JP5022962B2 - 頭髪洗浄料 - Google Patents
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Z−{O−[(AO)a−(EO)b]−R}2 (I)
(式中、Zは、ダイマージオールから水酸基を除いた残基、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、これらの付加形態はブロック状である。aおよびbは、各々前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦2×a≦150、1≦2×b≦150であり、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は10〜99質量%である。Rは、同一もしくは異なってもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。)
また、本発明にかかる頭髪洗浄料は、アルキレンオキシド誘導体のZが炭素数24〜48のダイマージオール残基であることが好適である。
本発明において、「頭髪洗浄料」とは、頭皮頭髪において使用する、洗浄効果が認められる組成物を意味するものであり、頭髪の洗浄作用がない、単なるヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー等は除外するものとする。ただし、本発明の「頭髪洗浄料」の範囲は、その頭髪洗浄料の洗浄効果があるか否かによって区別されるものであり、商品名によって区別されるものではない。例えば、洗浄作用が認められるリンスインシャンプー等も本発明の「頭髪洗浄料」に含まれる。
本発明にかかる頭髪洗浄料は、下記一般式(I)で示される特定構造のアルキレンオキシド誘導体(ブロック型アルキレンオキシド/エチレンオキシド−ダイマージオールエーテル)を0.01〜15質量%含むものである。
Z−{O−[(AO)a−(EO)b]−R}2 (I)
式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体において、Zは、ダイマージオールから水酸基を除いた残基、EOはオキシエチレン基である。AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、例として、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、オキシイソブチレン基、オキシt−ブチレン基などが挙げられる。好ましくは、オキシプロピレン基、オキシブチレン基、さらに好ましくはオキシブチレン基である。これらの付加形態はブロック状である。
また、オキシエチレン基と炭素数3〜4のオキシアルキレン基の付加形態はブロック状である。ランダム状であると、使用感触に劣るほか、頭髪洗浄乾燥後のサラサラ感が得られない傾向がある。付加順序はダイマージオールに対して、AO、EOの順で結合しているのが好ましい。
本発明に用いられるダイマージオールの原料となるダイマー酸は、例えば、不飽和脂肪酸又はその低級アルコールエステルを重合することによって得られる二量体である。具体的にはオレイン酸、リノール酸、リノレイン酸等の不飽和脂肪酸又はこれらの低級アルコールのエステルをディールス・アルダー反応のような熱重合により反応させる方法又はその他の反応方法によって合成できる。生成したダイマー酸中に本発明の効果を損なわない範囲であれば未反応の脂肪酸が残っていても構わない。
ダイマージオールは、動物油脂由来及び植物油脂由来のものが流通しているが、本発明では何れも使用できるが、植物油脂由来のものがより好ましい。このようなダイマージオールとしては、コグニス・ジャパン社製Sovermol 908、ユニケマ社製PRIPOL 2033、東亞合成(株)製ぺスポールHP−1000などが例示できる。
なお、上記POE、POP、POBは、それぞれポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシブチレンの略であり、以下、このように略して記載することがある。また、上記POE、POP、POBの付加モル数は、それぞれ分子中の総付加モル数であり、すなわち、2×a,2×bの値として表記している。
本発明にかかる頭髪洗浄料においては、上記特定構造のアルキレンオキシド誘導体とともに、界面活性剤としてココイルメチルタウリン塩が配合される。なお、塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等が挙げられる。ココイルメチルタウリン塩の配合量は、頭髪洗浄料全量中1〜20質量%であり、より好ましくは1〜15質量%である。1質量%未満では、例えば、スタイリング剤を塗布した頭髪に対して洗髪した場合、泡立ちが劣る傾向があり、また20質量%を超えて配合すると、使用後の乾燥時にきしみ若しくはぬめり感を生じる場合がある。
あるいは、本発明にかかる頭髪洗浄料においては、上記特定構造のアルキレンオキシド誘導体とともに、界面活性剤としてポリオキシエチレンラウリル硫酸塩が配合される。なお、塩としては、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩、トリエタノールアミン塩等が挙げられる。ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩のポリオキシエチレン付加モル数に特に制限は無いが、より好ましくは1〜5モルである。ポリオキシエチレンラウリル硫酸塩の配合量は、頭髪洗浄料全量中1〜20質量%であり、より好ましくは1〜15質量%である。1質量%未満では、例えば、スタイリング剤を塗布した頭髪に対して洗髪した場合、泡立ちが劣る傾向があり、また20質量%を超えて配合すると、使用後の乾燥時にべたつき若しくはぬめり感を生じる場合がある。
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
アニオン界面活性剤としては、例えば、脂肪酸セッケン(例えば、ラウリン酸ナトリウム、パルミチン酸ナトリウム等);高級アルキル硫酸エステル塩(例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸カリウム等);アルキルエーテル硫酸エステル塩(例えば、POEラウリル硫酸トリエタノールアミン等);リン酸エステル塩(POEオレイルエーテルリン酸ナトリウム、POEステアリルエーテルリン酸等);スルホコハク酸塩(例えば、ジ−2−エチルヘキシルスルホコハク酸ナトリウム、モノラウロイルモノエタノールアミドポリオキシエチレンスルホコハク酸ナトリウム、ラウリルポリプロピレングリコールスルホコハク酸ナトリウム等);アルキルベンゼンスルホン酸塩(例えば、リニアドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、リニアドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、リニアドデシルベンゼンスルホン酸等);高級脂肪酸エステル硫酸エステル塩(例えば、硬化ヤシ油脂肪酸グリセリン硫酸ナトリウム等);N−アシルグルタミン酸塩(例えば、N−ラウロイルグルタミン酸モノナトリウム、N−ステアロイルグルタミン酸ジナトリウム、N−ミリストイル−L−グルタミン酸モノナトリウム等);硫酸化油(例えば、ロート油等);POEアルキルエーテルカルボン酸;POEアルキルアリルエーテルカルボン酸塩;α−オレフィンスルホン酸塩;高級脂肪酸エステルスルホン酸塩;二級アルコール硫酸エステル塩;高級脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩;ラウロイルモノエタノールアミドコハク酸ナトリウム;N−パルミトイルアスパラギン酸ジトリエタノールアミン;カゼインナトリウム等が挙げられる。
アミノ酸としては、例えば、中性アミノ酸(例えば、スレオニン、システイン等);塩基性アミノ酸(例えば、ヒドロキシリジン等)等が挙げられる。また、アミノ酸誘導体として、例えば、アシルサルコシンナトリウム(ラウロイルサルコシンナトリウム)、アシルグルタミン酸塩、アシルβ−アラニンナトリウム、グルタチオン、ピロリドンカルボン酸等が挙げられる。
洗髪乾燥後の、髪のなめらかさの有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施し、自然乾燥後の髪のなめらかさと洗髪前の状態を比較法により官能評価した。評価基準は以下の通りである。
◎…専門パネラー8名以上が洗髪前よりもなめらかと認めた。
○…専門パネラー6名以上8名未満が洗髪前よりもなめらかと認めた。
△…専門パネラー3名以上6名未満が洗髪前よりもなめらかと認めた。
×…専門パネラー3名未満が洗髪前よりもなめらかと認めた。
洗髪乾燥後の、髪のサラサラ感の有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施し、自然乾燥後の髪のサラサラ感と洗髪前の状態を比較法により官能評価した。評価基準は以下の通りである。
◎…専門パネラー8名以上が洗髪前よりもサラサラ感があると認めた。
○…専門パネラー6名以上8名未満が洗髪前よりもサラサラ感があると認めた。
△…専門パネラー3名以上6名未満が洗髪前よりもサラサラ感があると認めた。
×…専門パネラー3名未満が洗髪前よりもサラサラ感があると認めた。
70ppmの塩化カルシウム水溶液に、各試験例処方を3%ずつ溶かし、この溶液それぞれ400mLをミキサーで攪拌して60秒後の泡の高さを計測し、これを起泡力とした。評価基準は以下の通りである。
◎…2400mL以上
○…2000mL以上、2400mL未満
△…1500mL以上、2000mL未満
×…1500mL未満
洗髪後の洗浄効果感の有無を専門パネラー10名により実使用試験を実施した。なおパネラーには普段使用しているスタイリング剤を適量塗布させた。評価基準は以下の通りである。
◎…専門パネラー8名以上が、洗髪後洗浄効果があると認めた。
○…専門パネラー6名以上8名未満が、洗髪後洗浄効果があると認めた。
△…専門パネラー3名以上6名未満が、洗髪後洗浄効果があると認めた。
×…専門パネラー3名未満が、洗髪後洗浄効果があると認めた。
つづいて、本発明に用いたアルキレンオキシド誘導体の合成方法を示す。なお、オキシアルキレン基及びオキシエチレン基の付加モル数については、それぞれ2×a,2×bの値として表記する。
化合物1:POB(18モル)POE(41モル)ジメチルダイマージオールエーテル
Z−{O−[(AO)a−(EO)b]−R}2
(Z;炭素数36のダイマージオール(リノール酸由来)残基、AO;オキシブチレン基、2×a=18、2×b=41、R=メチル基、EO/(AO+EO)=58.2質量%
)
ダイマージオール270g(0.50モル、商品名:コグニス・ジャパン(株)製So
vermol 908、リノール酸由来のダイマージオール)と水酸化カリウム6.0g
をオートクレーブ中に仕込み、オートクレーブ中の空気を乾燥窒素で置換した後、攪拌し
ながら140℃にて触媒を完全に溶解させた。引き続き、120℃、0.2〜0.5MP
a(ゲージ圧)にて、滴下装置よりブチレンオキシド650gを滴下させ、3時間撹拌し
た。続いて120℃、0.2〜0.5MPa(ゲージ圧)にて滴下装置よりオキシエチレ
ン905gを滴下させ、2時間攪拌した。次に、水酸化カリウム100gを仕込み、系内
を乾燥窒素で置換した後、塩化メチル60gを温度80〜130℃、0.3MPa(ゲー
ジ圧)にて圧入し6時間反応させた。その後オートクレーブより反応物を取り出し、塩酸
で中和してpH6〜7とし、含有する水分を100℃で1時間処理することで除去した。
さらに処理後生成した塩を除去するためにろ過を行い、化合物1を得た。
〜6を製造した。
6を用い、下記試験用基本組成に示した配合組成からなる各試験例の頭髪洗浄料を常法により製造し、上記の評価(1)〜(4)について評価試験を行なった。結果を下記表2及び表3に示す。
ヘアシャンプー
(1)ポリオキシエチレン(EO平均3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム
10.0質量%
(2)ヤシ脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタインナトリウム
7.0
(3)試験化合物 5.0
(4)カチオン化セルロースエーテル 3.0
(5)色剤 適 量
(6)香料 適 量
(7)精製水 残 余
これに対して、表3に示されているように、オキシエチレン部のみであるアルキレンオキシド誘導体(比較化合物1)を配合した試験例6は、(1)〜(4)のいずれの項目においても劣るものであった。また、オキシブチレン部のみであるアルキレンオキシド誘導体(比較化合物2)を配合した試験例7は、試験用基本処方への溶解性も悪く、また(1)〜(4)のいずれの評価項目においても劣るものであった。
なお、本発明者らは、本発明の頭髪化粧料に対する界面活性剤の種類による影響について検討するため、前記基本組成において、界面活性剤であるPOE(3モル)ラウリルエーテル硫酸ナトリウムに変えて、下記表5に示す界面活性剤を配合したときの試験結果を同表にしめす。
ポリオキシエチレンラウリル硫酸トリエタノールアミン塩 10.0質量%
ラウリン酸ジエタノールアミド 5.0
ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン 5.0
エチレングリコールジステアレート 3.0
プロピレングリコール 2.0
安息香酸ナトリウム 0.5
化合物3 2.0
色剤 適 量
香料 適 量
精製水 残 余
ココイルメチルタウリンナトリウム 20.0質量%
ドデカン−1,2−ジオール酢酸エーテルナトリウム 3.0
N-ラウロイル-N’-カルボキシメチル-N’-
(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミンナトリウム 8.0
ヤシ脂肪酸ジエタノールアミド 3.0
化合物1 5.0
安息香酸ナトリウム 0.5
色剤 適 量
香料 適 量
精製水 残 余
Claims (3)
- 下記一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体0.01〜15質量%と、
ココイルメチルタウリン塩及び/又はポリオキシエチレンラウリル硫酸塩1〜20質量%と
を含有することを特徴とする頭髪洗浄料。
Z−{O−[(AO)a−(EO)b]−R}2 (I)
(式中、Zは、ダイマージオールから水酸基を除いた残基、EOはオキシエチレン基、AOは炭素数3〜4のオキシアルキレン基であり、これらの付加形態はブロック状である。aおよびbは、各々前記オキシアルキレン基、オキシエチレン基の平均付加モル数で、1≦2×a≦150、1≦2×b≦150であり、炭素数3〜4のオキシアルキレン基とオキシエチレン基の合計に対するオキシエチレン基の割合は10〜99質量%である。Rは、同一もしくは異なってもよい炭素数1〜4の炭化水素基である。) - 請求項1に記載の頭髪洗浄料において、一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体のAOがオキシブチレン基であることを特徴とする頭髪洗浄料。
- 請求項1又は2に記載の頭髪洗浄料において、一般式(I)で示されるアルキレンオキシド誘導体のZが炭素数24〜48のダイマージオール残基であることを特徴とする頭髪洗浄料。
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