、95.8nmである。
このようにして、制御装置60Bは、分布ブラッグ反射器(DBR)の反射率を補償するための残りの分布ブラッグ反射器(DBR)を形成するためのAlAsおよびGaAsの膜厚を計算する(ステップS41A)。
その後、制御装置60Bは、制御上の目標膜厚を変更するか否かを判定する(ステップS42A)。この場合、制御装置60Bは、AlAsおよびGaAsの15周期分の平均膜厚を用いて計算した反射率スペクトルの反射帯域の中心波長が本来の中心波長(=1300nm)からずれていれば、制御上の目標膜厚を変更すると判定し、AlAsおよびGaAsの15周期分の平均膜厚を用いて計算した反射率スペクトルの反射帯域の中心波長が本来の中心波長(=1300nm)に略一致していれば、制御上の目標膜厚を変更しないと判定する。
ステップS42Aにおいて、制御上の目標膜厚を変更しないと判定されたとき、一連の動作は、ステップS34へ戻る。
一方、ステップS42Aにおいて、制御上の目標膜厚を変更すると判定されたとき、一連の動作は、上述したステップS42へ移行する。
この場合、ステップS42において、制御装置60Bは、ステップS41Aにおいて計算したAlAsの膜厚(=112.3nm)およびGaAsの膜厚(=95.8nm)を用いて、AlAsの新たな制御上の目標膜厚を112.3nm−ΔdAlAsと計算し、GaAsの新たな制御上の目標膜厚を95.8nm−ΔdGaAsと計算する。
したがって、一連の動作がステップS42を経由してステップS34へ戻った場合、新たな制御上の目標膜厚を用いてAlAsまたはGaAsの結晶成長が行なわれる。
なお、AlAsの新たな制御上の目標膜厚を112.3nm−ΔdAlAsと計算することは、AlAsの過剰膜厚ΔdAlAsをΔdAlAsからΔdAlAs−1.5nmに補正することに相当し、GaAsの新たな制御上の目標膜厚を95.8nm−ΔdGaAsと計算することは、GaAsの過剰膜厚ΔdGaAsをΔdGaAsからΔdGaAs−0.8nmに補正することに相当する。
上述したように、実施の形態3によれば、薄膜製造装置100Bは、実際に結晶成長した半導体層の反射帯域の中心値が本来の目標値になるように過剰膜厚Δdを補正し、その補正した補正過剰膜厚Δd_hを用いて制御上の目標膜厚を決定するので、実測した1層当たりの膜厚を用いて過剰膜厚Δdを補正する場合よりも、誤差を少なくして過剰膜厚Δdを補正でき、最終的に所望の特性を有する積層構造体(分布ブラッグ反射器)を製造できる。
なお、上記においては、15周期分の[AlAs/GaAs]を積層した時点で結晶成長を中断すると説明したが、この発明においては、これに限らず、これ以外の周期数分の[AlAs/GaAs]を積層した時点で結晶成長を中断するようにしてもよい。
また、実施の形態3においては、薄膜製造装置100Bは、3種以上の半導体層を積層する場合に、上述した方法によって3種以上の半導体層を積層してもよく、1種の半導体層を結晶成長する場合に、上述した方法によって1種の半導体層を結晶成長してもよい。
[実施の形態4]
図12は、実施の形態4による薄膜製造装置の構成を示す概略図である。図12を参照して、実施の形態4による薄膜製造装置100Cは、図9に示す薄膜製造装置100Bの光源30を光源30Aに代え、検出器50Aを検出器50Bに代え、制御装置60Bを制御装置60Cに代えたものであり、その他は、薄膜製造装置100Bと同じである。
光源30Aは、検出器50Bからの中断信号BRKに応じて、所定の波長範囲において波長を順次変えた光を出射する。
検出器50Bは、反応容器10内における結晶成長時間が結晶成長を中断する時間に到達すると、中断信号BRKを生成して光源30Aおよび制御装置60Cへ出力する。また、検出器50Bは、光源30Aから出射され、基板90によって反射された反射光をハーフミラー40から受け、その受けた反射光の強度を検出して反応容器10内で結晶成長された半導体層の反射率スペクトルを検出する。そして、検出器50Bは、その検出した反射率スペクトルを制御装置60Cへ出力する。
検出器50Bは、その他、検出器50Aと同じ機能を果たす。
制御装置60Cは、検出器50Bから受けた反射率スペクトルに基づいて、反応容器10内で結晶成長された半導体層の膜厚を計算する。この場合、制御装置60Cは、半導体層の膜厚をパラメータとして用いて計算した反射率スペクトルと、検出器50Bによって実測された反射率スペクトルとの誤差が最小二乗法で最小となるように半導体層の膜厚を演算する。そして、制御装置60Cは、その演算した半導体層の膜厚を用いて反射帯域の中心波長を演算し、その演算した中心波長が本来の中心波長からずれている場合、実施の形態3と同じ方法によって、中断後の結晶成長における制御上の目標膜厚を決定する。
さらに、制御装置60Cは、中断信号BRKに応じて、Lレベルの信号SE1〜SE4を生成してそれぞれバルブ91〜94へ出力し、全ての原料ガスを停止する。
制御装置60Cは、その他、制御装置60Bと同じ機能を果たす。
実施の形態3においては、反応容器10内で結晶成長された[AlAs/GaAs]の膜厚が15周期分の[AlAs/GaAs]の膜厚に到達すると、結晶成長を中断したが、この実施の形態4においては、反応容器10内における[AlAs/GaAs]の結晶成長時間が15周期分の[AlAs/GaAs]が結晶成長する時間に到達すると、結晶成長を中断する。
したがって、検出器50Bは、AlAsの成長速度およびGaAsの成長速度に基づいて、15周期分の[AlAs/GaAs]の結晶成長時間を計算する。そして、検出器50Bは、タイマーを内蔵しており、結晶成長の開始とともに、時間を計測し、その計測した時間が計算した結晶成長時間に達すると、中断信号BRKを生成して制御装置60Cへ出力する。
このように、15周期分の[AlAs/GaAs]が結晶成長する時間に達すると、結晶成長を中断するのは、次の理由による。
反応容器10内で結晶成長された半導体層の膜厚を検出して膜厚を制御すると、反応容器10内で結晶成長される半導体層の膜厚が非常に薄い層を間に含んでいる場合、全ての層の膜厚を正確に検出できず、実測した膜厚に基づく膜厚の制御を行なうことが困難な場合もある。そこで、15周期分の[AlAs/GaAs]の結晶成長時間を予め求め、反応容器10内における結晶成長時間が15周期分の[AlAs/GaAs]の結晶成長時間に到達すると、結晶成長を中断することにしたものである。
図13は、図12に示す薄膜製造装置100Cにおける分布ブラッグ反射器の製造方法を説明するためのフローチャートである。図13に示すフローチャートは、図11に示すフローチャートのステップS35をステップS35Aに代え、ステップS36をステップS36Aに代え、ステップS41AをステップS41Bに代えたものであり、その他は、図11に示すフローチャートと同じである。
図13を参照して、上述したステップS34の後、検出器50Bは、反応容器10内における結晶成長時間が15周期分の[AlAs/GaAs]の結晶成長時間に到達したことを検出する(ステップS35A)。そして、検出器50Bは、中断信号BRKを生成して光源30Aおよび制御装置60Cへ出力する。
制御装置60Cは、中断信号BRKに応じて、Lレベルの信号SE1〜SE4を生成してそれぞれバルブ91〜94へ出力し、原料ガスを停止する。これによって、反応容器10内における結晶成長が中断される。
一方、光源30Aは、中断信号BRKに応じて、1000nm〜1600nmの範囲で波長が連続的に変化する光をハーフミラー40を介して基板90に照射する。そして、検出器50Bは、基板90によって反射された反射光の強度を検出して15周期分の[AlAs/GaAs]の反射率スペクトルを検出する。これによって、光学モニター計測が行なわれる(ステップS36A)。そして、検出器50Bは、その検出した反射率スペクトルを制御装置60Cへ出力する。
その後、上述したステップS37〜ステップS41が順次実行され、ステップS41において、過剰膜厚Δdの補正を行なうと判定されると、制御装置60Cは、検出器50Bから受けた15周期分の[AlAs/GaAs]の反射率スペクトルに基づいて、AlAsの膜厚およびGaAsの膜厚をパラメータとして計算した15周期分の[AlAs/GaAs]の反射率スペクトルと、検出器50Bによって検出された15周期分の[AlAs/GaAs]の反射率スペクトルとの誤差が最小二乗法で最小となるように、15周期分のAlAsの膜厚の平均値(=110.8nm)および15周期分のAlAsの膜厚の平均値(=94.4nm)を求める。
そして、制御装置60Cは、その演算したAlAsの平均膜厚(=110.8nm)と、GaAsの平均膜厚(=94.4nm)とを用いて15周期分の[AlAs/GaAs]の反射帯域の中心波長λMAXをλMAX=4ndによって計算し、15周期分の[AlAs/GaAs]の反射帯域の中心波長が1290nmであることを検出する。すなわち、制御装置60Cは、n=2.909およびd=110.8nmまたはn=3.414およびd=94.4nmをλMAX=4ndに代入してλMAX=1290nmを求める。
この1290nmの中心波長は、本来の中心波長である1300nmとずれているので、制御装置60Cは、残りの20周期分の[AlAs/GaAs]を積層するときのAlAsおよびGaAsの膜厚を実施の形態3における方法と同じ方法によって演算する。
このようにして、制御装置60Cは、分布ブラッグ反射器(DBR)の反射率を補償するための残りの分布ブラッグ反射器(DBR)を形成するためのAlAsおよびGaAsの膜厚を計算する(ステップS41B)。
その後、上述したステップS42A,S42〜S44が順次実行される。
このように、実施の形態4によれば、薄膜製造装置100Cは、反応容器10内における結晶成長時間によって結晶成長を中断し、その中断した時点において実測した反射率スペクトルに基づいて、残りの半導体層を結晶成長するときの制御上の目標膜厚を決定するので、反応容器10内において結晶成長された半導体層が膜厚の検出が困難である半導体層を含む場合でも、目標膜厚を有する半導体層を製造できる。
なお、上記においては、35周期の[AlAs/GaAs]を積層する場合において、15周期の[AlAs/GaAs]が積層された時点で結晶成長を1回中断して制御上の目標膜厚の補正(=過剰膜厚Δdの補正)を行なったが、この発明においては、これに限らず、35周期の[AlAs/GaAs]を積層する場合において、結晶成長を2回以上中断して制御上の目標膜厚の補正(=過剰膜厚Δdの補正)を行なうようにしてもよい。
その他は、実施の形態1,3と同じである。
[実施の形態5]
図14は、実施の形態5による薄膜製造装置の構成を示す概略図である。図14を参照して、実施の形態5による薄膜製造装置100Dは、図1に示す薄膜製造装置100の検出器50を検出器50Cに代え、制御装置60を制御装置60Dに代え、ガス供給源75,76、MFC85,86およびバルブ95,96を追加したものであり、その他は、薄膜製造装置100と同じである。
ガス供給源75は、トリメチルインジウム(TMI)を保持する。ガス供給源76は、ジメチルヒドラジン(DMHy)を保持する。MFC85は、ガス供給75に対応して設けられ、MFC86は、ガス供給源76に対応して設けられる。バルブ95は、MFC85に対応して設けられ、バルブ96は、MFC86に対応して設けられる。
検出器50Cは、制御装置60Dから受けた半導体層の膜厚および組成に基づいて、所望の膜厚を有する半導体層が反応容器10内で結晶成長されたときのファブリペロ振動の位相変化を計算し、その計算した位相変化を目標位相変化として保持する。
また、検出器50Cは、反応容器10内で半導体層の結晶成長が開始されると、基板90からの反射光をハーフミラー40を介して受け、その受けた反射光の強度を検出して図3に示すようなファブリペロ振動を検出する。そして、検出器50Cは、ファブリペロ振動の検出を開始した以降のファブリペロ振動の位相変化を順次検出し、その検出した位相変化が目標位相変化に達すると、停止信号STP3を生成して制御装置60Dへ出力する。検出器50Cは、その他、検出器50と同じ機能を果たす。
制御装置60Dは、信号FL5,FL6を生成してそれぞれMFC85,86へ出力する。また、制御装置60Dは、HレベルまたはLレベルからなる信号SE5,SE6を生成してそれぞれバルブ95,96へ出力する。
MFC85は、制御装置60Dから信号FL5を受けると、その受けた信号FL5によって指定された流量からなるトリメチルインジウム(TMI)をバルブ95を介してガス供給口11へ供給する。MFC86は、制御装置60Dから信号FL6を受けると、その受けた信号FL6によって指定された流量からなるジメチルヒドラジン(DMHy)をバルブ96を介してガス供給口11へ供給する。
バルブ95は、制御装置60DからのLレベルの信号SE5に応じて閉じ、Hレベルの信号SE5に応じて開く。バルブ96は、制御装置60DからのLレベルの信号SE6に応じて閉じ、Hレベルの信号SE6に応じて開く。
図15は、図14に示す薄膜製造装置100Dにおいて製造される共振器の構成を示す概略図である。図15を参照して、面発光レーザ素子150は、分布ブラッグ反射器102,106と、共振器スペーサー層103,105と、活性層104とを備える。
共振器スペーサー層103,105は、活性層104の両側に活性層104に接して形成される。分布ブラッグ反射器102は、共振器スペーサー層103に接して形成され、分布ブラッグ反射器102は、共振器スペーサー層105に接して形成される。
分布ブラッグ反射器102は、n−Al0.9Ga0.1As/GaAsを一対したとき、35周期の[n−Al0.9Ga0.1As/GaAs]からなる。共振器スペーサー層103,105の各々は、GaAsからなる。活性層104は、GaInNAsからなる井戸層1041と、GaAsからなる障壁層1042とを含む。井戸層1041の膜厚は、8nmであり、障壁層1042の膜厚は、18nmである。そして、活性層104は、3層の井戸層1041と、3層の障壁層1042とを交互に積層した量子井戸構造からなる。分布ブラッグ反射器106は、p−Al0.9Ga0.1As/GaAsを一対したとき、24周期の[p−Al0.9Ga0.1As/GaAs]からなる。
面発光レーザ素子150においては、共振器スペーサー層103,105および活性層104は、共振器130を構成する。そして、共振器130は、面発光レーザ素子150の発振波長λの1波長(λ)分の膜厚を有する。
薄膜製造装置100Dは、共振器130を製造する。この場合、共振器スペーサー103,105は、検出器50Cによって検出可能な膜厚を有し、活性層104を構成する井戸層1041および障壁層1042の各々は、検出器50Cによる検出限界よりも薄い膜厚を有する。
そこで、実施の形態5においては、共振器スペーサー層103,105を結晶成長する場合、実施の形態1と同じように、検出器50Cは、結晶成長された共振器スペーサー層103,105の膜厚を上述した方法によって検出しながら、その検出した膜厚が制御上の目標膜厚に到達すると、停止信号STP1を生成して制御装置60Dへ出力する。
そして、検出器50Cは、検出限界よりも薄い膜厚を有する井戸層1041および障壁層1042から構成される活性層104が反応容器10内で結晶成長されるとき、実施の形態4と同じように、反応容器10内における結晶成長の時間が活性層104の結晶成長時間に達すると、逓信信号STP2を生成して制御装置60Dへ出力する。
また、検出器50Cは、共振器スペーサー層103、活性層104および共振器スペーサー層105が順次結晶成長される間、基板90からの反射光に基づいて、上述したファブリペロ振動を検出し続け、ファブリペロ振動を検出し始めてからの位相変化が目標位相変化(=1波長に相当する位相変化)に達すると、停止信号STP3を生成して制御装置60Dへ出力する。
図16は、図14に示す薄膜製造装置100Dにおける共振器の製造方法を説明するためのフローチャートである。なお、図16に示すフローチャートの説明においては、制御装置60Dは、共振器スペーサー層103、活性層104および共振器スペーサー層105の各層の目標膜厚、組成および過剰膜厚Δd等からなるデータを検出器50Cへ転送しており、検出器50Cは、目標位相変化(=1波長に相当する位相変化)を予め計算して保持しているものとする。また、検出器50Cは、8nmの膜厚を有するGaInNAsが結晶成長する時間と、18nmの膜厚を有するGaAsが結晶成長する時間とを保持しているものとする。
図16を参照して、一連の動作が開始されると、制御装置60Dは、Hレベルの信号SE1,SE3,SE4を生成し、その生成した信号SE1,SE3,SE4をそれぞれバルブ91,93,94へ出力する。また、制御装置60Dは、所定の流量を有するキャリアガスを流すための信号FL1、所定の流量を有するトリメチルアルミニウム(TMA)を流すための信号FL3、および所定の流量を有するアルシン(AsH3)を流すための信号FL4を生成し、その生成した信号FL1,FL3,FL4をそれぞれMFC81,83,84へ出力する。
そして、バルブ91,93,94は、それぞれ、Hレベルの信号SE1,SE3,SE4に応じて開く。また、MFC81は、信号FL1に応じて所定の流量を有するキャリアガスをガス供給口11へ供給し、MFC83は、信号FL3に応じて所定の流量を有するトリメチルアルミニウム(TMA)をガス供給口11へ供給し、MFC84は、信号FL4に応じて所定の流量を有するアルシン(AsH3)をガス供給口11へ供給する。
ガス供給口11から反応容器10内に供給されたトリメチルガリウム(TMA)およびアルシン(AsH3)は、所定の温度に昇温された基板90の表面で熱分解され、GaAsが基板90上で成長し始める。これによって、反応容器10内でGaAsからなる共振器スペーサー層103の結晶成長が開始される。そして、制御装置60は、信号SE1,SE3,SE4,FL1,FL3,FL4の出力に伴って信号ST1を生成して光源30および検出器50Cへ出力する(ステップS51)。
光源30は、制御装置60からの信号ST1に応じて所定の波長を有する光を生成して出射する。そして、ハーフミラー40は、光源30からの光をそのまま透過し、光学ポート13を介して基板90に照射するとともに、基板90からの反射光を検出器50Cへ導く。
検出器50Cは、ハーフミラー40から反射光を受けると、その受けた反射光の強度を検出し、その検出した反射光の強度に基づいて、上述した方法によって、共振器スペーサー層103の膜厚を検出する。これによって、ファブリペロ振動の計測が開始される。そして、検出器50Cは、検出した共振器スペーサー層103の膜厚が制御上の目標膜厚(=目標膜厚−過剰膜厚Δd)に達すると、停止信号STP1を生成して制御装置60Dへ出力し、制御装置60Dは、停止信号STP1に応じてLレベルの信号SE1,SE3,SE4を生成してそれぞれバルブ91,93,94へ出力し、バルブ91,93,94は、それぞれ、Lレベルの信号SE1,SE3,SE4に応じて閉じる(ステップS52)。
その後、制御装置60Dは、Hレベルの信号SE1,SE3〜SE6を生成してそれぞれバルブ91,93〜96へ出力する。また、制御装置60Dは、所定の流量を有するキャリアガスを流すための信号FL1、所定の流量を有するトリメチルガリウム(TMG)を流すための信号FL3、所定の流量を有するアルシン(AsH3)を流すための信号FL4、所定の流量を有するトリメチルインジウム(TMI)を流すための信号FL5および所定の流量を有するジメチルヒドラジン(DMHy)を流すための信号FL6を生成し、その生成した信号FL1,FL3〜FL6をそれぞれMFC81,83〜86へ出力する。
バルブ91,93〜96は、それぞれ、制御装置60DからのHレベルの信号SE1,SE3〜SE6に応じて開く。また、MFC81は、制御装置60Dからの信号FL1に応じて、所定の流量を有するキャリアガスをバルブ91を介してガス供給口11へ供給する。MFC83は、制御装置60Dからの信号FL3に応じて、所定の流量を有するトリメチルガリウム(TMG)をバルブ93を介してガス供給口11へ供給する。MFC84は、制御装置60Dからの信号FL4に応じて、所定の流量を有するアルシン(AsH3)をバルブ94を介してガス供給口11へ供給する。MFC85は、制御装置60Dからの信号FL5に応じて、所定の流量を有するトリメチルインジウム(TMI)をバルブ95を介してガス供給口11へ供給する。MFC86は、制御装置60Dからの信号FL6に応じて、所定の流量を有するジメチルヒドラジン(DMHy)をバルブ96を介してガス供給口11へ供給する。
ガス供給口11から反応容器10内に供給されたトリメチルガリウム(TMA)、アルシン(AsH3)、トリメチルインジウム(TMI)およびジメチルヒドラジン(DMHy)は、所定の温度に昇温された基板90の表面で熱分解され、GaInNAsが基板90上で成長し始める。これによって、反応容器10内でGaInNAsからなる井戸層1041の結晶成長が開始される。
検出器50Cは、内蔵するタイマーによって計測した時間が、8nmの膜厚を有するGaInNAsが結晶成長する時間に達すると、停止信号STP1を生成して制御装置60Dへ出力する。制御装置60Dは、検出器50Cからの停止信号STP1に応じて、Lレベルの信号SE1,SE3〜SE6を生成してそれぞれバルブ91,93〜96へ出力し、原料ガスを停止する。
その後、制御装置60Dは、Hレベルの信号SE1,SE3,SE4を生成してそれぞれバルブ91,93,94へ出力する。また、制御装置60Dは、所定の流量を有するキャリアガスを流すための信号FL1、所定の流量を有するトリメチルガリウム(TMG)を流すための信号FL3および所定の流量を有するアルシン(AsH3)を流すための信号FL4を生成し、その生成した信号FL1,FL3,FL4をそれぞれMFC81,83,84へ出力する。
バルブ91,93,94は、それぞれ、制御装置60DからのHレベルの信号SE1,SE3,SE4に応じて開く。また、MFC81は、制御装置60Dからの信号FL1に応じて、所定の流量を有するキャリアガスをバルブ91を介してガス供給口11へ供給する。MFC83は、制御装置60Dからの信号FL3に応じて、所定の流量を有するトリメチルガリウム(TMG)をバルブ93を介してガス供給口11へ供給する。MFC84は、制御装置60Dからの信号FL4に応じて、所定の流量を有するアルシン(AsH3)をバルブ94を介してガス供給口11へ供給する。
ガス供給口11から反応容器10内に供給されたトリメチルガリウム(TMA)およびアルシン(AsH3)は、所定の温度に昇温された基板90の表面で熱分解され、GaAsが基板90上で成長し始める。これによって、反応容器10内でGaAsからなる障壁層1042の結晶成長が開始される。
検出器50Cは、内蔵するタイマーによって計測した時間が、18nmの膜厚を有するGaAsが結晶成長する時間に達すると、停止信号STP1を生成して制御装置60Dへ出力する。制御装置60Dは、検出器50Cからの停止信号STP1に応じて、Lレベルの信号SE1,SE3,SE4を生成してそれぞれバルブ91,93,94へ出力し、原料ガスを停止する。
上述した交互に繰り返されて、活性層104が結晶成長される(ステップS53)。
そして、検出器50Cは、内蔵するタイマーによって計測した時間が活性層104の結晶成長時間に達すると、停止信号STP2を生成して制御装置60Dへ出力する。
制御装置60Dは、停止信号STP2に応じて、活性層104を結晶成長させるための原料ガスを停止し、その後、Hレベルの信号SE1,SE3,SE4を生成し、その生成した信号SE1,SE3,SE4をそれぞれバルブ91,93,94へ出力する。また、制御装置60Dは、所定の流量を有するキャリアガスを流すための信号FL1、所定の流量を有するトリメチルガリウム(TMG)を流すための信号FL3、および所定の流量を有するアルシン(AsH3)を流すための信号FL4を生成し、その生成した信号FL1,FL3,FL4をそれぞれMFC81,83,84へ出力する。
そして、バルブ91,93,94は、それぞれ、Hレベルの信号SE1,SE3,SE4に応じて開く。また、MFC81は、信号FL1に応じて所定の流量を有するキャリアガスをガス供給口11へ供給し、MFC83は、信号FL3に応じて所定の流量を有するトリメチルガリウム(TMG)をガス供給口11へ供給し、MFC84は、信号FL4に応じて所定の流量を有するアルシン(AsH3)をガス供給口11へ供給する。
ガス供給口11から反応容器10内に供給されたトリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)は、所定の温度に昇温された基板90の表面で熱分解され、GaAsが基板90上で成長し始める。これによって、反応容器10内でGaAsからなる共振器スペーサー層105の結晶成長が開始される(ステップS54)。
検出器50Cは、ハーフミラー40から反射光を受けると、その受けた反射光の強度を検出し、その検出した反射光の強度に基づいて、ファブリペロ振動を検出する。そして、検出器50Cは、ファブリペロ振動の検出を開始してからのファブリペロ振動の位相変化が目標位相変化(=1波長分の位相変化)に達することを検出する(ステップS55)。
そうすると、検出器50Cは、停止信号STP3を生成して制御装置60Dへ出力し、制御装置60Dは、停止信号STP3に応じてLレベルの信号SE1〜SE6を生成してそれぞれバルブ91〜96へ出力し、バルブ91〜96は、それぞれ、Lレベルの信号SE1〜SE6応じて閉じる。これによって、共振器スペーサー層105の結晶成長が終了する(ステップS56)。そして、一連の動作が終了する。なお、検出器50Cは、ステップS52〜ステップS55までの間、ファブリペロ振動を検出し続ける。
このように、実施の形態5によれば、薄膜製造装置100Dは、反応容器10内における結晶成長を実測した膜厚および時間によって管理するので、反応容器10内において結晶成長された半導体層が、膜厚の実測が困難である半導体層を含む場合でも、目標膜厚を有する積層構造体を製造できる。
その他は、実施の形態1と同じである。
[実施の形態6]
図17は、実施の形態6による薄膜製造装置の構成を示す概略図である。図17を参照して、実施の形態6による薄膜製造装置100Eは、図1に示す薄膜製造装置100の反応容器10を反応容器10Aに代え、サセプター20をサセプター21に代え、ハーフミラー40を削除したものであり、その他は、薄膜製造装置100と同じである。
反応容器10Aは、縦型の反応炉からなり、ガス供給口11Aと、排気口12Aと、2つの光学ポート13A,13Bを有する。ガス供給口11Aは、反応容器10Aの上部に配置され、排気口12Aは、反応容器10Aの側面の下部に設けられ、光学ポート13Aは、ガス供給口11Aの一方側に配置され、光学ポート13Bは、ガス供給口11Aの他方側に配置される。
サセプター21は、その中心がガス供給口11Aの中心に略一致するように反応容器10A内に配置される。
サセプター21は、その一主面21Aに基板90を支持する。光学ポート13Aは、光源30から出射された光を透過して斜めから基板90に照射する。光学ポート13Bは、基板90で反射された反射光を透過して検出器50に導く。
薄膜製造装置100Eは、原料ガスを基板90の上側から基板90に供給し、実施の形態1と同じように制御上の目標膜厚を用いて各種の薄膜を成長させる。
薄膜製造装置100Eは、検出器50に代えて検出器50A,50B,50Cのいずれかを備えていてもよく、制御装置60に代えて制御装置60A,60B,60C,60Dのいずれかを備えていてもよく、光源30に代えて光源30Aを備えていてもよい。
そして、薄膜製造装置100Eは、実施の形態2〜実施の形態5のいずれかと同じ方法によって各種の薄膜を成長してもよい。
また、実施の形態6においては、反応容器10Aは、どのような形状であってもよく、光を入射する光学ポートと、基板90で反射した反射光を検出器50に導く光学ポートとを備え、反応容器10A内で結晶成長される半導体層の膜厚をその場観察できるものであればよい。
その他は、実施の形態1から実施の形態5と同じである。
[実施の形態7]
図18は、実施の形態7による薄膜製造装置の構成を示す概略図である。図18を参照して、実施の形態7による薄膜製造装置100Fは、図17に示す薄膜製造装置100Eの光学ポート13A,13Bを光学ポート13Cに代え、ガス供給口11Aをガス供給口11B,11Cに代え、ハーフミラー40を追加したものであり、その他は、薄膜製造装置100Eと同じである。
ガス供給口11B,11Cおよび光学ポート13Cは、サセプター21の上側に配置される。そして、光学ポート13Cは、その中心がサセプター21の中心に略一致するように配置される。ガス供給口11Bは、光学ポート13Cの外側に配置され、ガス供給口11Cは、ガス供給口11Bの外側に配置される。
光源30およびハーフミラー40は、供給口11B,11Cおよび光学ポート13Cの上側に配置される。
図19は、図18に示す光源30側から見たガス供給口11B,11Cおよび光学ポート13Cの平面図である。図19を参照して、ガス供給口11Bは、8個の孔1からなり、ガス供給口11Cは、8個の孔2からなる。8個の孔1は、略八角形に配置され、8個の孔2も、略八角形に配置される。
図18および図19を参照して、キャリアガスは、光学ポート13Cを介して反応容器10A内へ供給され、III族金属の原料ガスであるトリメチルガリウム(TMG)は、ガス供給口11Bを介して反応容器10A内へ供給され、V族金属の原料ガスであるトリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)は、ガス供給口11Cを介して反応容器10A内へ供給される。
このように、薄膜製造装置100Fにおいては、V族金属の原料ガスは、III族金属の原料ガスよりも外側から反応容器10A内へ供給される。これによって、基板90の表面におけるIII族金属の原料の濃度分布およびV族金属の原料の濃度分布をほぼフラットにできる。
また、薄膜製造装置100Fにおいては、III族金属の原料ガスであるトリメチルガリウム(TMG)は、ガス供給口11Cを介して反応容器10A内へ供給され、V族金属の原料ガスであるトリメチルアルミニウム(TMA)およびアルシン(AsH3)は、ガス供給口11Bを介して反応容器10A内へ供給されるようにしてもよい。
なお、薄膜製造装置100Fは、検出器50に代えて検出器50A,50B,50Cのいずれかを備えていてもよく、制御装置60に代えて制御装置60A,60B,60C,60Dのいずれかを備えていてもよく、光源30に代えて光源30Aを備えていてもよい。
そして、薄膜製造装置100Fは、実施の形態2〜実施の形態5のいずれかと同じ方法によって各種の薄膜を成長してもよい。
その他は、実施の形態1から実施の形態5と同じである。
[実施の形態8]
図20は、実施の形態8による薄膜製造装置の構成を示す概略図である。図20を参照して、実施の形態8による薄膜製造装置100Gは、図1に示す薄膜製造装置100の光源30、検出器50および制御装置60をそれぞれ光源30B、検出器50Dおよび制御装置60Eに代えたものであり、その他は、薄膜製造装置100と同じである。
光源30Bは、上述した2つの光源30,30Aを含み、選択的に光源30または光源30Aとして機能する。検出器50Dは、上述した4個の検出器50,50A,50B,50Cを含み、4個の検出器50,50A,50B,50Cから選択した1つの検出器として機能する。制御装置60Eは、上述した5個の制御装置60,60A,60B,60C,60Dを含み、5個の制御装置60,60A,60B,60C,60Dから選択した1つの制御装置として機能する。
この場合、検出器50Dが検出器50として機能するとき、制御装置60Eは、制御装置60として機能し、光源30Bは、光源30として機能する。すなわち、薄膜製造装置100Gは、薄膜製造装置100(図1参照)として機能する。
また、検出器50Dが検出器50Aとして機能するとき、制御装置60Eは、制御装置60Aまたは制御装置60Bとして機能し、光源30Bは、光源30として機能する。すなわち、薄膜製造装置100Gは、薄膜製造装置100A(図7参照)または薄膜製造装置100B(図9参照)として機能する。
さらに、検出器50Dが検出器50Bとして機能するとき、制御装置60Eは、制御装置60Cとして機能し、光源30Bは、光源30Aとして機能する。すなわち、薄膜製造装置100Gは、薄膜製造装置100C(図12参照)として機能する。
さらに、検出器50Dが検出器50Cとして機能するとき、制御装置60Dは、制御装置60Dとして機能し、光源30Bは、光源30として機能する。すなわち、薄膜製造装置100Gは、薄膜製造装置100D(図14参照)として機能する。
このように、薄膜製造装置100Gは、上述した実施の形態1から実施の形態5による薄膜製造装置100,100A,100B,100C,100Dの全ての機能を有し、反応容器10内で結晶成長される半導体層の種類に応じて、薄膜製造装置100,100A,100B,100C,100Dのいずれか1つの薄膜製造装置として機能する。
以下、薄膜製造装置100Gが面発光レーザ素子を製造する場合について説明する。図21は、図20に示す薄膜製造装置100Gが製造する面発光レーザ素子の構成を示す断面図である。図21を参照して、面発光レーザ素子150は、基板101と、分布ブラッグ反射器102,106と、共振器スペーサー層103,105と、活性層104と、選択酸化層107と、コンタクト層108と、SiO2層109と、絶縁樹脂層111と、p側電極112と、n側電極113とを備える。
基板101は、n−GaAsからなる。分布ブラッグ反射器102は、n−Al0.9Ga0.1As/n−GaAsの対を一周期とした場合、35周期の[n−Al0.9Ga0.1As/n−GaAs]からなり、基板101の一主面に形成される。そして、n−Al0.9Ga0.1As/n−GaAsの各々の膜厚は、面発光レーザ素子150の発振波長をλとした場合、λ/4n(nは各半導体層の屈折率)である。
共振器スペーサー層103は、ノンドープGaAsからなり、分布ブラッグ反射器102上に形成される。活性層104は、GaInNAsからなる井戸層と、GaAsからなる障壁層とを含む量子井戸構造を有し、共振器スペーサー層103上に形成される。
共振器スペーサー層105は、ノンドープGaAsからなり、活性層104上に形成される。分布ブラッグ反射器106は、p−Al0.9Ga0.1As/p−GaAsの対を一周期とした場合、24周期の[p−Al0.9Ga0.1As/p−GaAs]からなり、共振器スペーサー層105上に形成される。そして、p−Al0.9Ga0.1As/p−GaAsの各々の膜厚は、λ/4n(nは各半導体層の屈折率)である。
選択酸化層107は、p−AlAsからなり、分布ブラッグ反射器106中に設けられる。そして、選択酸化層107は、非酸化領域107aと酸化領域107bとからなり、20nmの膜厚を有する。
コンタクト層108は、p−GaAsからなり、分布ブラッグ反射器106上に形成される。SiO2層109は、分布ブラッグ反射器102の一部の一主面と、共振器スペーサー層103、活性層104、共振器スペーサー層105、分布ブラッグ反射器106、選択酸化層107およびコンタクト層108の端面とを覆うように形成される。
絶縁性樹脂110は、SiO2層109に接して形成される。p側電極111は、コンタクト層108の一部および絶縁性樹脂110上に形成される。n側電極112は、基板101の裏面に形成される。
分布ブラッグ反射器102,106の各々は、活性層104で発振した発振光をブラッグの多重反射により反射して活性層104に閉じ込める半導体分布ブラッグ反射器を構成する。
また、酸化領域107bは、非酸化領域107aよりも小さい屈折率を有する。そして、酸化領域107bは、p側電極111から注入された電流が活性層104へ流れる経路を非酸化領域107aに制限する電流狭窄部を構成するとともに、活性層104で発振した発振光を非酸化領域107aに閉じ込める。これによって、面発光レーザ素子150は、低閾値電流での発振が可能となる。
図22は、図21に示す面発光レーザ素子150の活性層104の近傍を示す断面図である。図22を参照して、分布ブラッグ反射器102は、低屈折率層1021と、高屈折率層1022と、組成傾斜層1023とを含む。低屈折率層1021は、n−Al0.9Ga0.1Asからなり、高屈折率層1022は、n−GaAsからなる。組成傾斜層1023は、低屈折率層1021および高屈折率層1022のいずれか一方から他方へ向かってAl組成が徐々に変化するn−AlGaAsからなる。そして、低屈折率層1021が共振器スペーサー層103に接する。
分布ブラッグ反射器106は、低屈折率層1061と、高屈折率層1062と、組成傾斜層1063とを含む。低屈折率層1061は、p−Al0.9Ga0.1Asからなり、高屈折率層1062は、p−GaAsからなる。組成傾斜層1063は、低屈折率層1061および高屈折率層1062のいずれか一方から他方へ向かってAl組成が徐々に変化するp−AlGaAsからなる。そして、低屈折率層1061が共振器スペーサー層105に接する。
活性層104は、各々がGaInNAsからなる3層の井戸層1041と、各々がGaAsからなる4層の障壁層1042とが交互に積層された量子井戸構造からなる。そして、障壁層1042が共振器スペーサー層103,105に接する。
面発光レーザ素子150においては、共振器スペーサー層103,105および活性層104は、共振器を構成し、基板101に垂直な方向における共振器の厚さは、面発光レーザ素子1の1波長(=λ)に設定される。すなわち、共振器スペーサー層103,105および活性層104は、1波長共振器を構成する。
図23、図24および図25は、それぞれ、図21に示す面発光レーザ素子150の作製方法を示す第1から第3の工程図である。図23を参照して、一連の動作が開始されると、MOCVD法を用いて、反射層102、共振器スペーサー層103、活性層104、共振器スペーサー層105、反射層106、選択酸化層107、およびコンタクト層108を基板101上に順次積層する(図23の工程(a)参照)。
この場合、反射層102のn−Al0.9Ga0.1Asおよびn−GaAsをトリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH3)およびセレン化水素(H2Se)を原料として形成する。
また、共振器スペーサー層103のノンドープGaAsをトリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)を原料として形成し、活性層104のGaInNAsをトリメチルガリウム(TMG)、トリメチルインジウム(TMI)、トリメチルヒドラジン(DMHy)およびアルシン(AsH3)を原料として形成し、活性層104のGaAsをトリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)を原料として形成する。
さらに、共振器スペーサー層105のノンドープGaAsをトリメチルガリウム(TMG)およびアルシン(AsH3)を原料として形成し、反射層106のp−Al0.9Ga0.1As/GaAsをトリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH3)および四臭化炭素(CBr4)を原料として形成する。
さらに、選択酸化層107のp−AlAsをトリメチルアルミニウム(TMA)、アルシン(AsH3)および四臭化炭素(CBr4)を原料として形成し、コンタクト層108のp−GaAsをトリメチルガリウム(TMG)、アルシン(AsH3)および四臭化炭素(CBr4)を原料として形成する。
その後、コンタクト層108の上にレジストを塗布し、写真製版技術を用いて、コンタクト層108上にレジストパターン120を形成する(図23の工程(b)参照)。この場合、レジストパターン120は、1辺が20μmである正方形の形状を有する。
レジストパターン120を形成すると、その形成したレジストパターン120をマスクとして用いて、分布ブラッグ反射器102の一部と、共振器スペーサー層103、活性層104、共振器スペーサー層105、反射層106、選択酸化層107およびコンタクト層108の周辺部をドライエッチングにより除去し、さらに、レジストパターン120を除去する(図23の工程(c)参照)。
次に、図24を参照して、図23に示す工程(c)の後、85℃に加熱した水を窒素ガスでバブリングした雰囲気中において、試料を425℃に加熱して、選択酸化層107の周囲を外周部から中央部に向けて酸化し、選択酸化層107中に非酸化領域107aと酸化領域107bとを形成する(図24の工程(d)参照)。この場合、非酸化領域107aは、1辺が4μmである正方形からなる。
その後、気相化学堆積法(CVD:Chemical Vapour Deposition)を用いて、試料の全面にSiO2層109を形成し、写真製版技術を用いて光出射部となる領域およびその周辺領域のSiO2層109を除去する(図24の工程(e)参照)。
次に、試料の全体に絶縁性樹脂110をスピンコートにより塗布し、光出射部となる領域上の絶縁性樹脂110を除去する(図24の工程(f)参照)。
図25を参照して、絶縁性樹脂110を形成した後、光出射部となる領域上に1辺が8μmであるレジストパターンを形成し、試料の全面にp側電極材料を蒸着により形成し、レジストパターン上のp側電極材料をリフトオフにより除去してp側電極111を形成する(図25の工程(g)参照)。そして、基板101の裏面を研磨し、基板101の裏面にn側電極112を形成し、さらに、アニールしてp側電極111およびn側電極112のオーミック導通を取る(図25の工程(h)参照)。これによって、面発光レーザ素子150が作製される。
面発光レーザ素子150が作製される場合、薄膜製造装置100Gは、図23の工程(a)において、分布ブラッグ反射器102、共振器スペーサー層103、活性層104、共振器スペーサー層105、分布ブラッグ反射器106、選択酸化層107およびコンタクト層108を順次積層する。
そして、薄膜製造装置100Gは、分布ブラッグ反射器102,106を結晶成長するとき、実施の形態2による薄膜製造装置100A、実施の形態3による薄膜製造装置100Bおよび実施の形態4による薄膜製造装置100Cのいずれかとして機能して分布ブラッグ反射器102を結晶成長する。
また、薄膜製造装置100Gは、共振器スペーサー層103,105を結晶成長するとき、実施の形態1による薄膜製造装置100として機能して共振器スペーサー層103,105を結晶成長する。
さらに、薄膜製造装置100Gは、活性層104を結晶成長するとき、実施の形態5による薄膜製造装置100Dとして機能して活性層104を結晶成長する。
さらに、薄膜製造装置100Gは、選択酸化層107およびコンタクト層108を結晶成長するとき、実施の形態1による薄膜製造装置100として機能して選択酸化層107およびコンタクト層108を結晶成長する。
この場合、薄膜製造装置100Gは、実施の形態2による薄膜製造装置100A、実施の形態3による薄膜製造装置100Bおよび実施の形態4による薄膜製造装置100Cのいずれかとして機能して分布ブラッグ反射器102,106を結晶成長するとき、図8に示すフローチャート、図11に示すフローチャートおよび図13に示すフローチャートのいずれかに従って布ブラッグ反射器102,106を結晶成長する。
また、薄膜製造装置100Gは、実施の形態1による薄膜製造装置100として機能して共振器スペーサー層103,105を結晶成長するとき、図5に示すフローチャートに従って共振器スペーサー層103,105を結晶成長する。
さらに、薄膜製造装置100Gは、実施の形態5による薄膜製造装置100Dとして機能して活性層104を結晶成長するとき、図16に示すフローチャートに従って活性層104を結晶成長する。
さらに、薄膜製造装置100Gは、実施の形態1による薄膜製造装置100として機能して選択酸化層107およびコンタクト層108を結晶成長するとき、図5に示すフローチャートに従って選択酸化層107およびコンタクト層108を結晶成長する。
実施の形態8によれば、反応容器10内で結晶成長した半導体層の実測した膜厚または半導体層の結晶成長時間に基づいて、所望の膜厚を有する半導体層を結晶成長するので、膜厚の実測が困難である薄い半導体層を含む場合でも、所望の膜厚を有する半導体層を作製できる。
なお、上記においては、薄膜製造装置100Gを用いて面発光レーザ素子150を作製する場合について説明したが、この発明においては、これに限らず、薄膜製造装置100Gを用いて各種のデバイスおよび各種の半導体薄膜を製造してもよく、半導体薄膜に限らず、半導体薄膜以外の各種の薄膜を製造してもよい。
また、薄膜製造装置100Gは、反応容器10に代えて反応容器10Aを備えていてもよい。
さらに、上記においては、ファブリペロ振動を検出して結晶成長された半導体層の膜厚を検出すると説明したが、この発明においては、半導体層の膜厚の検出方法は、どのような方法であってもよい。
さらに、図5、図6、図8、図11、図13および図16に示すフローチャートの各々は、この発明による「膜厚制御方法」を構成する。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1,2 孔、10,10A 反応容器、11,11A,11B,11C ガス供給口、12,12A 排気口、13,13A,13B,13C 光学ポート、20,21 サセプター、20A 斜面、21A 一主面、30 光源、40 ハーフミラー、50,50A,50B,50C,50D 検出器、60,60A,60B,60C,60D,60E 制御装置、71〜76 ガス供給源、81〜86 マスフローコントローラ、90,101 基板、91〜96 バルブ、100,100A,100B,100C,100D,100E,100F,100G 薄膜製造装置、102,106 分布ブラッグ反射器、103,105 共振器スペーサー層、107 選択酸化層、107a 非酸化領域、107b 酸化領域、108 コンタクト層、109 SiO2層、110 絶縁性樹脂、111 p側電極、112 n側電極、120 レジストパターン、130 共振器、150 面発光レーザ素子、1021,1061 低屈折率層、1022,1062 高屈折率層、1033,1063 組成傾斜層、1041 井戸層、1042 障壁層。