JP5023769B2 - 光学フィルム - Google Patents
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Description
このような問題を解決するために、これまで種々のディスプレイに対して、様々な反射防止処置や防眩処置がとられている。
ところが、上述のように低屈折率層、ハードコート層、及び防眩層にシリカ粒子を用いる光学フィルムにおいては、シリカがアルカリ性下で加水分解され、容易に溶解してしまうという問題点がある。このため、けん化時には、これらのシリカ粒子をアルカリから保護するため、保護フィルム等によってシリカをアルカリから保護する必要があり、煩雑な作業工程を強いられていた。
本発明の目的は、このような保護フィルムを用いることなく、けん化処理においても溶出しないシリカ粒子及び該シリカ粒子を用いた光学フィルムを提供することにある。
すなわち、本発明は、
〔1〕透明基材上に電離放射線硬化性樹脂バインダーにシリカ粒子を3〜70質量%含有した樹脂組成物を塗工してなる屈折率制御層を有する光学フィルムであって、
前記シリカ粒子は、平均粒子径が1〜100nmの中空構造を有し、かつシルエチレン構造を有するオリゴマーで処理した粒子であり、該シルエチレン構造を有するオリゴマーが、シルエチレン基をもつシリカ化合物と他のシラン化合物の共重合比が40:60〜60:40(質量比)の共重合体である、反射防止性能を有する光学フィルム、
〔2〕前記シリカ粒子がシリカ100質量部に対し、前記シルエチレン構造を有するオリゴマー3〜30質量部で処理されてなる上記〔1〕に記載の反射防止性能を有する光学フィルム、及び
〔3〕前記シリカ粒子がさらにシリカ100質量部に対しシランカップリング剤1〜10質量部で処理されてなる上記〔1〕又は〔2〕に記載の反射防止性能を有する光学フィルム、
を提供するものである。
シルエチレン構造を有するオリゴマーでの処理における該オリゴマーの使用量は、シリカ100質量部に対して、3〜30質量部の範囲であることが好ましい。3質量部以上であると、該オリゴマーによるシリカの処理が十分になされ、十分な耐アルカリ性を付与することができる。一方、30質量部以下であると、シリカ表面のシラノール基を過度に消失させることがなく、後に詳述するシランカップリング剤による官能基の導入を容易ならしめる。以上の観点から、シルエチレン構造を有するオリゴマーの使用量は5〜15質量部の範囲がより好ましい。
シランカップリング剤は、下記一般式(I)で表される。
R1−Si(OR2)3 ・・・(I)
ここで、R1は官能基であり、アミノプロピル基、グリシドキシ基、メタクリロキシ基、N−フェニルアミノプロピル基、メルカプト基、ビニル基などが挙げられる。R2はメチル基又はエチル基である。
なお、上記オリゴマーでの処理とシランカップリング剤での処理を同時に行うこともできる。この場合には、水又はアルコール溶媒等に上記オリゴマー及びシランカップリング剤を溶解させ、シリカ粒子と接触させることで容易に行うことができる。このような同時に処理する場合でも、オリゴマー及びシランカップリング剤の好ましい濃度等は上記と同様である。
また、本発明で使用するシリカ粒子の形状としては、特に制限はなく、球状であっても、また針状等であってもよい。
なお、本発明における平均粒子径は、直径1μm以上の粒子については、レーザー回折式粒度分布測定装置により測定したものであり、直径1μm未満の粒子については、レーザー散乱回折法粒度分布測定装置により算出したものである。また、確認のために電子顕微鏡(走査型電子顕微鏡(SEM)又は透過型電子顕微鏡(TEM))を併用しての測定であってもよい。
また、その他の電離放射線硬化性のバインダー成分である、エポキシ基含有化合物のような光カチオン重合性のモノマーやオリゴマーを用いてもよい。さらには、分子中に水酸基を残したバインダー成分を用いることもできる。この場合には、バインダー中の水酸基が、水素結合によりハードコート層等の隣接層に対する密着性を向上させることが可能となる。
これらのモノマー類やオリゴマー類は塗膜の架橋密度を高める効果が高いほか、数平均分子量が2万以下と小さいので流動性が高い成分であり、コーティング組成物の塗工適性を向上させる効果もある。
より具体的には、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケトン、1−(4−ドデシルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンゾフェノン等を例示できる。
上記光開始剤の市販品としては、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトンは「イルガキュア184」の商品名で、また、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]−フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オンは「イルガキュア127」の商品名でチバスペシャリティーケミカルズ社から入手できる。
前者は、厚膜を形成する際の光重合開始剤として有効であり、後者は、薄膜を形成する際の光重合開始剤として有効である。従って、厚膜であるハードコート層や防眩層等の形成、薄膜である屈折率制御層等の形成に際して、これらを使い分けることが好ましい。
該樹脂組成物は、反射防止フィルム又は防眩フィルムなどの光学フィルムの屈折率制御層、ハードコート層、防眩層などに好適に用いられる。
ここで用いられる透明基材としては、特に限定されず、光学フィルム用として一般に使用されるものを用いることができるが、平滑性及び耐熱性を備え、機械的強度に優れるとの点から、トリアセチルセルロース(TAC)、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等)、ジアセチルセルロース、アセテートブチレートセルロース、ポリエーテルスルホン、アクリル系樹脂(ポリメチルアクリレート、ポリメチルメタクリレート、ポリアクリレート、ポリメタクリレート等)、ポリウレタン系樹脂、ポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテル、ポリアミド、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセタール、ポリエーテルケトン、(メタ)アクリロニトリル等の各種樹脂で形成したフィルム等を好適に例示することができる。
これらのうち、複屈折のないTAC、耐熱性・耐溶剤性や機械強度の優れたPET、ポリエチレンナフタレートが好ましい。
特に好ましい態様であるTACを用いた場合、その厚さは25〜100μmの範囲が好ましい。厚さがこの範囲であると機械的強度と柔軟性のバランスが良く、製膜時のハンドリングが容易であるという利点がある。以上の観点から、TACフィルムの厚さは、30〜90μmの範囲がより好ましく、35〜80μmの範囲が特に好ましい。
ハードコート層を構成する樹脂組成物に用いる樹脂成分としては、上述の電離放射線硬化性樹脂と同様のものを用いることが好ましい。
ハードコート層の平均膜厚は、乾燥・硬化後で1〜25μmの範囲であることが好ましい。1μm以上であると、十分な鉛筆硬度が得られ、光学フィルムの強度が得られる。一方、25μm以下であると、樹脂組成物の硬化収縮によるカールが生じにくく、ハンドリング性や取り扱い性が良好である。以上の観点から、ハードコート層の平均膜厚は2〜20μmの範囲がさらに好ましい。
さらに、低屈折率層は下記式(II)を満たすことが低反射率化の点で好ましい。
(m/4)λ×0.7<n1 d1<(m/4)λ×1.3 ・・・式(II)
式中、mは正の奇数であり、n1は低屈折率層の屈折率であり、そして、d1は低屈折率層の膜厚(nm)である。また、λは波長であり、380〜680nmの範囲の値である。
なお、上記数式(II)を満たすとは、上記波長の範囲において数式(II)を満たすm(正の奇数、通常1である。)が存在することを意味している。
このシリカを含有させることによって、低屈折率層自身の強度が上がり、耐擦傷性が向上する。また、本発明のシリカは耐アルカリ性が極めて高いので、アルカリ環境下にさらされても溶出等することがない。従って、屈折率制御層に対して保護フィルム等を施さずとも、透明基材の屈折率制御層と反対側の面をけん化処理することができる。
また、該シリカ粒子の含有量は固形分換算で20〜70質量%の範囲が好ましい。
20質量%以上であると、十分な反射防止性能を有し、70質量%以下であるとシリカ微粒子間の空隙をバインダー分子が埋めることができ、十分な強度が発揮される。以上の観点から、シリカ粒子の含有量は30〜60質量%の範囲がさらに好ましい。
このようなシリカ粒子としては、日本シリカ工業(株)製の商品名NipsilやNipgel、日産化学工業(株)製のコロイダルシリカUPシリーズ(商品名)などがある。
なお、低屈折率層には、防汚性、耐水性、耐薬品性、滑り性等の特性を付与する目的で、公知のシリコーン系あるいはフッ素系の防汚剤、滑り剤等を適宜添加することもできる。
また、屈折率制御層の厚さは、50〜120nmの範囲であることが好ましい。この範囲であると屈折率が制御でき、良好な反射防止性能が得られる。以上の観点から、屈折率制御層の厚さは80〜120nmの範囲がより好ましい。なお、屈折率制御層が多層である場合には、上記厚さは1層当たりの厚さを意味する。
具体的な手順としては、透明基材にハードコート層用樹脂組成物の溶液を塗工し、乾燥して溶媒を除去し、紫外線等の電離放射線を照射して半硬化させる。次いで、ハードコート層の上に屈折率制御層形成用の樹脂組成物の溶液を塗工し、乾燥して溶媒を除去し、電離放射線を照射して完全に硬化させる。
これらの中でも、ケトン系の有機溶剤を用いるのが好ましい。ケトン系溶剤を用いて溶液を調製すると、基材表面に容易に均一に塗布することができ、かつ、塗工後において溶剤の蒸発速度が適度で乾燥むらを起こし難いので、均一な厚さの大面積塗膜を容易に得ることができる。
固形分と溶剤の合計量を100質量部とした時に、全固形分0.5〜50質量部に対して、溶剤を50〜95.5質量部、さらに好ましくは、全固形分10〜30質量部に対して、溶剤を70〜90質量部の割合で用いることにより、特に分散安定性に優れ、長期保存に適した樹脂組成物が得られる。
ここで用いる透明基材は上述の反射防止フィルムで記載したものと同様である。
このシリカを含有させることによって、該層に凹凸を付与して、防眩層としての機能を付与するものである。また、本発明のシリカは耐アルカリ性が極めて高いので、アルカリ環境下にさらされても溶出等することがない。従って、該防眩層に対して保護フィルム等を施さずとも、透明基材の防眩層と反対側の面をけん化処理することができる。
また、該シリカ粒子の含有量は固形分換算で3〜30質量%の範囲が好ましい。3質量%以上であると、十分な反射防止性能を有し、30質量%以下であるとヘイズが高くなりすぎず視認性が良い点で好ましい。以上の観点から、シリカ粒子の含有量は5〜20質量%の範囲がさらに好ましい。
また、防眩層には、上記シリカ以外にも、防眩性を付与するための透光性微粒子、必要に応じて、レベリング剤等の添加剤、屈折率調整、架橋収縮防止、鉛筆硬度を得るための無機フィラー等を含有していてもよい。
これらの透光性微粒子は、1種単独で、又は成分が異なるもの、形状が異なるもの、粒度分布が異なるものなどを2種類以上混合して用いることができる。
本発明に用いられる1種又は2種以上の透光性微粒子は、球状、例えば真球状、楕円状等のものであってよく、真球状であることがより好ましい。1種又は2種以上の透光性微粒子の各平均粒子径は、0.5〜20μmであることが好ましく、0.5〜10μmがより好ましい。
この内部散乱性は、防眩性フィルムで問題となるギラツキ(表面凹凸がレンズの働きをし、特に、画素サイズの小さい高精細ディスプレイの場合に、輝度のバラツキを生じさせ、視認性の低下を引き起こす現象)改良性を持たせることができる。
透光性樹脂とマトリックス(バインダー樹脂)の屈折率の差は0.04〜0.20が好ましい。0.04以上であると十分な光拡散効果が得られ、0.20以下であると光拡散効果が高すぎて、フィルム全体が白化してしまう。
防眩層には、更に、紫外線遮断剤、紫外線吸収剤、表面調整剤(レベリング剤)又はその他の成分が含まれていてもよい。
ここで用いる低屈折率層には、前記反射防止フィルムで用いるのと同様のものを用いることが好ましい。すなわち、低屈折率層において低屈折率を奏するための無機粒子として、本発明のシルエチレン構造を有するオリゴマーで処理した平均粒子径1〜100nmのシリカを用いることで、防眩フィルムに耐アルカリ性を付与することができ、保護フィルム等を施さずとも、透明基材の低屈折率層と反対側の面をけん化処理することができる。
なお、上記防眩フィルムの製造方法としては、上記反射防止フィルムと同様の溶媒を用いて、同様の方法で行うことができる。
(評価方法)
各実施例及び比較例で得られた光学フィルムに関して、アルカリ処理の前後のものについて、それぞれ以下の方法で評価した。アルカリ処理は、60℃の2規定水酸化ナトリウム水溶液中に2分間浸漬させることによって行った。
1.反射率の測定
5℃正反射測定装置を備えた分光光度計((株)島津製作所製「UV−3100PC」を用いて絶対反射率を測定した。なお、最低反射率は、低屈折率層の膜厚を、反射率の極小値が波長550nm付近になるように設定した際の値で評価した。
2.耐擦傷性評価試験
#0000のスチールウールを用い、荷重300gで10往復した時の傷の有無を目視
により確認した。評価基準は以下の通りとした。
○:全く傷が認められなかった
△:傷は著しくつくが、剥離は認められなかった
×:剥離が認められた
3.塗膜の透明性
JIS K 7105:1981「プラスチックの光学的特性試験方法」に準じて防眩性フィルムの最表面のヘイズ値を測定した。
4.鉛筆硬度試験
JIS K 5400に準拠して鉛筆硬度評価を行った。JIS S 6006に規定するHB〜4Hの試験用鉛筆を用いて、500gの荷重をかけての5回の試験で、傷なし、もしくは傷が1つである場合を合格とし、5回の試験での最も高い鉛筆硬度の値で評価した。
(1)耐アルカリ性処理中空シリカ分散液の調製
テトラエトキシシラン20質量部、デカエトキシテトラシロキサン30質量部、及びエチレンビストリエトキシシラン50質量部を、メチルイソブチルケトン890質量部と酢酸10質量部の混合溶媒に溶解させ、1時間攪拌することでシルエチレン構造を有するオリゴマーであるアルキレンジエトキシシランオリゴマーを合成した。
次に、中空シリカ分散液(粒径50nm、固形分20質量%、溶剤:メチルイソブチルケトン)を用意した。上記で合成したアルキレンジエトキシシランオリゴマー(シルエチレン構造を有するオリゴマー)溶液100質量部を、中空シリカ分散液500質量部に加え、50℃で4時間攪拌した。その後、遠心分離によって中空シリカを沈降させ、上澄みを取り除き洗浄した。除去したのと同量のメチルイソブチルケトンを加え、超音波によりシリカ粒子を分散させた。また、反応性を付与するために3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシランを5質量部、酢酸3質量部を加え、さらに50℃で4時間攪拌した。その後、上記の方法で遠心分離による洗浄を3回行い、さらに未反応シラノール残渣を取り除くためにトリメチルメトキシシランを5質量部、酢酸3質量部を加え、80℃で2時間攪拌した。上記の方法で遠心分離による洗浄をさらに3回行い、固形分20質量%となるようにメチルエチルケトンを加え、耐アルカリ性処理中空シリカ分散液を調製した。
上記(1)で調製した耐アルカリ性処理中空シリカ分散液15質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)2質量部、及び光重合開始剤(イルガキュア127(商品名)、チバスペシャリティケミカルズ社製)0.08質量部を、メチルイソブチルケトン82.9質量部に溶解して、低屈折率層形成用樹脂組成物を得た。
ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)30.0質量部、及び光重合開始剤(イルガキュア907(商品名)、チバスペシャリティケミカルズ社製)1.5質量部を、メチルイソブチルケトン73.5質量部に溶解して、ハードコート層形成用樹脂組成物を得た。
透明基材である、厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に上記(3)で製造したハードコート層形成用樹脂組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置(システムジャパン(株)製「フュージョンUV」、光源Hバルブ)を用いて照射線量約20mJ/cm2で紫外線照射を行い、ハードコート層を半硬化させて、膜厚10μmのハードコート層を透明基材上に作製した。
次いで、上記(2)にて調製した低屈折率層形成用樹脂組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置を用いて照射線量約200mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて、ハードコート層上に約100nmの低屈折率層を作製した。該反射防止フィルムについて、耐アルカリ性試験前後の物性評価結果を第1表に示す。
実施例1において、(1)の耐アルカリ性処理を行わず、中空シリカ分散液(粒径50nm、固形分20質量%、溶剤:メチルイソブチルケトン)をそのまま用いたこと以外は実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
実施例1において、(1)の耐アルカリ性処理中空シリカ分散液に代えて、シランカップリング剤(信越シリコーン社製「KBM−5103」)で処理を行って得た、シランカップリング処理中空シリカ分散液を用いたこと以外は実施例1と同様にして反射防止フィルムを作製した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
(1)耐アルカリ性処理シリカ分散液の調製
テトラエトキシシラン20質量部、デカエトキシテトラシロキサン30質量部、及びエチレンビストリエトキシシラン50質量部を、メチルイソブチルケトン890質量部と酢酸10質量部の混合溶媒に溶解させ、1時間攪拌することでアルキレンジエトキシシランオリゴマー(シルエチレン構造を有するオリゴマー)を合成した。
次に、コロイダルシリカ分散液(平均粒子径5μm、固形分50質量%、溶剤:メチルイソブチルケトン)を用意した。上記で合成したアルキレンジエトキシシランオリゴマー(シルエチレン構造を有するオリゴマー)溶液100質量部及びコロイダルシリカ分散液200質量部を、メチルイソブチルケトン300質量部に加え、50℃で4時間攪拌した。その後、遠心分離によってシリカを沈降させ、上澄みを取り除き洗浄した。除去したのと同量のメチルイソブチルケトンを加え、超音波によりシリカ粒子を分散させた。また、反応性を付与するために3−アクリロキシプロピルジメチルメトキシシランを5質量部、酢酸3質量部を加え、さらに50℃で4時間攪拌した。その後、上記の方法で遠心分離による洗浄を3回行い、さらに未反応シラノール残渣を取り除くためにトリメチルメトキシシランを5質量部、酢酸3質量部を加え、80℃で2時間攪拌した。上記の方法で遠心分離による洗浄を3回行い、固形分50質量%となるようにメチルエチルケトンを加え、耐アルカリ性処理分散液を調製した。
上記(1)で調製した耐アルカリ性処理シリカ分散液20質量部、ペンタエリスリトールトリアクリレート(PETA)85質量部、透過性微粒子(アクリルビーズ、粒径3.5μm)5質量部、及び光重合開始剤(イルガキュア184(商品名)、チバスペシャリティケミカルズ社製)5質量部を、トルエン40質量部及びメチルイソブチルケトン150質量部からなる混合溶媒に溶解して、防眩層形成用樹脂組成物を得た。
透明基材である、厚さ80μmのトリアセチルセルロース(TAC)フィルム上に上記(2)で製造した防眩層形成用樹脂組成物をバーコーティングし、乾燥により溶剤を除去した。その後、紫外線照射装置(システムジャパン(株)製「フュージョンUV」、光源Hバルブ)を用いて照射線量約100mJ/cm2で紫外線照射を行い、塗膜を硬化させて防眩フィルムを作製した。該防眩フィルムについて、耐アルカリ性試験前後の物性評価結果を第1表に示す。
実施例2において、(1)の耐アルカリ性処理を行わず、コロイダルシリカ分散液(平均粒子径5μm、固形分50質量%、溶剤:メチルイソブチルケトン)をそのまま用いたこと以外は実施例2と同様にして反射防止フィルムを作製した。実施例1と同様に評価した結果を第1表に示す。
11.透明基材
12.ハードコート層
13.低屈折率層
20.反射防止フィルム
21.透明基材
22.ハードコート層
23.低屈折率層
24.中屈折率層
25.高屈折率層
30.防眩フィルム
31.透明基材
32.防眩層
33.低屈折率層
34.シリカ粒子
Claims (3)
- 透明基材上に電離放射線硬化性樹脂バインダーにシリカ粒子を3〜70質量%含有した樹脂組成物を塗工してなる屈折率制御層を有する光学フィルムであって、
前記シリカ粒子は、平均粒子径が1〜100nmの中空構造を有し、かつシルエチレン構造を有するオリゴマーで処理した粒子であり、
該シルエチレン構造を有するオリゴマーが、シルエチレン基をもつシリカ化合物と他のシラン化合物の共重合比が40:60〜60:40(質量比)の共重合体である、
反射防止性能を有する光学フィルム。 - 前記シリカ粒子がシリカ100質量部に対し、前記シルエチレン構造を有するオリゴマー3〜30質量部で処理されてなる請求項1に記載の反射防止性能を有する光学フィルム。
- 前記シリカ粒子がさらにシリカ100質量部に対しシランカップリング剤1〜10質量部で処理されてなる請求項1又は2に記載の反射防止性能を有する光学フィルム。
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