JP5024813B2 - 面発光素子の製造方法 - Google Patents

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本発明は、強電界により電子を放出する電界放出型の電子放出素子を面電子源として利用する面発光素子の製造方法に係り、特に、ナノカーボン材料をエミッタとして用いた面発光素子の製造方法に関する。
近年、主に動画を表示するテレビ受像器や、静止画を表示するコンピュータ端末用のモニタに使用されていた陰極線管からなるディスプレイ(CRT)が、液晶ディスプレイ(LCD)やプラズマディスプレイ(PDP)などのフラットパネルディスプレイに急速に置き換わっている。また、次世代の高輝度フラットパネルディスプレイとして、従来のCRTと同じカソードルミネッセンスを原理とするフィールドエミッションディスプレイ(FED)の研究開発が進められている。
一方、一般照明としての発光素子は、20世紀初頭から白熱灯や蛍光灯が長年にわたり用いられてきている。このうち蛍光灯は白熱灯と比べると同じ明るさでも消費電力を低く抑えられるという特徴を有しており、今日でも照明として広く利用されている。
また、前述した、光のシャッター機能しかもたない非発光素子であるLCDを高輝度ディスプレイとして用いるためには、バックライトが不可欠である。バックライトとしては、立体型の蛍光灯と拡散用の反射板を組み合わせて薄型化した蛍光管が用いられている。
蛍光管は、フィラメントから放出された電子が、蛍光管内に封入されている気体の水銀と衝突して紫外線を発し、この紫外線が蛍光管の内側に塗布された蛍光体を励起し、可視光を発光するものである。
しかしながら、照明やLCDのバックライトとして用いられる蛍光灯には、水銀が含まれているため、今後、環境汚染という点で大きな課題を抱えており、それに代わる照明装置が強く求められている。
また、近年、白色灯や蛍光灯などの既存の照明に代わり、発光ダイオード(LED)を光源とした表示装置や照明が開発され、普及し始めている。最近では、信号機や街頭あるいは店頭用ディスプレイなどの表示装置、LCD用のバックライト、車載照明、電子機器用表示ランプ、懐中電灯などで利用されている。
LEDは、半導体のpn接合を含む構造を有しており、電極から半導体に注入された電子と正孔は異なったエネルギー帯(伝導帯と価電子帯)を流れ、pn接合部付近にて禁制帯を越えて再結合するが、再結合の際にほぼ禁制帯幅(バンドギャップ)に相当するエネルギーが光子、すなわち光として放出される。
しかしながら、LEDは上述したように、半導体のキャリアの再結合により発光する原理であるため、材料のバンド構造で決められた固有の波長の単色光しか放出されず、しかも点光源であるため、特にバックライトや照明などの大面積に均一に、そして白色などのブロードな波長で利用する用途には不適である。特に、白色表示にする場合には、紫外線発光素子としてLEDを用い、その発する紫外線で蛍光体を発光させる構成が必要となる。
これに対し、FEDと同様の方式で、面電子源から放出される電子で蛍光体を発光させる、薄型かつ高輝度の面発光素子が考えられる。フィールドエミッタは、物質に印加する電界の強度を上げると、その強度に応じて物質表面のエネルギー障壁の幅が次第に狭まり、電界強度が10V/cm以上の強電界となると、物質中の電子がトンネル効果によりそのエネルギー障壁を突破できるようになり、その物質から電子が放出されるという現象を利用している。この場合、電場がポアッソンの方程式に従うため、電子を放出する部材(エミッタ)に電界が集中する部分を形成すると、比較的低い引き出し電圧で効率的に冷電子の放出を行うことができる。
このようなフィールドエミッタを利用する面発光素子の構造としては、高真空の平板セル中に、微小な電子放出素子の多数個をアレイ状に配置するとともに、これに対向して蛍光体を塗布したアノード基体を設けたもの、即ち、FEDと同様のパネル構造が考えられる。
従来のFEDの技術を用いた面発光素子は、図3に示すように構成される。図3に示す面発光素子では、カソード側基体31上に、導電層32を介して複数の円錐形のエミッタ33が形成され、これらエミッタ33を取り巻くように、絶縁層34およびゲート電極35が配置されて、フィールドエミッタアレイ(カソード)が構成されている。このフィールドエミッタアレイ(カソード)に対向して、アノード側基体36上にアノード電極37および蛍光体38が形成されたアノードが、スペーサ39を介して配置され、3極管いわゆるトライオード構造を有する面発光素子が構成される(例えば、非特許文献1〜3参照)。
C. A. Spindt : J. Appl. Phys., 39, 3504 (1968) K. Betsui: Tech. Dig. IVMC. , (1991) p26 「光エレクトロニクスの基礎」、(株)日本理工出版会、2002年7月20日再版発行 しかしながら、上述した円錐形のエミッタでは、いずれもエミッタ材料である金属、シリコンあるいはそれらの化合物は、空気中で容易に酸化されて表面に酸化物が形成されるが、酸化物は仕事関数が高く、また絶縁体であるため、電子が放出されにくいという問題がある。また、エミッタ部への電界集中が不可欠であり、エミッタ材料表面から電子を放出させるためには、電子放出部の曲率半径をできるだけ小さくする必要がある。そのため、エミッタに極微細加工を施し、放出部の先端形状を円錐形として、その先端の曲率半径を数ナノメーター以下として、このような円錐形エミッタを多数作製し、アレイ上に配置する必要がある。しかしながら、このような超精密加工を要するため、構造的欠陥が生じやすく、大面積に均一に作製することは容易ではなく、歩留まりが低下する上、欠陥検査等も不可欠となり、製造コストが高くなるという問題があった。
これに対し、近年、エミッタ材料としてナノカーボン材料が注目されている。ナノカーボン材料の中で最も代表的なカーボンナノチューブは、炭素原子が規則的に配列したグラフェンシートを丸めた形の中空の円筒であり、その外径はナノメーターオーダーであり、長さは通常0.5〜数10μmの非常にアスペクト比の高い微小な物質である。そのため、カーボンナノチューブをエミッタ材料として用いた場合には先端部分には電界が集中しやすく、高い電子放出能が期待される。特に、基体表面に対し垂直に配向(高配向)したカーボンナノチューブが、高い電子放出能を発揮することが期待される。
また、カーボンナノチューブは、化学的、物理的安定性が高いという特徴を有するため、動作に際し真空中の残留ガスの吸着やイオン衝撃等に対して影響を受け難いことが予想され、エミッタ材料として適していることが考えられる。
しかし、このようなナノカーボン材料の成膜は、従来、プラズマを利用した化学的気相成長法により行われてきたが、この方法により生成されたナノカーボン材料は、非晶質等の不純物成分が多く、高純度かつ高配向のナノカーボン材料を再現性よく成膜する方法は、未だ確立されていない。
本発明は、上記問題点を考慮してなされ、電子放出能及びその均一性、安定性に優れ、かつ簡便で制御性が高いナノカーボンエミッタを形成することが可能な面発光素子の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の一態様は、基体上にナノカーボン材料を成膜してなるナノカーボンエミッタと、このナノカーボンエミッタに対向して配置された、透明基体上に電極を介して蛍光体層を形成してなるアノードとを具備し、前記ナノカーボンエミッタとアノード間が真空に保持されている面発光素子の製造方法であって、前記基体上へのナノカーボン材料の成膜を、前記基体表面に触媒を担持させる工程、有機液体中での固液界面接触分解法により前記触媒を担持した基体表面にナノカーボン材料を合成し、析出させる工程、及び前記基体を前記有機液体から取り出した後、1秒乃至10秒間空冷する工程により行うことを特徴とする面発光素子の製造方法を提供する。
以上の面発光素子の製造方法において、触媒としては酸化コバルトを用いることができる。基体表面に酸化コバルト触媒を担持させる工程は、基体表面に10nm以下の膜厚のコバルト膜を形成した後、酸化雰囲気中で800℃から1000℃の温度範囲で5分乃至20分間、熱処理することにより行うことができる。
有機液体中での固液界面接触分解法により前記触媒を担持した基体表面にナノカーボン材料を合成し、析出させる工程は、500℃以上700℃以下の範囲の基体温度で行う第1の合成段階と、750℃以上1100℃以下の範囲の基体温度で行う第1の合成段階とを含むことができる。この場合、第1の合成段階の合成時間は10秒以上3分以下であることが望ましい。
本発明によると、高密度及び高配向のナノカーボン材料からなるエミッタを形成することができるので、電子放出能及びその均一性、安定性に優れ、かつ簡便で制御性が高い面発光素子を製造することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る面発光素子の製造方法により製造された面発光素子を示す断面図である。この面発光素子の製造は、基体1上に導電層2及びナノーカーボン材料膜3からなるエミッタを形成してなるカソードと、透明基体4上にアノード電極5及び蛍光体層6を形成してなるアノードとを、スペーサ7を間に介して対向配置し、間に形成された空隙を真空に保持することにより製造される。
基体1としては、シリコン、ガラス、セラミックスなどから選ぶことができる。また、表面が熱酸化されたシリコンや薄膜の積層基板を用いることもできる。導電層2としては、金属や透明導電膜などの薄膜を用いることができる。ナノカーボン材料膜3としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノホーン、カーボンナノフィラメント、カーボンナノコイル等を用いることができる。透明基体4としては、ガラスを用いることができ、アノード電極5としては、ITO(インジウム・スズ酸化物)等を用いることができる。高速電子線(Va>1kV)を用いる場合には、アノード電極と蛍光体層は反転し、アノード電極としては、Al(メタルバック)等を用いる。
このような面発光素子の製造方法では、エミッタを構成するナノカーボン材料膜3の基体上への成膜は、固液界面接触分解法により行われる。この固液界面接触分解法により、高配向のナノカーボン膜を低温で形成することができる。固液界面接触分解法は、基体上に非晶質成分を全く含まない高純度のナノカーボン材料を成膜することが可能な優れた方法である。
固液界面接触分解法によるナノカーボン材料からなるエミッタの形成プロセスについて、以下に説明する。
固液界面接触分解法によるナノカーボン材料からなるエミッタの形成は、図2に示す構造を有する固液界面接触分解装置を用いて行われる。図2に示す固液界面接触分解装置では、有機液体12を収容する液体槽11が、蓋13により密封されて、装置本体を構成する。液体槽11の外側には、液体槽11を冷却するための水冷手段14が設けられている。液体槽11内の有機液体12中には、基体15が浸漬されており、基体15は、基体ホルダー16に取り付けられているとともに、一対の電極17a,17bを介して蓋13に保持されている。基体15は、一対の電極17a,17bを通して通電される。
蓋13には、液体槽11内から蒸発する有機液体蒸気を冷却凝縮して液体槽11に戻すための水冷パイプからなる凝縮手段18と、液体槽11内に窒素ガスを導入するバルブ19とが取り付けられている。
次に、以上のように構成される固液界面接触分解装置により、基体15の表面にカーボンナノチューブ層を形成する手順について説明する。
まず、図2に示すように、基体15を基体ホルダー16に取り付け、液体槽11内の有機液体12中に浸漬する。有機液体12としては、メタノール、エタノール、オクタノール等を用いることができる。なお、基体15の表面には、触媒としての酸化コバルトが担持されている。電極17a,17bを通して基体15に直流電流を通電する。
通電により、基体15の温度が600〜900℃に昇温すると、基体15の表面で触媒の存在下での有機液体12の熱分解反応が生じ、酸化コバルト膜上にナノカーボン材料が析出され、ナノカーボン材料膜が形成される。
このようにして成膜されたナノカーボン材料膜は、高密度、高配向であり、面発光素子のエミッターとして好適なものである。
本発明の一実施形態に係る面発光素子の製造方法では、触媒が担持された基体表面に固液界面接触分解法によりナノカーボン材料を合成し、析出させた後、基体を徐冷することを特徴とする。このように、ナノカーボン材料の析出後に徐冷を行うことにより、高配向のナノカーボン材料を高収率で生成することができる。
徐冷は、液相から基体を取り出して空冷することにより行うことができる。通常の固液界面接触分解法では、合成反応の停止後、基体を液相中に放置することにより基体の冷却を行っていたが、液相は非常に低温であるため、基体は急冷されることとなっていた。そのため、合成直後には高配向に生成していたナノカーボン材料が、急冷により倒れてしまうという現象が生じてしまう。
これに対し、エネルギーの供給を停止して合成反応を終了させた後、ただちに基体を液相から離脱させることにより、空冷状態となり、基体を徐冷することができる。その結果、合成直後のナノカーボン材料の高配向状態を維持することができ、高配向ナノカーボン材料を高い収率で得ることが可能となる。
具体的には、合成反応を終了させた後、例えば、通電加熱により合成反応を行う場合には、通電を停止して合成反応を終了させた後、液相中での急冷が生じないうちに直ちに液相から基体を引き上げ、1〜10秒、好ましくは1〜5秒間、空冷することにより基体を徐冷することができる。その結果、高配向ナノカーボン材料をほぼ100%の収率で得ることができる。
基体表面に担持される触媒としては、鉄又は酸化コバルを用いることができる。条件によっては鉄触媒を用いても高配向ナノカーボン材料を高い収率で得ることができるが、酸化コバルト触媒を用いたほうが、高配向ナノカーボン材料をほぼ100%の収率で得ることができるので好ましい。
即ち、本発明の他の実施形態に係る面発光素子の製造方法は、酸化コバルト触媒が担持された基体表面に、徐冷工程を伴う上述の固液界面接触分解法でナノカーボン材料を成膜するものである。
基体表面への酸化コバルト触媒の担持は、基体表面に10nm以下の膜厚のコバルト膜を形成した後、酸化雰囲気中で800℃から1000℃の温度範囲で5分乃至20分間、熱処理することにより行うことができる。また、基体表面への鉄触媒の担持は、基体表面に鉄をスパッタリングすることにより行うことができる。
本発明の更に他の実施形態は、酸化コバルト触媒を用い、徐冷工程を伴う上述の固液界面接触分解法において、ナノカーボン材料成長の第1の段階の合成条件とその後の合成条件を異なる基体温度とすること、すなわち多段プロセスにより行うことである。即ち、この多段プロセスは、500℃以上700℃以下の範囲の基体温度で行う第1の合成段階と、750℃以上1100℃以下の範囲の基体温度で行う第2の合成段階とからなるものとすることができる。この場合、第1の合成段階の合成時間は、10秒以上3分以下であることが望ましい。
このように、固液界面接触分解法を多段プロセスとすることにより、高密度・高配向でありながら、かつ、従来よりもより高い結晶性を有するナノカーボン材料を製造することができる。そして、このような高配向、高密度、及び高結晶性を有するナノカーボン材料をエミッタ材料としてフィールドエミッタを構成することにより、従来の材料より格段に特性が良好で、かつ、収率の高いナノカーボンエミッタを得ることが可能である。
通常のフィールドエミッタでは、ゲート(引き出し)電極を持たない2極管構造では、同様の測定系においては、立ち上がり電圧は5kV以上を要するが、本実施形態に係るフィールドエミッタでは、立ち上がり電圧は約80Vと低いため、格段に低電圧駆動を実現している。また、本実施形態に係るフィールドエミッタでは、50μA以上の電流レベルが得られており、市販の低速電子線用の蛍光体を発光させる電流値が得られている。しかも、ゲートが不要であるため、これを用いた面発光素子の構造は、簡略化でき、低コスト化が実現できる。さらに、カーボン材料は低真空領域でも、酸化されないため、従来のフィールドエミッタを用いた発光素子よりも、パネル化が容易でかつ長寿命化がはかれる。
以下、本発明の一実施形態に係る面発光素子の製造方法における、エミッタとして機能するナノカーボン材料膜の成膜に係る実施例について説明する。
実施例
以下の手順により、図3に示す構造を有する面発光素子サンプルを製造した。
結晶方位(100)、サイズ7×22×0.5mmのn型シリコン基体21の表面に、下記の条件でスパッタリング法により微量のコバルトを蒸着した。基体重量増加を膜厚に換算した場合の膜厚は、5nmであった。
ターゲット:コバルト
雰囲気:7Paのアルゴン(Ar)
放電電流:35mA
スパッタ時間:3分以上
次に、コバルトを蒸着した基体を、下記の条件で通電加熱して基体を赤熱させることにより触媒前処理を行い、コバルトを酸化して酸化コバルト膜を形成した。
処理雰囲気:アルゴン
処理温度:900℃
処理時間:10分
次いで、下記の条件で固液界面接触分解法を用いて、酸化コバルト膜上にカーボンナノチューブ膜22を合成した。
液相:メタノール(純度99.9%、沸点647 ℃)
第1の段階
合成温度:600℃
合成時間:1分
第2の段階
合成温度:900℃、
合成時間:5分
通電を停止して第2の段階の合成反応を終了させた後、直ちに基体をメタノールから引き上げ、3秒間徐冷した。その結果、高密度、高結晶性、及び高配向のカーボンナノチューブ膜22を有するカソードを得た。
その後、通常の方法により、別途、透明基体23上に透明電極24を形成してなるアノードを製造し、このアノードとカソードとをスペーサ25を間に介して100μmの間隔を隔てて対向配置して密封し、間に形成されたサイズ5×5mmの空隙26を真空引きすることにより、図3に示す面発光素子サンプルを製造した。
このようにして製造された面発光素子サンプルのカーボンナノチューブ膜22と透明電極24との間に電源27、電流計28、及び1MΩの抵抗を接続し、アノード電圧を変化させて、エミッション電流を測定した。なお、動作真空度は10−3Paであった。
その結果を図4に示す。図4に示す結果から、本実施例に係る面発光素子サンプルでは、立ち上がり電圧は約80Vと低く、低電圧駆動が可能であることがわかる。また、エミッション電流も50μA以上と、市販の低速電子線用の蛍光体を発光させる電流値が得られた。
本発明の一実施形態に係る面発光素子を示す断面図である。 本発明の一実施形態に係る面発光素子の製造に用いた固液界面接触分解装置を示す図である。 本発明の一実施例に係る面発光素子サンプルを示す断面図である。 本発明の一実施例に係る面発光素子サンプルのアノード電圧とエミッション電流との関係を示す特性図である。 従来の面発光素子を示す断面図である。
符号の説明
1,15…基体、2導電層、5,24…透明電極、3,22…ナノーカーボン材料膜、4,23…透明基体、6,37…蛍光体層、7,25…スペーサ、11…液体槽、12…有機液体、13…蓋、14…水冷手段、16…基体ホルダー、17a,17b…一対の電極、18…凝縮手段、19…バルブ、21…シリコン基体、26…空隙、27…電源、28…電流計、31…カソード側基体、32…エミッタ、33…絶縁層、34…ゲート電極、35…アノード電極。

Claims (5)

  1. 基体上にナノカーボン材料を成膜してなるナノカーボンエミッタと、このナノカーボンエミッタに対向して配置された、透明基体上に電極を介して蛍光体層を形成してなるアノードとを具備し、前記ナノカーボンエミッタとアノード間が真空に保持されている面発光素子の製造方法であって、
    前記基体上へのナノカーボン材料の成膜を、前記基体表面に触媒を担持させる工程、有機液体中での固液界面接触分解法により前記触媒を担持した基体表面にナノカーボン材料を合成し、析出させる工程、及び前記基体を前記有機液体から取り出した後、1秒乃至10秒間空冷する工程
    により行うことを特徴とする面発光素子の製造方法。
  2. 前記触媒は酸化コバルトであることを特徴とする請求項1に記載の面発光素子の製造方法。
  3. 前記基体表面に触媒を担持させる工程を、基体表面に10nm以下の膜厚のコバルト膜を形成した後、酸化雰囲気中で800℃から1000℃の温度範囲で5分乃至20分間、熱処理することにより行うことを特徴とする請求項1に記載の面発光素子の製造方法。
  4. 前記有機液体中での固液界面接触分解法により前記触媒を担持した基体表面にナノカーボン材料を合成し、析出させる工程は、500℃以上700℃以下の範囲の基体温度で行う第1の合成段階と、750℃以上1100℃以下の範囲の基体温度で行う第2の合成段階とを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の面発光素子の製造方法。
  5. 上記第1の合成段階の合成時間は10秒以上3分以下であることを特徴とする請求項4に記載の面発光素子の製造方法。
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